JP2009292702A - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チョクラルスキー法により、特に直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶を、育成中に破裂することなく育成できる、高品質シリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】チャンバ12に収容されたるつぼ13にシリコン融液15を貯留し、このシリコン融液15に種結晶22を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶22から無転位のシリコン単結晶11を引上げて育成する。チャンバ12内にアルゴンガスのみからなる不活性ガスを流通させる。またシリコン単結晶11の引上げ速度を制御することにより、シリコン単結晶11とシリコン融液15との固液界面33上であってシリコン単結晶11の中心部での熱応力を50MPa以下とする。
【選択図】図1
【解決手段】チャンバ12に収容されたるつぼ13にシリコン融液15を貯留し、このシリコン融液15に種結晶22を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶22から無転位のシリコン単結晶11を引上げて育成する。チャンバ12内にアルゴンガスのみからなる不活性ガスを流通させる。またシリコン単結晶11の引上げ速度を制御することにより、シリコン単結晶11とシリコン融液15との固液界面33上であってシリコン単結晶11の中心部での熱応力を50MPa以下とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という。)により高品質のシリコン単結晶、特に直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶を引上げて育成する方法に関するものである。
半導体材料のシリコンウェーハの素材であるシリコン単結晶を製造するには、CZ法によるシリコン単結晶の育成方法が広く採用されている。このCZ法によるシリコン単結晶の育成では、一般的に次のように行われる。減圧雰囲気にされた引上げ装置内において、るつぼ内に充填されたシリコン原料を、るつぼを囲繞するヒータにより加熱して融解する。るつぼ内にシリコン融液が貯留されると、るつぼの上方に吊下げられた種結晶を下降させてシリコン融液に浸漬する。この状態から種結晶及びるつぼをそれぞれ所定の方向に所定の回転速度で回転させながら種結晶を徐々に引上げることにより、種結晶からシリコン単結晶が育成される。
シリコン単結晶の育成では、先ず種結晶の直下に形成されたネック部から所望の直径まで逐次直径を増加させた円錐状のショルダ部が形成され、次いでシリコンウェーハの製品として取扱われる所望の直径の直胴部が形成され、次に育成の最終段階で転位の導入を防止するために直胴部から逐次直径を減少させた逆円錐状のテイル部が形成され、更にテイル部の下端でシリコン単結晶がシリコン融液から切り離される。
近年、シリコン単結晶の大口径化が推進され、直径300mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶が既に製造されており、また直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶が製造されようとしている(例えば、非特許文献1参照。)。
『先端LSIが要求するウェーハ技術の現状』最新シリコンデバイスと結晶技術、発行:リアライズ理工センター/リアライズAT株式会社、著者:スーパーシリコン研究所 林信行、発行日:2005年12月29日、第3章「結晶技術」、1.5「450mm径を想定した結晶技術課題」(第243頁及び第244頁)
『先端LSIが要求するウェーハ技術の現状』最新シリコンデバイスと結晶技術、発行:リアライズ理工センター/リアライズAT株式会社、著者:スーパーシリコン研究所 林信行、発行日:2005年12月29日、第3章「結晶技術」、1.5「450mm径を想定した結晶技術課題」(第243頁及び第244頁)
上記のように、直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶のように、引上げる直胴部の直径が大きくなれば、シリコン単結晶のみならずシリコン単結晶の引上げ装置も大型化し、熱容量が増大して、シリコン単結晶中の温度勾配(G)が小さくなり、シリコン単結晶が徐冷化されることになる。ここで、引上げ速度の増大に伴ってシリコンの凝固潜熱が増加することが問題になる。前述のように、シリコン単結晶中の温度勾配(G)が小さくなっているため、発生する潜熱の放逸が進まず、熱収支の均衡を確保するためにシリコン単結晶及びシリコン融液の固液界面が上側に大きく凸となる形状になってしまう。その結果、引上げ中のシリコン単結晶に大きな熱応力が発生し、シリコン単結晶の引上げ中の温度での限界強度を上回ることになり、引上げ中のシリコン単結晶の破壊が生じるおそれがある。
そこで、シリコン単結晶の徐冷化を防ぐため、引上げ中のシリコン単結晶の熱環境を急冷する構成に変更することも考えられる。そのためには、シリコン原料を貯留するるつぼの高さ等を小さくすることが必要である。るつぼの高さを変更した場合のシリコン単結晶の温度分布を図4に示す。図4から明らかなように、るつぼの高さを低くすることで、直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶の引上げ中の温度分布を、直径300mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶の引上げ中の温度分布とほぼ同等にすることが可能であるけれども、この場合、るつぼに貯留できるシリコン融液の量が制限されてしまう。
一方、引上げるシリコン単結晶の直胴部の直径が大きくなれば、ショルダ部及びテイル部の各寸法や各重量も増大する。そのため、同一形状のるつぼを使用して得られた同一量のシリコン融液からシリコン単結晶を引上げたときの歩留まりは、直胴部の直径の増大に伴って低下する。シリコン単結晶の直胴部の直径に対する歩留まりの変化を図5のグラフに示す。図5において、縦軸の『理想歩留まり』は、次の計算により求められる。先ず所望のシリコン単結晶を引上げた後で、当初のシリコン原料のるつぼへの充填重量から、引上げた後のシリコン単結晶のショルダ部とテイル部とるつぼに残留するシリコン原料の重量を差引いて、外周研削前の直胴部の重量を求める。次いでこの重量から外周研削分を除いた直胴部の重量を求め、これを上記充填重量で除算する。例えば、図5から明らかなように、単結晶の歩留まり(任意単位)として0.6を得ようとする場合、直径300mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶の初期原料量に対して直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶の初期原料量はその3倍以上必要である。また、直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶の引上げる場合において、直径300mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶とほぼ同等の温度分布を得るために必要な、るつぼの直径に対するるつぼの高さの比が0.5以下となる条件を満たすには、るつぼの直径が極めて大きくなってしまい現実性がない。
また直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶では、直径300mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶より直径が大きくなり、径方向での温度差が大きくなるため、シリコン単結晶内の温度分布によっては熱応力が大きくなって、結晶割れや有転位化が発生し易くなる。
本発明の目的は、育成中にシリコン単結晶が破裂することなく、高品質のシリコン単結晶を得ることができる、シリコン単結晶の育成方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、チャンバに収容されたるつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶から無転位のシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法の改良である。その特徴ある構成は、チャンバ内にアルゴンガスのみからなる不活性ガスを流通させ、シリコン単結晶の引上げ速度を制御することにより、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力を50MPa以下とするところにある。請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、シリコン単結晶が直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、チャンバに収容されたるつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、種結晶からシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法の改良である。その特徴ある構成は、チャンバ内にアルゴンガスのみからなる不活性ガスを流通させ、シリコン単結晶の引上げ速度を制御することにより、育成中のシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下とするところにある。請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、シリコン単結晶が直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、育成中にシリコン単結晶が破裂することなく、高品質のシリコン単結晶を得ることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、シリコン単結晶を育成する装置は、内部を真空可能に構成されたメインチャンバ12と、このチャンバ12内の中央に設けられたるつぼ13とを備える。メインチャンバ12は円筒状の真空容器である。またるつぼ13は、石英により形成されシリコン融液15が貯留される有底円筒状の内層容器13aと、黒鉛により形成され上記内層容器13aの外側に嵌合された有底円筒状の外層容器13bとからなる。外層容器13bの底部にはシャフト14の上端が接続され、このシャフト14の下端にはシャフト14を介してるつぼ13を回転させかつ昇降させるるつぼ駆動手段16が設けられる。更にるつぼ13の外周面は円筒状のヒータ17によりるつぼ13の外周面から所定の間隔をあけて包囲され、このヒータ17の外周面は円筒状の保温筒18によりヒータ17の外周面から所定の間隔をあけて包囲される。
一方、メインチャンバ12の上端には、内部が連通するようにメインチャンバ12より小径の円筒状のプルチャンバ19が接続される。またメインチャンバ12にはプルチャンバ19を通して引上げ軸21が回転可能かつ昇降可能に垂設され、この引上げ紬21の下端には種結晶22がシードチャック23に着脱可能に装着される。この種結晶22の下端をシリコン融液15中に浸漬した後、種結晶22及びるつぼ13をそれぞれ回転させかつ上昇させることにより、種結晶22の下端からシリコン単結晶11を引上げて成長させるように構成される。
メインチャンバ12内にはアルゴンガスのみからなる不活性ガスを流通される。不活性ガスはプルチャンバ19の側壁に接続されたガス供給パイプ26を通ってプルチャンバ19内に導入され、メインチャンバ12の下壁に接続されたガス排出パイプ27を通ってメインチャンバ12外に排出されるように構成される。またメインチャンバ12内には、シリコン単結晶11外周面へのヒータ17の輻射熱の照射を遮るとともに、上記不活性ガスを整流するための熱遮蔽体28が設けられる。この熱遮蔽体28は、下方に向うに従って直径が次第に小さくなりかつシリコン融液15から引上げられるシリコン単結晶11の外周面をこの外周面から所定の間隔をあけて包囲する円錐台状の筒体28aと、この筒体28aの上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ部28bとを有する。筒部28aとフランジ部28bの各内部には断熱材が設けられ、その周囲はカーボンで被覆される。また熱遮蔽体28は、フランジ部28bを保温筒18上にリング板28cを介して載置することにより、筒体28aの下縁がシリコン融液15表面から所定のギャップGをあけて上方に位置するようにメインチャンバ12内に固定される。
一方、シリコン融液15には横磁場29を印加しながらシリコン単結晶11を引上げるように構成される。この横磁場29は、同一のコイル直径を有する第1及び第2コイル31,32を、るつぼ13の外周面から水平方向に所定の間隔をあけた外側方に、るつぼ13を中心として互いに対向するように配設し、これらのコイル31,32にそれぞれ同一向きの電流を流すことにより発生する。また上記横磁場の磁場強度はシリコン融液15表面とるつぼ13の中心軸との交点で測定され、その磁場強度が0.25〜0.45テスラ、好ましくは0.30〜0.40テスラとなるように、第1及び第2コイル31,32に流れる電流が制御される。上記磁場強度を0.25〜0.45テスラの範囲に限定したのは、0.25テスラ未満では融液流れを抑制する効果が薄れ単結晶の直径の制御性が乱れることがあり、また酸素濃度等の結晶品質も一定範囲に制御することが困難となり、0.45テスラを超えると磁場強度が強いため、漏れ磁場が大きくなって、単結晶引上げ装置や環境に悪影響を与えたり磁場印加装置の設備コストが高くなるからである。
このように構成された装置を用いてシリコン単結晶11を育成する方法を説明する。上記装置により育成されるシリコン単結晶11の直径を例えば458mmに設定する。また上記シリコン単結晶11とシリコン融液15表面との間のギャップGを40〜100mm、好ましくは60〜90mmに設定する。ここで、ギャップGを40〜100mmの範囲に限定したのは、40mm未満では単結晶が急冷されて単結晶が破壊し易くなり、100mmを超えると単結晶が徐冷されて単結晶の育成が難しくなるからである。
更にシリコン単結晶11の引上げ速度Vを制御することにより、シリコン単結晶11とシリコン融液15との固液界面33上であってシリコン単結晶11の中心部での熱応力を50MPa以下、好ましくは48MPa以下とする。ここで、固液界面33上であってシリコン単結晶11の中心部での熱応力を50MPa以下に限定したのは、50MPaを超えると直径450mmシリコンウェーハ用の無転位のシリコン単結晶11が熱応力により引上げ中に破裂するおそれがあるからである。このため直径450mmシリコンウェーハ用の無転位のシリコン単結晶11の引上げ速度は0.77mm/分以下、好ましくは0.75mm/分以下に設定される。なお、引上げ途中でシリコン単結晶が有転位化した直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶の場合には、育成中のシリコン単結晶11外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下、好ましくは36MPa以下とする。ここで、育成中のシリコン単結晶11外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下に限定したのは、37MPaを超えると有転位化した直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン結晶にクラックが発生するおそれがあるからである。このため有転位化した直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶11の引上げ速度は、外径36インチのるつぼ13を用いた場合0.75mm/分以下、好ましくは0.74mm/分以下に設定され、外径40インチのるつぼ13を用いた場合0.52mm/分以下、好ましくは0.51mm/分以下に設定される。シリコン単結晶が有転位化したか否かは晶癖線が消失したか否かにより判断できる。即ち、引上げ中の無転位である(100)面シリコン単結晶の外周面には、晶癖線が引上げ方向に90度毎に出現するけれども、シリコン単結晶が有転位化すると、上記晶癖線が消えるため、シリコン単結晶の晶癖線が消えた部分は有転位化したと判断できる。
このように構成されたシリコン単結晶11の育成方法では、育成中にシリコン単結晶11が破裂することなく、高品質の直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶11を得ることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径36インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力である。
<実施例2>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径36インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力である。
<試験1>
実施例1及び実施例2の引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を図2にプロットした。なお、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力が50MPaを超えると、シリコン単結晶が育成中に破裂することが分かっており、シリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力が37MPaを超えると、シリコン単結晶が有転位化した場合、有転位化部位でクラックが発生することが分かっている。図2から明らかなように、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力を50MPa以下とするには、引上げ速度を0.77mm/分以下にしなければならないことが分かった。またシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下とするには、引上げ速度を0.75mm/分以下にしなければならないことが分かった。
<実施例1>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径36インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力である。
<実施例2>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径36インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力である。
<試験1>
実施例1及び実施例2の引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を図2にプロットした。なお、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力が50MPaを超えると、シリコン単結晶が育成中に破裂することが分かっており、シリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力が37MPaを超えると、シリコン単結晶が有転位化した場合、有転位化部位でクラックが発生することが分かっている。図2から明らかなように、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力を50MPa以下とするには、引上げ速度を0.77mm/分以下にしなければならないことが分かった。またシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下とするには、引上げ速度を0.75mm/分以下にしなければならないことが分かった。
<実施例3>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径40インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力である。
<実施例4>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径40インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力である。
<試験2>
実施例3及び実施例4の引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を図3にプロットした。なお、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力が50MPaを超えると、シリコン単結晶が育成中に破裂することが分かっており、シリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力が37MPaを超えると、シリコン単結晶が有転位化した場合、有転位化部位にクラックが発生することが分かっている。図3から明らかなように、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力を50MPa以下とするには、引上げ速度を0.78mm/分以下にしなければならないことが分かった。またシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下とするには、引上げ速度を0.52mm/分以下にしなければならないことが分かった。
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径40インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力である。
<実施例4>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、外径40インチのるつぼを用いて直径458mmのシリコン単結晶を引上げた。その結晶温度分布を用いて、引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を計算により求めた。ここで、熱応力はシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力である。
<試験2>
実施例3及び実施例4の引上げ速度の変化に対する熱応力の変化を図3にプロットした。なお、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力が50MPaを超えると、シリコン単結晶が育成中に破裂することが分かっており、シリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力が37MPaを超えると、シリコン単結晶が有転位化した場合、有転位化部位にクラックが発生することが分かっている。図3から明らかなように、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面上であってシリコン単結晶の中心部での熱応力を50MPa以下とするには、引上げ速度を0.78mm/分以下にしなければならないことが分かった。またシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下とするには、引上げ速度を0.52mm/分以下にしなければならないことが分かった。
11 シリコン単結晶
12 メインチャンバ(チャンバ)
13 るつぼ
15 シリコン融液
22 種結晶
33 固液界面
12 メインチャンバ(チャンバ)
13 るつぼ
15 シリコン融液
22 種結晶
33 固液界面
Claims (4)
- チャンバに収容されたるつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、前記種結晶から無転位のシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法において、
前記チャンバ内にアルゴンガスのみからなる不活性ガスを流通させ、
前記シリコン単結晶の引上げ速度を制御することにより、前記シリコン単結晶と前記シリコン融液との固液界面上であって前記シリコン単結晶の中心部での熱応力を50MPa以下とする
ことを特徴とする前記シリコン単結晶。 - シリコン単結晶が直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶である請求項1記載のシリコン単結晶の育成方法。
- チャンバに収容されたるつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して回転させながら引上げることにより、前記種結晶からシリコン単結晶を引上げて育成するシリコン単結晶の育成方法において、
前記チャンバ内にアルゴンガスのみからなる不活性ガスを流通させ、
前記シリコン単結晶の引上げ速度を制御することにより、前記育成中のシリコン単結晶外周部であって温度1000℃の位置での熱応力を37MPa以下とする
ことを特徴とする前記シリコン単結晶。 - シリコン単結晶が直径450mmシリコンウェーハ用のシリコン単結晶である請求項3記載のシリコン単結晶の育成方法。
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---|---|---|---|---|
JP2010024129A (ja) * | 2008-06-16 | 2010-02-04 | Sumco Corp | シリコン単結晶の育成方法 |
JP2013043809A (ja) * | 2011-08-25 | 2013-03-04 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 炭素ドープシリコン単結晶の製造方法 |
WO2021162046A1 (ja) * | 2020-02-14 | 2021-08-19 | グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 | シリコン単結晶の製造方法 |
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