JP2009290313A - ヘッドホン及びヘッドホンのアーム固定方法 - Google Patents

ヘッドホン及びヘッドホンのアーム固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構造でありながら、アーム部の無段階調節及び調節位置の確実な保持が可能な調節機構を有するヘッドホンを提供する。
【解決手段】ヘッドバンドの両端にスピーカを保持するスピーカユニットが取り付けられているヘッドホンにおいて、ヘッドバンドをスピーカユニットのアームが無段階的にスライド可能に構成する。ヘッドホンにはアームのスライドを規制する規制部材が設けられる。ヘッドバンドに規制部材をガイドするガイド溝を設け、ユーザの操作により可動される規制部材をガイド可能に構成する。ユーザの操作により可動される規制部材はアームに当接し、押圧力によってそのスライドを規制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヘッドホン及びヘッドホンのアーム固定方法に関する。
従来から、バンド部を介して連結された一対のスピーカユニットが、ユーザの両耳に当てられ、バンド部が頭部に載置されることにより支持される形態のヘッドホンが多く存在する。これらのヘッドホンの多くは、ユーザの頭部に適合するように、バンド部と各スピーカユニットとの距離を容易に調節することが可能な構造を有している。このバンド部を調節する構造は、一般的には、バンド部と、スピーカが設けられている部材とが伸縮動することによって達成される。
例えば、特許文献1に記載のヘッドホンでは、ヘッドバンドの両端に形成されている一対のアーム部が、一対のヘッドホン本体と一体的に形成されている筒状のハンガーに、それぞれスライド自在に挿入されている。ハンガーには、連続する波型の凹凸が形成され、アーム部には、係合凸部を有する弾性片が形成されている。この弾性片のばね力によって、係合凸部がハンガーの連続凹凸部に圧接し、アーム部をハンガーに対してスライドさせると、係合凸部が連続凹凸部を乗り越える。これによって、アーム部がハンガーに対して段階的にスライドする。
一方、このような段階的調節機構ではなく、無段階調節機構を採用したヘッドホン装置が開示されている。例えば、特許文献2に記載のヘッドホン装置では、弾性を有するヘッドバンドの両端に一対のヘッドホンユニットが支持され、ヘッドバンドのアーム部に、中空構造のヘッドホンユニットの摺動体が摺動可能に外挿されている。この構成によれば、着用時に、ヘッドホンユニットの摺動体をヘッドバンドのアーム部に対して任意の位置に摺動させ、ヘッドホンユニット間の間隔を広げることによって、ヘッドバンドの有する弾性力より摺動体がアーム部に押圧され、その摩擦力により当該位置が保持される。
特開平8−182086号公報(段落[0030])、図3) 特開平9−55991号公報(段落[0029])、図6)
しかし、上記特許文献1に記載のヘッドホンでは、段階的な調節しかすることができず、すなわち完全に任意の位置に調節することができない。また、アーム部のハンガーに対する位置は、係合凸部の連続凹凸部への係合によって維持されるため、確実に固定することができない。
また、上記特許文献2に記載のヘッドホン装置では、上述のように、ヘッドバンドの弾性力に起因する摩擦力により、ヘッドホンユニットのヘッドバンドに対する位置を保持するため、確実な固定に欠けるという問題が生じる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、簡易な構造でありながら、アーム部の無段階調節及び調節位置の確実な保持が可能な調節機構を有するヘッドホンを提供することにある。
本発明の一形態に係るヘッドホンは、一対のスピーカユニットと、バンド部と、規制部材と、操作部とを具備する。
前記一対のスピーカユニットは、スピーカ及び前記スピーカに接続されたアーム部を有する。
前記バンド部は、前記一対のアーム部を両端で支持するバンド部であって、前記一対のアーム部のうち少なくとも一方を、前記バンド部と前記スピーカとの距離を可変するように、所定の面上をスライド可能に支持し、前記両端のうち少なくとも前記一方のアーム部が接続された端部にガイド溝を有する。
前記規制部材は、前記ガイド溝にガイドされて可動することで、前記アーム部を前記バンド部に当接させ摩擦力により前記アーム部の前記スライドを規制する。
前記操作部は、前記規制部材に接続され、前記規制部材を可動させる。
これにより、上記スピーカユニットは、上記バンド部に対してスライド、すなわち無段階移動する。当該スライドは、上記規制部材を、バンド部に設けられたガイド溝に沿って、操作部により可動させることによって、摩擦力により規制される。すなわち、上記スピーカユニットの位置を、上記バンド部に対して、無段階調節し、その位置を確実に固定することが可能となる。
前記ガイド溝は、前記所定の面に垂直な面上に形成され、前記規制部材を、前記アーム部に近づく斜め方向にガイドする斜め部と、前記斜め部から連続的に形成され、前記規制時に、前記規制部材が前記斜め方向の反対方向へ移動しないように前記規制部材の移動を抑止する抑止部とを有していてもよい。
これにより、上記規制部材は、上記所定の面上をスライドするアーム部に対し、斜め方向、すなわち、アーム部に対して摩擦力を発生させ得る垂直成分を有する方向から当接し、上記スライドを規制することが可能となる。また、上記抑止部が、上記規制部材が上記アーム部からの反作用により押し戻されることを抑止し、上記規制部材による上記スライドの規制を維持する。
前記操作部は、前記所定の面に平行な方向に移動可能に形成され、前記規制部材は、前記所定の面に平行な方向において前記操作部と連動可能に接続され、前記所定の面に垂直な方向において前記操作部から独立して移動可能に接続されていてもよい。
これにより、上記操作部は、規制部材と接続されながらも独立して移動可能なため、上記所定の面に平行な方向に移動可能な構造とすれば足りる。また、規制部材をガイドする上記ガイド溝の斜め部の傾きは、上記操作部の移動方向に影響を受けないため、任意な傾きに設計することが可能である。
前記ヘッドホンは、前記規制部材が前記スライドを規制しない位置で前記規制部材をロックするロック機構をさらに具備していてもよい。
これにより、上記規制部材が、上記アーム部と接触して引きずられることにより上記ガイド溝の抑止部に到達し、ユーザが意図せずに上記スライドが規制されてしまうことを防ぐことが可能となる。すなわち、上記規制部材が上記スライドを規制していない状態では、上記規制部材は他の部材から力を受けないため、ある程度自由に(ガイド溝に沿って)移動し得る。しかし、上記ロック機構によってロックすることにより、この自由な移動を抑えることが可能である。
前記ロック機構は、前記規制部材に設けられた凹部と、前記バンド部に、前記凹部に係合することにより規制部材をロック可能に形成された板バネ状の凸部とを有していてもよい。
これにより、上記板バネ状の凸部が有する弾性により、上記ロックをすることが可能となる。
また、本発明の他の形態に係るヘッドホンのアーム固定方法は、スピーカユニットのアーム部を、ガイド溝を有するバンド部に対してスライドさせることを含む。
前記アーム部のスライドは、前記ガイド溝に係合された規制部材と接続された、操作部が操作されることにより、前記規制部材が前記ガイド溝にガイドされて可動され、前記アーム部が前記バンド部に当接され、摩擦力により規制される。
以上のように、本発明によれば、簡易な構造でありながら、アーム部の無段階調節及び調節位置の確実な保持が可能な調節機構を有するヘッドホンを提供することが可能である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係るヘッドホン1の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、ヘッドホン1は、ヘッドバンド2と、ヘッドバンド2の両端に支持された一対のスピーカユニット4とを有する。
一対のスピーカユニット4は、それぞれ、アーム部8、スピーカ3、コネクタ5、スピーカ支持部6とを有する。
ヘッドバンド2は、ユーザの頭部に載置される。ヘッドバンド2は、上記スピーカユニット4のアーム部8をスライド可能に支持し、あるいは固定する内部構造13と、それを被覆する外装2aから形成されている。ヘッドバンド2は、ユーザの頭部に適合するように、円弧状に湾曲している。外装の材質は、例えば布であるが、特に限定されず、例えば合成樹脂、金属等であってもよい。内部構造13については後述する。
各アーム部8は、ヘッドバンド2に、ヘッドバンド2の長手方向(それぞれ同図矢印A方向及びB方向)にスライド可能に挿入されている。これにより、ユーザは、自身の頭部に適合するように、ヘッドバンド2とスピーカ3との距離を可変して調節することができる。
コネクタ5は、アーム部8に固定され、アーム部8とスピーカ支持部6を連結する。コネクタ5の材質は、金属、合成樹脂等であり特に限定されない。本実施形態に係るコネクタ5はスピーカ支持部6と接続され、例えば内部に設けられたヒンジ構造等により、ユーザの頭部に適合するようにスピーカ3の、ヘッドバンド2に対する角度を調節可能に形成されている。
スピーカ支持部6は、コネクタ5に接続され、コネクタ5とスピーカ3を連結する。スピーカ支持部6の材質は、金属、合成樹脂等であり特に限定されない。
スピーカ3は、スピーカ支持部6に接続され、ユーザの耳に当てられ、入力される電気信号から音を発生させる。スピーカ3の構造は任意に設計可能である。電気信号は、図示しない配線ケーブルから入力される。しかし、当該電気信号は、赤外線等の無線接続により入力されてもよい。
ヘッドバンド2の端部には、それぞれのスピーカユニット4に対応して、各アーム部8のスライドを固定するための固定摘み7がヘッドバンド2から露出するようにそれぞれ取り付けられている。固定摘み7は、ユーザに操作されることにより、アーム部8がヘッドバンド2に対してスライド可能である状態と、固定されている状態を切り替える。固定摘み7の材質は、金属、合成樹脂等であり特に限定されない。固定摘み7の詳細は後述する。
本実施形態に係るヘッドホン1では、ヘッドバンド2に、アーム部8、コネクタ5、スピーカ支持部6、スピーカ3の順に連結されているが、この構成に限られない。コネクタ5及びスピーカ支持部6の配置は任意である。例えば、アーム部8にコネクタ5が接続され、コネクタ5にスピーカ3が接続されていてもよいし、コネクタ5を介さずにアーム部8にスピーカ3が直接接続されていてもよい。
本実施形態においては、上記ヘッドバンド2の内部構造13及び固定摘み7と、スピーカユニット4のアーム部8とで、アーム部8の調節機構が構成される。以下、当該調節機構の詳細を説明する。一対のスピーカユニット4及びそれぞれに対応するヘッドバンド2の構造は、ヘッドホン1の左右で同一であるので、以下では、一方について説明する。また、スピーカユニット4のスピーカ3及びスピーカ支持部6、ヘッドバンド2の頂点付近等、調節機構に関係しない部分については図示を省略する。
図2は、ヘッドホン1の調節機構の外観を示す斜視図である。
同図に示すように、固定摘み7は、図示しない内部構造13に、ヘッドバンド2に形成された固定摘みプレート2bを介して接続されている。固定摘みプレート2bは、固定摘み7に摩擦力の小さい面を提供し、固定摘み7のスライドをガイドするために設けられる。図示しないが、固定摘み7の裏面には凸部が設けられ、固定摘みプレート2bの表面にはX方向に沿った(図示しない)スライド溝が設けられる。この固定摘み7の(図示しない)凸部が、固定摘みプレート2bのスライド溝にガイドされることで、固定摘み7がX方向にスライドする。固定摘みプレート2bは、例えば合成樹脂により形成される。
以下、同図に示すように、アーム部8がスライドする面(図1参照)をX−Y平面とし、そのうち、アーム部8がスライドする方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向とする。また、X−Y平面に直交する方向をZ方向とする。なお、本実施形態に係るヘッドホン1では、アーム部8がスライドする面は、実際にはヘッドバンド2の湾曲に適合するように緩やかな曲面となっているが、以下では便宜上、X−Y面を平面として取り扱う。
図3は、ヘッドホン1の調節機構を示す断面図である。
図3(A)は、図2に示すヘッドホン1の、一点鎖線C−C´におけるY−Z平面の断面図である。図3(B)は、図2に示すヘッドホン1の、二点鎖線D−D´におけるZ−X平面の断面図である。図4は、上記調節機構のうち内部構造13、アーム部8及びコネクタ5を示す斜視図である。図5は内部構造13を示す斜視図である。図6は、フレーム9を取り外した状態の調節機構の斜視図である。なお、図1乃至図6は、規制部材11がアーム部8に当接していない状態、すなわちアーム部8のスライドが規制されていない状態を示す。これらの図に示すように、ヘッドバンド2の外装2aの内部に内部構造13及びスピーカユニット4のアーム部8が設けられている。アーム部8は、内部構造13に、矢印A方向にスライド可能に挿入されている(図4参照)。
図3乃至図5に示すように、内部構造13は、フレーム9、カバー部12、規制部材11を有する。カバー部12は、フレーム9に固定されている。規制部材11は、フレーム9の内側に移動可能に取り付けられている。詳細は後述するが、規制部材11の凸部11aが、フレーム9の規制部材ガイド溝9eに嵌り、規制部材ガイド溝9eにガイドされる範囲で移動可能となっている。
図3乃至図5に示すように、規制部材11は、アーム部8とフレーム9の間に配置される。
図7はフレーム9を示す斜視図である。
フレーム9は、例えば金属プレートの端部に、板金加工により形成される。フレーム9は、単一の部材から形成される必要はなく、ヘッドバンド2の両端にそれぞれ別の部材により形成されてもよい。また、その材質は金属に限られない。
フレーム9は、平面状の平面部9aと、平面部9aに垂直な平面状に、平面部9aを挟むように対向して形成された二つの側面部9bを有する。二つの側面部9bは同一の構成である。本実施形態に係る平面部9a及び側面部9bは、単一のプレートを折り曲げることによって形成されているが、別の部材から形成されていてもよい。
平面部9aは、弾性部9cと、貫通孔9kを有する。弾性部9cは、先端に凸部を有し、後述するロック機構として機能する。本実施形態に係る弾性部9cは、一部を残して周囲を切り抜かれた上記プレートの一部分であり、金属弾性による弾性を有する。貫通孔9kは、後述する固定摘み7が規制部材11と接続されるための孔である。
側面部9bは、規制部材ガイド溝9eと、固定摘みガイド溝9fを有する。規制部材ガイド溝9e及び固定摘みガイド溝9fについては後述する。また、側面部9bの端部には、カバー部12を係合して固定するためのL型部9gが形成されている。
図8は側面部9bを示す平面図である。
図8(A)は側面部9bを、その面に垂直な方向から見た図であり図8(B)は規制部材ガイド溝9eの拡大図である。なお、2つの側面部9bの内、一方を図示するが、他方は、図示したものと左右対称である。
規制部材ガイド溝9eは、規制部材11の凸部をガイドし、すなわち規制部材11をガイドする。これらの図に示すように、規制部材ガイド溝9eは、同一の幅を有する溝である。規制部材ガイド溝9eには、上記平面部aに平行な第1の平行区間9h、第2の平行区間9j、平面部aに対して斜めである斜め区間9iを有し、第1の平行区間9h、斜め区間9i、第2の平行区間9jが連続して配置されている。第1の平行区間9hは第2の平行区間9jに較べ、平面部9aにより接近しているものとする。なお、第1の平行区間9h及び第2の平行区間9jと、斜め区間9iが形成する角度は鈍角である。
規制部材ガイド溝9eは複数形成されていてもよい。本実施形態に係る側面部9bには、規制部材ガイド溝9eが二つずつ形成されている。
固定摘みガイド溝9fは、固定摘み7の移動をガイドする。図8(A)に示すように、固定摘みガイド溝9fは、同一の幅を有し、平面部9aに平行な溝である。
図9は、カバー部12を示す斜視図である。図10は、アーム部8及びコネクタ5を示す斜視図である。図11は、アーム部8が挿入された状態のカバー部12を示す斜視図である。図9及び図11に示すように、カバー部12は、フレーム9に取り付けられ、スピーカユニット4のアーム部8を図11の矢印A方向にスライド可能に支持する。カバー部12の材質は合成樹脂等である。カバー部12は、スライド面12a及び押さえ部12bを有し、スライド面12a及び抑え部12bの間に、アーム部8をスライド可能に保持する溝を形成する。
カバー部12には、前述したフレーム9のL型部9gと係合し、カバー部12をフレーム9に固定するための係合部12cが形成されている。
図10に示すように、本実施形態に係るアーム部8は曲面状に形成され、均一な幅及び厚さを有するプレート状に形成される。本実施形態では、プレート状のアーム部8の、規制部材11が当接する面を第1面8a、その裏側の面を第2面8bとする。
コネクタ5は、アーム部8と、接着、係合等により固定される。本実施形態に係るコネクタ5は、アーム部8の第2面8b側に、配線ケーブル(図示せず)取り回し用の筒状構造5aを有する。当該筒状構造5aは爪部5bを有し、図10に示すように、当該爪部5bが、アーム部8の第1面8aから突出することで、アーム部8と係合している。
図12は、規制部材11の外観を示す図である。
図12(A)は、規制部材11を示す斜視図であり、図12(B)は、図12(A)において矢印で示す一方向(内部構造13に配置された状態でX方向)から見た規制部材11の平面図である。
規制部材11は、規制部材ガイド溝9eにガイドされて、移動可能にフレーム9に取り付けられ、固定摘み7と連動して移動し、アーム部8と当接してスライドを規制する。
規制部材11は例えば合成樹脂から形成される。
同図に示すように、規制部材11は、アーム部8の第1面8aに適合するように形成された天板部11fと、当該天板部11fの対向する端部に形成され、天板部11fに直交し、対向する2つの側面部11gとから構成される。天板部11fには、凹部11b、貫通孔11c、スライド規制面11eが形成されている。側面部11gには、凸部11a及び切り欠き11dが形成されている。
凸部11aは、上述したフレーム9の規制部材ガイド溝9eに適合するように形成される。本実施形態に係る凸部11aは、2つの側面部11gに2つずつ配置される。凸部11aの位置及び数はこれに限られない。例えば、2つの側面部11gに1つづつ形成されてもよく、側面部11gが形成されない場合においては、天板部11fの端部に形成されてもよい。
凹部11bは、上述したフレーム9の弾性部9cと係合し、規制部材11の移動に対して抵抗を発生させるロック機構として機能する。その大きさ及び配置は、弾性部9cに適合するように形成される。
貫通孔11c及び切り欠き11dは、固定摘み7と係合し、固定摘み7の移動を規制部材11に伝える。貫通孔11cは、天板部11fに設けられ、切り欠き11dは、2つの側面部11gの天板部11f側端部に設けられる。
スライド規制面11eは、天板部11fのアーム部8の第1面8aと当接する面である。スライド規制面11eがアーム部8と当接することにより、アーム部8のカバー部12に対するスライドが規制される。本実施形態に係るスライド規制面11eの一部には、アーム部8がスライドする際に、アーム部8上に存在するコネクタ5の爪部5bとの接触を回避するための凹状部が形成されている。
スライド規制面11eは、アーム部8と当接し、摩擦力によりアーム部8を規制するため、スライド規制面11eには摩擦力を増大させるための例えばフェルトからなる部材を付加的に設けてもよい。
次に、固定摘み7と、内部構造13との接続について説明する。
図1乃至図3に示すように、固定摘み7は、ヘッドバンド2を介して内部構造13の規制部材11と接続される。
図13は固定摘み7を示す斜視図である。
同図に示すように、固定摘み7は、規制部材係合部7aと、2つの被ガイド部7bを有する。
図3に示すように、規制部材係合部7aは、Z方向に突出するように円筒状に設けられ、規制部材11の貫通孔11cに挿入され係合する。規制部材係合部7aは、貫通孔11cに対し、挿入方向にスライド可能に形成される。本実施形態に係る規制部材係合部7aは、一様な径を有する円筒形状に形成されている。
図3に示すように、被ガイド部7bは、Z方向に突出するように細い板状に設けられ、規制部材11の切り欠き11dを貫通し、フレーム9の固定摘みガイド溝9fに挿入される。固定摘みガイド溝9fに挿入され、ガイドされることが可能に形成される。本実施形態に係る被ガイド部7bは、先端部に、固定摘みガイド溝9fに挿入されガイドされる凸部を有する。
図3乃至図5に示すように、規制部材11の凸部11aは、フレーム9の規制部材ガイド溝9eに挿入され、フレーム9の弾性部9cは、規制部材11に当接する。
図3乃至図5に示すように、固定摘み7の規制部材係合部7aは、フレーム9に設けられた貫通孔9kを貫通し、規制部材11の貫通孔11cに挿入されている。固定摘み7の被ガイド部7bは、規制部材11の切り欠き11dに挿入され、かつ、フレーム9の固定摘みガイド溝fに挿入されている。
次に、このように構成されたヘッドホン1の動作を説明する。
図1に示すように、スピーカユニット4は、ヘッドバンド2に対しユーザの所望の位置に伸縮する。
これは、図11に示すように、スピーカユニット4のアーム部8が、ヘッドバンド2のカバー部12に対してスライドすることによって達成される。
アーム部8の位置が調節された後、固定摘み7がユーザにX方向にスライド操作されることによって、アーム部8の上記スライドが規制され、アーム部8はカバー部12、すなわちヘッドバンド2に対して固定される。
図14及び図15は、ヘッドホン1の調節機構の動作を示す断面図である。
図14は、図3の一点鎖線C−C´で示す箇所におけるY−Z平面の断面図である。
図14(A)は、規制部材11が、アーム部8のスライドを規制しない状態(以下、非規制状態)の調節機構を示す。
図14(B)は、規制部材11が、アーム部8のスライドを規制する状態(以下、規制状態)の調節機構を示す。
図15は、図3の破線E−E´で示す箇所におけるZ−X平面の断面図である。
図15(A)は、非規制状態の調節機構を示す。
図15(B)は、規制状態の調節機構を示す。
図16は、ヘッドホン1の調節機構の動作を示す斜視図である。
図16(A)は、非規制状態の内部構造13を示す。
図16(B)は、規制状態の内部構造13を示す。
図17は、規制部材11及び固定摘み7の移動の様子を示す模式図である。
同図で、X方向のうち、規制部材ガイド溝9eの第1の平行区間9h側の方向をX方向、第2の平行区間9j側の方向をX方向とする。
固定摘みプレート2bとフレーム9の間に設けられている外装2aは図示を省略する。固定摘みプレート2bのうち、フレーム9と固定されるための部分を固定摘みプレート2b’として示す。
非規制状態から、ユーザの操作を受けて規制状態に至る調節機構の動作を説明する。
図17(A)は非規制状態、図17(C)は規制状態の調節機構を示し、図17(B)は非規制状態と規制状態との遷移中の状態(以下、遷移状態)の調節機構を示す。
図14(A)、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示す非規制状態では、規制部材11の凸部11aは、フレーム9の規制部材ガイド溝9eの第1の平行区間9hに位置している。それに伴い、規制部材11及びそれに係合する固定摘み7は、その動き得る範囲のうち、X方向側に位置している。
上述したように、規制部材11と固定摘み7は、貫通孔11cに規制部材係合部7aが、切り欠き11dに被ガイド部7bが挿入されることにより、(X−Y平面上において)係合しているからである。
固定摘み7の被ガイド部7bも、フレーム9の固定摘みガイド溝9fにおいてX方向側に配置される。この状態で、規制部材11のスライド規制面11eは、アーム部8と当接していない。
図14(A)、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示す非規制状態から、ユーザにより固定摘み7が操作され、図17(B)に示す遷移状態となる。
ユーザの操作により、固定摘み7はX方向に移動する。固定摘み7の被ガイド部7bがフレーム9の固定摘みガイド溝9fにガイドされ、固定摘み7の移動方向はX方向に限定される。同時に、固定摘み7の、図示しない規制部材係合部7aが規制部材11の図示しない貫通孔11cに、被ガイド部7bが図示しない切り欠き11dに固定摘み7の移動を伝達する。
これにより、規制部材11は、X方向への力を受ける。ここで、上述したように、固定摘み7と、規制部材11は、Z方向において係合されておらず、規制部材11の凸部11aがフレーム9の規制部材ガイド溝9eの斜め区間9iに当接しガイドされることによって、斜め区間9iが配向する方向に移動する。
図17(B)に示すように、図14(A)、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示す非規制状態から、固定摘み7はX方向に移動し、規制部材11は斜め区間9iが配向する方向に移動する。これにより、規制部材11のスライド規制面11eは、非規制状態に比べ、アーム部8の第1面8aに接近する。
図17(B)に示す状態から、さらに、固定摘み7がX方向に移動することにより、凸部11aが斜め区間9iにガイドされているいずれかの段階で、スライド規制面11eはアーム部8の第1面8aに当接する。
上記当接した状態から、さらに、固定摘み7がX方向に移動することにより、スライド規制面11eが第1面8aを押圧する。規制部材ガイド溝9eの斜め区間9iの線形によって、押圧力を規定することが可能である。
すなわち、図14(B)、図15(B)、図16(B)及び図17(C)に示すように、規制部材11が第1面8aを押圧する状態で固定摘み7がX方向に移動することによって、凸部11aが第2の平行区間9jに移動する。これにより、図14(B)に示すように、スライド規制面11eが第1面8aを押圧した状態、すなわちアーム部8のスライドを規制した状態で維持される。
この状態では、規制部材11(のスライド規制面11e)は押圧しているアーム部8(の第1面8a)から、反作用による力を受ける。この力は、規制部材11がアーム部8を押圧する方向と逆であるので、Z方向となる。しかし、凸部11aは第2の平行区間9jに存在し、当該反作用による力はフレーム9により受け止められるので、凸部11aは斜め区間9iに押し戻されない。すなわち、規制部材11がアーム部8から受ける力により、規制状態が解除されることを防ぐことができる。
次に、規制状態から、ユーザの操作を受けて非規制状態に至る過程を説明する。
図14(B)、図15(B)、図16(B)及び図17(C)に示す規制状態から、ユーザにより固定摘み7が操作され、図17(B)に示す遷移状態を経由し、図14(A)、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示す非規制状態となる。
上述のように、固定摘み7(の被ガイド部7b)は、フレーム9の固定摘みガイド溝9fにガイドされ、X方向に移動する。
これにより、固定摘み7に(X方向に)係合する規制部材11はX方向の力を受ける。
規制部材11の凸部11aは、規制部材ガイド溝9eの第2の平行区間9jから斜め区間9iを通過し、第1の平行区間9hに至る。
以上により、固定摘み7及び規制部材11は、図14(A)、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示す非規制状態に戻る。
次に、ロック機構の動作について説明する。
ロック機構は、図14(A)、図15(A)、図16(A)及び図17(A)に示す非規制状態において規制部材11(及び固定摘み7)の位置を維持する機構である。
上述したように、ユーザによる操作を受けて、固定摘み7及び規制部材11が移動し、アーム部8のスライドを規制する。しかし、非規制状態において、規制部材11は、どの部材からも力を受けておらず、ある程度自由に(規制部材ガイド溝9eにガイドされる範囲で)移動し得る。
よって、ユーザがアーム部8をヘッドバンド2(のカバー部12)に対してスライドさせ、その長さを調節する際に、規制部材11がアーム部8と接触する可能性がある。この場合、規制部材11がアーム部8から受ける摩擦力により規制部材11(の凸部11a)が規制部材ガイド溝9eにガイドされて上記規制状態の位置に移動してしまうことがあり得る。
すなわち、ユーザの意図によらずして、アーム部8のスライドが規制される恐れがある。ロック機構はこれを防止する。
ロック機構は、フレーム9に形成された弾性部9c(図7参照)と規制部材11に形成された凹部11b(図12参照)により構成される。
上述したように、弾性部9c及び凹部11bは、規制部材11が図17(A)に示す非規制状態の位置にある際に、弾性部9cが凹部11bに係合可能に形成されている。本実施形態に係る弾性部9cは、先端が凸状に曲げられ、凹部11bに嵌ることが可能である。
図14(B)に示すように、規制部材11が非規制状態の位置にある際には、凹部11bに弾性部9cが嵌ることによって、規制部材11の規制状態の位置が維持される。ユーザの操作により、固定摘み7及び規制部材11が移動する場合、弾性部9cを弾性変形させることによって、凹部11bと弾性部9cの係合が解除され、規制部材11は非規制状態の位置から移動する。
また、ユーザの操作を受けて、固定摘み7及び規制部材11が再び非規制状態の位置に移動した場合、凹部11b及び弾性部9cが再び係合することによって、非規制状態の位置が維持される。
一方、ユーザの操作によらない場合、上記係合により、規制部材11は非規制状態の位置から移動しないため、当然に、アーム部8から力を受けず、移動することもない。
以上により、ロック機構はユーザの意図によらないスライドの規制を防止することが可能である。
また、弾性部9cと凹部11bを、上記係合の際に、ユーザがクリック間を得るように構成することも可能である。なお、規制状態においては、規制部材11(の凸部11a)はアーム部8と規制部材ガイド溝9eに押圧されているので、ユーザの意図によらずその位置がずれることはない。
本発明に係る実施の形態は、以上説明した実施の形態に限定されず、他の種々の実施形態が考えられる。
上記実施形態では、固定摘み7がスピーカユニット4の方向に移動することにより、アーム部8のスライドが規制される構成について説明した。しかし、この構成に限られず、固定摘み7の移動方向を変更することも可能である。これは、フレーム9における規制部材ガイド溝9eの配向する方向を変更することによって達成される。
例えば、上述の実施形態で示した移動方向と逆の方向、あるいは上記方向と直交する方向とすることも可能である。
上記実施形態では、左右一対のスピーカユニット4に対し、1つずつの調節機構を有するヘッドホン1について説明した。しかし、この構成に限られず、例えば、1つのスピーカユニット4に対し、上述した調節機構を複数配し、スピーカユニット4をヘッドバンド2に対し複数段階に伸縮させる構成としてもよい。
上記実施形態では、規制部材ガイド溝9eは、上述のようにZ―X平面上に形成されるものとした。しかし、規制部材ガイド溝9eの配置はこれに限られない。例えば、Y−Z平面上に付加的にあるいは代替的に形成されてもよい。
上記実施形態では、ヘッドホンについて説明したが、ヘッドホンに限られず、例えばヘッドホンにマイクを付加したヘッドセットについても適用可能である。
ヘッドホン1の外観を示す斜視図である。 ヘッドホン1の調節機構の外観を示す斜視図である ヘッドホン1の調節機構を示す断面図である。 調節機構のうち内部構造13及びアーム部8及びコネクタ5を示す斜視図である。 内部構造13を示す斜視図である。 フレーム9を取り外した状態の調節機構の斜視図である フレーム9を示す斜視図である。 フレーム9の側面部9bを示す平面図である カバー部12を示す斜視図である。 アーム部8及びコネクタ5を示す斜視図である。 アーム部8が挿入された状態のカバー部12を示す斜視図である。 規制部材11の外観を示す図である。 固定摘み7を示す斜視図である。 ヘッドホン1の調節機構の動作を示す断面図である。 ヘッドホン1の調節機構の動作を示す断面図である。 ヘッドホン1の調節機構の動作を示す斜視図である。 規制部材11及び固定摘み7の移動の様子を示す模式図である。
符号の説明
1 ヘッドホン
2 ヘッドバンド
3 スピーカ
4 スピーカユニット
7 固定摘み
8 アーム部
9e 規制部材ガイド溝
9i 斜め区間
9j 第2の平行区間
9c 弾性部
11 規制部材
11b 凹部

Claims (6)

  1. スピーカ及び前記スピーカに接続されたアーム部を有する一対のスピーカユニットと、
    前記一対のアーム部を両端で支持するバンド部であって、前記一対のアーム部のうち少なくとも一方を、前記バンド部と前記スピーカとの距離を可変するように、所定の面上をスライド可能に支持し、前記両端のうち少なくとも前記一方のアーム部が接続された端部にガイド溝を有するバンド部と、
    前記ガイド溝にガイドされて可動することで、前記アーム部を前記バンド部に当接させ摩擦力により前記アーム部の前記スライドを規制する規制部材と、
    前記規制部材に接続され、前記規制部材を可動させる操作部と
    を具備するヘッドホン。
  2. 請求項1に記載のヘッドホンであって、
    前記ガイド溝は、前記所定の面に垂直な面上に形成され、前記規制部材を、前記アーム部に近づく斜め方向にガイドする斜め部と、前記斜め部から連続的に形成され、前記規制時に、前記規制部材が前記斜め方向の反対方向へ移動しないように前記規制部材の移動を抑止する抑止部とを有する
    ヘッドホン。
  3. 請求項2に記載のヘッドホンであって、
    前記操作部は、前記所定の面に平行な方向に移動可能に形成され、
    前記規制部材は、前記所定の面に平行な方向において前記操作部と連動可能に接続され、前記所定の面に垂直な方向において前記操作部から独立して移動可能に接続されている
    ヘッドホン。
  4. 請求項2に記載のヘッドホンであって、
    前記ヘッドホンは、前記規制部材が前記スライドを規制しない位置で前記規制部材をロックするロック機構をさらに具備する
    ヘッドホン。
  5. 請求項4に記載のヘッドホンであって、
    前記ロック機構は、
    前記規制部材に設けられた凹部と、
    前記バンド部に、前記凹部に係合することにより規制部材をロック可能に形成された板バネ状の凸部とを有する
    ヘッドホン。
  6. スピーカユニットのアーム部を、ガイド溝を有するバンド部に対してスライドさせ、
    前記ガイド溝に係合された規制部材と接続された操作部を操作することにより、前記規制部材を前記ガイド溝にガイドさせて可動させ、前記アーム部を前記バンド部に当接させ、摩擦力により前記アーム部の前記スライドを規制する
    ヘッドホンのアーム固定方法。
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