JP2009289235A - タッチパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネルの大型化に伴い検出用配線の数が増大しても、検出時間の増大化を防止して短縮化を図り、確実にタッチ容量を検出しタッチ位置を判定可能とする。
【解決手段】先ず、タッチ検出モードに於いて、検出制御回路25は、複数本の検出用配線の一部を一まとめにして検出用配線群として発振回路21に接続し、順次に各検出用配線群をスキャンする様に、両スイッチ回路20a,20bの接続タイミングを制御する。計数回路23は発振回路21の発振周期を計数し、その結果に基づきタッチ座標算出回路24は次の位置検出モードにてスキャンすべき検出用配線を特定する。次に、検出制御回路25は、特定された検出用配線を1本毎にスキャンして発振回路21に接続し、タッチ座標算出回路24は得られる発振周期結果に基づき指示体と検出用配線との間の静電容量を検出することで、指示体のタッチ位置の位置座標を算出する。
【選択図】図4

Description

この発明は、タッチパネルに関する。
指等によるタッチを検出して、その位置座標を特定するタッチパネルは、優れたユーザーインタフェース手段の一つとして注目されており、抵抗膜方式又は静電容量方式等の種々の方式によるタッチパネルが製品化されている。
静電容量方式の一つとして、タッチセンサが内蔵されるタッチスクリーンの前面側を数mm厚み程度のガラス板等の保護板で覆った場合でもタッチ検出が可能なPCT(Projected Capacitive Touch screen)方式がある。この方式は、保護板を前面に配置出来るので、堅牢性に優れている点、手袋装着時でもタッチ検出が可能である点、及び、可動部が無いために長寿命である点等の利点を有している。
例えば、特許文献1に記載のPCT方式を用いたタッチパネルのタッチスクリーンの構成は、静電容量を検出するための検出導体として、薄い誘電膜上に形成された第1シリーズの導電材料パターン(導体エレメント)と、絶縁膜を隔てて形成された第2シリーズの導電材料パターンとを備えており、導体間には電気的接触はなく、立体的に複数の交点を形成している。導電材料パターンとして最適な材料は、例えば銀等の金属材料である。但し、表示上その可視性が問題となり、可視性を低くする場合には、酸化インジウムが用いられる。又、導電材料パターンに変えて、10μm〜20μmの細い電線も使用出来る。又、静電容量を検出する導体エレメントは、出力線及びマルチプレクサを介して、容量制御オシレータに接続されている。その出力は除算器でカウントされて、容量検出データとされる。
特表平9−511086号公報
この様なタッチパネルの容量制御オシレータとしては、弛張発振器又はヒステリシス発振器を用いることが出来る。これらの発振器の発振周期は、抵抗素子及び容量素子の充放電時定数により概ね決まるが、この容量素子の一部を検出用配線(導体エレメント)と指との間に形成される静電容量(以下「タッチ容量」と言う。)によって構成することにより、使用者による指タッチが生じた場合に、指と検出用配線との間に形成されるタッチ容量に応じて、発振器の発振周期の変化が生じ、この変化量を検出することにより、指タッチの有無及びそのタッチ位置を判定することが可能となる。
タッチパネル上に指タッチにより形成される電極面積は、使用者の年齢及び体格により多少の違いはあるが、一般的に1平方センチメートル程度であって大きな差は無く、タッチ容量は数pF程度である。タッチ容量は、指タッチにより形成される電極と検出用配線との距離(保護ガラス等の厚み)にも依存するが、検出用配線の間隔を指の幅よりも一定以上大きく設定すると、指タッチした検出用配線に隣接する検出用配線に、タッチ容量による変化が現れなくなるため、検出用配線間の補間による位置検出が出来なくなる。よって、タッチ位置の検出分解能を一定とした場合には、検出用配線の間隔も同様に一定となる。
タッチパネルを大型化する場合(ここで言う大型化とは、10インチ程度以上にすることである。)、検出用配線の間隔は一定のため、検出用配線数が増加する。例えば、行方向及び列方向にそれぞれタッチスクリーンを2倍に大型化した場合には、検出用配線数も、行方向及び列方向のそれぞれに関して、ほぼ2倍となる。
又、1本の検出用配線の周囲(タッチパネル背面に形成される電極及び隣接の検出用配線間)との間に形成される容量(以下「検出用配線容量」と言う。)もまた、ほぼ2倍となる。この検出用配線容量が増加すると、容量制御オシレータの発振周期も比例して長くなるため、タッチパネル上に配置した全ての検出用配線容量を計測する時間は約4倍となる。
使用者が指タッチしてからアプリケーションシステムが視覚、音、振動、又は動作等により使用者に対して指タッチを認識したことを伝達する迄の時間(以下「応答時間」と言う。)は長くならないことが望ましく、一般に応答時間が100ミリ秒以上になると、使用者が違和感を受けると言われている。
よって、上記の様な方式のタッチパネルを大型化する場合には、応答時間が長くなるという問題点があった。又、応答時間を許容される時間に短縮する場合には、タッチ容量の検出感度の低下及びタッチ位置の検出分解能の低下が発生するという問題点があった。
本発明は、以上の問題点に鑑みて成されたものであり、行列方向に格子状に配列された検出用配線をスキャンしてタッチ容量を検出するタッチパネルに於いて、タッチパネルの大型化に伴い検出用配線数が増えても、必要な検出分解能を維持しつつ、タッチ座標出力までの応答時間の増大を低減することが出来るタッチパネルを得ることを、その目的とする。
本発明の主題に係るタッチパネルは、透明基板と、前記透明基板の裏面上に所定の間隔で形成され、前記透明基板の列方向に伸在し且つ行方向に沿って配列された、導電膜から成るN(N≧2)本の検出用列配線と、前記透明基板上に前記複数の検出用列配線と立体交差する様に所定の間隔で形成され、前記透明基板の前記行方向に伸在し且つ前記列方向に沿って配列された、前記導電膜から成るM(M≧2)本の検出用行配線と、発振回路と、それぞれが前記N本の検出用列配線の内の対応する検出用列配線を前記発振回路の入力端に接続するN個のスイッチを有する第1検出線選択スイッチ回路と、それぞれが前記M本の検出用行配線の内の対応する検出用行配線を前記発振回路の入力端に接続するM個のスイッチを有する第2検出線選択スイッチ回路と、前記第1検出線選択スイッチ回路の前記N個のスイッチの選択接続及び前記第2検出線選択スイッチ回路の前記M個のスイッチの選択接続を制御すると共に、前記発振回路の回路定数を制御する検出制御回路と、前記検出制御回路の制御の下で前記発振回路の出力信号の発振周期を計数して、前記発振周期の計数を開始してから前記発振周期の計数値が所定の計数値に達するまでの期間を計数する計数回路と、前記計数回路が出力する計数結果に基づいて、前記透明基板の表面にタッチした指示体と検出用列配線との間に形成される静電容量及び前記指示体と検出用行配線との間に形成される静電容量を検出することで前記指示体のタッチ位置の位置座標を算出するタッチ座標算出回路とを備えており、(1)タッチ検出モードの場合には、前記検出制御回路は、前記第1検出線選択スイッチ回路に対しては、n(n≧2且つN=α×n:αは自然数)個の隣合うスイッチを同時に接続状態にしてn本の隣合う検出用列配線を1本の検出用列配線群として一まとめにして前記発振回路の前記入力端に接続する状態で、α本の前記検出用列配線群が順次にスキャンされる様に前記N個のスイッチのオン・オフ状態を制御するスイッチング制御信号を出力する一方、前記第2検出線選択スイッチ回路に対しては、m(m≧2且つM=β×m:βは自然数)個の隣合うスイッチを同時に接続状態にしてm本の隣合う検出用行配線を1本の検出用行配線群として一まとめにして前記発振回路の前記入力端に接続する状態で、β本の前記検出用行配線群が順次にスキャンされる様に前記M個のスイッチのオン・オフ状態を制御するスイッチング制御信号を出力すると共に、前記発振回路に対しては、前記指示体のタッチが無い状態の場合に於いて、前記1本の検出用列配線群の接続による前記発振回路の前記出力信号の立ち上がり時間が、前記第1検出線選択スイッチ回路に属する1個のスイッチが接続されて1本の検出用列配線が前記発振回路の前記入力端に接続されたときの立ち上がり時間と同等になる様に、且つ、前記指示体のタッチが無い状態の場合に於いて、前記1本の検出用行配線群の接続による前記発振回路の前記出力信号の立ち上がり時間が、前記第2検出線選択スイッチ回路に属する1個のスイッチが接続されて1本の検出用行配線が前記発振回路の前記入力端に接続されたときの立ち上がり時間と同等になる様に、前記発振回路の前記回路定数を制御し、前記タッチ座標算出回路は、α個の計数結果の中で最大値となる計数結果を与える検出用列配線群に属するn本の検出用列配線と、当該検出用列配線群に隣接する検出用列配線とを、位置検出モードに於いて再度スキャンすべきタッチ検出列配線として特定し、且つ、β個の計数結果の中で最大値となる計数結果を与える検出用行配線群に属するm本の検出用列配線と、当該検出用行配線群に隣接する検出用行配線とを、位置検出モードに於いて再度スキャンすべきタッチ検出行配線として特定した上で、前記検出制御回路に対して、前記位置検出モードで前記第1及び第2検出線選択スイッチ回路を制御する様に指令し、(2)前記位置検出モードの場合には、前記検出制御回路は、前記第1検出線選択スイッチ回路に対しては、前記タッチ検出列配線の各々を1本毎に順次に前記発振回路の前記入力端に接続する様に、前記タッチ検出列配線の各々に対応するスイッチを順次に1個ずつ接続状態に制御するスイッチング制御信号を出力する一方、前記第2検出線選択スイッチ回路に対しては、前記タッチ検出行配線の各々を1本毎に順次に前記発振回路の前記入力端に接続する様に、前記タッチ検出行配線の各々に対応するスイッチを順次に1個ずつ接続状態に制御するスイッチング制御信号を出力すると共に、前記発振回路に対しては、前記指示体のタッチが無い状態の場合に於いて、前記発振回路の出力信号の立ち上がり時間が、1個のスイッチが接続されて1本の検出用列配線又は1本の検出用行配線が前記発振回路の前記入力端に接続されたときの立ち上がり時間と同等となる様に、前記発振回路の前記回路定数を制御し、前記タッチ座標算出回路は、前記タッチ検出列配線の各々が順次に前記発振回路の前記入力端に接続されたときに前記計数回路が出力する計数結果に基づいて、前記指示体と前記タッチ検出列配線の各々との間に形成される各静電容量を検出し、且つ、前記タッチ検出行配線の各々が順次に前記発振回路の前記入力端に接続されたときに前記計数回路が出力する計数結果に基づいて、前記指示体と前記タッチ検出行配線の各々との間に形成される各静電容量を検出することで、各静電容量検出結果に基づいて前記指示体の前記タッチ位置の前記位置座標を算出することを特徴とする。
本発明の主題によれば、検出用列配線及び検出用行配線の数が増大した場合であっても、指示体のタッチ位置の位置座標を算出するまでの検出時間(応答時間)の増大化を低減しつつ、確実にタッチ容量を検出してタッチ位置の位置座標を算出することが出来るので、検出時間の増大を招く事無くタッチパネルの大型化を実現することが出来る。
以下、この発明の主題の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るタッチパネルが有するタッチスクリーン1の構成を模式的に示す平面図であり、又、図2は、タッチスクリーン1の一部分の斜視断面図である。
図1に示す様に、タッチスクリーン1内には、それぞれが列方向(図1のy方向に該当)に沿って伸在し且つ所定のピッチで行方向(図1のx方向に該当)に沿って平行配列された複数の検出用列配線2が形成されている。そして、接続用配線4を介して、所定本数(図1の例では5本)毎に、上記所定本数より成る検出用列配線2は、検出用列配線群6を構成している。尚、図1では、図示の便宜上、各検出用列配線群6内の検出用列配線2と対応する端子10とを接続する引き出し線8は1本で示されているが、実際には、各検出用列配線2につき1本の引き出し線が、当該検出用列配線2と対応する端子10とを接続する様に配設されている。又、タッチスクリーン1内には、それぞれが行方向xに沿って伸在し且つ所定のピッチで列方向yに沿って平行配列された複数の検出用行配線3が形成されている。そして、接続用配線5を介して、所定本数(図1の例では5本)毎に、上記所定本数より成る検出用行配線3は、検出用行配線群7を構成している。同様に、図1では、図示の便宜上、各検出用行配線群7内の検出用行配線3と対応する端子10とを接続する引き出し線9は1本で示されているが、実際には、各検出用行配線3につき1本の引き出し線が、当該検出用行配線3と対応する端子10とを接続する様に配設されている。
そして、本実施の形態に係るタッチパネルは、各検出用列配線2と使用者の指等の指示体との間及び各検出用行配線3と指示体との間にそれぞれ形成される静電容量(キャパシタンス)(以下「タッチ容量」と言う。)を検出することで、指示体のタッチスクリーン1上に於けるタッチ位置の位置座標(タッチ座標に該当。)を決定する。
尚、検出用列配線群6及び検出用行配線群7の各々の本数及び配線ピッチ、並びに、各配線群を構成する検出用列配線2及び検出用行配線3の各々の本数及び配線ピッチは、本タッチパネルのタッチ座標の要求分解能から適宜に選択され得る。
ここで、各検出用配線群6,7を仮に1本のいわゆるベタ配線で形成すると、大きなタッチ容量を確保することが出来る反面、検出用配線間のスリット状開口部が小さくなり、表示パネルの前面にタッチスクリーン1を配置して使用するに際して、表示パネルからの表示光の透過を妨げて、表示光の透過率を低下させてしまう。そこで、本実施の形態に係るタッチスクリーン1に於いては、各検出用配線群6,7を複数の検出用配線2,3から構成して、検出用配線間のスリット状開口部の面積を大きく設定することで、表示光の透過率の低下を抑制している。尚、各検出用列配線2及び各検出用行配線3を複数の電線で以って構成しても良い。
図2に示す様に、タッチスクリーン1は、透明なガラス又は樹脂より成る透明基板として、ベース基板12を有している。そして、ベース基板12の裏面上には、既述した検出用列配線2が所定の間隔で配設されている。各検出用列配線2は、ITO等の透明配線材料から成る。更に、全ての検出用列配線2を被覆する、例えばSiN(窒化シリコン)より成る透明な層間絶縁膜13が、ベース基板12の上記裏面上に形成されている。そして、層間絶縁膜13の裏面上には、透明配線材料から成る検出用行配線3が、立体的に各検出用列配線2と交差する様に、所定の間隔で配設されている。更に、各検出用行配線3を被覆する、例えばSiNより成る透明な保護膜14が層間絶縁膜13の上記裏面上に形成されている。
図3は、本実施の形態に係るタッチパネルに於ける検出回路の全体構成を模式的に示す図である。図3に於いて、タッチスクリーン1の各端子10(図1)に、FPC(Flexible Printed Circuit)17の対応する端子が、ACF(Anisotropic Conductive Film)等を用いることにより実装されている。この実装により、各検出用列配線2及び各検出用行配線3の各々の端子が、FPC17を介して、コントローラ基板18と電気的に接続されており、以ってタッチスクリーン1とコントローラ基板18とが、タッチパネルとして機能する。図3に示す通り、コントローラ基板18は、検出処理回路19を搭載している。この検出処理回路19は、後述する様に、(1)各検出用配線群6,7と指等の指示体との間に形成される静電容量(タッチ容量)の検出結果に基づいて指示体のタッチスクリーン1へのタッチの有無を検出した上で、(2)指示体のタッチ有りの場合には、各検出用配線群6,7の内で指示体のタッチに関連付けられる各検出用配線群6,7に属する各検出用配線2,3と指示体との間に形成される静電容量(タッチ容量)の検出結果に基づいてタッチ座標の算出の処理を行う。そして、検出処理回路19は、算出したタッチ座標の座標データを、外部のコンピュータ(図示せず。)等に出力する。
図4は、図3の検出処理回路19の構成例を示すブロック図である。但し、図4の回路例は、後述する「タッチ検出モード」の記載の便宜に資するために、1つの検出用列配線群6及び1つの検出用行配線群7の各々が、共に、8系統より構成されている場合、即ち、それぞれ8本の検出用列配線2及び8本の検出用行配線3により構成されているとした場合を示している。
図4に於いて、検出処理回路19は、検出用の発振回路22の構成要素として、発振回路21及び2個の第1及び第2検出線選択スイッチ回路(マルチプレクサ)20a,20bを備えている。そして、各検出用列配線群6の各検出用列配線Wc1〜Wc8の一端(図4中の下端)には、各検出用列配線Wc1〜Wc8に対応して、スイッチRLc1〜RLc8が接続されている。即ち、検出用列配線2毎に、1個のスイッチが設けられている。これらのスイッチRLc1〜RLc8の開閉動作は、検出制御回路25より出力されるスイッチング制御信号によって制御される。同様に、各検出用行配線群7の各検出用行配線Wr1〜Wr8の一端(図4中の左端)には、各検出用行配線Wr1〜Wr8に対応して、スイッチRLr1〜RLr8が接続されている。即ち、検出用行配線3毎に、1個のスイッチが設けられている。これらのスイッチRLr1〜RLr8の開閉動作もまた、検出制御回路25より出力されるスイッチング制御信号によって制御される。そして、第1及び第2検出線選択スイッチ回路20a,20bの共通線20cは、発振回路21の入力端に接続されている。
上記の通り、各検出線選択スイッチ回路20a,20b内の接続は、検出制御回路25より出力されるスイッチング制御信号によって選択され、検出制御回路25は、上記スイッチング制御信号によって、検出用列配線群6及び検出用行配線群7の各々と発振回路21との接続を、任意の検出用配線の数及び任意の検出用配線のステップで順次に切り替える。
発振回路21は、第1計数回路23a及び第2計数回路23bより構成される計数回路23に接続されており、計数回路23は、第1計数回路23aによって、発振回路21が発振する出力信号を所定の計数値となるまで計数し、第2計数回路23bによって、当該計数処理を開始してから第1計数回路23aの計数値が上記所定の計数値となるまでの期間を検出することにより、発振回路21の出力信号の発振周期を検出する。ここで、第2計数回路23bと後述するタッチ座標算出回路24とは、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、第2計数回路23bがカウントするクロックは、上記マイクロコンピュータのCPU(図示せず。)が発するクロックである。尚、第1計数回路23aが有する上記所定の計数値は、検出制御回路25が出力するカウンタモード信号によって設定・変更される。
次に、タッチ座標算出回路24は計数回路23の出力端に接続されており、計数回路23の発振周期検出結果をタッチ座標算出回路24内の記憶回路(図示せず。)に保持する。そして、タッチ座標算出回路24は、保持した発振周期検出結果を、前の走査からの基準値、並びに、同じ走査に於ける他の行及び列の検出用配線からの計数値と比較することで、タッチ座標を算出する。
又、発振回路21、計数回路23、及びタッチ座標算出回路24も、それぞれ検出制御回路25と接続されており、検出制御回路25によって制御される。即ち、発振回路21に関しては、後述する発振回路21内の充電抵抗の選択制御及びRESET信号(回路定数制御)の設定が、検出制御回路25によって行われる。又、計数回路23に関しては、検出制御回路25は、第1計数回路23aに対してカウンタモード信号により上記所定の計数値(閾値)を設定した上で、リセット信号を第1及び第2計数回路23a,23bに送信して第1及び第2計数回路23a,23bをリセットした後に、発振回路21に出力する上記RESET信号をHレベルに設定(Hレベルへの設定により発振回路21が動作し出すと、その動作期間中は上記RESET信号のレベルを常時Lレベルに維持する。)するタイミングに同期してイネーブル信号を立ち上げて第1及び第2計数回路23a,23bのカウント動作を開始させ、その後、第1計数回路23aの計数値が上記所定の計数値に達して第1計数回路23aがフラグ信号を検出制御回路25に送信して来るタイミングに同期してイネーブル信号を立ち下げて、第1及び第2計数回路23a,23bのカウント動作を停止させる。又、タッチ座標算出回路24との関係では、タッチ座標算出回路24は、後述する「タッチ検出モード」での算出処理を終わると、動作モードを「タッチ検出モード」から後述する「位置検出モード」へと変更する旨を指示する信号を検出制御回路25に送信して、当該動作モード信号の受信に応じて、検出制御回路25は、「位置検出モード」での制御動作を開始することとなる。
この様に、本実施の形態に係る検出処理回路19は、計数回路23とタッチ座標算出回路24とによって発振回路21の発振周期の変化を検出することにより、検出用列配線群6と指等の指示体との間の静電容量Ctc、及び、検出用行配線群7と指等の指示体との間の静電容量Ctrを検出する構成と成っている。既述の通り、検出用列配線群6、検出用行配線群7、検出線選択スイッチ回路20a,20b、及び発振回路21で以って、検出用の発振回路22を構成している。
次に、図5は、本実施の形態に係るタッチパネルに於ける発振回路21の回路構成、及び、検出用行配線群7と第2検出線選択スイッチ回路20bと発振回路21とで構成される発振回路22を示す図である。以下、図5の構成・動作について記載する。
本実施の形態では、発振回路21は、コンパレータ回路30、比較用基準電圧(電圧値:Eref)31、電源回路(一定電圧源)36、充電抵抗(33a,33b,33c)、放電スイッチ32、充電抵抗可変スイッチ35a,35b、及び容量(容量値:Cs)34により構成されている。更に、第2検出線選択スイッチ回路20b及び検出用行配線群7の具備により、タッチスクリーン1を含めた検出用の発振回路22が、構成される。尚、実際には検出用列配線群6も発振回路21に接続されるが、説明を簡単化するため、ここでは検出用列配線群6は省略されている。
図5に示す様に、発振回路21内のコンパレータ回路30のプラス入力端子20cと電源回路36との間には複数の充電抵抗33a,33b,33cが接続されており、充電抵抗33a,33bの抵抗値はR[Ω]であり、残る充電抵抗33cの抵抗値は充電抵抗33a,33bの抵抗値Rの半分であるR/2[Ω]である。そして、充電抵抗33bと電源回路36との間には充電抵抗可変スイッチ35aが接続されており、充電抵抗33cと電源回路36との間には充電抵抗可変スイッチ35bが接続されている。充電抵抗可変スイッチ35a, 35bの開閉動作は、既述した通り、図4の検出制御回路25によって制御される。この様な構成により、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cと電源回路36との間の抵抗値を充電抵抗可変スイッチ35a,35bの開閉動作により可変することが出来る。即ち、スイッチ35a,35bが共にオフの場合には、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cと電源回路36との間の抵抗値はR[Ω]となる。或いは、スイッチ35aがオンであり、スイッチ35bがオフである場合には、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cと電源回路36との間の抵抗値はR/2 [Ω]となる。又、スイッチ35a,35bが共にオンの場合には、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cと電源回路36との間の抵抗値はR/4 [Ω]となる。
他方、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cとグランドとの間には、放電スイッチ32及び容量(容量値:Cs)34が接続されている。一方の放電スイッチ32に接続されたOR論理回路の他方の入力端に入力されているリセット信号RESETは、既述した通り、図4の検出制御回路25によって制御され、発振回路21の発振動作開始時にはリセット信号RESETのレベルはHレベルに設定されて放電スイッチ32を接続するが、発振回路21が発振動作を開始し出すと直ちにリセット信号RESETのレベルはLレベルとなり、発振回路21の発振動作期間中はリセット信号RESETのレベルはLレベルに維持される。従って、一旦発振動作が開始した後は、放電スイッチ32はコンパレータ回路30の出力信号(OUT)37のレベルにより制御され、Hレベルの出力信号37の出力時には放電スイッチ32が接続される一方、Lレベルの出力信号37の出力時には放電スイッチ32は開放される。他方の容量(Cs)34は、発振回路21の安定度、及び、検出用配線の非選択時の発振周波数を調整するために接続された容量であり、従って、コンパレータ回路30及び第2検出線選択スイッチ回路20bの入力容量等の容量も含む総容量である。
又、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cには、第2検出線選択スイッチ回路20bを介して、検出用行配線群7が接続されており、各検出用行配線Wr1〜Wr8には静電容量Ctrが形成される。尚、図5に於いては、検出用行配線Wr8の静電容量Ctr8のみを図示の便宜上記載しており、他の各検出用行配線Wr1〜Wr7については、その静電容量の記載を便宜上割愛している。
コンパレータ回路30のマイナス入力端子とグランドとの間には、比較用基準電圧(Eref)31が接続されている。そのため、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cの電圧はコンパレータ回路30によって常に比較用基準電圧(Eref)31と比較され、コンパレータ回路30は、プラス入力端子20cの電圧が比較用基準電圧(Eref)31以下の場合にはLレベルの出力信号37を出力する一方、プラス入力端子20cの電圧が比較用基準電圧(Eref)31の電圧よりも大きい場合にはHレベルの出力信号37を出力する。この出力信号37は、放電スイッチ32の開閉動作を制御すると共に、図4の第1計数回路23aの入力端に入力される。
今、充電抵抗可変スイッチ35a,35bが共にオフの状態に制御されており、第2検出線選択スイッチ回路20b内の各スイッチの内で、検出用行配線群7の検出用行配線Wr1に接続されるスイッチRLr1のみが選択されており、リセット信号RESETのレベルがHレベルに制御されて放電スイッチ32が接続しているものとする。この時、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cはグランドに接続されることにより、プラス入力端子20cの電位は0Vになり、検出用行配線Wr1及び容量(Cs)34の電荷量は共に0となる。以下、この時点(発振回路21の発振動作開始時)の時刻を時刻t0と定義する。
時刻t0では、コンパレータ回路30の出力信号37のレベルは、プラス入力端子20cの電位がマイナス入力端子の比較用基準電圧(Eref)31よりも低い電圧であるために、Lレベルとなり、しかも、リセット信号RESETのレベルはHレベルから直ちにLレベルに変更されるので、その結果、OR論理回路の出力レベルはLレベルとなることで、放電スイッチ32は開放状態になり、検出用行配線群7の静電容量Ctr1(図示せず。)及び容量(Cs)34は共に電源回路36から充電抵抗33aを介して充電されることとなり、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cの電位が比較用基準電圧(Eref)31と同じになるまで、検出用行配Wr1の静電容量及び容量(Cs)34は充電され続ける。そして、充電の結果、コンパレータ30のプラス入力端子20cの電位が比較用基準電圧(Eref)31と等しくなる時点の時刻を時刻t1と定義する。その後の充電により、コンパレータ30のプラス入力端子20cの電位が比較用基準電圧(Eref)31を超えると、コンパレータ30の出力信号37のレベルはHレベルとなり、リセット信号RESETのレベルはLレベルに維持され続けているので、放電スイッチ32がオン状態となる結果、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cはグランドに接続されることとなり、その結果、検出用行配線Wr1の静電容量及び容量(Cs)34は、節点INを介してグランド側に向けて充電された電荷を放電し始めることとなり、この放電の継続の結果、やがてはプラス入力端子20cの電位は0Vとなる。上記放電の結果、プラス入力端子20cの電位が0Vに達した時点の時刻を時刻t2と定義すると、時刻t1から時刻t2までの期間中のみ、コンパレータ回路30の出力信号37のレベルはHレベルを維持することとなる。この様にして、プラス入力端子20cに接続された検出用行配線Wr1の静電容量及び容量(Cs)34は、充電及び放電を繰り返すこととなり、発振回路22は発振する。
図6の(a),(c),(e)及び(g)の各々は、図5の検出用の発振回路22に於けるコンパレータ回路30のプラス入力端子20c(図6ではINと記載する。) の波形を示す図であり、図6の(b),(d),(f)及び(h)の各々は、コンパレータ回路30の出力信号(図6ではOUTと記載する。)37の波形を示す図である。図6(a)の波形40aは、上記発振動作時のプラス入力端子20cの波形であり、図6(b)の波形40bは、上記発振動作時に於けるコンパレータ回路30の出力信号37の波形である。プラス入力端子20cの電位が0Vから比較用基準電圧(Eref)となるまでの立ち上がり時間(時刻t0から時刻t1迄の期間、即ち、図6(a)の波形40aに関する期間Tr)は、この期間中に於いては図5の回路はRC回路として動作するため、充電抵抗Rと接続された容量に比例する。特に、比較用基準電圧(Eref)31を電源電圧36の0.63倍の値に設定するときには、プラス入力端子20cの電位の立ち上がり時間Trは、ほぼ、充電抵抗33aの抵抗値Rと、充電抵抗33aと接続された容量の容量値(Ctr1+Cs)との積R・(Ctr1+Cs)として与えられる。
ここで、図5に示す様に、検出用行配線Wr6及びWr7が指示体のタッチにより選択されることによって検出用行配線Wr6及びWr7と指示体との間に形成されるタッチ容量(Ct)39が追加される場合を考えると(その際、スイッチRLr5及びRLr6は接続されているものとする。)、指示体のタッチ時に於けるプラス入力端子20cの電位の立ち上がり時間Tr1は、充電抵抗33aの抵抗値Rと、充電抵抗33aと接続された容量の容量値(Ctr1+Cs+Ct)との積R・(Ctr1+Cs+Ct)となり、タッチ容量39の容量値に応じて変化する(図6(c)の波形41a及び図6(d)の波形41bを参照。)。
よって、プラス入力端子20cの電位の立ち上がり時間を計測して、指示体タッチ時の立ち上がり時間Tr1と指示体タッチ無し時の立ち上がり時間Trとの差(図6(c)の時間Δt)を測定することにより、当該測定結果Δtを、指示体タッチの有無及び指示体タッチ位置の検出に用いることが出来る。
次に、図5の充電抵抗可変スイッチ35a,35bを共にオフの状態に於いて、コンパレータ回路30のプラス入力端子20cに、検出用行配線群7内の互いに隣接し合う2本の検出用配線Wr1,Wr2が、オン状態に制御されたスイッチRLr1,RLr2を介して、接続された場合には、検出用行配線群7の静電容量は、容量値Ctr1と容量値Ctr2との和となるため、検出用配線Wr1のみがプラス入力端子20cに接続された前述の場合と比較して、約2倍の大きさとなる。この時のプラス入力端子20cの電位が0Vから比較用基準電圧(Eref)31となるまでの立ち上がり時間は、充電抵抗33aの抵抗値Rと総容量(Ctr1+Ctr2+Cs)との積となり(プラス入力端子20cの電圧の波形は図6の(e)に示す波形42aとなる。)、容量値Ctr1に対して容量34の容量値Csが無視出来る程に小さいと仮定すると、この場合の立ち上がり時間は前記した立ち上がり時間Trの約2倍となり、コンパレータ回路30の出力信号37の波形は図6の(f)に示す波形42bとなる。その結果、2本の検出用行配線Wr1及びWr2をまとめて1本の検出用行配線が構成されているものと考えると、1本の検出用行配線当りの検出時間は、検出用行配線Wr1のみがプラス入力端子20cに接続された前述の場合と比較して、約2倍になる。
以上の検出時間の増加を防ぐ手段としては、図5の一方の充電抵抗可変スイッチ35aをオン状態に制御する一方、他方の充電抵抗可変スイッチ35bをオフの状態に制御して、プラス入力端子20cと電源回路36との間の抵抗値を、充電抵抗33aと充電抵抗33bとの合成抵抗の値、即ち、抵抗値R/2にする。この場合には、プラス入力端子20cの電圧が0Vから比較用基準電圧(Eref)31となるまでの立ち上がり時間は(1/2×R)×(Ctr1+Ctr2+Cs)となって、ほぼ立ち上がり時間Trと同等となる結果、プラス入力端子20cの波形及びコンパレータ回路30の出力信号37の波形はそれぞれ図6(a)の波形40a及び図6(b)の波形40bとほぼ同等となるので、検出時間の増加を防ぐことが出来る。但し、この場合の指示体タッチ時の立ち上がり時間は1/2×R×(Ctr1+Ctr2+Cs+Ct)となり、指示体タッチ時の立ち上がり時間と指示体タッチ無しの立ち上がり時間との差分時間はΔt/2となる。よって、指示体タッチにより得られる検出値は、両充電抵抗可変スイッチ35a,35bを共にオフ状態に制御する場合と比較して、小さくなる。
更に、図5の充電抵抗可変スイッチ35a,35bを共にオフの状態に制御した上で、検出用行配線群7内の隣接する4本の検出用行配線Wr1〜Wr4がそれぞれ対応するオン状態に制御されたスイッチRLr1〜RLrを介してコンパレータ回路30のプラス入力端子20cに接続された場合を考える。この場合には、検出用行配線群7の静電容量は、各検出用行配線Wr1〜Wr4の容量値Ctr1〜Ctr4の総和となるため、1本の検出用行配線Wr1がプラス入力端子20cに接続された既述の場合と比較して、約4倍の大きさとなる。この時のプラス入力端子20cの電圧が0Vから比較用基準電圧(Eref)31となるまでの立ち上がり時間は、充電抵抗33aの抵抗値Rと総容量(Ctr1+Ctr2+Ctr3+Ctr4+Cs)との積となり、容量値Ctr1〜Ctr4の総和に対して容量34の容量値Csが同様に小さいものと仮定すると、1本の検出用行配線Wr1がプラス入力端子20cに接続された既述の場合に於ける立ち上がり時間Trの約4倍となり、プラス入力端子20cの電圧波形は図6の(g)に示す波形43aとなり、コンパレータ回路30の出力信号37の波形は図6の(h)に示す波形43bとなる。その結果、4本の検出用行配線Wr1〜Wr4をまとめて1本の検出用行配線が構成されているものと考えると、1本の検出用行配線当りの検出時間は、1本の検出用行配線Wr1がプラス入力端子20cに接続された既述の場合と比較して、約4倍になってしまう。
この様な検出時間の増大を抑止する解決手段としては、図5の両充電抵抗可変スイッチ35a,35bを共にオンの状態に制御して、プラス入力端子20cと電源回路36との間の抵抗値を、充電抵抗R33a,33b及び33cの合成抵抗の抵抗値R/4に設定する。この場合には、プラス入力端子20cの電圧が0Vから比較用基準電圧(Eref)31となるまでの立ち上がり時間は(1/4×R)×(Ctr1+Ctr2+Ctr3+Ct4r+Cs)となって、図6(a)の立ち上がり時間Trとほぼ同等となり、その結果、プラス入力端子20c及びコンパレータ回路30の出力信号37の各々の波形は、それぞれ、図6(a)の波形40a及び図6(b)の波形40bとほぼ同等となるので、検出時間の増加を防ぐことが出来る。但し、指示体タッチ時の立ち上がり時間は(1/4×R)×(Ctr1+Ctr2+Ctr3+Ct4r+Cs+Ct)となり、指示体タッチ時の立ち上がり時間と指示体タッチ無しの立ち上がり時間との差分時間はΔt/4となり、指示体タッチにより得られる検出値は、両充電抵抗可変スイッチ35a,35bを共にオフ状態に制御する場合と比較して、更に小さくなる。
以上の様に、検出用の発振回路22の充電時間は、発振回路21に接続される容量の容量値と当該容量を充電する充電抵抗の抵抗値とに比例する。そして、発振回路21の節点INに接続される検出用列(行)配線の数が増えるに従って、充電抵抗の抵抗値を変更してより小さな値に設定することにより、検出容量の分解能をより下げることになるものの、検出用の発振回路22の充電時間の増加を防止することが可能となる。
そこで、タッチ座標を検出する動作を、1)補間処理を用いて詳細なタッチ位置を検出するモード(以下「位置検出モード」と言う。)と、2)位置検出モードと比較して検出容量の分解能を下げても構わない概略のタッチ位置を検出するモード(以下「タッチ検出モード」と言う。)に分けて、必要な検出感度毎に負荷容量に応じた充電抵抗を選択することにより、トータルとして見た場合のタッチ座標の検出動作時間を短くすることが出来る。即ち、本実施の形態に係るタッチパネルでは、タッチ検出モード→位置検出モード→タッチ座標の検出処理と言う様に、動作が行なわれる。
ここで、検出用の発振回路22の出力信号の発振周期は、図4に示す前段の第1計数回路23aにより発振回路21の発振信号を所定の計数値となるまで計数し、更に第1計数回路23aが計数動作を開始してから計数値が所定計数値となる迄の期間を後段の第2計数回路23bで以って計数することで、検出される。この2段階の計数処理により、ノイズ信号の計数を防止して検出用の発振回路22の出力信号の発振周期を精密に計測することが出来る。
尚、本実施の形態の記載では、検出用列配線2、検出用行配線3、引き出し配線8,9及びその他の回路配線に於ける寄生静電容量、並びに、検出線選択スイッチ回路20a,20bの入出力端から見た際の静電容量は、簡単化のために、省略されている。実際には、これらの静電容量を考慮して、充電抵抗の抵抗値等の各回路パラメータを選定する必要性があるが、その点は本実施の形態の本質に影響を及ぼすものではない。
次に、タッチ座標を検出するための一連の動作について、記載する。そのために、タッチスクリーン1に於ける検出用列配線2の総数が16本(x0〜x15)であり、検出用行配線3の総数も16本(y0〜y15)であるタッチシステムを想定した上で、図7及び図8に示すフローチャート並びに図9〜図20の図面を用いて、上記動作を記載する。
ここで、図9及び図10は、16本の検出用列配線2に対して、4本ずつを一まとめにして一つの検出用列配線群6とし(検出線選択スイッチ回路20a内のスイッチの内で一まとめにされる当該4本の検出用列配線2に対応する4個のスイッチは同時にオン状態に制御されて接続される。)、4本の検出用列配線2毎に、即ち、検出用列配線群6毎に、本実施の形態に係るタッチパネルシステムが列検出動作する「タッチ検出モード」の場合に於ける動作を示す図である。図9及び図10に於いては、4本ずつにまとめた検出用列配線群6は、それぞれ、検出用列配線x0〜x3に対して検出用列配線群X0, 検出用列配線x4〜x7に対して検出用列配線群X1, 検出用列配線x8〜x11に対して検出用列配線群X2, 検出用列配線x12〜x15に対して検出用列配線群X3として、表されている。そして、図9及び図10に於いては、一回の列検出動作で発振回路21に接続された検出用列配線2は実線で示され、発振回路21に接続されない検出用列配線2は破線で示され、指示体がタッチした位置50はハッチングで示されている。
又、図11及び図12は、図9及び図10の場合と同様に、タッチパネルシステムが行検出動作する「タッチ検出モード」の場合を示す図である。両図11,12では、4本ずつにまとめた検出用行配線群7を、それぞれ、検出用行配線y0〜y3に対して検出用行配線群Y0, 検出用行配線y4〜y7に対して検出用行配線群Y1, 検出用行配線y8〜y11に対して検出用行配線群Y2, 検出用行配線y12〜y15に対して検出用行配線群Y3として、表している。そして、一回の行検出動作で発振回路21に接続された検出用行配線3は実線で示され、発振回路21に接続されない検出用行配線3は破線で示されると共に、指示体がタッチした位置50はハッチングで示されている。
図13〜図15は、本タッチパネルシステムが16×16の行列検出配線を「位置検出モード」に於いて列検出動作した場合を示す図である。図13〜図15に於いても、同様に、列検出動作に於いて発振回路21に接続された検出用列配線2は実線で示され、発振回路21に接続されていない検出用列配線2は破線で示され、指示体がタッチした位置50はハッチングで示されている。
又、図16〜図18は、本タッチパネルシステムが16×16の行列検出配線を「位置検出モード」に於いて行検出動作した場合の状態を示す図である。図16〜図18に於いても、同様に、行検出動作で発振回路21に接続された検出用行配線3は実線で示され、発振回路21に接続されない検出用行配線3は破線で示され、指示体がタッチした位置50はハッチングで示されている。
又、図19及び図20は、図9〜図18に示された動作により検出された検出レベルを棒グラフで表した図であり、図19及び図20に於いて、横軸は検出用配線を、縦軸は検出レベル(尚、比率のため、単位は無い。)を表している。特に、図19の結果56aは「タッチ検出モード」時の列検出結果を、図19の結果56bは「タッチ検出モード」時の行検出結果を、図20の結果56cは「位置検出モード」時の列検出結果を、図20の結果56dは「位置検出モード」時の行検出結果を、それぞれ表している。そして、57aは「タッチ検出モード」での列検出結果の内で最大値となった検出用列配線群6の検出レベルを、57bは「タッチ検出モード」での行検出結果の内で最大値となった検出用行配線群7の検出レベルを、57cは「位置検出モード」での列検出結果の内で最大値となった検出用列配線2の検出レベルを、57dは「位置検出モード」での行検出結果の内で最大値となった検出用行配線3の検出レベルを、58aは検出レベルが最大値となった検出用列配線群6に隣接する検出用列配線群の内で、その次に検出レベルが高い検出用列配線群6の検出レベルを、58bは検出レベルが最大値となった検出用行配線群7に隣接する検出用行配線群の内で、その次に検出レベルが高い検出用行配線群7の検出レベルを、58cは検出レベルが最大値となった検出用列配線2に隣接する検出用列配線の内で、その次に検出レベルが高い検出用列配線2の検出レベルを、58dは検出レベルが最大値となった検出用行配線3に隣接する検出用行配線の内で、その次に検出レベルが高い検出用行配線3の検出レベルを、59は「タッチ検出モード」時に於けるタッチの有無の判定を行うための閾値を、それぞれ、示している。
本タッチパネルシステムに於いては、図7及び図8に示される通り、タッチ座標を検出する動作は、「タッチ検出モード」(ステップ71〜ステップ80)と、「位置検出モード」(ステップ81〜ステップ89)との2種類の動作モードの繰り返しにより実行される。
その内、「タッチ検出モード」は、タッチスクリーン1の表面が指示体によってタッチされたことを検出して、タッチされた検出用列配線群6及び検出用行配線群7を特定することを、その目的としており、タッチ位置を検出用列配線2及び検出用行配線3のレベルで特定する「位置検出モード」と比較して、「タッチ検出モード」では、その分解能を下げても構わない。そのために、「タッチ検出モード」に於いては、所定の複数本毎に、所定の複数本の検出用配線は一まとめにされて同時に発振回路21に接続され、発振回路21に於ける充電抵抗の抵抗値は、一まとめにした検出配線数及び必要な検出分解能を考慮して、「位置検出モード」時よりも小さく設定される。これらの制御は、図4の検出制御回路25によって行われ、図7のタッチ検出モード設定(ステップ71)に於いて行われる。
「タッチ検出モード」時の検出用配線をまとめる本数は、全検出配線数、必要分解能、及び、本タッチパネルシステムは本システムが設置される環境下に於いても安定して動作することが前提であることに基づいて決定され、必ずしも4本である必要性は無いが、図7〜図12の説明に於いては、一例として、「タッチ検出モード」時の検出用配線をまとめる本数を4本として規定する。
そこで、図7の検出モード設定(ステップ71)で行われる制御に於いては、図4の検出制御回路25は、列検出及び行検出に関して、検出用配線をまとめる本数を4本に、検出用配線のスキャンステップを4本毎に、発振回路21の充放電抵抗を1/4×Rに(スイッチ35a,35bを共にON状態に制御する。)、それぞれ設定する。
「タッチ検出モード」での列(X)側検出(ステップ72)に於いては、図9及び図10の51a,51b,51c及び51dに示す様に、図4の検出制御回路25は、16本の検出用列配線2の内から、検出対象となる検出用列配線群6を4本の検出用列配線2毎に選択して(例えば、図9及び図10の51a→51b→51c→51dの様に、図4の検出制御回路25は、x0〜x3(検出用列配線群X0)→x4〜x7(検出用列配線群X1)→x8〜x11(検出用列配線群X2),x12〜x15(検出用列配線群X3)と言う様に、順次に第1検出線選択スイッチ20a内のスイッチを切り替える。)、選択された検出用列配線群6と発振回路21との接続を順次に切り替える。尚、図9及び図10では、前述の通り、発振回路21に接続された検出用列配線2は実線で示されており、非接続の検出用列配線2は破線で示されている。
この様な発振回路21と接続される検出用列配線群6の選択動作と連動して、第1計数回路23aは、検出用の発振回路22が発振する出力信号の計数処理を開始し(開始時は、図4の検出制御回路25が、リセット信号を解除した上でイネーブル信号をアクティブレベルに変更した時点である。)、その計数値が所定の計数値となるまで計数処理を実行する。そして、計数値が所定の計数値となった時点で、第1計数回路23aはフラグ信号を検出制御回路25に出力し、そのフラグ信号の受信に応じて、検出制御回路25はイネーブル信号を非アクティブレベルへと変更し、以って第1計数回路23aの計数動作を停止させる。
これに対して、後段の第2計数回路23bは、上記イネーブル信号がアクティブレベルとなっている期間中にのみ、計数用クロック信号を計数する。即ち、第2計数回路23bの計数値は、第1計数回路23aが計数動作を開始してから計数値が上記所定の計数値となるまでの期間を示していることになる。この期間の検出は、第1計数回路23aの計数値が発振回路22の発振周期と比例関係にあるので(上記計数値は発振回路22の発振周期の所定計数値倍に該当する。)、結果として、発振周期が検出されたことを意味する。
そして、最終段のタッチ座標検出回路24は、検出用列配線群6をそれぞれ順次に発振回路21へ接続したときの計数回路23からの周期検出結果を、そのメモリ(図示せず。)に保持する(ステップ73)。更に、ステップ73に於いて、タッチ座標検出回路24は、前回の列検出動作に於いて各検出用列配線群6をスキャンして検出された検出結果D(N)(t−1)と、今回の列検出動作に於いて各検出用列配線群6をスキャンして検出された検出結果D(N)(t)との差分値E(N)(t)(=|D(N)(t)−D(N)(t−1)|)を、検出用列配線群6毎に算出する。ここで、Nは検出用列配線2を4本毎にまとめた場合の検出用列配線群6の番号を示しており、tはスキャン番号を示している。
列(X)側の検出動作(ステップ72〜ステップ74)が終了するのを検出制御回路25が検出すると、列(X)側の検出動作と同様にして、タッチ座標検出回路24は、検出用行配線群7(Y0〜Y3)をそれぞれ順次に発振回路21へと接続したときの計数回路23からの周期検出結果を保持する(ステップ76)。そして、ステップ76に於いて、タッチ座標検出回路24は、前回の行検出動作に於いて各検出用行配線群7をスキャンして検出された検出結果D(M)(t−1)と、今回の行検出動作に於いて検出された検出結果D(M)(t) との差分値E(M)(t)(=|D(M)(t)−D(M)(t−1)|)を算出する(図7のステップ75〜ステップ77の動作、並びに、図11及び図12の52a〜52d迄の動作に該当。)。
タッチ検出(ステップ78)では、タッチ座標検出回路24は、各検出用列配線群6の差分値E(N)(t)及び各検出用行配線群7の差分値E(M)(t)の各々が図19に示すある所定値59以上であるか否かを判定する。若し差分値E(N)(t)又はE(M)(t)がある所定値59未満の場合には、タッチ座標検出回路24は、当該検出用列配線群6又は当該検出用行配線群7と指示体とのタッチ検出が無いと判断し、図7のWAIT処理(ステップ79)を経て、本タッチパネルシステムは、「タッチ検出モード」に於いて、列(X)側のタッチ検出動作及び行(Y)側のタッチ検出動作を繰り返す。
WAIT処理(ステップ79)は、指示体のタッチを確認する迄の応答を決める時間の経過処理であり、当該時間はアプリケーションの操作性等を考慮して決定される。一般に、WAIT処理時間を長く設定すると、タッチ時から最初に応答するまでの時間が長くなるが、反面、スキャン動作を停止している時間が長くなるため、消費電力の低減が可能となる。
他方、差分値E(N)(t)又はE(M)(t)がある所定値59以上である場合には、タッチ座標検出回路24は、当該検出用列配線群6又は当該検出用行配線群7と指示体とのタッチ検出が有ると判断し、次のタッチ検出配線特定処理(ステップ80)を行う。
タッチ検出配線特定(ステップ80)では、タッチ座標検出回路24は、4本毎に一まとめにした検出用列配線群6(X0〜X3)及び検出用行配線群7(Y0〜Y3)の中から、それぞれに対応する差分値E(N)(t)及びE(M)(t)が最大値となる検出用列配線群6及び検出用行配線群7の近傍にタッチ位置があると判定し、「位置検出モード」での処理を行うべき検出用配線の特定を行う。
「位置検出モード」で検出処理をすべき検出用配線の特定に於いては、タッチ座標検出回路24は、全ての検出用列配線群6の中で、その差分値E(N)(t)が最大値を示した検出用列配線群6に含まれる全ての検出用列配線2と、当該検出用列配線群6に隣接する検出用列配線2(最大で2本)とを、「位置検出モード」」時にスキャンする検出用列配線6と特定する。ここで、図9及び図10は、指示体のタッチ位置が検出用列配線x7,x8及び検出用行配線y3,y4の周辺にあることを想定した一例を示しており、しかも、検出用列配線群6をX0→X1→X2→X3と順次にスキャンした場合に於いて、指示体タッチ位置50との重なり面積が一番大きい検出用列配線群X2(x8〜x11)が、差分値E(N)(t)の検出レベルに関して、最大値を示す(図19の57aを参照。)。「タッチ検出モード」の次に行う「位置検出モード」に於いては、当該モードに於いて対象となる全ての検出用列配線2を1本毎にスキャンして、その中の最大の差分値を含む検出用列配線3からタッチ位置50の重心を補間処理によって演算する。但し、補間処理に使用する検出用列配線2が検出用列配線群6として一まとめにして検出した4本の検出用列配線2の中に必ずしも含まれるとは限らないため、タッチ座標検出回路24は、4本の検出用列配線2(x8〜x11)と共に、4本の検出用列配線2(x8〜x11)に隣接する2本の検出用列配線2(x7,x12)をも含めて、「位置検出モード」時に1本毎にスキャンする検出用列配線2として特定する。この時、単純に隣接する全ての検出用列配線を含めると、「位置検出モード」時にスキャンすべき検出用列配線2の総数は2本増加することになる。しかしながら、最大の差分値(57a)を示した検出用列配線群X2に隣接した検出用列配線群X1及びX3の内で、高い方の差分値の検出レベル(58a)を呈する隣接検出用列配線群X1のみを含めるものとすれば(図9及び図10では(X1の差分値)>(X3の差分値)であるため、検出用列配線x7が「位置検出モード」時にスキャンすべき検出用列配線に含まれる。)、「位置検出モード」時にスキャンすることになる検出用列配線の数を更に減らすことも可能となる。図9及び図10に於いては、x7,x8,x9,x10,x11の5本が、「位置検出モード」時に検出対象としてスキャンされる検出用列配線2となる。
タッチ座標検出回路24は、上記した検出用列配線2の特定と同様に、検出用行配線群7の中でその差分値が最大値を示した検出用行配線群7に含まれる4本の検出用行配線3と、当該検出用行配線群7に隣接する検出用行配線3とを、「位置検出モード」時にスキャンする検出用行配線3として特定する。例えば、図11及び図12では、Y0→Y1→Y2→Y3と順次に検出用行配線群7をスキャンした中で、指示体のタッチ位置50との重なりの面積が一番大きい検出用行配線群Y1(y4〜y7)が、差分値に関して、図19に示す様に、最大値57bを示し、且つ、(Y0の差分値の検出レベル58b)>(Y2の差分値の検出レベル)の関係が成立するため、検出用行配線群Y0に含まれる隣り合う検出用行配線y3をも含めると、その結果、y3,y4,y5,y6,y7の5本が、「位置検出モード」時にスキャンすべき検出用行配線3となる。
次に、検出制御回路25は、「位置検出モード」で対象の各検出用配線2,3をスキャンするための設定(ステップ81)を行う。具体的には、ステップ80に於いて、「位置検出モード」時にスキャンすべき検出用列配線2及び検出用行配線3の特定処理が終了すると、タッチ座標検出回路24は、以降は「位置検出モード」で列検出及び行検出を行う旨を指令する信号を検出制御回路25に送信する。この送信を受けて、検出制御回路25は、その動作を「位置検出モード」へと移行させ、その結果、検出用配線2,3のまとめ本数を1本に設定し、検出用配線2,3のスキャンステップを1本毎に設定すると共に、発振回路21の充放電抵抗の抵抗値を抵抗値Rに設定する(スイッチ35a,35bを共にOFF状態に制御する。)。
列(x)側検出(ステップ82)に於いては、検出制御回路25は、特定された全検出用列配線3(x7,x8,x9,x10,x11の5本)のみを1本毎に順次にスキャンし(図13〜図15に於いて、53a→53b→53c→53d→53eの順序。)、タッチ座標検出回路24は、周期検出結果を、そのメモリ(図示せず。)に保持する(ステップ83)。そして、ステップ83に於いて、タッチ座標検出回路24は、補正用として別途タッチ無しの条件下で1本の検出列配線2を「位置検出モード」で予めスキャンして取得された検出結果Dcal(n)(図8のフローチャートには図示せず。以下、「補正データ」と言う。)と、今回スキャンして検出された検出結果D(n)(t)との差分値E(n)(t)を、「位置検出モード」用として特定された全検出用列配線3の各々について、算出する。ここで、nは1本毎にまとめた場合の検出用列配線2の番号を示し、tはスキャン番号を示す。
列(x)側の検出動作(ステップ81〜ステップ84)が終了すると、検出制御回路25は、同様にして、特定された全検出用行配線3(y3,y4,y5,y6,y7の5本)のみを1本毎に順次にスキャンし(図16〜図18に於いて、54a→54b→54c→54d→54eの順序。)、タッチ座標検出回路24は、各検出用行配線3に関する周期検出結果を、そのメモリ(図示せず。)に保持する(ステップ86)。そして、ステップ86に於いて、タッチ座標検出回路24は、補正データDcal(m)と、今回のスキャンで検出された検出結果D(m)(t) との差分値E(m)(t)を算出する。即ち、図8のステップ85〜ステップ87迄の動作、及び、図16〜図18では54a→54b→54c→54d→54e迄の動作が実行される。
次に、タッチ座標検出回路24は、その差分値E(n)(t)が最大となる検出用列配線2に隣接する2本の検出用列配線2に於ける発振周期検出値の差分値E(n−1)(t)及びE(n+1)(t)を用いて補間処理を行い(ステップ88)、タッチ位置の正確な列座標を算出する。同様に、ステップ88に於いて、タッチ座標検出回路24は、その差分値E(m)(t)が最大となる検出用行配線3に隣接する2本の検出用行配線3に於ける発振周期検出値の差分値E(m−1)(t)及びE(m+1)(t)を用いて補間処理を行い、タッチ位置の正確な行座標を算出する。
その後、タッチ座標検出回路24は、ステップ88の位置補間演算処理によって得られた指示体のタッチ位置の位置座標のデータを、パーソナルコンピュータ等の外部の接続機器に対して出力する(ステップ89)。
以上の通り、本実施の形態に係るタッチ位置検出動作に於ける検出時間は、前述の通り、「タッチ検出モード」時の1回の検出時間が「位置検出モード」時の1回の検出時間と同等とすると、総検出時間は、検出回数(「タッチ検出モード」時の検出回数の8回と「位置検出モード」の10回の和)18回に比例することになる。これに対して、従来の検出方法では、検出時間は、総検出配線数に比例するので、32回となる。よって、仮にモード設定切り替えの処理等の時間がスキャン動作と比較して小さい場合には、本実施の形態に於ける検出時間は、この差の14回分(=32回−18回)と1回の検出時間との積に相当する時間が短縮された検出時間となる。
ここで、検出用配線数と検出時間との関係を示したグラフを、図21に示す。従来の場合が破線60aであり、検出用配線を4本毎にまとめてタッチ検出を行い、その後に1本の検出用配線毎に位置検出を行う本実施の形態の場合が60bであり、短縮された時間が60cとなる。この様に、本実施の形態による効果は、検出用配線数が増加する程に大きくなることが分かる。よって、タッチパネルスクリーン1が大型化して検出用配線の本数が増加する程に、本実施の形態による効果は大きくなる。
以上の様に、タッチパネルスクリーン1の大型化により検出用配線の本数が増加した場合であっても、タッチ位置の検出時間を大きく増加させずに、確実にタッチ位置の位置座標を検出することが出来る。
尚、上記の記載では、検出用配線と接続して弛張発振回路を構成した場合について説明したが、図22に示す様に、IN20cの電圧と比較する閾値を2種類(31a,31b)有するヒステリシスコンパレータ30を設け、ヒステリシスコンパレータ30の出力信号37で以って充放電抵抗33a〜33cを充放電させて発振するヒステリシス発振回路に於いても、弛張発振回路の場合と同様に、本発明の特徴点を適用することが出来る。
又、本実施の形態では、充電又は放電するための電流値を可変するために、複数の充電抵抗33a〜33cを充電抵抗可変スイッチ35a,35bで切り替えることで実現しているが、複数の設定値を設定可能な電流源で置き換えることも可能である。
尚、本実施の形態によれば、指示体のタッチが無い場合には、複数の検出用配線をまとめて動作する概略スキャンのみを実施して時間を短縮化し、余分な時間はスキャン動作させずに済むため、タッチパネルシステムの消費電力を抑えることが出来る。
(実施の形態2)
実施の形態1に於いては、検出用配線群6,7が共通線20cに接続されない状態でも、容量(Cs)34(図5参照)等の素子を接続することで発振回路21を構成している。これは、検出線選択スイッチ回路20a,20bの切り替えタイミングによっては、何れの検出用配線群も接続されない状態が生じる可能性があり、その場合には発振周期が大きくずれてしまい、検出用配線群が再度接続された状態に復帰したときに発振周波数の整定に時間がかかったりする等、発振状態が不安定になることを防ぐためである。
ここで、図23は、検出用列配線x0〜x7を「位置検出モード」でスキャン動作した際のスイッチング制御を示すタイミングチャートである。図23に於いて、波形61aはスイッチング制御信号であり、そのHレベルが検出用列配線の接続状態を表し、そのLレベルが非接続状態を表す。又、波形62aは検出用の発振回路22の共通線20cに接続される容量負荷を示しており、その縦軸のレベルが大きい程、容量負荷が大きいことを表している。本図では、分かり易い様に、検出線選択スイッチ回路20aの切り替えタイミング時に何れの検出用列配線2も接続されない期間を、期間63として表している。よって、期間63は、検出用の発振回路22の容量負荷62aが小さい値であることを示している。
図24は、検出用列配線x0〜x7を、「タッチ検出モード」に於いて、2本の検出用列配線毎に、当該2本の検出用列配線を一つの検出用列配線群としてまとめることで、各検出用列配線群をスキャン動作した際のスイッチング制御を示すタイミングチャートであり、波形61bはスイッチング制御信号である。この場合にも、スイッチ接続時に於いて、検出用の発振回路22の共通線20cには、図23の「位置検出モード」時に於ける容量負荷62aの2倍に該当する容量負荷62bが接続され、期間63では、容量負荷62bは小さい値を示している。前述の通り、容量(Cs)34は、期間63の期間に於いても、発振回路21が不安定にならない様にする目的がある。
そこで、「タッチ検出モード」時には、複数本の検出用列配線2を一まとめにスイッチ接続して各検出用列配線群6を構成し且つ各検出用列配線群6を順次にスキャン動作するので、検出制御回路25は、スイッチング制御信号のタイミングを、図25に示す様に、隣接する検出用列配線群6が重ならない期間が無い様に制御することで、即ち、図25の例に於いては、検出用列配線x0,x2,x4,x6の接続前期間を長くスイッチ接続する様に設定する一方、残りの検出用列配線x1,x3,x5,x7の接続後期間を長くスイッチ接続する様に設定することで、その際の容量負荷62cは図25に示す実線の様になり、何れの検出用列配線群6もがスイッチ接続されない期間(容量負荷62cに示す破線)を無くすことが可能になる。つまり、図25に示す様なスイッチング制御を検出制御回路25が行うことにより、「タッチ検出モード」時に於いては、発振回路21内の容量(Cs)34を削除するか、或いは、より小さな値に設定することが可能になる。
ここで、図26は、図25で示した発想を踏まえて、図5の発振回路21の容量(Cs)34を可変出来る様に工夫した回路構成を示す図である。図26に於いては、図5の容量(Cs)34は、容量(Csa) 34aと容量(Csb )34bとの並列接続から成る構成に変更され、スイッチ35cのオン又はオフの制御によって(検出制御回路25によるスイッチ35cの制御)、一方の容量(Csb)34bの接続を切り替えられる様に、容量(Csb)34bは構成されている。そして、「位置検出モード」時に於いては、容量(Csa)34aと容量(Csb)34bとの合成値が、図5の容量(Cs)34に相当する様に、検出制御回路25はスイッチ35cをON状態に制御する一方、「タッチ検出モード」時に於いては、検出制御回路25はスイッチ35cをOFF状態に制御して、容量(Csb)34bの接続を切り離すこととする。
この様な構成の採用により、「タッチ検出モード」時に於いてのみ、図5の容量(Cs)34の静電容量値を、容量(Csa)34aが有する、より小さな静電容量値に減らすことで、発振周期を実施の形態1よりもより短くして、検出時間をより短縮することが可能となる。
尚、容量(Csa)34aと容量(Csb)34bとへの分割に関しては、容量(Csa)34aの容量値よりも容量(Csb)34bの容量値を大きく設定した方が、「タッチ検出モード」時に於ける上記の検出時間短縮効果が大きく、又、容量(Csa)34a自体を削除することも可能である。
(実施の形態3)
実施の形態1に於いては、「タッチ検出モード」時に於ける検出用配線群の接続による検出用発振回路22の発振周期の増加分を、充電抵抗の抵抗値を比較的小さく設定して充電電流を比較的に増やすことにより、比較的小さくなる様に制御しているが、本実施の形態では、図27の発振回路21に示す様に、大小関係を有する複数種類(31c,31d:31cの電圧<31dの電圧)の基準電圧をコンパレータ回路30の閾値電圧として用意し、且つ、検出制御回路25がスイッチ35dの接続状態の切り替えを制御することによって閾値電圧31c,31dを動作モード毎に切り替えることにより、「タッチ検出モード」時に於ける検出用発振回路22の発振周期の方が「位置検出モード」時の場合よりも短くなる様に、当該発振周期を制御する。
即ち、コンパレータ回路30の閾値電圧を高く設定すると、検出用発振回路22の発振周期は長くなるが、検出用配線群6,7の配線抵抗が比較的高い場合には、検出用配線群6,7の反端子側(発振回路21側の反対側)の感度低下時に於いても検出感度を確保出来ると言うメリットがある。他方で、「タッチ検出モード」時に於いては、「位置検出モード」時よりも静電容量の検出感度が小さくても良いので、コンパレータ回路30の閾値電圧を「位置検出モード」時よりも低く設定して検出用発振回路22の発振周期を短くすることが出来る。そこで、検出制御回路25によるスイッチ35dの接続制御により、「タッチ検出モード」時にはコンパレータ回路30の閾値電圧を低い方の基準電圧31cの値に設定して発振回路22の発振周期を「位置検出モード」時よりも短く制御する一方で、「位置検出モード」時にはコンパレータ回路30の閾値電圧を高い方の基準電圧31dの値に設定して静電容量の検出感度を「タッチ検出モード」時よりも上げる。
斯かる閾値電圧の制御により、静電容量の検出感度の必要なレベルを確保しながら、タッチ位置の検出時間の短縮化を図ることが可能になる。
尚、本実施の形態の特徴点を図26に例示した実施の形態2の回路にも適用可能である。
(実施の形態4)
実施の形態1に於いては、検出用発振回路22の出力信号の発振周期は、前段の第1計数回路23aの計数値が所定の計数値となるまで第1計数回路23aが計数動作を行い、更に、第1計数回路23aがその計数動作を開始してからその計数値が上記所定の計数値(閾値)となるまでの期間を後段の第2計数回路23bにより計数することで、検出される。この様な構成に於いては、第1計数回路23aの上記閾値を上げると発振周期の平均化回数が増加するため、平均化によるノイズ(ジッタ成分)を小さく抑制することが出来ると言うメリットがある反面、1回の検出時間が長くなると言うデメリットもある。
とは言え、「タッチ検出モード」時に於いては、前述の通り、「位置検出モード」時よりも静電容量の検出感度が小さくても良いので、「タッチ検出モード」時に於いて、第1計数回路23aの上記閾値をより小さな値に下げることで、1回の検出時間を短くすることで、全体の検出時間を短くすることが出来る。斯かる第1計数回路23aの上記閾値の変更制御は、検出制御回路25が出力するカウンタモード信号により行われる。
仮に、「タッチ検出モード」時に於いて第1計数回路23aの上記閾値をより下げて、「タッチ検出モード」時の検出時間を「位置検出モード」時の検出時間の1/2にすることが出来た場合には、本実施の形態の特徴点を実施の形態1の既述の例に適用すると、時間短縮効果は、「位置検出モード」時の検出時間を1とすると、
タッチ検出モード時間:(検出時間1/2)×(検出回数8回)
位置検出モード時間:(検出時間 1)×(検出回数10回)
合計(全体の検出時間):14
となり、全体の検出時間は実施の形態1の場合よりも4少なくなる結果、更に22%の時間短縮が可能となる。
この場合の検出用配線数と検出時間との関係は、図21の一点鎖線60dに示す様になり、実施の形態1と同様に、検出用配線数が増加する程に、検出時間短縮の効果が大きくなる。
尚、本実施の形態の特徴点を、実施の形態2又は3にも適用可能である。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチスクリーンの構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチスクリーンの構成を示す部分斜視断面図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける検出回路の全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチ動作検出系の回路構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける発振回路の回路構成及び当該発振回路と検出用行配線との接続関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける発振回路の発振波形を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチ位置の位置座標検出の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチ位置の位置座標検出の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチ検出モード時の列検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチ検出モード時の列検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチ検出モード時の行検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於けるタッチ検出モード時の行検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける位置検出モード時の列検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける位置検出モード時の列検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける位置検出モード時の列検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける位置検出モード時の行検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける位置検出モード時の行検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける位置検出モード時の行検出動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける検出用配線と検出レベルとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける検出用配線と検出レベルとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1及び実施の形態4の各々に係るタッチパネルに於ける検出用配線数と検出時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るタッチパネルに於ける発振回路の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るタッチパネルに於ける位置検出モード時のスイッチング制御信号を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るタッチパネルに於けるタッチ検出モード時のスイッチング制御信号を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るタッチパネルに於けるタッチ検出モード時のスイッチング制御信号を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るタッチパネルに於ける発振回路の回路構成及び当該発振回路と検出用行配線との接続関係を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るタッチパネルに於ける発振回路の回路構成及び当該発振回路と検出用行配線との接続関係を示す図である。
符号の説明
1 タッチスクリーン、2 検出用列配線、3 検出用行配線、6 検出用列配線群、7 検出用行配線群、20a,20b 検出線選択スイッチ回路、21 発振回路、22 検出用の発振回路、23 計数回路、24 タッチ座標算出回路、25 検出制御回路。

Claims (4)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の裏面上に所定の間隔で形成され、前記透明基板の列方向に伸在し且つ行方向に沿って配列された、導電膜から成るN(N≧2)本の検出用列配線と、
    前記透明基板上に前記複数の検出用列配線と立体交差する様に所定の間隔で形成され、前記透明基板の前記行方向に伸在し且つ前記列方向に沿って配列された、前記導電膜から成るM(M≧2)本の検出用行配線と、
    発振回路と、
    それぞれが前記N本の検出用列配線の内の対応する検出用列配線を前記発振回路の入力端に接続するN個のスイッチを有する第1検出線選択スイッチ回路と、
    それぞれが前記M本の検出用行配線の内の対応する検出用行配線を前記発振回路の入力端に接続するM個のスイッチを有する第2検出線選択スイッチ回路と、
    前記第1検出線選択スイッチ回路の前記N個のスイッチの選択接続及び前記第2検出線選択スイッチ回路の前記M個のスイッチの選択接続を制御すると共に、前記発振回路の回路定数を制御する検出制御回路と、
    前記検出制御回路の制御の下で前記発振回路の出力信号の発振周期を計数して、前記発振周期の計数を開始してから前記発振周期の計数値が所定の計数値に達するまでの期間を計数する計数回路と、
    前記計数回路が出力する計数結果に基づいて、前記透明基板の表面にタッチした指示体と検出用列配線との間に形成される静電容量及び前記指示体と検出用行配線との間に形成される静電容量を検出することで前記指示体のタッチ位置の位置座標を算出するタッチ座標算出回路とを備えており、
    (1)タッチ検出モードの場合には、
    前記検出制御回路は、
    前記第1検出線選択スイッチ回路に対しては、n(n≧2且つN=α×n:αは自然数)個の隣合うスイッチを同時に接続状態にしてn本の隣合う検出用列配線を1本の検出用列配線群として一まとめにして前記発振回路の前記入力端に接続する状態で、α本の前記検出用列配線群が順次にスキャンされる様に前記N個のスイッチのオン・オフ状態を制御するスイッチング制御信号を出力する一方、
    前記第2検出線選択スイッチ回路に対しては、m(m≧2且つM=β×m:βは自然数)個の隣合うスイッチを同時に接続状態にしてm本の隣合う検出用行配線を1本の検出用行配線群として一まとめにして前記発振回路の前記入力端に接続する状態で、β本の前記検出用行配線群が順次にスキャンされる様に前記M個のスイッチのオン・オフ状態を制御するスイッチング制御信号を出力すると共に、
    前記発振回路に対しては、前記指示体のタッチが無い状態の場合に於いて、前記1本の検出用列配線群の接続による前記発振回路の前記出力信号の立ち上がり時間が、前記第1検出線選択スイッチ回路に属する1個のスイッチが接続されて1本の検出用列配線が前記発振回路の前記入力端に接続されたときの立ち上がり時間と同等になる様に、且つ、前記指示体のタッチが無い状態の場合に於いて、前記1本の検出用行配線群の接続による前記発振回路の前記出力信号の立ち上がり時間が、前記第2検出線選択スイッチ回路に属する1個のスイッチが接続されて1本の検出用行配線が前記発振回路の前記入力端に接続されたときの立ち上がり時間と同等になる様に、前記発振回路の前記回路定数を制御し、
    前記タッチ座標算出回路は、α個の計数結果の中で最大値となる計数結果を与える検出用列配線群に属するn本の検出用列配線と、当該検出用列配線群に隣接する検出用列配線とを、位置検出モードに於いて再度スキャンすべきタッチ検出列配線として特定し、且つ、β個の計数結果の中で最大値となる計数結果を与える検出用行配線群に属するm本の検出用列配線と、当該検出用行配線群に隣接する検出用行配線とを、位置検出モードに於いて再度スキャンすべきタッチ検出行配線として特定した上で、前記検出制御回路に対して、前記位置検出モードで前記第1及び第2検出線選択スイッチ回路を制御する様に指令し、
    (2)前記位置検出モードの場合には、
    前記検出制御回路は、
    前記第1検出線選択スイッチ回路に対しては、前記タッチ検出列配線の各々を1本毎に順次に前記発振回路の前記入力端に接続する様に、前記タッチ検出列配線の各々に対応するスイッチを順次に1個ずつ接続状態に制御するスイッチング制御信号を出力する一方、
    前記第2検出線選択スイッチ回路に対しては、前記タッチ検出行配線の各々を1本毎に順次に前記発振回路の前記入力端に接続する様に、前記タッチ検出行配線の各々に対応するスイッチを順次に1個ずつ接続状態に制御するスイッチング制御信号を出力すると共に、
    前記発振回路に対しては、前記指示体のタッチが無い状態の場合に於いて、前記発振回路の出力信号の立ち上がり時間が、1個のスイッチが接続されて1本の検出用列配線又は1本の検出用行配線が前記発振回路の前記入力端に接続されたときの立ち上がり時間と同等となる様に、前記発振回路の前記回路定数を制御し、
    前記タッチ座標算出回路は、前記タッチ検出列配線の各々が順次に前記発振回路の前記入力端に接続されたときに前記計数回路が出力する計数結果に基づいて、前記指示体と前記タッチ検出列配線の各々との間に形成される各静電容量を検出し、且つ、前記タッチ検出行配線の各々が順次に前記発振回路の前記入力端に接続されたときに前記計数回路が出力する計数結果に基づいて、前記指示体と前記タッチ検出行配線の各々との間に形成される各静電容量を検出することで、各静電容量検出結果に基づいて前記指示体の前記タッチ位置の前記位置座標を算出することを特徴とする、
    タッチパネル。
  2. 請求項1記載のタッチパネルであって、
    前記タッチ検出モードの場合に於いてのみ、
    前記検出制御回路は、
    前記第1検出線選択スイッチ回路に対しては、各隣合う両検出用列配線群がタイミング的に前記発振回路の前記入力端に重なって接続される状態が無い期間が存在しない様に、前記N個のスイッチのオン・オフ状態を制御するスイッチング制御信号を出力する一方、
    前記第2検出線選択スイッチ回路に対しては、各隣合う両検出用行配線群がタイミング的に前記発振回路の前記入力端に重なって接続される状態が無い期間が存在しない様に、前記M個のスイッチのオン・オフ状態を制御するスイッチング制御信号を出力することを特徴とする、
    タッチパネル。
  3. 請求項1又は2に記載のタッチパネルであって、
    前記発振回路は、
    前記発振回路の前記入力端をそのプラス入力端子とし、その出力信号が前記発振回路の前記出力信号となるコンパレータ回路を備えており、
    前記検出制御回路は、
    前記コンパレータ回路のマイナス入力端子とグランド間に接続される比較基準電圧の電圧値が、前記タッチ検出モードの場合には、前記位置検出モードの場合よりも小さくなる様に、前記比較基準電圧を制御することを特徴とする、
    タッチパネル。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のタッチパネルであって、
    前記検出制御回路は、
    前記計数回路に設定される前記所定の計数値が、前記タッチ検出モードの場合には、前記位置検出モードの場合よりも小さくなる様に、前記計数回路を制御することを特徴とする、
    タッチパネル。
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