JP2009289179A - 力触覚提示装置 - Google Patents

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恵輔 加藤
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Abstract

【課題】オペレータの指先に対して力覚を提示するとともに、複数の指駆動により物体を把持した感覚や把持した物体の形状提示を行うこと。
【解決手段】オペレータの指先に対して力覚を提示する力触覚提示装置であって、オペレータの指先を保持する指先保持機構11と、指先保持機構11に保持された指先に対して位置を提示する基本3自由度駆動系12と、指先保持機構11に保持された指先に対して指先接触点を提示する小アーム14と、基本3自由度駆動系12の先端部分において、不要なモーメントが発生しないように指先接触点提示機構11を支持するジンバル16と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理環境を精緻に演算したシミュレーション空間、物理環境を擬似的又は簡易的に演算したシミュレーション空間、あるいはマスタとスレーブの関係にある実物理空間において、オペレータに対して力覚若しくは触覚の提示を行なうための力触覚提示装置に係り、特に、オペレータの指先に対して把持感覚の提示を行なう力触覚提示装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、オペレータの指先に対して力覚を提示するとともに、複数の指駆動により形状提示も行なう力触覚提示装置に係り、特に、固定された接触点に対する力覚若しくは触覚の提示を行なうだけでなく、接触状態を反映した、接触点の位置をも提示する力触覚提示装置に関する。
仮想現実(バーチャルリアリティ)や遠隔現実(テレリアリティ)といった技術分野では、視覚情報や聴覚情報に加えて操作者に力覚や触覚を提示するための力覚ディスプレイすなわち「ハプティクス・デバイス」が必須である。
近年の計算機速度の向上とシミュレーション技術の進展により、複数の物体が共存し、それらの間で衝突や接触といった物理的相互作用が生じるという仮想環境を、実時間でシミュレートすることが可能となってきた。このように、物体間の衝突やそのときの接触力を、力学を考慮して精密且つ実時間で算出できるようになると、算出された力を実際にモータで発生することで、ハプティクス・デバイスを介して仮想環境の物体に触れたり把持したりした際の感覚をリアルにユーザに提示することが可能となる。
ハプティクス・デバイスのアプリケーションは幅広く、物理環境を精緻に演算したシミュレーション空間、物理環境を擬似的又は簡易的に演算したシミュレーション空間、あるいはマスタとスレーブの関係にある実物理空間において、オペレータに対して力覚若しくは触覚の提示を行なうために利用される。具体的には、医療やその他の特殊技能の習得、小宇宙や海洋などの仮想環境や、原子炉などの特殊若しくは危険な環境での遠隔作業などにおいて、実際に触手できない環境の物体への3次元の力覚若しくは触覚を提示することができる。実時間処理可能な仮想空間の規模や精度に伴い、将来的には力覚ディスプレイの需要拡大が見込まれる。
例えば、図18に示すようなシリアル・リンクを用いたペン型のハプティクス・デバイスが一般的である。ユーザはペン型の先端部を把持し、ここに3軸力乃至6軸力のモーメントの提示が行なわれる(例えば、非特許文献1を参照のこと)。図示のハプティクス・デバイスは、オペレータがちょうどペン(若しくはプローブ)を持ったような操作系を有し、ペン先などの特定の部位に対して任意の空間位置とモーメントを提示するように3自由度アームと3自由度ジンバルが接続されている構造となっている。この種の装置によれば、原理的には、任意の場所に並進力とモーメントを発生させることが可能であるが、プロービングによる操作系が基調であるため、得られる感覚がペンで突付いたようなものであり、物を把持する感覚を与えることはできない。
あるいは、シリアル・リンクの剛性不足を解消する構造として、図19に示すように、パラレル・リンク構造を用いて3軸力乃至6軸力モーメントの提示を行なうハプティクス・デバイスも提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献2、非特許文献3を参照のこと)。
これらのリンク機構を用いたハプティクス・デバイスはいずれも、把持位置の1点のみに対して力覚提示を行なうもので、言い換えれば、操作者の各指への独立な力覚提示を行なうものではない。このため、指で仮想物体を把持した感覚を提示することができない、という問題がある。
ハプティクス・デバイスの機能として、力そのものを提示する力覚、接触状態を提示する接触覚が挙げられる。勿論、人間が通常行なう動触覚も含まれる。これらを実現するには、ハプティクスで必要な力制御能力のみならず、対象物体の形状を反映する位置提示性能の他、動触覚の実現には優れた応答性、つまり速度及び加速度制御性能が求められる。ペン(プローブ)型で力覚を鋭くしたりする方法もあるが、対象物の形状を知るには複数の接触点がある方がより自然であると思料される。
例えば、多指型のハプティクス・デバイスは、複数指の駆動によって、対象物の形状を提示できるという利点がある。ロボット・ハンドなどのスレーブ・ハンドを遠隔操作するマスタ・ハンドに適用することにより、マスタハンド(操作手段)の動きがスレーブハンド(作業手段)に伝えられ、且つ、スレーブ・ハンドの力覚がマスタ・ハンドに呈示される機能を有する。すなわち、マスタ側の操作者は、作業対象に対して直接的に作業をしているような感覚を得ることができる。すなわち、多指型のハプティクス・デバイスによれば、オペレータの指先に対して力覚を提示するとともに、複数の指駆動により形状提示も行なうことができる。
多指への力提示を行なうべく、図20に示すように、指と遠隔のモータ間をワイヤで接続し、ワイヤを介して力を印加するハプティクス・デバイスが提案されている(例えば、非特許文献4を参照のこと)。しかしながら、このような装置構成では、常時ワイヤが弛まないよう制御する必要があり、制御が煩雑になる傾向がある。また、ワイヤ間の干渉が発生し易く、特に回転に関する可動範囲はあまり広くない。
また、図21に示すような、対向型マニピュレータにハンド型力提示機構を付加するハプティクス・デバイスも提案されている(例えば、非特許文献5を参照のこと)。あるいは、これに類似した方法として、エグゾスケルトン先端にハンド型力提示機構を付加する方法も提案されている(例えば、非特許文献6を参照のこと)。
また、上記シリアル・リンク先端に指サックを取り付け、指への3軸力提示を行なう方式も提案されている。
例えば、人間の指を挿入する指サック、物体に触れる指カバー、及び上記指サックと上記指カバーの間にある歪みゲージの貼られた弾性構造体からなる6軸力覚センサを、小型マニピュレータを介してベースに連結して構成される力覚呈示装置について提案がなされており(例えば、特許文献2を参照のこと)、同装置によれば、人間の指先に力覚を呈示するとともに、人間が実際に物に触れたときの力覚データを記録・再生することができる。
また、ユーザ(使用者)の手(指)に装着され、装着された手や各指に対して触覚(触った感覚、例えば、質感、形状、強さ等の接触強度の分布)や力覚(触ったときに加わる力の感覚)を与える一対のリアルグローブを備えた触覚・力覚提示システムについて提案がなされており(例えば、特許文献3を参照のこと)、ユーザの各指の第1関節(末節骨と中節骨との間の関節)から先の指先部分を覆う位置に触覚発生部がそれぞれ設けられている。
また、複数の骨材を連結部で可動自在に連結するとともに、連結部をまたがり複数の骨材間に固定された弾性膨張収縮体を備え、骨材に連結されるとともに、少なくとも指又は手のひら又は手の甲を含む手の一部に係合される指サック又はグローブをさらに備え、弾性膨張収縮体を膨張又は収縮させることにより手の一部に疑似的な力を与える力覚ディスプレイ・ハンドについて提案がなされている(例えば、特許文献4を参照のこと)。
特許第3329443号公報 特開2002−182817号公報 特開2003−323247号公報 特開2004−29999号公報 http://www.sensable.com/haptic−phantom−desktop.htm(平成19年10月9日現在) http://forcedimension.com/fd/avs/home/products/(平成19年10月9日現在) http://www.quanser.com/industrial/html/products/fs_5dof.asp(平成19年10月9日現在) http://sklab−www.pi.titech.ac.jp/frame_index−j.html(平成19年10月9日現在) 川崎晴久、堀匠、毛利哲也共著「対向型多指ハプティックインターフェース」(日本ロボット学会誌 Vol.23,No.4,pp449−456,2005) http://www.immersion.com/3d/products/cyber_grasp.php(平成19年10月9日現在) http://telerobotics.stanford.edu/publications/Provancher03−ISRR−Perception.pdf(平成19年10月9日現在) http://bdml.stanford.edu/twiki/bin/view/Haptics/ContactLocationDisplay(平成19年10月9日現在)
しかしながら、上述した多指型のハプティクス・デバイスに関する従来技術はいずれも、指先に並進力しか提示できず、各指先のどこで接触しているのか、すなわち作用点を提示することはできない。このため、複数の指先に把持感覚を良好に提示するものとは言い難い。
人間の指において物体を直接接触していることが、より接触覚を得る上で重要である。このような観点から、指先に球状の突起を当てて、その位置を変化させることにより操作者が接触点情報を獲得できる力触覚提示装置について提案がなされている(例えば、非特許文献7、非特許文献8を参照のこと)。この装置は、オペレータの指先に直接接触するローラを転がして接触点の位置を明確に提示するように構成されており、オペレータはより敏感に接触覚をえることができる。しかしながら、接触点提示ローラは常に指に接触しているため、提示力がゼロの状態であってもこのローラが動くことによって、不必要な接触情報がオペレータに伝わってしまう。しかも、直接触れていることによりさらに敏感に知覚してしまうため、違和感は一層大きく感じられると思料される。
最も精緻な力覚と接触覚を提示するには、3つの併進自由度と、3つの回転自由度とも提示する必要があるが、すべての軸にアクチュエータを配置すると、設計上、力触覚提示装置は機構的に大掛かりになりがちであり、その結果、指先付近の自由度が懸念される。
このとき、重力補償の他、慣性力の補償にもアクチュエータのトルクを使ってしまうと、実質的に提示できる力が小さくなり、あるいは過渡特性が悪くなる可能性も多大にある。
また、多指型のハプティクス・デバイスにおいて、回転中心(接触点)が常に固定されている機構を用いると、把持対象物に対して各指の姿勢が変わる、すなわち接触点が変化したであろう状態においてもその変化を反映できないので、フィードバックされる力触覚はオペレータにとって違和感に変わる。
ペン型若しくはグリップ型のような把持から程遠い操作状態では、接触点の変化が適切に反映されないことに伴う違和感はさほど問題にはなりにくいと思われる。しかしながら、多指を用いてより精緻に力覚と接触覚提示しようとすると、むしろこの問題は大きくなる傾向とも言える。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、物理環境を精緻に演算したシミュレーション空間、物理環境を擬似的又は簡易的に演算したシミュレーション空間、あるいはマスタとスレーブの関係にある実物理空間において、オペレータに対して力覚若しくは触覚の提示を好適に行なうことが可能な、新規かつ改良された力触覚提示装置を提供することにある。
また、本発明のさらなる目的は、オペレータの指先に対して力覚を提示するとともに、複数の指駆動により物体を把持した感覚や把持した物体の形状提示も行なうことができる、優れた力触覚提示装置を提供することにある。
また、本発明のさらなる目的は、固定された接触点に対する力覚若しくは触覚の提示を行なうだけでなく、接触状態を反映した、接触点の位置をも提示することができる、優れた力触覚提示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、オペレータの指先に対して力覚を提示する力触覚提示装置であって、オペレータの指先を保持する指先保持機構と、前記指先保持機構に保持された指先に対して位置を提示する位置提示機構と、前記指先保持機構に保持された指先に対して指先接触点を提示する指先接触点提示機構と、前記位置提示機構の先端部分において、不要なモーメントが発生しないように前記指先接触点提示機構を支持する不要モーメント除去機構と、を備える、力触覚提示装置が提供される。
また、前記指先接触点提示機構は、前記指先保持機構上に配設された指先接触点駆動軸と、前記指先接触点駆動軸にて一端が回動可能に支持されている小アームと、前記指先保持機構上に配設され、指先の腹の表面に沿った形状の指先接触点提示溝と、前記小アームの回動に伴って前記指先接触点提示溝に沿って駆動される指先接触点と、を備え、前記不要モーメント除去機構は、前記位置提示機構の先端部分において、前記指先接触点回りに回動可能となる指先接触点提示軸にて前記小アームを支持するものであってもよい。
また、前記指先接触点駆動軸は、アクチュエータによって駆動される能動的な指先接触点提示自由度を持ち、前記指先接触点駆動軸の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの前記小アームの回転動作によって、指先接触点は前記指先接触点提示溝に沿って移動するものであってもよい。
また、前記不要モーメント除去機構は、3軸が1点で交わるとともに該交点が前記指先接触点と一致するように配設された3自由度ジンバルで構成され、前記の3軸のうちいずれか1軸が前記指先接触点提示軸と同軸状とされ、前記の3軸の他に少なくとも1つの冗長自由度を備えるものであってもよい。
また、前記不要モーメント除去機構は、前記の3軸であるヨー、ロール、及びピッチの3軸が互いに直交して1点で交わるように配設されたものであってもよい。
また、前記位置提示機構は、基本3自由度駆動系のシリアル・リンク型のアームからなり、前記不要モーメント除去機構は、前記位置提示機構を構成する前記アームの先端部分において、前記指先接触点回りに回動可能となる指先接触点提示軸にて前記小アームを支持するものであってもよい。
また、前記位置提示機構、前記指先接触点提示機構、前記不要モーメント除去機構の1組からなる構造体を1指向けの1ユニットとし、各指用のユニットを組み合わせることで、多指型の力触覚提示装置を構成するものであってもよい。
また、前記アームの姿勢に拘らず、前記指先接触点提示軸と前記ジンバルのグローバル座標系に対する姿勢を変化させない姿勢保持自由度をさらに備えるものであってもよい。
本発明によれば、オペレータの指先に対して力覚を提示するとともに、複数の指駆動により物体を把持した感覚や把持した物体の形状提示も行なうことができる、優れた力触覚提示装置を提供することができる。
また、本発明によれば、固定された接触点に対する力覚若しくは触覚の提示を行なうだけでなく、接触状態を反映した、接触点の位置をも提示することができる、優れた力触覚提示装置を提供することができる。
また、本発明によれば、力触覚の提示を行なう対象が仮想的な物理・力学シミュレーション空間又は実空間のいずれであれ、オペレータに対して適切な力覚並びに接触覚を提示することによって、オペレータにとって操作感を高め、対象物に対する危険な接触状態(若しくは把持状態)を避けるとともに、操作上の違和感によるオペレータの疲労を低減することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態は、オペレータに対して力覚若しくは触覚の提示を行なう力触覚提示装置に関する。力触覚の提示を行なう対象が仮想的な物理・力学シミュレーション空間又は実空間のいずれであれ、オペレータに対して適切な力覚、接触覚を提示することによって、オペレータにとって操作感を高め、対象物に対する危険な接触状態(若しくは把持状態)を避けるとともに、操作上の違和感によるオペレータの疲労を低減することができる、と本発明者らは考えている。
力触覚提示装置の機能として、力そのものを提示する力覚の他に、接触状態を提示する接触覚が挙げられる。勿論、人間が通常行なう動触覚も含まれる。これらを実現するには、ハプティクスで必要な力制御能力のみならず、対象物体の形状を反映する位置提示性能の他、動触覚の実現には優れた応答性、つまり速度及び加速度制御性能が求められる。ペン(プローブ)型で力覚を鋭くしたりする方法もあるが、対象物の形状を知るには複数の接触点がある方がより自然であると思料される。例えば、多指型のハプティクス・デバイスは、複数指の駆動によって、対象物の形状を提示できるという利点がある。
従来の多指型の力触覚提示装置の多くは、指先に並進力しか提示できず、各指先のどこで接触しているのか、すなわち作用点を提示することはできない構造となっており、複数の指先に把持感覚を良好に提示するものとは言い難い。最も精緻な力覚と接触覚を提示するには3つの並進自由度と3つの回転自由度とも提示する必要があるが、アクティブ自由度の増加に伴い装置の機構が肥大化し、隣接する指間の干渉など指先付近の自由度が懸念される。また、指先の接触点を常に固定した機構を用いると、把持対象物に対して各指の姿勢の変化をフィードバックできないので、オペレータに違和感や操作に伴う疲労感を与える。
これに対し、本実施形態に係る力触覚提示装置は、1指向けの1ユニット当たりのアクティブ自由度を削減するとともに、接触点における力覚若しくは触覚を提示する際に指先の接触状態に応じた接触点の位置を提示するものである。
本実施形態に係る力触覚提示装置は、基本的に、3自由度の位置提示用アームと、3自由度のジンバル機構と、1自由度の接触点提示用アームと、1自由度以上の指先部機構部指示保持から構成される、4つの能動自由度と3つの受動自由度を備えた構造体を1指向けの1ユニットとしている。そして、各指用のユニットを組み合わせることで、多指型の力触覚提示装置を構成し、且つ、適切なオペレータに対して適切な力覚、接触覚の提示を通じて操作感を高め、操作上の違和感によるオペレータの疲労を低減することができる。
図1には、本発明の一実施形態に係る力触覚提示装置の自由度構成を概念的に示している。但し、同図は、1指向けの1ユニットであり、各指用のユニットを組み合わせることで、多指型の力触覚提示装置を構成することができる。以下の説明では、オペレータの片手当たり、親指と人差し指、中指の3指に対して力覚を提示する例を挙げて説明する。
図示のユニット10は、オペレータの指先を挿入して保持する指先保持機構(指サック)11と、指先保持機構11に保持された指先に対して空間における接触点位置及び力を提示する位置提示手段(位置提示機構)と、位置提示手段の先端部に取り付けられて、指先保持機構11に保持された指先に対して指先接触点を提示する指先接触点提示手段(指先接触点提示機構)と、位置提示手段を構成する前記アームの先端部分で、不要なモーメントが発生しないように指先接触点提示手段を支持する不要モーメント除去手段(不要モーメント除去機構)を備えている。
位置提示手段は、図示の例では、基本3自由度駆動系12によって動作するシリアル・リンク型のアームからなり、アームの各関節自由度はアクチュエータによって駆動される能動自由度を持つ。但し、本発明の要旨は、シリアル・リンク型の基本3自由度駆動系に限定されるものではなく、等価の自由度を備えた他のリンクなどの機構で代替可能であることを理解されたい。
また、指先接触点提示手段は、指先保持機構11上に指先接触点駆動軸13にて一端が回動可能に支持されている小アーム14と、小アーム14の他端に設けられた指先接触点を備えている。指先接触点駆動軸13は指先保持機構11が保持する指先の背に相当する部位に配設されるとともに、指先接触点は同指先の腹に相当する部位に配設され、指先接触点提示軸15は、指先接触点回りの回転自由度を備えている。そして、指先接触点駆動軸13はアクチュエータによって駆動される能動的な指先接触点提示自由度を持ち、指先接触点駆動軸13の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの小アーム14の回転動作によって、指先接触点は指の腹に当接したままその表面に沿って移動する。よって、能動的な指先接触点駆動軸13による指先接触点提示自由度を制御することによって、指先保持機構11内の指先の腹の接触点位置を決定することができる。これによって、あたかも指先において接触点が変化したような力覚をオペレータに与えることができる。
図2には、指先接触点駆動軸13の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの小アーム14の回転動作によって、指先接触点が指の腹表面に沿って移動する様子を示している。但し、同図では、最も簡潔な円弧近似した駆動系を示している。
また、不要モーメント除去手段は、位置提示手段を構成するアームの先端部分において、指先接触点回りに回動可能となるように、指先接触点提示軸15にて小アーム14を支持している。図1に示す例では、不要モーメント除去手段は、3自由度を持つジンバル16からなるが、ヨー、ロール、及びピッチの3軸が互いに直交して1点で交わる構成の機構であり、この交点が指先接触点と一致するように配設されている。そして、ジンバル16の機構先端のロール軸が指先接触点提示軸15と同軸状に組み立てられる。したがって、指先接触点を中心に指先の姿勢を変化させることができるので、指先の接触点が固定されている場合とは異なり、指先保持機構11を介して力覚を与えたときの接触点と作用点とのオフセットはなく、不要なモーメントは発生しない。したがって、オペレータに対し操作上の違和感を与えることはないので、オペレータの疲労感を軽減することができる。
シリアル・リンク型のアームを駆動する基本3自由度駆動系12と、指先接触点駆動軸13の4自由度が能動自由度であり、ヨー、ロール(指先接触点提示軸15と同軸)、及びピッチからなるジンバルの3自由度は受動自由度である。すなわち、3自由度並進及び3自由度回転ともに力覚提示するために全軸にアクチュエータを搭載する場合(前述)に比べると、1指向けの1ユニット当たりの能動自由度が省自由度化されるので、機構が簡素化されて装置設計が容易になるとともに、指先付近の重量が軽減される。また、各指用のユニットを組み合わせて多指型の力触覚提示装置を構成した場合には、オペレータ操作の際に隣接する指先間で干渉を起こし難くなり、可動域が拡大する。
ユニット10は、追加機能として、基本3自由度駆動系12からなるアームの姿勢に拘らず、指先接触点提示軸15とジンバル16のグローバル座標系に対する姿勢を変化させない機構、すなわち姿勢保持自由度を適宜備える必要がある。
図3A並びに図3Bには、指先接触点提示軸15とジンバル16の姿勢保持自由度を持たない場合のユニット10の動作例を示している。すなわち、アームが図3Aに示した初期姿勢から他の姿勢に移行したとき、指先接触点提示軸15とジンバル16のグローバル座標系に対する姿勢が変化する。ここで、各指用のユニットを組み合わせることで多指型の力触覚提示装置を構成した場合、各指の間を保ったまま操作しようとすると、図3Bに示すように、ジンバル16が相互干渉を起こしてしまう危険がある。把持対象物体(提示対象物体)が小さい場合、往々にしてこのような問題を起こす可能性があると言える。
他方、図4A並びに図4Bには、指先接触点提示軸15とジンバル16の姿勢保持自由度を持つ場合のユニット10の動作例を示している。図4Aに示すような図3Aとほぼ同一となるアームの初期姿勢から他の姿勢に移行したとき、同様に各指の間を保ったまま操作したとしても、姿勢保持自由度によってジンバルの根元の姿勢が維持されることから、図4Bに示すように隣接するユニット間で相互干渉を起こし難くなり、結果として指毎に配設される各ユニットの可操作空間を拡大することができる。
このような姿勢保持自由度は、例えば、基本3自由度駆動系としてのアームを平行リンクと等価的な機構を用いて構成することができる。平行リンクは、当直径のプーリとワイヤを用いて製作することができる。勿論、機構設計の制約などにより、アクチュエータによるサーバによって姿勢保持自由度を実現する方法も考えられる。
図5及び図6には、指先保持機構周辺(図1中の、基本3自由度駆動系12の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルを示している。但し、図5は分解図であり、図6はその組立図である。
ジンバル機構は、3つのジンバル・アーム部材で構成され、ヨー、ロール、及びピッチの3軸が互いに直交して1点で交わるように組み立てられる。
指サックは図示を省略しているが、指先保持機構11に取り付けられる。そして、指先接触点駆動軸13の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの小アーム14の回転動作によって、指先接触点は指の腹に当接したままその表面に沿って移動するようになっている。なお、各ジンバル・アームには、軸毎の角度を計測する角度センサが配設されており、指先接触点の姿勢を計測することができるようになっている。
ジンバル16の機構先端のロール軸は指先接触点提示軸15と同軸状であるから、指先接触点を中心に指先の姿勢を変化させる際に、指先接触点と力覚を与える作用点とのオフセットはなく、不要なモーメントは発生しない。したがって、オペレータに対し操作上の違和感を与えることはないので、オペレータの疲労感を軽減することができる。
参考のため、図5及び図6に示した指先保持機構周辺が動作する様子を図7〜図12に示しておく。
図13には、1指向けの1ユニット全体の設計モデルを示している。図示の例では、基本3自由度駆動系はシリアル・アーム型で構成される。
各リンクのイナーシャを極力低減するために、能動自由度を実現する各アクチュエータ・モータなどはベース側に配設している。また、バックラッシュを僅少にするためのワイヤ駆動機構を適用している。
参考のため、図13に示したユニットが動作する様子を図14〜図17に示しておく。図13に示したユニットは、基本3自由度駆動系としてのアームを平行リンクと等価的な機構を用いて構成することによって姿勢保持自由度を備えている。したがって、図13に示したアームの初期姿勢から、図14〜図17に示したさまざまな姿勢に移行したときに、姿勢保持自由度によってジンバルの根元の姿勢が維持されることを理解されたい。
以下に、本実施形態に係る力触覚提示装置の主な特徴について説明する。
接触点位置の変化を提示可能
本実施形態に係る力触覚提示装置は各指における接触点の変化をオペレータに提示することができる。例えば、数mm〜20mm程度の物体を把持する場合は「摘む」動作であるため、概して指の先の方で把持する。他方、対象物体の大きさがそれ以上になってくると「掴む」動作になってくるため、指先における接触点は先端部から徐々に指の腹(第一関節寄り)に移動する。
従来の力触覚提示装置の多くは指先接触点の位置が固定であるから、対象物体の把持状態の如何に拘らず変化しない指先接触点に対して力覚が提示されてしまうため、オペレータは違和感を覚えることがある。これに対し、本実施形態に係る力触覚提示装置は、対象物体の接触状態に応じてオペレータが想像でき得る位置に指先接触点を提示することができるので、違和感が少なくなり、且つ、対象物体の特性をより直感的に知覚し易いという効果がある。
簡潔な機構による制御性の向上
従来の力触覚提示装置において最も精緻な力覚と接触覚を提示するには、3つの併進自由度と、3つの回転自由度とも提示する必要がある。したがって、一指あたり6軸のアクチュエータを用いる必要があり、設計上の工夫をしても装置は大掛かりになってしまい、重量(慣性モーメント)が増大せざるを得ないという問題がある。
これに対し、本実施形態に係る力触覚提示装置は、能動自由度を省自由度化した簡潔な機構で実現することができる。よって、要求されるアクチュエータの出力を抑えることができるとともに、過渡特性も向上による制御性の改善が期待することができる。
広範な可動範囲(作業領域)確保による多彩の把持対象
本実施形態に係る力触覚提示装置は、簡潔な機構が可能であり、且つ、指先の姿勢の保持を行なうことによって、さらに広大な作業空間を実現することが可能となる。これにより、隣接する要素との干渉を抑えることができ、各指の姿勢の選択性が向上し、さまざま物体を把持対象とすることができる。この結果、本実施形態に係る力触覚提示装置は、さまざまな産業分野や技術分野において幅広く適用することができる。
擬似的に接触点回りのトルクを知覚可能
オペレータが接触点回りにおけるトルクを知覚する際、指毎に捻られたりする場合を除くと、指先の接触面における力分布に基づいてその回転中心を割り出していると推測される。そこで、本実施形態に係る力触覚提示装置は、指サック状の指先保持具を用いているので、実は回転中心だけを的確に提示できればよく、接触点位置を提示することによって、オペレータはそのトルクをあたかも知覚できていると感じ、且つ、違和感はない。
対象物体形状の理解
オペレータが対象物体に接触する際、制御側による初期接触点位置予測を行なうことによって接触した瞬間の感触が的確になる。例えば、対象物体が多面体あったときなど、物体の各々の構成面を知覚し易くなり、そのため、把持した際に対象物体の形状を直感的に把握し易くなる。
(変形例1)
次に、指先の力覚、接触覚をより正確にオペレータに伝える変形例1の構成について説明する。図22には、変形例1に係る力触覚提示装置の自由度構成を概念的に示している。図22に示す力触覚提示装置の基本的な構成は、図1に示したものと同様である。上述したように、図1に示す装置では、指先接触点駆動軸13の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの小アーム14の回転動作によって、指先接触点が移動する。この際、指先接触点は、小アーム14を半径とする円の軌跡を移動する。
変形例1は、指先接触点を指先の曲面に忠実に沿って移動するようにしたものである。このため、変形例1に係る装置では、指先保持機構11に、指先の長手方向の断面における指の腹の曲面に対応する形状のカム溝(指先接触点提示溝11a)が設けられている。そして、指先接触点提示軸15が指先接触点提示溝11aに沿って移動するように構成されている。
図23は、指先保持機構11、指先接触点駆動軸13、及び指先接触点提示軸15の周辺を拡大して示す模式図である。図22及び図23に示すように、変形例1の構成では、小アーム14の先端に指先接触点提示スライダ20が装着されており、スライダ20にはカム溝20aが設けられている。また、指先保持機構11には、上述のように、指先断面形状を模した形状の指先接触点提示溝11aが形成されている。そして、スライダ20のカム溝20aと指先保持機構11の指先接触点提示溝11aには、指先接触点提示軸15としての指先接触点提示ピン22が挿入されている。
不要モーメント除去手段は、図1の装置と同様に構成されている。不要モーメント除去手段は、位置提示手段を構成するアームの先端部分において、指先接触点回りに回動可能となるように、指先接触点提示ピン22を保持している。
このような構成によれば、指先接触点駆動軸13の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの小アーム14の回転動作によって、指先接触点提示ピン22(指先接触点)は指の腹の形状の指先接触点提示溝11aに沿って移動する。また、指先接触点提示ピン22が指先接触点提示溝11aに沿って移動すると、指先接触点提示ピン22と指先接触点駆動軸13との距離が変化するため、指先接触点提示ピン22はカム溝20a内で移動する。そして、能動的な指先接触点駆動軸13による指先接触点提示自由度を制御することによって、ピン22が指先接触点提示溝11aに沿って移動し、指先の腹の形状に沿って指先の腹の接触点位置を決定することができる。従って、指先において接触点が変化したような力覚、接触覚を、より忠実にオペレータに与えることができる。
特に、指先接触点駆動軸13を中心とする円弧上に指先接触点を移動させた場合、指先接触点が第一関節寄りに移動すると、オペレータに対して指先接触点が指の中に食い込むような違和感を与えてしまう場合がある。この場合、指先接触点を中心とした、本来は感じるはずのないモーメントをもペレータに感じさせてしまう場合がある。変形例1では、指先接触点が指先の表面に沿って移動するため、指先の表面に位置する指先接触点を中心とするモーメントが生じ、このような違和感を確実に抑えることができる。
図24及び図25には、指先保持機構周辺(図22中の、基本3自由度駆動系12の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルを示している。但し、図24は分解図であり、図25はその組立図である。図24及び図25では、指先接触点提示スライダ20は小アーム14に一体化されており、カム溝20aは小アーム14に設けられている。
参考のため、図24及び図25に示した指先保持機構周辺が動作する様子を図26〜図31に示しておく。
変形例1によれば、指先の腹の形状に沿って指先接触点を移動させることができるため、力触覚提示装置によりオペレータが感じる触感と、実際の触感をより近づけることが可能となる。
(変形例2)
次に、3自由度ジンバルに冗長自由度を持たせた変形例2の構成について説明する。図32には、変形例2に係る力触覚提示装置の自由度構成を概念的に示している。図32に示す力触覚提示装置の基本的な構成は、図1に示したものと同様である。図32に示すように、変形例2にかかる力触覚提示装置は、3自由度ジンバル機構16に加えて、1自由度のジンバル冗長自由度30を備えている。3自由度ジンバル機構16は、3つの自由度16a,16b,16cから構成されている。ジンバル冗長自由度30は、3自由度ジンバルのうちの1つの自由度16aと同軸に構成されている。また、図1と同様に、指先接触点提示軸15の中心軸は指先接触点を通るように構成されている。
なお、図32では、1自由度のジンバル冗長自由度30を備える場合を示しているが、2自由度以上のジンバル冗長自由度を備えても良い。また、図32では、指先接触点駆動軸13を設けていない構成を示しているが、上述した実施形態と同様に指先接触点駆動軸13を設けることも可能である。
このような構成によれば、自由度16bに接続されたアーム22、アーム24等の構成要素は、同軸に配置されたジンバル冗長自由度30と自由度16aを回転軸として自由に回動することができる。従って、各指に対応する複数の指先保持機構11を近接して設けた場合に、オペレータの指の動きに応じて各指の3自由度ジンバル16が互いに干渉した場合であっても、アーム22、アーム24等の構成要素は自由に回動することができる。このため、各指に対応した3自由度ジンバル16の相互干渉を回避することが可能となる。
このように、変形例2の構成によれば、機構の一部が他の部材と干渉して衝突した場合であっても、ジンバル冗長自由度30により空転するため、干渉を回避することが可能となる。これにより、より広い操作空間を確保できるとともに、指先姿勢の選択の範囲をより拡大することが可能となる。
また、ジンバル機構の特異姿勢による自由度縮退(ジンバルの自由度軸が重なることによって、自由度が減ったように機構が振舞う状態)を防ぐことが可能となる。最小自由度である3自由度でジンバル機構を構成した場合,ある軸を回転していくと,他の二つの軸が直列になる姿勢(特異姿勢)になることがある。図33は、特異姿勢を示す模式図である。図33に示す特異姿勢の例では、自由度16aを回転させることにより、自由度16bと自由度16cが同軸になっている。この状態では,機構の自由度としては3自由度あるものの,自由度16bと自由度16cが同軸になることにより、図33中の矢印A方向の回動ができなくなる。従って、指の姿勢に関しては2自由度分しか機能せず,自由度縮退が起きてしまう。
変形例2では、ジンバル冗長自由度30を自由度16bと指先保持機構11の間に設けているため、自由度縮退の状態を回避することができ、指の姿勢に関して3自由度を確実に確保することが可能となる。従って、良好な操作性と広い作業空間を実現することが可能となる。
また、最小自由度である3自由度のジンバル機構16では、ジンバル機構に重量、イナーシャがあるため、特異姿勢に近付くと受動的に急激な運動が起こるため,不要な慣性力(トルク)が発生し、操作感が低下する場合がある。変形例2のように冗長自由度を設けることで,特異姿勢に近付く際に、ジンバル冗長自由度30によって、各ジンバルリンクがゆっくりと動くため、このような違和感の発生を防止することが可能となる。
更に、最小自由度である3自由度でジンバル機構を構成した際、各自由度の交点を1つとして軸が互いに直交しないように設計すると、実現できる空間が狭くなり、事実上、3軸が直交する設計を選択することになる。これに対し、ジンバル冗長自由度30を追加すると、各軸は必ずしも直交でなくても良いため、設計の自由度が広がるとともに、追加リンク(ジンバル冗長自由度30、アーム22、アーム24等)を短く設計できるため、不要な重量増を抑えることが可能となる。
図34は、指先保持機構周辺(図32中の、基本3自由度駆動系12の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルの分解図を示している。図34に示すように、ジンバル機構16は、3つの直角リンクから構成されるアーム22、アーム24、アーム26を介して図32に示す姿勢保持自由度と指先保持機構11を接続している。図34において、軸32aは孔32bに回動可能に挿入されてジンバル冗長自由度30が構成される。また、軸34aは孔34bに回動可能に挿入されて自由度16bが構成され、軸36aは孔36bに回動可能に挿入されて自由度16aが構成され、軸38aは孔38bに回動可能に挿入されて自由度16cが構成される。
また、参考のため、図34に示した指先保持機構周辺が動作する様子を図35〜図37に示しておく。このように、いかなる状態においても自由度縮退の状態を回避することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明に係る力触覚提示装置は、医療やその他の特殊技能の習得、小宇宙や海洋などの仮想環境や、原子炉などの特殊若しくは危険な環境での遠隔作業などを始めとしたさまざまなアプリケーションにおいて、実際に触手できない環境の物体への3次元の力覚や触覚をユーザにフィードバックするために適用することができる。
また、本発明に係る力触覚提示装置は、複数の指に対し力覚を提示するが、操作内容若しくはアプリケーションに応じて提示する指の本数を適宜選択することができる。把持対象が小さい場合(摘むような動作)は、機構自体を小さくするほうが適しており、2乃至3指にて力覚を提示することができる。他方、把持対象がもう少し大きい場合(掴むような動作)は、3指以上のさらに多くの指を用いて力覚を提示する方が、物体の形状・大きさなどをより的確に提示することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
本発明の一実施形態に係る力触覚提示装置の自由度構成を概念的に示した図である。 指先接触点駆動軸の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの小アームの回転動作によって、指先接触点は指の腹表面に沿って移動する様子を示した図である。 指先接触点提示軸とジンバルの姿勢保持自由度を持たない場合のユニットの動作例を示した図である。 指先接触点提示軸とジンバルの姿勢保持自由度を持たない場合のユニットの動作例を示した図である。 指先接触点提示軸とジンバルの姿勢保持自由度を持つ場合のユニットの動作例を示した図である。 指先接触点提示軸とジンバルの姿勢保持自由度を持つ場合のユニットの動作例を示した図である。 指先保持機構周辺(図1中の、基本3自由度駆動系の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルを示した図である。 指先保持機構周辺(図1中の、基本3自由度駆動系の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルを示した図である。 図5及び図6に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図5及び図6に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図5及び図6に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図5及び図6に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図5及び図6に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図5及び図6に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 1指向けの1ユニット全体の設計モデルを示した図である。 図13に示したユニットが動作する様子を示した図である。 図13に示したユニットが動作する様子を示した図である。 図13に示したユニットが動作する様子を示した図である。 図13に示したユニットが動作する様子を示した図である。 シリアル・リンクを用いたペン型のハプティクス・デバイスの構成例を示した図である。 パラレル・リンク構造を用いて3軸力乃至6軸力モーメントの提示を行なうハプティクス・デバイスの構成例を示した図である。 指と遠隔のモータ間をワイヤで接続し、ワイヤを介して力を印加するハプティクス・デバイスの構成例を示した図である。 対向型マニピュレータにハンド型力提示機構を付加するハプティクス・デバイスの構成例を示した図である。 変形例1に係る力触覚提示装置の自由度構成を概念的に示した図である。 変形例1に係る指先保持機構、指先接触点駆動軸、及び指先接触点提示軸の周辺を拡大して示す図である。 変形例1に係る指先保持機構周辺(図22中の、基本3自由度駆動系の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルを示した図である。 変形例1に係る指先保持機構周辺(図22中の、基本3自由度駆動系の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルを示した図である。 図24及び図25に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図24及び図25に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図24及び図25に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図24及び図25に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図24及び図25に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図24及び図25に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 変形例2に係る力触覚提示装置の自由度構成を概念的に示した図である。 特異姿勢を示す模式図である。 変形例2に係る指先保持機構周辺(図32中の、基本3自由度駆動系の先端に取り付けられる部分に相当)の設計モデルの分解図を示している。 図34に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図34に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。 図34に示した指先保持機構周辺が動作する様子を示した図である。
符号の説明
10 ユニット
11 指先保持機構
11a 指先接触点提示溝
12 基本3自由度駆動系
13 指先接触点駆動軸
14 小アーム
15 指先接触点提示軸
16 ジンバル
30 ジンバル冗長自由度

Claims (8)

  1. オペレータの指先に対して力覚を提示する力触覚提示装置であって、
    オペレータの指先を保持する指先保持機構と、
    前記指先保持機構に保持された指先に対して位置を提示する位置提示機構と、
    前記指先保持機構に保持された指先に対して指先接触点を提示する指先接触点提示機構と、
    前記位置提示機構の先端部分において、不要なモーメントが発生しないように前記指先接触点提示機構を支持する不要モーメント除去機構と、
    を備える、力触覚提示装置。
  2. 前記指先接触点提示機構は、前記指先保持機構上に配設された指先接触点駆動軸と、前記指先接触点駆動軸にて一端が回動可能に支持されている小アームと、前記指先保持機構上に配設され、指先の腹の表面に沿った形状の指先接触点提示溝と、前記小アームの回動に伴って前記指先接触点提示溝に沿って駆動される指先接触点と、を備え、
    前記不要モーメント除去機構は、前記位置提示機構の先端部分において、前記指先接触点回りに回動可能となる指先接触点提示軸にて前記小アームを支持する、請求項1に記載の力触覚提示装置。
  3. 前記指先接触点駆動軸は、アクチュエータによって駆動される能動的な指先接触点提示自由度を持ち、前記指先接触点駆動軸の駆動に伴う指先接触点駆動軸回りの前記小アームの回転動作によって、指先接触点は前記指先接触点提示溝に沿って移動する、請求項2に記載の力触覚提示装置。
  4. 前記不要モーメント除去機構は、3軸が1点で交わるとともに該交点が前記指先接触点と一致するように配設された3自由度ジンバルで構成され、前記の3軸のうちいずれか1軸が前記指先接触点提示軸と同軸状とされ、前記の3軸の他に少なくとも1つの冗長自由度を備える、請求項1に記載の力触覚提示装置。
  5. 前記不要モーメント除去機構は、前記の3軸であるヨー、ロール、及びピッチの3軸が互いに直交して1点で交わるように配設された、請求項4に記載の力触覚提示装置。
  6. 前記位置提示機構は、基本3自由度駆動系のシリアル・リンク型のアームからなり、
    前記不要モーメント除去機構は、前記位置提示機構を構成する前記アームの先端部分において、前記指先接触点回りに回動可能となる指先接触点提示軸にて前記小アームを支持する、請求項1に記載の力触覚提示装置。
  7. 前記位置提示機構、前記指先接触点提示機構、前記不要モーメント除去機構の1組からなる構造体を1指向けの1ユニットとし、各指用のユニットを組み合わせることで、多指型の力触覚提示装置を構成する、請求項1に記載の力触覚提示装置。
  8. 前記アームの姿勢に拘らず、前記指先接触点提示軸と前記ジンバルのグローバル座標系に対する姿勢を変化させない姿勢保持自由度をさらに備える、請求項1に記載の力触覚提示装置。
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