JP2009287578A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気エミッションの悪化を抑制でき、かつ、排気浄化装置の作動による燃費の低下を抑制することのできる、車両の制御装置を提供する。
【解決手段】燃料の燃焼によって動力を出力するエンジンと、エンジンから車輪に至る動力伝達経路に設けられた変速機と、排気ガスを浄化する排気浄化装置と、排気浄化装置の温度を上昇させるために排気ガス中に燃料を供給する燃料供給装置とを備えた、車両の制御装置において、車両が走行する道路の情報を検知する道路情報検知手段(ステップS1)と、検知された道路の情報に基づいて、燃料を供給して排気浄化装置の温度を上昇させる頻度を判断する頻度判断手段(ステップS3)と、排気浄化装置の温度を上昇させる頻度が所定値を越える場合は、変速機の変速比を制御してエンジン出力を制御することにより、燃料を供給する頻度を相対的に少なくする変速比制御手段(ステップS4,S5)を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】燃料の燃焼によって動力を出力するエンジンと、エンジンから車輪に至る動力伝達経路に設けられた変速機と、排気ガスを浄化する排気浄化装置と、排気浄化装置の温度を上昇させるために排気ガス中に燃料を供給する燃料供給装置とを備えた、車両の制御装置において、車両が走行する道路の情報を検知する道路情報検知手段(ステップS1)と、検知された道路の情報に基づいて、燃料を供給して排気浄化装置の温度を上昇させる頻度を判断する頻度判断手段(ステップS3)と、排気浄化装置の温度を上昇させる頻度が所定値を越える場合は、変速機の変速比を制御してエンジン出力を制御することにより、燃料を供給する頻度を相対的に少なくする変速比制御手段(ステップS4,S5)を備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、エンジンで発生した排気ガスを排気ガス浄化装置により浄化する、車両の制御装置に関するものである。
一般に、車両用の駆動力源または産業機械に用いられるエンジンは、燃料を燃焼させてその熱エネルギを動力として出力するものであるため、排気ガスが発生する。そこで、発生する排気ガス量を抑制する技術が知られており、その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたディーゼルエンジンの変速制御装置では、車両の走行駆動用として、コモンレール式のディーゼルエンジンが搭載された車両が示されている。また、エンジンのトルクが変速機に伝達される構成であり、その変速機はツインクラッチ式の有段変速機である。さらに、ディーゼルエンジンの運転環境の一つであるアクセル開度および大気圧が電子制御装置により読み込まれて、ディーゼルエンジンでの燃料燃焼時における黒煙発生の容易性が判定される。そして、判定された黒煙発生の容易性に応じて変速機の変速比を制御、具体的にはダウンシフトして、エンジン回転速度を上昇させることにより、ディーゼルエンジンの黒煙発生を抑制している。なお、エンジンおよび自動変速機を有する車両において、エンジンの排気量に基づいて自動変速機の変速比を制御する技術が、特許文献2に記載されている。
ところで、特許文献1に記載された技術分野では、エンジンから排出された排気ガスを大気中に放出する前に、排気ガス浄化装置で浄化することがおこなわれている。例えば、排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM)、窒素酸化物(Nox)、硫黄酸化物(Sox)などの物質を触媒により捕集することにより、排気ガスの浄化がおこなわれる。そして、排気ガス浄化装置で捕集された物質が多くなると、触媒が目詰まりして排気性が低下する。そこで、排気ガス中に燃料を供給して排気浄化装置を昇温させ、触媒に捕集されていた物質を放出させる処理がおこなわれている。しかしながら、特許文献1に記載されたディーゼルエンジンの変速制御装置では、この排気ガス浄化装置に関する記述が無いため、変速機の変速比を制御して排気エミッションの悪化を抑制するにあたり、燃費をも考慮することはできなかった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、排気エミッションの悪化を抑制でき、かつ、排気浄化装置の作動による燃費の低下を抑制することのできる、車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両に搭載され、かつ、燃料の燃焼によって動力を出力するエンジンと、このエンジンから車輪に至る動力伝達経路に設けられ、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を変更可能な変速機と、前記燃料の燃焼によって発生した排気ガスに含まれる物質を捕集して、その排気ガスを浄化する排気浄化装置と、前記排気浄化装置の温度を上昇させて前記排気浄化装置で捕集されている物質を放出させるために、排気ガス中に燃料を供給する燃料供給装置とを備えた、車両の制御装置において、前記車両が走行する道路の情報を検知する道路情報検知手段と、検知された道路の情報に基づいて、前記燃料供給装置から燃料を供給して前記排気浄化装置の温度を上昇させる頻度を判断する頻度判断手段と、前記排気浄化装置の温度を上昇させる頻度が予め定められた所定値を越える場合は、前記変速機の変速比を制御して前記エンジン出力を制御することにより、前記排気浄化装置で物質の放出をおこなう頻度を相対的に少なくする変速比制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記排気浄化装置により捕集される物質には、排気ガスに含まれる粒子状物質および窒素酸化物が含まれており、前記排気浄化装置の温度を上昇させることにより、その排気浄化装置で、前記粒子状物質を酸化除去する第1処理と、前記窒素酸化物を放出させて窒素に還元する第2処理とがおこなわれるとともに、前記頻度判断手段は、前記第1処理における燃料消費量と、前記第2処理における燃料消費量とを区別する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、エンジンで燃料が燃焼されて排気ガスが発生し、排気浄化装置により排気ガスが浄化される。そして、排気浄化装置で捕集された物質が多くなると、燃料が供給されて排気浄化装置が昇温され、排気浄化装置で捕集されていた物質が放出される。一方、道路の情報に基づいて、排気浄化装置の温度を上昇する頻度が判断される。そして、排気浄化装置の温度を上昇する頻度が予め定めされた所定値を越える場合は、変速機の変速比を制御してエンジン出力を制御することにより、排気浄化装置で物質を放出する頻度を相対的に少なくすることができる。したがって、排気浄化装置の温度を上昇させるために供給される燃料の消費量を、相対的に少なくすることができる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、燃料を供給して排気浄化装置の温度を上昇させる頻度を、一層確実に推定可能である。
この発明におけるエンジンには、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、LPGエンジン、メタノールエンジン、水素エンジンなどが含まれる。つまり、この発明のエンジンは燃料の種類は問われない。この発明における駆動輪は、前輪または後輪のいずれでもよい。この発明における変速機は、変速比を段階的(不連続)に変更可能な有段変速機または、変速比を無段階(連続的)に変更可能な無段変速機のいずれでもよい。この発明における排気浄化装置は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、硫黄酸化物(SOx)、炭化水素(HC)などの物質を、捕集(捕捉)もしくは吸着する触媒で構成することができる。
つぎに、この発明を適用可能な車両の構成を、図2に基づいて説明する。図2に示された車両1には、走行用の駆動力源が搭載されている。この駆動力源は、車輪、つまり、前輪または後輪の少なくとも一方に伝達する動力を発生する動力装置である。図2では駆動力源としてエンジン2が用いられている。このエンジン2は、燃料を燃焼させてその熱エネルギを運動エネルギに変換するエンジンにより構成されている。なお、エンジン2としては、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、LPGエンジンの何れでもよい。ここでは、エンジン2として、軽油を燃料とするディーゼルエンジンが用いられているものとして説明する。このエンジン2は、吸気管3および排気管4に接続された燃焼室5を有しているとともに、燃料タンク(図示せず)からコモンレールに供給された燃料を、燃焼室5に向けて噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)6が設けられている。前記吸気管3には電子スロットルバルブ7が設けられており、その電子スロットルバルブ7の開度を制御することにより、燃焼室5に吸入される空気量を制御できる。さらに、排気管4に燃料を供給する燃料添加弁8が設けられている。この燃料添加弁8は、例えば、ソレノイドバルブにより構成することができ、燃料の供給時期および燃料の供給量を制御可能である。燃料添加弁8により排気管4に供給される燃料は、インジェクタ6により噴射される燃料と同じである。
前記排気管4の途中、具体的には、前記燃料添加弁8よりも排気ガスの流れ方向で下流には排気浄化装置9が設けられている。この排気浄化装置9には、例えば、二元触媒(酸化触媒)または三元触媒を用いることができる。二元触媒を用いると、排気ガス中の一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質などの物質を酸化除去することができる。また、三元触媒を用いると、排気ガス中の一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質などの物質を酸化除去することができる。さらに、排気管4における排気浄化装置9よりも下流、つまり、排気ガスの流れ方向における下流には、排気ガスの温度を検知する温度センサ10が設けられている。さらにまた、前記排気浄化装置9の上流と下流との圧力差を検知する圧力センサ11,12が設けられ、エンジン2における空燃費を検知する空燃費センサ17が設けられている。
一方、前記エンジン2から車輪に至る動力伝達経路には、変速機13が設けられている。そして、エンジン2の出力軸であるクランクシャフトと、変速機13の入力軸とが動力伝達可能に接続されている。この変速機13は、入力回転数と出力回転数との間の比、つまり変速比を変更可能な伝動装置である。この変速機13は、変速比を段階的(不連続)に変更可能な有段変速機または、変速比を無段階(連続的)に変更可能な無段変速機のいずれでもよい。有段変速機としては、遊星歯車式変速機、常時噛み合い式変速機、選択歯車式変速機などを用いることができる。無段変速機としては、トロイダル型無段変速機、ベルト式無段変速機などを用いることができる。この具体例では、変速機13として、ドライブ(前進ポジション)で第1速ないし第4速を選択的に切り替えることのできる有段変速機が用いられているものとして説明する。また、変速機13の変速比を変更するアクチュエータとしては、油圧式アクチュエータまたは電磁式アクチュエータのいずれであってもよい。図2に示された構成では、変速機13が車輪、具体的には後輪14に伝達される構成である。
また、車両1には、その車両1が走行する道路の情報を検知するナビゲーションシステム15が設けられている。このナビゲーションシステム15は、各種のセンサ、外部記憶装置、受信機、コントローラなどを有している。このナビゲーションシステム15は、車両1の現在位置を検知する機能、車両1の目的地を入力する機能、車両1の現在位置から目的地までの走行経路を検索または入力する機能、走行経路の状況および天候などを検知する機能、車両1の走行軌跡を記憶する機能などを有している。車両1の現在位置は、自律航法または電波航法により求めることが可能である。自律航法とは、車両1に搭載されている記憶装置(CD−ROM、DVDなど)に記録された地図データを基にして、地磁気センサ、操舵角センサ、車輪の回転速度センサなどの信号を用いて、車両1の現在位置を求めるものである。
一方、電波航法とは、車両1の外部(地上、道路、宇宙空間など)に存在する外部設備と、車両1に搭載された受信機との間で信号の授受をおこない、地図上に置ける車両1の現在位置を検知するものである。電波航法では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム:人工衛星)の電波(信号)、地上に設置されたビーコンまたはサインポストから発信される電波(信号)を受信して、車両1の現在位置を検知する。このようにして、地図上における車両1の現在位置を検知することにより、車両1の走行経路の前方の道路状況、具体的には、道路勾配、カーブ、砂利道、山道、市街地、渋滞、交通規則、天候、路面の摩擦係数などを検知することができる。
さらに、車両1全体を制御する電子制御装置16が設けられている。この電子制御装置16は、ナビゲーションシステムとの間で相互に信号の授受が可能である。また、電子制御装置16には、エンジン出力を制御するマップおよびデータ、変速機の変速比を制御するマップおよびデータ、燃料供給弁を制御するデータおよびマップなどが記憶されている。この電子制御装置16には、エンジン回転数、シフトポジション、車速、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、変速機13の入力回転数、変速機13の出力回転数を示す信号、さらには空燃費センサ17および温度センサ10および圧力センサ11,12の信号が入力される。この電子制御装置16からは、エンジン回転数およびエンジントルクを制御する信号、変速機13の変速比を制御する信号、燃料添加弁8を制御する信号が出力される。
つぎに、車両1における作用を説明する。エンジン2に燃料が供給されてその燃料が燃焼室5で燃焼し、発生した熱エネルギが運動エネルギに変換されて、その動力が変速機13に伝達される。変速機13に入力された動力が後輪14に伝達されて駆動力が発生する。また、燃焼室5から排出された排気ガスが排気管4に流れ、排気浄化装置9で排気ガスが浄化されて大気中に放出される。つまり、排気ガス中の物質が触媒により捕集される。さらに、排気浄化装置9で捕捉された物質が多くなると、触媒の目詰まりが生じて排気浄化装置9の上流と下流との圧力差が大きくなり、電子制御装置16に予め記憶されている基準圧力以上となる。また、排気浄化装置9で捕捉された物質が多くなると、触媒の目詰まりが生じて捕集機能が低下して、背圧上昇による動力性能の低下につながる。このような状況が検知された場合は、燃料添加弁8が開放されて排気管4に燃料が添加され、排気ガスの熱で燃料が燃焼し、排気浄化装置9の温度が昇温される。その結果、触媒に捕集されていた物質が放出(還元)されて、排気浄化装置9の浄化機能が復活する。触媒に捕集されていた粒子状物質を酸化除去する処理が「PM再生処理」であり、触媒に捕集されていた窒素酸化物を放出させて窒素に還元する処理が「NOx還元」である。
一方、変速機13の制御について説明する。まず、車速およびアクセル開度に基づいて変速機13の変速比が制御される。この変速機13の変速比を制御するために、電子制御装置16に記憶されている変速マップが用いられる。この変速マップの一例を図3に示す。変速マップは、変速機13の変速比を大きくするダウンシフト、変速機13の変速比を小さくするアップシフトがおこなうための判断基準を、車速およびアクセル開度で表したものである。この図3では、横軸に車速が示され、縦軸にアクセル開度が示されている。そして、変速マップには変速線が示されており、車速またはアクセル開度がその変速線を横断した場合にアップシフトまたはダウンシフトがおこなわれる。実線がアップシフト用の変速線であり、破線がダウンシフト用の変速線である。アップシフト用の変速線と、ダウンシフト用の変速線とでは、変速がおこなわれる車速が異なる。この相違はヒステリシスであり、アップシフトとダウンシフトとの切替が頻繁におこなわれることを回避するためにヒステリシスが設定されている。
この変速マップとしては、変速特性が異なる複数のマップを設定可能であり、基本的には、排気ガスが排気ガス規制に適合し、かつ、エンジン2の燃費が良好となるように、変速機の変速比を制御するために、通常モード用の変速マップが用いられる。通常モード用の変速マップは、平坦路を車両1が走行し、かつ、エンジン2の負荷が低負荷または中負荷となる時に適している。また、電子制御装置16では、通常モード用の変速マップの他に、窒素酸化物が最小となるように変速比を制御する走行モード、燃焼室5での燃料消費量が最低となるように変速比を制御する走行モードなど、各種の走行モードに対応させて、各種の変速比制御用マップを選択可能である。これらの変速マップは変速特性、具体的には、低速段から高速段にアップシフトする基準となる車速、高速段から低速段にダウンシフトする基準となる車速が異なっている。このように、各種の走行モードに合わせて、異なる変速マップを用いるために、予め複数の変速マップを電子制御装置16に記憶しておいてもよいし、通常用の変速マップのみを電子制御装置16に記憶しておき、その通常用の変速マップを演算処理により補正して、他の変速マップとして用いてもよい。
つぎに、変速機13の変速比を制御するマップの選択例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、ナビゲーションシステム15の信号を用いて、車両1の前方、つまり、車両1が走行する予定の道路情報を入手する(ステップS1)。このステップS1についで、前方の道路を走行するにあたり、各変速モードに対応する変速マップ毎に、排気ガス中に含まれる物質、例えば、窒素酸化物の排出量を推定する(ステップS2)。このステップS2の処理をおこなうために、前方の道路を車両が走行し、かつ、変速機13の変速比を制御するときに、排気ガスに含まれる窒素酸化物の排出量を、各変速マップ毎に実験またはシミュレーションによって求めてあり、その求められたデータが電子制御装置16に予め記憶されている。したがって、ステップS2の処理では、電子制御装置16に記憶されているデータを読み込めばよい。
ステップS2において、窒素酸化物の排出量を推定するために用いるデータの一例を、図4に示す。この図4は、横軸にエンジン回転数が示され、縦軸にエンジントルクが示されたマップである。そして、窒素酸化物の排出量が等高線により表され、かつ、変速機13の変速段として第1速および第2速および第3速が示されている。図4では、窒素酸化物の排出量を示す等高線はU字形状に湾曲されており、外側の等高線であるほど窒素酸化物の排出量が多くなることを示す。このため、エンジン回転数が同じであるとすれば、エンジントルクが相対的に低い領域では、窒素酸化物の排出量が相対的に多く、エンジントルクが相対的に高くなることにともない、窒素酸化物の排出量が少なくなる。これよりもさらにエンジントルクが高くなると、再び窒素酸化物の排出量が多くなる。さらに、第3速における窒素酸化物の最大排出量よりも、第2速における窒素酸化物の最大排出量の方が少なく、第2速における窒素酸化物の最大排出量よりも、第1速における窒素酸化物の最大排出量の方が少ない。なお、車速が同じであるとすれば、相対的に低い変速段の方がエンジン回転数は相対的に高くなる。
そして、前述のように各変速マップでは、アップシフトまたはダウンシフトの基準となる車速が異なるのであるから、低速段が設定される車速が相対的に広い特性の変速マップを用いる走行モードが、窒素酸化物の排出量が相対的に少ないことが分かる。また、図4のマップには、第1走行モードが選択され、かつ、第1速から第2速にアップシフトするときのエンジン出力の変化およびNOx排出量の変化の特性が、一例として示されている。さらに、図4のマップには、第2走行モードが選択され、かつ、第1速から第2速にアップシフトし、かつ、第2速から第3速にアップシフトするときのエンジン出力の変化およびNOx排出量の変化の特性が示されている。この図4で第1走行モードの特性と第2走行モードの特性とを比較すると、第2速では第1走行モードよりも第2走行モードの方がNOx排出量が少ないことが分かる。なお、図4では第4速の特性が省略されており、かつ、第3走行モードおよび第4走行モードの特性が省略されている。
上記のステップS2についで、各走行モードについて、「燃料添加弁8を制御して排気管4に排気ガス中に燃料を添加し、排気浄化装置9を昇温させる制御をおこなう頻度」、つまり、「排気浄化装置9の作動頻度もしくは作動度合」を推定する(ステップS3)。ここで、作動頻度もしくは作動度合とは、所定時間内における燃料の添加回数、所定時間内における燃料の添加時間、所定走行距離内における燃料の添加回数、所定走行距離内における燃料の添加時間などの意味が含まれる。このステップS3の処理例を図5および図6を用いて説明する。
図5は、各走行モードについて、燃焼室5での燃料消費量、排気浄化装置9を昇温するために燃料添加弁8から供給される燃料の消費量(排気浄化装置での燃料消費量)を示す図表である。この図5において、第1走行モードは前記した通常モードであり、第2走行モードは、NOxの排出量が最小(最少)となる変速モードであり、第3走行モードは燃焼室5での燃料消費量が最小(最少)となる変速モードであり、第4走行モードは、第2走行モードよりもNOxの排出量が多く、かつ、第3走行モードよりも燃焼室5での燃料消費量が多くなる変速モードである。また、図5においては、PM再生処理における燃料消費量と、NOx還元における燃料消費量とが区別されている。
図5に示された第1走行モードの燃料消費量αと、第2走行モードの燃料消費量βと、第3走行モードの燃料消費量γと、第4走行モードの燃料消費量ρとの関係は、
β>α>γ
β>ρ>γ
である。また、図5において、N1〜N4は回数であり、n1〜n4は回数であり、Rは1回のPM再生処理における燃料消費量であり、rは1回のNOx還元における燃料消費量である。さらに、排気浄化装置9の作動頻度は、
N1≧N2
n1≧n2
N3≧N2
n3≧n2
である。図5の図表では、燃料の供給回数を用いているが、燃料の供給時間をマップ化しておくことも可能である。
β>α>γ
β>ρ>γ
である。また、図5において、N1〜N4は回数であり、n1〜n4は回数であり、Rは1回のPM再生処理における燃料消費量であり、rは1回のNOx還元における燃料消費量である。さらに、排気浄化装置9の作動頻度は、
N1≧N2
n1≧n2
N3≧N2
n3≧n2
である。図5の図表では、燃料の供給回数を用いているが、燃料の供給時間をマップ化しておくことも可能である。
一方、図6は、エンジン出力と、燃焼室5での燃料消費量との関係の一例を示すマップである。この図6では、横軸にエンジン回転数が示され、縦軸にエンジントルクが示されている。また、図6のマップには、第1速ないし第3速について、燃料消費量の特性が示されている。この図6によれば、第2速よりも第3速の方が燃料消費量が少ないことが分かる。また、図6のマップには、第1走行モードが選択され、かつ、第1速から第2速にアップシフトするときの燃料消費量の変化が示されている。また、図6のマップには、第2走行モードが選択され、かつ、第1速から第2速にアップシフトし、かつ、第2速から第3速にアップシフトするときについて、燃料消費量の変化が示されている。この図6で第1走行モードの特性と第2走行モードの特性とを比較すると、第2速では第1走行モードよりも第2走行モードの方が燃料消費量が少ないことが分かる。なお、図6では第4速の特性が省略されており、かつ、第3走行モードおよび第4走行モードの特性が省略されている。
このステップS3では図4ないし図6を参照し、かつ、電子制御装置16に記憶されている次式を用いて、排気浄化装置9の作動頻度(作動度合)λを推定する。
λ=((N1×R+n1×r)−(N2×R+n2×r))/(β−α)
この排気浄化装置9の作動頻度(作動度合)λが相対的に大きくなるほど、燃料添加弁8から排気管4に添加される燃料が相対的に多くなることを意味する。そこで、排気浄化装置9の作動頻度(作動度合)λが、電子制御装置16に予め記憶されている所定値を越えるか否かが判断される(ステップS4)。例えば、ステップS4の判断時点で、車両1が登坂路を走行する場合のように、エンジン2の負荷が高負荷になるとステップS4で肯定的に判断されて、現在の走行モードに対応する変速マップから、他の走行モードに対応する変速マップに変更し(ステップS5)、スタートに戻る。これに対して、ステップS4で否定的に判断された場合はリターンする。
λ=((N1×R+n1×r)−(N2×R+n2×r))/(β−α)
この排気浄化装置9の作動頻度(作動度合)λが相対的に大きくなるほど、燃料添加弁8から排気管4に添加される燃料が相対的に多くなることを意味する。そこで、排気浄化装置9の作動頻度(作動度合)λが、電子制御装置16に予め記憶されている所定値を越えるか否かが判断される(ステップS4)。例えば、ステップS4の判断時点で、車両1が登坂路を走行する場合のように、エンジン2の負荷が高負荷になるとステップS4で肯定的に判断されて、現在の走行モードに対応する変速マップから、他の走行モードに対応する変速マップに変更し(ステップS5)、スタートに戻る。これに対して、ステップS4で否定的に判断された場合はリターンする。
このように、図1の制御例では、排気浄化装置9の作動頻度(作動度合)が相対的に多くなる場合は、相対的に小さな変速比を使用する領域が、相対的に縮小された変速マップを用いて、変速機13の変速比を制御する。つまり、図3に示す変速線が、相対的に高車速側に変更された変速マップを用いるため、変速機13で選択される変速段は、相対的に低速段となる。したがって、排気管4に排出される排気ガスの量が減少する。また、PM再生処理の頻度、およびNOx還元の実行頻度を減少させることができ、燃料添加弁8の制御により排気管4に添加される燃料の消費量の増加を抑制でき、燃費が向上する。なお、ステップS4の判断時点で、通常モード以外の走行モードが選択されている場合は、そのステップS4では、現在の走行モードでの排気浄化装置9の作動頻度と、その他の走行モードを用いたときの排気浄化装置9の作動頻度とを比較すればよい。そして、現在の走行モードでの排気浄化装置9の作動頻度が、その他の走行モードを用いたときの排気浄化装置9の作動頻度を越える場合は、ステップS4で肯定的に判断される。これに対して、現在の走行モードでの排気浄化装置9の作動頻度が、その他の走行モードでの排気浄化装置9の作動頻度以下である場合は、ステップS4で否定的に判断される。
なお、図4および図6のマップに代えて、算出式を用いてNOx排出量および燃料消費量を求めることも可能である。また、図1の制御例は、エンジンのトルクが前輪に伝達される構成の二輪駆動車でも実行可能である。この場合、前輪が、この発明の車輪に相当する。さらに、図1の制御例は、エンジンのトルクが前輪および後輪に伝達される構成の四輪駆動車でも実行可能である。この場合、前輪および後輪が、この発明の車輪に相当する。ここで、具体例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、車両1が、この発明の車両に相当し、エンジン2が、この発明のエンジンに相当し、後輪14が、この発明の車輪に相当し、変速機13が、この発明の変速機に相当し、排気浄化装置9が、この発明の排気浄化装置に相当し、燃料添加弁8が、この発明の燃料供給装置に相当する。また、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS1が、この発明の道路情報検知手段に相当し、ステップS3が、この発明の頻度判断手段に相当し、ステップS4,S5が、この発明の変速比制御手段に相当する。さらに、電子制御装置16に記憶されている所定値、または、現在の走行モード以外の走行モードでの排気浄化装置の作動頻度が、この発明の所定値に相当する。さらに、PM再生処理が、この発明の第1処理に相当し、NOx還元処理が、この発明の第2処理に相当する。
1…車両、 2…エンジン、 8…燃料添加弁、 9…排気浄化装置、 13…変速機、 14…後輪。
Claims (2)
- 車両に搭載され、かつ、燃料の燃焼によって動力を出力するエンジンと、このエンジンから車輪に至る動力伝達経路に設けられ、かつ、入力回転数と出力回転数との間の変速比を変更可能な変速機と、前記燃料の燃焼によって発生した排気ガスに含まれる物質を捕集して、その排気ガスを浄化する排気浄化装置と、前記排気浄化装置の温度を上昇させて前記排気浄化装置で捕集されている物質を放出させるために、排気ガス中に燃料を供給する燃料供給装置とを備えた、車両の制御装置において、
前記車両が走行する道路の情報を検知する道路情報検知手段と、
検知された道路の情報に基づいて、前記燃料供給装置から燃料を供給して前記排気浄化装置の温度を上昇させる頻度を判断する頻度判断手段と、
前記排気浄化装置の温度を上昇させる頻度が予め定められた所定値を越える場合は、前記変速機の変速比を制御して前記エンジン出力を制御することにより、前記排気浄化装置で物質の放出をおこなう頻度を相対的に少なくする変速比制御手段と
を備えていることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記排気浄化装置により捕集される物質には、排気ガスに含まれる粒子状物質および窒素酸化物が含まれており、
前記排気浄化装置の温度を上昇させることにより、その排気浄化装置で、前記粒子状物質を酸化除去する第1処理と、前記窒素酸化物を放出させて窒素に還元する第2処理とがおこなわれるとともに、
前記頻度判断手段は、前記第1処理における燃料消費量と、前記第2処理における燃料消費量とを区別する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008129862A JP2009287578A (ja) | 2008-04-28 | 2008-05-16 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2008117716 | 2008-04-28 | ||
JP2008129862A JP2009287578A (ja) | 2008-04-28 | 2008-05-16 | 車両の制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009287578A true JP2009287578A (ja) | 2009-12-10 |
Family
ID=41456999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008129862A Pending JP2009287578A (ja) | 2008-04-28 | 2008-05-16 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009287578A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010144633A (ja) * | 2008-12-19 | 2010-07-01 | Ud Trucks Corp | エンジンの排気浄化装置 |
US8086389B2 (en) * | 2008-04-15 | 2011-12-27 | Denso Corporation | Control apparatus for controlling both fuel injection system and exhaust gas cleaning system |
JP2016502029A (ja) * | 2012-12-23 | 2016-01-21 | マック トラックス インコーポレイテッド | ディーゼルエンジンの動作方法及び複数の動作モードを有するディーゼルエンジン装置 |
-
2008
- 2008-05-16 JP JP2008129862A patent/JP2009287578A/ja active Pending
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