JP2009285660A - レーザ溶接品質の検査方法、レーザ溶接方法、およびレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接品質の検査方法、レーザ溶接方法、およびレーザ溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で正確に溶接状態を把握してレーザ溶接の品質を検査し、良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接する。
【解決手段】被溶接部材W2よりも融点の低い低融点材料1をこの被溶接部材W2の表面に被覆し、この被溶接部材W2の表面にレーザビームLBを照射し、低融点材料1の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定して、その溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材W2への入熱が適量であるか否かを判定してレーザビームLBの出力を制御する。そして、レーザビームLBが照射された被溶接部材W2の表面を撮像手段2により撮像し、この撮像手段2から得られた画像データを演算することにより、低融点材料1の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ溶接品質の検査方法、レーザ溶接方法、およびレーザ溶接装置に関し、特に、被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合し、その溶接品質を検査するレーザ溶接品質の検査方法、被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合するレーザ溶接方法、および、被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合する装置に関するものである。
レーザビームを照射して複数の被溶接部材を溶接するための従来の技術として、溶接状態をモニタリングしてレーザの出力などを制御することが知られている(たとえば、特許文献1)。
特許文献1には、溶接進行方向の溶融プール長さが被溶接物の板厚の1〜3倍の範囲となるようにレーザ出力および/または溶接速度を制御することなどを特徴とするレーザ溶接方法が開示されている。そして、特許文献1には、CCDカメラによって撮影した映像に基づいて画像処理手段によって被溶接物自体の溶融プール長さを求め、この溶融プール長さに基づいて、レーザ出力および溶接速度を調整することが記載されている。
また、特許文献1には、レーザを発生するレーザ発振器と、レーザ発振器からのレーザを集光して被溶接物に照射する集光手段と、レーザを照射する集光手段に対して被溶接物を相対的に移動させる移動手段と、溶接点における溶融プールを撮影する撮影手段と、撮影手段により得られた映像から溶融プールの大きさを測定する画像処理手段と、画像処理手段により得られた溶融プールの測定結果に基づいてレーザ出力および/または溶接速度を増減する指令をそれぞれレーザ発振器または移動手段に送る制御手段を備えたことを特徴とするレーザ溶接装置が開示されている。
ところで、レーザビームを照射して複数の被溶接部材を互いに溶接する場合、被溶接部材の反射率が高い(吸収率が低い)と、レーザビームが吸収されないために入熱が適量とならず、被溶接部材が互いに溶け込まないこととなることから、良好な溶接品質を得ることができない。そのため、特に反射率が高い被溶接部材をレーザ溶接する場合には、少なくともレーザビームが照射される被溶接部材の表面に反射率が比較的低い材料を予めメッキや塗布などによって被覆することが従来から行われている。
特開2000−210781号公報
しかしながら、上記特許文献1にあって、被溶接物自体が溶融された結果であるプールの長さを測定するものであるため、かかる長さを測定することができるまでレーザビームを照射して被溶接物が溶融しプールが形成されるのを待たなければならず、レーザビーム出力のためのコストや溶融までの時間がかかるという問題や、被溶接物自体が既に溶融した結果であるプールを測定した長さに基づいてレーザビームの出力や溶接速度を調整したのでは制御の応答性が遅く、その時々の溶接状態に対応して適切に調整することができないという問題があった。そして、特許文献1にあっては、被溶接物の溶融プールの長さだけに基づいてレーザビームの出力や溶接速度を調整するものであるため、例えば図8に示すように高出力のレーザビームLBの照射により短時間で被溶接部材W2が急激に昇温されるなどにより貫通し溶け落ちたような場合には、レーザビームLBが被溶接部材W2を通解して被溶接部材W1に照射されることとなるため、溶融プール(図8の符号Mで示した部分を参照)の長さが長くなることがない(拡大しない)ことから、溶接状態を正しく把握することができず、その結果、さらにレーザビームLBの出力を高くしたり溶接速度を遅くするなど調整して、むしろ溶接状態を悪化させることとなるので、健全で良好な品質を備えた溶接部を安定して得ることができないという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で正確に溶接状態を把握してレーザ溶接の品質を検査することができる方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で正確に溶接状態を把握して良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接することができる方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で正確に溶接状態を把握して良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接することができる装置を提供することを目的とする。
請求項1のレーザ溶接品質の検査方法に係る発明は、上記目的を達成するため、被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合し、その溶接品質を検査するレーザ溶接品質の検査方法であって、前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を該被溶接部材の表面に被覆し、該被溶接部材の表面にレーザビームを照射して前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、該溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定することを特徴とするものである。
請求項2のレーザ溶接方法に係る発明は、上記目的を達成するため、被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合するレーザ溶接方法であって、前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を該被溶接部材の表面に被覆し、該被溶接部材の表面にレーザビームを照射し、前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定して、その溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定してレーザビームの出力を制御することを特徴とするものである。
請求項3のレーザ溶接装置に係る発明は、上記目的を達成するため、被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合する装置であって、溶接品質を検査するためのレーザ溶接品質検査装置が設けられており、該レーザ溶接品質検査装置は、前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料が表面に被覆されており、その表面にレーザビームが照射されている該被溶接部材を撮像する撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像データから前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、該溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定する判定手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項1のレーザ溶接品質の検査方法に係る発明によれば、被溶接部材の表面に、被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を被覆する。この低融点材料が被覆された被溶接部材の表面にレーザビームを照射すると、最初に被溶接部材の表面に被覆された低融点材料がレーザビームの熱エネルギを吸収して溶融し、次いで被溶接部材が溶融される。そして、被溶接部材の熱が周囲に拡がるように伝熱し、これに伴って低融点材料も拡がるように溶融される。そこで、被溶接部材の表面の、例えばレーザビームの照射ポイントなど所定の位置から溶融されて拡がる低融点材料の縁部までの長さ、または、低融点材料の溶融された面積の少なくとも一方を時間経過に伴って測定する。このとき、被溶接部材自体は、レーザビームの熱エネルギにより加熱され温度が上昇し溶融しているが、低融点材料よりも溶融が拡がってはいない。したがって、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することにより被溶接部材の温度上昇がわかり、かかる温度上昇から溶接状態が正確に把握でき、この測定結果に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを正確に判定することができ、もってレーザ溶接の品質を適切に検査することができる。
請求項2のレーザ溶接方法に係る発明によれば、被溶接部材の表面に、この被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を被覆する。この低融点材料が被覆された被溶接部材の表面にレーザビームを照射すると、最初に低融点材料がレーザビームの熱エネルギを吸収して溶融し、次いで被溶接部材が溶融される。そして、被溶接部材の熱が周囲に拡がるように伝熱し、これに伴って低融点材料も拡がるように溶融される。そこで、被溶接部材の表面の、例えばレーザビームの照射ポイントなど所定の位置から溶融されて拡がる低融点材料の縁部までの長さ、または、溶融されて拡がる低融点材料の面積の少なくとも一方を測定する。このとき、被溶接部材自体は、レーザビームの熱エネルギにより加熱され温度が上昇しているが、低融点材料よりも溶融が拡がってはいない。したがって、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することにより、被溶接部材の温度上昇がわかり、かかる温度上昇から溶接状態を正確に把握し、この測定結果に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを正確に判定して、その判定に基づいてレーザビームの出力を制御することができ、もって良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接することができる。
請求項3のレーザ溶接装置に係る発明によれば、被溶接部材よりも融点の低い低融点材料が表面に被覆された被溶接部材にレーザビームを照射して、その表面をレーザ溶接品質検査装置の撮像手段により撮像して画像データを演算処理することにより、例えばレーザビームの照射ポイントなど所定の位置から溶融されて拡がる低融点材料の縁部までの長さ、または、溶融されて拡がる低融点材料の面積の少なくとも一方を測定する。このとき、被溶接部材自体は、レーザビームの熱エネルギにより加熱され温度が上昇しているが、低融点材料よりも溶融が拡がってはいない。したがって、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することにより、被溶接部材の温度上昇がわかり、かかる温度上昇から溶接状態を正確に把握し、この測定結果に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを正確に判定することにより溶接品質を検査し、もってレーザビームの出力を制御し良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接することができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に相当し、(6)項が請求項3に相当する。
(1) 被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合し、その溶接品質を検査するレーザ溶接品質の検査方法であって、
前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を該被溶接部材の表面に被覆し、
該被溶接部材の表面にレーザビームを照射して前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、
該溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定することを特徴とするレーザ溶接品質の検査方法。
(1)項の発明では、被溶接部材の表面に、被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を被覆する。この低融点材料が被覆された被溶接部材の表面にレーザビームを照射すると、最初に被溶接部材の表面に被覆された低融点材料がレーザビームの熱エネルギを吸収して溶融し、次いで被溶接部材が溶融される。そして、被溶接部材の熱が周囲に拡がるように伝熱し、これに伴って低融点材料も拡がるように溶融される。そこで、被溶接部材の表面の、例えばレーザビームの照射ポイントなど所定の位置から溶融されて拡がる低融点材料の縁部までの長さ、または、溶融されて拡がる低融点材料の面積の少なくとも一方を測定する。このとき、被溶接部材自体は、レーザビームの熱エネルギにより加熱され温度が上昇しているが、低融点材料よりも溶融が拡がってはいない。したがって、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することにより被溶接部材の温度上昇がわかり、かかる温度上昇から溶接状態が正確に把握でき、この測定結果に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを正確に判定することができ、もってレーザ溶接の品質を適切に検査することができる。
(2) レーザビームが照射された被溶接部材の表面を撮像手段により撮像し、該撮像手段から得られた画像データを演算することにより、前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することを特徴とする(1)項に記載のレーザ溶接品質の検査方法。
(2)項の発明では、(1)項に記載の発明において、レーザビームが照射された被溶接部材の表面を撮像手段により撮像し、この撮像手段から得られた画像データを演算することにより、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を自動で即時に正確に測定することができ、したがって、レーザ溶接の進行に伴う溶接状態の変化を適切に検査することができる。
(3) 被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合するレーザ溶接方法であって、
前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を該被溶接部材の表面に被覆し、
該被溶接部材の表面にレーザビームを照射し、
前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定して、その溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定してレーザビームの出力を制御することを特徴とするレーザ溶接方法。
(3)の発明では、被溶接部材の表面に、被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を被覆する。この低融点材料が被覆された被溶接部材の表面にレーザビームを照射すると、最初に被溶接部材の表面に被覆された低融点材料がレーザビームの熱エネルギを吸収して溶融し、次いで被溶接部材が溶融される。そして、被溶接部材の熱が周囲に拡がるように伝熱し、これに伴って低融点材料も拡がるように溶融される。そこで、被溶接部材の表面の、例えばレーザビームの照射ポイントなど所定の位置から溶融されて拡がる低融点材料の縁部までの長さ、または、溶融されて拡がる低融点材料の面積の少なくとも一方を測定する。このとき、被溶接部材自体は、レーザビームの熱エネルギにより加熱され温度が上昇しているが、低融点材料よりも溶融が拡がってはいない。したがって、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することにより、被溶接部材の温度上昇がわかり、かかる温度上昇から溶接状態を正確に把握し、この測定結果に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを正確に判定し、この判定に基づいてレーザビームの出力を制御することができ、もって良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接することができる。
(4) レーザビームが照射された被溶接部材の表面を撮像手段により撮像し、該撮像手段から得られた画像データを演算することにより、前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することを特徴とする(3)項に記載のレーザ溶接方法。
(4)項の発明では、(3)項に記載の発明において、レーザビームが照射された被溶接部材の表面を撮像手段により撮像し、この撮像手段から得られた画像データを演算することにより、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を自動で即時に正確に測定して、その測定結果に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定することができ、したがって、レーザ溶接の進行に伴う溶接状態の変化を適切に検査して、その結果によってレーザビームの出力を停止させたり出力を弱めるなど、適切に制御することができる。
(5) 前記低融点材料として、レーザビームの吸収率が高い材料を用いることを特徴とする(3)または(4)項に記載のレーザ溶接方法。
(5)項の発明では(3)または(4)項に記載の発明において、被溶接部材に被覆する低融点材料がレーザビームをよく吸収することにより、効率的に被溶接部材を加熱して良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接することができる。
(6) 被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合する装置であって、
溶接品質を検査するためのレーザ溶接品質検査装置が設けられており、該レーザ溶接品質検査装置は、
前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料が表面に被覆されており、その表面にレーザビームが照射されている該被溶接部材を撮像する撮像手段と、
該撮像手段によって撮像された画像データから前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、該溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定する判定手段とを備えていることを特徴とするレーザ溶接装置。
(6)項の発明では、被溶接部材よりも融点の低い低融点材料が表面に被覆された被溶接部材にレーザビームを照射して、その表面をレーザ溶接品質検査装置の撮像手段により撮像して画像データを演算処理することにより、例えばレーザビームの照射ポイントなど所定の位置から溶融されて拡がる低融点材料の縁部までの長さ、または、溶融されて拡がる低融点材料の面積の少なくとも一方を測定する。このとき、被溶接部材自体は、レーザビームの熱エネルギにより加熱され温度が上昇しているが、低融点材料よりも溶融が拡がってはいない。したがって、低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定することにより、被溶接部材の温度上昇がわかり、かかる温度上昇から溶接状態を正確に把握し、この測定結果に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを正確に判定することにより溶接品質を検査し、もってレーザビームの出力を制御し良好な品質で被溶接部材を互いにレーザ溶接することができる。
本発明の実施の一形態を、被溶接部材として半導体を構成する基板上に実装されたパッドとリボンとを重ねスポット溶接する場合により、図を参照しながら詳細に説明する。
本発明のレーザ溶接品質の検査方法は、概略、被溶接部材W2,W1にレーザビームLBを照射して互いに接合し、その溶接品質を検査するもので、被溶接部材W2よりも融点の低い低融点材料1を被溶接部材W2の表面に被覆し、この被溶接部材W2の表面にレーザビームLBを照射して低融点材料1の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、この溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材W2への入熱が適量であるか否かを判定するものである。そして、レーザビームLBが照射された被溶接部材W2の表面を撮像手段2により撮像し、この撮像手段2から得られた画像データを演算することにより、低融点材料1の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定するものである。
また、本発明のレーザ溶接方法は、概略、被溶接部材W2,W1にレーザビームLBを照射して互いに接合するもので、被溶接部材W2よりも融点の低い低融点材料1をこの被溶接部材W2の表面に被覆し、この被溶接部材W2の表面にレーザビームLBを照射し、低融点材料1の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定して、その溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材W2への入熱が適量であるか否かを判定してレーザビームLBの出力を制御するものである。そして、レーザビームLBが照射された被溶接部材W2の表面を撮像手段2により撮像し、この撮像手段2から得られた画像データを演算することにより、低融点材料1の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定するものである。さらに、低融点材料1として、レーザビームLBの吸収率が高い材料を用いるものである。
さらにまた、本発明のレーザ溶接装置は、被溶接部材W2,W1にレーザビームLBを照射して互いに接合するもので、レーザビームLBを出力するレーザ発振装置と、レーザビームLBの焦点を調整する焦点調整手段と、溶接品質を自動で検査するためのレーザ溶接品質検査装置とを備えている。そして、この溶接品質検査装置は、被溶接部材W2よりも融点の低い低融点材料1が被覆されレーザビームが照射されている被溶接部材W2の表面を撮像する撮像手段2と、この撮像手段2によって撮像された画像データから低融点材料1の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、この溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材W2への入熱が適量であるか否かを判定する判定手段とを備えている。
図1に示すように、この実施の形態においては、一方の被溶接部材であるパッドW1は、基板W3上にハンダ付けされており、他方の被溶接部材であるリボンW2は、例えば薄板帯状の銅材(融点:約1084°C)の表面に、低融点材料1として錫(融点:約231°C)がメッキにより被覆されたもので、先端近傍を屈曲成形することにより、パッドW1と重ねスポット溶接される部分W2aが形成されている。リボンW2を構成する銅材にメッキされている錫は、リボンW2を構成する銅材よりもレーザビームの吸収率が高い(反射率が低い)。なお、低融点材料1は、被溶接部材であるリボンW2や、これと接合されるパッドW1の材質などに応じて、このリボンW2やパッドW1と比較して融点が所定の範囲で低く、且つレーザビームLBの吸収率の高いのもが選択され、錫の他に例えば鉛(融点:約327°C)や亜鉛(融点:約419°C)などを用いることもできる。また被溶接部位材W2の表面への被覆は、メッキに限定されることなく、塗布したり蒸着させるなど、他の手法を用いることもできる。
パッドW1とリボンW2を重ねスポット溶接する際には、パッドW1が実装された基板W3は、所定の位置に位置決め固定され、リボンW2の先端の部分W2aがパッドW1の上面に重ねられて位置決め支持される。
本発明のレーザ溶接装置では、レーザ発振装置から所定の出力で発振されたレーザビームLBが、焦点調整手段によって焦点が所定の位置となるよう調整されてリボンW2の表面に所定の径で照射するよう集光される。そして、リボンW2の上方には、レーザビームLBが照射されてその表面に被覆された低融点材料1が溶融する状態を撮影する撮像手段として、低融点材料1が溶融した部分Mと溶融していない部分とを色彩やコントラストの違いなどで示す画像データを出力するCCDカメラ2が配設されている。なお、レーザ発振装置の種類や出力されるレーザビームLBのモード、発振時間、出力などは、被溶接部材W1,W2の種類(材質)や厚さなどに応じて適当に選択されるため、本発明では特に限定されることはない。
レーザ溶接品質検査装置は、CCDカメラ2により得た画像データを演算処理して低融点材料1の溶融した部分Mの長さまたは面積の少なくとも一方(以下、測定値という)を求める演算処理手段と、後述するように設定された低融点材料1の溶融した部分Mの長さまたは面積の少なくとも一方(以下、設定値という)を記憶する記憶手段と、演算処理手段によって求められた測定値と記憶手段に記憶された設定値とを比較することにより被溶接部材W2,W1への入熱が適量であるか否かを判定する判定手段とを備えている。さらに、この実施の形態では、判定手段によって被溶接部材W2,W1への入熱が適量であると判定された場合に、レーザビームLBの照射を停止させる制御手段も備えている。
低融点材料1は、レーザビームLBを照射されることにより溶融し、被溶接部材W2,W1の、特にリボンW2を構成する銅材の伝熱により、図1に矢印で示すように、その溶融された部分Mが時間経過に伴って拡大することとなる。しかしながら、リボンW2を構成する銅材とパッドW1は、レーザビームLBの照射によって加熱昇温されるものの、低融点材料1の溶融よりも遅いために、溶融を開始していないか、溶融した部分Mが低融点材料1ほど拡大していない。すなわち、低融点材料1は、被溶接部材W2,W1に先立って溶融する。
ここで、図4に示したようにリボンW2の表面の低融点材料1の溶融した部分が所定の位置まで拡大している(長くなっている)場合には、図5に示すように、パッドW1とリボンW2への熱量の付与(入熱)が適切で両者が互いに良好に溶け込み接合されていることとなる。これに対して、図6に示したように、リボンW2の表面の低融点材料1の溶融した部分Mが図4と比較してわずかしか拡大していない(長く延びていない)場合には、パッドW1とリボンW2への熱量の付与(入熱)が適切でなく、図7に示すようにリボンW2を浅く溶融したに過ぎずパッドW1と接合されていないか、または、図8に示したようにリボンW2が溶け落ち、両者W2,W1が互いに良好に溶け込み接合されていないこととなる。
そこで、本発明では、レーザ溶接の品質検査において、図2に示すように、低融点材料1の溶融した部分Mが所定の長さまたは面積(図2のXを参照)に達していないと、被溶接部材W2,W1が適切に加熱昇温されていない、すなわちレーザビームLBによって適切な熱量が被溶接部材W2,W1に付与されておらず所定の溶接強度(図2のYを参照)を得ることができない(NG)と、また、低融点材料1の溶融した部分Mが所定の長さまたは面積(図2のXを参照)に達すると、被溶接部材W2,W1が適切に加熱昇温された、すなわちレーザビームLBによって適切な熱量が被溶接部材W2,W1に付与されて互いに溶け込み所定の溶接強度(図2のYを参照)を得ることができる(OK)と判定することとした。この所望の溶接強度とするための適切な熱量を得ることができるときの低融点材料1の溶融した部分の長さまたは溶融面積は、レーザビームLBの出力や、被溶接部材W2,W1の材質、厚さなどの形状などによって異なるが、経験則で求めることができる。この経験則から求められた所望の溶接強度とするための低融点材料1の溶融した部分Mの長さまたは溶融面積は、設定値として記憶手段に入力される。
以上のように構成されたレーザ溶接装置を使用して、レーザ溶接の品質を検査しつつレーザ溶接を行う場合には、上述したように銅材の表面に、銅材よりも融点が低く且つレーザビームLBの吸収率が良好な低融点材料1として錫をメッキして所定形状のリボンW2を構成し、図1に示したように、パッドW1の上面にリボンW2の先端の部分W2aを重ね位置決めする。この状態で、図3に示すように。レーザビームLBをリボンW2の表面に照射し(S1)、CCDカメラ2でリボンW2の表面を撮影する(S2)。
レーザ溶接品質検査装置の演算処理手段では、CCDカメラ2により得た画像データを演算処理することにより低融点材料1の溶融した部分Mの長さまたは面積の少なくとも一方を測定し(S3)、求められた測定値を判定手段に出力する。判定手段では、記憶手段に入力された設定値を読み込んで測定値と比較し(S4)、判定手段が設定値と測定値を比較して(S4)、測定値が設定値を越えた場合(S4おいてYESの場合)には、被溶接部材W2,W1への入熱が適量である(すなわち、被溶接部材W2,W1間に所定の溶接強度を有しており、溶接品質の検査結果が良好である)と判定し、所定時間を経過しても測定値が設定値を超えない場合(S4においてNOの場合)には、被溶接部材W2,W1への入熱がこの実施の形態では不足しており適量でない(すなわち、被溶接部材W2,W1間に所定の溶接強度がなく、溶接品質の検査結果が良好でない)と判定する。
さらに、この実施の形態では、測定値が設定値を越えて溶接品質の検査結果が良好であると判定した場合(S4おいてYESの場合)には、レーザ溶接品質検査装置がレーザビーム発振装置の制御手段にレーザビームLBの照射を停止(S5)させるよう信号を出力し、一レーザ溶接工程を終了する。なお、溶接品質の検査結果が良好であると判定した場合には、必要に応じて、レーザビームLBの照射を停止させることなく、その照射出力を低下させるよう制御してもよい。
本発明では、被溶接部材W2の表面に低融点材料1を被覆して、レーザビームLBの照射によって被溶接部材W2,W1よりも先に溶融した低融点材料1の長さまたは面積の少なくとも一方を測定して、その測定結果に基づいて被溶接部材W2,W1への入熱が適量であるか否かを判定するので、構成が簡単であり、レーザ溶接の品質を正確且つ容易に検査し、また、被溶接部材W2,W1の溶融に先立ってレーザビームLBの照射を制御することができるので応答性がよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、基板W3上にハンダ付けされたパッドW1とリボンW2を重ねスポット接合する場合以外にも、レーザビームLBによって他の複数の被溶接部材を互いに溶接するものであれば、適用することができる。
本発明のレーザ溶接装置の実施の一形態を説明するために概念的に示した斜視図である。 本発明の判定基準を説明するために、低融点材料の溶融長さまたは面積と熱量との関係を示したグラフである。 本発明のレーザ溶接方法の実施の一形態を説明するために示したフローチャートである。 入熱が適量である場合の、リボンの表面に被覆された低融点材料の溶融した部分を説明するために示した斜視図である。 入熱が適量である場合のリボンとパッドの溶け込みを説明するために示した拡大断面図である。 入熱が適量でない場合の、リボンの表面に被覆された低融点材料の溶融した部分を説明するために示した斜視図である。 入熱が適量でなくリボンの表面のみが加熱昇温されてパッドと接合されていない場合を説明するために示した拡大断面図である。 入熱が適量でなくリボンが溶け落ちてレーザビームが通過し、溶融した部分が拡大しない場合を説明するために示した拡大断面図である。
符号の説明
W1:パッド(被溶接部材)、 W2:リボン(被溶接部材)、 LB:レーザビーム、 1:低融点材料、 2:CCDカメラ(撮像手段)

Claims (3)

  1. 被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合し、その溶接品質を検査するレーザ溶接品質の検査方法であって、
    前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を該被溶接部材の表面に被覆し、
    該被溶接部材の表面にレーザビームを照射して前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、
    該溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定することを特徴とするレーザ溶接品質の検査方法。
  2. 被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合するレーザ溶接方法であって、
    前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料を該被溶接部材の表面に被覆し、
    該被溶接部材の表面にレーザビームを照射し、
    前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定して、その溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定してレーザビームの出力を制御することを特徴とするレーザ溶接方法。
  3. 被溶接部材にレーザビームを照射して互いに接合する装置であって、
    溶接品質を検査するためのレーザ溶接品質検査装置が設けられており、該レーザ溶接品質検査装置は、
    前記被溶接部材よりも融点の低い低融点材料が表面に被覆されており、その表面にレーザビームが照射されている該被溶接部材を撮像する撮像手段と、
    該撮像手段によって撮像された画像データから前記低融点材料の溶融長さまたは面積の少なくとも一方を測定し、該溶融長さまたは面積の少なくとも一方に基づいて被溶接部材への入熱が適量であるか否かを判定する判定手段とを備えていることを特徴とするレーザ溶接装置。
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