JP2009283809A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換素子の形成領域を広げて光電変換特性を向上した場合でも、走査線の電位の影響を受けることがなく、さらに、電界効果型トランジスタの光リーク電流の発生を確実に防止することのできる固体撮像装置を提供すること。
【解決手段】固体撮像装置100において、光電変換素子80は、複数本の走査線3aのうち、この光電変換素子80が属する画素100anを制御する自段の走査線3anと、この画素100aより前段に位置する画素100an-1を制御する前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から、前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成され、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30n-1の半導体膜1aに平面視で重なっている。
【選択図】図3
【解決手段】固体撮像装置100において、光電変換素子80は、複数本の走査線3aのうち、この光電変換素子80が属する画素100anを制御する自段の走査線3anと、この画素100aより前段に位置する画素100an-1を制御する前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から、前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成され、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30n-1の半導体膜1aに平面視で重なっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、入射光を電気信号に変換する固体撮像装置に関するものである。
医療画像診断や非破壊検査等においてはX線などの放射線を用いて撮像しているが、放射線の撮影では縮小光学系の実現が難しいことから等倍での撮像が必要とされる。従って、医療画像診断や非破壊検査等には、大面積の撮像面が求められるので、ガラスなどの基板に対して各種薄膜を堆積させて複数の画素をマトリクス状に構成した固体撮像装置が用いられる。また、固体撮像装置によって2次元イメージセンサを構成する場合も、大面積の撮像面が求められるので、ガラスなどの基板に対して各種薄膜を堆積させて複数の画素がマトリクス状に構成される。
具体的には、支持基板上の撮像領域内に、所定方向に延在する複数本の走査線と、これらの走査線と交差する方向に延在する複数本のデータ線とが形成され、走査線とデータ線との各交差に対応する位置には、走査線により制御される電界効果型トランジスタ、およびこの電界効果型トランジスタを介してデータ線に電気的に接続された光電変換素子を備えた複数の画素が形成されている。従って、走査線を介して供給される走査信号によって電界効果型トランジスタをオンオフさせれば、各画素に蓄積された電荷に対応する信号を、データ線を介して検出することができる(特許文献1参照)。
このような固体撮像装置を、光電変換素子としてPIN型フォトダイオードを用い、支持基板の両面のうち、走査線、データ線、電界効果型トランジスタ、および光電変換素子が形成されている面側からに光が入射するように構成する場合は、図6(a)、(b)に示すように構成される。なお、図6(a)、(b)に示す構成は、本発明との対比のために本願発明者が案出した参考例であり、従来技術ではない。
図6(a)、(b)に示す固体撮像装置では、支持基板10上の撮像領域内に、X方向に延在する複数本の走査線3aと、X方向に対して交差するY方向に延在する複数本のデータ線6aとが形成され、走査線3aとデータ線6aとの各交差に対応する位置には、走査線3aにより制御される電界効果型トランジスタ30、およびこの電界効果型トランジスタ30を介してデータ線6aに電気的に接続された光電変換素子80を備えた複数の画素100aとが構成されている。光電変換素子80は、複数の薄膜が積層されたPINフォトダイオードからなり、光電変換素子80の第1電極81aは電界効果型トランジスタ30のドレインに電気的接続する一方、光電変換素子80の透光性の第2電極85aはバイアス線5aに電気的接続している。従って、光電変換素子80は、透光性の第2電極85aの側から光が入射した際、入射光量に対応する電荷を発生させる。
このように構成した複数の画素100aの各々において、電界効果型トランジスタ30および光電変換素子80は、複数本の走査線3aのうち、自身が属する画素100aを制御する自段の走査線3anと、前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域内において、平面視でずれた位置に形成されているが、互いに近接した位置に形成されている。
特許第3144091号公報
このような固体撮像装置において、その光電変換特性を向上させるには、光電変換素子80の形成領域を広げる必要があるが、光電変換素子80の形成領域を、自身が属する画素100aを制御する自段の走査線3anと平面視に重なる領域まで広げると、光電変換素子80で発生した電荷を正確に読み出すことができなくなる。すなわち、光電変換素子80で発生した電荷を読み出す際、自段の走査線3anには電界効果型トランジスタ30をオンとする走査信号が印加されているので、自段の走査線3anと第1電極81aとの間に介在する寄生容量の影響で第1電極81aの電位が変動してしまう。このため、従来は、150μmの画素ピッチで光電変換素子80が占有する面積が50%程度であるなど、光電変換素子80の形成領域を広げることができず、光電変換特性が低いという問題点がある。
また、図6(a)、(b)に示す構造では、入射した光が電界効果型トランジスタ30の能動層を構成する半導体膜1aに届いて電界効果型トランジスタ30に光リーク電流が発生しやすいという問題点があり、かかる光リーク電流は、光電変換特性を低下させる。すなわち、光電変換素子80が電荷を蓄える際、電界効果型トランジスタ30に光リーク電流が発生すると、光電変換素子80が蓄えようとする電荷が電界効果型トランジスタ30を介して漏れてしまい、入射光量に対応する電荷を正確に蓄えることができない結果、微小なデータが消失する。また、光電変換素子80が電荷を蓄えた以降においても、電界効果型トランジスタ30に光リーク電流が発生すると、光電変換素子80が蓄えた電荷が電界効果型トランジスタ30を介して漏れてしまい、情報を正確に読み出すことができなくなってしまう。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、光電変換素子の形成領域を広げて光電変換特性を向上した場合でも、走査線の電位の影響を受けることのない固体撮像装置を提供することにある。
次に、本発明の課題は、電界効果型トランジスタの光リーク電流の発生を確実に防止して、光電変換特性を向上することのできる固体撮像装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明では、支持基板上の撮像領域内に、所定方向に延在する複数本の走査線と、該複数本の走査線と交差する方向に延在する複数本のデータ線とが形成され、前記走査線と前記データ線との各交差に対応する位置には、前記走査線により制御される電界効果型トランジスタ、および該電界効果型トランジスタを介して前記データ線に電気的に接続された光電変換素子を備えた複数の画素が形成された固体撮像装置において、前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子は、前記複数本の走査線のうち、当該光電変換素子が属する画素を制御する自段の走査線と、当該画素より前段に位置する画素を制御する前段の走査線とによって挟まれた領域から前記前段の走査線の少なくとも一部と絶縁膜を介して平面視で重なる領域まで形成されていることを特徴とする。
本発明では、光電変換素子は、自段の走査線と前段の走査線とによって挟まれた領域から前段の走査線の少なくとも一部と絶縁膜を介して平面視で重なる領域まで形成されているため、光電変換素子の形成領域を広げて光電変換特性を向上させた場合でも、自段の走査線に対して平面視でずれている。このため、光電変換素子の形成領域を広げた場合でも、光電変換素子の第1電極の電位が自段の走査線の影響で変動しないので、光電変換素子で発生させた電荷を確実に読み出すことができる。
本発明では、前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子は、前記自段の走査線に対して平面視で完全にずれた領域に形成されていることが好ましい。このように構成すると、光電変換素子の形成領域を広げた場合でも、光電変換素子の第1電極の電位は、自段の走査線から一切の影響を受けないので、光電変換素子で発生させた電荷を確実に読み出すことができる。
本発明では、前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子は、前記自段の走査線と前記前段の走査線とによって挟まれた領域から当該前段の走査線を跨ぐ領域まで形成されていることが好ましい。このように構成すると、光電変換素子の形成領域を十分、広げた場合でも、光電変換素子が自段の走査線から離間しているので、光電変換素子の第1電極の電位は、自段の走査線から一切の影響を受けず、光電変換素子で発生させた電荷を確実に読み出すことができる。
本発明では、前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子を構成する複数の薄膜のうち、少なくとも1つの遮光膜は、前記前段の走査線を跨いで、前記前段の画素に属する前記電界効果型トランジスタの能動層に対して光入射側において当該能動層に絶縁膜を介して平面視で重なっていることが好ましい。このように構成すると、電界効果型トランジスタの能動層に入射しようとする光を、光電変換素子を構成する遮光性の薄膜で遮ることができる。従って、電界効果型トランジスタに光リーク電流が発生しないので、光電変換素子が電荷を蓄える際、および光電変換素子が電荷を蓄えた以降のいずれにおいても、光リーク電流に起因する電荷も漏れが発生しないので、光電変換特性を向上することができる。
本発明では、前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子全体が、前記前段の走査線を跨いで、前記前段の画素に属する前記電界効果型トランジスタの能動層に対して光入射側において当該能動層に絶縁膜を介して平面視で重なっている構成を採用してもよい。光電変換素子を構成する薄膜の多くが遮光性を備えているので、光電変換素子全体で電界効果型トランジスタの能動層を覆えば、電界効果型トランジスタの能動層に光が入射しようとするのを確実に防止することができる。
本発明においては、前記支持基板の両面のうち、前記走査線、前記データ線、前記電界効果型トランジスタ、および前記光電変換素子が形成されている面側から光が入射する構成を採用することができる。
この場合、前記電界効果型トランジスタは、前記支持基板の下層側から上層側にゲート電極、ゲート絶縁膜、および能動層が順に積層されたボトムゲート構造を備えている構成を採用することができる。すなわち、電界効果型トランジスタがボトムゲート構造を備えている場合、能動層に入射しようとする光をゲート電極で遮ることができないが、本発明によれば、能動層に入射しようとする光を、光電変換素子を構成する遮光性の薄膜あるいは光電変換素子全体で遮ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明では、図6を参照して説明した構成との対比が分りやすいように、共通する機能を有する部分には同一の符号を付して説明する。電界効果型トランジスタの場合、その導電型や電流が流れる方向によって、ソースとドレインとが入れ替わるが、本発明では、便宜上、光電変換素子が接続されている側をドレインとし、信号線(データ線)が接続されている側をソースとしてある。また、以下の説明において、Y方向に配列された多数の画素100a、電界効果型トランジスタ30および光電変換素子80のうち、Y方向の1つの画素100a、電界効果型トランジスタ30および光電変換素子80を示す場合には符号の後に添え字「n」を付し、それより前段に位置する画素100a、電界効果型トランジスタ30および光電変換素子80を示す場合には符号の後に添え字「n-1」を付し、後段に位置する画素100a、電界効果型トランジスタ30および光電変換素子80を示す場合には符号の後に添え字「n+1」を付して説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1および図2は各々、本発明を適用した固体撮像装置の電気的構成を示すブロック図、および外観を模式的に示す説明図である。
(全体構成)
図1および図2は各々、本発明を適用した固体撮像装置の電気的構成を示すブロック図、および外観を模式的に示す説明図である。
図1に示す固体撮像装置100は、X方向に延在する複数本の走査線3aと、X方向と交差するY方向に延在する複数本のデータ線6aとを有している。走査線3aとデータ線6aとの交差に対応する各位置には画素100aが配置されており、これら複数の画素100aがマトリクス状に配置された領域によって撮像領域100cが構成されている。複数の画素100aの各々には、入射光量に応じた電荷を発生させる光電変換素子80、およびこの光電変換素子80に電気的に接続された電界効果型トランジスタ30が形成されており、本形態において、光電変換素子80はPINフォトダイオードからなる。走査線3aは電界効果型トランジスタ30のゲートに電気的接続し、データ線6aは電界効果型トランジスタ30のソースに電気的接続している。電界効果型トランジスタ30のドレインは、光電変換素子80の第1電極81a(カソード)に電気的接続している。本形態では、データ線6aと並列するようにバイアス線5aが延在しており、バイアス線5aは、光電変換素子80の第2電極85a(アノード)に電気的接続している。ここで、バイアス線5aには定電位が印加されており、光電変換素子80に逆バイアスを印加することができる。バイアス線5aは、走査線3aと並列するように延在している構成を採用することもできる。定電位をバイアス線5aに印加するにあたって、本形態では、複数本のバイアス線5aを1本の主線を介して走査線駆動回路110に向けて引き回した構成が採用されている。
複数の画素100aの各々には保持容量90を備えており、かかる保持容量90の一方の電極は、光電変換素子80の第1電極81aと同様、電界効果型トランジスタ30のドレインに電気的接続され、保持容量90の他方の電極は、光電変換素子80の第2電極85aと同様、バイアス線5aに電気的接続されている。このため、保持容量90は、光電変換素子80に並列に電気的接続されている。ここで、保持容量90は、光電変換素子80に逆バイアスを印加した際、光電変換素子80に生成される空乏層などにより形成される構成や、かかる空乏層により形成される容量成分に加えて、別途、画素100aに対して光電変換素子80とは並列に電気的接続された蓄積容量を形成することによっても構成される。いずれの場合も、保持容量90は、光電変換素子80で発生した電界を蓄積し、かかる保持容量90に蓄積された電荷は、画素100aで受光した光量に対応する。
複数の走査線3aは走査線駆動回路110に接続されており、各画素100aの電界効果型トランジスタ30は、走査線駆動回路110から出力された走査信号(ゲートパルス)によって矢印Yの方向に順次、オンオフする。複数のデータ線6aは、読出回路120に接続されており、電界効果型トランジスタ30のオンオフ動作に連動して、各画素100aでの入射光量に応じた電気信号が順次、データ線6aを介して読出回路120に出力される。読出回路120は、オペアンプとキャパシタとにより構成されるいわゆるチャージセンシングアンプを備えている。
かかる固体撮像装置100において、図1を参照して説明した走査線3a、データ線6a、バイアス線5a、画素100a(光電変換素子80、電界効果型トランジスタ30、保持容量90)は、図2に示す支持基板10上に形成される。ここで、支持基板10の略中央領域は、上記の画素100aが複数マトリクス状に配列された撮像領域100cとして利用される。また、図2に示す例では、走査線駆動回路110および読出回路120は、支持基板10上とは別に形成されている。このため、支持基板10において、撮像領域100cを外側で囲む周辺領域には、駆動用IC(図2には図示せず)が実装されたフレキシブル基板150、160が接続されている。
(画素構成)
図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置100において、隣接する複数の画素100aの平面図、およびその1つ分の断面図であり、図3(b)は、図3(a)のA1−A1′線に相当する位置で固体撮像装置100を切断したときの断面図に相当する。なお、図3(a)では、走査線3aおよびそれと同時形成された薄膜は細い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は細い一点鎖線で示し、半導体膜(能動層)は細くて短い点線で示し、光電変換素子80の第1電極81aは太い実線で示し、光電変換素子80の半導体膜は太い一点鎖線で示し、光電変換素子80の第2電極85aは太い実線で示してある。
図3(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る固体撮像装置100において、隣接する複数の画素100aの平面図、およびその1つ分の断面図であり、図3(b)は、図3(a)のA1−A1′線に相当する位置で固体撮像装置100を切断したときの断面図に相当する。なお、図3(a)では、走査線3aおよびそれと同時形成された薄膜は細い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は細い一点鎖線で示し、半導体膜(能動層)は細くて短い点線で示し、光電変換素子80の第1電極81aは太い実線で示し、光電変換素子80の半導体膜は太い一点鎖線で示し、光電変換素子80の第2電極85aは太い実線で示してある。
図3(a)に示すように、支持基板10上には、走査線3aとデータ線6aとが互いに交差する方向に延在しており、走査線3aとデータ線6aとの交差に対応する各位置に画素100aが形成されている。また、データ線6aと並列するようにバイアス線5aが延在している。本形態において、データ線6aは、X方向で隣接する画素100aの境界領域と重なる位置で当該境界領域に沿ってY方向に延在し、バイアス線5aは画素100aのX方向の中央を通ってY方向に延在している。走査線3aは、Y方向で隣接する画素100aの境界領域に沿ってX方向に延在しているが、後述する理由から、Y方向で隣接する画素100aの境界領域に対してずれた位置でX方向に延在している。
画素100aには、PINフォトダイオードからなる光電変換素子80、およびこの光電変換素子80に電気的に接続された電界効果型トランジスタ30が形成されており、走査線3aの一部によって電界効果型トランジスタ30のゲート電極3bが形成され、データ線6aの一部によって電界効果型トランジスタ30のソース電極6bが形成されている。電界効果型トランジスタ30のドレイン電極6dは、光電変換素子80の第1電極81aに電気的接続し、バイアス線5aは、光電変換素子80の第2電極85aに電気的接続している。
かかる画素100aの断面構成等を、図3(a)、(b)を参照して説明する。図3(a)、(b)に示す固体撮像装置100において、支持基板10は、石英基板や耐熱性のガラス基板などからなり、その両側の面10x,10yのうち。上側の面10xには、ボトムゲート構造の電界効果型トランジスタ30が形成されている。電界効果型トランジスタ30では、走査線3aの一部からなるゲート電極3b、ゲート絶縁膜21、電界効果型トランジスタ30の能動層を構成するアモルファスシリコン膜からなる半導体膜1a、高濃度N型不純物がドープされたアモルファスシリコン膜からなるコンタクト層4a、4bがこの順に積層されたボトムゲート構造を有している。半導体膜1aのうち、ソース側の端部には、コンタクト層4aを介してデータ線6aがソース電極6bとして重なっており、ドレイン側の端部には、コンタクト層4bを介してドレイン電極6dが重なっている。データ線6aおよびドレイン電極6dは同時形成された導電膜からなる。走査線3は、例えば、厚さが50nm程度のモリブデン膜と、厚さが250nm程度のアルミニウム膜の積層膜である。半導体膜1aは、例えば厚さが150nm程度のアモルファスシリコン膜であり、ゲート絶縁膜21は、例えば厚さが400nm程度のシリコン窒化膜である。コンタクト層4a、4bは、例えば厚さが50nm程度の高濃度N型のアモルファスシリコン膜であり、データ線6aは、例えば、厚さが50nm程度のモリブデン膜と、厚さが250nm程度のアルミニウム膜と、厚さが50nm程度のモリブデン膜の積層膜からなる。
本形態では、X方向に延在する走査線3aの一部をそのままゲート電極3bとして用い、ゲート電極3bと交差するように半導体膜1aをY方向に長手方向を向けた島状領域として形成してある。このため、ソース電極6bは、データ線6aからX方向に突出した後、Y方向に屈曲した部分として形成されている。
データ線6aおよびドレイン電極6dの表面側には、厚さが400nm程度のシリコン窒化膜などからなる下層側絶縁膜22が形成されている。下層側絶縁膜22の上層には、光電変換素子80の第1電極81aが形成されており、かかる第1電極81aは下層側絶縁膜22に形成されたコンタクトホール22aの内部でドレイン電極6dの上面に接して電気的接続している。このようにして、第1電極81aは、第1電極81aより下層側で電界効果型トランジスタ30のドレインに電気的接続している。第1電極81aは、例えば、厚さが100nm程度のアルミニウム膜からなる。
第1電極81aの上層には、高濃度N型の不純物がドープされたアモルファスシリコン膜からなる高濃度N型半導体膜82a、真性のアモルファスシリコン膜からなるI型半導体膜83a(真性半導体膜)、高濃度P型の不純物がドープされたアモルファスシリコン膜からなる高濃度P型半導体膜84aが積層され、高濃度P型半導体膜84aの上層には第2電極85aが積層されている。かかる第1電極81a、高濃度N型半導体膜82a、I型半導体膜83a、高濃度P型半導体膜84a、および第2電極85aによって、光電変換素子80はPINフォトダイオードとして構成されている。第2電極85aは、例えば、厚さが90nm程度のITO膜からなり、光電変換素子80は、透光性の第2電極85aの側から入射した光を検出する。
本形態では、光電変換素子80の段差での耐電圧低下に起因する信頼性や歩留まりの低下を避けることを目的に、光電変換素子80を構成する複数の薄膜(第1電極81a、高濃度N型半導体膜82a、I型半導体膜83a、高濃度P型半導体膜84a、および第2電極85a)のうち、第1電極81aのみがコンタクトホール22aと重なる領域に形成されているが、光電変換素子80全体(第1電極81a、高濃度N型半導体膜82a、I型半導体膜83a、高濃度P型半導体膜84a、および第2電極85aの全て)がコンタクトホール22aと重なる領域に形成されている構成を採用してもよい。
光電変換素子80の上層側には、撮像領域100cの全面に、厚さが400nm程度のシリコン窒化膜などの無機絶縁膜からなる上層側絶縁膜23が形成されており、かかる上層側絶縁膜23の上層にはバイアス線5aが形成されている。ここで、上層側絶縁膜23には、第2電極85aと重なる位置にコンタクトホール23aが形成されている。このため、バイアス線5aは、コンタクトホール23aの内部で第2電極85aに重なって第2電極85aに電気的接続されている。バイアス線5aは、例えば、厚さが50nm程度のモリブデン膜と、厚さが250nm程度のアルミニウム膜と、厚さが50nm程度のモリブデン膜の積層膜からなる。
また、バイアス線5aの上層側には、厚さが400nm程度のシリコン窒化膜などからなる表面保護層24が形成されている。固体撮像装置100をX線などの放射線を用いた医療画像診断や非破壊検査等に用いる場合、表面保護層24自身によって、あるいは表面保護層24の上層にリン光体などによって放射線ビームを可視光に変換するシンチレーターが構成される。また、X線以外の撮像を行なう場合には、また、光の各波長に対応するシンチレーターがあればその波長の光を撮像することもでき、本形態の固体撮像装置100は、X線撮像装置に限定されるものではない。
(画素100aにおける光電変換素子80のレイアウト)
このように構成した固体撮像装置100において、光電変換素子80の光電変換特性を向上させるには、光電変換素子80の形成領域が広いことが必要であるが、光電変換素子80を、自身が属する画素100aを制御する自段の走査線3anと平面視で重なるように形成すると、自段の走査線3anと第1電極81aとの間に介在する寄生容量の影響で第1電極81aの電位が変動してしまう。
このように構成した固体撮像装置100において、光電変換素子80の光電変換特性を向上させるには、光電変換素子80の形成領域が広いことが必要であるが、光電変換素子80を、自身が属する画素100aを制御する自段の走査線3anと平面視で重なるように形成すると、自段の走査線3anと第1電極81aとの間に介在する寄生容量の影響で第1電極81aの電位が変動してしまう。
そこで、本形態では、複数の画素100aの各々において、光電変換素子80は、複数本の走査線3aのうち、この光電変換素子80が属する画素100anを制御する自段の走査線3anと、この画素100aより前段に位置する画素100an-1を制御する前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から、前段の走査線3an-1と絶縁膜(ゲート絶縁膜21および下層側絶縁膜22)を介して平面視で重なる領域まで形成されている。
しかも、光電変換素子80は、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成されている。このため、光電変換素子80は、前段に向けて大きくずれた位置に形成され、自段の走査線3anに対して平面視で完全にずれた領域に形成されている。また、光電変換素子80は、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成されている。このため、光電変換素子80は、全体が前段の走査線3an-1を跨いで、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30n-1の能動層(半導体膜1a)に対して上層側(光入射側)で絶縁膜(下層側絶縁膜22)を介して平面視で重なっている。従って、図3(b)に示すように、画素100anの電界効果型トランジスタ30nの上層側には、後段に位置する画素100an+1に属する光電変換素子80が形成されることなる。また、走査線3anに対して前段の走査線3an-1は保持容量線としても機能し、走査線3an-1と第1電極81aとの間に保持容量90が形成される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、複数の画素100aの各々において、光電変換素子80は、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨いだ領域まで形成されているため、光電変換素子80の形成領域を広げて光電変換特性を向上させた場合でも、自段の走査線3anからは平面視でずれている。本形態では、150μmの画素ピッチで光電変換素子80が占有する面積が60%程度となるまで、光電変換素子80の形成領域を広げてあるため、光電変換効率が高く、微弱な光も検出することができる。すなわち、微小な光が電荷に変換される量は、光電変換素子80の面積に比例するため、撮像領域100c全体の感度(電荷量)が一定の場合、検出できる光の最小強度は面積に反比例することになるからである。
以上説明したように、本形態では、複数の画素100aの各々において、光電変換素子80は、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨いだ領域まで形成されているため、光電変換素子80の形成領域を広げて光電変換特性を向上させた場合でも、自段の走査線3anからは平面視でずれている。本形態では、150μmの画素ピッチで光電変換素子80が占有する面積が60%程度となるまで、光電変換素子80の形成領域を広げてあるため、光電変換効率が高く、微弱な光も検出することができる。すなわち、微小な光が電荷に変換される量は、光電変換素子80の面積に比例するため、撮像領域100c全体の感度(電荷量)が一定の場合、検出できる光の最小強度は面積に反比例することになるからである。
また、本形態によれば、光電変換素子80の形成領域を広げた場合でも、光電変換素子80の第1電極81aの電位が自段の走査線3anの影響で変動しないので、光電変換素子80で発生させた電荷を確実に読み出すことができる。特に本形態において、光電変換素子80は、自段の走査線3anに対して平面視で完全にずれているため、光電変換素子80の第1電極81aの電位は、自段の走査線3anから一切の影響を受けないので、光電変換素子80で発生させた電荷を確実に読み出すことができる。なお、光電変換素子80の第1電極81aを前段の走査線3an-1に重ねると、光電変換素子80の第1電極81aと前段の走査線3an-1との間に大きな寄生容量をもつことになり、前段の走査線3an-1がオンオフ動作する際に、それらの振幅で容量結合により、光電変換素子80の第1電極81aの電位は振られるが、オンとオフでの往復動作であるため、光電変換素子80が蓄える電荷に与える影響はキャンセルされるので、支障がない。
また、複数の画素100aの各々において、光電変換素子80が、前段の走査線3an-1を跨いで、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30an-1の能動層(半導体膜1a)に対して光入射側において平面視で重なっているため、電界効果型トランジスタ30の能動層(半導体膜1a)に光が入射しようとするのを確実に防止することができる。
さらに、本形態において、電界効果型トランジスタ30は、支持基板10の下層側から上層側にゲート電極3b、ゲート絶縁膜21、および能動層(半導体膜1a)が順に積層されたボトムゲート構造を備えているため、能動層に入射しようとする光をゲート電極3bで遮ることができないが、本形態によれば、能動層に入射しようとする光を、光電変換素子80で遮ることができる。従って、電界効果型トランジスタ30に光リーク電流が発生しないので、光電変換素子80が電荷を蓄える際、および光電変換素子80が電荷を蓄えた以降のいずれにおいても、光リーク電流に起因する電荷も漏れが発生しないので、光電変換特性を向上することができる。
さらにまた、電界効果型トランジスタ30の第1電極81aは、前段の走査線3an-1に対してゲート絶縁膜21および下層側絶縁膜22を介して重なっているため、図1を参照して説明した保持容量90と同様に機能する蓄積容量を形成することができる。従って、容量線など追加しなくても、十分な容量を備えた保持容量を確保することができるので、その点でも、光電変換特性を向上することができる。
[実施の形態2]
図4(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る固体撮像装置100において、隣接する複数の画素100aの平面図、およびその1つ分の断面図であり、図4(b)は、図4(a)のA2−A2′線に相当する位置で固体撮像装置100を切断したときの断面図に相当する。なお、図4(a)、(b)は各々、図3(a)、(b)に対応する図面であり、走査線3aおよびそれと同時形成された薄膜は細い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は細い一点鎖線で示し、半導体膜(能動層)は細くて短い点線で示し、光電変換素子80の第1電極81aは太い実線で示し、光電変換素子80の半導体膜は太い一点鎖線で示し、光電変換素子80の第2電極85aは太い実線で示してある。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図4(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る固体撮像装置100において、隣接する複数の画素100aの平面図、およびその1つ分の断面図であり、図4(b)は、図4(a)のA2−A2′線に相当する位置で固体撮像装置100を切断したときの断面図に相当する。なお、図4(a)、(b)は各々、図3(a)、(b)に対応する図面であり、走査線3aおよびそれと同時形成された薄膜は細い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は細い一点鎖線で示し、半導体膜(能動層)は細くて短い点線で示し、光電変換素子80の第1電極81aは太い実線で示し、光電変換素子80の半導体膜は太い一点鎖線で示し、光電変換素子80の第2電極85aは太い実線で示してある。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
実施の形態1では、X方向に延在する走査線3aの一部をそのままゲート電極3bとして用い、ゲート電極3bと交差するように半導体膜1aをY方向に長手方向を向けた島状領域として形成したが、図4(a)、(b)に示すように、本形態の固体撮像装置100では、X方向に延在する走査線3aからY方向に突出した部分を電界効果型トランジスタ30のゲート電極3bとして用い、ゲート電極3bと交差するように半導体膜1aをX方向に長手方向を向けた島状領域として形成してある。かかる構成を採用した場合も、本形態では、実施の形態1と同様、光電変換素子80は、複数本の走査線3aのうち、この光電変換素子80が属する画素100anを制御する自段の走査線3anと、この画素100aより前段に位置する画素100an-1を制御する前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から、前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成され、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30n-1の能動層(半導体膜1a)に対して上層側(光入射側)において絶縁膜(下層側絶縁膜22)を介して平面視で重なっている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
このように、本形態でも、実施の形態1と同様、複数の画素100aの各々において、光電変換素子80は、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨いだ領域まで形成されているため、光電変換素子80の形成領域を広げて光電変換特性を向上させた場合でも、自段の走査線3an-1からは平面視でずれている。このため、光電変換素子80の形成領域を広げた場合でも、光電変換素子80の第1電極81aの電位が自段の走査線3anの影響で変動しないので、光電変換素子80で発生させた電荷を確実に読み出すことができる。また、光電変換素子80が、前段の走査線3an-1を跨いで、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30an-1の能動層(半導体膜1a)に対して光入射側において平面視で重なっているため、電界効果型トランジスタ30の能動層(半導体膜1a)に光が入射しようとするのを確実に防止することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
[実施の形態3]
図5(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態3に係る固体撮像装置100において、隣接する複数の画素100aの平面図、およびその1つ分の断面図であり、図5(b)は、図5(a)のA3−A3′線に相当する位置で固体撮像装置100を切断したときの断面図に相当する。なお、図5(a)、(b)は各々、図3(a)、(b)に対応する図面であり、走査線3aおよびそれと同時形成された薄膜は細い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は細い一点鎖線で示し、半導体膜(能動層)は細くて短い点線で示し、光電変換素子80の第1電極81aは太い実線で示し、光電変換素子80の半導体膜は太い一点鎖線で示し、光電変換素子80の第2電極85aは太い実線で示してある。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図5(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態3に係る固体撮像装置100において、隣接する複数の画素100aの平面図、およびその1つ分の断面図であり、図5(b)は、図5(a)のA3−A3′線に相当する位置で固体撮像装置100を切断したときの断面図に相当する。なお、図5(a)、(b)は各々、図3(a)、(b)に対応する図面であり、走査線3aおよびそれと同時形成された薄膜は細い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は細い一点鎖線で示し、半導体膜(能動層)は細くて短い点線で示し、光電変換素子80の第1電極81aは太い実線で示し、光電変換素子80の半導体膜は太い一点鎖線で示し、光電変換素子80の第2電極85aは太い実線で示してある。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図5(a)、(b)に示すように、本形態の固体撮像装置100では、実施の形態2と同様、X方向に延在する走査線3aからY方向に突出した部分を電界効果型トランジスタ30のゲート電極3bとして用い、ゲート電極3bと交差するように半導体膜1aをX方向に長手方向を向けた島状領域として形成してある。
かかる構成を採用した場合も、本形態では、実施の形態1、2と同様、光電変換素子80は、複数本の走査線3aのうち、この光電変換素子80が属する画素100anを制御する自段の走査線3anと、この画素100aより前段に位置する画素100an-1を制御する前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から、前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成されている。従って、本形態でも、実施の形態1と同様、複数の画素100aの各々において、光電変換素子80は、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨いだ領域まで形成されているため、光電変換素子80の形成領域を広げて光電変換特性を向上させた場合でも、自段の走査線3an-1からは平面視でずれている。このため、光電変換素子80の形成領域を広げた場合でも、光電変換素子80の第1電極81aの電位が自段の走査線3anの影響で変動しないので、光電変換素子80で発生させた電荷を確実に読み出すことができる。
但し、本形態では、実施の形態1、2と違って、光電変換素子80は、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30n-1の能動層(半導体膜1a)に平面視で重なる位置までは形成されていない。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
なお、本形態では、光電変換素子80が、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30n-1の能動層(半導体膜1a)に平面視で重なる位置までは形成されていないが、電界効果型トランジスタ30自身を光リーク電流を低減させた構造、例えば、能動層(半導体膜1a)を構成するシリコン膜の膜厚が70nmと薄くしたチャネル保護型薄膜トランジスタ構造とすれば、光リーク電流に起因する光電変換特性の低下を抑えることができる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態1〜3では、光電変換素子80が、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成されている構成を採用したが、光電変換素子80の端部が前段の走査線3an-1の幅方向の全体あるいは一部に重なり、前段の走査線3an-1を跨いでいない構成を採用してもよく、かかる構成を採用した場合も、図6(a)、(b)を参照して説明した構成と比較すると、光電変換素子80の形成領域を広げて光電変換特性を向上させた場合でも、自段の走査線3an-1からは平面視でずれていることになるとともに、光電変換素子80の第1電極81aと前段の走査線3an-1との間に蓄積容量を形成することができる。
上記実施の形態1〜3では、光電変換素子80が、自段の走査線3anと前段の走査線3an-1とによって挟まれた領域から前段の走査線3an-1を跨ぐ領域まで形成されている構成を採用したが、光電変換素子80の端部が前段の走査線3an-1の幅方向の全体あるいは一部に重なり、前段の走査線3an-1を跨いでいない構成を採用してもよく、かかる構成を採用した場合も、図6(a)、(b)を参照して説明した構成と比較すると、光電変換素子80の形成領域を広げて光電変換特性を向上させた場合でも、自段の走査線3an-1からは平面視でずれていることになるとともに、光電変換素子80の第1電極81aと前段の走査線3an-1との間に蓄積容量を形成することができる。
上記実施の形態1、2では、光電変換素子80全体が、前段の画素100an-1に属する電界効果型トランジスタ30n-1の能動層(半導体膜1a)に平面視で重なる構成を採用したが、光電変換素子80を構成する多数の薄膜の一部、例えば、第1電極81aのみが遮光膜として、前段の電界効果型トランジスタ30n-1の能動層(半導体膜1a)に平面視で重なる構成を採用してもよい。
上記実施の形態1〜3では、光電変換素子80としてPINフォトダイオードを用いたが、PNフォトダイオードを用いてもよく、さらには、MIS型の光電変換素子80を用いてもよい。
上記実施の形態1〜3では、電界効果型トランジスタ30として、アモルファスシリコン膜を用いたTFTを例に説明したが、微結晶シリコン膜や、ポリシリコン膜、単結晶シリコン層を用いた薄膜トランジスタを電界効果型トランジスタ30として用いてもよい。
上記実施の形態1〜3では、電界効果型トランジスタ30として、支持基板10の下層側から上層側に向かってゲート電極3b、ゲート絶縁膜21および半導体膜2a(能動層)が順に積層されたボトムゲート構造を備えていたが、支持基板10の下層側から上層側に向かって半導体膜(能動層)、ゲート絶縁膜およびゲート電極が順に積層されたトップゲート構造を備える構造であってもよい。かかるトップゲート構造を採用した場合において、ゲート電極の側から光が入射するように構成する場合、ゲート電極をITO膜などの透光性導電膜を用いれば、能動層への光の入射を効率よく行なうことができる。また、電界効果型トランジスタ30の構造については、スタガ型、逆スタガ型、コプラナー型、逆コプラナー型のいずれであってもよい。
光電変換素子80は下から高濃度N型半導体膜82a、I型半導体膜83a、高濃度P型半導体膜84aの順番で形成したが、逆に高濃度P型半導体膜、I型半導体膜、高濃度N型半導体膜の順に形成しても良い。この場合は図1のダイオード80のアノードとカソードが逆になる。さらに、高濃度N、P型半導体膜82a、84aはN,P型であればよく、必ずしも高濃度である必要はない。
また、上記実施の形態1〜3では、ドレイン電極6dと第1電極81aを別々に形成したが、第1電極81aをドレイン電極と兼用してもよい。
3a・・走査線、5a・・バイアス線、6a・・データ線、10・・支持基板、30・・電界効果型トランジスタ、80・・光電変換素子、81a・・光電変換素子の第1電極、85a・・光電変換素子の第2電極、100・・固体撮像装置、100a・・画素、100c・・撮像領域
Claims (7)
- 支持基板上の撮像領域内に、所定方向に延在する複数本の走査線と、該複数本の走査線と交差する方向に延在する複数本のデータ線とが形成され、前記走査線と前記データ線との各交差に対応する位置には、前記走査線により制御される電界効果型トランジスタ、および該電界効果型トランジスタを介して前記データ線に電気的に接続された光電変換素子を備えた複数の画素が形成された固体撮像装置において、
前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子は、前記複数本の走査線のうち、当該光電変換素子が属する画素を制御する自段の走査線と、当該画素より前段に位置する画素を制御する前段の走査線とによって挟まれた領域から前記前段の走査線の少なくとも一部と絶縁膜を介して平面視で重なる領域まで形成されていることを特徴とする固体撮像装置。 - 前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子は、前記自段の走査線に対して平面視で完全にずれた領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
- 前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子は、前記自段の走査線と前記前段の走査線とによって挟まれた領域から当該前段の走査線を跨ぐ領域まで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像装置。
- 前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子を構成する複数の薄膜のうち、少なくとも1つの遮光膜は、前記前段の走査線を跨いで、前記前段の画素に属する前記電界効果型トランジスタの能動層に対して光入射側において当該能動層に絶縁膜を介して平面視で重なっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の固体撮像装置。
- 前記複数の画素の各々において、前記光電変換素子全体が、前記前段の走査線を跨いで、前記前段の画素に属する前記電界効果型トランジスタの能動層に対して光入射側において当該能動層に絶縁膜を介して平面視で重なっていることを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
- 前記支持基板の両面のうち、前記走査線、前記データ線、前記電界効果型トランジスタ、および前記光電変換素子が形成されている面側から光が入射することを特徴とする請求項4または5に記載の固体撮像装置。
- 前記電界効果型トランジスタは、前記支持基板の下層側から上層側にゲート電極、ゲート絶縁膜、および能動層が順に積層されたボトムゲート構造を備えていることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像装置。
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