JP2009281678A - 固体電機子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁加速装置に装填する時に、方向合わせの手間が掛からず、且つ装填し易く、且つレールとの接触が良好な固体電機子を提供する。
【解決手段】電磁加速装置の平行なレール間に装填される断面輪郭円状の固体電機子10であって、尾部10Tが円筒状になっており、その周壁が、円周上で等間隔に位置する3個以上の尾片10Fに分割されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電機子に関し、さらに詳しくは、電磁加速装置に装填する時に方向合わせの手間が掛からず且つ装填し易く且つレールとの接触を良好にすることが出来る固体電機子に関する。
従来、円形断面の飛翔体通路を有する電磁加速装置用の固体電機子として、円柱状固体電機子が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
他方、円柱状固体電機子の後部にスリットを入れてU字形にしたU字尾部円柱状固体電機子が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2007−247996号公報 特開平7−311541号公報 Dmitri V. Khandryga, et al. "Numerical Simulation and Experimental Result of the Metal Armature Acceleration" IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, Vol.31, No.1, January 1995, 193-197
上記従来の円柱状固体電機子は、円柱状であるため、電磁加速装置に装填する時に、方向合わせの手間が掛からない利点がある。
しかし、装填し易さを重視して円柱状固体電機子の直径を小さくするとレールとの接触が甘くなり、レールとの接触性を重視して円柱状固体電機子の直径を大きくすると装填し難くなり、装填し易さと接触性の両立が難しい問題点があった。
他方、上記従来のU字尾部円柱状固体電機子は、電磁加速時に電磁力でU字尾部の尾片が外側に開くため、円柱状固体電機子の直径を小さくして装填し易くしても、レールとの接触を良好することが出来る利点がある。
しかし、電磁加速装置に装填する時に、U字尾部の方向をレールの対向方向に合わせて装填する必要があり、方向合わせの手間が掛かる問題点があった。
そこで、本発明の目的は、電磁加速装置に装填する時に方向合わせの手間が掛からず且つ装填し易く且つレールとの接触を良好にすることが出来る固体電機子を提供することにある。
第1の観点では、本発明は、電磁加速装置の平行なレール(11a,11b)間に装填される断面輪郭円状の固体電機子であって、尾部(10T)が円筒状になっており、その周壁が、円周上で等間隔に位置する3個以上の尾片(10F)に分割されていることを特徴とする固体電機子(10)を提供する。
上記第1の観点による固体電機子では、尾部が3個以上の尾片に分割されており、それらの位置は円周上で等間隔に位置する。従って、電磁加速装置に装填する時に、方向合わせの手間が掛からない。さらに、電磁加速時に電磁力で尾片が外側に開くため、固体電機子の直径を小さくして装填し易くしてもレールとの接触を良好にすることができ、加速の初期段階においてアーク放電が発生してレール表面の溶損を生じることを防止できる。
第2の観点では、本発明は、電磁加速装置の平行な且つ螺旋状のレール(11a,11b)間に装填される断面輪郭円状の固体電機子であって、尾部(10T)が円筒状になっており、その周壁が、円周上で等間隔に位置する3個以上の尾片(10F)に分割されており、且つ、前記尾片(10F)は、円周方向について非対称形状であることを特徴とする固体電機子(10)を提供する。
上記第2の観点による固体電機子では、尾部が3個以上の尾片に分割されており、それらの位置は円周上で等間隔に位置する。従って、電磁加速装置に装填する時に、方向合わせの手間が掛からない。さらに、電磁加速時に電磁力で尾片が外側に開くため、固体電機子の直径を小さくして装填し易くしてもレールとの接触を良好にすることができ、加速の初期段階においてアーク放電が発生してレール表面の溶損を生じることを防止できる。
そして、固体電機子が螺旋状のレールに沿って進むにつれて螺旋方向に回転するが、尾片が円周方向について非対称形状であるため、回転の前側と後側とで摺動・通電の特性が異なるのに対応した形状とすることが出来る。
なお、頭部のサイズをレール間隔より小さくし、尾部のサイズをレール間隔より0.25%〜1%程度大きくするのが好ましい。レール間に頭部を入れ、次いで固体電機子を後方より押して尾部をレール間に圧入することで、レールと固体電機子の接触圧を十分に高くすることが出来る。
本発明の固体電機子によれば、電磁加速装置に装填する時に、円周方向について方向合わせの手間が掛からない。また、電磁加速時に電磁力で尾片が外側に開くため、固体電機子の直径を小さくして装填し易くしても、レールとの接触を良好にすることが出来る。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1に係る固体電機子10を示す斜視図である。
この固体電機子10は、銅またはアルミニウム製であり、頭部10Hは円柱状であり、尾部10Tは円筒状になっている。
尾部10Tの周壁は、円周上で等間隔に位置する4個のスリット10Sにより、円周上で等間隔に位置する4個の尾片10Fに分割されている。
スリット10Sは、尾部10Tの円筒の内周壁の接線をベースにした形状になっている。
尾片10Fは、円周方向について非対称形状になっている。
図2に示すように、固体電機子10は、例えば特許文献1に記載の電磁加速装置に装填される。
この電磁加速装置では、断面円弧状で全体として螺旋状の第1導電性レール11aと第2絶縁性レール12bと第2導電性レール11bと第1絶縁性レール12aとが組み合わされて断面輪郭円状の固体電機子通路が形成されている。その固体電機子通路に、固体電機子10が装填される。
絶縁性レール12aおよび12bの中心角φは90゜であり、尾片10Fの外周面の中心角θは80゜である。電流が固体電機子10の頭部10Hを通るようにするためには、φ>θとすればよい。
実施例1に係る固体電機子10によれば次の効果が得られる。
(1)尾部10Tが4個の尾片10Fに分割されており、尾片10Fの位置は円周上で等間隔に位置する。従って、電磁加速装置の固体電機子通路に装填する時に、方向合わせの手間が掛からない。
(2)電磁加速時に電磁力で尾片10Fが外側に開くため、固体電機子10の直径を小さくして装填し易くしても導電性レール11a,11bとの接触を良好にすることができ、加速の初期段階においてアーク放電が発生してレール表面の溶損を生じることを防止できる。
(3)固体電機子10が導電性レール11a,11bに沿って進むにつれて導電性レール11a,11bの螺旋方向に回転するが、尾片10Fが円周方向について非対称形状であるため、回転の前側と後側とで摺動・通電の特性が異なるのに対応した形状とすることが出来る。
図3は、実施例2に係る固体電機子10を示す斜視図である。
この固体電機子10は、銅またはアルミニウム製であり、頭部10Hは円柱状であり、尾部10Tは円筒状になっている。
尾部10Tの周壁は、円周上で等間隔に位置する3個のスリット10Sにより、円周上で等間隔に位置する3個の尾片10Fに分割されている。
スリット10Sは、尾部10Tの円筒の内周壁の接線をベースにした形状になっている。
尾片10Fは、円周方向について非対称形状になっている。
図4に示すように、固体電機子10は、例えば特許文献1に記載の電磁加速装置に装填される。
この電磁加速装置では、断面円弧状で全体として螺旋状の第1導電性レール11aと第2絶縁性レール12bと第2導電性レール11bと第1絶縁性レール12aとが組み合わされて断面輪郭円状の固体電機子通路が形成されている。その固体電機子通路に、固体電機子10が装填される。
絶縁性レール12aおよび12bの中心角φは90゜であり、尾片10Fの外周面の中心角θは80゜である。電流が固体電機子10の頭部10Hを通るようにするためには、φ>θとすればよい。
実施例2に係る固体電機子10によれば、実施例1に係る固体電機子10と同様の効果が得られる。
図5は、実施例3に係る固体電機子10を示す斜視図である。
この固体電機子10は、銅またはアルミニウム製であり、頭部10Hは円柱状であり、尾部10Tは円筒状になっている。
尾部10Tの周壁は、円周上で等間隔に位置する8個のスリット10Sにより、円周上で等間隔に位置する8個の尾片10Fに分割されている。
スリット10Sは、尾部10Tの円筒の中心軸からの放射線をベースにした形状になっている。
尾片10Fは、円周方向について対称形状になっている。
図6に示すように、固体電機子10は、例えば特許文献1に記載の電磁加速装置に装填される。
この電磁加速装置では、断面円弧状で全体として螺旋状の第1導電性レール11aと第2絶縁性レール12bと第2導電性レール11bと第1絶縁性レール12aとが組み合わされて断面輪郭円状の固体電機子通路が形成されている。その固体電機子通路に、固体電機子10が装填される。
絶縁性レール12aおよび12bの中心角φは90゜であり、尾片10Fの外周面の中心角θは35゜である。尾片10Fの数を5個以上にした場合は、自動的にφ>θとなり、電流は必ず固体電機子10の頭部10Hを通るようになる。
実施例3に係る固体電機子10によれば次の効果が得られる。
(1)尾部10Tが8個の尾片10Fに分割されており、尾片10Fの位置は円周上で等間隔に位置する。従って、電磁加速装置の固体電機子通路に装填する時に、方向合わせの手間が掛からない。
(2)電磁加速時に電磁力で尾片10Fが外側に開くため、固体電機子10の直径を小さくして装填し易くしても導電性レール11a,11bとの接触を良好にすることができ、加速の初期段階においてアーク放電が発生してレール表面の溶損を生じることを防止できる。
(3)尾片10Fが円周方向について対称形状であるため、導電性レール11a,11bの螺旋の方向が時計回りでも反時計回りでも性能差はない。
(a)固体電機子10の頭部10Hに、プラスチック製の飛翔体を取り付けてもよい。
(b)固体電機子10の直径を固体電機子通路の内径より僅かに小さくし、尾片10Fの後端だけを外側へ開いて、尾片10Fの後端での直径が固体電機子通路の内径より僅かに大きくなるようにしてもよい。
(c)尾片10Fの数を5〜7個としてもよい。
(d)平行直線状の導電性レールを持つ電磁加速装置の固体電機子として使用してもよい。
本発明の固体電機子は、電磁加速装置から打ち出すことにより、クレーターの発生過程の実験等に利用できる。
実施例1に係る固体電機子を示す斜視図である。 実施例1に係る固体電機子を導電性レール間に装填した状態を示す説明図である。 実施例2に係る固体電機子を示す斜視図である。 実施例2に係る固体電機子を導電性レール間に装填した状態を示す説明図である。 実施例3に係る固体電機子を示す斜視図である。 実施例3に係る固体電機子を導電性レール間に装填した状態を示す説明図である。
符号の説明
10 固体電機子
10F 尾片
10H 頭部
10S スリット
10T 尾部
11a,11b 導電性レール
12a,12b 絶縁性レール

Claims (2)

  1. 電磁加速装置の平行なレール(11a,11b)間に装填される断面輪郭円状の固体電機子であって、尾部(10T)が円筒状になっており、その周壁が、円周上で等間隔に位置する3個以上の尾片(10F)に分割されていることを特徴とする固体電機子(10)。
  2. 電磁加速装置の平行な且つ螺旋状のレール(11a,11b)間に装填される断面輪郭円状の固体電機子であって、尾部(10T)が円筒状になっており、その周壁が、円周上で等間隔に位置する3個以上の尾片(10F)に分割されており、且つ、前記尾片(10F)は、円周方向について非対称形状であることを特徴とする固体電機子(10)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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