JP2009279929A - 表示素子用基板およびその製造方法 - Google Patents
表示素子用基板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009279929A JP2009279929A JP2009102803A JP2009102803A JP2009279929A JP 2009279929 A JP2009279929 A JP 2009279929A JP 2009102803 A JP2009102803 A JP 2009102803A JP 2009102803 A JP2009102803 A JP 2009102803A JP 2009279929 A JP2009279929 A JP 2009279929A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermoplastic resin
- resin layer
- display element
- carbon atoms
- inorganic glass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B17/00—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
- B32B17/06—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
- B32B17/10—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Abstract
【解決手段】無機ガラス10と、該無機ガラスの片側または両側に配置された熱可塑性樹脂層(A)11,11’とを備え、熱可塑性樹脂の溶液を塗工する前に、該無機ガラスの表面をアミノ基含有カップリング剤、エポキシ基含有カップリング剤およびイソシアネート基含有カップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種のカップリング剤によりカップリング処理する。
【選択図】図1
Description
式(1)中、R1は炭素数6〜24の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数4〜14の脂環式炭化水素基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、R2は炭素数6〜24の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の脂環式炭化水素基または水素原子であり、式(2)中、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、水素原子または炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、Aはカルボニル基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、mは0〜8の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂層(A)の上記無機ガラスとは反対側に配置された熱可塑性樹脂層(B)をさらに備え、該熱可塑性樹脂層(B)に含まれる熱可塑性樹脂が、前記一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有さない。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂層(A)と上記無機ガラスとの間に配置されたアミノ基含有カップリング剤、エポキシ基含有カップリング剤およびイソシアネート基含有カップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種のカップリング剤を含む層をさらに備える。
好ましい実施形態においては、上記表示素子用基板の総厚が、150μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記無機ガラスの厚みが、80μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂層(A)のガラス転移温度が、110℃以上であり、上記熱可塑性樹脂層(B)のガラス転移温度が、110℃以上である。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂層(A)および/または上記熱可塑性樹脂層(B)の弾性率が、1GPa以上である。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂層(A)および/または上記熱可塑性樹脂層(B)の破壊靭性値が1MPa・m1/2〜10MPa・m1/2である。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂層(B)に含まれる熱可塑性樹脂が、上記熱可塑性樹脂層(A)に含まれる熱可塑性樹脂と相溶性を有する。
好ましい実施形態においては、上記熱可塑性樹脂層(B)が、ポリアミドイミドを含む。
好ましい実施形態においては、上記表示素子用基板にクラックを入れ屈曲させた際の破断直径が50mm以下である。
本発明の別の局面によれば、表示素子用基板の製造方法が提供される。この製造方法は、無機ガラスの表面に上記一般式(1)および/または(2)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂の溶液を塗工し、熱可塑性樹脂層を形成する工程を含む。
好ましい実施形態においては、上記表示素子用基板の製造方法は、上記熱可塑性樹脂の溶液を塗工する前に、該無機ガラスの表面をアミノ基含有カップリング剤、エポキシ基含有カップリング剤およびイソシアネート基含有カップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種のカップリング剤によりカップリング処理する工程をさらに含む。
図1(a)は、本発明の好ましい実施形態による表示素子用基板の概略断面図である。この表示素子用基板100は、無機ガラス10と、無機ガラス10の片側または両側(好ましくは、図示例のように両側)に配置された熱可塑性樹脂層(A)11、11´とを備える。図1(b)は、本発明の別の実施形態による表示素子用基板の概略断面図である。この実施形態においては、表示素子用基板101は、該熱可塑性樹脂層(A)11、11´の上記無機ガラス10とは反対側に熱可塑性樹脂層(B)12、12´をさらに備える。図1(c)は、本発明のさらに別の実施形態による表示素子用基板の概略断面図である。この実施形態においては、表示素子用基板102は、無機ガラス10と熱可塑性樹脂層(A)11、11´との間にカップリング剤を含む層(以下、カップリング剤層と称することもある)13、13´をさらに備える。
本発明の表示素子用基板に用いられる無機ガラスは、板状のものであれば、任意の適切なものが採用され得る。上記無機ガラスは、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記無機ガラスのアルカリ金属成分(例えば、Na2O、K2O、Li2O)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。
本発明の表示素子用基板に用いられる熱可塑性樹脂層(A)は、上記無機ガラスの片側または両側に配置される。該熱可塑性樹脂層(A)は、下記一般式(1)および/または(2)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂を含む。このような熱可塑性樹脂を含むことにより、上記無機ガラス、カップリング剤層または接着剤層との密着性に優れ、かつ靭性にも優れる熱可塑性樹脂層(A)を得ることができる。その結果、切断時にクラックが進展し難い表示素子用基板を得ることができる。また、このように無機ガラス、カップリング剤層または接着剤層との密着性に優れる熱可塑性樹脂層(A)は、無機ガラスに強力に拘束されて、寸法変動が小さくなる。その結果、熱可塑性樹脂層(A)を備える表示素子用基板は、優れた寸法安定性を示す。
式(1)中、R1は炭素数6〜24の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、炭素数4〜14の脂環式炭化水素基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜20の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数6〜18の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基である。R2は炭素数6〜24の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の脂環式炭化水素基、または水素原子であり、好ましくは炭素数6〜20の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基、または水素原子である。式(2)中、R3およびR4はそれぞれ独立して、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、水素原子、または炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、水素原子、または炭素数5〜10の脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、水素原子、または炭素数5〜8の脂環式炭化水素基である。Aはカルボニル基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、好ましくはカルボニル基または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくはカルボニル基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基である。mは0〜8の整数を表し、好ましくは0〜6の整数を表し、さらに好ましくは0〜3の整数を表す。nは0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。
好ましくは、本発明の表示素子用基板は、上記熱可塑性樹脂層(A)の上記無機ガラスとは反対側に熱可塑性樹脂層(B)をさらに備える。熱可塑性樹脂層(B)を設けることにより、機械的強度および耐熱性にさらに優れる表示素子用基板を得ることができる。
好ましくは、本発明の表示素子用基板は、上記熱可塑性樹脂層(A)と上記無機ガラスとの間にカップリング剤層をさらに備える。さらに好ましくは、該カップリング剤層は上記無機ガラスに直接配置され、該熱可塑性樹脂層(A)は該カップリング剤層に直接配置される。
上記接着剤層を構成する材料としては、任意の適切な樹脂を採用し得る。上記接着層を構成する材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられる。このような樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ類および/またはオキセタン類を含むエポキシ系樹脂;アクリル系樹脂;シリコーン系樹脂等が挙げられる。好ましくは、耐熱性に優れるエポキシ系樹脂である。なお、これらの樹脂は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。上記エポキシ類としては、分子中にエポキシ基を持つものであれば、任意の適切なものが使用できる。上記エポキシ類としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型及びこれらの水添加物等のビスフェノール型;フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型等のノボラック型;トリグリシジルイソシアヌレート型やヒダントイン型等の含窒素環型;脂環式型;脂肪族型;ナフタレン型、ビフェニル型等の芳香族型;グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型等のグリシジル型;ジシクロペンタジエン型等のジシクロ型;エステル型;エーテルエステル型;およびこれらの変性型等が挙げられる。これらのエポキシ類は、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。好ましくは、上記エポキシ類は、ビスフェノールA型、脂環式型、含窒素環型、またはグリシジル型である。上記オキセタン類としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)、2−エチルヘキシシルオキセタン、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)オキセタン等が挙げられる。
上記表示素子用基板は、必要に応じて、最外層として、任意の適切なその他の層を備え得る。上記その他の層としては、例えば、ハードコート層、透明導電性層等が挙げられる。
本発明の表示素子用基板の製造方法は、上記無機ガラスの表面に上記熱可塑性樹脂層(A)を形成することを含む。上記熱可塑性樹脂層(A)の形成方法としては、溶液塗工による方法、接着剤層を介して上記無機ガラス上に熱可塑性樹脂フィルムを貼着することによる方法等が挙げられる。好ましくは、溶液塗工による方法である。このような方法であれば、溶液塗工により形成された上記熱可塑性樹脂層(A)が無機ガラスにより直接拘束されるので、寸法安定性により優れた表示素子用基板を得ることができる。
本発明の表示素子用基板は、任意の適切な表示素子に用いられ得る。表示素子としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。これらの中でも、本発明の表示素子用基板は、有機ELディスプレイに好適である。
2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と、トリメリット酸無水物(TMA)と、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)によって、ポリアミドイミドを合成した。重量平均分子量は約110000であった。
別途、厚み50μm、縦10cm×横4cmの無機ガラス(D263、ショット社製)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、続けてアミノ基含有カップリング剤(KBM−603、信越化学工業社製)を塗工し、110℃で5分間熱処理した。カップリング処理した上記無機ガラス表面に上記スチレン−無水マレイン酸溶液を塗工し、160℃で10分間乾燥後、200℃で30分間熱処理を行った。同様の処理を無機ガラスのもう一方の表面にも行い、総厚み60μmの積層体を得た。
さらに、該積層体の片面表面に参考例1で合成した7重量%のポリアミドイミドのメチルイソブチルケトン溶液を塗工し、160℃で10分間乾燥後、200℃で30分間熱処理を行った。同様の処理を無機ガラスのもう一方の表面にも行い、無機ガラス、アミノ基含有カップリング剤層、熱可塑性樹脂(スチレン−無水マレイン酸コポリマー)層および熱可塑性樹脂(ポリアミドイミド)層を有する総厚み120μmの表示素子用基板を得た。
なお、無機ガラスの両面に形成された各層は、それぞれ縦10cm×横3cmの大きさで形成し、上記無機ガラスの縦10cm×横1cm部分は露出させた。
得られた表示素子用基板を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
得られたポリ(ジイソプロピルフマレート)5gをトルエン70gおよびトリクロロエタン30gの混合溶媒に溶解し、ポリ(ジイソプロピルフマレート)濃度が5重量%のキャスティング溶液を得た。
別途、厚み50μm、縦10cm×横4cmの無機ガラス(D263、ショット社製)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、続けてアミノ基含有カップリング剤(KBM−603、信越化学工業社製)を塗工し、110℃で10分間熱処理した。カップリング処理した上記無機ガラス表面に上記キャスティング溶液を塗工し、90℃で5分間、120℃で10分間乾燥した。同様の処理を無機ガラスのもう一方の表面にも行った。その後、180℃で20分間の熱処理を行い、無機ガラス、アミノ基含有カップリング剤層および熱可塑性樹脂層を有する総厚み125μmの表示素子用基板を得た。
なお、無機ガラスの両面に形成された各層は、それぞれ縦10cm×横3cmの大きさで形成し、上記無機ガラスの縦10cm×横1cm部分は露出させた。
得られた表示素子用基板を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
別途、厚み50μm、縦10cm×横4cmの無機ガラス(D263、ショット社製)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、続けてエポキシ基末端カップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を塗工し、110℃で10分間熱処理した。次いで、3,4−エポキシシクロへキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021P、ダイセル化学工業社製)80g、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(OXT−221、東亜合成社製)20g、エポキシ末端カップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)3g、光重合開始剤(SP−170、ADEKA社製)4gからなる接着剤前駆体液をカップリング処理した上記無機ガラス表面に塗工し、その上に上記フィルムを貼着した。さらに、UV光(波長:365nm、照射積算光量:600mJ/cm2)を照射し、その後、150℃で15分間の熱処理を行った。同様の処理を無機ガラスのもう一方の表面にも行い、無機ガラス、エポキシ基末端カップリング剤層、接着剤層および熱可塑性樹脂層を有する総厚み120μmの表示素子用基板を得た。
なお、無機ガラスの両面に形成された各層は、それぞれ縦10cm×横3cmの大きさで形成し、上記無機ガラスの縦10cm×横1cm部分は露出させた。
得られた表示素子用基板を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
厚み50μm、縦10cm×横4cmの無機ガラス(D263、ショット社製)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、続けてアミノ基含有カップリング剤(KBM−603、信越化学工業社製)を塗布し、110℃で5分間熱処理した。カップリング処理した上記無機ガラス表面に参考例1で合成した7重量%のポリアミドイミドのメチルイソブチルケトン溶液を塗工し、160℃で10分間乾燥後、200℃で30分間熱処理を行った。同様の処理を無機ガラスのもう一方の表面にも行い、無機ガラス、アミノ基含有カップリング剤層、およびポリアミドイミドを有する総厚み120μmの層の積層体を得た。
なお、無機ガラスの両面に形成された各層は、それぞれ縦10cm×横3cmの大きさで形成し、上記無機ガラスの縦10cm×横1cm部分は露出させた。
得られた積層体を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
厚み50μm、縦10cm×横4cmの無機ガラス(D263、ショット社製)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、続けてエポキシ基含有カップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を塗布し、110℃で5分間熱処理した。カップリング処理した上記無機ガラス表面に光カチオン硬化剤(SP−170:アデカ社製)を添加したエポキシ樹脂(セロキサイド2021p:ダイセル化学工業社製)を塗工し、UV光(波長:365nm、照射積算光量:300mJ/cm2以上)で樹脂を硬化させた。同様の処理を無機ガラスのもう一方の表面にも行った後、150℃で30分間熱処理し未反応成分を反応させ、無機ガラス、エポキシ基含有カップリング剤層、およびエポキシ樹脂層を有する総厚み120μmの積層体を得た。
なお、無機ガラスの両面に形成された各層は、それぞれ縦10cm×横3cmの大きさで形成し、上記無機ガラスの縦10cm×横1cm部分は露出させた。
得られた積層体を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
厚み50μm、縦10cm×横4cmの無機ガラス(D263、ショット社製)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、アクリル系粘着剤を転写したPETを、アクリル系粘着剤面が無機ガラスと接触するようにして無機ガラスに貼着した。同様の処理を無機ガラスのもう一方の表面にも行い、総厚み146μmの積層体(PET/アクリル系粘着剤/無機ガラス/アクリル系粘着剤/PET)を得た。
なお、無機ガラスの両面に形成された各層は、それぞれ縦10cm×横3cmの大きさで形成し、上記無機ガラスの縦10cm×横1cm部分は露出させた。
得られた積層体を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
上記で得られた表示素子用基板および積層体を下記の方法で評価した。
(1)密着性試験
JIS K 5400の碁盤目剥離試験により評価した。すなわち、樹脂層(ポリアミドイミド、エポキシ樹脂またはPET)側の表面上10mm角中に1mm間隔にカッターで切れ目を入れ、100個の碁盤目を作り、粘着テープをその上に貼り付けた後、剥離し、無機ガラスから剥離した樹脂層の碁盤目の数により密着性を評価した。
(2)破断直径
(a)実施例で得られた表示素子用基板および比較例で得られた積層体を評価用試料として準備した。
(b)無機ガラス露出部分の縦辺端部の中央に5mm以下のクラックを入れた。
(c)評価用試料の縦辺を屈曲させ、クラックが、無機ガラス露出部分を進展し、さらに樹脂等の積層領域において1cm進展した時点での、縦辺を円周とする円の直径を破断直径とした。
(3)密着信頼性試験
実施例2および3で得られた表示素子用基板を、温度60℃、湿度90%の環境下に100時間おいた後、上記密着性試験を行った。
(4)弾性率
Hysitron社製 製品名「Tribo Indenter」を用いて、ハードコート層の単一押し込み測定(押し込み因子:Berkovich(三角錐形)、押し込み深さ:230nm〜280nm)により測定した。
(5)破壊靭性値
厚み50μm、幅2cm、長さ15cmの短冊状樹脂サンプルを作製し、短冊長手方向の端部(中央部分)にクラック(5mm)を入れた。オートグラフ(島津製作所製、AG−I)により短冊長手方向に引っ張り応力を加えクラックからの樹脂破断時の応力を測定した。試験条件は、チャック間距離を10cm、引っ張り速度を10mm/minとして行った。得られた破断時の引っ張り応力σとクラック長a、サンプル幅bを以下の式(内田老鶴圃発行 岡田明著「セラミックスの破壊学」P.68〜70)に代入し、破断時の破壊靭性値KICを求めた。
11、11´ 熱可塑性樹脂層(A)
12、12´ 熱可塑性樹脂層(B)
13、13´ カップリング剤層
100、101、102 表示素子用基板
Claims (13)
- 無機ガラスと、該無機ガラスの片側または両側に配置された熱可塑性樹脂層(A)とを備え、
該熱可塑性樹脂層(A)が、一般式(1)および/または(2)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂を含む、
表示素子用基板:
式(1)中、R1は炭素数6〜24の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数4〜14の脂環式炭化水素基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、R2は炭素数6〜24の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の脂環式炭化水素基または水素原子であり、式(2)中、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、水素原子または炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、Aはカルボニル基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、mは0〜8の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。 - 前記熱可塑性樹脂層(A)の前記無機ガラスとは反対側に配置された熱可塑性樹脂層(B)をさらに備え、
該熱可塑性樹脂層(B)に含まれる熱可塑性樹脂が、前記一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有さない、
請求項1に記載の表示素子用基板。 - 前記熱可塑性樹脂層(A)と前記無機ガラスとの間に配置されたアミノ基含有カップリング剤、エポキシ基含有カップリング剤およびイソシアネート基含有カップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種のカップリング剤を含む層をさらに備える、前記請求項1または2に記載の表示素子用基板。
- 前記表示素子用基板の総厚が、150μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 前記無機ガラスの厚みが、80μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 前記熱可塑性樹脂層(A)のガラス転移温度が、110℃以上であり、前記熱可塑性樹脂層(B)のガラス転移温度が、110℃以上である、請求項1から5のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 前記熱可塑性樹脂層(A)および/または前記熱可塑性樹脂層(B)の弾性率が、1GPa以上である、請求項2から6のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 前記熱可塑性樹脂層(A)および/または前記熱可塑性樹脂層(B)の破壊靭性値が1MPa・m1/2〜10MPa・m1/2である、請求項2から7のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 前記熱可塑性樹脂層(B)に含まれる熱可塑性樹脂が、前記熱可塑性樹脂層(A)に含まれる熱可塑性樹脂と相溶性を有する、請求項2から8のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 前記熱可塑性樹脂層(B)が、ポリアミドイミドを含む、請求項2から9のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 前記表示素子用基板にクラックを入れ屈曲させた際の破断直径が50mm以下である、請求項1から10のいずれかに記載の表示素子用基板。
- 無機ガラスの表面に一般式(1)および/または(2)で表される繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂の溶液を塗工し、熱可塑性樹脂層を形成する工程を含む、表示素子用基板の製造方法:
式(1)中、R1は炭素数6〜24の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数4〜14の脂環式炭化水素基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、R2は炭素数6〜24の置換または非置換の芳香族炭化水素基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の脂環式炭化水素基または水素原子であり、式(2)中、R3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基、水素原子または炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、Aはカルボニル基または炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素基であり、mは0〜8の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。 - 前記熱可塑性樹脂の溶液を塗工する前に、該無機ガラスの表面をアミノ基含有カップリング剤、エポキシ基含有カップリング剤およびイソシアネート基含有カップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種のカップリング剤によりカップリング処理する工程をさらに含む、請求項12に記載の表示素子用基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009102803A JP5238594B2 (ja) | 2008-04-24 | 2009-04-21 | 表示素子用基板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008114373 | 2008-04-24 | ||
JP2008114373 | 2008-04-24 | ||
JP2009102803A JP5238594B2 (ja) | 2008-04-24 | 2009-04-21 | 表示素子用基板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009279929A true JP2009279929A (ja) | 2009-12-03 |
JP5238594B2 JP5238594B2 (ja) | 2013-07-17 |
Family
ID=41450884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009102803A Active JP5238594B2 (ja) | 2008-04-24 | 2009-04-21 | 表示素子用基板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5238594B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013037207A (ja) * | 2011-08-09 | 2013-02-21 | Nitto Denko Corp | 表示装置用保護基板 |
JP2013123833A (ja) * | 2011-12-14 | 2013-06-24 | Nippon Zeon Co Ltd | 無機ガラスと樹脂フィルム積層体、およびその製造方法 |
JP2014208594A (ja) * | 2010-04-30 | 2014-11-06 | 日東電工株式会社 | 透明基板の製造方法 |
US9254627B2 (en) | 2010-04-30 | 2016-02-09 | Nitto Denko Corporation | Manufacturing method for transparent substrate |
JP2016060130A (ja) * | 2014-09-18 | 2016-04-25 | 三菱樹脂株式会社 | ガラス積層体 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005144872A (ja) * | 2003-11-14 | 2005-06-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 積層板及び窓用グレージング材料、並びにその製造方法 |
JP2006276105A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Toray Ind Inc | 平面ディスプレイ部材の製造方法 |
-
2009
- 2009-04-21 JP JP2009102803A patent/JP5238594B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005144872A (ja) * | 2003-11-14 | 2005-06-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 積層板及び窓用グレージング材料、並びにその製造方法 |
JP2006276105A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Toray Ind Inc | 平面ディスプレイ部材の製造方法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014208594A (ja) * | 2010-04-30 | 2014-11-06 | 日東電工株式会社 | 透明基板の製造方法 |
US9254627B2 (en) | 2010-04-30 | 2016-02-09 | Nitto Denko Corporation | Manufacturing method for transparent substrate |
JP2013037207A (ja) * | 2011-08-09 | 2013-02-21 | Nitto Denko Corp | 表示装置用保護基板 |
JP2013123833A (ja) * | 2011-12-14 | 2013-06-24 | Nippon Zeon Co Ltd | 無機ガラスと樹脂フィルム積層体、およびその製造方法 |
JP2016060130A (ja) * | 2014-09-18 | 2016-04-25 | 三菱樹脂株式会社 | ガラス積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5238594B2 (ja) | 2013-07-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5325005B2 (ja) | 透明基板 | |
JP5416546B2 (ja) | 透明基板 | |
WO2010053092A1 (ja) | 透明基板およびその製造方法 | |
JP5480774B2 (ja) | 透明基板 | |
JP5883333B2 (ja) | 透明シートおよびその製造方法 | |
JP2008107510A (ja) | 表示素子用基板およびその製造方法 | |
JP5238594B2 (ja) | 表示素子用基板およびその製造方法 | |
JP5439019B2 (ja) | 表示素子用基板およびその製造方法 | |
JP5668109B2 (ja) | 透明基板ならびに透明基板を用いた表示素子、太陽電池および照明素子 | |
WO2013180133A1 (ja) | 接着剤およびそれを用いた透明基板 | |
JP5567314B2 (ja) | 透明基板およびその製造方法 | |
JP2012247785A (ja) | 表示素子用基板およびその製造方法 | |
WO2015133395A1 (ja) | 樹脂フィルム | |
JP5574676B2 (ja) | 表示素子用基板および表示素子用基板を用いた表示素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111201 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121226 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130313 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130401 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5238594 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |