JP2009278490A - 2段重ね構造の水晶振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】水晶片の2枚を同一容器内に収容し、発振用と温度補償用の2周波数に対応できる2段重ね構造の水晶振動子を提供する。
【解決手段】励振電極2から引出電極3の延出した水晶片の主面を、金属ベース4主面に水平方向、垂直部を有するサポータにより水晶片の両端部を保持した構造であって、第1と第2の水晶片を板面を対向して引出電極の延出方向を交差した2段重ねとし、サポータは交差する直線上の両端部に設け、第1、第2サポータ5a、5bの垂直部下端側に第1保持部を、第3、第4サポータ5c、5dの垂直部上端側に第2保持部を有し、第1水晶片1aの両端部を第1保持部に、第2水晶片1bの両端部は交差する他方の直線上の両端側に設けられた上端側第2保持部に保持された構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】励振電極2から引出電極3の延出した水晶片の主面を、金属ベース4主面に水平方向、垂直部を有するサポータにより水晶片の両端部を保持した構造であって、第1と第2の水晶片を板面を対向して引出電極の延出方向を交差した2段重ねとし、サポータは交差する直線上の両端部に設け、第1、第2サポータ5a、5bの垂直部下端側に第1保持部を、第3、第4サポータ5c、5dの垂直部上端側に第2保持部を有し、第1水晶片1aの両端部を第1保持部に、第2水晶片1bの両端部は交差する他方の直線上の両端側に設けられた上端側第2保持部に保持された構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は2段重ね構造の水晶振動子を技術分野とし、特にベース上に設けたサポータに水晶片を2段重ねとして保持した水晶振動子に関する。
(発明の背景)
水晶振動子は周波数制御及び選択素子として周知され、例えば通信機器の発振回路やフィルタを構成する上での重要な素子として組み込まれる。このようなものの一つに、例えば応力感度特性や熱衝撃特性に優れたSCカットの水晶振動子がある。そして、Cモードを発振用、Bモードを温度検出用(温度センサ用)として、電圧制御される温度補償型の水晶発振器が提案されている(特許文献1)。
水晶振動子は周波数制御及び選択素子として周知され、例えば通信機器の発振回路やフィルタを構成する上での重要な素子として組み込まれる。このようなものの一つに、例えば応力感度特性や熱衝撃特性に優れたSCカットの水晶振動子がある。そして、Cモードを発振用、Bモードを温度検出用(温度センサ用)として、電圧制御される温度補償型の水晶発振器が提案されている(特許文献1)。
(従来技術の一例)
第8図及び第9図は一従来例を説明する図で、第8図(a)はSCカットの切断方位図、同図(b)は水晶片(SCカット)の図、第9図(a)は水晶振動子の断面図、同図(b)はサポータの図である。
第8図及び第9図は一従来例を説明する図で、第8図(a)はSCカットの切断方位図、同図(b)は水晶片(SCカット)の図、第9図(a)は水晶振動子の断面図、同図(b)はサポータの図である。
水晶振動子はSCカットの水晶片1からなり、結晶軸(XYZ)のX軸及びZ軸を中心としてα°(約33°)及びβ°(約22°)回転した新たな軸(X′Y″Z′)のY″軸に主面が直交する。要するに、Y軸に直交した主面(Y面)をX軸及びY軸を中心としてα°及びβ°回転した二回回転Yカット板からなる。
水晶片1の両主面には励振電極2が形成され、各励振電極2から水晶片1の直線上とした両端部に引出電極3を延出する。引出電極3は振動特性や耐衝撃性を考慮して任意の外周部に延出されるが、ここでは、応力に対して周波数変化が零(最小)となる応力感度零軸の両端部に延出する。SCカットでの応力感度軸はZ′軸から8°回転した軸(特許文献1)及びこれと直交するZ′から98°回転した軸となる。なお、引出電極3は各反対面に折返して形成されてあってもよい。
水晶片1は、金属ベース4の主面に対面して、互いに直交して応力感度零軸となる一方の直線上の両端部、及び同他方の直線上の両端部がサポータ5(a〜d)によって保持される。サポータ5は平板状として水平部5xと垂直部5yからなるL字状とし、垂直部5yから水平方向として内側に折曲された舌片6が延出する。
そして、引出電極3の延出した一方の直線上となる水晶片1の両端部は、図示しない導電性接着剤によって舌片6に固着し、電気的・機械的に接続する。また、他方の直線上となる水晶片1の両端部は導電性あるいは絶縁性の接着剤によって固着され、機械的にのみ接続する。
サポータ5の水平部5xは、金属ベース4の一主面に突出した各リード線7(a〜d)にスポット溶接によって接続して垂直部5yが立設する。各リード線7(a〜d)7は金属ベース4の貫通孔に充填されたガラス7xによって気密化され所謂気密端子とする。そして、金属カバー8が例えば抵抗溶接によって接合して水晶片1を密閉封入する。
このようなSCカットの水晶振動子では、主振動として適用するCモード(厚みすべり振動姿態)fc以外に、これより共振周波数が高いBモード(厚み捻れ振動姿態)fb及びAモード(厚み縦振動姿態)faが発生する「第10図(a)」。そして、これらの振動モードのうち、CモードとBモードの周波数温度特性は、例えば常温(25℃)での周波数偏差Δf/fを0として、Cモードは概ね80℃を最大値として常温付近で傾斜の緩い2次曲線(放物線)となる。また、Bモードは常温を中心として傾斜が大きい一次曲線(直線)となる「第10図(b)」。
これらのことから、特許文献2等では、図示しない発振回路を設けてBモードの周波数温度特性による常温時と発振時の周波数差から周囲温度を検出して温度センサとする。そして、温度センサによる周波数差を電圧変換して制御電圧とし、これをCモード用の発振回路に設けた電圧可変容量素子に印加してCモードの周波数温度特性を補償するとしている。
これによれば、例えば温度センサとしてサーミスタを用いた場合に比較し、水晶振動子(水晶片)の動作温度を直接に検出できるとともに温度に対する周波数変化も大きい。したがって、Bモードによる温度センサをリアルタイム・高感度としてCモードによる周波数温度特性を高精度に補償できる。
特開2002−261567号公報(段落0034)
特開2005−236801号公報
特開平9−153740号公報
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成のSCカットとした水晶振動子のBモードによる温度センサによって、Cモードによる発振周波数を温度補償するには次の問題があった。すなわち、SCカットとして単一板からなる水晶振動子のCモードとBモードとをそれぞれの発振回路にて同時に発振させるので、発振回路同士が互いに干渉して完全に独立分離した発振周波数を得ることが困難な問題があった。
しかしながら、上記構成のSCカットとした水晶振動子のBモードによる温度センサによって、Cモードによる発振周波数を温度補償するには次の問題があった。すなわち、SCカットとして単一板からなる水晶振動子のCモードとBモードとをそれぞれの発振回路にて同時に発振させるので、発振回路同士が互いに干渉して完全に独立分離した発振周波数を得ることが困難な問題があった。
このことから、Cモード用とBモード用の水晶振動子を別個にしてそれぞれに発振回路を設け、両者の干渉を防止することも考えられた。しかし、この場合には、SCカットとした2個の水晶振動子を使用することから、経済性も含めて小型化を阻害する問題を生ずる。
(発明の目的)
本発明は、水晶片の2枚を同一容器内に収容して、2周波数に対応できる2段重ね構造の水晶振動子を提供することを目的とする。
本発明は、水晶片の2枚を同一容器内に収容して、2周波数に対応できる2段重ね構造の水晶振動子を提供することを目的とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、両主面の励振電極から両端部に引出電極が延出した水晶片の主面をベース主面に対して水平方向とし、前記ベース主面に対して垂直部を有するサポータによって前記水晶片の両端部を保持してなる水晶振動子において、前記水晶片は第1水晶片と第2水晶片とからなり、前記第1水晶片と第2水晶片とは板面を対向して、前記引出電極の延出方向を互いに交差した2段重ねとし、前記サポータは互いに交差する直線上の両端部に設けられた金属平板からなる第1及び第2サポータと第3及び第4サポータとからなり、前記第1及び第2サポータの垂直部には少なくとも下端側に第1保持部を有し、前記第3及び第4サポータの垂直部には少なくとも上端側に第2保持部を有し、前記第1水晶片の引出電極の延出した両端部は前記交差する直線上の一方の両端側に設けられた前記第1及び第2サポータの前記下端側の第1保持部に保持され、前記第2水晶片の引出電極の延出した両端部は前記交差する直線上の他方の両端側に設けられた前記第3及び第4サポータの前記上端側の保持部に保持された構成とする。
このような構成であれば、第1水晶片の両端部は第1及び第2サポータの下端側の保持部に、第2水晶片の両端部は第3及び第4サポータの上端側の保持部に保持される。したがって、第1及び第2水晶片を同一容器内に収容して水晶振動子の平面外形面積を小さくできる。
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記第1及び第2水晶片の少なくとも一方は円板状又は正方形状として、前記第1〜第4サポータの少なくとも一つは前記下端側の第1保持部及び前記上端側の第2保持部のいずれをも有する。
本発明の請求項2では、請求項1において、前記第1及び第2水晶片の少なくとも一方は円板状又は正方形状として、前記第1〜第4サポータの少なくとも一つは前記下端側の第1保持部及び前記上端側の第2保持部のいずれをも有する。
これにより、例えば円板状とした第1又は第2水晶片の引出電極の延出した両端部を第1及び第2サポータ又は第3及び第4サポータのいずれかによって保持する。そして、第1〜第4サポータの少なくとも一つに設けた下端側又は上端側の保持部によって、引出電極の延出した両端部との間となる外周部を保持できる。したがって、円板状とした晶片の外周部を少なくとの3点保持するので、保持強度を高められる。
同請求項3では、請求項1において、前記第1水晶片と第2水晶片とのいずれか一方は周波数温度特性が直線状に変化するYカットとし、前記第1水晶片と第2水晶片との他方は前記Yカットの周波数温度特性よりも緩やかに変化する周波数温度特性とした厚みすべり系とする。これにより、Yカットの水晶片を温度検出用として、厚みすべり系とした水晶片(水晶振動子)の周波数温度特性を補償できる。
同請求項4では、請求項1において、前記サポータの垂直部に設けられた保持部は、金属平板から水平方向に突出した舌片とする。これにより、請求項1での保持部を明確にして、第1水晶片と第2水晶片の保持を容易にする。
(第1実施形態)
第1図は本発明の第1実施形態を説明する2段重ね構造の水晶振動子の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は金属ベース及び金属カバーを除く平面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
第1図は本発明の第1実施形態を説明する2段重ね構造の水晶振動子の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は金属ベース及び金属カバーを除く平面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
2段重ね構造の水晶振動子は、金属ベース4上に突出した第1〜第4のリード線7(ab)及び7(cd)にそれぞれ対をなす第1、第2及び第3、第4のサポータ5(ab)及び5(cd)が接続する。そして、第1及び第2水晶片1(ab)が面対向し、さらに金属ベース4の主面に対して水平方向として、第1〜第4のサポータ5(a〜d)によって保持される。
この実施形態では、第1及び第2水晶片1(ab)はいずれも円板状として例えば同一寸法とする。第1水晶片1aは前述のように二回回転YカットとしたSCカットとし、第2水晶片1bはY軸が主面に直交したYカットとする。第1水晶片(SCカット)1aはCモードによる厚みすべり振動を主振動として発振用とし、第2水晶片(Yカット)1bは厚みすべり振動を主振動として温度センサ用とする。
第1及び第2水晶片1(ab)は前述同様にいずれも両主面に励振電極2を有し、直線上の両端部に引出電極3を延出する。第1水晶片(SCカット)1aはZ′軸から約8°回転した応力感度零軸となる直線上の両端部に引出電極3を延出する「前第8図(b)参照」」。なお、SCカットでは、前述したようにZ′軸から約8°回転した一方の直線と直交するZ′軸から98°とした他方の直線上の両端部も応力感度零軸となる。
この場合、第1水晶片(SCカット)1aはCモードとして、周波数温度特性は前述同様の約80℃に最大値を有する2次曲線とし、例えば常温25℃を中心とした規格温度範囲−20°〜+70℃では緩やかな直線状とする。また、第2水晶片(Yカット)1bは、厚みすべり振動として、周波数温度特性を前述したBモードと同様に、常温を中心としてCモードより傾きの大きい1次曲線とする。
そして、第1及び第2リード線7(ab)は金属ベース4の表面上で直交する一方の直線上の両端部に突出し、第3及び第4リード線7(cd)は他方の直線上の両端部に突出する。そして、第1及び第2サポータ5(ab)は第1及び第2リード線7(ab)に、第3及び第4サポータ5(cd)は第3及び第4気密端子7(cd)に、それぞれの下端部が接続する。
第1〜第4サポータ5(a〜d)は、第2図に示したように、いずれも、前述同様に金属平板からなり、水平部5xから垂直部5yが延出したL字状とする。そして、垂直部5yの上下領域には各下辺を残して切り込み9が設けられ、水平方向に折曲されて上下端側の舌片6(xy)となる保持部予定域を有する。
このようなものでは、先ず、第1〜第4サポータ5(a〜d)は水平部5xがスポット溶接等によってリード線7の先端に接合する。例えば、第1〜第4サポータ5(a〜d)の下端側となる舌片6xが予め対向する内側に水平方向に折曲された後、各サポータ5の水平部5xがリード線子7(a〜d)に接合する。あるいは、水平部5xをリード線7(a〜d)に接合した後、舌片6xが水平方向に折曲される。そして、各サポータ5(a〜d)の上領域での保持部予定域の舌片6yはそのままとする。
次に、上領域の舌片6xが折曲されない状態で(第3図)、第1水晶片(SCカット)1aの引出電極3が延出した一方の直線上の応力感度零軸となる両端部を第1及び第2サポータ5(ab)の下端側の舌片6x上に、図示しない導電性接着剤によって固着して電気的・機械的に接続する。そして、これとは直交する他方の直線上の両端部を第3及び第4サポータ5(cd)の下端側の舌片6x上に、絶縁性あるいは導電性の接着剤によって固着して機械的にのみ接続する。
次に、第3及び第4サポータ5(cd)の上領域となる保持部予定域の各舌片6を水平方向として内側に折曲して上端側の保持部とする。そして、第2水晶片(Yカット)1bの引出電極3が延出した一方の直線上の両端部を第3及び第4サポータ5(cd)の上端側の保持部としての舌片6y上に、これとは直交する他方の直線上の両端部を第3及び第4サポータ5(cd)の上端側の同舌片6y上に保持する(第1図)。この場合も、引出電極3が延出した一方の直線上の両端部は導電性接着剤によって電気的・機械的に、他方の直線上の両端部は絶縁性あるいは導電性の接着剤によって機械的にのみ固着される。
そして、金属カバー8が例えば抵抗溶接によって金属ベース4に接合される。なお、抵抗溶接のみならず、例えば冷間圧接(コールドウェルド)等でもよく、金属ベース4の形状も含めてこれらに制限されない。これにより、第1水晶片(SCカット)1aと第2水晶片(Yカット)1bとを金属ベース4及びカバー8からなる金属容器内に一体的に密閉封入する。
このような構成であれば、第1水晶片(SCカット)1a及び第2水晶片(Yカット)1bを第1、第2サポータ5(ab)及び第3、第4サポータ5(cd)の舌片6(xy)によって上下方向に配置して保持する。したがって、第1及び第2水晶片1(ab)を個別の金属ベース4上に保持して密閉封入した場合に比較し、金属ベース4や金属カバー8を共用して各1個とするので、経済性に富んで実装面積を小さくできる。
また、この例では、第1及び第2水晶片1(ab)のいずれをも4点保持とするので機械的強度を高められる。そして、発振用とする第1水晶片(SCカット)1aはZ′軸から約8°傾斜した直線上の両端部、及びZ′軸から98°傾斜した各直線上の応力感度零軸を保持する。したがって、例えば導電性接着剤のエージングによる応力変化等による周波数変化を防止できる。また、いずれも円板状として面積を大きくするので、設計の自由度を高めて振動特性を良好に維持する。なお、第1水晶片1aと第2水晶片1bとは上下関係が逆として配置されても同様である。
(第2実施形態)
第4図は本発明の第2実施形態を説明する金属ベース及び金属カバーを除く2段重ね構造とした水晶振動子の平面図である。なお、前実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第4図は本発明の第2実施形態を説明する金属ベース及び金属カバーを除く2段重ね構造とした水晶振動子の平面図である。なお、前実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第2実施形態では、第1水晶片(SCカット)1aは円板状とし、応力感度零軸となる一方の直線上の両端部に引出電極3を延出する。第2水晶片(Yカット)1bは一方向に長い矩形状として両端部に引出電極3を延出する。第1水晶片1aの直径と第2水晶片1bの長辺は概ね同一長とする。第1〜第4サポータ5は前述同様にいずれも上下領域に保持部予定域(舌片6)とする切り込み9を有する。
そして、第1実施形態と同様に、先ず、引出電極3の延出した応力感度零軸である一方の直線上とした第1水晶片(SCカット)1aの両端部を、第1及び第2サポータ5(ab)の下端側となる舌片6xに導電性接着剤によって電気的・機械的に接続する。また、応力感度軸である他方の直線上の両端部を第3及び第4サポータ5(cd)の舌片6xに接着剤によって機械的にのみ接続する。
次に、第3及び第4サポータ5(cd)の上領域の保持部予定域の舌片6を水平方向として折曲して上端側の保持部を形成する。そして、矩形状とした第2水晶片(Yカット)1bの両端部を導電性接着剤によって電気的・機械的に接続する。
この場合でも、第1実施形態と同様に、第1、第2及び第3、第4サポータ5(ab)及び5(cd)によって、第1及び第2水晶片1(ab)を上下方向に配置して、単一の金属容器内に密閉封入する。したがって、従来例に比較し、金属ベース4やカバー8を共用して各1個とするので、経済性に富んで実装面積を小さくできる。
また、ここでは、第1〜第4サポータ5(ab)はいずれも上端及び下端側に切り込み9の設けられて舌片6となる保持部予定域を有する同一部材とするので、部品の共通化を図れる。但し、矩形状とした第2水晶片1bの両端部を第3及び第4サポータ5(cd)の舌片6(xy)で保持するので、第1及び第2サポータ5(cd)は上領域に切り込みを設けた保持部予定域はなくともよい。
なお、円板状とした第1水晶片を上端側の舌片6yに、矩形状とした第2水晶片を下端側の舌片6xに保持しても同様である。
(第3実施形態)
第5図は本発明の第3実施形態を説明する金属ベース及び金属カバーを除く2段重ね構造とした水晶振動子の平面図である。なお、前実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第5図は本発明の第3実施形態を説明する金属ベース及び金属カバーを除く2段重ね構造とした水晶振動子の平面図である。なお、前実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第3実施形態では、第1水晶片(SCカット)1aと第2水晶片(Yカット)1bのいずれをも一方向に長い矩形状とする。第1水晶片1aはZ′軸から8°又は98°傾斜した応力感度零軸を長さ方向とする。そして、この場合でも、第1〜第4サポータ5(a〜d)はいずれも同一部材とし、上下領域に切り込み9の設けられて上下端側の舌片6(保持部)となる保持部予定域を有する。
そして、第1水晶片1aの応力感度零軸となる両端部を、直交する直線上の一方の両端部に設けた第1及び第2サポータ5(ab)の下端側の各舌片6xに、導電性接着剤によって電気的・機械的に接続する。次に、他方の直線上の両端部に設けた第3及び第4サポータ5(cd)の上領域の保持部予定域の舌片6yを内側に折曲して保持部とし、第1水晶片1aの両端部を接着剤によって機械的にのみ接続する。
この場合でも、前述同様に、従来例に比較し、金属ベース4やカバー8を共用して各1個とするので、経済性に富んで実装面積を小さくできる。そして、第1〜第4サポータ5(a〜d)を同一部材とするので部品の共通化を図れる。但し、第1及び第2サポータ5(ab)は下領域のみに舌片6xとする保持部予定域が、第3及び第4サポータ5は上領域のみに舌片6yとする保持部予定域があればよい。
なお、第1水晶片1aと第2水晶片1bとの長さが異なる場合は、第1、第2及び第3、第4サポータ5(ab)、5(cd)の水平部5xのリード線7に対する接続点を変えることによって調節できる。また、舌片6(xy)の長さを可変することによっても対応できる。
(第4実施形態)
第6図は本発明の第4実施形態を説明する水晶振動子の図で、同図(a)は第1水晶片の、同図(b)は第2水晶片の保持状態を示す平面図である。ここでも、前実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第6図は本発明の第4実施形態を説明する水晶振動子の図で、同図(a)は第1水晶片の、同図(b)は第2水晶片の保持状態を示す平面図である。ここでも、前実施形態と同一部分の説明は省略又は簡略する。
第1及び第2実施形態では円板状とした第水晶片(SCカット)1aの互いに直交する直線上の各両端部を保持して4点保持としたが、第4実施形態では3点保持とする。この場合でも、互いに直交する直線上の両端部に設けられる第1〜第4サポータ5(abcd)は同一部材として、垂直部の上下領域に舌片6(xy)となる保持部予定域を有する。
そして、先ず、一方の直線上とした両端部の第1及び第2サポータ5(ab)の下端側の舌片6x、及び他方の直線上とした両端部の一方の例えば第3サポータ5cの下端側の舌片6xを水平方向に折曲する。この場合、第4サポータ5dの舌片6xは折曲されず、保持部予定域内にそのまま留める。
そして、引出電極3の延出した第1水晶片1aの両端部を第1及び第2サポータ5の下端側の舌片6xに導電性接着剤によって電気的・機械的に接続する。また、他方の直線上となる第1水晶片1aの一端部を第3サポータ5cの下端側の舌片6xに接着剤によって機械的にのみ接続する。
次に、他方の直線上とした第3及び第4サポータ5(cd)の上端側の舌片6y、及び一方の直線上とした両端部の一方の例えば第3サポータ5aの上端側の舌片6yを水平方向に折曲する。そして、他方の直線上となる引出電極3の延出した第2水晶片1bの両端部を第3及び第4サポータ5(cd)の上端側の舌片6yに導電性接着剤によって電気的・機械的に接続する。また、一方の直線上となる第2水晶片1bの一端端部を第3サポータ5cの上端側の舌片6yに接着剤によって機械的にのみ接続する。
このような構成であれば、円板状とした第1及び第2水晶片1(ab)を3点保持とするので、2点保持よりも機械的強度を良好に維持できる。なお、3点保持とするので、4点保持に比較して例えは保持部(舌片)の高さズレがあっても、導電性接着剤等による固着による第1及び第2水晶片1の板面の歪み(たわみ)を防止する。
そして、前述同様に、従来例に比較し、金属ベース4やカバー8を共用して各1個とするので、経済性に富んで実装面積を小さくできる。そして、第1〜第4サポータ5(abcd)を同一部材とするので部品の共通化を図れる。
なお、この実施形態では、第1及び第2水晶片1(ab)のいずれをも円板状としたが、いずれか一方を円板状とした場合でも、同様にして3点保持とすることができる。この場合、基本的には、第1〜第4サポータ5(a〜d)の少なくとも一つが上下端側のいずれにも舌片6(xy)とした保持部を有すればよい(請求項2に相当)。
例えば下側を円板状とした第1水晶片1aとし、上側を矩形状とした第2水晶片1bとした場合(前第4図の場合)は、例えば第3サポータ3cのみが上下端の舌片6(xy)を有し、第1、第2サポータ5(ab)は下端側のみに舌片6xを有し、第4サポータ5dは上端側のみに舌片6yを有すればよい。
(他の事項)
上記実施形態では、水晶片1を円板状とした場合には3点及び4点保持としたが、水晶片は正方形状でも同様であり、引出電極3の延出した両端部のみの2点保持であってもよい。この場合でも、第1〜第4サポータ5(ab)は上下領域に保持部予定域を有する同一部材とすれば好都合となる。
上記実施形態では、水晶片1を円板状とした場合には3点及び4点保持としたが、水晶片は正方形状でも同様であり、引出電極3の延出した両端部のみの2点保持であってもよい。この場合でも、第1〜第4サポータ5(ab)は上下領域に保持部予定域を有する同一部材とすれば好都合となる。
また、各サポータ5(a〜d)は互いに直交する直線上は各両端部に設けたが、直交のみならず交差する直線上としても適用できる。そして、第1水晶片(SCカット)1aは引出電極3の延出した一方の直線上の両端部及びこれと直交する直線上であって、いずれも応力感度零軸となる各両端部を保持したが、必ずしも応力感度零軸には限らず振動特性の観点から決定される直線上の両端部に引出電極3を延出できる。
また、第1〜第4サポータ5(a〜d)は平板状として水平部5xと垂直部5yとのL字状としたが、垂直部5xのみであっても同様に適用できる。そして、各サポータ5は垂直部から舌片6を突出させたが、例えば第1水晶片1aと第1水晶片1bとの大きさが異なる場合には、例えば第7図に示したように、第1段部10aと第2段部10bを保持部としたサポータ5であっても適用できる。さらに、金属ベース4に代えて表面実装用とした例えばセラミックベースを適用した場合でも、サポータを2段構造としてセラミックベース上に配置することによって適用できる。
また、発振用としての第1水晶片1aはSCカットのみならず例えばATカットやBTカット等の厚みすべり系に適用できる。そして、第1水晶片1aは温度センサ用としたが、第1及び第2水晶片1(ab)のいずれをも例えばSCカットやATカットとして発振用としてもよい。さらに、第1水晶片1aは発振用として、第1水晶片1aを特許文献3に示されるような共振子(フィルタ)として使用することもできる。
1 水晶片、2 励振電極、3 引出電極、4 金属ベース、5 サポータ、6 舌片、7 リード線、8 金属カバー、9 切り込み、10 段部。
Claims (4)
- 両主面の励振電極から両端部に引出電極が延出した水晶片の主面をベース主面に対して水平方向とし、前記ベース主面に対して垂直部を有するサポータによって前記水晶片の両端部を保持してなる水晶振動子において、
前記水晶片は第1水晶片と第2水晶片とからなり、前記第1水晶片と第2水晶片とは板面を対向して、前記引出電極の延出方向を互いに交差した2段重ねとし、
前記サポータは互いに交差する直線上の両端部に設けられた金属平板からなる第1及び第2サポータと第3及び第4サポータとからなり、前記第1及び第2サポータの垂直部には少なくとも下端側に第1保持部を有し、前記第3及び第4サポータの垂直部には少なくとも上端側に第2保持部を有し、
前記第1水晶片の引出電極の延出した両端部は前記交差する直線上の一方の両端側に設けられた前記第1及び第2サポータの前記下端側の第1保持部に保持され、前記第2水晶片の引出電極の延出した両端部は前記交差する直線上の他方の両端側に設けられた前記第3及び第4サポータの前記上端側の保持部に保持されたことを特徴とする2段重ね構造の水晶振動子。 - 請求項1において、前記第1及び第2水晶片の少なくとも一方は円板状又は正方形状として、前記第1〜第4サポータの少なくとも一つは前記下端側の第1保持部及び前記上端側の第2保持部のいずれをも有する2段重ね構造の水晶振動子。
- 請求項1において、前記第1水晶片と第2水晶片とのいずれか一方は周波数温度特性が直線状に変化するYカットとし、前記第1水晶片と第2水晶片との他方は前記Yカットの周波数温度特性よりも緩やかに変化する周波数温度特性とした厚みすべり系とした2段重ね構造の水晶振動子。
- 請求項1において、前記サポータの垂直部に設けられた保持部は、金属平板から水平方向に突出した舌片である2段重ね構造の水晶振動子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008129215A JP2009278490A (ja) | 2008-05-16 | 2008-05-16 | 2段重ね構造の水晶振動子 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015090988A (ja) * | 2013-11-05 | 2015-05-11 | セイコーエプソン株式会社 | 振動子、発振器、電子機器、および移動体 |
JP2015185588A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | 株式会社日本セラテック | 圧電アクチュエータ |
-
2008
- 2008-05-16 JP JP2008129215A patent/JP2009278490A/ja active Pending
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