JP2009278350A - 撮像装置および撮像装置における撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影処理中に生じるブラックアウト時の画像の移動量を推定し、画像移動量の算出精度を向上させること。
【解決手段】動き検出部15は、現フレーム画像と直前フレーム画像との間で動き検出を行ってフレーム間移動量を検出する。また、撮影処理の開始前の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定するとともに、撮影処理の終了後の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定する。そして、判定した撮影前および撮影後の移動量変化の各傾向に応じて撮影前および/または撮影後の移動量変化を用い、撮影処理の開始後、ライブビュー画像の表示が停止されてから復帰するまでのブラックアウトとなる像消失時間に従って、撮影中移動量を推定する。
【選択図】図2
【解決手段】動き検出部15は、現フレーム画像と直前フレーム画像との間で動き検出を行ってフレーム間移動量を検出する。また、撮影処理の開始前の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定するとともに、撮影処理の終了後の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定する。そして、判定した撮影前および撮影後の移動量変化の各傾向に応じて撮影前および/または撮影後の移動量変化を用い、撮影処理の開始後、ライブビュー画像の表示が停止されてから復帰するまでのブラックアウトとなる像消失時間に従って、撮影中移動量を推定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮像装置およびこの撮像装置における撮像方法に関するものである。
従来から、デジタルカメラ等の撮像装置において、複数の撮影画像を合成してパノラマ画像を生成するパノラマ撮影モードを備えたものが知られており、撮像装置をパンニングさせながら被写体を部分毎に撮影し、撮影した画像データを合成することによって、この部分毎の撮影画像が繋ぎ合されたパノラマ画像を得ることができる。デジタルカメラでは、撮像素子からの出力をライブビュー画像として所定のフレームレートで表示部に表示させることにより電子ファインダーとして用いているが、パノラマ撮影モードでは、このライブビュー画像間の動きをフレーム毎に検出して積算することによって画像の移動量を求め、撮影画像間の繋ぎ目を検出するようにしている。これによれば、継ぎ目に違和感が生じない適切なタイミングで撮影処理を行うことができる。例えば、特許文献1には、パンニングに伴う画像間の動き(動きベクトル)を求め、この動きベクトルをもとに撮影画像を繋ぎ合わせる際の幅を制御する技術が開示されている。
ところで、撮影処理中(露光中)は撮像素子からの出力がないため、ライブビュー画像の表示が一旦停止され、一時的に表示部に何も表示されないブラックアウト状態となる。ここで、ブラックアウト中に装置本体が動かされてしまうと、この間の画像の動きを検出することができないため、画像移動量の算出精度が低下し、撮影画像間の繋ぎ目を正しく検出できないという問題があった。またこの結果、合成時の繋ぎ目にズレが生じ、生成したパノラマ画像に違和感が生じる場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、撮影処理中に生じるブラックアウト時の画像の移動量を推定し、画像移動量の算出精度を向上させることができる撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる撮像装置は、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部を備え、複数回の撮影処理を行って複数の撮影画像を生成する撮像装置であって、前記撮像部によって撮像された前記画像データをライブビュー画像として連続表示する表示部と、所定のフレーム毎に前記ライブビュー画像の移動量を検出する移動量検出部と、前記撮影処理の際、前記表示部への前記ライブビュー画像の表示が停止されてから前記撮影処理の終了後に表示が復帰するまでの時間を計測する時間計測部と、前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定するとともに、前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定する移動量変化判定部と、前記移動量変化判定部によって判定された前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向に応じて前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および/または前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記時間計測部によって計測された計測時間に従って、前記撮影処理中の画像移動量を推定する撮影中移動量推定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記撮影処理の開始を指示する撮影開始指示部と、前記撮影処理の後、前記移動量検出部によって検出される前記画像データの移動量に従って移動する移動マークと、該移動マークの移動目標位置を示す移動目標マークとを前記ライブビュー画像上に表示する制御を行う表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記撮影処理中の画像移動量をもとに前記移動マークの初期表示位置を設定し、前記撮影開始指示部は、前記移動マークが前記移動目標位置に移動した時点で、次の撮影処理の開始を指示することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記移動量変化判定部は、前記撮影処理の開始前における前記移動量変化の傾向および終了後における前記移動量変化の傾向を、それぞれ少なくとも前記撮影処理中の装置本体の動きが停止または減速していることを示す収束パターンか否かに分類することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向がそれぞれ前記収束パターンに分類された場合に、前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記ライブビュー画像の移動量を補間することで前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記撮影処理の開始前または終了後のいずれか一方の前記移動量変化の傾向が前記収束パターンに分類された場合に、前記収束パターンに分類された前記撮影処理の開始前または前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することで前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記撮影中移動量推定部は、前記収束パターンに分類された前記撮影処理の開始前および/または終了後に検出された前記画像データの移動量変化をもとに近似式を導出し、該近似式に従って前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記撮影中移動量推定部は、前記近似式に従って補間した前記撮影処理中の前記画像データの移動量を所定の基準値と比較し、比較結果をもとに前記補間した前記撮影処理中の前記画像データの移動量を前記基準値で置き換えて前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記移動量変化判定部は、前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向が前記収束パターンではない場合に、前記各傾向をもとに、前記撮影処理中の装置本体の動きが等速であることを示す等速パターンか否かに分類し、前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記等速パターンに分類された場合に、前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することで前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置は、上記の発明において、前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記等速パターンに分類されない場合に、前記撮影処理の開始直前に検出された1つの移動量および前記撮影処理の終了直後に検出された1つの移動量を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することを特徴とする。
また、本発明にかかる撮像装置における撮像方法は、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部を備え、複数回の撮影処理を行って複数の撮影画像を生成する撮像装置における撮像方法であって、前記撮像部によって撮像された前記画像データをライブビュー画像として表示部に連続表示する表示ステップと、所定のフレーム毎に前記ライブビュー画像の移動量を検出する移動量検出ステップと、前記撮影処理時において、前記表示部への前記ライブビュー画像の表示が停止されてから前記撮影処理の終了後に表示が復帰するまでの時間を計測する時間計測ステップと、前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定するとともに、前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定する移動量変化判定ステップと、前記移動量変化判定ステップで判定された前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向に応じて前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および/または前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記時間計測ステップで計測された計測時間に従って、前記撮影処理中の画像移動量を推定する撮影中移動量推定ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、撮影処理の開始前および終了後に検出されたライブビュー画像の移動量変化の傾向に応じてこの撮影処理の開始前および/または終了後におけるライブビュー画像の移動量を用い、撮影処理の際の表示部へのライブビュー画像の表示が停止されてから復帰するまでの計測時間に従って、撮影処理中の画像移動量を推定することができる。これによれば、撮影処理中に生じるブラックアウト時の画像の移動量を推定できるので、撮影処理中に装置本体が動かされた場合であっても、画像移動量を精度良く算出することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態では、本発明の撮像装置をデジタルカメラに適用した場合を例にとって説明する。
(実施の形態)
図1は、デジタルカメラ1の背面図である。図1に示すように、デジタルカメラ1は、カメラ本体2の上面に配設された撮影タイミングを指示するためのシャッターボタン(レリーズボタン)3、カメラ本体2の背面に配設された電源ボタン4やメニューボタン5、上下左右の各方向ボタン(上ボタン、下ボタン、左ボタンおよび右ボタン)を有する十字ボタン6、操作内容を確定する等のためのOKボタン7、各種画面を表示する表示部22等を備えている。また、図示しないが、カメラ本体2の前面には、ファインダーや撮像レンズ等が配設されている。ユーザが電源ボタン4を押下し、電源をONすると、デジタルカメラ1は撮影可能な状態(撮影モード)となる。この撮影モードでは、撮像レンズを通して撮像素子12(図2参照)に結像されている被写体像が1フレーム(例えば1/30秒)毎に取り込まれ、ライブビュー画像として表示部22にリアルタイムに表示されるようになっている。そして、例えばシャッターボタン3の押下タイミング等で電子的な撮影が行われる。
図1は、デジタルカメラ1の背面図である。図1に示すように、デジタルカメラ1は、カメラ本体2の上面に配設された撮影タイミングを指示するためのシャッターボタン(レリーズボタン)3、カメラ本体2の背面に配設された電源ボタン4やメニューボタン5、上下左右の各方向ボタン(上ボタン、下ボタン、左ボタンおよび右ボタン)を有する十字ボタン6、操作内容を確定する等のためのOKボタン7、各種画面を表示する表示部22等を備えている。また、図示しないが、カメラ本体2の前面には、ファインダーや撮像レンズ等が配設されている。ユーザが電源ボタン4を押下し、電源をONすると、デジタルカメラ1は撮影可能な状態(撮影モード)となる。この撮影モードでは、撮像レンズを通して撮像素子12(図2参照)に結像されている被写体像が1フレーム(例えば1/30秒)毎に取り込まれ、ライブビュー画像として表示部22にリアルタイムに表示されるようになっている。そして、例えばシャッターボタン3の押下タイミング等で電子的な撮影が行われる。
先ず、このデジタルカメラ1の構成について説明する。図2は、デジタルカメラ1の構成例を示す概略ブロック図である。図2に示すように、デジタルカメラ1は、撮像光学系11、撮像部としての撮像素子12、AFE(Analog Front End)13、フレームメモリ14、移動量検出部としての動き検出部15、画像処理部16、記録媒体I/F17、記録媒体保持部18、記録媒体19、ビデオエンコーダ20、表示ドライバ21、表示部22、ビデオ信号出力端子23、操作部24、RAM25、ROM26、コントローラ27等を備える。
撮像光学系11は、撮像レンズ、絞り、シャッター等を含み、入射される被写体像を撮像素子12に結像する。撮像素子12は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子であり、被写体からの光束を、撮像光学系11を介して受光し、光電変換することによってフレーム単位の画像データ(アナログ電気信号)を得るものである。AFE13は、撮像素子12によって得られる画像データに対してCDS(Correlated Double Sampling)やAGC(Automatic Gain Control)等のアナログ信号処理を施した後、A/D変換処理を施してデジタル電気信号に変換する。AFE13によってデジタル化された画像データは、フレームメモリ14および動き検出部15に出力されるとともに、RAM25に一時的に記憶される。
フレームメモリ14は、動き検出部15による作業用メモリとして用いられる。このフレームメモリ14は、2フレーム分の画像データを記憶するための領域を備え、ライブビュー画像の表示時(以下、「ライブビュー時」と呼ぶ。)において、現フレームのライブビュー画像(現フレーム画像)および直前に取り込まれた直前フレームのライブビュー画像(直前フレーム画像)の画像データが記憶される。
動き検出部15は、AFE13からの画像データをもとに、画像間の動きを検出するためのものであり、AFE13から随時入力されてフレームメモリ14に記憶される現フレーム画像を、既にフレームメモリ14に記憶されている直前フレーム画像と比較する。そして、各画像に映る同一の被写体位置の変化量を表す動きベクトルを算出することによって現フレーム画像と直前フレーム画像との間の動きを検出し、ライブビュー画像のフレーム間移動量を算出する。なお、必ずしもフレーム単位で動き検出を行う必要はなく、所定のフレーム間隔で動き検出を行うこととしてもよい。
図3は、フレーム間の動き検出について説明するための図であり、直前フレーム画像の画角範囲の一例を示している。動き検出部15は、図3に示すように、直前フレーム画像中に複数の代表点B11を配置する。代表点B11を配置する位置やそのサイズ、数等は、例えば予め設定しておく。また、現フレーム画像中に、直前フレーム画像中に配置した、前記各代表点に対する探索範囲を設定する。そして、直前フレームの各代表点と対応する探索範囲とでパタンマッチングを行い、各代表点と最も相関の高い位置を現フレーム画像中の各探索範囲の中から探索する。このパタンマッチングによって得られた各代表点の動きベクトルをもとに、画面全体の動きを示す代表動きベクトルを求める。
図4は、この動き検出部15の機能構成を示す模式図である。図4に示すように、動き検出部15は、上記のようにして検出したフレーム間移動量の信頼性を評価する信頼性評価部151と、撮影処理の開始前の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定するとともに、撮影処理の終了後の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定する移動量変化判定部153と、撮影処理中の画像移動量(撮影中移動量)を推定する撮影中移動量推定部155と、フレーム間移動量と撮影中移動量とをもとにパノラマ撮影の開始時からの画像移動量(積算移動量)を更新する移動量更新部157とを含む。また、図示しないが、動き検出部15は、過去に検出したフレーム間移動量やその信頼性の評価結果等を一時的に記憶しておくためのRAMを内部に備えている。このRAMには、直近の所定数フレーム分(例えば4フレーム分)のフレーム間移動量が随時更新記憶されるようになっている。
画像処理部16は、図2に示すように、RAM25に一旦記憶された画像データを読み出し、この画像データに対して各種の画像処理を施すとともに、記録用、表示用、パノラマ合成用等に適した画像データに変換する処理を行う。例えば、撮影画像やパノラマ画像の画像データを記録する際、あるいは記録されている画像データを表示する際等に、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等に基づく画像データの圧縮処理や伸張処理を行う。また、パノラマ合成用に撮影された複数の撮影画像の画像データを合成し、1枚のパノラマ画像を生成する処理等を行う。この画像処理部16で画像処理された画像データは、記録媒体I/F17に出力されて記録媒体19に記録され、あるいはビデオエンコーダ20に出力されて表示部22に表示される。
ビデオエンコーダ20は、表示用に変換された画像データを表示ドライバ21に送出する。例えば撮影モードでは、1フレーム毎に撮像素子12から取り込まれて画像処理部16によって画像処理された画像データをフレーム単位で表示部22に切換表示させ、ライブビュー画像の表示を行う。一方、再生モードでは、記録媒体19から読み出されて画像処理部16よって画像処理された撮影画像やパノラマ画像を表示部22に表示させる。また、このビデオエンコーダ20は、ビデオ信号出力端子23に接続された外部機器に対し、必要に応じて表示用の画像データを出力する。表示部22は、撮影画像やライブビュー画像の他、デジタルカメラ1の各種設定情報等を表示するためのものであり、LCD(Liquid Crystal Display)やELディスプレイ(Electroluminescence Display)等の表示装置で実現される。
記録媒体I/F17は、記録媒体保持部18によって挿脱自在に保持される記録媒体19に対して、記録用に変換された画像データ等の書き込みや、記録された画像データの読み出し等を行う。記録媒体19は、例えばxD−ピクチャーカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等のメモリカードである。
操作部24は、撮影タイミングの指示や、パノラマ撮影モードを含む各種の撮影モードや再生モードといったモードの設定操作、撮影条件の設定操作等、ユーザによる各種操作を受け付けて操作信号をコントローラ27に通知するためのものであり、各種機能が割り当てられたボタンスイッチ等で実現される。この操作部24は、図1のシャッターボタン3、電源ボタン4、メニューボタン5、十字ボタン6およびOKボタン7を含む。
ROM26は、デジタルカメラ1を動作させ、このデジタルカメラ1が備える種々の機能を実現するための各種のカメラプログラムや、このカメラプログラムの実行中に使用されるデータ等を予め記憶する。RAM25は、画像処理部16やコントローラ27の作業用メモリとして用いられる。例えば、AFE13からの画像データ等が一時的に記憶され、表示部22に表示するライブビュー画像の画像データを生成する際の作業用やパノラマ画像を生成する際の作業用、撮影画像やパノラマ画像を記録媒体19に記録する際の作業用に用いられる。
コントローラ27は、操作部24からの操作信号等に応じてROM26からカメラプログラムを読み出して実行し、デジタルカメラ1を構成する各部の動作制御やメモリ制御を行ってデジタルカメラ1全体の動作を統括的に制御する。また、AF(自動焦点)、AE(自動露出)、AWB(自動ホワイトバランス)等の処理を行う。このコントローラ27は、パノラマ撮影モードにおいて撮影処理の開始タイミングを指示する撮影開始指示部271と、この撮影開始指示部271の指示によって開始された撮影処理の開始後であって表示部22へのライブビュー画像の表示が停止されてから、撮影処理の終了時であって表示部22へのライブビュー画像の表示が復帰するまでのブラックアウトとなる像消失時間を計測時間としてカウント(計測)し、動き検出部15に出力する時間計測部としての像消失時間計測部273とを含む。
次に、以上のように構成されるデジタルカメラ1の撮影モードの一つであるパノラマ撮影モードについて説明する。図5は、パノラマ撮影モードの概要を説明する図である。パノラマ撮影モードでは、複数回の撮影処理を行って、複数の画像(以下、パノラマ画像用に撮影される撮影画像を「部分画像」という。)の画像データを生成する。例えば、ユーザは、シャッターボタン3を押下し、1枚目の部分画像を撮影する。その後カメラ本体2を所定のパノラマ撮影方向へとパンニング操作し、2枚目の部分画像撮影位置に達したところで、2枚目の部分画像を撮影する。以後、任意の枚数の部分画像の撮影を繰り返すことで、被写体を部分毎に撮影する。パンニング操作とは、パノラマ撮影方向に沿ってカメラ本体2を回転させながら移動させる操作のことをいう。図5では、ユーザが、シャッターボタン3の押下後にカメラ本体2を左側から右側に向けて水平方向にパンニング操作し、例えば3枚の部分画像I1,I3,I5を撮影した場合を示している。ここで、各部分画像I1,I3,I5の撮影処理は、1枚目の部分画像I1についてはシャッターボタン3の押下タイミングで行われる。2枚目以降の部分画像I3,I5については、ユーザによるカメラ本体2のパンニング操作の途中で自動的に行われる。そして、このようにして生成した部分毎の部分画像I1,I3,I5を、それぞれ隣り合う部分画像I1,I3,I5間の位置関係が合うように繋ぎ合わせて合成し、1枚のパノラマ画像I7を生成する。具体的には、部分画像I1の右端の領域A1と、部分画像I3の左端の領域A3とに映る重複部分を探索し、探索された重複部分をもとに、部分画像I1と部分画像I3とを合成する。同様にして、部分画像I3の右側の領域A5と、部分画像I5の左側の領域A7とに映る重複部分をもとに、部分画像I3と部分画像I5とを合成する。
このように、パノラマ画像を生成するためには、各部分画像の所定範囲が重複している必要があるが、一方で、重複部分が所定範囲からずれると合成箇所の探索処理に時間を要し、合成処理時間が増大してしまう。また、重複部分が著しく所定範囲からずれると、合成箇所を検出することができず、合成の結果、継ぎ目に違和感のあるパノラマ画像となる。このため、2枚目以降の部分画像の撮影処理は、重複部分が適切な範囲となるようなタイミングで行う必要がある。本実施の形態では、1枚目の撮影処理の後、移動マークとしてのポインタと、このポインタの移動目標位置を示す移動目標マークとしてのターゲットとをライブビュー画像上に表示し、ポインタをターゲット上に移動させるようなパンニング操作を促す。
図6および図7は、パノラマ撮影を行う際のデジタルカメラ1の操作を説明するための図であり、パノラマ撮影モードにおいて表示部22に表示される表示画面の遷移例を示している。パノラマ撮影モードでは先ず、ライブビュー画像の表示が開始される(図6(a))。そして、シャッターボタン3が押下されるまで待機状態となる。ユーザは、このライブビュー画像を見ながらシャッターボタン3を押下し、1枚目の部分画像の撮影タイミングを指示する。撮影タイミングを指示すると撮影処理が開始され、1枚目の部分画像が生成される。ここで、撮影処理が開始されると、ライブビュー画像の表示が一旦停止されて露光に移る。すなわち、露光中や転送中等は撮像素子12からの出力がないためライブビュー画像が取り込めず、表示部22の表示は、何も表示されないブラックアウト状態となる(図6(b))。そして、露光が終わると、画像データの転送処理や画像処理を経てライブビュー画像の表示が復帰する。また、1枚目の部分画像の撮影の後復帰したライブビュー画像上には、ポインタPMとターゲットTMとが表示され(図6(c))、2枚目の部分画像を撮影するためのターゲットTMへのパンニング操作を促す。ここで、図6(c)では、向かって右側にポインタPMが、左側にターゲットTMが配置されており、パノラマ撮影方向が“右”の場合の操作例を示している。パノラマ撮影方向は、例えばユーザが「右」または「左」のいずれか一方を選択することで確定される。なお、パノラマ撮影方向が“左”の場合には、ポインタは画面左側、ターゲットは画面右側を初期表示位置として配置される。ユーザがカメラ本体2をパノラマ撮影方向である右方向に向けて水平方向にパンニング操作すると、ポインタPMは、動き検出部15が行う動き検出処理の結果更新される積算移動量に従ってライブビュー画像とともにターゲットTMが配置される左側へと移動していく(図6(d))。ここで、動き検出部15は、右方向に向けたパンニング操作に応じてフレーム間移動量を正の値として算出し、左方向に向けたパンニング操作に応じてフレーム間移動量を負の値として算出する。
そして、図7に示すように、ポインタPMがターゲットTMの枠内に移動すると(図7(a))、撮影処理が自動的に開始される。この撮影処理においても、1枚目の部分画像の撮影処理のときと同様にライブビュー画像の表示が一旦停止され、表示部22の表示は何も表示されないブラックアウト状態となる(図7(b))。そして、露光が終わり、画像データの転送処理や画像処理の後にライブビュー画像の表示が復帰する。また、2枚目の部分画像の撮影の後復帰したライブビュー画像上には、1枚目の撮影後と同様にしてポインタPMとターゲットTMとが表示され、3枚目の部分画像を撮影するためのパンニング操作を促すが、2枚目以降の撮影処理の後では、動き検出部15が行う撮影中移動量推定処理の結果、撮影中移動量が推定されて積算移動量が更新される。そして、この積算移動量をもとに次の撮影位置が決定されてポインタPMの初期表示位置が調整されるようになっている。例えば、撮影処理中にカメラ本体2がほとんど動かされなければ、ポインタPMは、ライブビュー画像の右側端部の所定位置を初期表示位置として配置される(図7(c))。部分画像の撮影処理中にカメラ本体2が右方向に動かされた場合には、ポインタPMは、前述の所定位置よりもターゲットTM側を初期表示位置として配置される(図7(d))。
次に、デジタルカメラ1の動作について説明する。図8は、デジタルカメラ1の状態遷移図である。図8に示すように、デジタルカメラ1は、電源ボタン4が押下されて電源がONされると(a1)、カメラ電源OFF状態C1から静止画撮影待機状態C3に遷移し、撮影モードとなる。撮影モードでは、撮像素子12に結像されている被写体像の画像データをRAM25に記憶し、この画像データをフレーム単位で切り換えて表示部22に表示する一連の処理を繰り返し行い、ライブビュー画像の表示を継続的に行う。また、電源ボタン4が押下されて電源がOFFされると(a3)、デジタルカメラ1は、カメラ電源OFF状態C1へと遷移する。
そして、パノラマ撮影モードが選択されると(a5)、デジタルカメラ1は、静止画撮影待機状態C3から撮影状態C5へと遷移する。ここで、1枚目の部分画像の撮影に際しては、シャッターボタン3の押下タイミングで撮影処理を開始する。そして、撮影を完了すると(a7)、デジタルカメラ1は、撮影状態C5から撮影方向検出状態C7へと遷移する。ここでは、ライブビュー画像間の動きを検出することによってカメラ本体2のパンニング操作を検出し、パノラマ撮影方向を確定する。パノラマ撮影方向が確定すると(a9)、デジタルカメラ1は、撮影方向検出状態C7から移動量検出状態C9へと遷移する。ここでは先ず、パノラマ撮影方向に従って、ライブビュー画像上にポインタとターゲットとを表示させる。そして、フレーム毎に検出されるフレーム間移動量を随時積算することによって積算移動量を更新し、ポインタを移動させる。ポインタがターゲットに重なるとポインタの移動を完了し(a11)、デジタルカメラ1は、移動量検出状態C9から撮影状態C5へと遷移して撮影処理を開始する。2枚目以降の撮影を完了した場合には(a13)、デジタルカメラ1は、撮影状態C5から移動量推定状態C11へと遷移する。ここでは、撮影中移動量を推定し、推定した撮影中移動量をもとに積算移動量を更新するとともに、推定した撮影中移動量をもとにポインタの初期表示位置を調整して設定し、ライブビュー画像上にポインタとターゲットとを表示させる。推定を完了すると(a15)、デジタルカメラ1は、移動量推定状態C11から移動量検出状態C9へと遷移し、次の部分画像の撮影に移る。このようにして、所定枚数の部分画像を撮影したならば、生成した部分画像を合成してパノラマ画像を生成し、パノラマ撮影を終える(a17)。このとき、デジタルカメラ1は、撮影状態C5から静止画撮影待機状態C3へと遷移する。
図9は、撮影モードにおけるデジタルカメラ1の動作を示すフローチャートである。撮影モードでは先ず、コントローラ27が、撮影モードの種類を判定する。通常の撮影モード等のパノラマ撮影モード以外の撮影モードが設定されている場合には(ステップb1:No)、その撮影モードに応じた撮影動作に移り(ステップb3)、終了後、処理を終える。
一方、パノラマ撮影モードが設定されている場合には(ステップb1:Yes)、先ず1枚目の部分画像の撮影を行う。すなわち、撮影開始指示部271が、シャッターボタン3が押下されたタイミングを撮影タイミングとして撮影処理の開始を指示する。これによって撮影処理が開始され、各部の動作を制御してこのときの撮影範囲の静止画像を1枚目の部分画像として撮影する(ステップb5)。この撮影処理の開始後、ライブビュー画像の表示が一旦停止される。このライブビュー画像の表示は、撮影処理の終了時、すなわち、露光の後、画像データの転送処理や画像処理を終えると復帰するようになっている。
続いて、コントローラ27は、パノラマ撮影方向の指示を促す撮影方向誘導OSD(On-Screen Display)をライブビュー画像上に表示する制御を行い、この撮影方向誘導OSDによってカメラ本体2のパノラマ撮影方向へのパンニング操作を促して、例えば“左”または“右”のいずれかのパノラマ撮影方向の指示を受け付ける(ステップb7)。そして、ステップb9〜ステップb13の処理をフレーム毎に繰り返し実行し、カメラ本体2のパンニング操作を検出する。すなわち、動き検出部15が現フレーム画像と直前フレーム画像との間の動き検出を行い、フレーム間移動量を随時積算して積算移動量を算出・更新する(ステップb9)。そして、コントローラ27が、積算移動量をもとに撮影方向判定処理を行う(ステップb11)。このとき、ユーザが撮影方向誘導OSDの表示に従ってカメラ本体2を左側に向けて水平方向に回転させれば、パノラマ撮影方向は左方向として確定される。同様にして、ユーザがカメラ本体2を右側に向けて水平方向に回転させると、パノラマ撮影方向は右方向として確定される。カメラ本体2が動かされずにパノラマ撮影方向が確定されない場合には(ステップb13:No)、ステップb9に戻る。
そして、パノラマ撮影方向を確定したならば(ステップb13:Yes)、続いてコントローラ27は、表示制御部として、ポインタとターゲットとをライブビュー画像上に表示する制御を行う(ステップb15)。具体的には、コントローラ27は、ステップb9で積算された積算移動量をもとにポインタの初期表示位置を設定し、ポインタとターゲットとをライブビュー画像上に配置する。またこのとき、ポインタとターゲットとの位置関係をパノラマ撮影方向に従って決定する。
この後、ポインタがターゲットの位置に移動するまでの間、ステップb17〜ステップb21の処理をフレーム毎に繰り返し行う。すなわち先ず、動き検出部15が動き検出処理を行って積算移動量を更新する(ステップb17)。続いてコントローラ27が、動き検出処理の結果更新された積算移動量をもとにポインタの表示位置を移動させ、表示を更新する(ステップb19)。そして、コントローラ27は、ポインタの表示位置がターゲットの枠内か否かを判定し、ターゲットの枠内でないならば(ステップb21:No)、ステップb17に戻る。
ポインタがターゲットの枠内に移動した場合には(ステップb21:Yes)、動き検出部15が、現時点で内部のRAMに記憶されている直近の所定数フレーム分のフレーム間移動量を撮影前動きデータとし、撮影中移動量推定処理用に内部のRAM内に記憶する(ステップb23)。そして、像消失時間計測部273が、撮影処理直前最後のスルー画の露光が終了した時点で像消失時間の計測を開始する(ステップb25)。続いて、撮影開始指示部271が、撮影処理の開始を指示する(ステップb27)。ここでの指示によって撮影処理が開始され、このときの撮影範囲の静止画像を部分画像として撮影する。そして、撮影処理を終えると(ステップb29)、像消失時間計測部273は、像消失時間の計測を終了する(ステップb31)。
続いてコントローラ27は、所定枚数の撮影を終了したか否かを判定する。例えば、3枚の部分画像を撮影してパノラマ画像を生成する場合であれば、3枚の部分画像を撮影したか否かを判定する。部分画像の枚数は固定でもよいし、ユーザが適宜設定できるように構成してもよい。所定枚数の撮影が終了していない場合には(ステップb33:No)、動き検出部15が撮影中移動量推定処理を行い、撮影中移動量を推定して積算移動量を更新する(ステップb35)。続いてコントローラ27が、表示制御部として、撮影中移動量推定処理で推定された撮影中移動量をもとにポインタの初期表示位置を調整して設定し、ポインタとターゲットとをライブビュー画像上に表示する制御を行う(ステップb37)。このとき、そして、ポインタとターゲットとの位置関係をパノラマ撮影方向に従って決定する。その後、ステップb17に戻る。
そして、所定枚数の撮影を行った場合には(ステップb33:Yes)、画像処理部16が、撮影した所定枚数の部分画像をパノラマ撮影方向に従って繋ぎ合わせて合成し、パノラマ画像を生成する(ステップb39)。そして、コントローラ27が、生成したパノラマ画像を表示部22に表示する制御を行い(ステップb41)、処理を終了する。また、このとき、生成したパノラマ画像を記録媒体19に記録する。
次に、図9のステップb11で行う撮影方向判定処理について説明する。図10は、撮影方向判定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。この撮影方向判定処理では、図9のステップb9で算出・更新された積算移動量の水平成分の絶対値を予め設定される所定の方向閾値と比較することによって、カメラ本体2のパンニング操作を検出する。そして、積算移動量(水平成分)の絶対値が方向閾値以下の場合には(ステップc1:No)、コントローラ27は、撮影方向未確定とする(ステップc3)。そして、図9のステップb11にリターンする。一方、積算移動量(水平成分)の絶対値が方向閾値より大きい場合には(ステップc1:Yes)、コントローラ27は、この積算移動量(水平成分)が0より大きければ(ステップc5:Yes)、パノラマ撮影方向を「右」として確定する(ステップc7)。そして、図9のステップb11にリターンする。また、コントローラ27は、積算移動量(水平成分)が0未満の場合には(ステップc5:No)、パノラマ撮影方向を「左」として確定する(ステップc9)。そして、図9のステップb11にリターンする。
次に、図9のステップb17で行う動き検出処理について説明する。図11は、動き検出処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。この動き検出処理では、動き検出部15は、現フレーム画像と直前フレーム画像との間で動き検出を行って(ステップd1)、検出したフレーム間移動量を動き検出部15のRAMに記憶する(ステップd3)。続いて、信頼性評価部151が、フレーム間移動量の信頼性の評価を行う(ステップd5)。ここでの評価の結果、信頼性評価部151がフレーム間移動量を信頼性ありと判定した場合には(ステップd7:Yes)、続いて移動量更新部157が、積算移動量の前回値と今回のフレーム間移動量との合計値を積算移動量として更新する(ステップd9)。そして、図9のステップb17にリターンする。
ここで、信頼性評価部151が行う信頼性の評価について説明する。信頼性評価部151は、フレーム間移動量をもとに評価パラメータの値を算出し、信頼性の有無を判定する。例えば、複数配置された代表点に対するマッチング失敗数が多い場合や、得られた動きベクトルの方向に統一性が無い場合は、フレーム間移動量の信頼性が低いと考えられる。そこで、代表点数に対するマッチング成功数を第1の評価パラメータとして算出する。また、マッチングが成功している動きベクトルをその方向毎にグループ分けして要素数の最大値を選出し、マッチング成功数に対する要素数の最大値を第2の評価パラメータとして算出する。そして、信頼性評価部151は、得られた各評価パラメータが予め設定される所定の閾値を超えているか否かによって、フレーム間移動量の信頼性の有無を判定する。
一方、ステップd5での評価の結果、信頼性評価部151がフレーム間移動量を信頼性なしと判定した場合には(ステップd7:No)、移動量更新部157は、フレーム間移動量推定処理を行って、現フレーム画像と直前フレーム画像との間の動き量を推定する(ステップd11)。例えば、動き検出部15のRAMに随時更新記憶される直近の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとに、例えばこれらの平均値を求める等し、現フレーム画像と直前フレーム画像との間の推定移動量とする。そして、移動量更新部157は、積算移動量の前回値と推定移動量との合計値を積算移動量として更新する(ステップd13)。そして、図9のステップb17にリターンする。
次に、図9のステップb35で行う撮影中移動量推定処理について説明する。図12は、撮影中移動量推定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、この撮影中移動量推定処理では、動き検出部15は先ず、撮影処理後所定数フレームが経過するまでの間(ステップe1:No)、動き検出処理を行う(ステップe3)。この動き検出処理の処理手順は、図11に示した動き検出処理と同様であり、この結果、撮影処理直後の所定数フレーム分のフレーム間移動量が撮影後動きデータとして動き検出部15のRAMに記憶される。
所定数フレームが経過したならば(ステップe1:Yes)、続いて移動量変化判定部153が、撮影前移動量変化判定処理を実行する(ステップe5)。図13は、撮影前移動量変化判定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。撮影前移動量変化判定処理では、移動量変化判定部153は先ず、撮影前動きデータとして動き検出部15のRAMに記憶されている撮影処理の開始前に検出された所定フレーム数分のフレーム間移動量を用い、例えば近似直線を求めて撮影前の移動量変化の傾きを算出する(ステップf1)。続いて、移動量変化判定部153は、算出した傾きを予め設定された所定の閾値VS1と比較する。この閾値VS1の値は適宜設定できるが、本実施の形態では、例えば閾値VS1を“0”とする。算出した傾きが閾値VS1より大きい場合(ここでは傾きが正の値の場合)には(ステップf3:Yes)、移動量変化判定部153は、撮影処理の開始直前に最後に検出されたフレーム間移動量の値(以下、「撮影前切片」と呼ぶ。)を判定する。すなわち、移動量変化判定部153は、撮影前切片が“0”より大きい場合には(ステップf5:Yes)、撮影前変化パターンを「増加」に分類し(ステップf7)、図12のステップe5にリターンする。一方、移動量変化判定部153は、撮影前切片が“0”以下の場合には(ステップf5:No)、ステップf13に移行し、撮影前変化パターンを「減少」に分類して、図12のステップe5にリターンする。
また、ステップf1で算出した傾きが閾値VS1以下の場合(ここでは傾きが“0”以下の場合)には(ステップf3:No)、続いて移動量変化判定部153は、この傾きを所定の閾値VS2と比較する。この閾値VS2の値は適宜設定できるが、本実施の形態では、例えば閾値VS2を“0”とする。算出した傾きが閾値VS2より小さい場合(ここでは傾きが負の値の場合)には(ステップf9:Yes)、移動量変化判定部153は、撮影前切片の値を判定する。すなわち、移動量変化判定部153は、撮影前切片が“0”より大きい場合には(ステップf11:Yes)、ステップf13に移行し、撮影前変化パターンを「減少」に分類して、図12のステップe5にリターンする。撮影前切片が“0”以下の場合には(ステップf11:No)、移動量変化判定部153は、撮影前変化パターンを「増加」に分類し(ステップf15)、図12のステップe5にリターンする。
そして、移動量変化判定部153は、ステップf1で算出した傾きが閾値VS1以下であって(ステップf3:No)、閾値VS2以上の場合(ステップf9:No)、すなわち、ここでは傾きが“0”の場合は、撮影前変化パターンを「一定」に分類し(ステップf17)、図12のステップe5にリターンする。
撮影前移動量変化判定処理を終えると、続いて移動量変化判定部153は、図12に示すように、撮影後移動量変化判定処理を実行する(ステップe7)。図14は、撮影後移動量変化判定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。撮影後移動量変化判定処理では、移動量変化判定部153は先ず、撮影後動きデータとして動き検出部15のRAMに記憶されている撮影処理の開始後に検出された所定フレーム数分のフレーム間移動量を用い、例えば近似直線を求めて撮影後の移動量変化の傾きを算出する(ステップg1)。続いて、移動量変化判定部153は、算出した傾きを予め設定された所定の閾値VS1と比較する。算出した傾きが閾値VS1より大きい場合(ここでは傾きが正の値の場合)には(ステップg3:Yes)、移動量変化判定部153は、撮影処理の開始直後に最初に検出されたフレーム間移動量の値(以下、「撮影後切片」と呼ぶ。)を判定する。すなわち、移動量変化判定部153は、撮影後切片が“0”より大きい場合には(ステップg5:Yes)、撮影後変化パターンを「増加」に分類し(ステップg7)、図12のステップe7にリターンする。一方、移動量変化判定部153は、撮影後切片が“0”以下の場合には(ステップg5:No)、ステップg13に移行し、撮影後変化パターンを「減少」に分類して、図12のステップe7にリターンする。
また、ステップg1で算出した傾きが閾値VS1以下の場合(ここでは傾きが“0”以下の場合)には(ステップg3:No)、続いて移動量変化判定部153は、この傾きを所定の閾値VS2と比較する。算出した傾きが閾値VS2より小さい場合(ここでは傾きが負の値の場合)には(ステップg9:Yes)、移動量変化判定部153は、撮影後切片の値を判定する。すなわち、移動量変化判定部153は、撮影後切片が“0”より大きい場合には(ステップg11:Yes)、ステップg13に移行し、撮影後変化パターンを「減少」に分類して、図12のステップe7にリターンする。撮影後切片が“0”以下の場合には(ステップg11:No)、移動量変化判定部153は、撮影後変化パターンを「増加」に分類し(ステップg15)、図12のステップe7にリターンする。
そして、移動量変化判定部153は、ステップg1で算出した傾きが閾値VS1以下であって(ステップg3:No)、閾値VS2以上の場合(ステップg9:No)、すなわち、ここでは傾きが“0”の場合は、撮影後変化パターンを「一定」に分類し(ステップg17)、図12のステップe7にリターンする。
撮影後移動量変化判定処理を終えたならば、図12に示すように、続いて撮影中移動量推定部155が、ステップe5の撮影前移動量変化判定処理で分類された撮影前変化パターンを判定する。撮影前変化パターンが「減少」の場合には(ステップe9:Yes)、撮影中移動量推定部155は、続いて撮影後変化パターンを判定する。撮影後変化パターンが「増加」ならば(ステップe11:Yes)、撮影中移動量推定部155は、前後収束時推定処理を実行し(ステップe13)、ステップe29に移行する。撮影前変化パターンが「減少」の場合であって(ステップe9:Yes)、撮影後変化パターンが「増加」でない場合には(ステップe11:No)、撮影中移動量推定部155は、前収束時推定処理を実行し(ステップe15)、ステップe29に移行する。一方、撮影中移動量推定部155は、ステップe5で判定した撮影前変化パターンが「減少」以外の場合であって(ステップe9:No)、撮影後変化パターンが「増加」の場合には(ステップe17:Yes)、後収束時推定処理を実行し(ステップe19)、ステップe29に移行する。また、撮影後変化パターンが「増加」でなければ(ステップe17:No)、撮影中移動量推定部155は、撮影前変化パターンおよび撮影後変化パターンを判定し、各変化パターンが「一定」の場合には(ステップe21:Yes)、撮影前切片と撮影後切片とを比較する。そして、撮影中移動量推定部155は、これらがほぼ一致している場合には(ステップe23:Yes)、前後等速時推定処理を実行し(ステップe25)、ステップe29に移行する。撮影前変化パターンおよび撮影後変化パターンが「一定」でない場合(ステップe21:No)や撮影前切片と撮影後切片とが一致していない場合には(ステップe23:No)、撮影中移動量推定部155は、2点間推定処理を実行し(ステップe27)、ステップe29に移行する。ステップe29では、撮影中移動量推定部155は、積算移動量の前回値と、前後収束時推定処理、前収束時推定処理、後収束時推定処理、前後等速時推定処理または2点間推定処理の結果算出された撮影中移動量との合計値を積算移動量として算出する。そして、図9のステップb35にリターンする。
続いて、前後収束時推定処理、前収束時推定処理、後収束時推定処理、前後等速時推定処理および2点間推定処理について順次説明する。
先ず、前後収束時推定処理について説明する。前後収束時推定処理は、上記したように、撮影前変化パターンが「減少」であって、撮影後変化パターンが「増加」である前後収束時に行われる。図15および図16は、横軸をフレーム、縦軸をフレーム間移動量(%)として、撮影処理の開始前に検出された4フレーム分のフレーム間移動量である撮影前動きデータと、撮影処理の終了後に検出された4フレーム分のフレーム間移動量である撮影後動きデータとをプロットしてグラフ化した図である。ここでは、フレーム間移動量を、前回の撮影位置から次に撮影を行う撮影位置まで移動したときの移動量を100%とした場合の値(%)として示している。具体的には、図15は、前後収束時であって、パンニング方向が「右」の場合の撮影前後の移動量変化例を示しており、図16は、パンニング方向が「左」の場合の撮影前後の移動量変化例を示している。ここで、パンニング方向とは、撮影者(ユーザ)が実際にカメラ本体2を動かしている(パンニングしている)方向のことである。これに対し、図9のステップb13で確定するパノラマ撮影方向は、ユーザが事前に指示するパノラマ撮影の方向であり、パノラマ画像を生成する際に部分画像を繋ぎ合わせる方向に相当する。ここで、パノラマ撮影方向が「右」であれば、ユーザは、カメラ本体2をパノラマ撮影方向である右方向にパンニングする。しかしながら、実際のパノラマ撮影時には、ポインタがターゲットを超えてその左側まで移動してしまった場合等、カメラ本体2をパノラマ撮影方向の逆方向である左方向にパンニングする場面が発生し得る。この実際のパンニングの方向を、パノラマ撮影方向と区別してパンニング方向と呼ぶ。例えば、図15に示すように、撮影前の移動量変化が減少傾向であれば、図15中に破線領域で示した撮影処理の際のカメラ本体2の動きが停止または減速していると推測できる。また、撮影後の移動量変化が増加傾向であれば、撮影処理の途中でまたは撮影処理の終了後にカメラ本体2の動きが停止状態または低速状態から加速していると推定できる。パンニング方向が「左」の場合も同様に、図16に示すように、撮影前の移動量変化が減少傾向にあり、撮影後の移動量変化が増加傾向にあれば、図16中に破線領域で示した撮影処理の際のカメラ本体2の動きが停止または減速していると推測できる。ここで、撮影処理の際のカメラ本体2の動きが停止または減速していることを示す撮影前変化パターンが「減少」の場合や撮影後変化パターンが「増加」の場合を、「収束(収束パターン)」と呼ぶ。そして、撮影前の移動量変化および撮影後の移動量変化が収束している場合に、前後収束時推定処理を行う。
図17〜図21は、前後収束時推定処理について説明するための図であり、図15等と同様に、横軸をフレーム、縦軸をフレーム間移動量(%)として、撮影処理の開始前に検出された4つのフレーム間移動量と、撮影処理の終了直後に検出された4つのフレーム間移動量とをプロットしてグラフ化して示している。具体的には、図17〜図21は、パンニング方向が「右」の場合の前後収束時推定処理を説明する図である。前後収束時推定処理では、例えば、図17に示すように、先ず、像消失時間に従って、撮影処理中のブラックアウトとなる区間に仮想フレームfv11,fv13を設定する。続いて、撮影前の移動量変化から例えば近似直線G11を求めるとともに、撮影後の移動量変化から近似直線G13を求める。このとき、各近似直線G11,G13の交点P11を求める。そして、この交点P11のフレーム間移動量が“0”以上であれば、図18に示すように、導出した各近似直線G11,G13によって定まる値で各仮想フレームfv11,fv13のフレーム間移動量P13,P14を補間し、各値の積算値を撮影中移動量とする。
一方、図19に示すように、撮影前の移動量変化から求めた近似直線G21と撮影後の移動量変化から求めた近似直線G23との交点P21のフレーム間移動量が基準値の一例である“0”より小さい場合がある。例えば、撮影中にポインタがターゲットを通り過ぎてしまい、カメラ本体2がパノラマ撮影方向と反対方向にパンニングされた場合や、反対方向にパンニングされていないにもかかわらず、撮影前の減少の傾きが小さく、撮影後の増加の傾きが大きいため、交点P21が場合“0”より小さい等と推測できる。この場合には、例えば、反対方向にパンニングしていないにもかかわらず“0”より小さく推測してしまう誤りを軽減するために、撮影処理中のフレーム間移動量の置き換えを行う。すなわち、図20に示すように、“0”より小さいフレーム間移動量を“0”に置き換えて、各仮想フレームfv21,fv23のフレーム間移動量P23,P24を補間する。そして、各値の積算値を撮影中移動量とする。なお、図示しないが、パンニング方向が「左」の場合には、左方向へのパンニング操作によってフレーム間移動量が負の値として算出される。このため、補間したフレーム間移動量が“0”より大きい場合に、その値を“0”に置き換えることにより撮影中移動量を推定する。このように、撮影前および撮影後の移動量変化の各傾向が収束パターンに分類される場合には、撮影前の移動量変化および撮影後の移動量変化を用いて、撮影中移動量を推定することができる。
図21は、前後収束時推定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。前後収束時推定処理では、撮影中移動量推定部155は先ず、像消失時間に従って仮想フレームの設定を行う(ステップh1)。続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影前動きデータを用いて近似式を導出するとともに、撮影後動きデータを用いて近似式を導出する(ステップh3)。近似式の導出手法は特に限定されるものではなく、図13に示して説明した撮影前移動量変化判定処理のステップf1で求めた近似直線および図14に示して説明した撮影後移動量変化判定処理のステップg1で求めた近似直線を用いることとしてもよい。そして、撮影中移動量推定部155は、設定した仮想フレームのフレーム間移動量を、導出した近似式に従って近似して補間する(ステップh5)。
続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影前切片および撮影後切片を判定する。各値が“0”より大きい値であれば(ステップh7:Yes)、続いて撮影中移動量推定部155は、ステップh3で導出した近似式の交点を判定する。そして、撮影中移動量推定部155は、交点のフレーム間移動量が“0”より小さい場合には(ステップh9:Yes)、“0”より小さい仮想フレームのフレーム間移動量を“0”に置き換えて(ステップh11)、ステップh17に移行する。なお、近似式の交点を算出せずに、“0”より小さい仮想フレームのフレーム間移動量がある場合に、この値を“0”に置き換えることとしてもよい。交点のフレーム間移動量が“0”以上であれば(ステップh9:No)、ステップh17に移行する。また、撮影中移動量推定部155は、撮影前切片および撮影後切片の値が“0”以下の場合には(ステップh7:No)、ステップh3で導出した近似式の交点を判定する。そして、撮影中移動量推定部155は、交点が“0”以下であれば(ステップh13:Yes)、ステップh17に移行する。交点が“0”より大きい場合には(ステップh13:No)、撮影中移動量推定部155は、0より大きい仮想フレームのフレーム間移動量を“0”に置き換えて(ステップh15)、ステップh17に移行する。なお、近似式の交点を算出せずに、“0”より大きい仮想フレームのフレーム間移動量がある場合に、この値を“0”に置き換えることとしてもよい。
ステップh17では、撮影中移動量推定部155は、補間または置換した仮想フレームのフレーム間移動量の値を積算して撮影中移動量として算出する。そして、図12のステップe13にリターンする。
次に、前収束時推定処理について説明する。前収束時推定処理は、上記したように、撮影前変化パターンが「減少」であって、撮影後変化パターンが「増加」ではない前収束時に行われる。図22は、前収束時であってパンニング方向が「右」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示す図であり、図23は、前収束時であってパンニング方向が「左」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示す図である。図22や図23に示すように、撮影前の移動量変化のみが収束している場合には、この撮影前の移動量変化を用いて撮影中移動量を推定する。
図24および図25は、パンニング方向が「右」の場合の前収束時推定処理について説明するための図である。前収束時推定処理では、先ず、図24に示すように、像消失時間に従って、撮影処理中のブラックアウトとなる区間に仮想フレームfv31,fv33を設定する。続いて、撮影前の移動量変化から例えば近似直線G31を求め、この近似直線G31に従って各仮想フレームfv31,fv33のフレーム間移動量を補間する。そしてこのとき、仮想フレームfv31,fv33のフレーム間移動量が基準値の一例である“0”より小さい場合に、図25に示すように、“0”より小さいフレーム間移動量を“0”に置き換えて、各仮想フレームfv31,fv33のフレーム間移動量P31,P32を補間する。そして、各値の積算値を撮影中移動量とする。このように、撮影前の移動量変化の傾向が収束パターンに分類された場合には、撮影前の移動量変化を用いて、撮影中移動量を推定することができる。
図26は、前収束時推定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。前収束時推定処理では、撮影中移動量推定部155は先ず、像消失時間に従って仮想フレームの設定を行う(ステップi1)。続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影前動きデータを用いて近似式を導出する(ステップi3)。そして、撮影中移動量推定部155は、設定した仮想フレームのフレーム間移動量を、導出した近似式に従って近似して補間する(ステップi5)。
続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影前切片を判定する。撮影前切片の値が“0”より大きい値であれば(ステップi7:Yes)、続いて撮影中移動量推定部155は、仮想フレームのフレーム間移動量を判定する。そして、撮影中移動量推定部155は、“0”より小さい仮想フレームのフレーム間移動量があれば(ステップi9:Yes)、その値を“0”に置き換えて(ステップi11)、ステップi17に移行する。“0”より小さい仮想フレームのフレーム間移動量がなければ(ステップi9:No)、ステップi17に移行する。また、撮影中移動量推定部155は、撮影前切片の値が“0”以下の場合であって(ステップi7:No)、“0”より大きい仮想フレームのフレーム間移動量がある場合に(ステップi13:Yes)、その値を“0”に置き換えて(ステップi15)、ステップi17に移行する。“0”より大きい仮想フレームのフレーム間移動量がなければ(ステップi13:No)、ステップi17に移行する。
ステップi17では、撮影中移動量推定部155は、補間または置換した仮想フレームのフレーム間移動量の値を積算して撮影中移動量として算出する。そして、図12のステップe15にリターンする。
次に、後収束時推定処理について説明する。後収束時推定処理は、上記したように、撮影前変化パターンが「減少」ではなく、撮影後変化パターンが「増加」である後収束時に行われる。図27は、後収束時であってパンニング方向が「右」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示す図であり、図28は、後収束時であって撮影前のパンニング方向が「右」、撮影後のパンニング方向が「左」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示す図である。図27や図28に示すように、撮影後の移動量変化のみが収束している場合には、この撮影後の移動量変化を用いて撮影中移動量を推定する。
図29および図30は、パンニング方向が「右」の場合の後収束時推定処理について説明するための図である。後収束時推定処理では、先ず、図29に示すように、像消失時間に従って、撮影処理中のブラックアウトとなる区間に仮想フレームfv41,fv43を設定する。続いて、撮影後の移動量変化から例えば近似直線G43を求め、この近似直線G43に従って各仮想フレームfv41,fv43のフレーム間移動量を補間する。そしてこのとき、仮想フレームfv41,fv43のフレーム間移動量が基準値の一例である“0”より小さい場合に、図30に示すように、“0”より小さいフレーム間移動量を“0”に置き換えて、各仮想フレームfv41,fv43のフレーム間移動量P41,P42を補間する。そして、各値の積算値を撮影中移動量とする。このように、撮影後の移動量変化の傾向が収束パターンに分類された場合には、撮影後の移動量変化を用いて、撮影中移動量を推定することができる。
図31は、後収束時推定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。後収束時推定処理では、撮影中移動量推定部155は先ず、像消失時間に従って仮想フレームの設定を行う(ステップj1)。続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影後動きデータを用いて近似式を導出する(ステップj3)。そして、撮影中移動量推定部155は、設定した仮想フレームのフレーム間移動量を、導出した近似式に従って近似して補間する(ステップj5)。
続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影後切片を判定する。撮影後切片の値が“0”より大きい値であれば(ステップj7:Yes)、続いて撮影中移動量推定部155は、仮想フレームのフレーム間移動量を判定する。そして、撮影中移動量推定部155は、“0”より小さい仮想フレームのフレーム間移動量があれば(ステップj9:Yes)、その値を“0”に置き換えて(ステップj11)、ステップj17に移行する。“0”より小さい仮想フレームのフレーム間移動量がなければ(ステップj9:No)、ステップj17に移行する。また、撮影中移動量推定部155は、撮影後切片の値が“0”以下の場合であって(ステップj7:No)、“0”より大きい仮想フレームのフレーム間移動量がある場合に(ステップj13:Yes)、その値を“0”に置き換えて(ステップj15)、ステップj17に移行する。“0”より大きい仮想フレームのフレーム間移動量がなければ(ステップj13:No)、ステップj17に移行する。
ステップj17では、撮影中移動量推定部155は、補間または置換した仮想フレームのフレーム間移動量の値を積算して撮影中移動量として算出する。そして、図12のステップe19にリターンする。
次に、前後等速時推定処理について説明する。前後等速時推定処理は、上記したように、撮影前および撮影後の各変化パターンが「一定」であって、撮影前切片と撮影後切片の値がほぼ一致している等速時に行われる。図32は、等速時であってパンニング方向が「右」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示す図であり、図33は、前収束時であってパンニング方向が「左」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示す図である。図32や図33に示すように、撮影前後の移動量変化の各傾向が「一定」であり、撮影前切片および撮影後切片の値がほぼ一致している場合には、撮影処理中にカメラ本体2がほぼ等速で動いていると推測できる。この場合には、撮影前後の移動量変化を用いて撮影中移動量を推定する。例えば、図32の例では先ず、像消失時間に従って、撮影処理中のブラックアウトとなる区間に仮想フレームfv51,fv53を設定する。続いて、撮影処理の開始前の4つのフレーム間移動量と撮影処理の終了後の4つのフレーム間移動量とから、例えば近似直線G51を求める。そして、この近似直線G51に従って各仮想フレームfv51,fv53のフレーム間移動量P51,P52を補間し、各値の積算値を撮影中移動量とする。同様にして、図33の例では、撮影処理の開始前の4つのフレーム間移動量と撮影処理の終了後の4つのフレーム間移動量とから例えば近似直線G61を求める。そして、この近似直線G61に従って、像消失時間に従って設定した各仮想フレームfv61,fv63のフレーム間移動量P61,P62を補間する。このように、撮影前および撮影後の移動量変化の傾向が等速パターンに分類された場合には、撮影前の移動量変化および撮影後の移動量変化を用いて、撮影中移動量を推定することができる。
図34は、前後等速時推定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。前後等速時推定処理では、撮影中移動量推定部155は先ず、像消失時間に従って仮想フレームの設定を行う(ステップk1)。続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影前動きデータおよび撮影後動きデータを用いて近似式を導出する(ステップk3)。続いて、撮影中移動量推定部155は、設定した仮想フレームのフレーム間移動量を、導出した近似式に従って近似して補間する(ステップk5)。そして、撮影中移動量推定部155は、補間した仮想フレームのフレーム間移動量の値を積算して撮影中移動量として算出する(ステップk7)。そして、図12のステップe25にリターンする。
次に、2点間推定処理について説明する。2点間推定処理は、上記したように、撮影前および撮影後の移動量変化の傾向がいずれも収束しておらず、且つ撮影前および撮影後の移動量変化の傾向が等速でもない場合に行われる。図35および図36は、2点間推定処理を説明する図である。具体的には、図35は、撮影前のパンニング方向が「左」、撮影後のパンニング方向が「右」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示し、図36は、パンニング方向が「右」の場合の撮影前後の移動量変化の一例を示している。2点間推定処理では、撮影処理の開始直前および撮影処理の終了直後に検出されたフレーム間移動量を用いて、撮影中移動量を推定する。例えば、図35の例では先ず、像消失時間に従って、撮影処理中のブラックアウトとなる区間に仮想フレームfv71,fv73を設定する。続いて、撮影処理の開始直前の1つのフレーム間移動量である撮影前切片P71の値と撮影処理の終了直後の1つのフレーム間移動量である撮影後切片P72の値とから、例えば近似直線G71を求める。そして、この近似直線G71に従って各仮想フレームfv71,fv73のフレーム間移動量P73,P74を補間し、各値の積算値を撮影中移動量とする。同様にして、図36の例では、撮影前切片P81と撮影後切片P82とから例えば近似直線G81を求める。そして、この近似直線G81に従って、像消失時間に従って設定した各仮想フレームfv81,fv83のフレーム間移動量P83,P84を補間する。
図37は、2点間推定処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。2点間推定処理では、撮影中移動量推定部155は先ず、像消失時間に従って仮想フレームの設定を行う(ステップl1)。続いて、撮影中移動量推定部155は、撮影前切片および撮影後切片の各値を用いて近似式を導出する(ステップl3)。続いて、撮影中移動量推定部155は、設定した仮想フレームのフレーム間移動量を、導出した近似式に従って近似して補間する(ステップl5)。そして、撮影中移動量推定部155は、補間した仮想フレームのフレーム間移動量の値を積算して撮影中移動量として算出する(ステップl7)。そして、図12のステップe27にリターンする。
以上説明したように、本実施の形態によれば、撮影処理の開始前の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定するとともに、撮影処理の終了後の所定数フレーム分のフレーム間移動量をもとにその移動量変化の傾向を判定し、収束パターンに分類された移動量変化を用い、像消失時間に従って撮影中移動量を推定することができる。また、等速パターンに分類された場合には、撮影前および撮影後の移動量変化を用い、像消失時間に従って撮影中移動量を推定することができる。これによれば、撮影処理中に生じるブラックアウト時の画像の移動量を推定できるので、ライブビュー画像の表示が一旦停止されてブラックアウトが生じる撮影処理中にカメラ本体2が動かされた場合であっても、画像移動量を精度良く算出することができるという効果を奏する。したがって、部分画像間の繋ぎ目を正しく検出することができ、部分画像を合成して違和感のない自然なパノラマ画像を生成することができる。
なお、上記した実施の形態では、パンニング操作をしながら撮影を行う2枚目以降の部分画像の撮影処理の後、撮影中移動量を算出する場合について説明したが、1枚目の撮影処理の後においても、2枚目以降の撮影処理の後と同様にして撮影中移動量の算出を行うようにしても構わない。
また、上記した実施の形態では、「右」または「左」のいずれかをパノラマ撮影方向とする場合について説明したが、左右以外の方向をパノラマ撮影方向とすることもできる。例えば、「上」または「下」をパノラマ撮影方向としたパノラマ撮影を行う場合には、図10に示した撮影方向判定処理において、積算移動量の垂直成分の絶対値を予め設定される所定の方向閾値と比較するように構成し、積算移動量の垂直成分の正負を判定して正の値であれば「上」、負の値であれば「下」としてパノラマ撮影方向を確定する。
1 デジタルカメラ
2 カメラ本体
11 撮像光学系
12 撮像素子
13 AFE
14 フレームメモリ
15 動き検出部
151 信頼性評価部
153 移動量変化判定部
155 撮影中移動量推定部
157 移動量更新部
16 画像処理部
17 記録媒体I/F
18 記録媒体保持部
19 記録媒体
20 ビデオエンコーダ
21 表示ドライバ
22 表示部
23 ビデオ信号出力端子
24 操作部
3 シャッターボタン
4 電源ボタン
25 RAM
26 ROM
27 コントローラ
271 撮影開始指示部
273 像消失時間計測部
2 カメラ本体
11 撮像光学系
12 撮像素子
13 AFE
14 フレームメモリ
15 動き検出部
151 信頼性評価部
153 移動量変化判定部
155 撮影中移動量推定部
157 移動量更新部
16 画像処理部
17 記録媒体I/F
18 記録媒体保持部
19 記録媒体
20 ビデオエンコーダ
21 表示ドライバ
22 表示部
23 ビデオ信号出力端子
24 操作部
3 シャッターボタン
4 電源ボタン
25 RAM
26 ROM
27 コントローラ
271 撮影開始指示部
273 像消失時間計測部
Claims (10)
- 被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部を備え、複数回の撮影処理を行って複数の撮影画像を生成する撮像装置であって、
前記撮像部によって撮像された前記画像データをライブビュー画像として連続表示する表示部と、
所定のフレーム毎に前記ライブビュー画像の移動量を検出する移動量検出部と、
前記撮影処理の際に、前記表示部への前記ライブビュー画像の表示が停止されてから前記撮影処理の終了後に表示が復帰するまでの時間を計測する時間計測部と、
前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定するとともに、前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定する移動量変化判定部と、
前記移動量変化判定部によって判定された前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向に応じて前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および/または前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記時間計測部によって計測された計測時間に従って、前記撮影処理中の画像移動量を推定する撮影中移動量推定部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記撮影処理の開始を指示する撮影開始指示部と、
前記撮影処理の後、前記移動量検出部によって検出される前記画像データの移動量に従って移動する移動マークと、該移動マークの移動目標位置を示す移動目標マークとを前記ライブビュー画像上に表示する制御を行う表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記撮影処理中の画像移動量をもとに前記移動マークの初期表示位置を設定し、
前記撮影開始指示部は、前記移動マークが前記移動目標位置に移動した時点で、次の撮影処理の開始を指示することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記移動量変化判定部は、前記撮影処理の開始前における前記移動量変化の傾向および終了後における前記移動量変化の傾向を、それぞれ少なくとも前記撮影処理中の装置本体の動きが停止または減速していることを示す収束パターンか否かに分類することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向がそれぞれ前記収束パターンに分類された場合に、前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記ライブビュー画像の移動量を補間することで前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記撮影処理の開始前または終了後のいずれか一方の前記移動量変化の傾向が前記収束パターンに分類された場合に、前記収束パターンに分類された前記撮影処理の開始前または前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することで前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記撮影中移動量推定部は、前記収束パターンに分類された前記撮影処理の開始前および/または終了後に検出された前記画像データの移動量変化をもとに近似式を導出し、該近似式に従って前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記撮影中移動量推定部は、前記近似式に従って補間した前記撮影処理中の前記画像データの移動量を所定の基準値と比較し、比較結果をもとに前記補間した前記撮影処理中の前記画像データの移動量を前記基準値で置き換えて前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
- 前記移動量変化判定部は、前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向が前記収束パターンではない場合に、前記各傾向をもとに、前記撮影処理中の装置本体の動きが等速であることを示す等速パターンか否かに分類し、
前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記等速パターンに分類された場合に、前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することで前記撮影処理中の画像移動量を推定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 前記撮影中移動量推定部は、前記移動量変化判定部によって前記等速パターンに分類されない場合に、前記撮影処理の開始直前に検出された1つの移動量および前記撮影処理の終了直後に検出された1つの移動量を用い、前記計測時間に従って、前記撮影処理中の前記画像データの移動量を補間することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
- 被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部を備え、複数回の撮影処理を行って複数の撮影画像を生成する撮像装置における撮像方法であって、
前記撮像部によって撮像された前記画像データをライブビュー画像として表示部に連続表示する表示ステップと、
所定のフレーム毎に前記ライブビュー画像の移動量を検出する移動量検出ステップと、
前記撮影処理時において、前記表示部への前記ライブビュー画像の表示が停止されてから前記撮影処理の終了後に表示が復帰するまでの時間を計測する時間計測ステップと、
前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定するとともに、前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化の傾向を判定する移動量変化判定ステップと、
前記移動量変化判定ステップで判定された前記撮影処理の開始前および終了後における前記移動量変化の各傾向に応じて前記撮影処理の開始前に検出された前記画像データの移動量変化および/または前記撮影処理の終了後に検出された前記画像データの移動量変化を用い、前記時間計測ステップで計測された計測時間に従って、前記撮影処理中の画像移動量を推定する撮影中移動量推定ステップと、
を含むことを特徴とする撮像装置における撮像方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008127284A JP2009278350A (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 撮像装置および撮像装置における撮像方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008127284A JP2009278350A (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 撮像装置および撮像装置における撮像方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009278350A true JP2009278350A (ja) | 2009-11-26 |
Family
ID=41443366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008127284A Pending JP2009278350A (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 撮像装置および撮像装置における撮像方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009278350A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011135463A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Canon Inc | 撮像装置及びその制御方法 |
JP2012189339A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-10-04 | Nagasaki Prefecture | 樹木水分ストレスの計測装置 |
US9621799B2 (en) | 2011-08-30 | 2017-04-11 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Imaging apparatus |
-
2008
- 2008-05-14 JP JP2008127284A patent/JP2009278350A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011135463A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Canon Inc | 撮像装置及びその制御方法 |
JP2012189339A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-10-04 | Nagasaki Prefecture | 樹木水分ストレスの計測装置 |
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