JP2009277496A - 誘導加熱装置および誘導加熱方法 - Google Patents

誘導加熱装置および誘導加熱方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009277496A
JP2009277496A JP2008127451A JP2008127451A JP2009277496A JP 2009277496 A JP2009277496 A JP 2009277496A JP 2008127451 A JP2008127451 A JP 2008127451A JP 2008127451 A JP2008127451 A JP 2008127451A JP 2009277496 A JP2009277496 A JP 2009277496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
conductors
heated
metal
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008127451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5053169B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Hirota
芳明 廣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2008127451A priority Critical patent/JP5053169B2/ja
Publication of JP2009277496A publication Critical patent/JP2009277496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5053169B2 publication Critical patent/JP5053169B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

【課題】誘導コイル内で一次電流の偏流のない誘導加熱装置および誘導加熱方法を提供する。
【解決手段】電源と、被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体および裏側コイル導体と、前記電源側にて当該3つ以上のコイル導体を表裏それぞれで連結する表側接続端子および裏側接続端子と、前記電源と前記表側接続端子とを接続する表側接続導体および前記裏側接続端子とを接続する裏側接続導体と、前記各表側コイル導体と各裏側コイル導体とを電源側とは反対側にてそれぞれ接続する3つ以上の表裏接続導体とを有し、且つ、前記3つ以上の表側コイル導体のうちの最も外側に配置された2つの表側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記3つ以上の裏側コイル導体のうちの最も外側に配置された裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続されていることを特徴とする誘導加熱装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄やアルミなどの金属の誘導加熱装置および誘導加熱方法に関する。特に、誘導コイル内の被加熱物の物性が加熱されることにより急激に変化することにより、誘導コイル内の一次電流が偏流を生じる場合や、誘導コイル形状を変えることなく被加熱物の特定の部位を集中的に加熱したい場合など、誘導コイル内を流れる一次電流の電流分布を制御し、被加熱物の加熱温度分布の制御が可能な誘導加熱装置および誘導加熱方法に関する。
金属の高周波電流による誘導加熱は、焼き入れをはじめとする熱処理の分野、金属を溶かすための分野や、家庭では料理のための道具として広く使われている。工業的には、鋼板やアルミ板などの鉄、非鉄の薄板の製造過程で材質を制御する目的で、加熱速度をあげて、生産性を向上させたりする目的や、鋳造等における金属の溶解などに使用されてきている。
誘導加熱方法のひとつとして、金属の周囲を囲んだ誘導コイルに高周波電流を流し(一次電流とも言う)、発生した磁束を金属の長手方向に貫通させ、金属の断面内に誘導電流を発生させ加熱するいわゆるLF(Longitudinal Flux)誘導加熱方法がある(たとえば、特許文献1参照)。この誘導加熱は、装置が単純で通常加熱温度分布の均一性が良く、広く使われてきている。
しかしながら、この誘導加熱方法においては、被加熱金属の断面内に発生する誘導電流は、誘導コイルを流れる一次電流と逆向きの方向に発生し、被加熱金属の断面内を循環するため、電流浸透深さの関係から、金属の厚みが厚い場合にはあまり問題は生じないが、被加熱金属が板状で板厚が薄い場合には、電源の周波数を高くし電流浸透深さを浅くしなければ、誘導電流が被加熱金属の断面内で打消し合い加熱できない。更に、非磁性材や、磁性材でもキュリー点温度を超え非磁性域にあるものも、電流の浸透深さが深くなるため板厚の薄いものは加熱ができないという問題があった。
特に、鉄など常温で磁性のある薄い板材料を加熱する場合には、磁性域では加熱できたものが、温度が高くなり、キュリー点近傍になるとパワーが入りにくくなり、キュリー点以上では全くパワーが入らなくなり、それ以上の温度に加熱できなくなるという問題もあった。
実開平02-37254号公報 特開2005-209608号公報 特開2007-95651号公報
そのため、本発明者は、特許文献2や特許文献3において、誘導コイルにおける表側コイル導体と裏側コイル導体を被加熱金属板の進行方向でずらして配置することで、誘導電流を、被加熱金属板の垂直断面(幅方向断面)において周回通電するように発生させるのではなく、金属板の水平断面において周回通電するように発生させて、板厚の薄いものであっても、また、キュリー点温度以上であっても、更にまた、非磁性材であっても、誘導加熱できる誘導加熱装置および誘導加熱方法を提示してきた。ところが、表側コイル導体と裏側コイル導体とをずらして配置した場合、各導体内において、一次電流に偏流が生じてしまい、狙いの温度分布にならず、導体が局部的に異常発熱するなどの問題が生じる場合があることが判ってきた。
誘導コイル内で一次電流が偏流を生じるのは、被加熱金属に発生する誘導電流と被加熱金属との間でインピーダンスを最小化しようとすることにより起こる。たとえば、上記のように誘導コイルを被加熱金属板の長手方向でずらして配置する場合には、表裏のずらした誘導コイルには互いに逆向きの一次電流が流れることから、一次電流は、表裏誘導コイルで囲まれる空間のインピーダンスを下げるように表裏誘導コイルの導体同士が近づく側に寄って偏流する。
また、通常のLF式加熱の場合でも、被加熱金属のライン速度が速く加熱時間を確保するために被加熱金属の進行方向に誘導コイル長を長くしなければならないような場合には、一次電流は、誘導コイルの幅全体に流れるよりは、装置構成や誘導電流の生じやすさ等の影響によって、ある範囲で集中して流れた方が流れやすくなることがあり、偏流が発生する。特に、たとえば鋼板のような磁性材をキュリー点近辺まで通板しながら誘導加熱する際には、鋼板温度が上昇しキュリー点に近づくと、数百あった鋼板の比透磁率が大きく減少して1に近づくため、透磁率の大きい低温側に先ずは誘導電流が流れようとして鋼板の上流側に一次電流が集中し、このような場合には更に顕著に一次電流の偏流が生じやすい。
たとえば、図17は誘導コイルが進行方向に長いLF式誘導加熱で薄鋼板のような磁性材を低温からキュリー点近傍まで加熱する場合の鋼板の発熱分布(電流の2乗に比例)を模擬したコンター図(黒いほど発熱が大きく(電流が多く流れ)、白くなるほど発熱が小さい(電流が少なくなる))を示すが、低温側(図17の左側)は比透磁率が大きく磁束が入りやすいため発熱量も大きく、図中では濃い色の分布になるが、高温になるにつれて比透磁率が低下するとともに抵抗値も大きくなるため電流の浸透深さが深くなり、鋼板には誘導電流が流れにくくなり、磁性を失うキュリー点(730〜750℃前後)では板厚が薄いとほとんど流れなくなり白くなってしまう。すなわち、誘導コイルに流れる一次電流も低温側の方に多く流れ偏流する場合があることを示す。
誘導コイル内に生じる偏電流に対しては、偏電流の影響が出ない程度に誘導コイル幅を狭くしたり(偏電流が生じていてもその影響が殆ど無い位に誘導コイル幅を狭くしたり)、誘導コイルを多段にして、個別に電源を持たせて独立させる位しか解消策はなく、その効果は限定的で、特に有効な解決手段は無かった。
本発明は、本発明者が発明した、特許文献2や3に記載の誘導加熱で問題となることがあった誘導コイル内で生じる一次電流の偏電流の問題を解決し、更に、従来のLF方式加熱の場合でも誘導コイル内で生じる一次電流の偏電流の問題を解決するもので、特別な装置を必要とせず、前記一次電流の偏電流を解消し、所望の加熱速度、加熱温度分布が得られ、誘導コイルの局部的な発熱や溶損を回避し安定した誘導加熱のできる誘導加熱装置・加熱方法を提供する。
発明者等は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、誘導コイル導体が1T(ターン)の場合(例えば、図3や、図7・図8の場合)に生じる一次電流のコイル導体内での偏流を抑制するためには、表側と裏側それぞれの側のコイル導体を3つ以上のコイル導体に分割し、それを並列に配置すると共に、分割した表側のコイル導体のうち、一次電流の偏流によって多く流れようとするコイル導体から、分割した裏側のコイル導体のうち、一次電流の偏流によって少なく流れようとするコイル導体に接続することで(言い換えると、分割された表側のコイル導体における一次電流が多く流れようとするコイル導体から、分割された裏側のコイル導体における一次電流が多く流れようとするコイル導体への接続を避けることで)、解決できることを見出した(例えば、図1や、図9・図10)。
また、誘導コイル導体が2T以上の場合に生じる一次電流のコイル導体内での偏流を抑制するためには、当該誘導コイル導体を、被加熱金属の表側と裏側の1対として捉え、表側と裏側それぞれの側のコイル導体を3つ以上にし、表側と裏側のコイル導体それぞれを、電源が存在する側で全て束ねて並列化し、電源と反対側においては、複数の表側のコイル導体のうち、一次電流の偏流によって多く流れようとするコイル導体から、複数の裏側のコイル導体のうち、一次電流の偏流によって少なく流れようとするコイル導体に接続することで(言い換えると、複数の表側のコイル導体における一次電流が多く流れようとするコイル導体から、複数の裏側のコイル導体における一次電流が多く流れようとするコイル導体への接続を避けることで)、解決できることを見出した(例えば、図2(b)→図2(a)への変更)。
なお、上記3つ以上に分割した表側および裏側のコイル導体、又は、複数の表側および裏側のコイル導体のうち、一次電流の偏流によって一次電流が多く流れようとするコイル導体は、(a)表側と裏側のコイル導体をそれぞれ前記被加熱金属へ垂直投影した際の垂直投影像において、表側導体と裏側導体が被加熱金属の長手方向(または、被加熱金属が移動する場合は、その進行方向)にずらされて配置されている場合(例えば、図1の場合)は、表側と裏側のコイル導体のうち、互いに最も近いコイル導体(図1においては、5d、7a)となり、(b)表側と裏側のコイル導体をそれぞれ前記被加熱金属へ垂直投影した際の垂直投影像において、表側と裏側のコイル導体が重なるように配置されている場合(例えば、図9の場合)は、表側と裏側のコイル導体のうち、共に、被加熱金属の最も上流側のコイル導体(図9においては、10r)となる(特に、キュリー点近傍まで加熱した場合)ことが、検討の結果、判った。
本発明は、上記知見により成すに至ったものである。
本発明の要旨は下記の通りである。
(1)周回する誘導コイルに電流を通電し、前記誘導コイルの内側に配置した被加熱金属の内部に誘導電流を誘起して、前記被加熱金属を誘導加熱する装置であって、
電源と、前記被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体と、前記被加熱金属の裏側に並列配置された3つ以上の裏側コイル導体と、前記表側コイル導体の端部に設けられて前記電源側にて前記3つ以上の表側コイル導体を連結する表側接続端子と、前記裏側コイル導体の端部に設けられて前記電源側にて前記3つ以上の裏側コイル導体を連結する裏側接続端子と、前記電源と前記表側接続端子とを接続する表側接続導体と、前記電源と前記裏側接続端子とを接続する裏側接続導体と、前記各表側コイル導体と前記各裏側コイル導体とを前記電源側とは反対側にてそれぞれを接続する3つ以上の表裏接続導体とを有し、
且つ、前記表側コイル導体のうち最も外側に配置された2つの表側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記裏側コイル導体のうち最も外側に配置された裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続され、更に、前記裏側コイル導体のうち最も外側に配置された2つの裏側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記表側コイル導体のうち最も外側に配置された表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることを特徴とする誘導加熱装置。
(2)前記被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体と、前記被加熱金属の裏側に並列配置された3つ以上の裏側コイル導体は、前記両コイル導体をそれぞれ前記被加熱金属へ垂直投影した際の垂直投影像において、少なくとも前記被加熱金属の幅方向の中央部では、前記被加熱金属の長手方向にずれるように、配置されていることを特徴とする(1)に記載の誘導加熱装置。
(3)前記3つ以上の表側コイル導体における最も外側に配置された2つの表側コイル導体のうち前記裏側コイル導体に近い側の表側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記3つ以上の裏側コイル導体における最も外側に配置された2つの裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続され、
更に、前記最も外側に配置された2つの裏側コイル導体のうち、前記表側コイル導体に近い側の裏側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記表側コイル導体における最も外側に配置された表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることを特徴とする(2)に記載の誘導加熱装置。
(4)前記被加熱金属が前記周回する誘導コイルの内側を通過しながら加熱される誘導加熱装置であって、前記被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体と、前記被加熱金属の裏側に並列配置された3つ以上の裏側コイル導体は、前記両コイル導体をそれぞれ前記被加熱金属へ垂直投影した際の垂直投影像において、一部または全部が重なるように配置され、
且つ、前記最も外側に配置された2つの表側コイル導体のうち、被加熱金属の進行方向の上流側に近い側の表側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記裏側コイル導体のうちの最も外側に配置された2つの裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続され、
更に、前記最も外側に配置された2つの裏側コイル導体のうち、被加熱金属の進行方向の上流側に近い側の裏側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記表側コイル導体のうちの最も外側に配置された2つの表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることを特徴とする(1)に記載の誘導加熱装置。
(5)前記3つ以上の表裏接続導体のそれぞれが、前記3つ以上の表側コイル導体のそれぞれ、及び、前記3つ以上の裏側コイル導体のそれぞれとの接続位置を変更できることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
(6)(5)に記載の誘導加熱装置を用いた誘導加熱方法であって、前記誘導コイルに電流を通電し、前記表側コイル導体のそれぞれに同相の電流を通電すると共に、前記裏側コイル導体のそれぞれに同相の電流を通電し、
更に、前記表裏接続導体のそれぞれが、前記表側コイル導体のそれぞれ、及び、前記裏側コイル導体のそれぞれとの接続位置を変更することにより前記表側コイル導体および前記裏側コイル導体の電流の分布を変更して、前記被加熱物の温度分布を制御することを特徴とする誘導加熱方法。
本発明による誘導加熱装置は、誘導コイル内の一次電流の偏流を防止し、設計した通りの電流分布で被加熱金属を加熱することができる。
そのため、被加熱金属長手方向(または、被加熱金属が移動する場合は、その進行方向)に広く設置した誘導コイルであっても、電流分布の偏析を抑制することができるため、誘導コイル内の昇温速度を同一にすることができる。また特定の部分に電流を集中させることもできるため、特定の温度域の加熱速度を上げたり、あるいは下げたりすることが可能となる。
更に、誘導コイルの特定の部位へ流れる一次電流の電流集中を防止することができることから、誘導コイルの焼損が避けられ、設備トラブルのない安定した操業が可能になる。
また、本発明の誘導加熱装置は、高速で走行する磁性材被加熱金属をキュリー点近傍で加熱する場合でも、誘導コイルを独立させて設ける必要も無くなり、電源・誘導コイル数の削減、誘導コイルと誘導コイルとの相互干渉を避けるためのスペースも不要となり、設備費も安価にすることができる。
本発明は、周回する誘導コイルに電流を通電し、前記誘導コイルの内側に配置した被加熱金属の内部に誘導電流を誘起して、前記被加熱金属を誘導加熱する装置であって、
電源と、前記被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体と、前記被加熱金属の裏側に並列配置された3つ以上の裏側コイル導体と、前記表側コイル導体の端部に設けられて前記電源側にて前記3つ以上の表側コイル導体を連結する表側接続端子と、前記裏側コイル導体の端部に設けられて前記電源側にて前記3つ以上の裏側コイル導体を連結する裏側接続端子と、前記電源と前記表側接続端子とを接続する表側接続導体と、前記電源と前記裏側接続端子とを接続する裏側接続導体と、前記各表側コイル導体と前記各裏側コイル導体とを前記電源側とは反対側にてそれぞれを接続する3つ以上の表裏接続導体とを有し、且つ、前記表側コイル導体のうち最も外側に配置された2つの表側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記裏側コイル導体のうち最も外側に配置された裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続され、更に、前記裏側コイル導体のうち最も外側に配置された2つの裏側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記表側コイル導体のうち最も外側に配置された表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることを特徴とするものである。
ここで、表側、裏側というのは、一方の側と、それに相対する側という意味であり、例えば、被加熱金属が板状である場合は、通常は、当該金属板の上下面を地面と並行に配置する場合には、表側とは天側のことであり、裏側とは地面側のことである。
また、並列配置とは、並べて配置することであり、隣り合うコイル導体の長手方向を揃えて配置することである。例えば、被加熱金属が板状の場合、当該金属板の面に平行で、且つ、当該金属板の長手方向に表側および裏側のコイル導体が並んで配置されることである。
更に、表側コイル導体と裏側コイル導体とが同数の場合は、前記並列配置された3つ以上の表側コイル導体のうちの最も外側に配置された2つの表側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記並列配置された3つ以上の裏側コイル導体のうちの最も外側に配置された裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と、接続されていれば、必然的に、前記並列配置された3つ以上の裏側コイル導体のうちの最も外側に配置された2つの裏側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記並列配置された3つ以上の表側コイル導体のうちの最も外側に配置された表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることとなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の誘導加熱装置の1例を示す平面模式図であり、矢印方向に移動する被加熱金属1に対し分割した誘導コイル5a,5b,5c,5dを被加熱金属1の表側に配置し、被加熱金属の進行方向に対しずらして被加熱金属1の裏側に誘導コイル7a,7b,7c,7dを配置したものである。図2(a),(b)は、図1の誘導加熱装置の側面図で、被加熱金属1の表側誘導コイルと裏側誘導コイルの接続状態の例を示す模式図である。
以下の本発明の説明で用いる誘導コイルとは、電気良導体で構成されるパイプ、線材、板などで被加熱金属を1周以上巻いたことにより形成されるコイルの総称として用い、被加熱金属を囲む形状は矩形でも円形でも特に規定するものではない。導体の材質は、銅やアルミ等の電気伝導性が良好な材質が好ましい。また、被加熱金属1は、移動する帯板で説明するが、移動はしても、またしなくても構わないし、形状も帯状である必要もなく、金属などの電磁誘導される導電材であれば材質も形状も問わない。
ただ、表側および裏側コイル導体内での偏流を防止することが目的であるので、表側および裏側コイル導体は、できる限り、板状であれば幅が狭い方が、棒状であれば直径が小さいほうが好ましい。
図3は、特許文献2に記載の誘導加熱装置を示しており、被加熱金属1の表裏にコイル導体が分割されず1枚の導体5および7を配置して誘導コイルを構成した場合を示している。この場合、一次電流は、電源2→表側接続導体3a→端子4a→表側コイル導体5→表裏接続導体6→裏側コイル導体7→端子4b→裏側接続導体3b→電源2という経路で流れる。
すると、図4の側断面図(図3のA−A断面)に示すように、被加熱金属1には斜めに磁束8が貫通し、その磁束により図5に示すように被加熱金属1には誘導電流9が発生する。図5は、わかりやすくするためコイル導体を点線で示し、被加熱金属1に発生する誘導電流9の流れる範囲を塗りつぶしている。
コイル導体5と7とは被加熱金属1の進行方向にずれて配置しているため、コイル導体5と7とで発生した誘導電流は干渉することがないため、板厚が薄くても独立して電流が発生し、被加熱金属1全体では、図5に示す様な環状の誘導電流9が発生し、被加熱金属1が薄い場合や非磁性材の場合であっても被加熱金属1を加熱することが可能になる。
ところが、誘導コイルに流れる一次電流は、高周波電流であるため周回する電流で囲まれる空間のインピーダンスが最小になるように、表裏コイル導体内の互いが近接する側、すなわちずらした表側と裏側コイル導体が内側に向かい合う部分に寄るように偏流する。したがって、被加熱金属1に発生する誘導電流9は、図5に模式的に示すように、表裏の誘導コイル5と7を流れる一次電流と同様に、表側コイル導体と裏側コイル導体が内側に向かい合う部分に電流が寄せられるように流れようとする。
一次電流の偏流が生じると、大きく2つの問題が生じる。ひとつは、被加熱金属の長手方向(または進行方向)の加熱時間、温度分布を考えてコイル導体の幅を設計しても偏流により誘導電流が有効に使われる領域が減り、想定した温度分布が得られないという問題であり、もうひとつは、一次電流がコイル導体を均等に流れず、局所的に過大な電流が流れることにより、誘導コイルが局部的に発熱し、コイル導体の変形が生じたり、ひどい場合には溶損などの重大な設備トラブルが発生するという問題である。
そこで本発明では、図1に示す様に誘導コイルの内側に配置される(または誘導コイルの内側を通過する)被加熱金属1の表側と裏側の誘導コイルを複数のコイル導体で構成する。言いかえれば、図3に示す1枚の導体で構成される表側および裏側コイル導体を3つ以上の(図1では4つの)コイル導体に分割したものである。構成するコイル導体5a、5b、5c、5d(表側)および7a,7b,7c,7d(裏側)を、それぞれ該被加熱金属1へ垂直投影した際に、表側と裏側の該導体の垂直投影像が、被加熱金属1の長手方向に対して互いにずれるように配置する。 電源2から出た1次電流は、表側接続導体3a、表側接続端子4aを通り、4つに分けられた表側コイル導体5a,5b,5c,5dから各々表裏接続導体6a、6b、6c、6dを通り裏側コイル導体7b、7a、7d、7cから裏側接続端子4b、裏側接続導体3bを経て電源2に戻るように流れる。
表裏のコイル導体は、ずれて配置しているため前述の通り図2(a)に示すように斜めの磁束が発生し、被加熱金属1には図6に示すような誘導電流9が発生する。
前述のように、一次電流はインピーダンスを小さくしようとするため、表側のコイル導体と裏側のコイル導体の近い方のコイル導体から順に電流が多く流れようとする。すなわち、本発明では上述のように表裏のコイル導体を被加熱金属1の進行方向で分割しているため、各々の導体には独立して電流が流れるが、インピーダンスに応じ表側コイル導体では、5d,5c,5b,5aの順で(5d>>5c>5b>5a)、また裏側コイル導体では7a、7b、7c、7dの順で(7a>>7b>7c>7d)電流が多く流れようとする。図2(b)は、表裏誘導コイルの端部を最短で接続し、そのままずらした形であるが、この場合一次電流は、被加熱金属1にずらして配置した表裏誘導コイルが一番接近する表側のコイル導体5dと裏側のコイル導体7aに最大の電流が流れようとする。
しかし、表側のコイル導体5dに流れた一次電流は、接続導体6dを介し裏側のコイル導体7dに流れ、裏側のコイル導体7aに流れる一次電流は接続導体6aを介し表側のコイル導体5aに流れる。結果として、表裏誘導コイルの金属板長手方向の両端部側に配置したコイル導体(図1では、5a、5d,7a、7d)に電流が多く流れ、その間の挟まれた導体(図1では5b、5c、7b、7c)には少ない電流が流れることになる。すなわち、図2(b)では表裏面のコイル導体の位置関係から5a、5d,7a、7dはほぼ同じ電流が流れ、5b、5c、7b、7cは前者よりは少ない量で同じ電流が流れることになる。
そこで、本発明ではこの分配された一次電流を制御するため、被加熱金属1の表側と裏側に配置したコイル導体の接続を変える。すなわち、図2(a)に示すように、表側と裏側のコイル導体を接続する導体の順序を変えると裏側、表側の導体を流れる電流の分布を変えられることになる。図2(b)のように接続した場合に表裏誘導コイル両端部に偏流する一次電流を、均等に分配するためには、端部を多く流れる一次電流を、一次電流が流れにくい中央側のコイル導体に流すことにより、電流分配が平均化される。すなわち、図2(a)に示すように表側端部のコイル導体5aと裏側中央のコイル導体7b、コイル導体5bとコイル導体7a、コイル導体5cとコイル導体7d、コイル導体5dとコイル導体7cとを接続すると、表側コイル導体裏側コイル導体に平均化した一次電流が流れる様になる。
一次電流が平均化すると、図6に示すように被加熱金属1の誘導電流は、コイル導体の幅一杯に広がるような分布になり、局部的なコイル導体の発熱も無くなる。コイル導体数が多い場合には、各々のコイル導体の一次電流を電流センサなどで直接測定し平均化するように表裏コイル導体の接続を変えれば良い。直接電流が測定できない場合には、コイル導体が水冷銅管などで構成されていれば、導体の発熱量が流れている電流の2乗にほぼ比例することから冷却水の流量と通電時の冷却水の昇温量から間接的に電流量の分布を推定することも可能であり、平均化するように表裏コイル導体の接続を変えればよい。
上記は、誘導コイルをずらす特別な例であるが、その他に図7、8に示すような誘導コイル10の中を被加熱金属1が通って加熱される一般的なLF式誘導加熱装置でも誘導コイル内で一次電流が偏流する場合がある。図7は、LF式誘導加熱装置で被加熱金属を加熱する場合の平面模式図である。被加熱金属1として鋼板のような磁性材をキュリー点近傍まで加熱する場合、誘導コイル10の幅が被加熱金属の進行方向に長いと、誘導コイルの入り側から出側まで一次電流はコイル導体の幅方向(被加熱金属の進行方向)に均等には流れず、入り側の方に偏る場合がある。これは、キュリー点以降では鋼板の比透磁率は1になるが、キュリー点より低い温度域では比透磁率は数百あり、磁束が流れやすい低温側に集中し易いことと、例えば図8に示すように、接続端子4a,4bが被加熱金属1の長手方向に長く、電源2からの接続導体が誘導コイル10の入り側寄りに接続されたような場合、一次電流は、誘導コイル10の入り側に近い部分に偏って流れる。
この場合には、先に説明したように、たとえば図9のように誘導コイルを被加熱金属の進行方向で複数に分割し、図10のように誘導コイルの入り側と出側を流れる電流を、被加熱金属1の表裏で順番が異なるように、接続を変えればよい。なお、図9において、図の左側が電源と接続される側で、表側コイル導体10a〜10rの端部は、表側接続端子に接続されており、図の右側には表側接続端子は無く、表側コイル導体10a〜10rのそれぞれが、裏側コイル導体(12a〜12r)のそれぞれと表裏接続導体(11a〜11r)を介して接続されている。図10は、図9のA−A側から見た側面模式図であるが、ここでは、誘導コイル入り側表のコイル導体10rを裏側中央のコイル導体12iに、10qを12hにと順番に接続し,表裏の誘導コイルで被加熱金属進行方向で一次電流の流れる場所を変えてゆくことにより、被加熱金属の進行方向に長いコイルを設置しなければならない場合でも、長手方向に均等に一次電流を流すことが可能になる。 これは、従来技術である独立した複数の電源と誘導コイルのセットを被加熱金属の長手方向に並列させて複数持たせなければならなかった場合のように、設備コストが高くなるとともに、誘導コイル間の相互干渉による電源の発振トラブルを避けるため、誘導コイル間広く開けて設置したり、干渉防止のシールド板を設置したりといった設置スペースの増大、相互干渉対策を必要とする場合と比べて、構成がシンプルでコスト的にもスペース的にも効果的な方法である。
上記説明は、コイル導体とコイル導体とを接続する接続導体の順番を変えることで一次電流の偏流を制御する例を示してきたが、図11に示すように表側コイル導体あるいは裏側コイル導体そのものの流れを変えるようにしても良い。
上記説明は、誘導コイルを流れる誘導電流を均等に分配する方法について述べたが、逆に特定の部位に電流を集中させることも可能であり、特定の温度域を特定の加熱速度で加熱しなければならない場合などに有効である。
上記説明で明らかなように、本発明は通常困難な誘導コイル内の一次電流の制御を容易にし、誘導コイル内で一次電流の偏流が生じるような場合でも均等に電流分配が可能であり、設計した意図通りにコイル電流を流すことができることから、加熱温度分布制御が容易になるとともに、特定の部位に電流が集中することが防げ、誘導コイルの変形や焼損などの設備トラブルを防止することができる。また、複数の誘導コイルがある場合でも誘導コイル間の電流分配を均等にすることが可能となり、独立した電源の使用による設備コストの増加、使用スペースの増大等を避けることが可能になる。
更に、分割するコイル導体が銅管などのように中に冷却水が流せる構造であれば、各々のコイル導体は確実に冷却されることから、冷却むらによるコイル導体の発熱などの設備トラブルが起き難くなり、安定して稼動させることができる。
(実施例1)
本発明の効果を確認するため、0.6mm厚×800mm幅のSUS304板を静止状態で500℃まで加熱する実験を行った。
使用した電源は、10kHz、max100kWの高周波電源で、誘導コイルに合わせコンデンサの容量を増減し、整合をとるようにした。誘導コイルは図12の形状とし、誘導コイルを構成するそれぞれの導体は水冷銅管製とし、表側および裏側コイル導体を幅100mmとなるように並べ、被加熱金属と表側および裏側コイル導体とのギャップを100mmとし、鋼板の表裏面中央で200mmずらすとともに、傾斜する表側および裏側コイル導体は両端エッジにα=30°で向かわせるようにした。
はじめに、外径10mmの銅管6本を等間隔に配置して幅100mmとし、端部での上下誘導コイルの接続を図13のように幅方向で順番を入れ替えた本発明による「発明例1」、発明例1と同様に、外径10mmの銅管で誘導コイルを形成するが、図14のように表側コイル導体と裏側コイル導体の面する側どおしを接続(図14の14aと15fを接続)し、電流を一部に集中させようとした本発明による「発明例2」、比較例として、図15のように幅方向で上下の誘導コイルの順番を入れ替えなかった「比較例1」、誘導コイルを複数に分けた銅管ではなく、10mmの1枚の銅板で製作した「比較例2」について、誘導コイルを流れる一次電流の分布を評価した。
一次電流は、発明例1および比較例1については、誘導コイルを構成する銅管に水を流し、水の流量とその昇温量から一次電流の分布を求めた。また、鋼板の温度は、赤外線の熱画像解析装置で観察した。比較例2については、誘導コイルの冷却を行わず、誘導コイルの最高温度が300℃を超えないように誘導コイルの表面温度を赤外線の熱画像解析装置で測定し、温度分布からおおよその誘導コイル内の電流分布を推定した。
結果を表1に示す。電流は、冷却水の水温上昇量と冷却水量から、銅管の発熱量を求め、発熱量が電流の2乗に比例することから算出した。発明例1では、誘導コイル内の電流分布は、ほぼ均一に流れ、発明例2は表裏誘導コイルの近い側に電流が集中して流れ、比較例1では誘導コイル両端部に多く流れる電流分布となり、一次電流を均等にも、また分布を持たせる制御もできることを確認した。一方、誘導コイルを分割せず1枚の銅板で作成した比較例2では、熱伝導の影響もあるため正確ではないがおおよそ誘導コイル幅の60mmより内側(裏側誘導コイルに近い側)が昇温し、一次電流が偏流していることが確認した。
また、鋼板は加熱され酸化により変色することから、加熱範囲がわかるが、発明例、比較例ともに、一次電流に応じて加熱されていることが確認された。
(実施例2)
幅200mm、板厚0.4mmの普通鋼板をガスバーナーで700℃まで加熱したのち、長手方向に板厚5mm、幅150mmの水冷銅板4枚を、図9のような形状にて表側コイル導体を4つ、裏側コイル導体を4つ配置し、隙間10mmで表裏が同じ位置にくるように並べ、表裏銅板を図16のように表裏接続導体で接続し走行しながら加熱を行った(発明例3)。比較例として0.6m幅1枚の水冷銅板で製作した誘導コイルによるLF式誘導加熱装置により加熱を行った(比較例3)。どちらも鋼板とのギャップは100mmで10kHzで加熱した。実験は、鋼板中央にK熱電対を溶着し、ライン速度5mpmで行った。
その結果、本発明による発明例3では、誘導コイルの幅全体を使用して700℃から740℃に加熱されたが、比較例3の場合には、誘導コイルの入り側から1/3前後入った所で740℃まで加熱されてしまい、電流が偏よっていることが分かった。コイル導体の入り側から1/3の部分には、発明例3と比べて、平均的に流れる電流の3倍の電流が流れることになる。コイル導体の発熱量は電流の2乗に比例するので、この部分の発熱量は発明例3のそれの9倍となる。発熱量が多い場合、場合によってはコイル導体の変形や溶損などの可能性があり、設備保全上問題となる。
本発明による分割したコイル導体からなる誘導加熱装置を示す平面模式図である。 (a)は図1のA-A断面の表裏コイル導体の接続の仕方示す側面模式図で表裏のコイル導体を交差して接続した例である。(b)は図1のA-A断面の表裏コイル導体の接続の仕方示す側面模式図で表裏のコイル導体を交差させずに接続した例である。 従来の1枚の導体からなる誘導コイルの平面模式図である。 図3のA-A断面の表裏コイル導体の接続の仕方示す側面模式図である。 図3の誘導加熱で被加熱金属に発生する誘導電流を説明する平面模式図である。 図1の誘導加熱で被加熱金属に発生する誘導電流を説明する平面模式図である。 従来のLF式誘導加熱示す平面模式図である。 図7の側面模式図である。 本発明による分割したコイル導体からなる誘導加熱装置例を示す平面模式図である。 図9のA-A断面の表裏コイル導体の接続の仕方示す側面模式図である。 本発明によるコイル導体の順番変更による偏電流防止を説明する平面模式図である。 (実施例1)の誘導コイル形状を示す、平面模式図である。 (実施例1)の本発明による端部コイル導体の接続例を説明する側面模式図である。 (実施例1)の本発明による端部コイル導体の接続例を説明する側面模式図である。 (実施例1)の本発明による端部コイル導体の接続例を説明する側面模式図である。 (実施例2)の本発明による端部コイル導体の接続例を説明する側面模式図である。 LF式誘導加熱で誘導電流が偏流するときの発熱分布を説明する平面コンター図である。
符号の説明
1 被加熱金属(被加熱金属)
2 電源
3a 表側接続導体
3b 裏側接続導体
4a 表側接続端子
4b 裏側接続端子
5 コイル導体
5a、5b、5c、5d 表側コイル導体
6a、6b、6c、6d 表裏接続導体
7 コイル導体
7a、7b、7c、7d 裏側コイル導体
8 磁束
9 被加熱金属に発生する誘導電流
10 誘導コイル
10a〜10r 表側コイル導体
11a〜11r 表裏接続導体
12a〜12r 裏側コイル導体
13 電源
14 表側コイル導体
14a〜14f 表側コイル導体
15 裏側コイル導体
15a〜15f 裏側コイル導体
16a〜16r 表裏接続導体

Claims (6)

  1. 周回する誘導コイルに電流を通電し、前記誘導コイルの内側に配置した被加熱金属の内部に誘導電流を誘起して、前記被加熱金属を誘導加熱する装置であって、
    電源と、前記被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体と、前記被加熱金属の裏側に並列配置された3つ以上の裏側コイル導体と、前記表側コイル導体の端部に設けられて前記電源側にて前記3つ以上の表側コイル導体を連結する表側接続端子と、前記裏側コイル導体の端部に設けられて前記電源側にて前記3つ以上の裏側コイル導体を連結する裏側接続端子と、前記電源と前記表側接続端子とを接続する表側接続導体と、前記電源と前記裏側接続端子とを接続する裏側接続導体と、前記各表側コイル導体と前記各裏側コイル導体とを前記電源側とは反対側にてそれぞれを接続する3つ以上の表裏接続導体とを有し、
    且つ、前記表側コイル導体のうち最も外側に配置された2つの表側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記裏側コイル導体のうち最も外側に配置された裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続され、更に、前記裏側コイル導体のうち最も外側に配置された2つの裏側コイル導体の少なくともいずれかは、前記表裏接続導体を介して、前記表側コイル導体のうち最も外側に配置された表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体と、前記被加熱金属の裏側に並列配置された3つ以上の裏側コイル導体は、前記両コイル導体をそれぞれ前記被加熱金属へ垂直投影した際の垂直投影像において、少なくとも前記被加熱金属の幅方向の中央部では、前記被加熱金属の長手方向にずれるように、配置されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記3つ以上の表側コイル導体における最も外側に配置された2つの表側コイル導体のうち前記裏側コイル導体に近い側の表側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記3つ以上の裏側コイル導体における最も外側に配置された2つの裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続され、
    更に、前記最も外側に配置された2つの裏側コイル導体のうち、前記表側コイル導体に近い側の裏側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記表側コイル導体における最も外側に配置された表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記被加熱金属が前記周回する誘導コイルの内側を通過しながら加熱される誘導加熱装置であって、前記被加熱金属の表側に並列配置された3つ以上の表側コイル導体と、前記被加熱金属の裏側に並列配置された3つ以上の裏側コイル導体は、前記両コイル導体をそれぞれ前記被加熱金属へ垂直投影した際の垂直投影像において、一部または全部が重なるように配置され、
    且つ、前記最も外側に配置された2つの表側コイル導体のうち、被加熱金属の進行方向の上流側に近い側の表側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記裏側コイル導体のうちの最も外側に配置された2つの裏側コイル導体以外の裏側コイル導体と接続され、
    更に、前記最も外側に配置された2つの裏側コイル導体のうち、被加熱金属の進行方向の上流側に近い側の裏側コイル導体が、前記表裏接続導体を介して、前記表側コイル導体のうちの最も外側に配置された2つの表側コイル導体以外の表側コイル導体と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  5. 前記3つ以上の表裏接続導体のそれぞれが、前記3つ以上の表側コイル導体のそれぞれ、及び、前記3つ以上の裏側コイル導体のそれぞれとの接続位置を変更できることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 請求項5に記載の誘導加熱装置を用いた誘導加熱方法であって、前記誘導コイルに電流を通電し、前記表側コイル導体のそれぞれに同相の電流を通電すると共に、前記裏側コイル導体のそれぞれに同相の電流を通電し、
    更に、前記表裏接続導体のそれぞれが、前記表側コイル導体のそれぞれ、及び、前記裏側コイル導体のそれぞれとの接続位置を変更することにより前記表側コイル導体および前記裏側コイル導体の電流の分布を変更して、前記被加熱物の温度分布を制御することを特徴とする誘導加熱方法。
JP2008127451A 2008-05-14 2008-05-14 誘導加熱装置および誘導加熱方法 Expired - Fee Related JP5053169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008127451A JP5053169B2 (ja) 2008-05-14 2008-05-14 誘導加熱装置および誘導加熱方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008127451A JP5053169B2 (ja) 2008-05-14 2008-05-14 誘導加熱装置および誘導加熱方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009277496A true JP2009277496A (ja) 2009-11-26
JP5053169B2 JP5053169B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=41442739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008127451A Expired - Fee Related JP5053169B2 (ja) 2008-05-14 2008-05-14 誘導加熱装置および誘導加熱方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5053169B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016167439A1 (ko) * 2015-04-16 2016-10-20 주식회사 포스코 유도 가열 장치용 코일 어셈블리 및 이를 포함하는 유도 가열 장치
KR102352267B1 (ko) * 2020-10-20 2022-01-17 카토즈 주식회사 유도 가열에 의한 선박용 후판 예열 및 가열 장치
KR102357035B1 (ko) * 2020-10-20 2022-02-07 카토즈 주식회사 유도 가열에 의한 선박용 후판의 예열 및 가열 방법
CN114585126A (zh) * 2022-02-25 2022-06-03 厦门阿尔特系统工程有限公司 一种新型温度场均匀分布的高频电磁加热装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4876541U (ja) * 1971-12-22 1973-09-21
JPS58158890A (ja) * 1982-03-15 1983-09-21 三菱電機株式会社 誘導加熱コイル
JP2005209608A (ja) * 2003-12-25 2005-08-04 Nippon Steel Corp 金属帯板の誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP2007095651A (ja) * 2005-02-18 2007-04-12 Nippon Steel Corp 金属板の誘導加熱装置及び誘導加熱方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4876541U (ja) * 1971-12-22 1973-09-21
JPS58158890A (ja) * 1982-03-15 1983-09-21 三菱電機株式会社 誘導加熱コイル
JP2005209608A (ja) * 2003-12-25 2005-08-04 Nippon Steel Corp 金属帯板の誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP2007095651A (ja) * 2005-02-18 2007-04-12 Nippon Steel Corp 金属板の誘導加熱装置及び誘導加熱方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016167439A1 (ko) * 2015-04-16 2016-10-20 주식회사 포스코 유도 가열 장치용 코일 어셈블리 및 이를 포함하는 유도 가열 장치
KR102352267B1 (ko) * 2020-10-20 2022-01-17 카토즈 주식회사 유도 가열에 의한 선박용 후판 예열 및 가열 장치
KR102357035B1 (ko) * 2020-10-20 2022-02-07 카토즈 주식회사 유도 가열에 의한 선박용 후판의 예열 및 가열 방법
CN114585126A (zh) * 2022-02-25 2022-06-03 厦门阿尔特系统工程有限公司 一种新型温度场均匀分布的高频电磁加热装置
CN114585126B (zh) * 2022-02-25 2024-02-09 厦门阿尔特系统工程有限公司 一种新型温度场均匀分布的高频电磁加热装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5053169B2 (ja) 2012-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5114671B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置および誘導加熱方法
US8536498B2 (en) Induction heating device for a metal plate
KR101102609B1 (ko) 유도 가열 장치
US9888529B2 (en) Induction heating device for a metal plate
JP4786365B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置及び誘導加熱方法
EP3190860B1 (en) Induction heating device for metal strip
JP4153895B2 (ja) 金属帯板の誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP5053169B2 (ja) 誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP5042909B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP4926608B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置及び誘導加熱方法
JP2016058168A (ja) 金属帯板の誘導加熱装置
JP4987678B2 (ja) 誘導加熱装置および誘導加熱方法
JP4833740B2 (ja) 板幅方向の均温性に優れた金属帯板の加熱装置
JP6114945B2 (ja) 加熱コイル及び熱処理装置
JP2010027470A (ja) トランスバース方式の誘導加熱装置
JP5015345B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置及び誘導加熱方法
JP5053170B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4890278B2 (ja) 金属板の誘導加熱装置
JP7124515B2 (ja) 金属帯板の誘導加熱設備
JP4035122B2 (ja) 幅方向の均温性に優れた鋼帯の加熱方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120725

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5053169

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees