JP2009274510A - 道路勾配補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】算出された道路の勾配値をさらに精度のよいものに補正することができる道路勾配補正装置を提供することを課題とする。
【解決手段】道路勾配補正装置は、道路の勾配値の算出精度に影響を与える可能性のある影響因子(例えば車速、エンジントルク、エンジン回転数、モータトルク、モータ回転数、ATF油温、気圧など)を説明変数として含み且つ算出された道路の勾配値である算出勾配値の真の勾配値に対する誤差の予測値である勾配誤差予測値を目的変数とする重回帰式及び影響因子に関する予め取得した影響因子データに基づいて、当該影響因子データに対応する勾配誤差予測値を算出し、算出した勾配誤差予測値に基づいて、予め取得した算出勾配値を補正する。
【選択図】図2

Description

本発明は、算出された道路の勾配値を補正する道路勾配補正装置に関するものである。
特許文献1には、自動車が平坦路で発生すべき加速度(基準加速度)を求めると共に、車輪の回転速度の変化から自動車に実際に発生している加速度を求め、これら加速度の差から路面勾配を算出する技術が開示されている。
なお、その他の従来技術としては、特許文献2から4が挙げられる。特許文献2には、車速検出手段で検出された車速検出値を変数とする予め設定された回帰式から、路面形状の高さ及び幅の少なくとも何れか一方又は双方を算出する技術が開示されている。特許文献3には、サンプリングされた走行データの内、車両の挙動を表す走行データの一つを目的変数とし他の走行データを説明変数とする重回帰分析を行うことにより、車両走行時の運転者の複数の好みを数値化する技術が開示されている。特許文献4には、車両を加速させる際のドライバの車両に対する操作量を検出し、車両挙動量、または車両挙動量及びドライバの挙動量を検出し、検出した検出値に基づいて、ドライバが期待する加速性能の期待値を表す期待値の物理量を演算し、検出した検出値に基づいて、ドライバが感じている加速度の体感を表す体感物理量を演算し、演算した期待値の物理量と体感物理量とを比較し、その比較の出力に基づいて、加速度の評価値を演算する技術が開示されている。
特公平6−63766号公報 特開平8−132841号公報 特開2003−211999号公報 特開2007−15432号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術によれば、車両の状態の変化や周囲の環境の変化により基準加速度の推定精度がばらつくので、路面勾配の算出精度が必ずしも十分でないという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、算出された道路の勾配値をさらに精度のよいものに補正することができる道路勾配補正装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる道路勾配補正装置は、道路の勾配値の算出精度に影響を与える可能性のある因子であって車速、エンジントルク、エンジン回転数、モータトルク、モータ回転数、ATF(Automatic Transmission Fluid)油温及び気圧のうち少なくとも1つを含む影響因子を説明変数として含み且つ算出された道路の勾配値である算出勾配値の真の勾配値に対する誤差の予測値である勾配誤差予測値を目的変数とする重回帰式並びに前記影響因子に関する予め取得した影響因子データに基づいて、当該影響因子データに対応する前記勾配誤差予測値を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した前記勾配誤差予測値に基づいて、予め取得した前記算出勾配値を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる道路勾配補正装置は、前記に記載の道路勾配補正装置において、前記重回帰式は、前記影響因子の平方及び/又は相異なる2つの前記影響因子の積を、前記説明変数としてさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、道路の勾配値の算出精度に影響を与える可能性のある因子である影響因子(例えば車速、エンジントルク、エンジン回転数、モータトルク、モータ回転数、ATF油温及び気圧など)を説明変数として含み且つ算出された道路の勾配値である算出勾配値の真の勾配値に対する誤差の予測値である勾配誤差予測値を目的変数とする重回帰式並びに影響因子に関する予め取得した影響因子データに基づいて、当該影響因子データに対応する勾配誤差予測値を算出し、算出した勾配誤差予測値に基づいて、予め取得した算出勾配値を補正する。これにより、算出された道路の勾配値をさらに精度のよいものに補正することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、重回帰式は、影響因子の平方及び/又は相異なる2つの影響因子の積を、説明変数としてさらに含む。これにより、算出された道路の勾配値をさらに精度のよいものに補正することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる道路勾配補正装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。
なお、本実施の形態において、「影響因子」とは、道路の勾配値の算出精度に影響を与える可能性のある因子であり、例えば車速、エンジントルク、エンジン回転数、モータトルク、モータ回転数、ATF油温、気圧などである。「算出勾配値」とは、算出された道路の勾配値である。「勾配誤差値」とは、算出勾配値の真の勾配値に対する誤差の値である。「勾配誤差予測値」とは、算出勾配値の真の勾配値に対する誤差の予測値である。
まず、本発明にかかる道路勾配補正装置を含む本実施の形態にかかるパワートレーン制御装置(PTM:パワートレーンマネージャ)2等の構成について図1を参照して説明する。図1はパワートレーン制御装置2等の構成の一例を示すブロック図である。
偏回帰係数演算装置1は、例えば車速、エンジントルク、エンジン回転数、モータトルク、モータ回転数、ATF油温、気圧などの各影響因子が実車走行において取り得る全ての値及びそのときの勾配誤差値に基づいて、当該影響因子を説明変数とし且つ当該勾配誤差値を目的変数とする重回帰分析を行うことにより、勾配誤差予測値演算装置22で用いる重回帰式の偏回帰係数を計算する。偏回帰係数演算装置1はパワートレーン制御装置2と通信可能に接続されている。
パワートレーン制御装置2は、パワートレーンを制御するECU(電子制御ユニット)であり、図示の如く道路勾配演算装置21と勾配誤差予測値演算装置22と道路勾配補正演算装置23とを備える。パワートレーン制御装置2にはE/G(エンジン)−ECUやA/T(自動変速機)−ECU、HV(ハイブリッド)−ECUが含まれており(図示せず)、これらECUは、スロットル開度センサやアクセル開度センサ、車速センサ、ブレーキセンサ(図示せず)で検出された情報を、E/GとA/Tとの間で通信する。ここで、パワートレーン制御装置2の機能を、HVシステム制御装置で実現してもよい。
道路勾配演算装置21は、所定の手法で道路の勾配値を計算する。これにより、算出勾配値が得られる。なお、所定の手法として、特公平6−63766号公報に開示されている手法を用いてもよい。
勾配誤差予測値演算装置22は本発明の算出手段に相当するものである。勾配誤差予測値演算装置22は、影響因子を説明変数として含み且つ勾配誤差予測値を目的変数とする下記数式1に示す重回帰式及び影響因子に関する予め取得した影響因子データに基づいて、当該影響因子データに対応する勾配誤差予測値を計算する。
y = a + a + ・・・ + a + b ・・・(数式1)
(数式1において、「a」(k=1〜n)は偏回帰係数演算装置1で計算された偏回帰係数であり、「x」(k=1〜n)は説明変数であり、「y」は目的変数である。説明変数「x」には影響因子の値を代入する。数式1において、「n」は2以上の整数であり、「b」は任意の実数である。)
ここで、上記数式1に示す重回帰式は、影響因子の平方や相異なる2つの影響因子の積を、説明変数としてさらに含んでもよい。具体的には、上記数式1に示す重回帰式の説明変数「x」には、影響因子の値以外にも、影響因子の平方の値や相異なる2つの影響因子の積の値を代入してもよい。
道路勾配補正演算装置23は本発明の補正手段に相当するものである。道路勾配補正演算装置23は、勾配誤差予測値演算装置22で計算した勾配誤差予測値に基づいて、道路勾配演算装置21で得られた算出勾配値を補正する。
つぎに、上述した構成のパワートレーン制御装置2等で行われるHV用の道路勾配補正処理の一例を、図2および図3を参照して説明する。図2はHV用の道路勾配補正処理の一例を示すフローチャートである。図3は道路勾配の補正の効果の一例を示す図である。
まず、偏回帰係数演算装置1は、MG(モータジェネレータ)1、MG2及びエンジンのトルク及び回転数並びにATF油温などの各影響因子が実車走行において取り得る全ての値並びにそのときの勾配誤差値に基づいて、当該影響因子を説明変数とし且つ当該勾配誤差値を目的変数とする重回帰分析を行うことにより、勾配誤差予測値演算装置22で用いる重回帰式の偏回帰係数(上記数式1における「a」(k=1〜n))を計算する(ステップSA−1)。
ここで、重回帰分析における説明変数として、各影響因子の平方や相異なる2つの影響因子の積をさらに含めてもよい。具体的には、説明変数として採用する影響因子がMG1のトルク(T)、MG1の回転数(N)、MG2のトルク(T)及びMG2の回転数(N)である場合、各影響因子の平方「T ,N ,T ,N 」や相異なる2つの影響因子の積(相互作用因子)「T×N,T×T,T×N,N×T,N×N,T×N」を説明変数としてさらに含めてもよい。
つぎに、勾配誤差予測値演算装置22は、影響因子(MG1、MG2及びエンジンのトルク及び回転数並びにATF油温など)を説明変数として含み且つ勾配誤差予測値を目的変数とする重回帰式であってステップSA−1で計算した偏回帰係数が設定されたもの(上記数式1参照)及び当該影響因子に関する予め取得した影響因子データに基づいて、当該影響因子データに対応する勾配誤差予測値を計算する(ステップSA−2)。
一方、道路勾配演算装置21は、所定の手法で道路の勾配値を計算する(ステップSA−3)。この処理により、算出勾配値が得られる。なお、所定の手法として、例えば特公平6−63766号公報に開示されている手法を用いてもよい。
そして、道路勾配補正演算装置23は、ステップSA−2で計算した勾配誤差予測値に基づいて、ステップSA−3で得られた算出勾配値を補正する(ステップSA−4)。具体的には、道路勾配補正演算装置23は、ステップSA−3で得られた算出勾配値(図3に示す「勾配値(補正前)」に対応)からステップSA−2で計算した勾配誤差予測値(図3に示す「勾配誤差予測値」に対応)を減算することにより、当該減算で得られた値を補正勾配値(図3に示す「補正勾配値」に対応)として出力する。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態によれば、影響因子を説明変数として含み且つ勾配誤差予測値を目的変数とする重回帰式及び影響因子に関する予め取得した影響因子データに基づいて、当該影響因子データに対応する勾配誤差予測値を算出し、算出した勾配誤差予測値に基づいて、予め取得した算出勾配値を補正する。これにより、算出された道路の勾配値をさらに精度のよいものに補正することができる。具体的には、駆動力や走行抵抗などから算出した道路の勾配値を、重回帰式で求めた勾配誤差予測値で補正することで、当該算出した道路の勾配値の精度を向上させることができる。
これまでは、車両が平坦路で発生すべき加速度(基準加速度)と車両に実際に発生している加速度との差から路面勾配を算出していた(特公平6−63766号公報参照)。しかし、当該基準加速度の算出の際に使用するエンジントルクやギヤ伝達効率、走行抵抗は、車速やトルク、T/M(トランスミッション)油温、気圧などの車両の状態や周囲の環境に依存する。そのため、車両の状態や周囲の環境の変化に対する影響を考慮していないと、基準加速度の算出精度がばらつき、結果的に、道路の勾配値の算出精度もばらつく。そこで、本実施の形態では、道路の勾配値の算出精度に影響を与える可能性のあるあらゆる因子(例えばエンジントルクや回転数、ATF油温など)を考慮した数式を用いて、これら因子の状態に合わせて道路の勾配値の誤差を精度良く推定する。そして、本実施の形態では、当該精度良く推定した誤差に基づいて、予め算出された道路の勾配値を精度良く補正する。
なお、本実施の形態によれば、重回帰式は、影響因子の平方及び/又は相異なる2つの影響因子の積を、説明変数としてさらに含んでもよい。これにより、算出された道路の勾配値をさらに精度のよいものに補正することができる。具体的には、重回帰式で求められる勾配誤差予測値の算出精度をさらに良くすることができ、その結果として、算出された道路の勾配値もさらに精度のよいものに補正することができる。
最後に、本発明にかかる道路勾配補正装置は、本実施の形態以外にも、特許請求の範囲の書類に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる形態で実施されてよいものである。例えば、本実施の形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。また、本明細書中や図面中で示した処理手順・具体的名称・各種の情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、各装置に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。また、装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上のように、本発明にかかる道路勾配補正装置は、特に自動車製造産業で好適に実施することができ、極めて有用である。
パワートレーン制御装置2等の構成の一例を示すブロック図である。 HV用の道路勾配補正処理の一例を示すフローチャートである。 道路勾配の補正の効果の一例を示す図である。
符号の説明
1 偏回帰係数演算装置
2 パワートレーン制御装置
21 道路勾配演算装置
22 勾配誤差予測値演算装置
23 道路勾配補正演算装置

Claims (2)

  1. 道路の勾配値の算出精度に影響を与える可能性のある因子であって車速、エンジントルク、エンジン回転数、モータトルク、モータ回転数、ATF(Automatic Transmission Fluid)油温及び気圧のうち少なくとも1つを含む影響因子を説明変数として含み且つ算出された道路の勾配値である算出勾配値の真の勾配値に対する誤差の予測値である勾配誤差予測値を目的変数とする重回帰式並びに前記影響因子に関する予め取得した影響因子データに基づいて、当該影響因子データに対応する前記勾配誤差予測値を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出した前記勾配誤差予測値に基づいて、予め取得した前記算出勾配値を補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする道路勾配補正装置。
  2. 前記重回帰式は、前記影響因子の平方及び/又は相異なる2つの前記影響因子の積を、前記説明変数としてさらに含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の道路勾配補正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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