実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、一般に、遊技機には、いわゆる可変表示ゲームを行う遊技機や、いわゆる役物遊技を行う遊技機などがあるが、この実施の形態では、いわゆる可変表示ゲームと役物遊技とを組み合わせて行うタイプの遊技の場合を説明する。ここで、いわゆる可変表示ゲームを行う遊技機とは、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示部において開始される特別図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定の表示態様(特定表示結果)が導出表示された場合に、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行させる遊技機である。また、いわゆる役物遊技を行う遊技機とは、所定の条件が成立すると遊技球が入賞不可能な閉鎖状態から遊技球が入賞可能な開放状態となる動作を行う可変入賞球装置(役物)を備え、可変入賞球装置に設けられている特定領域(「V入賞領域」ともいう。)に遊技球が進入したこと(「V入賞」ともいう。)にもとづいて遊技状態を特定遊技状態に移行させるように構成された遊技機である。なお、本発明は、可変入賞球装置(役物)を備えたものであれば、いやゆる役物遊技のみを行う遊技機に適用してもよい。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。また、打球供給皿(上皿)3には、遊技者によって操作可能な操作ボタン120が設けられている。また、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。また、可変入賞球装置20の左方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置61が設けられている。なお、始動入賞口は、普通可変入賞球装置61が開状態(開放状態ともいう)になることによって入賞可能になる。また、始動入賞口は、普通可変入賞球装置61が閉状態(閉鎖状態ともいう)になることによって入賞不可能になる。なお、普通可変入賞球装置61が開状態となったときに、普通可変入賞球装置61が閉状態であるときと比較して、入賞しやすい状態となるようにしてもよい。また、普通可変入賞球装置61が閉状態となったときに、遊技球が完全に入賞不可能となるのではなく、普通可変入賞球装置61が閉状態であるときと比較して、入賞しにくい状態となるようにしてもよい。始動入賞口に入った入賞球は始動口スイッチ60によって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。
可変入賞球装置20内の右下方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示装置としての特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、打球が始動入賞口に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、特別図柄表示器8は、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄表示器8の下方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチ60によって検出され、特別図柄表示器8に所定の数字(または、記号)が導出表示された場合には、可変入賞球装置20が所定の回数開閉制御される。開閉制御によって、可変入賞球装置20の上方に設けられた開放扉76A,76Bが連動して開放状態となることによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが連動して閉鎖状態に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を、役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
特別図柄表示器8の上方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。可変入賞球装置20の下方に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、緑色と赤色とに交互に点灯を繰り返す6つのLED)の可変表示が開始される。この実施の形態では、縦方向に並ぶ6つのLEDが緑色に点灯した状態と赤色に点灯した状態とに交互に変化することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に6つのLEDが緑色に点灯した状態で停止すれば当りとなる。当りの場合には、普通可変入賞球装置61が所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の左上方(演出表示装置9の右下方)には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置20の下方には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、ゲート32の下方には入賞口(普通入賞口)33が設けられ、大入賞口の左上方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、さらに入賞口38の左上方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口33,38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ33a,38a,39aによって検出される。入賞口33,38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
また、遊技領域7上において、ゲート32、開閉板16によって開閉される大入賞口および入賞口33は、一体化された部材34として形成されている。入賞口33はゲート32の真下に位置しており、ゲート32を通過した遊技球のみが入賞口33に入賞可能である。具体的には、遊技領域7上において、ゲート32の左右両側に円弧状に前面側に突出した円弧状部材30が設けられており、入賞口33の上方はゲート32の箇所を除いて円弧状部材30によって覆われた状態となっている。そのため、この実施の形態では、遊技球がゲート32を通過したときにのみ入賞口33に入賞することが可能であり、円弧状部材30に阻まれることによって他方向から遊技球が入賞口33に入賞することはない。なお、ゲート32を通過した遊技球のみが入賞口33に入賞可能な構成とするために、例えば、円弧状部材30に代えて、入賞口33の上方を覆うように(遊技球が通過可能な隙間がないように)釘を複数配置するようにしてもよい。
入賞口33の下部には前面側に突出した突出部33b(この実施の形態では、遊技機を上面側から見たときに、突出部33bは前面側に三角形状に突出している)が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、まず突出部33bに当り、うまく後方側に跳ねると入賞口33に入賞する。また、ゲート32を通過したものの、突出部33bに当たった際に左方向や右方向に跳ねた場合には、うまく入賞口33に入賞しない場合もある。また、ゲート32と入賞口33との間には、釘を配置することが可能な釘用穴32bが設けられており、釘用穴32bに釘を配置したり、配置した釘の角度を調整したりすることによって、ゲート32を通過したい遊技球が入賞口33に入賞する確率を変えることができる。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄表示器10での普通図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、普通図柄始動記憶表示器41における点灯するLEDを1増やす。普通図柄表示器10に表示された停止図柄が予め決められた表示結果(当り図柄)であった場合に、普通可変入賞球装置61が所定回数、所定時間だけ開状態になり、打球が、始動入賞口に進入可能になる。そして、打球発射装置から発射された打球が始動入賞口に入り始動口スイッチ60で検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18aにおける点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、停止時の特別図柄が小当り図柄(所定の表示結果:具体的には、例えば「1」、「3」、「5」)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特定領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図2〜図16を参照して説明する。図2は、可変入賞球装置20を右斜め上方から見た斜視図である。図2に示すように、可変入賞球装置(役物)20内の上方には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bの2つの開放扉が設けられている。また、可変入賞球装置20内の上方には、遊技球が進入する第1進入口71および第2進入口72(図2において図示せず)の2つの進入口が設けられている。この実施の形態では、第1開放扉76Aが閉鎖状態である場合には、第1開放扉76Aによって第1進入口71が覆われた状態となり、第1進入口71に遊技球は進入不可能である。また、第2開放扉76Bが閉鎖状態である場合には、第2開放扉76Bによって第2進入口72が覆われた状態となり、第2進入口72に遊技球は進入不可能である。また、この実施の形態では、第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71が開放状態となり、遊技球が第1進入口71に進入可能な状態となる。また、第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72が開放状態となり、遊技球が第2進入口72に進入可能な状態となる。
なお、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは閉鎖状態において第1進入口71および第2進入口72をそれぞれ完全に覆った状態となるのではなく、一部を覆った状態となるようにしてもよい。そのようにすることによって、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが閉鎖状態である場合には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが開放状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71および第2進入口72にそれぞれ進入しにくくするようにしてもよい。また、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが開放状態である場合には、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bが閉鎖状態であるときと比較して、遊技球が第1進入口71および第2進入口72にそれぞれ進入しやすくするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは、1つの部品として一体形成されている。したがって、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bとは、連動して同じタイミングで開放状態に制御され、同じタイミングで閉鎖状態に制御される。
また、可変入賞球装置20内において、開放扉76A,76Bの下方には、所定の装飾が施されるとともに可動可能な装飾部材78が設けられている。また、可変入賞球装置20内において、装飾部材78の背面側には、装飾部材78と連動して可動する可動部材77(図2において図示せず)が設けられている。図2に示すように、この実施の形態では、装飾部材78は、剣を模した形状に形成され、剣に応じた色彩などの装飾が施されている。また、装飾部材78は、可変入賞球装置20内にて遊技球が通過する領域よりも前面側に配置さており、可変入賞球装置20内に進入した遊技球の挙動に影響を与えないように配置されている。また、可動部材77は、装飾部材78の背面側に配置されるとともに、透明または略透明な合成樹脂を用いて形成され、遊技機の正面から見ると(すなわち、遊技者からみると)、装飾部材78に覆われて視認できない(または、視認しにくい)。
また、可変入賞球装置20内の下方には、回転駆動可能な回転体86が設けられている。回転体86には、遊技球を特定入賞口(V入賞口)に導く開口66が上面に設けられており、回転体86上に落下した遊技球が回転体86の上面に設けられた開口66に進入することによって特定入賞口に入賞可能に構成されている。また、回転体86には、側面にも遊技球を特定入賞口に導く開口66bが設けられており、遊技球が開口66bに進入することによっても特定入賞口に入賞可能に構成されている。以下、特定入賞口に導く開口66を特定開口といい、特定入賞口に導く側面側の開口66bを特定側面側開口ともいう。
開放扉76A,76Bの開閉動作と、可動部材77および装飾部材78の可動動作とについて説明する。図3は、可変入賞球装置20の開放扉76A,76Bの開閉機構部と、可動部材77および装飾部材78の可動機構部との構造部分を正面方向から見た正面図である。また、図4は、可変入賞球装置20の開放扉76A,76Bの開閉機構部と、可動部材77および装飾部材78の可動機構部との構造部分を右斜め上方から見た斜視図である。
図3および図4に示すように、開放扉76A,76Bは、連結部76Cを介して一体形成されている。具体的には、開放扉76A,76Bは、あらかじめ合成樹脂材料などを用いて成形することによって一体形成されている。なお、各開放扉76A,76Bおよび連結部Cを別々の部品として作製し組み立てることによって、開放扉76A,76Bを一体形成してもよい。また、開放扉76A,76Bの背面側には、開放扉76A,76Bを開閉するための開放ソレノイド75が配置されている。開放扉76A,76Bは、開放ソレノイド75が駆動された状態となることによって、連動して開放状態に制御される。また、開放扉76A,76Bは、開放ソレノイド75の駆動が停止された状態となることによって、連動して閉鎖状態に制御される。図3および図4に示す例では、開放扉76A,76Bが閉鎖状態に制御されている状態が示されている。図3および図4に示すように、開放扉76A,76Bが閉鎖状態である場合には、開放扉76A,76Bによって第1進入口71および第2進入口72が閉鎖された状態となり、第1進入口71および第2進入口72への遊技球の進入が不可能な状態となっている。
また、図4に示すように、回転体86の下方には、回転体86の回転位置を検出するための回転体第1位置センサ87aと回転体第2位置センサ87bとが配置されている。この実施の形態において、回転体第1位置センサ87aおよび回転体第2位置センサ87bは、後述するように、回転体86の回転位置の検出および回転体86の異常検出を行うために用いられる。なお、回転体第1位置センサ87aおよび回転体第2位置センサ87bの詳細については後述する。
図5は、開放扉76A,76Bを開放状態とした場合の開閉機構部および可動機構部を正面から見た正面図である。また、図6は、開放扉76A,76Bを開放状態とした場合の開閉機構部および可動機構部を右斜め上方から見た斜視図である。図5および図6に示すように、開放ソレノイド75が駆動された状態とすることによって、開放扉76A,76Bは、開放扉76A,76Bの下方を軸として反時計方向に回転駆動し、連動して開放状態となる。また、開放扉76A,76Bが開放状態となることによって、第1進入口71および第2進入口72への遊技球の経路が形成された状態となり、第1進入口71および第2進入口72に遊技球が進入可能な状態となる。また、図5および図6に示すように、少なくとも一体形成された第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bは、所定の面部76a,76bを有し、面部76a,76bは開放状態で上方に対向するとともに第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bの下方に位置して遊技球を第1進入口71および第2進入口72に導くことが可能となる。
なお、第2開放扉76Bは、第1開放扉76Aと比較して小さい。各開放扉76A,76Bは開放状態において遊技球を各進入口71,72に導くための受け皿の役目を果たすのであるが、第2開放扉76Bは第1開放扉76Aと比較して小さいのであるから、第2進入口72は、第1進入口71と比較して遊技球の受け皿が小さいことになり、第1進入口71よりも進入しにくい。
なお、図5および図6に示すように、各開放扉76A,76Bは、開放状態において、斜め上方に突き出た状態に制御される。そのように制御することによって、開放状態において開放扉76A,76Bの受皿となる面に落下した遊技球を開閉扉76A,76Bの斜面を通して各進入口71,72に導かれやすくする。
また、図3および図4に示すように、可変入賞球装置20内の左方には、表面が螺旋状に溝が形成された2つのボルト状部材77A,78Aが配置されている。このうちボルト状部材77Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材77Cが嵌め込まれており、さらにナット状部材77Cは可動部材77に連結されている。また、ボルト状部材78Aには、内面が螺旋状に溝が形成されたナット状部材78Cが嵌め込まれており、さらにナット状部材78Cは装飾部材78に連結されている。なお、ナット状部材77C,78Cは、それぞれボルト状部座宇77A,78Aに形成された溝とかみ合うように、内面に螺旋状に溝が形成されている。また、図3に示す例では、ナット状部材77Cは、ナット状部材78Cの背面側に位置している。
また、ボルト状部材77A,78Aの下方には、可動部材77を可動するための可動部材駆動モータ77Bと、装飾部材78を可動するための装飾部材駆動モータ78Bとが配置されている。この実施の形態では、可動部材駆動モータ77Bを駆動することによってボルト状部材77Aが回転駆動される。また、ナット状部材77Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材77Aの表面に形成された溝とナット状部材77Cの内面に形成された溝とが摺動することによって、ボルト状部材77Aに沿って上方または下方に移動する。すると、ナット状部材77Cに連結された可動部材77は、ナット状部材77Cの移動にしたがって可動する。また、この実施の形態では、装飾部材駆動モータ78Bを駆動することによってボルト状部材78Aが回転駆動される。また、ナット状部材78Cは、ボルト状部材77Aの回転駆動にしたがって、ボルト状部材78Aの表面に形成された溝とナット状部材78Cの内面に形成された溝とが摺動することによって、ボルト状部材78Aに沿って上方または下方に移動する。すると、ナット状部材78Cに連結された装飾部材78は、ナット状部材78Cの移動にしたがって可動する。
なお、図3および図4に示す例では、ナット状部材77C,78Cが最も上方に位置している状態が示されている。この状態において、図3および図4に示すように、可動部材77および装飾部材78は可変入賞球装置20内において水平な状態となっている。
図7は、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動した場合の開閉機構部および可動機構部を正面から見た正面図である。また、図8は、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動した場合の開閉機構部および可動機構部を右斜め上方から見た斜視図である。この実施の形態では、ナット状部材77Cは、可動部材77の左端部分に連結されている。また、ナット状部材78Cは、装飾部材78の左端部分(剣の先端部分)に連結されている。そのため、図7および図8に示すように、ナット状部材77C,78Cが最も下方に移動すると、可動部材77および装飾部材78の左端部分がナット状部材77Cの移動にしたがって下方に下がり、可動部材77および装飾部材78は、右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態となる。この場合、図7および図8に示すように、可動部材77および装飾部材78は、可動して右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態において、演出表示装置9の正面側に、演出表示装置9の表示領域と重なった状態となる。
なお、可動部材77および装飾部材78の右端部分にはレール部材が設けられており、可動部材77および装飾部材78の右端部分は左右方向に若干移動することが可能である。すなわち、可動部材77および装飾部材78の左端部分が下方に下がるにしたがって、可動部材77および装飾部材78の右端部分も左方に引っ張られるのであるが、レール部材によって可動部材77および装飾部材78の右端部分が左方向に移動することによって吸収している。
また、装飾部材78には、装飾部材78自体を開閉動作させるための剣駆動モータ79が搭載されている。この実施の形態では、図7および図8に示すように、装飾部材78が可動され右端部分から左端部分に向かって斜め下方向に傾いた状態となる際に、剣駆動モータ79を駆動することによって、装飾部材78が開いた状態(本例では、剣が長手方向に2つに開いた状態)となる。なお、この実施の形態では、装飾部材78が閉じた状態であるときには、正面から見ると可動部材77は装飾部材78によって覆われ視認することができないのであるが、図7および図8に示すように、装飾部材78が開いた状態となることによって、装飾部材78の背面側に位置する可動部材77が正面から視認できることができるようになる。また、可動部材77は透明または略透明の合成樹脂材料を用いて形成され、後述するように遊技球の経路の一部を形成しているのであるから、装飾部材78が開いた状態となることによって、可動部材77内部を通過する遊技球を視認することができるようになる。
また、可動入賞球装置20には、可動部材77および装飾部材78の位置を検出するための位置センサ91a,91bが配置されている。この実施の形態では、ボルト状部材77A,78Aの上方に上側位置センサ91aが配置され、可動部材77および装飾部材78が上方に可動され、ナット状部材77C,78Cが最も上方に位置した状態となると、上側位置センサ91aによって検出され検出信号が出力される。また、この実施の形態では、ボルト状部材77A,78Aの下方に下側位置センサ91bが配置され、可動部材77および装飾部材78が下方に可動され、ナット状部材77C,78Cが最も下方に位置した状態となると、下側位置センサ91bによって検出され検出信号が出力される。
次に、可変入賞球装置20内における遊技球の経路を説明する。この実施の形態では、可変入賞球装置20内には、遊技球の2つの経路が設けられている。具体的には、第1開放扉76Aが開放状態となることによって進入可能となる第1進入口71から進入した遊技球を通す第1経路(ノーマルルート)と、第2開放扉76Bが開放状態となることによって進入可能となる第2進入口72から進入した遊技球を通す第2経路(スペシャルルート)とが設けられている。この実施の形態では、前述したように第1進入口71は第2進入口72と比較して進入しやすいのであるが、第1経路を経ることによって、第2経路を経由する場合と比較して、特定入賞口または排出口まで短い時間で到達するとともに、特定入賞口に入賞しにくい。また、前述したように第2進入口72は第1進入口71と比較して進入しにくいのであるが、第2経路を経ることによって、第1経路を経由する場合と比較して、特定入賞口または排出口まで長い時間をかけて到達するとともに、特定入賞口に入賞しやすい。
まず、第1開放扉76Aが開放状態となることによって第1進入口71から進入した遊技球が経由する第1経路について説明する。図9は、可変入賞球装置20内に設けられた第1経路(ノーマルルート)900Aを示す説明図である。第1進入口71から進入した遊技球は、第1進入口71付近に設けられた第1役物入賞スイッチ71aによって検出され、可変入賞球装置20内の左方に導かれる。そして、可変入賞球装置20内の左方に設けられた経路部材92内部を通って可変入賞球装置20内の左下方に導かれる。
図9に示すように、可変入賞球装置20の左下方には、正面方向に対して前後に可動可能な第1貯留部材93aが設けられており、経路部材92を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第1貯留部が形成されている。また、可変入賞球装置20の左下方には、第1進入口71に進入して第1経路から導かれた2個目以降の遊技球を排出する排出口83が設けられている。
図10は、可変入賞球装置20の左下方に設けられた第1貯留部材周辺を示す説明図である。図10に示すように、可変入賞球装置20の左下方には、第1貯留部材93aと重複するように配置される可動可能な第1貯留部装飾部90eが設けられている。この実施の形態では、第1貯留部装飾部90eは、後述するように、可変入賞球装置20に進入した遊技球の貯留状態が解除されるタイミングで、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、操作ボタン120による操作に応じて、第1貯留部材93aの可動態様と同様または類似(すなわち、前進や後退まですることなく振動するなど)の可動態様(遊技機の前面側に向かって前進したり後退したりする態様)で可動される。なお、第1貯留部装飾部90eは、第1貯留部材93aと同様の可動態様で可動するように設けられた装飾用の部材であり、遊技球に接触して遊技球の進路に作用することはない。
また、図10に示すように、第1貯留部材93aの下方には、第1貯留部材93aの位置を検出するための第1貯留部位置センサ90cが設けられている。この実施の形態では、第1貯留部位置センサ90cは、第1貯留部が開放状態に制御されているときにオフ状態となり、第1貯留部が閉鎖状態であるときにオン状態となる位置に設置されている。図10に示す例では、第1貯留部材93aが遊技機に対して前面側に進出した状態となることによって第1貯留部が閉鎖状態となっており、第1貯留部位置センサ90cがオン状態となっている場合が示されている。
図11は、第1進入口71に進入して第1経路から導かれた遊技球を貯留する態様を示す説明図である。図11(A)に示すように、経路部材92を通って導かれた遊技球は、第1貯留部材93aによって進路を阻まれ貯留された状態となる。また、第1進入口71にさらに2つ目以上の遊技球が進入し、経路部材92を通って導かれると、図11(B)に示すように、既に第1貯留部に貯留されている遊技球によってはじかれ、排出口83から排出される。
図12は、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態を解除した態様を示す説明図である。可変入賞球装置20の左下方の背面には、第1貯留部材93aを駆動するための第1貯留部ソレノイド90a(図12において図示せず)が配置されており、第1貯留部ソレノイド90aを駆動することによって、第1貯留部材93aが背面方向に可動する。すると、第1貯留部に貯留された遊技球の貯留状態が開放され、可変入賞球装置20内の下方に導かれる。可変入賞球装置20内の下方には、回転体86に向かって斜め下方向に傾斜する傾斜部73が設けられており、遊技球は回転体86の前面側に導かれ、傾斜部73を遊技球が転動し、その後回転体86の開口66b,84(特定入賞口へ導かれる開口またははずれとなる開口)に入球する。なお、図12において図示していないが、傾斜部73の前面側(ステージ端部)には、上向きに延びる合成樹脂性の透明板が設けられており、前面側に導かれた遊技球がステージ前面側から落ちないように構成されている。
なお、図12に示すように、第1貯留部材93aが背面方向に可動され第1貯留部が開放状態に制御されると、第1貯留部位置センサ90cはオフ状態となる。
図12に示すように、回転体86には、上面に設けられた特定開口66と隣接する側の側面部分に特定側面側開口66bが設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれた場合には、遊技球が特定側面側開口66bに進入し特定入賞口に入賞する。具体的には、特定入賞口は回転体86の下方に位置するように設けられており、特定側面側開口66bに進入した遊技球は、さらに回転体86の下方に設けられた特定入賞口に進入する。また、特定入賞口には特定領域スイッチ66aが設けられており、特定入賞口に入賞した遊技球は特定領域スイッチ66aで検出される。なお、特定入賞口に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。
また、回転体86は、特定側面側開口66bとともに複数の側面側開口84が設けられている。回転体86の特定側面側開口66bが設けられている側面が正面側を向いているタイミングで、遊技球が回転体86の前面側に導かれなかった場合には、遊技球は特定側面側開口66bに進入することはできず、特定側面側開口66b以外の側面側開口84に進入することになる。この場合、遊技球は回転体86の下方に設けられた特定入賞口に入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口から排出されることになる。なお、排出口には役物排出スイッチ85aが設けられており、排出口から排出された遊技球は役物排出スイッチ85aで検出される。また、第1進入口71に2個目以降に進入し排出口83から排出された遊技球も役物排出スイッチ85aで検出される。
なお、この実施の形態では、特定側面側開口66bの開口部の大きさ1に対して、回転体86の側面に設けられた全ての側面側開口86の開口部の合計の大きさは9である。したがって、第1進入口71に進入して第1経路に導かれた遊技球は、10分の1の確率で特定側面側開口66bに進入して特定入賞口に入賞し、特定領域スイッチ66aで検出される。すなわち、10分の1の確率で大当りとなる。
次に、第2開放扉76Bが開放状態となることによって第2進入口72から進入した遊技球が経由する第2経路について説明する。図13および図14は、可変入賞球装置20内に設けられた第2経路(スペシャルルート)900Bを示す説明図である。第2進入口71から進入した遊技球は、第2進入口72付近に設けられた第2役物入賞スイッチ72aによって検出され、可変入賞球装置20内の上方に設けられた経路部材94内部を通って可変入賞球装置20内の右上方に導かれる。可変入賞球装置20の右上方には、左右に可動可能な第2貯留部材93bが設けられており、経路部材94を通って導かれた遊技球を一旦貯留する第2貯留部が形成されている。したがって、図13に示すように、第2進入口72から進入し経路部材94を通って導かれた遊技球は第2貯留部で一旦貯留される。なお、以下、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
可変入賞球装置20の右上方の背面には、第2貯留部材93bを駆動するための第2貯留部ソレノイド90bが配置されている。遊技球が第2貯留部で一旦貯留された状態で所定時間が経過すると、第2貯留部ソレノイド90bを駆動することによって、図14に示すように、第2貯留部材93bが左方向に可動し、第2貯留部が開放された状態となる。そして、第2貯留部に一旦貯留されていた遊技球は、第2貯留部が開放されたことによって下方に導かれ、可動部材77内に導かれる。また、可動部材駆動モータ77Bおよび装飾部材可動モータ78Bを駆動することによって、可変部材77および装飾部材78が連動して可動し、可動部材77および装飾部材78が右上方から左下方に斜めに傾いた状態となる。また、剣駆動モータ79を駆動することによって、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態となる。
可動部材77が斜めに傾いた状態となることによって、第2貯留部から導かれた遊技球は可動部材77内部を通過し、可変入賞球装置20内の下方に設けられた経路部材95に導かれる。この場合、図14に示すように、装飾部材78が長手方向に2つに開いた状態に制御されているので、可動部材77内を通る遊技球を正面から視認することが可能である。可変入賞球装置20内の下方に設けられた経路部材95は左方から右方に向かって斜め下方向にやや傾斜しており、経路部材95に導かれた遊技球は、経路部材95内を転がって右方に導かれ、回転体86の上面に落下する。
図15は、回転体86上面に落下した後の遊技球の動きを示す説明図である。この実施の形態では、回転体86は、図15(A)に示すように、可変入賞球装置20の各開放扉76A,76Bが開放状態となった後、時計方向に一定速度で回転駆動を開始する。なお、回転体86は、反時計方向に一定速度で回転駆動するようにしてもよく、所定のタイミングで回転方向を反転するようにしてもよい。また、回転体86の上面には、外周部の一領域に特定開口66が設けられている。また、回転体86の側面には、特定側面側開口66bと複数の側面側開口84が設けられている。また、回転体86の上面には、遊技球を誘導するための溝形状部96が複数形成されており、回転体86の上面に落下した遊技球はいずれかの溝形状部96を通って特定開口66または側面側開口84に導かれる。
図15(B)は、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86は、遊技者に対して背面方向から正面方向に向かって下方にやや傾斜するように配置されており、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図15(B)に示す例では、正面側に特定開口66が位置するタイミングであるので、回転体86上面に落下した遊技球は回転体86上面を正面方向に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し、図15(B)に示すように、特定入賞口66A内に設けられた特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、回転体86上面の特定開口66が設けられている外周部分には壁部66cが設けられており、回転体86上面を特定開口66に向かった遊技球が勢い余って特定開口66を飛び越えて回転体86より正面側に飛び出してしまうことはない。
図15(C),(D)は、特定開口66が遊技者に対して正面側と対向する側に位置するタイミングで、遊技球が回転体86上面に落下した場合の遊技球の動きを示している。回転体86上面において特定開口66が設けられている領域と対向する側の領域の外周部には壁部66dが設けられており、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って壁部66d方向に転がる。すると、図15(C)に示すように、遊技球は壁部66dによって進行を遮られ、回転体86上面において一旦貯留された状態となる。次いで、回転体86が時計方向に回転し、特定開口66が遊技者に対して正面側に位置する状態となると、図15(D)に示すように、壁部66d付近に一旦貯留された遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って正面側方向に転がる。図15(D)に示す例では、正面側に特定開口66が位置している状態であるので、壁部66d付近に一旦貯留された遊技球は回転体86上面を正面方向に転がり特定開口66に進入する。そして、回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。したがって、この実施の形態では、第2進入口72に進入し第2経路を経由した遊技球は、特定開口66が正面側に位置するタイミングで回転体86に落下したときと、特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミングで回転体86に落下したときとの2種類のタイミングで、特定入賞口66Aに入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることがある。
なお、特定開口66が正面側に位置するタイミング、および特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときには、回転体86上面に落下した遊技球は、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。
また、図15に示すように、この実施の形態では、回転体86の上面には溝形状部96が6方向に形成されており、図15(B),(C),(D)に示すように、それら6方向の溝形状部96のうちの2方向の溝形状部96に導かれた場合に、遊技球が特定入賞口66Aに入賞し特定領域スイッチ66aで検出される可能性がある。したがって、第2進入口72に進入して第2経路に導かれた遊技球は、3分の1の確率で特定開口66に進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出される。すなわち、3分の1の確率で大当りとなる。
図16は、特定開口66が正面側に位置するタイミング、および特定開口66が正面側と対向する側に位置するタイミング以外のタイミングで、遊技球が回転体86の上面に落下したときの遊技球の動きを示す説明図である。この場合、回転体86上面に落下した遊技球は、図16(B)に示すように、回転体86上面の傾斜にしたがって溝形状部96を通って回転体86の側面側に落下する。この場合、回転体86の側面側に落下した後、そのまま側面側開口84に遊技球が進入してしまった場合には、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の側方に設けられた排出口から排出されることになる(すなわち、はずれとなる)。具体的には、回転体86の側面側に設けられた各側面側開口84は、図16に示すように、側面側に流下した遊技球が嵌るように内側に窪んだ形状となっているのでるが、その窪み部分の奥行きが回転体86の下方に設けられた特定入賞口66Aまで達しない程度の大きさに形成されている。したがって、側面側開口84に嵌った遊技球は、特定入賞口66Aに入賞することなく、回転体86の回転駆動にしたがって回転体86の左方に導かれる。回転体の左方には排出口83と連結する排出口連結口83aが設けられており、回転体86の左方に導かれた遊技球は、排出口連結口83aから排出口83に導かれ、役物排出スイッチ85aで検出される。
一方、回転体86の側面側に落下しても、落下した勢いでバウンドするなどの理由により、側面側開口84に進入せずに傾斜部73に遊技球が留まる場合がある。この場合、図16(B)に示すように、回転体86の回転にしたがって特定側面側開口66bが次に正面側に位置する状態となる場合には、傾斜部73に留まった遊技球が特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞し、特定領域スイッチ66aで検出されるとともに役物排出スイッチ85aで検出されることになる。したがって、この実施の形態では、第2進入口72に進入して第2経路を経由した遊技球が回転体86上面の特定開口66に進入できずに側面側に落下したとしても、さらに特定側面側開口66bに進入して特定入賞口66Aに入賞する可能性がある。なお、回転体86の回転にしたがって次に正面側に位置する開口が特定側面側開口66b以外の側面側開口84である場合には、傾斜部73に遊技球が留まったとしても、遊技球は特定入賞口66Aに入賞することはできず、回転体86の左方に設けられた排出口連結口83aを介して排出口83から排出され、役物排出スイッチ85aで検出されることになる(すなわち、はずれとなる)。
なお、この実施の形態では、図15および図16に示すように、特定入賞口66Aに入賞した遊技球を検出する役物排出スイッチ85aと、排出口83から排出される遊技球を検出する役物排出スイッチ85aとを別々に設ける場合を示したが、1つの役物排出スイッチ85aのみを用いて検出するようにしてもよい。例えば、特定入賞口66Aに入賞した遊技球が通る経路と排出口83に進入した遊技球が通る経路とを遊技盤6の裏側で合流させるようにし、合流後の経路に1つの役物排出スイッチ85aを設けて、特定入賞口66Aに入賞した遊技球と排出口83に進入した遊技球との両方を検出するようにしてもよい。
なお、回転体86の近傍には、位置検出のための2つのセンサが設けられている(2つのセンサは所定距離だけ離れた位置(例えば、回転体86の中心に対して180度反対側の位置)に配置されているものとする)。各センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86の下部に設けられ回転体86とともに回転する円盤部材にスリット(穴部)が設けられている。スリットは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、円盤部材が回転体86とともに回転して、スリットを含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、センサごとに設けられた各受光素子を、以下、それぞれ回転体第1位置センサ87aおよび回転体第2位置センサ87bという。なお、この実施の形態では、回転体第1位置センサ87aおよび回転体第2位置センサ87bは、回転体86の特定開口66および特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、スリットを検出する位置に設けられている。したがって、回転体86の特定開口66および特定側面側開口66bが設けられている側が正面側に到達したタイミングで、回転体第1位置センサ87aや回転体第2位置センサ87bは、オン信号を出力する。
図17は、払出ケース40Aで覆われた球払出装置97を示す正面図(図17(A))および断面図(図17(B))である。球払出装置97は、球切れスイッチと球払出装置97との間に設置されている通路体の下部に固定されている。通路体は、カーブ樋によって流下方向が左右方向に変換された2列の遊技球を流下させる球通路を有する。球通路の上流側には、球切れスイッチが設置されている。なお、実際には、それぞれの球通路に球切れスイッチが設置されている。球切れスイッチは、球通路内の遊技球の有無を検出するものであって、球切れスイッチが遊技球を検出しなくなると球払出装置97における払出モータ(図17において図示せず)の回転を停止して遊技球の払出が不動化される。
また、球切れスイッチは、球通路に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止されている。
球払出装置97において、ステッピングモータによる払出モータ(図示せず)が例えばカムを回転させることによって、賞球または球貸し要求にもとづく遊技球を1個ずつ払い出す。また、球払出装置97の下方には、例えば近接スイッチによる払出カウントスイッチ301が設けられている。球払出装置97から1個の遊技球が落下する毎に、払出カウントスイッチ301がオンする。すなわち、払出カウントスイッチ301は、球払出装置97から実際に払い出された遊技球を検出する。従って、払出制御手段は、払出カウントスイッチ301の検出信号によって、実際に払い出された遊技球の数を計数することができる。
図18は、球払出装置97の構成例を示す分解斜視図である。この例では、払出ケース40Aとしての3つのケース141,142,143の内部に球払出装置97が形成されている。ケース141,142の上部には、球切れスイッチの下部の球通路と連通する穴170,171が設けられ、遊技球は、穴170,171から球払出装置97に流入する。
球払出装置97は駆動源となる払出モータ(例えばステッピングモータ)289を含む。払出モータ289の回転力は、払出モータ289の回転軸に嵌合しているギア290に伝えられ、さらに、ギア290と噛み合うギア291に伝えられる。ギア291の中心軸には、球載置部を有するカム292が嵌合している。穴170,171から流入した遊技球は、カム292の球載置部によって、カム292の下方の球通路293に1個ずつ落下させられる。
また、球払出装置97において、発光素子(LED)と受光素子とによる払出モータ位置センサ295が設けられている。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するためのセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。
なお、この実施の形態では、球払出装置97は、賞球払出と球貸しとを共に行うように構成されているが、賞球払出を行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置が別個に設けられていてもよい。別個に設けられている場合には、賞球払出を行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置とで払出手段が構成される。さらに、例えば、カムまたはスプロケットの回転方向を変えて賞球払出と球貸しとを分けるように構成されていてもよいし、本実施の形態において例示する球払出装置97(モータによってカムを回転させる構成)以外のどのような構造の球払出装置を用いても、本発明を適用することができる。
また、この実施の形態では、払出ケース40Aとしての各ケース141,142,143は、アルミニウム素材など遮光素材を用いて作製されている。なお、払出ケース40Aとしての各ケース141,142,143は、アルミニウム素材に限らず、赤外線を遮光できる素材であれば、例えば、非透明な合成樹脂素材を用いて作製されていてもよい。そのようにすることによって、球払出装置97内部の受光素子に対して外部から赤外線を不正に照射できないようにしている。従って、球払出装置97に設けられているフォトカプラなどの受光素子に対して赤外線を照射して不正に賞球を払い出させる行為を防止することができ、不正防止対策をより強固なものとすることができる。
例えば、払出モータの回転動作中に払出モータ位置センサ(フォトセンサ)の受光素子に不正に赤外線を照射することによって球噛状態であると誤検出させ、球噛状態の解除動作を頻繁に行わせることによって球噛解除動作の分だけ賞球を多く払い出させようとする不正行為が行われる場合がある。このような場合、一般の遊技機では、単なる球噛エラーであると認識して、球噛解除動作後にエラー解除スイッチ押下などの操作が行われなくても2分程度で自動復旧してしまい、不正行為が行われたことが認識しにくい。この実施の形態では、後述するように、このような状態を検出すると、賞球エラー2の発生を報知する賞球エラー2報知表示を演出表示装置9に重畳表示するように構成されているので、不正に賞球を払い出させるような不正行為を防止することができる。また、上記に示したように、払出ケース40Aを遮光素材を用いて作製することによって、払出モータ位置センサ(フォトセンサ)の受光素子に不正に赤外線を照射することを難しくし、不正防止対策をより強固なものとすることができる。
図19は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図19には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、上側位置センサ91a、下側位置センサ91b、回転体第1位置センサ87a、回転体第2位置センサ87b、第1貯留部位置センサ90c、入賞口スイッチ33a,38a,39aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、普通可変入賞球装置61を開閉するための可動部ソレノイド62、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、可動部材77を可動するための可動部材駆動モータ77B、回転体86を回転駆動するための回転駆動モータ87、開放扉76A,76Bを連動して開閉させる開放ソレノイド75、第1貯留部材93aを可動する第1貯留部ソレノイド90a、第2貯留部材93bを可動する第2貯留部ソレノイド90bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図20は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図20に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103aを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、操作ボタン120からの検出信号を入力ポート103bを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図20には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図19に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板177側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して、装飾部材78を可動するための装飾部材駆動モータ78B、装飾部材78を開閉動作するための剣駆動モータ79、第1貯留部装飾部90eを可動するための第1貯留部装飾部ソレノイド90dを駆動する信号を出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図21は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数等であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数、および特別図柄の変動パターンを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(特別図柄変動パターン決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図22に示すステップS20〜S38のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ33a,38a,39a、カウントスイッチ23、上側位置センサ91a,下側位置センサ91b、回転体第1位置センサ87a、回転体第2位置センサ87bおよび第1貯留部位置センサ90cの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合等に異常報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図23は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(普通図柄変動パターン決定用)
(2)ランダム2:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム3:ランダム2の初期値を決定する(ランダム2初期値決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(特別図柄変動パターン決定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダムRということがある。また、(1)〜(5)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。
図22に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数および(4)の特別図柄変動パターン決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8および大入賞口(役物20および開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および普通可変入賞球装置61の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
次いで、CPU56は、回転体駆動モータ87を駆動して回転体86を回転駆動する回転体制御処理を行う(ステップS30)。この実施の形態では、タイマ割込処理でステップS30の回転体制御処理を繰り返し実行することによって、特別図柄の変動や役物20開放の有無にかかわりなく、遊技中に常に回転体86を回転制御する。なお、役物20を開放したタイミングで回転体86の回転制御を開始し、役物20を閉鎖したタイミングで回転体86の回転制御を停止するようにしてもよい。ただし、この場合であっても、役物20の閉鎖時に回転体86の回転を停止したときに回転体86の回転位置を初期位置には戻さないように(すなわち、次回回転を開始するときには、どの回転位置から回転が開始されるかわからないように)制御する。
次いで、CPU101は、回転体第1位置センサ87aの検出信号にもとづいて、回転体86の回転位置を計測する処理を行う(回転体位置計測処理:ステップS31)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS32)。
また、CPU56は、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、入賞口スイッチ33a,38a,39a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS33)。具体的には、始動口スイッチ60、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、入賞口スイッチ33a,38a,39a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域(ポート出力用RAM領域)におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:ソレノイド出力処理)。
また、役物20内に設けられている回転体86および可動部材77の位置を初期位置に設定するための処理である初期位置制御処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS38)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S37(ステップS32を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図24は、特別図柄の可変表示結果と大当り判定用乱数の判定値との関係の一例を示す説明図である。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜65535であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である65536個ある。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当りまたは小当り(第1小当り、第2小当りまたは第3小当り)とすることに決定する。また、図24に示すように、この実施の形態では、小当りに決定される場合には、小当り遊技中の役物20の開放回数や、第2大当り移行後のラウンド数が異なる3種類の小当り(第1小当り、第2小当り、第3小当り)のいずれかに決定される。また、図24に示すような特別図柄の停止図柄と判定値との関係は、ROM54にテーブルとして格納されている。すなわち、特別図柄の種類に対応させて各々の判定値が設定されたテーブルがROM54に格納されている。
図25は、大当り判定結果と動作との関係を示す説明図である。図25に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当りがある。小当りには、始動動作状態において役物20を1回開放する第1小当りと、始動動作状態において役物20を2回開放する第2小当りおよび第3小当りとがある。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している。また、小当り遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
図25に示すように、大当りとすることに決定されたときは、特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行する。
また、図25に示すように、第1小当りとすることに決定されたときは、特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態に1回移行する。つまり、役物20が1回開状態に制御される。そして、役物20が開状態に制御されたことによって、V入賞が発生した場合に、3ラウンドの大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行する。
また、図25に示すように、第2小当りとすることに決定されたときは、特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態に2回移行する。つまり、役物20が2回開状態に制御される。そして、役物20が開状態に制御されたことによって、V入賞が発生した場合に、7ラウンドの大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行する。
また、図25に示すように、第3小当りとすることに決定されたときは、9.9秒間の特別図柄および飾り図柄の変動が終了したら、始動動作状態に2回移行する。つまり、役物20が2回開状態に制御される。そして、役物20が開状態に制御されたことによって、V入賞が発生した場合に、16ラウンドの大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行する。
この実施の形態では、図25に示すように、複数の小当り種類が設けられ、各小当りに応じて異なる役物20の開放回数および大当りラウンド数が設定されているので、遊技者の遊技の興趣が向上させることができる。
また、図25に示すように、この実施の形態では、第1小当りに決定された場合には、リーチ演出を含まない変動パターン#4が用いられる。また、第2小当りに決定された場合には、変動パターン#5,#6が用いられる。変動パターン#5は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#6は、飾り図柄の変動中に、ノーマルリーチとは異なるリーチ態様のスーパーリーチAを伴う変動パターンである。
また、第3小当りに決定された場合には、変動パターン#7〜#9が用いられる。変動パターン#7は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#8は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#9は、飾り図柄の変動中に、ノーマルリーチおよびスーパーリーチAとは異なるリーチ態様のスーパーリーチBを伴う変動パターンである。
このように、この実施の形態では、小当りと決定されたときに、飾り図柄の変動中にリーチ演出が実行される場合には第2小当り遊技または第3小当り遊技が実行され、リーチ演出が実行されない場合には第1小当り遊技が実行される。リーチ演出が実行された後に開始された小当り遊技では役物20の開放回数が多い第2小当り遊技または第3小当り遊技が実行されるので、リーチ演出が実行されることによって、V入賞して第2遊技状態に移行することへの期待感を高めることができる。
また、図25に示すように、大当りに決定された場合には、変動パターン#1〜#3が用いられる。変動パターン1は、飾り図柄の変動中にノーマルリーチを伴う変動パターンである。また、変動パターン#2は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチAを伴う変動パターンである。また、変動パターン#3は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチBを伴う変動パターンである。
図25に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の変動中にスーパーリーチ演出が実行される場合には大当りとなる割合が高いのであるから、スーパーリーチ演出が実行されることによって、第1大当りが発生することへの期待感を高めることができる。
図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する回転体位置計測処理(ステップS31)のプログラムの一例を示すフローチャートである。回転体位置計測処理において、CPU56は、まず、回転体86が動作中であることを示す回転体動作中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3000)。なお、回転体動作中フラグは、回転体86の駆動が開始されたときに、後述するステップS215でセットされる。
回転体動作中フラグがセットされていれば(ステップS3000のY)、CPU56は、回転体第1位置センサ87aがオン状態となっているか否かを確認する(ステップS3001)。回転体第1位置センサ87aがオン状態となっていれば(ステップS3001のY)、CPU56は、回転体86の位置を計測するための回転体位置計測カウンタの値をリセットする(ステップS3002)。なお、この実施の形態では、回転体位置計測カウンタの値がおよそ16000までカウントされると回転体86が1回転(約32秒で1回転)し、回転体第1位置センサ87aのオンを検出して回転体位置計測カウンタの値がリセットされる。回転体第2位置センサ87aがオン状態となっていなければ(ステップS3001のN)、CPU56は、回転体位置計測カウンタの値を1加算する(ステップS3003)。
上記の処理が実行されることによって、回転体86が動作中である場合には、回転体位置計測カウンタの値が1ずつカウントアップされ回転体86の回転位置が計測される。また、回転体第1位置センサ87aがオン状態となると。回転体86の回転位置が基準位置に戻ったと判断し、回転体位置計測カウンタの値がリセット(0に戻す)される。そして、リセット後、さらに回転体86の動作に応じて、回転体位置計測カウンタの値のカウントアップを0から始める。
図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(始動口スイッチ60)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S311のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S311の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、特別図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では7)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する特別図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において特別図柄に対応する飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達していなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達している場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。演出期間を決定するための演出中時間タイマに演出中時間に相当する値を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を演出中処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。
演出中処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。演出時間が経過したら、V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では8)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)に応じた値(この例では10)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS311)に対応した値(この例では11)に更新する。
大当り終了処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図28は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図28に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図29に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図29に示された極性と逆極性であってもよい。
図30および図31は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図30および図31に示す例において、コマンド8001(H)〜8009(H)は、普通図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(普図変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8009(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
また、図30および図31に示す例において、コマンド8101(H)〜8109(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(特図変動パターンコマンド)である(それぞれ特別図柄変動パターン#1〜#9に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8101(H)〜8109(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8F00(H)は、普通図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、普通図柄確定指定コマンドを受信すると、普通図柄に対応した飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド8F01(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(特別図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄確定指定コマンドを受信すると、普通図柄に対応した飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が有利状態(時短状態)になったことを示す演出制御コマンド(有利状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が有利状態から通常状態(非有利状態)に戻ったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、大入賞口への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、コマンドD002(H)は、始動入賞口への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(始動入賞異常指定コマンド)である。
コマンドD003(H)は、遊技機が備える振動センサ(図示せず)が振動を検出したことを所定の第1態様で報知することを指定する演出制御コマンド(第1振動異常報知指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、振動センサが振動を検出したことを所定の第2態様で報知することを指定する演出制御コマンド(第2振動異常報知指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置20への入賞時に遊技機の振動を検出した場合には、第1態様(例えば、画面表示とランプ表示を用いた報知態様)で振動異常が報知される。また、可変入賞球装置20への入賞時でないときに遊技機の振動を検出した場合には、第2態様(例えば、ランプ表示のみを用いた報知態様)で振動異常が報知される。
コマンドD005(H)は、回転体86の異常を検出したことを報知することを指定する演出制御コマンド(回転体異常報知指定コマンド)である。コマンドD006(H)は、遊技機が備える磁気センサ(図示せず)によって磁気異常が検出されたことを報知することを指定する演出制御コマンド(磁気異常報知指定コマンド)である。
コマンドD007(H)は、第1貯留部への不正エラーが検出されたことを報知することを指定する演出制御コマンド(不正エラー報知指定コマンド)である。
コマンドD101(H)は、賞球エラーを検出したことを所定の第1態様で報知することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー1コマンド)である。コマンドD102(H)は、賞球エラーを検出したことを所定の第2態様で報知することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー2コマンド)である。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述するように、払出制御用マイクロコンピュータ370から受信する賞球10カウント信号にもとづいて、賞球カウンタのカウント値が所定の第2閾値を超えたか否か(例えば0以下であるか否か)を判定する処理を行い、カウント値が所定の第2閾値を超えたと判定すると、賞球を多く払い出させようとする不正行為が行われた可能性があると判定する。例えば、払出モータの回転動作中に払出モータ位置センサ295(フォトセンサ)の受光素子に不正に赤外線を照射することによって球噛状態であると誤検出させ、球噛状態の解除動作を頻繁に行わせることによって球噛解除動作の分だけ賞球を多く払い出させようとする不正行為が行われた場合には、賞球10カウント信号の受信回数が増加することにより、賞球カウンタのカウント値が所定の第2閾値を超え、賞球を多く払い出させようとする不正行為が行われた可能性があると判定することができる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、このような不正行為が行われた可能性があると判定すると、賞球エラー2コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球エラー2コマンドを受信したことにもとづいて、賞球エラー2の発生を報知する賞球エラー2報知表示(例えば、「賞球エラー2」と表示する報知態様)を演出表示装置9に重畳表示する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述するように、賞球カウンタのカウント値が所定の第1閾値を超えたか否か(例えば255以上であるか否か)を判定する処理を行い、カウント値が所定の第1閾値を超えたと判定すると、賞球不足であると判定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球不足であると判定すると、賞球不足エラー1コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球不足エラー1コマンドを受信したことにもとづいて、賞球不足エラー1の発生を報知する賞球不足エラー1報知表示(例えば、「賞球エラー1」と表示する報知態様)を演出表示装置9に重畳表示する。
コマンドE001(H)は、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE1XX(H)は、有利状態(時短状態)における特別図柄の変動可能回数(残り回数)を示す演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。なお、時短状態における特別図柄の変動に関わる演出制御コマンドとして、時短状態における特別図柄の変動の実行済み回数(演出制御コマンド送信時に実行される変動も含める。)を示す演出制御コマンドにしてもよい。この実施の形態では、時短状態とは、普通図柄の変動時間が短縮される遊技状態である。
コマンドE201(H)は、始動動作状態後の演出において、始動動作状態で役物20への入賞がなかった場合に対応する演出を実行することを指示する演出制御コマンド(第1演出開始指定コマンド)である。コマンドE202(H)は、始動動作状態後の演出において、始動動作状態で役物20への入賞はあったがV入賞がなかった場合に対応する演出を実行することを指示する演出制御コマンド(第2演出開始指定コマンド)である。コマンドE203(H)は、始動動作状態後の演出において、始動動作状態で役物20への入賞がありV入賞もあった場合に対応する演出を実行することを指示する演出制御コマンド(第3演出開始指定コマンド)である。
コマンドE300(H)は、可変入賞球装置(役物)20に遊技球が入賞した場合であってV入賞への期待度が大きいことを報知することを指定する演出制御コマンド(V入賞期待度大報知指定コマンド)である。コマンドE301(H)は、可変入賞球装置(役物)20に遊技球が入賞した場合であってV入賞への期待度が小さいことを報知することを指定する演出制御コマンド(V入賞期待度小報知指定コマンド)である。
コマンドE400(H)は、役物20の第1進入口71への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(第1役物入賞指定コマンド)である。コマンドE401(H)は、役物20の第2進入口72への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(第2役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66Aへの入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図30および図31に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図32は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS81)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS82)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS83)。ステップS83では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム4(図23参照)の値(特別図柄変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS84)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS85)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図33および図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS60)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS61)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図24に例示されたテーブルの設定されている判定値)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするかまたは小当りとするかを決定する処理を実行するプログラムである。なお、ステップS61では、小当りと決定する場合には、CPU56は、小当りの種類として、第1小当り、第2小当りまたは第3小当りのいずれとするかも決定する。また、この実施の形態では、図24のテーブルに示すように、ステップS61の大当り判定においてはずれはない。
大当りとすることに決定したときには(ステップS62)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS63)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS70)。
大当りとすることに決定しなかった場合(すなわち、第1小当り、第2小当りまたは第3小当りのいずれかに決定した場合)には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認し、時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1するとともに(ステップS65,S66)、演出制御用マイクロコンピュータ100に時短回数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS68,S69)。そして、ステップS70に移行する。
図35は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS340)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS341)。変動パターンテーブルとは、図25に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。この実施の形態では、図25に示すように、大当り判定の判定結果(大当りとするのか、第1小当り〜第3小当りのいずれとするのか)に応じて異なる変動パターンテーブルを用いている。
なお、CPU56は、第1小当りとすると決定されている場合には、「1」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、第2小当りとすると決定されている場合には、「3」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、CPU56は、第3小当りとすると決定されている場合には、「5」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。なお、CPU56は、大当りとすると決定されている場合には、「7」を特別図柄表示器8に表示させる特別図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。
CPU56は、ステップS41で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS342)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS344)。例えば、ステップS36の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS41の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS345)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS346)。
図36は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図37は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS36の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、特別図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S134)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS135)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、16ラウンド(16R)に相当する16である。
大当りフラグがセットされておらず(すなわち、小当りである場合)、時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに、時短フラグをリセットする(ステップS133,S138,S139,S140)。また、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS142)、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS143)。
次に、始動動作状態を説明する。図38は、ROM54における始動動作状態に関するデータが設定されているテーブルを示す説明図である。図38(A)には、役物20の開放回数が1回の場合に使用される役物開放時テーブルが示され、図38(B)には、役物20の開放回数が2回の場合に使用される役物開放時テーブルが示されている。役物開放時テーブルには、開放中処理時間(役物20の開放時間と開放間の閉鎖時間との和の時間)に相当する値を示すデータと、ROM54に格納されている開放パターンテーブルの先頭アドレス(AAAAまたはBBBBとする。)が順に設定されている。順にとは、データの格納アドレスが連続していることを意味する。
なお、この実施の形態では、役物20の開放回数が1回の場合には、役物20の開放時間は0.7秒であり、役物20の開放回数が2回の場合には、それぞれの開放時間は0.7秒であって、閉鎖時間は0.5秒である。また、開放中処理時間を計測するタイマの値は2ms(2m秒)毎に更新されるので、役物開放時テーブルにおいて(後述する開放パターンテーブルにおいても)、(2ms×(データの値))が時間になるようなデータが、16進数で設定されている。役物20の開放回数が1回の場合には、閉鎖時間がないので、開放中処理時間は、役物20の開放時間と同じである。また、役物20の開放回数が2回の場合には、開放中処理時間は、役物20の2回の開放時間と閉鎖時間との和と同じである。
図38(B)に示すように、役物20の開放回数が1回の場合に使用される開放パターンテーブルには、順に、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))が設定されている。役物20の開放回数が2回の場合に使用される開放パターンテーブルには、順に、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))、閉鎖時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=01(オンを示す))、開放時間を示す値のデータ、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))が設定されている。
CPU56は、開放パターンテーブルに設定されているデータにしたがって、始動動作状態における役物20の開閉を制御する。なお、ソレノイド出力データは、役物20を開放するための開放ソレノイド75の駆動状態を示すデータである。オンは、役物20の開放(開放ソレノイド75の駆動)を示し、オフは、役物20の閉鎖(開放ソレノイド75の駆動停止)を示す。
図39は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、始動動作状態における役物20の開放回数が1回に決定されている場合(開放パターンが開放回数1回である場合)には、役物20の開放回数が1回の場合に使用される役物開放時テーブルのアドレスをレジスタ(RAM55でもよい)に設定する(ステップS410,S411)。また、役物20の開放回数が1回に決定されていない場合(2回に決定されている場合)には、役物20の開放回数が2回の場合に使用される役物開放時テーブルのアドレスをレジスタ(RAM55でもよい)に設定する(ステップS410,S412)。なお、この実施の形態では、役物20の開放回数は、ステップS61,S62の処理で小当りの種類が決定されたことにもとづいて決定される。すなわち、第1小当りと決定された場合には役物20の開放回数は1回と決定され、第2小当りまたは第3小当りと決定された場合には役物20の開放回数は2回と決定される。
そして、設定されたアドレスのデータと次のアドレスのデータ(開放中時間である:図38参照)を開放中処理時間タイマに設定する(ステップS413)。また、設定されているアドレスを+2し(ステップS414)、そのアドレスのデータと次のアドレスのデータ(開放パターンテーブルの先頭アドレスである:図38参照)をRAM55に形成されているポインタに設定する(ステップS415)。なお、この実施の形態では、CPU56のデータバスは8ビット(1バイト)である。ステップS413の処理で2バイトのデータを扱うので、ステップS414の処理でアドレスは+2される。
次いで、ポインタが指すアドレスのデータをロードする(ステップS416)。ここでは、1バイトのソレノイド出力データ(=01(オンを示す))がロードされる(図34(B)参照)。CPU56は、ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS417)。なお、図22に示されたソレノイド出力処理(ステップS34)において、ポート出力用RAM領域にセットされたデータにもとづいて開放ソレノイド75が駆動され、役物20が開放する。そして、ポインタの値を+1する(ステップS418)。ポインタの値は、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスになる。すなわち、ポインタは、開放パターンテーブルにおける2番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
さらに、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS419)。ここでは、開放時間を示す2バイトのデータがロードされる(図38(B)参照)。そして、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS421)。CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS422)。よって、ポインタは、開放パターンテーブルにおける3番目のデータが格納されているアドレスを指すことになる。
次いで、CPU56は、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS423)、役物20の開放制御を開始したことを示す役物開放開始フラグをセットする(ステップS424)とともに、役物20を開放してからの経過時間を計測するための役物開放後時間計測タイマをスタートさせる(ステップS425)。
次いで、CPU56は、回転体位置計測処理(ステップS31参照)で更新される回転体位置計測カウンタの現在の値にもとづいて、V入賞期待度を判定するためのV入賞期待度判定テーブルを用いて、V入賞期待度を判定する(ステップS425A)。ただし、この実施の形態では、ステップS425Aでは、可変入賞球装置(役物)20内に設けられた2つの経路のうち、第1経路に進入した遊技球がV入賞する期待度を判定するものとする。すなわち、可変入賞球装置(役物)20開放後に遊技球が役物20に進入してから第1経路を経由して回転体86に到達するまでの時間はある程度予測可能である。従って、役物20開放開始時の回転体86の回転位置が分かれば、第1経路を経由して進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞(V入賞)するか否かある程度予測可能である。そこで、この実施の形態では、役物20開放時における回転体86の回転位置のうち、V入賞する可能性の高い回転位置とそうでない回転位置とをあらかじめV入賞期待度判定テーブルに設定しておき、ステップS425AにおいてV入賞期待度判定テーブルを用いてV入賞期待度を判定する。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でV入賞期待度を判定する場合を示しているが、演出制御用マイクロコンピュータ100側でステップS425Aと同様の処理に従ってV入賞期待度を判定するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS31と同様の処理(具体的には、ステップS3000〜S3003と同様の処理)に従って回転体位置計測カウンタの値を更新することによって、回転体86の回転位置を計測している。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置(役物)20の開放を開始すると、役物を開放したことを指定する役物開放指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、役物開放指定コマンドを受信したことにもとづいて、ステップS425Aと同様の処理に従って、現在の回転体位置計測カウンタの値および後述するV入賞期待度判定テーブルとを用いて、V入賞期待度を判定する。
図40は、V入賞期待度判定テーブルの例を示す説明図である。図40に示すように、この実施の形態では、CPU56は、ステップS425Aにおいて、回転体位置計測カウンタの値が10000〜10999であれば、V入賞期待度が大きいと判定する。また、回転体位置計測カウンタの値が0〜9999または11000以上であれば、V入賞期待度が小さいと判定する。
なお、この実施の形態において、「V入賞期待度(信頼度)」とは、あるタイミングで役物20が開放された場合に役物20内に進入した遊技球がV入賞して大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、あるタイミングXで役物20が開放された場合のV入賞期待度は、(あるタイミングXで役物20が開放された場合にV入賞して大当りとなる割合)/(あるタイミングXで役物20が開放された場合にV入賞して大当りとなる場合およびV入賞せずにハズレとなる場合の両方の割合)を計算することによって求められる。
また、V入賞期待度を演出制御用マイクロコンピュータ100側で判定する場合には、図40に示すV入賞期待度判定テーブルを演出制御用マイクロコンピュータ100が備えていてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図40に示すV入賞期待度判定テーブルを用いて、ステップS425Aと同様の処理に従って、V入賞期待度を判定してもよい。
ステップS425AでV入賞期待度が大きいと判定した場合には(ステップS425BのY)、CPU56は、V入賞期待度大報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS425C)。V入賞期待度が小さいと判定した場合には(ステップS425BのN)、CPU56は、V入賞期待度小報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS425D)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS426)。
図41は、回転体86の回転位置とV入賞期待度との関係を示す説明図である。図41(C)に示すように、この実施の形態では、第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499の範囲であれば、回転体86の特定入賞口66Aがちょうど前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66AにV入賞する可能性が高くなる。したがって、役物20を開放してから遊技球が回転体86に到達するまでの回転体86の回転量を用いて逆算すれば、役物開放のタイミングで回転体86の回転位置(具体的には、回転体位置計測カウンタの値)がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。この実施の形態では、図41(A)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20を開放するタイミングで、ステップS425AのV入賞期待度の判定の処理において、図40に示すV入賞期待度判定テーブルを用いて、回転体位置計測カウンタの値が10000〜10999であれば、V入賞期待度「大」と判定する。その後、図41(B)に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにもとづいて回転体位置計測カウンタの値がリセットされた後、図41(C)に示すように、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499となり(回転体86が前面側に位置する状態となり)、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。
なお、この実施の形態では、V入賞期待度を「大」と「小」との2段階で判定する場合を示しているが、2段階にかぎらず、例えば、「大」、「中」、「小」の3段階で判定するようにしてもよい。この場合、例えば、図42(A)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20を開放するタイミングで、ステップS425AのV入賞期待度の判定の処理において、V入賞期待度判定テーブルを用いて、回転体位置計測カウンタの値が10000〜10999であれば、V入賞期待度「大」と判定する。また、例えば、回転体位置計測カウンタの値が10000〜10999の前後の所定範囲内(例えば、6500〜9999または11000〜14499)であれば、V入賞期待度「中」と判定する。また、例えば、回転体位置計測カウンタの値がそれ以外(例えば、0〜6499または14500以上)であれば、V入賞期待度「小」と判定する。その後、図42(B)に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにもとづいて回転体位置計測カウンタの値がリセットされた後、図42(C)に示すように、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499となると、回転体86が前面側に位置する状態となり、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。また、回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499の前後の所定範囲内(例えば、0〜3499または4500〜7999)でれば、回転体86が前面側から少しずれた位置となり、V入賞のしやすさは中程度となる。また、回転体位置計測カウンタの値がそれ以外(例えば、8000以上)であれば、回転体86が背面側に位置することになり、V入賞しにくい。
図43〜図45は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、開放中処理時間タイマが既にタイムアウトしている(値が0になっている)か否か確認する(ステップS430)。タイムアウトしていれば、ステップS451に移行する。
開放中処理時間タイマがタイムアウトしていない場合には、開放中処理時間タイマの値を−1する(ステップS431A)。また、オン時間/オフ時間タイマの値を−1する(ステップS431B)。そして、CPU56は、オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトした(値が0になった)か否か確認する(ステップS432)。タイムアウトしていれば、ステップS442に移行する。
オン時間/オフ時間タイマがタイムアウトしていない場合には、第1役物入賞スイッチ71aがオンしたら、すなわち役物20の第1進入口71に入賞した遊技球を検出したら(ステップS434A)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS435A)、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS436A)。そして、ステップS437に移行する。
また、第2役物入賞スイッチ72aがオンしたら、すなわち役物20の第2進入口72に入賞した遊技球を検出したら(ステップS434B)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS435B)、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS436B)。そして、ステップS437に移行する。
第1役物入賞スイッチ71aおよび第2役物入賞スイッチ72aのいずれもオンしていなければ(ステップS434BのN)、そのままステップS437に移行する。
また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS437)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS438)。
また、遊技球が特定入賞口66Aに進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS439)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS440)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS441)。
ステップS442では、CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータをロードする。ロードしたデータをポート出力用RAM領域にセットする(ステップS443)。
始動動作状態における役物20の開放回数が1回に決定されている場合には、ロードしたデータはソレノイド出力データ(=00(オフを示す))である。また、始動動作状態における役物20の開放回数が2回に決定されている場合には、ロードしたデータはソレノイド出力データ(=00(オフを示す))またはソレノイド出力データ(=01(オンを示す))になる。すなわち、始動動作状態における役物20の開放回数が2回に決定されている場合、役物開放中処理において、最初にステップS442の処理が実行されるときには、ソレノイド出力データ(=00(オフを示す))であり、2回目にステップS442の処理が実行されるときには、2回目の開放に対応するソレノイド出力データ(=01(オンを示す))であり、3回目にステップS442の処理が実行されるときには、2回目の開放に対応するソレノイド出力データ(=00(オフを示す))である。
次いで、CPU56は、ポインタの値を+1し(ステップS444)、ポインタが指すアドレスのデータと次のアドレスのデータとをロードする(ステップS445)。ロードしたデータが0000(終了コード:図38(B)参照)であれば(ステップS446)、入賞監視タイマに入賞監視時間(例えば6秒)に相当する値を設定する(ステップS447)。
ロードしたデータが0000でなければ、ロードしたデータを、開放時間または閉鎖時間を計測するためのオン時間/オフ時間タイマに設定する(ステップS448)。そして、CPU56は、ポインタの値を+2しておく(ステップS449)。
ステップS451では、CPU56は、入賞監視タイマがタイムアウトしている(値が0になっている)か否か確認する。入賞監視タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞監視タイマの値を−1し(ステップS452)、ステップS434Aに移行する。
入賞監視タイマがタイムアウトしている場合には、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS453)。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS456Aに移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、役物開放後時間計測タイマをリセットする(ステップS454)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS455)。
ステップS456Aでは、CPU56は、役物20内の第1貯留部を開放中であることを示す第1貯留部開放フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS456Eに移行する。セットされていなければ、CPU56は、役物開放後時間計測タイマの値にもとづいて所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かを確認する(ステップS456B)。第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C)。そして、第1貯留部開放フラグをセットし(ステップS456D)、ステップS437に移行する。
役物20の第1進入口71から進入し第1経路を経由して第1貯留部に遊技球が貯留されていた場合には、ステップS456A〜S456Dの処理が行われることによって、役物20開放後の所定時間後に第1貯留部から開放され、回転体86に導かれる(図11、図12参照)。そして、特定入賞口66Aに入賞した場合にはステップS439の処理で特定領域スイッチ66aで検出され、特定入賞口66Aに入賞せずに排出された場合にはステップS437の処理で役物排出スイッチ85aで検出されることになる。
ステップS456Eでは、CPU56は、役物20内の第2貯留部を開放中であることを示す第2貯留部開放フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS456Iに移行する。セットされていなければ、CPU56は、役物開放後時間計測タイマの値にもとづいて所定の第2貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)12秒)を経過したか否かを確認する(ステップS456F)。第2貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を開放状態に制御する(ステップS456G)。そして、第2貯留部開放フラグをセットし(ステップS456H)、ステップS437に移行する。
ステップS456Iでは、CPU56は、役物開放後時間計測タイマの値にもとづいて所定の可動部材77の可動時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)13秒)を経過したか否かを確認する。可動部材77の可動時間を経過していれば、可動部材77を可動する可動部材制御を実行する(ステップS456J)。そして、ステップS437に移行する。
役物20の第2進入口72から進入し第2経路を経由して第2貯留部に遊技球が貯留されていた場合には、ステップS456E〜S456Jの処理が行われることによって、役物20開放後の所定時間後に第2貯留部から開放され、可動部材77が右上方から左下方に斜めに傾斜した状態に可動されることによって、可動部材77内を通って回転体86に導かれる(図13、図14参照)。そして、特定入賞口66Aに入賞した場合にはステップS437の処理で役物排出スイッチ85aで検出されるとともにステップS439の処理で特定領域スイッチ66aで検出され、特定入賞口66Aに入賞せずに排出された場合にはステップS437の処理で役物排出スイッチ85aで検出されることになる。
なお、この実施の形態では、開放中処理時間タイマがタイムアウトしてから役物内遊技球個数カウンタの値が0になるまで、すなわち役物20内の遊技球が全て排出されるまで、役物開放中処理において、役物入賞スイッチ71a,72aの検出信号、役物排出スイッチ85aの検出信号およびV入賞スイッチ22の検出信号の確認を行っているが、開放中処理時間タイマがタイムアウトしてからのそれらの確認を、役物開放中処理以外の処理(例えば、ステップS305の役物開放中処理とステップS306の役物閉鎖後処理との間で実行される別の処理)で実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、開放中処理時間タイマがタイムアウトするまで始動動作状態が継続するが、始動動作状態において所定個の遊技球が役物20に入賞したことが検出されたときに、開放中処理時間タイマがタイムアウトしていなくても、始動動作状態を終了させるようにしてもよい。例えば、CPU56は、役物入賞スイッチ71a,72aによって所定個(例えば、各役物入賞スイッチ71a,72aで最低1個ずつ)の遊技球が役物20に入賞したことを確認したときに、開放中処理時間タイマの値を0にする。
図46は、可動部材制御を示すフローチャートである。可動部材制御において、CPU56は、可動部材77が動作中(可動部材動作中)であるか否か(可動部材動作中フラグがセットされているか否か)確認する(ステップS221)。動作中でなければ、CPU56は、可動部材77を既に可動済みであることを示す可動部材動作済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS222)。可動部材動作済フラグもセットされていなければ、CPU56は、可動部材駆動モータ77Bを駆動し、可動部材77の可動を開始する(ステップS223)。この場合、図7および図8に示すように、役物20内の上方で水平な状態から、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態となるように可動部材77が可動する。なお、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって連動して装飾部材78の可動制御が行われることによって、図7および図8に示すように、装飾部材78が可動部材77の前方に重なった状態で連動して可動される。また、可動部材動作中であることを示す可動部材動作中フラグをセットする(ステップS224)。
可動部材動作中である場合には(ステップS221のY)、CPU56は、下側位置センサ91bからのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS225)。下側位置センサ91bからのオン信号を検出した場合には、CPU56は、可動部材駆動モータ77Bの駆動を停止して可動部材77の可動を停止させる(ステップS226)。また、可動部材動作中フラグをリセットする(ステップS227)とともに、可動部材動作済フラグをセットする(ステップS228)。そして、可動部材77を初期位置に復帰させることを要求する可動部材初期位置設定要求フラグをセットする(ステップS229)。
なお、この実施の形態では、可動部材77の左端部分が最も下方まで可動してステップS226で可動を停止された場合には、ステップS229で可動部材初期位置設定要求フラグがセットされたことにもとづいて、ステップS35の初期位置制御処理にて直ちに可動部材77を初期位置に戻す処理が実行される。
図47は、役物閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、図46に示す回転体制御で参照される回転体動作停止要求フラグをセットする(ステップS458)。また、回転体制御を実行する(ステップS459)。次いで、CPU56は、第1貯留部開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS459A)。第1貯留部開放フラグがセットされていれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を閉鎖状態に戻す(ステップS459B)。そして、第1貯留部開放フラグをリセットする(ステップS459C)。次いで、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS460)。また、小当りフラグをリセットする(ステップS461)。
次いで、CPU56は、演出開始指定コマンド(第1演出開始指定コマンド、第2演出開始指定コマンドまたは第3演出開始指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。この場合、CPU56は、始動動作状態において役物20に全く遊技球が入賞なかった場合には第1演出開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS462,S464)。役物20に全く遊技球が入賞なかったことは、例えば、ステップS435A,S435Bの処理(役物内遊技球個数カウンタを+1する処理)で、遊技球が入賞したことを示す内部フラグをセットし、そのフラグがセットされていなかったことによって判定できる。また、役物20に1個以上の遊技球が入賞した場合には、V入賞フラグがセットされていなければ、すなわちV入賞が発生しなかった場合には、第2演出開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS462,S463,S465)。V入賞フラグがセットされていれば、すなわちV入賞が発生した場合には、第3演出開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS462,S463,S466)。演出中タイマに演出中時間(この例では3秒)に相当する値を設定し(ステップS467)、特別図柄プロセスフラグの値を、演出中処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS468)。
図48は、ステップS35の初期位置制御処理を示すフローチャートである。初期位置制御処理において、CPU56は、可動部材初期位置設定中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1241)。セットされている場合には、ステップS1247に移行する。セットされていない場合には、可動部材初期位置設定要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1242)。セットされていない場合には、処理を終了する。セットされている場合には、可動部材初期位置設定要求フラグをリセットし(ステップS1243)、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を閉鎖状態に戻す(ステップS1244)。また、第2貯留部開放フラグをリセットする。次いで、CPU56は、可動部材駆動モータ77Bを駆動し、可動部材77の可動を開始する(ステップS1245)。この場合、CPU56は、役物開放中処理において実行する可動部材制御とは逆方向に可動部材駆動モータ77Bを駆動する。したがって、可動部材77は、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態から、再び役物20内の上方で水平な状態に戻るように可動する。なお、既に可動部材駆動モータ77Bの駆動中であれば、CPU56は、駆動を継続させる。また、可動部材初期位置設定中フラグをセットする(ステップS1246)。
そして、上側位置センサ91aがオン(上側位置センサ91aから検出信号が出力されること)したら、可動部材77の可動を停止させるために可動部材駆動モータ77Bの駆動を停止する(ステップS1247,S1248)。また、可動部材初期位置設定中フラグをリセットする(ステップS1249)。
図49は、演出中処理(ステップS307)を示すフローチャートである。演出中処理において、CPU56は、演出中時間タイマの値を−1する(ステップS1460)。演出中時間タイマの値が0になったら、すなわち演出中時間タイマがタイムアウトしたら、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1461,S1462)。V入賞フラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS1469)。
V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS1463)、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS1464)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1465)。また、大当りフラグをセットし(ステップS1466)、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1467)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS1468)。
図50は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS478)。
図51は、大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS499に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS499に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS486,S488)。
ステップS499では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS500)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)に対応した値に更新する(ステップS501)。
なお、この実施の形態では、大入賞口が可変入賞球装置(役物)20とは別に設けられている場合を示しているが、可変入賞球装置20を大入賞口として用いて大当り遊技において可変入賞球装置20を開閉動作するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、大入賞口開放前処理のステップS477において、開放ソレノイド75を駆動して開放扉76A,76Bを開放状態に制御する。そして、大入賞口開放中処理のステップS486で役物入賞スイッチ71a,72aがオン状態となったか否かを確認し、ステップS499で開放ソレノイド75の駆動を停止して開放扉76A,76Bを再び閉鎖状態に制御するようにしてもよい。また、開閉板16を用いて構成される大入賞口(下大入賞口という)と、可変入賞球装置(役物)20を用いて構成される大入賞口(上大入賞口という)とを両方用いるようにしてもよい。この場合、例えば、ラウンドによって開放する大入賞口を切り替えるようにしてもよい。例えば、奇数番目のラウンドでは下大入賞口を開放制御するようにし、偶数番目のラウンドでは下大入賞口を開放制御するようにしてもよい。
図52は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS517に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、大当りフラグをリセットする(ステップS521)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS311)に対応した値に更新する(ステップS526)。
なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると、時短状態(特別図柄の変動時間が短縮される状態)になる場合があるが、その状態は、時短回数カウンタにセットされた値が示す回数の特別図柄の変動が終了するまで継続する。
ステップS517では、CPU56は、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS518)。
なお、大入賞口内の特別領域に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することとしてもよい。
図53は、大当り終了処理(ステップS311)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS536)。時短フラグがセットされていなければ、ステップS541に移行する。時短フラグがセットされていれば、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS537)。そして、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かに応じて時短回数カウンタに時短回数をセットする(ステップS538,S539)。また、ステップS541では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを確認する。そして、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かに応じて時短回数カウンタに時短回数をセットする(ステップS542,S543)。
図54は、時短回数カウンタにセットされる時短回数の例を示す説明図である。図54に示すように、時短フラグおよびV入賞フラグがセットされている場合(つまり、有利状態時の小当り遊技で遊技球がV入賞した場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が10回であることを示す10がセットされる(ステップS536,S537,S539)。そして、CPU56は、V入賞フラグをリセットする(ステップS540)。また、図54に示すように、時短フラグがセットされ、V入賞フラグがセットされていない場合(つまり、有利状態で、ステップS61,S62で大当りとすると決定された場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が15回であることを示す15がセットされる(ステップS536,S537,S538)。
また、図54に示すように、時短フラグがセットされておらず、V入賞フラグがセットされている場合(つまり、通常状態時の小当り遊技で遊技球がV入賞した場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が3回であることを示す3がセットされる(ステップS536,S541,S543)。そして、CPU56は、V入賞フラグをリセットし(ステップS544)、ステップS545に移行する。また、図54に示すように、時短フラグおよびV入賞フラグがセットされていない場合(つまり、通常状態で、ステップS61,S62で大当りとすると決定された場合)に、特別図柄プロセス処理では、時短回数カウンタに時短回数が5回であることを示す5がセットされる(ステップS536,S541,S542)。ステップS545では、時短フラグがセットされる(ステップS545)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS546)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図55は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112〜S114)を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS112)。最大値に達していなければ(ステップS112のN)、CPU56は、ソフトウェア乱数である普通図柄変動パターン決定用乱数(ランダム1)および普通図柄当り判定用乱数(ランダム2)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う(ステップS113)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する(ステップS114)。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。
その後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S105に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく普通可変入賞球装置61の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101):普通図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、ゲート32への入賞の発生時に抽出した普通図柄変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)を普通図柄プロセスタイマにセットした後、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が有利状態(時短状態)であるか否かを確認し、有利状態であれば、有利状態のときの普通電動役物(普通可変入賞球装置61)の開放パターンを選択し、通常状態(非時短状態)であれば、通常状態のときの普通電動役物(普通可変入賞球装置61)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物解放前処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物開放前処理(ステップS104):普通図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1回目の開放前であれば、開放回数カウンタに開放回数をセットし、ソレノイド15aを駆動して普通電動役物(普通可変入賞球装置91)を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS105)に対応した値(具体的には「5」)に更新する。第1回目の開放前でなければ、すなわち2回目以降の開放後であれば、閉鎖時間を計測し、閉鎖時間が経過したら、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS105)に対応した値(具体的には「5」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS105):普通図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放時間を計測し、開放時間が経過したら、可動部ソレノイド62の駆動を停止させて普通電動役物を閉鎖する。最後の開放が終了した場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。最後の開放が終了した場合でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS104)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。
次に、賞球払出に関する処理を説明する。図56は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図56には、遊技球を検出するスイッチのうち入賞によって賞球払出を行うことになるスイッチのみが示されている。図56に示すように、入力ポート0のビット0〜6には、それぞれ、カウントスイッチ23、第2役物入賞スイッチ72a、第1役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ33a、入賞口スイッチ38a、入賞口スイッチ39a、始動口スイッチ60の検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図19に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。賞球10カウント信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信される払出制御信号であり、払出個数カウントスイッチ301の検出信号を用いて累積して賞球の払出を10回検出したことにもとづいて送信される信号である。
図58は、図57に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図58に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するCPU56)によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図19に示された遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵するI/Oポート部57の外側に設置されている(図19では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に入力回路373Aが設置されている。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して、賞球払出時の払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態を示す賞球10カウント信号(この実施の形態では、払出個数カウントスイッチ301の検出信号を用いて賞球の払出を累積して10回検出したときに送信される)も送信される。払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する賞球10カウント信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
図59は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図59に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、第2役物入賞スイッチ72a、第1役物入賞スイッチ71a、入賞口スイッチ33a,38a,39a、始動口スイッチ60)が遊技球の入賞を検出して検出信号を出力したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、始動口スイッチ60で遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,38a,39aで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
また、CPU56は、上述した賞球処理(ステップS33)において、賞球10カウント信号を受信する毎に、賞球カウンタの値を10減算する。なお、賞球カウンタは、払い出すべき予定賞球数と実際に払い出された賞球数との差を管理するためのカウンタである。この実施の形態では、CPU56は、後述するように、いずれかの入賞口への入賞を検出し賞球個数信号を送信する際に、送信する賞球個数信号で指定する値を賞球カウンタに加算する。また、賞球10カウント信号を受信したことにもとづいて、賞球カウンタの値を10減算する。なお、この実施の形態では、入賞口への入賞が未だ発生しておらず、賞球10カウント信号も受信していない場合には、賞球カウンタの値は、デフォルトとして「100」に設定されているものとする。
また、CPU56は、賞球10カウント信号を受信するごとに賞球カウンタの値を10ずつ減算していき、その値が所定の第2閾値(図44では「0」)に達した場合には、払出モータ位置センサ295(フォトセンサ)の受光素子に不正に赤外線を照射する不正行為が行われた可能性があると判定し、賞球エラーが発生したことを示す賞球エラー2コマンドを、演出制御基板80に向けて送信する。演出制御用CPU101は、賞球エラー2コマンドを受信すると、賞球エラー2の発生を報知する賞球エラー2報知表示を演出表示装置9に重畳表示する。このように、賞球カウンタの値が所定の第2閾値に達したことにもとづいて賞球エラー2報知表示を行う構成としたので、払出モータの回転動作中に払出モータ位置センサ295(フォトセンサ)の受光素子に赤外線を照射することによって賞球を多く払い出させようとする不正行為が行われた可能性があることを、遊技機の外部から認識することができる。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、遊技球の検出に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図60は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図56に示す入力ポート0のビット0〜5に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図61は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの16ビットと前回ポートバッファの16ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0および入力ポート1のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0および入力ポート1から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの16ビットと前回ポートバッファの16ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、9つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、入力ポート1のビット0〜6は、0に固定されているとする。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0および入力ポート1から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0および入力ポート1から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図62は、ステップS33の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、CPU56は、賞球個数加算処理(ステップS1341)、賞球制御処理(ステップS1342)および賞球カウンタ減算処理(ステップS1343)を実行する。
賞球個数加算処理では、図63に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。
図64は、ステップS1341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ(ステップS361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362に移行する。ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS362では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS362のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるか否か確認する(ステップS363)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS308の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
特別図柄プロセスフラグの値が8以上である場合には(ステップS363のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS368)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS369)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS357の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が8未満である状態は、大当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が8未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(ステップS363のN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS368,S369の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS362のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS366)。すなわち、ステップS361で始動口スイッチ60がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが始動口スイッチ60であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS366のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS367)。普通図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS104の普通電動役物開放前処理またはステップS105の普通電動役物開放中処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(普通可変入賞球装置61)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(ステップS366のN)、および普通図柄プロセスフラグの値が4以上である場合(ステップS367のY)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS368)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS369)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が4以上でない状態は、普通可変入賞球装置61が開放していない状態である。そのような状態において始動口スイッチ60がオンしたことが検出されたということは、始動入賞口に異常入賞が生じたこと、または始動口スイッチ60からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が4未満である状態で始動口スイッチ60がオンしたことが検出された場合には(ステップS367のN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、始動口スイッチ60がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS368,S369の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
図65は、ステップS1342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。
次いで、CPU56は、賞球個数バッファの内容を賞球カウンタに加算する(ステップS375A)。なお、前述したように、賞球カウンタの値は、デフォルトで「100」に設定されているものとする。従って、例えば、遊技機への電源投入後に初めて賞球個数7個の入賞口33,38,39に入賞した場合には、賞球カウンタに「7」が加算されてカウント値が「107」とされる。
なお、この実施の形態では、賞球個数信号を出力する際に賞球個数バッファの内容を賞球カウンタに加算する場合を示しているが、賞球カウンタから賞球個数バッファの内容を減算するようにしてもよい。例えば、上述した例において、遊技機への電源投入後に初めて賞球個数7個の入賞口33,38,39に入賞した場合には、賞球カウンタから「7」を減算してカウント値を「93」としてもよい。
また、ステップS375Aに示す賞球カウンタの加算処理は、賞球個数信号を出力する際であれば、厳密には賞球個数信号の出力直前に行ってもよく賞球個数信号の出力直後に行ってもよい。
そして、CPU56は、加算後の賞球カウンタの値が所定の第1閾値を超えているか否かを確認する(ステップS375B)。この実施の形態では、CPU56は、賞球カウンタの値が255以上であるか否かを判定する。
ステップS375Bで賞球カウンタの値が所定の第1閾値を超えていれば(すなわち、255以上であれば)、CPU56は、賞球不足エラーが発生していると判定し、既に賞球不足エラー報知を開始していることを示す賞球エラー1報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS375C)。セットされていなければ、CPU56は、賞球エラー1コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS375D)とともに、賞球エラー1報知フラグをセットする(ステップS375E)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、賞球エラー1コマンドを受信したことにもとづいて、演出表示装置9に賞球エラー1報知表示を重畳表示する。なお、賞球エラー1報知フラグは、賞球カウンタの値が所定の第1閾値内に復帰した場合に(すなわち、255より少ない値に復帰した場合に)、リセットするようにしてもよい。また、リセットボタンなどを用いたリセット操作により、賞球エラー1報知フラグをリセットするとともに、賞球エラー1報知表示を停止するようにしてもよい。また、賞球エラー1報知表示の開始後、所定時間(例えば、3分間)が経過したことにもとづいて、賞球エラー1報知フラグをリセットするとともに、賞球エラー1報知表示を停止するようにしてもよい。また、賞球エラー1報知フラグを用いずに、賞球カウンタの値が所定の第1閾値を超えていれば、毎回賞球エラー1コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球エラー1コマンドを受信しなくなったことにもとづいて賞球エラー1報知表示を停止するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、賞球不足エラー報知として演出表示装置9に賞球エラー1報知表示を重畳表示する場合を示しているが、賞球不足エラー報知の報知態様は、この実施の形態で示した態様に限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球不足エラー報知用のランプが設けられている場合には、賞球エラー1コマンドを受信したことにもとづいて、賞球不足エラー報知用ランプを点灯または点滅表示させてもよく、所定の警告音をスピーカから出力するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で賞球不足エラー報知の制御を行う場合を示したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で賞球不足エラー報知の制御を行ってもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、ステップS375Bの処理で賞球不足エラーの発生を検出したときには、賞球不足エラー報知用ランプを点灯または点滅表示させる制御を行ってもよい。
その後、CPU56は、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図57参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。したがって、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図66は、ステップS1343の賞球カウンタ減算処理を示すフローチャートである。賞球カウンタ減算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、既に賞球10カウント信号の入力を検出したことを示す賞球10カウント検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3741)。セットされていれば、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370から賞球10カウント信号を入力しているか否かを確認する(ステップS3742)。具体的には、スイッチオンバッファの内容と賞球10カウント信号入力ビット判定値との論理積をとり、演算結果が0でなければ、賞球10カウント信号がオン状態であると判定する。なお、CPU56は、スイッチオンバッファの内容ではなく、入力ポートの対応するビットがオン状態であるか否かを確認することによって、賞球10カウント信号がオン状態であるか否かを判定するようにしてもよい。入力していれば、そのまま処理を終了する。入力していなければ、CPU56は、賞球10カウント検出フラグをリセットする(ステップS3743)。
なお、この実施の形態では、ステップS3741〜S3743の処理を実行することによって、賞球10カウント信号の入力を検出した後、賞球10カウント信号の入力が一度オフとなった後に次の賞球10カウント信号の入力を検出したことを条件に、ステップS3744以降の処理に移行して賞球カウンタの減算を行うように制御する。そのようにすることによって、1回の賞球10カウント信号の入力で誤って賞球カウンタの値を2回減算してしまう事態を防止している。
ステップS3741で賞球10カウント検出フラグがセットされていなければ、またはステップS3743で賞球10カウント検出フラグをリセットすると、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370から賞球10カウント信号を入力したか否かを確認する(ステップS3744)。具体的には、スイッチオンバッファの内容と賞球10カウント信号入力ビット判定値との論理積をとり、演算結果が0でなければ、賞球10カウント信号がオン状態であると判定する。
賞球10カウント信号を入力していれば、CPU56は、賞球10カウント検出フラグをセットし(ステップS3745)、賞球カウンタから所定の減算値(本例では「10」)を減算する(ステップS3746)。そして、減算後の賞球カウンタの値が所定の第2閾値を超えているか否かを確認する(ステップS3747)。この実施の形態では、CPU56は、賞球カウンタの値が0以下であるか否かを判定する。
ステップS3747で賞球カウンタの値が所定の第2閾値を超えていれば(すなわち、0以下であれば),CPU56は、賞球エラーが発生していると判定し、既に賞球エラー2報知を開始していることを示す賞球エラー2報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3748)。セットされていなければ、CPU56は、賞球エラー2コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS3749)とともに、賞球エラー2報知フラグをセットする(ステップS3750)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、賞球エラー2コマンドを受信したことにもとづいて、演出表示装置9に賞球エラー2報知表示を重畳表示する。なお、賞球エラー2報知フラグは、賞球カウンタの値が所定の第2閾値内に復帰した場合に(すなわち、0より多い値に復帰した場合に)、リセットするようにしてもよい。また、リセットボタンなどを用いたリセット操作により、賞球エラー2報知フラグをリセットするとともに、賞球エラー2報知表示を停止するようにしてもよい。また、賞球エラー2報知表示の開始後、所定時間(例えば、3分間)が経過したことにもとづいて、賞球エラー2報知フラグをリセットするとともに、賞球エラー2報知表示を停止するようにしてもよい。また、賞球エラー2報知フラグを用いずに、賞球カウンタの値が所定の第2閾値を超えていれば、毎回賞球エラー2コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球エラー2コマンドを受信しなくなったことにもとづいて賞球エラー2報知表示を停止するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、賞球エラー2報知として演出表示装置9に賞球エラー2報知表示を重畳表示する場合を示しているが、賞球エラー2報知の報知態様は、この実施の形態で示した態様に限られない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球エラー2報知用のランプが設けられている場合には、賞球エラー2コマンドを受信したことにもとづいて、賞球エラー2報知用ランプを点灯または点滅表示させてもよく、所定の警告音をスピーカから出力するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で賞球エラー2報知の制御を行う場合を示したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で賞球エラー2報知の制御を行ってもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、ステップS3747の処理で賞球エラーの発生を検出したときには、賞球エラー2報知用ランプを点灯または点滅表示させる制御を行ってもよい。
また、賞球送信処理のステップS375Aにおいて賞球個数信号を出力する際に賞球個数バッファの内容を賞球カウンタに減算するように構成する場合には、ステップS3746において、CPU56は、賞球カウンタに所定の値「10」を加算するようにしてもよい。この場合、例えば、賞球カウンタのデフォルト値が「100」である場合には、CPU56は、ステップS3747で賞球カウンタの値が「200」以上である否かを判定するようにしてもよい。そして、「200」以上である場合に、賞球エラー2が発生したと判定し、賞球エラー2報知フラグがセットされていないことを条件に、賞球エラー2コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ってもよい。
図67〜図69は、ステップS23の異常報知処理を示すフローチャートである。異常報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS2001)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図21におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS2005に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS2002)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS2003,S2004)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるか否か確認する(ステップS2005)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS2005のY)、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS2011の処理に移行する。なお、可変入賞球装置20を大入賞口としても使用する場合には、ステップS2005において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か(すなわち、役物開放中または大当り遊技中であるか否か)を確認するようにしてもよい。
特別図柄プロセスフラグの値が8未満である状態は、大当り遊技が行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。したがって、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が8未満であれば(ステップS2005のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS2006)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図63参照)との論理積をとる(ステップS2007)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS2008のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知を行うことを示す異常入賞報知フラグをセットする(ステップS2009)とともに、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2010)。論理積の演算結果が0である場合には(ステップS2008のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS2011の処理に移行する。
ステップS2011では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS2011)。普通図柄プロセスフラグの値が4以上である状態は、普通電動役物(普通可変入賞球装置61)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(ステップS2011のY)、始動入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、始動入賞口への異常入賞の確認処理を行わずにステップS2019に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が4以上でない状態(4未満の状態)は(ステップS2011のN)、普通電動役物(普通可変入賞球装置61)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに始動入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。したがって、以下に示す始動入賞口への異常入賞の確認処理を行う。なお、ステップS2011の処理で、普通図柄プロセスフラグの値が5であるか否か判定するようにしてもよい。その場合には、開閉動作における開状態でのみ判定結果が「Y」になるので、より厳密に普通可変入賞球装置61が閉状態であるか否かを判定することができる。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が4未満であれば(ステップS2011のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS2012)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と始動口スイッチ入力ビット判定値(10(H)、図63参照)との論理積をとる(ステップS2013)。スイッチオンバッファの内容が10(H)であったとき、すなわち始動口スイッチ60がオンしているときには、論理積の演算結果は10(H)になる。始動口スイッチ60がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS2014のN)、始動入賞口が開状態以外の状態(所定のインターバル期間の状態を含む)であるにもかかわらず、始動入賞口に遊技球が入賞した場合である。この場合、CPU56は、入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS2015)、加算後の入賞累積数カウンタの値が所定値(この例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS2016)。所定値以上である場合には、CPU56は、始動入賞口への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知フラグをセットするとともに(ステップS2017)、演出制御基板80に、始動入賞異常報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2018)。論理積の演算結果が0である場合(ステップS2014のY)、または入賞累積数カウンタの値が所定値以上でない場合(ステップS2016のN)には、始動入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、始動入賞異常報知指定コマンドを送信する制御を行わずにステップS2019に移行する。
次いで、CPU56は、第1貯留部開放フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2019)。第1貯留部開放フラグがセットされていれば(ステップS2019のY)、CPU56は、第1貯留部位置センサ90cがオン状態であるか否かを確認する(ステップS2020)。なお、ステップS2020の処理は、実際には、ステップS456Cで第1貯留部材93aの可動を開始してから所定時間(第1貯留部材93aの可動を開始してから第1貯留部位置センサ90cがオフ状態となるまでの時間)を経過してから実行するものとする。
この実施の形態では、第1貯留部位置センサ90cは、第1貯留部が開放状態に制御されているときにオフ状態となり、第1貯留部が閉鎖状態であるときにオン状態となる位置に設置されている。そのため、第1貯留部開放フラグがセットされている場合(すなわち、第1貯留部が開放状態に制御されている場合)に第1貯留部位置センサ90cがオン状態であったり、第1貯留部開放フラグがセットされていない場合(すなわち、第1貯留部が閉鎖状態に制御されている場合)に第1貯留部位置センサ90cがオフ状態である場合には、ピアノ線などを用いて第1貯留部を不正に開放状態にしたり閉鎖状態にされている可能性がある。
そこで、CPU56は、ステップS2020で第1貯留部位置センサ90cがオン状態であれば(ステップS2020のY)、第1貯留部への不正エラーを報知することを示す不正エラー報知フラグが既にセットされているか否かを確認し(ステップS2021)、セットされていなければ、不正エラー報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS2022)。そして、不正エラー報知フラグをセットする(ステップS20239)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、不正エラー報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、演出表示装置9に不正エラー報知表示(例えば、「貯留部の異常を検出しました」の文字列を表示)を重畳表示する。
第1貯留部開放フラグがセットされていなければ(ステップS2019のN)、CPU56は、第1貯留部位置センサ90cがオン状態であるか否かを確認する(ステップS2024)。ステップS2024で第1貯留部位置センサ90cがオフ状態であれば(ステップS2024のN)、不正エラー報知フラグが既にセットされているか否かを確認し(ステップS2025)、セットされていなければ、不正エラー報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS2026)。そして、不正エラー報知フラグをセットする(ステップS2027)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、不正エラー報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、演出表示装置9に不正エラー報知表示(例えば、「貯留部の異常を検出しました」の文字列を表示)を重畳表示する。
次いで、CPU56は、遊技機が備える振動センサからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2032)。振動センサからの検出信号を入力した場合には、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS2033)。ステップS2033で役物内遊技球個数カウンタの値が0でなければ、役物20内に遊技球が存在している場合に遊技機に対する異常な振動を検出したことを意味する。そのため、この場合、CPU56は、第1振動異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2034)。ステップS2033で役物内遊技球個数カウンタの値が0であれば、役物20内に遊技球が存在していない場合に遊技機に対する異常な振動を検出したことを意味する。そのため、この場合、CPU56は、第2振動異常報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2035)。
次いで、CPU56は、回転体第1位置センサ87aからの検出信号を入力したことを示す第1位置通過フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2036)。セットされていなければ、CPU56は、回転体第1位置センサ87aから検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS2037)。検出信号を入力していなければ、そのままステップS2048に移行する。検出信号を入力していれば、回転体第2位置センサ87bから検出信号を入力しているか否かを確認する(ステップS2038)。検出信号を入力していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に回転体異常報知指定コマンドを送信する(ステップS2039)。すなわち、ステップS2037およびS2038でともに検出信号を入力したということは、回転体第1位置センサ87aおよび回転体第2位置センサ87bが同時にオン状態となったということであるが、回転体第1位置センサ87aと回転体第2位置センサ87bとは所定距離だけ離れた位置に配置されているのであるから、回転体第1位置センサ87aがオン状態となってから所定の角度分(例えば180度)回転してからでなければ回転体第2位置センサ87bがオン状態となることはありえない。そのため、回転体86に異常が発生した(例えば、電波などを用いた不正行為が行われた)と判断して、回転体異常を報知することを演出制御手段に指定する。
回転体第2位置センサ87bから検出信号を入力していなければ、第1位置通過フラグをセットする(ステップS2040)とともに、回転体第1位置センサ87aから検出信号を入力してからの経過時間を示す第1位置通過後時間計測タイマに所定値(例えば、240(回転体86が480ステップで1回転するとき))をセットする(ステップS2041)。
ステップS2036で第1位置通過フラグがセットされていれば、CPU56は、回転体第2位置センサ87bから検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2042)。検出信号を入力していれば、第1位置通過フラグをリセットし(ステップS2043)、ステップS2048に移行する。検出信号を入力していなければ、第1位置通過後時間計測タイマを1減算する(ステップS2044)とともに、第1位置通過後時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS2045)。タイムアウトしていなければ、そのままステップS2048に移行する。タイムアウトしていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に回転体異常報知指定コマンドを送信し(ステップS2046)、第1位置通過フラグをリセットする(ステップS2047)。すなわち、回転体第1位置センサ87aがオン状態となってから所定時間(例えば、回転体86が180度回転するのに要する時間)以内に回転体第2位置センサ87bがオン状態となければならないのであるが、所定時間を経過しても回転体第2位置センサ87bからの検出信号を入力できなかった場合には、回転体86に異常が発生した(例えば、電波などを用いた不正行為が行われた)と判断して、回転体異常を報知することを演出制御手段に指定する。
次いで、CPU56は、遊技機が備えるいずれかの磁気センサから検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2048)。いずれかの磁気センサから検出信号を入力していれば、CPU56は、磁石などを用いた不正行為が行われたと判断して、演出制御用マイクロコンピュータ100に磁気異常報知指定コマンドを送信する(ステップS2049)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図70は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。さらに、役物20内に設けられている装飾部材78の位置を初期位置に設定するための処理である装飾部材初期位置制御処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図71は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図30参照)であるのか解析する。
図72〜図74は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが普図変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その普図変動パターンコマンドを、RAMに形成されている普図変動パターンコマンド格納領域に格納し(ステップS615)、普図変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。さらに、特図変動パターンコマンドを受信した場合に(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その特図変動パターンコマンドを、RAMに形成されている特図変動パターンコマンド格納領域に格納し(ステップS618)、特図変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
また、受信した演出制御コマンドが普通図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621A)、演出制御用CPU101は、普図確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622A)。
受信した演出制御コマンドが特別図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621B)、演出制御用CPU101は、特図確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622B)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドあれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドあれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドあれば(ステップS629)、演出表示装置9の表示画面における時短回数表示領域に表示される時短回数を変更する制御を行う(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンド(異常報知指定コマンドまたは始動入賞異常報知指定コマンド)を受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。受信した演出制御コマンドが始動入賞異常報知指定コマンドであれば(ステップS647)、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS648)。受信した演出制御コマンドが第1役物入賞指定コマンドであれば(ステップS649)、第1役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650)。受信した演出制御コマンドが第2役物入賞指定コマンドであれば(ステップS651)、第1役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが第1演出開始指定コマンドであれば(ステップS653)、第1演出開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS654)。受信した演出制御コマンドが第2演出開始指定コマンドであれば(ステップS655)、第2演出開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS656)。受信した演出制御コマンドが第3演出開始指定コマンドであれば(ステップS657)、第3演出開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドがV入賞期待度大報知指定コマンドであれば(ステップS659)、V入賞期待度大報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS660)。受信した演出制御コマンドがV入賞期待度小報知指定コマンドであれば(ステップS661)、V入賞期待度小報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが不正エラー報知指定コマンドであれば(ステップS663)、不正エラー報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS664)。受信した演出制御コマンドが賞球エラー1コマンドであれば(ステップS665)、賞球エラー1コマンド受信フラグをセットする(ステップS666)。受信した演出制御コマンドが賞球エラー2コマンドであれば(ステップS667)、賞球エラー2コマンド受信フラグをセットする(ステップS668)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS669)。そして、ステップS611に移行する。
図75は、図70に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S811のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、変動パターンコマンド受信待ち処理で受信した変動パターンに応じて、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)または第2飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):特別図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第2飾り図柄変動中処理(ステップS803):普通図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804):特別図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805):普通図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を普図当り表示処理(ステップS807)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS806):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS808)または大当り遊技中処理(ステップS810)に対応した値に更新する。なお、大当り開始指定コマンドを受信した場合には大当り遊技中処理(ステップS810)に対応した値に更新する。大当り開始指定コマンドを受信していない場合(小当り開始指定コマンドを受信した場合でもよい。)には小当り遊技中処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
普図当り表示処理(ステップS807):変動時間の終了後、演出表示装置9に普図当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(ステップS808):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、大当り開始指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り後演出処理(ステップS809)に対応した値に更新する。
小当り後演出処理(ステップS809):始動動作状態終了後の演出を行う。演出期間(この例では3秒)が経過したら、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)または演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS810)に対応した値に更新する。なお、大当り開始指定コマンドを受信した場合には大当り遊技中処理(ステップS810)に対応した値に更新し、大当り開始指定コマンドを受信しない場合には変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS810):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS811)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS811):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図76は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(所定時間毎の態様)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。プロセスタイマ設定値には、その変動態様または演出態様での演出が行われる時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を表示させたり、表示演出を行う制御を実行する。
図77は、図75に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、普図変動パターンコマンド受信フラグまたは特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS1811,S1813)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS1815)。
図78は、図75に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840A)。ここで、演出制御用CPU101は、普図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に、普図変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。また、演出制御用CPU101は、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に、特図変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す。なお、各変動パターンコマンド格納領域には、遊技者が、飾り図柄が普通図柄に同期して変動しているのか、または特別図柄に同期して変動しているのかを識別可能に、演出制御用CPU101が演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)を制御するためのデータが格納されている。具体的には、特図変動パターンコマンド格納領域には、遊技者が、飾り図柄が特別図柄に同期して変動していることを認識可能に、演出制御用CPU101が演出装置を制御するためのデータが格納され、普図変動パターンコマンド格納領域には、遊技者が、飾り図柄が普通図柄に同期して変動していることを認識可能に、演出制御用CPU101が演出装置を制御するためのデータが格納されている。したがって、飾り図柄は、普通図柄に同期して変動している場合と、特別図柄に同期して変動している場合とで、例えば、演出表示装置9において異なる図柄や色、変動方向(縦方向への図柄の移動や横方向への図柄の移動、斜め方向への図柄の移動等)で変動する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、読み出した変動パターンコマンドを示すデータにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定する飾り図柄決定処理を実行する(ステップS840B)。飾り図柄決定処理では、変動パターンコマンドの内容が大当り専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「7」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容が第1小当り専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「1」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容が第2小当り専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「3」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容が第3小当り専用の特別図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「5」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。
また、変動パターンコマンドの内容が普図当り専用の普通図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄(例えば「5」)で揃った状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。また、変動パターンコマンドの内容がはずれ専用の普通図柄変動パターンである場合は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄を飾り図柄の停止図柄として決定する。ここで、飾り図柄のはずれ図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など)である。なお、左右の飾り図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の飾り図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、送信された変動パターンコマンドにもとづいて、飾り図柄決定処理で停止図柄を決定するとしているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、飾り図柄の停止図柄を指定する表示結果指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、送信された表示結果指定コマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
そして、ステップS840Aで読み出したデータに応じたプロセステーブル(つまり、変動パターンに応じたプロセステーブル)を選択する(ステップS841)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS842)。
そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグ(後述する回転体異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、異常入賞報知中フラグ、第1振動異常報知中フラグ、第2振動異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグ、不正エラー報知中フラグ、賞球エラー1報知中フラグまたは賞球エラー2報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS843A,S843B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS843A,S843C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS843Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS844)。そして、演出制御用CPU101は、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされていない場合に(ステップS845のN)、演出制御プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にし(ステップS846)、普図変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS847)。飾り図柄変動開始処理(ステップS801)において、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされていない場合には、普図変動パターンコマンド受信フラグがセットされているからである。また、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に(ステップS845のY)、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にし(ステップS848)、特図変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS849)。したがって、特図変動パターンコマンド受信フラグおよび普図変動パターンコマンド受信フラグがいずれもセットされている場合には、演出制御プロセスフラグの値は第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にされる。つまり、飾り図柄は、普通図柄に優先して特別図柄の変動に同期して変動する。
図79は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851A)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852A)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853A)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854A)。また、異常報知中フラグ(後述する回転体異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、異常入賞報知中フラグ、第1振動異常報知中フラグ、第2振動異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグ、不正エラー報知中フラグ、賞球エラー1報知中フラグまたは賞球エラー2報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855A,S855B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS855A,S855C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS855Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常報知に応じた報知も継続される。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチ(スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)を実行するか否かを確認する(ステップS855D)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがスーパーリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。スーパーリーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855E)。
ステップS855D,S855Eの処理が実行されることによって、変動パターンがスーパーリーチを含むものである場合には、飾り図柄の変動開始とほぼ同時に装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、遊技者に対してスーパーリーチを予告する演出を行うことができる。なお、この実施の形態では、図7および図8に示すように、装飾部材78は演出表示装置9の前面側を横切るような態様で可動を行う。そのため、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的な予告演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させて予告演出を行ってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にリーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチAまたはスーパーリーチB)を実行するか否かを確認する(ステップS855F)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。リーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値にもとづいて所定のリーチ演出開始時間(例えば、変動開始後10秒後)を経過したか否かを確認する(ステップS855G)。所定のリーチ演出開始時間を経過していれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855H)。
ステップS855F〜S855Hの処理が実行されることによって、変動パターンがリーチを含むものである場合には、所定のリーチ演出開始時間となると装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、装飾部材78の動きと連動したリーチ演出を行うことができる。なお、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的なリーチ演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させてリーチ演出を行ってもよい。
なお、変動パターンがスーパーリーチを含むものである場合には、飾り図柄の変動開始時に装飾部材78を可動させる予告演出が行われた後に、さらに装飾部材78の可動と連動したリーチ演出が行われることになる。装飾部材78が最下方まで可動する時間は短く(例えば、1秒)、その後、後述する装飾部材初期位置制御処理(ステップS708参照)にて短い時間(例えば、1秒)で直ちに装飾部材78は初期位置に戻される。したがって、予告演出を実行した後、リーチ演出が開始されるまでの間に、装飾部材78は可動前の初期位置に戻された状態となっている。
また、ステップS855E,S855Hでは、装飾部材78のみ、図7および図8と同様の可動態様で、可変入賞球装置20の上方で水平な状態から、右上方から左下方に斜めに傾いた状態に可動する制御が行なわれることによって、小当り遊技状態と類似態様の可動演出が行なわれる。なお、小当り遊技状態と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でも可動部材77を可動する制御を行なうようにし、小当り遊技状態と同一態様の可動演出を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、リーチ予告演出およびリーチ演出時に装飾部材78を可動する演出を実行する場合を示すが、これらの場合に限らず、例えば、演出制御用CPU56は、大当り予告演出において装飾部材78を可動する演出を実行するようにしてもよい。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856A)、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS858A)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、特別図柄確定指定コマンドを受信したことを示す特図確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857A)、ステップS858Aに移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても特別図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図80は、演出制御プロセス処理における第2飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851B)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852B)。なお、ステップS851Bで1減算するプロセスタイマは、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)のステップS851Aで1減算されるプロセスタイマとは異なるプロセスタイマである。また、ステップS852Bで1減算する変動時間タイマは、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)のステップS852Bで1減算される変動時間タイマとは異なる変動時間タイマである。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853B)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854B)。また、異常報知中フラグ(後述する回転体異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、異常入賞報知中フラグ、第1振動異常報知中フラグ、第2振動異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグ、不正エラー報知中フラグ、賞球エラー1報知中フラグまたは賞球エラー2報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855I,S855J)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS855I,S855K)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS855Kの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常報知に応じた報知も継続される。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にスーパーリーチを実行するか否かを確認する(ステップS855L)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがスーパーリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。スーパーリーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855M)。
ステップS855L,S855Mの処理が実行されることによって、変動パターンがスーパーリーチを含むものである場合には、飾り図柄の変動開始とほぼ同時に装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、遊技者に対してスーパーリーチを予告する演出を行うことができる。なお、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的な予告演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させて予告演出を行ってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にリーチ(ノーマルリーチ、ロングリーチまたはスーパーリーチ)を実行するか否かを確認する(ステップS855N)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS840Aで読み出した変動パターンコマンドに示される変動パターンがリーチを含む変動パターンであるか否かを確認する。リーチを含む変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値にもとづいて所定のリーチ演出開始時間(例えば、変動開始後10秒後)を経過したか否かを確認する(ステップS855O)。所定のリーチ演出開始時間を経過していれば、演出制御用CPU101は、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS855P)。
ステップS855N〜S855Pの処理が実行されることによって、変動パターンがリーチを含むものである場合には、所定のリーチ演出開始時間となると装飾部材78を可動する制御が開始される。したがって、装飾部材78を可動することによって、装飾部材78の動きと連動したリーチ演出を行うことができる。なお、装飾部材78の可動に併せて演出表示装置9で所定の表示演出を行うことによって、より効果的なリーチ演出を行うことができる。例えば、剣を模した装飾部材78の動きに併せて恰も剣が光を発しているような表示を演出表示装置9に表示させてリーチ演出を行ってもよい。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856B)、演出制御プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805)に対応した値に更新する(ステップS858B)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、普通図柄確定指定コマンドを受信したことを示す普図確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857B)、ステップS858Bに移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても普通図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(普通図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。なお、第2飾り図柄変動中処理におけるステップS851Bの処理の前に、演出制御用CPU101は、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し、特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合に、飾り図柄の変動を特別図柄の変動に同期させるために、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新してもよい。つまり、普通図柄の変動に同期して変動している飾り図柄を、普通図柄に優先して特別図柄の変動に同期して変動開始させてもよい。
図81は、装飾部材制御を示すフローチャートである。装飾部材制御において、演出制御用CPU101は、装飾部材78が動作中(装飾部材動作中)であるか否か(装飾部材動作中フラグがセットされているか否か)確認する(ステップS1221)。動作中でなければ、演出制御用CPU101は、装飾部材78を既に可動済みであることを示す装飾部材動作済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1222)。装飾部材動作済フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、装飾部材駆動モータ78Bを駆動し、装飾部材78の可動を開始する(ステップS1223)。この場合、図7および図8に示すように、役物20内の上方で水平な状態から、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態となるように装飾部材78が可動する。また、ステップS1223において、演出制御用CPU101は、剣駆動モータ79を駆動し、装飾部材78を開いた状態(本例では、図7および図8に示すように、剣が長手方向に2つに開いた状態)に制御する。また、装飾部材動作中であることを示す装飾部材動作中フラグをセットする(ステップS1224)。
装飾部材動作中である場合には(ステップS1221のY)、演出制御用CPU101は、下側位置センサ91bからのオン信号を検出したか否かを確認する(ステップS1225)。下側位置センサ91bからのオン信号を検出した場合には、演出制御用CPU101は、装飾部材駆動モータ78Bの駆動を停止して装飾部材78の可動を停止させる(ステップS1226)。また、装飾部材動作中フラグをリセットする(ステップS1227)とともに、装飾部材動作済フラグをセットする(ステップS1228)。そして、装飾部材78を初期位置に復帰させることを要求する装飾部材初期位置設定要求フラグをセットする(ステップS1229)。
なお、この実施の形態では、装飾部材78の左端部分が最も下方まで可動してステップS1226で可動を停止された場合には、ステップS1229で装飾部材初期位置設定要求フラグがセットされたことにもとづいて、ステップS708の装飾部材初期位置制御処理にて直ちに装飾部材78を初期位置に戻す処理が実行される。
図82は、ステップS708の装飾部材初期位置制御処理を示すフローチャートである。装飾部材初期位置制御処理において、演出制御用CPU101は、装飾部材初期位置設定中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS2241)。セットされている場合には、ステップS2247に移行する。セットされていない場合には、装飾部材初期位置設定要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS2242)。セットされていない場合には、そのまま処理を終了する。セットされている場合には、装飾部材初期位置設定要求フラグをリセットする(ステップS2243)。次いで、演出制御用CPU101は、装飾部材駆動モータ78Bを駆動し、装飾部材78の可動を開始する(ステップS2245)。この場合、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中処理および第2飾り図柄変動中処理において実行する装飾部材制御とは逆方向に装飾部材駆動モータ78Bを駆動する。したがって、装飾部材78は、役物20内の右上方から左下方に斜めに傾いた状態から、再び役物20内の上方で水平な状態に戻るように可動する。また、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中処理および第2飾り図柄変動中処理において実行する装飾部材制御とは逆方向に剣駆動モータ79を駆動し、装飾部材78を再び閉じた状態に戻るように制御する。なお、既に装飾部材駆動モータ78Bの駆動中であれば、演出制御用CPU101は、駆動を継続させる。また、装飾部材初期位置設定中フラグをセットする(ステップS2246)。
そして、上側位置センサ91aがオン(上側位置センサ91aから検出信号が出力されること)したら、装飾部材78の可動を停止させるために装飾部材駆動モータ78Bの駆動を停止する(ステップS2247,S2248)。また、装飾部材初期位置設定中フラグをリセットする(ステップS2249)。
図83は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特図確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861A)。特図確定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS861AのY)、特図確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862A)、飾り図柄決定処理(ステップS840B)で決定され格納されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863B)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの特別図柄確定指定コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)の受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)に対応した値に更新する(ステップS865A)。
図84は、演出制御プロセス処理における第2飾り図柄変動停止処理(ステップS805)を示すフローチャートである。第2飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、普図確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861B)。普図確定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS861BのY)、普図確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862B)、飾り図柄決定処理(ステップS840B)で決定され格納されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863B)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの普通図柄確定指定コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)の受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS863Bで導出表示された飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合は(ステップS864BのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットし(ステップS866B)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS867B)。
ステップS863Bで導出表示された飾り図柄の停止図柄が当り図柄(普図当り図柄)である場合は(ステップS864BのY)、演出制御プロセスフラグの値を普図当り表示処理(ステップS807)に対応した値に更新する(ステップS865B)。
図85は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS873)。演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当りとすることに決定されていると判断する。なお、この段階で、大当りとすることに決定されている場合は、始動動作状態を経ずに、直接に大当り遊技(第1大当り遊技)が開始される場合である。
大当りとすることに決定されている場合には、大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS874A)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS875A)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS876A)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS810)に対応する値に更新する(ステップS877A)。大当りとすることに決定されていない場合、すなわち小当り(第1小当り、第2小当りまたは第3小当り)とすることに決定されている場合には、小当りの種類(第1小当り、第2小当りおよび第3小当り)に対応する小当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS874B)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS875B)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS876B)。また、小当り遊技開始後の経過時間を計測するための小当り開始後時間計測タイマをスタートさせる(ステップS876C)。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS808)に対応する値に更新する(ステップS877B)。
図86は、演出制御プロセス処理における普図当り表示処理(ステップS807)を示すフローチャートである。普図当り表示処理において、演出制御用CPU101は、普図当りに応じた演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行し(ステップS874C)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する(ステップS875C)。
図87〜図90は、演出制御プロセス処理における小当り遊技中処理(ステップS808)を示すフローチャートである。小当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされた場合には(ステップS8001)、ステップS8035に移行する。なお、ステップS8001では、小当り終了指定コマンドを受信したか否かを確認するのではなく、例えば、小当り遊技開始後、所定時間が経過したか否かを確認するようにしてもよい。そして、所定時間を経過していればステップS8035に移行し、所定時間を経過していなければステップS8002以降の処理を実行する用にしてもよい。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS8002)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS8003のN)、ステップS8008に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8003のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8004)。また、異常報知中フラグ(後述する回転体異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、異常入賞報知中フラグ、第1振動異常報知中フラグ、第2振動異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグ、不正エラー報知中フラグ、賞球エラー1報知中フラグまたは賞球エラー2報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8005,S8006)。その後、ステップS8008に移行する。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(ステップS8005,S8007)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、小当り遊技に応じた音演出が実行されるのではなく、異常報知に応じた音出力が継続される。その後、ステップS8008に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、小当り開始後時間計測タイマの値にもとづいて所定の装飾部材78の可動時間(例えば、小当り遊技開始後13秒)を経過したか否かを確認する(ステップS8008)。装飾部材78の可動時間を経過していれば、装飾部材78を可動する装飾部材制御を実行する(ステップS8009)。
この実施の形態では、前述したように、役物20を開放し小当り遊技に移行する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって、所定の可動部材77の可動時間を経過したときに、可動部材77が可動される(ステップS456I,S456J参照)。この実施の形態では、小当り遊技開始後(役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後))13秒を経過したときに、CPU56によって可動部材77が可動され、連動して同じタイミングで演出制御用CPU101によって演出部材78が可動される(ステップS8008,S8009参照)。具体的には、図7および図8に示す態様で、可動部材77の前面側に装飾部材78が重なった状態で連動して右上方から左下方に斜めに傾いた状態に可動する。
なお、この実施の形態では、小当り遊技において、可動部材77の可動に連動して装飾部材78を1回可動する場合を示しているが、演出制御用CPU101は、小当り遊技において装飾部材78を複数回数可動するように制御してもよい。例えば、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560による可動部材77の可動に連動したタイミングで装飾部材78を可動するとともに、その後、さらに可動部材77の可動に関係なく装飾部材78をもう1度可動する(この場合、可動部材77の可動は行われず、装飾部材78のみが可動される)ようにしてもよい。そのようにすれば、小当り遊技中における装飾部材78を用いた演出の演出効果をより高めることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、V入賞期待度が大きいことを報知中であることを示すV入賞期待度大報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8010)。V入賞期待度大報知中フラグがセットされていれば、ステップS8022Aに移行する。V入賞期待度大報知中フラグがセットされていなければ、V入賞期待度大報知指定コマンドを受信したことを示すV入賞期待度大報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8011)。V入賞期待度大報知指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS8011のY)、演出制御用CPU101は、V入賞期待度大報知指定コマンドをリセットするとともに、演出表示装置9にパワーバーを重畳表示し(ステップS8012)、V入賞期待度大報知中フラグをセットする(ステップS8013)。そして、ステップS8022Aに移行する。
V入賞期待度大報知指定コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS8011のN)、演出制御用CPU101は、V入賞期待度が小さいことを報知中であることを示すV入賞期待度小報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8014)。V入賞期待度小報知中フラグがセットされていれば、ステップS8022Bに移行する。V入賞期待度小報知中フラグがセットされていなければ、V入賞期待度小報知指定コマンドを受信したことを示すV入賞期待度小報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8015)。V入賞期待度小報知指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS8015のY)、演出制御用CPU101は、V入賞期待度小報知指定コマンドをリセットするとともに、演出表示装置9にパワーバーを重畳表示し(ステップS8016)、V入賞期待度小報知中フラグをセットする(ステップS8017)。そして、ステップS8022Bに移行する。
V入賞期待度小報知指定コマンド受信フラグもセットされていなければ(ステップS8015のN)、演出制御用CPU100は、V入賞指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8018)。なお、V入賞指定コマンドを受信したか否かは、V入賞指定コマンドを受信したことを示すV入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否かにより確認できる。V入賞指定コマンドを受信した場合には(ステップS8018のY)、演出制御用CPU101は、役物20の特定入賞口66Aに遊技球が入賞したときに行われる演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8019)。具体的には、V入賞指定コマンドを受信した場合には、図96(E)に示すV入賞があったときに行われる演出に応じたプロセステーブルを選択する。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8020)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する(ステップS8021)。以後、表示演出等は、図96(D)に示す演出から図96(E)、図96(F)に示す演出に切り替わる。
ステップS8022Aでは、演出制御用CPU101は、小当り開始後時間計測タイマの値にもとづいて所定の第1貯留部装飾部可動時間(例えば、小当り開始後8秒)を経過したか否かを確認する。所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過していなければ(ステップS8022AのN)、演出制御用CPU101は、操作ボタン120がオン状態であるか否かを確認する(ステップS8023A)。操作ボタン120がオン状態でなければ、ステップS8018に移行する。操作ボタン120がオン状態であれば、演出制御用CPU101は、まだ第1貯留部90eが可動されていなければ、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを駆動して第1貯留部装飾部90eを可動させる(ステップS8024A)。そのように動作することによって、遊技機の前面側に向かって前進する態様で第1貯留部装飾部90eが可動される。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示しているパワーバーのメモリ表示が既にV入賞期待度「大」を示すレベルの1つ前の段階に到達しているか否かを確認する(ステップS8025A)。V入賞期待度「大」を示すレベルの1つ前の段階に到達していなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示するパワーバーのメモリ表示を1つ増加する表示制御を行う(ステップS8026A)。
所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過していれば、演出制御用CPU101は、第1貯留部90eが可動された状態である場合には、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを停止して第1貯留部装飾部90eの可動を停止させる(ステップS8027A)。そのように動作することによって、遊技機の前面側に対して後退する態様で第1貯留部装飾部90eが可動前の状態に一旦戻される。
次いで、演出制御用CPU101は、操作ボタン120がオン状態であるか否かを確認する(ステップS8028A)。操作ボタン120がオン状態でなければ、ステップS8030Aに移行する。操作ボタン120がオン状態であれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示するパワーバーのメモリ表示をV入賞期待度「大」を示すレベルの領域まで増加する表示制御を行う(ステップS8029A)。そして、所定時間(例えば、1.0秒)経過した後(ステップS8030A)、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを駆動して第1貯留部装飾部90eを可動させる(ステップS8031A)。そのように動作することによって、第1貯留部材93aが可動されるのに追随して遊技機の前面側に向かって前進する態様で第1貯留部装飾部90eが可動される。そして、V入賞期待度大報知中フラグをリセットする(ステップS8032A)。
ステップS8022Bでは、演出制御用CPU101は、小当り開始後時間計測タイマの値にもとづいて所定の第1貯留部装飾部可動時間(例えば、小当り開始後8秒)を経過したか否かを確認する。所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過していなければ(ステップS8022BのN)、演出制御用CPU101は、操作ボタン120がオン状態であるか否かを確認する(ステップS8023B)。操作ボタン120がオン状態でなければ、ステップS8018に移行する。操作ボタン120がオン状態であれば、演出制御用CPU101は、まだ第1貯留部90eが可動されていなければ、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを駆動して第1貯留部装飾部90eを可動させる(ステップS8024B)。そのように動作することによって、遊技機の前面側に向かって前進する態様で第1貯留部装飾部90eが可動される。なお、この場合、V入賞期待度が大きいステップS8024Aの場合よりも、第1貯留部装飾部90eの動きが小さいように第1貯留部装飾部90eを可動させてもよい。また、V入賞期待度「小」である場合には、ステップS8024Bの処理を実行しないようにし、第1貯留部装飾部90eを可動させないようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示しているパワーバーのメモリ表示が既にV入賞期待度「小」を示すレベル(V入賞期待度「大」より低いレベル)の1つ前の段階に到達しているか否かを確認する(ステップS8025B)。V入賞期待度「小」を示すレベルの1つ前の段階に到達していなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示するパワーバーのメモリ表示を1つ増加する表示制御を行う(ステップS8026B)。なお、この場合、V入賞期待度が大きいステップS8026Aの場合よりも、メモリ表示が増えにくくなるように(例えば、増加速度が遅くなるように)、パワーバーのメモリ表示を制御してもよい。
所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過していれば、演出制御用CPU101は、第1貯留部90eが可動された状態である場合には、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを停止して第1貯留部装飾部90eの可動を停止させる(ステップS8027B)。そのように動作することによって、遊技機の前面側に対して後退する態様で第1貯留部装飾部90eが可動前の状態に一旦戻される。
次いで、演出制御用CPU101は、操作ボタン120がオン状態であるか否かを確認する(ステップS8028B)。操作ボタン120がオン状態でなければ、ステップS8030Bに移行する。操作ボタン120がオン状態であれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示するパワーバーのメモリ表示をV入賞期待度「小」を示すレベルの領域まで増加する表示制御を行う(ステップS8029B)。そして、所定時間(例えば、1.0秒)経過した後(ステップS8030B)、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを駆動して第1貯留部装飾部90eを可動させる(ステップS8031B)。そのように動作することによって、第1貯留部材93aが可動されるのに追随して遊技機の前面側に向かって前進する態様で第1貯留部装飾部90eが可動される。そして、V入賞期待度小報知中フラグをリセットする(ステップS8032B)。
以上のように、この実施の形態では、所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過したタイミングをV入賞期待度の報知タイミングとして、V入賞期待度大報知指定コマンドを受信した場合には、ステップS8029Aの処理を実行することによってV入賞期待度が大きいことを報知し、V入賞期待度小報知指定コマンドを受信した場合には、ステップS8029Bの処理を実行することによってV入賞期待度が小さいことを報知する。また、上記のV入賞期待度の報知タイミングが到来するまでは、ステップS8023A,S8025A,S8026A,S8023B,S8025B,S8026Bの処理を実行することによって、演出表示装置9に表示されたパワーバーのメモリ表示が触れているような態様でいわゆるアオリの演出を実行する。具体的には、この実施の形態では、操作ボタン120の連打に応じて、パワーバーのメモリ表示が一定のレベルまで増加するような演出を行うことによって、遊技者に対して操作ボタン120の操作を強く促すような演出を行う。
なお、アオリの演出は、この実施の形態で示したものに限らず、他の演出態様で実行されるものであってもよい。例えば、遊技者によって操作ボタン120が1回操作されたことにもとづいて、演出表示装置9に表示された複数の選択肢の中から1つを選択することによって、複数段階のV入賞期待度の中のいずれかを選択して表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過したタイミングで、操作ボタン120の操作に応じて、第1貯留部装飾部ソレノイド90dを駆動して第1貯留部装飾部90eを可動させる演出が実行される(ステップS8023A,S8024A,S8023B,S8024B参照)。そして、その後に、第1貯留部材93aが可動されるのに追随して遊技機の前面側に向かって前進する態様で第1貯留部装飾部90eが可動される(ステップS8031A,S8031B参照)。そのようにすることによって、この実施の形態では、操作ボタン120を用いた操作によって第1貯留部材93aによる第1貯留部の貯留状態の解除に影響を与えたような印象を与えることができ、遊技者に対して操作ボタン120を用いた操作への参加意欲を高めさせることができる。
ステップS8035では、演出制御用CPU101は、第1貯留部装飾部90eがステップS8031AまたはステップS8031Bで可動されている場合には、第1貯留部装飾部ソレノイド90dの駆動を停止して第1貯留部装飾部90eの可動を停止させる(ステップS8035)。すなわち、第1貯留部装飾部90eは、遊技機の前面側に対して後退した位置に戻される。
次いで、演出制御用CPU101は、始動動作状態後の演出(小当り後演出)の時間を決定するための小当り後演出時間タイマに演出時間(この例では3秒)に相当する値を設定する(ステップS8036)。そして、第1演出開始指定コマンドを受信している場合には、小当り後演出の第1演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS8037,S8038)、第2演出開始指定コマンドを受信している場合には、小当り後演出の第2演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS8039,S8040)、それ以外の場合(すなわち、第3演出開始指定コマンドを受信している場合)には、第3演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8041)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8042)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始し(ステップS8043)、演出制御プロセスフラグの値を小当り後演出処理(ステップS809)に対応する値に更新する(ステップS8044)。
以後、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1演出開始指定コマンド(図30参照)を受信している場合には、始動動作状態において役物20に対する入賞がなかったことに対応する演出(第1演出)を実行し、第2演出開始指定コマンドを受信している場合には、始動動作状態において役物20に対する入賞があったがV入賞がなかったことに対応する演出(第2演出)を実行し、第3演出開始指定コマンドを受信している場合には、始動動作状態において役物20に対する入賞があってV入賞があったことに対応する演出(第3演出)を実行する。
次に、演出表示装置9において実行されるV入賞期待度の報知態様について説明する。図91および図92は、演出表示装置9において実行されるV入賞期待度の報知態様の例を示す説明図である。このうち、図91は、V入賞期待度「大」である場合の報知態様の例を示している。また、図92は、V入賞期待度「小」である場合の報知態様の例を示している。なお、図91および図92において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。
まず、V入賞期待度「大」である場合のV入賞期待度の報知態様を説明する。演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からV入賞期待度大報知指定コマンドを受信した場合には(ステップS8011のY参照)、図91(1)に示すように、例えば、演出表示装置9に「ボタンを連打してね!」などの文字列を重畳表示させるとともに、パワーバーを重畳表示させる(ステップS8012参照)。
次いで、所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過する前であれば、遊技者によって操作ボタン120が連打されることに応じて(ステップS8023A参照)、図91(2)に示すように、演出表示装置9に表示するパワーバーのメモリ表示を1ずつ増加させる(ステップS8026A参照)。なお、この場合、操作ボタン120による操作に応じて第1貯留部装飾部90eを可動させる演出も行われる(ステップS8024A参照)。ただし、演出表示装置9に表示しているパワーバーのメモリ表示が既にV入賞期待度「大」を示すレベルの1つ前の段階に到達している場合には(例えば、パワーバーのメモリ表示が最大に到達する1つ前の段階に到達している場合には)、所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過するまで、それ以上メモリ表示を増加させないように制御する(ステップS8025A参照)。
次いで、所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過すると(ステップS8022のY参照)、遊技者によって操作ボタン120が操作されたことを条件に(ステップS8028A参照)、図91(3)に示すように、演出表示装置9に「熱い!」などの文字列を重畳表示させるとともに、パワーバーのメモリ表示をV入賞期待度「大」を示すレベルの領域まで増加(例えば、パワーバーのメモリ表示を最大まで増加)させる演出が行われる(ステップS8029A参照)。なお、この場合、第1貯留部材93aが可動されるのに追随して第1貯留部装飾部90eを可動させる演出も行われる(ステップS8031A参照)。
次に、V入賞期待度「小」である場合のV入賞期待度の報知態様を説明する。演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からV入賞期待度小報知指定コマンドを受信した場合には(ステップS8014のY参照)、図92(1)に示すように、例えば、演出表示装置9に「ボタンを連打してね!」などの文字列を重畳表示させるとともに、パワーバーを重畳表示させる(ステップS8016参照)。
次いで、所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過する前であれば、遊技者によって操作ボタン120が連打されることに応じて(ステップS8023B参照)、図92(2)に示すように、演出表示装置9に表示するパワーバーのメモリ表示を1ずつ増加させる(ステップS8026B参照)。なお、この場合、操作ボタン120による操作に応じて第1貯留部装飾部90eを可動させる演出も行われる(ステップS8024B参照)。ただし、演出表示装置9に表示しているパワーバーのメモリ表示が既にV入賞期待度「小」を示すレベルの1つ前の段階に到達している場合には(例えば、パワーバーのメモリ表示が最大よりも1〜2目盛り程度少ない段階の1つ前の段階に到達している場合には)、それ以上メモリ表示を増加させないように制御する(ステップS8025B参照)。
次いで、所定の第1貯留部装飾部可動時間を経過すると(ステップS8029のY参照)、遊技者によって操作ボタン120が操作されたとしても(ステップS8028B参照)、図92(3)に示すように、演出表示装置9に「・・・!?」などの文字列を重畳表示させるとともに、パワーバーのメモリ表示をV入賞期待度「小」を示すレベルの領域まで増加(例えば、パワーバーのメモリ表示を最大よりも1〜2目盛り程度少ない段階まで増加)させる演出が行われる(ステップS8029B参照)。なお、この場合、第1貯留部材93aが可動されるのに追随して第1貯留部装飾部90eを可動させる演出も行われる(ステップS8031B参照)。
図93は、演出表示装置9における小当り後演出の一例を示す説明図である。図93(A)は、始動動作状態において役物20に対する入賞がなかったことに対応する演出(第1演出)の一例を示し、図93(B)は、始動動作状態において役物20に対する入賞はあったがV入賞がなかったことに対応する演出(第2演出)の一例を示し、図93(C)は、始動動作状態において役物20に対する入賞があり、かつ、V入賞があったことに対応する演出(第3演出)の一例を示す。
演出制御用CPU101は、ステップS8038,S8040,S8041の処理で選択されたプロセステーブルにもとづいて、小当り後演出の演出期間において、第1演出開始指定コマンドを受信している場合には、図93(A)に例示されている画像を演出制御装置9に表示する制御を行う。第2演出開始指定コマンドを受信している場合には、図93(B)に例示されている画像を演出制御装置9に表示する制御を行う。第3演出開始指定コマンドを受信している場合には、図93(C)に例示されている画像を演出制御装置9に表示する制御を行う。
なお、演出制御用CPU101は、図93(A)〜(C)のそれぞれに例示されている画像の内容が変化していく画像(例えば、雨状の画像が降るように表示されたり星状の画像が移動するような画像)を順次表示させるように制御する。また、演出表示装置9に小当り後演出の表示がなされることに同期して、発光体やスピーカ27でも小当り後演出を行わせる。
図94は、演出制御プロセス処理における小当り後演出処理(ステップS809)を示すフローチャートである。小当り後演出(始動動作状態後の演出)処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS1881)、小当り後演出時間タイマの値を−1する(ステップS1882)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1883)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS1884)。また、異常報知中フラグ(後述する回転体異常報知中フラグ、磁気異常報知中フラグ、異常入賞報知中フラグ、第1振動異常報知中フラグ、第2振動異常報知中フラグ、排出異常報知中フラグ、始動入賞異常報知中フラグ、不正エラー報知中フラグ、賞球エラー1報知中フラグまたは賞球エラー2報知中フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS1885,S1886)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS1888に移行する。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS1885,S1887)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、小当り後演出に応じた音演出が実行されるのではなく、異常報知に応じた音出力が継続される。
次いで、演出制御用CPU101は、小当り後演出時間タイマがタイムアウトしたか否か(値が0になったか否か)確認する(ステップS1888)。タイムアウトした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているときには、大当り遊技中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1889,S1891)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1892)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始し(ステップS1893)、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS810)に対応する値に更新する(ステップS1894)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する(ステップS1889,S1890)。
そして、大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当りの終了を報知するための表示を演出表示装置9に表示させた後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する。
図95および図96は、演出表示装置9における演出の一例を示す説明図である。図95(A)は、普通図柄の当り時に行われる演出の一例を示し、図95(B)は、普通図柄および特別図柄のはずれ時に行われる演出の一例を示している。図95(A)に示す例では、遊技者に、普通図柄についての当り時に開放される始動入賞口の方向をねらうことを指示している。そして、普通図柄について当りと決定され、始動入賞口に遊技球が入賞して、特別図柄について小当りと決定された場合に、演出表示装置9には、図95(C)に示す画面が表示される。
図1に示すように、小当り時に開放状態に制御される役物20には上方から遊技球が入賞するので、小当り時において、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に、遊技者に役物20の上方をねらうことを指示する図96(D)に示す画面を表示させる。
また、遊技球がV入賞したことが特定領域スイッチ66aによって検出された場合に、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に図96(E)に示す画面を表示させる。大当り遊技中には、演出表示装置9には図96(F)に示す画面が表示される。したがって、演出表示装置9には、遊技球がV入賞した場合および図34に示すステップS61,S62で大当りとすると判定された場合に、図96(F)に示す画面が表示される。
図97〜図99は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図97(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図97(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図97(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常入賞報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、異常入賞報知画面の表示が継続されることが示されている(図97(C)の右側参照)。図97(D)には、演出制御用CPU101が、始動入賞異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する始動入賞異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、始動入賞異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図97(D)の右側参照)。図97(E)には、演出制御用CPU101が、演出表示装置9に表示する排出異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、排出異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図97(E)の右側参照)。
図98(A)には、演出制御用CPU101が、第1振動異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する振動異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、振動異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図98(A)の右側参照)されている。図98(B)には、演出制御用CPU101が、回転体異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する回転体異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、回転体異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図98(B)の右側参照)されている。図98(C)には、演出制御用CPU101が、磁気異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する磁気異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、磁気異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図98(C)の右側参照)されている。
図99(A)には、演出制御用CPU101が、不正エラー報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する不正エラー報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、不正エラー報知画面の表示が継続されることが示されている(図99(A)の右側参照)されている。図99(B)には、演出制御用CPU101が、賞球エラー1コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する賞球エラー1報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、賞球エラー1報知画面の表示が継続されることが示されている(図99(B)の右側参照)されている。図99(C)には、演出制御用CPU101が、賞球エラー2コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する賞球エラー2報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、賞球エラー2報知画面の表示が継続されることが示されている(図99(C)の右側参照)されている。
次に、ステップS707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図100は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様の例を示す説明図である。図100に示すように、この実施の形態では、回転体異常報知、磁気異常報知、異常入賞報知、振動異常報知(第1態様)、振動異常報知(第2態様)、排出異常報知、始動入賞異常報知、不正エラー報知、賞球エラー報知(第1態様)および賞球エラー報知(第2態様)の優先順位に従って、各異常報知が実行される。
回転体異常報知は、回転体異常報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され3分間継続される。回転体異常報知を行う場合、演出表示装置9に「回転体エラー」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定の電波不正警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。磁気異常報知は、遊技機が備えるいずれかの磁気センサが磁気を検出したことにもとづいて開始され5分間継続される。磁気異常報知を行う場合、演出表示装置9に「異常な磁気を感知しました」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定の電波不正警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。
異常入賞報知は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され5分間継続される。異常入賞報知を行う場合、演出表示装置9に「不正入賞エラー」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定の電波不正警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。
振動異常報知(第1態様)は、役物20内に遊技球がある時(入賞時)に遊技機が備える振動センサが振動を検出したことにもとづいて開始される。振動異常報知(第1態様)を行う場合、演出表示装置9に「台を叩かないでください」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点滅表示される。なお、報知開始後、所定のエラー音は15秒間継続され、振動異常報知画面の表示およびランプの点滅表示は5分間継続される。振動異常報知(第2態様)は、役物20内に遊技球がない時に遊技機が備える振動センサが振動を検出したことにもとづいて開始され10秒間継続される。振動異常報知(第2態様)を行う場合、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。
排出異常報知は、遊技球の排出異常を検出したことにもとづいて開始され遊技球が排出口83を通過するまで継続される。排出異常報知を行う場合、演出表示装置9に「役物内を点検してください」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。始動入賞異常報知は、始動入賞異常報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され10秒間継続される。始動入賞異常報知を行う場合、演出表示装置9に「電動チューリップ入賞エラーが起きました」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。
不正エラー報知は、不正エラー報知指定コマンドを受信したことにもとづいて開始され10秒間継続される。不正エラー報知を行う場合、演出表示装置9に「貯留部の異常を検出しました」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。
賞球エラー報知(第1態様)は、賞球エラー1コマンドを受信したことにもとづいて開始され10秒間継続される。賞球エラー報知(第1態様)を行う場合、演出表示装置9に「賞球エラー1」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。賞球エラー報知(第2態様)は、賞球エラー2コマンドを受信したことにもとづいて開始され10秒間継続される。賞球エラー報知(第2態様)を行う場合、演出表示装置9に「賞球エラー2」などの文字列が表示される。また、スピーカ27から所定のエラー警告音が出力されるとともに、全ランプ28a,28b,28cが点灯表示される。
図101〜図104は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1001)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図73におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1006に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1002)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1003,S1004)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1005)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS1006では、演出制御用CPU101は、回転体異常報知指定コマンドを受信したことを示す回転体異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、ステップS1012に移行する。回転体異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、回転体異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1007)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、回転体異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1008)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に回転体異常報知画面を重畳表示する(図98(B)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、回転体異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1009)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、回転体異常の報知に応じた音出力(電波不正警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、回転体異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1010)。よって、以後、回転体異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、回転体異常報知を行っていることを示す回転体異常報知中フラグをセットする(ステップS1011)。
次いで、演出制御用CPU101は、磁気異常報知指定コマンドを受信したことを示す磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1012)。セットされていなければ、ステップS1018に移行する。磁気異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、磁気異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1013)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、磁気異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1014)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に磁気異常報知画面を重畳表示する(図98(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1015)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、磁気異常の報知に応じた音出力(電波不正警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、磁気異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1016)。よって、以後、磁気異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、磁気異常報知を行っていることを示す磁気異常報知中フラグをセットする(ステップS1017)。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1018)。セットされていなければ、ステップS1024に移行する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1019)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常入賞報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1020)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常入賞報知画面を重畳表示する(図97(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1021)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(電波不正警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1022)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞報知を行っていることを示す異常入賞報知中フラグをセットする(ステップS1023)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す第1振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1024)。セットされていなければ、ステップS1030に移行する。第1振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1025)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、振動異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1026)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に振動異常報知画面を重畳表示する(図98(A)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1027)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、振動異常の報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、振動異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1028)。よって、以後、振動異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、振動異常報知(第1態様)を行っていることを示す第1振動異常報知中フラグをセットする(ステップS1029)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2振動異常報知指定コマンドを受信したことを示す第2振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1030)。セットされていなければ、ステップS1034に移行する。第2振動異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2振動異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1031)、振動異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1032)。よって、以後、振動異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、振動異常報知(第2態様)を行っていることを示す第2振動異常報知中フラグをセットする(ステップS1033)。
ステップS1034では、演出制御用CPU101は、小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であるか否か確認する。小当り遊技中であるか否かを、演出制御プロセスフラグの値によって確認できる。また、役物20を開放しているラウンド中であるか否かを、例えば、受信している表示結果指定コマンド(何ラウンドの大当り遊技であるかを確認するため)と大入賞口開放時表示コマンド(何ラウンドの遊技中であるかを確認するため)とによって確認できる。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中でない場合には、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS1037)。
小当り遊技中または大当り遊技における役物20を開放しているラウンド中であれば、役物入賞指定コマンドを受信したことを示す役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1035)。役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、役物入賞指定コマンド受信フラグをリセットして(ステップS1036)、役物排出監視タイマの値を0にする(ステップS1037)。
役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、役物排出監視タイマの値を+1する(ステップS1038)。役物排出監視タイマの値が監視時間値(監視時間に相当する値:監視時間は、大当り遊技のラウンド時間よりも長い時間であって例えば41.5秒)になっていたら(ステップS1039)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、排出異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1040)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に排出異常報知画面を重畳表示する(図97(E)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、排出異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1041)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、排出異常の報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、排出異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1042)。よって、以後、排出異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、排出異常報知を行っていることを示す排出異常報知中フラグをセットする(ステップS1043)。
以上のような制御によって、小当り遊技中または役物20を開放しているラウンド中において、監視時間を越えて役物入賞指定コマンドを受信しなかった場合には、演出制御用CPU101は、排出異常が生じたと判定して異常報知を行う。
小当り遊技中に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出すると、小当り遊技を終了して、大当り開始指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを送信する。コマンドを受信した演出制御用CPU101は、制御状態を小当り遊技中でない状態にする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、制御等が正常に実行されていれば、監視時間が経過する前に大当り開始指定コマンドまたは小当り終了指定コマンドを送信するので、役物排出監視タイマがタイムアウトすることはない。また、役物20を開放しているラウンド中において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出すると、大入賞口開放後コマンドを送信するので、コマンドを受信した演出制御用CPU101は、制御状態をラウンド中でない状態にする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、制御等が正常に実行されていれば、監視時間が経過する前に大入賞口開放後コマンドを送信するので役物排出監視タイマがタイムアウトすることはない。すなわち、役物排出監視タイマがタイムアウトしたということは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、所定の時間内に役物20から全ての遊技球が排出されたことを検出できなかったということを意味するので、役物20から遊技球が排出されない排出異常が生じたことになる。なお、排出異常が生じたということは、実際には役物20に遊技球が入賞していなかった(不正に役物20に入賞した状況が作られた可能性がある。)可能性がある。
次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知指定コマンドを受信したことを示す始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1044)。セットされていなければ、ステップS1050に移行する。始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、始動入賞異常報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1045)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、始動入賞異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1046)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に始動入賞異常報知画面を重畳表示する(図97(D)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、始動入賞異常の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1047)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、始動入賞異常の報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、始動入賞異常の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1048)。よって、以後、始動入賞異常の報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、始動入賞異常報知を行っていることを示す始動入賞異常報知中フラグをセットする(ステップS1049)。
次いで、演出制御用CPU101は、不正エラー報知指定コマンドを受信したことを示す不正エラー報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1050)。セットされていなければ、ステップS1056に移行する。不正エラー報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、不正エラー報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1051)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、不正エラー報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1052)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に不正エラー報知画面を重畳表示する(図99(A)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、不正エラー報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1053)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、不正エラー報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、不正エラー報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1054)。よって、以後、不正エラー報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、不正エラー報知を行っていることを示す不正エラー報知中フラグをセットする(ステップS1055)。
次いで、演出制御用CPU101は、賞球エラー1コマンドを受信したことを示す賞球エラー1コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1056)。セットされていなければ、ステップS1062に移行する。賞球エラー1コマンド受信フラグがセットされている場合には、賞球エラー1コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1057)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、賞球エラー1報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1058)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に賞球エラー1報知画面を重畳表示する(図99(B)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、賞球エラー1報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1059)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、賞球エラー1報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、賞球エラー1報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1060)。よって、以後、賞球エラー1報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、賞球エラー1報知を行っていることを示す賞球エラー1報知中フラグをセットする(ステップS1061)。
次いで、演出制御用CPU101は、賞球エラー2コマンドを受信したことを示す賞球エラー2コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1062)。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。賞球エラー2コマンド受信フラグがセットされている場合には、賞球エラー2コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1063)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、賞球エラー2報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1064)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に賞球エラー2報知画面を重畳表示する(図99(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、賞球エラー2報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1065)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、賞球エラー2報知に応じた音出力(エラー警告音の出力)が行われる。また、演出制御用CPU101は、賞球エラー2報知に応じたランプ表示を示すランプ制御データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1066)。よって、以後、賞球エラー2報知に応じたランプ表示が行われる。そして、演出制御用CPU101は、賞球エラー2報知を行っていることを示す賞球エラー2報知中フラグをセットする(ステップS1067)。
次に、可変入賞球装置(役物)20への遊技球の入賞および排出のタイミングと可動部材77の可動タイミングとを説明する。図105〜図108は、可変入賞球装置20への遊技球の進入および排出のタイミングと可動部材77の可動タイミングとを示す説明図である。このうち、図105は、可変入賞球装置20の開放期間中に第1進入口71および第2進入口72のいずれにも遊技球が進入しなかった場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。
図105に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S34参照)。図105に示す例では、開放扉76A,76Bを開放した後に第1進入口71および第2進入口72のいずれにも遊技球は進入していないのであるから、第1役物入賞スイッチ71aおよび第2役物入賞スイッチ72aのいずれのオン信号も検出しておらず、役物内遊技球個数カウンタの値は0のままである。そのため、開放中処理時間がタイムアウトしさらに入賞監視タイマの値が0となると(ステップS430,S451参照)、第1貯留部および第2貯留部のいずれも開放されることなく、可動部材77の可動も行われることなく(ステップS453,S456A〜S456J参照)、そのまま小当り遊技を終了する。
また、図106は、可変入賞球装置20の開放期間中に第1進入口71にのみ遊技球が進入した場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。図106に示す例では、CPU56は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S34参照)。図106に示す例では、遊技球が第1進入口71に進入し第1役物入賞スイッチ71aで検出され(ステップS434A参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算する(ステップS435A参照)。
次いで、遊技球は役物20内の第1経路を経由して、図9〜図11に示すように、役物20内の左方に設けられた経路部材92を通って第1貯留部に一旦貯留される。次いで、開放中処理時間がタイムアウトしさらに入賞監視タイマの値が0となると(ステップS430,S451参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が0でないと判定され(ステップS453参照)、CPU56は、所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かの確認を行う(ステップS456B参照)。所定の第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C参照)。すると、図12に示すように、第1貯留部から開放された遊技球は回転体86の前面側に導かれ、特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
次いで、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて0となり、小当り遊技を終了する。なお、第1進入口71に進入した遊技球が特定入賞口66Aに入賞または排出されて役物排出スイッチ85aで検出されるまでの時間が例えば10秒である。第2貯留部の開放時間は第1進入口71に進入した遊技球が排出されるまでの時間(例えば10秒)よりも十分長い時間(例えば12秒)に設定されている。したがって、図106に示す例では、開放中処理時間がタイムアウトしさらに役物内遊技球個数カウンタの値が0となると(ステップS430,S453参照)、第2貯留部の開放および可動部材77の可動を行うことなく(ステップS453,S456E〜S456J参照)、そのまま小当り遊技を終了する。すなわち、第2進入口72に遊技球が進入しておらず第2役物入賞スイッチ72aで検出されていなければ、小当り遊技中に可動部材77の可動が行われることはない。
また、図107は、可変入賞球装置20の開放期間中に第2進入口72にのみ遊技球が進入した場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。図107に示す例では、CPU56は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S34参照)。図107に示す例では、遊技球が第2進入口72に進入し第2役物入賞スイッチ72aで検出され(ステップS434B参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算する(ステップS435B参照)。
次いで、遊技球は役物20内の第2経路を経由して、図13に示すように、経路部材94を通って役物20内の右上方に導かれ第2貯留部に一旦貯留される。次いで、開放中処理時間がタイムアウトしさらに入賞監視タイマの値が0となると(ステップS430,S451参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が0でないと判定され(ステップS453参照)、CPU56は、所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かの確認を行う(ステップS456B参照)。所定の第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C参照)。なお、図107に示す例では、第1進入口71には遊技球が進入していないので、第1貯留部を開放しても遊技球の特定入賞口66Aへの入賞や排出は生じない。
次いで、所定の第2貯留部の開放期間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)12秒)を経過しても、役物内遊技球個数カウンタの値が0でない(本例では1でる)状態のままであるので(ステップS453,S456F参照)、CPU56は、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を開放状態に制御する(ステップS456G参照)。さらに、所定の可動部材77の可動時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)13秒)を経過すると、CPU56は、可動部材77を可動する可動部材制御を実行する(ステップS456J参照)。すると、図14に示すように、第2貯留部が開放されるとともに、可動部材77が可動され右上方から左下方に斜めに傾いた状態に変化する。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)の制御にしたがって装飾部材78も可動部材77に連動して可動される。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通って回転体86上面に落下し、図15および図16に示すように、特定開口66または特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
なお、図107に示すように、可動部材77が最も下方まで可動されると、下側位置センサ91bからのオン信号を検出し可動部材初期位置設定要求フラグがセットされた(ステップS225,S229参照)ことにもとづいて、直ちに初期位置制御処理が実行され第2貯留部を閉鎖状態に戻すとともに可動部材77を初期位置に戻す制御が行われる(ステップS1242〜S1249参照)。
次いで、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて0となり、小当り遊技を終了する。図107に示すように、この実施の形態では、第2進入口72に遊技球が進入して第2役物入賞スイッチ72aで検出された場合にのみ、可動部材77が可動され、装飾部材78が連動して可動する演出が実行される。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通って回転体86上面に落下し、図15および図16に示すように、特定開口66または特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
さらに、図108は、可変入賞球装置20の開放期間中に第1進入口71に遊技球が進入するとともに第2進入口72に遊技球が進入した場合の遊技球の進入および排出タイミングと可動部材の可動タイミングとを示している。図108に示す例では、CPU56は、小当り遊技に移行すると、開放ソレノイド75を駆動して、開放扉76A,76Bを開放する(ステップS417,S34参照)。図108に示す例では、遊技球が第1進入口71に進入し第1役物入賞スイッチ71aで検出され(ステップS434A参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算する(ステップS435A参照)。さらに、図108に示す例では、遊技球が第2進入口72に進入し第2役物入賞スイッチ72aで検出され(ステップS434B参照)、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタを1加算してカウント値を2とする(ステップS435B参照)。
次いで、第1進入口71に進入した遊技球は役物20内の第1経路を経由して、図9および図10に示すように、役物20内の左方に設けられた経路部材92を通って第1貯留部に一旦貯留される。また、第2進入口72に進入した遊技球は役物20内の第2経路を経由して、図13に示すように、経路部材94を通って役物20内の右上方に導かれ第2貯留部に一旦貯留される。
次いで、開放中処理時間がタイムアウトしさらに入賞監視タイマの値が0となると(ステップS430,S451参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が0でないと判定され(ステップS453参照)、CPU56は、所定の第1貯留部の開放時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)8秒)を経過したか否かの確認を行う(ステップS456B参照)。所定の第1貯留部の開放時間を経過していれば、CPU56は、第1貯留部ソレノイド90aを駆動して第1貯留部材93aを可動させることによって、第1貯留部を開放状態に制御する(ステップS456C参照)。すると、図12に示すように、第1貯留部から開放された遊技球は回転体86の前面側に導かれ、特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。なお、図108に示す例では、第1貯留部から開放された遊技球は、側面側開口84に入ってはずれとなったものとする。
次いで、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて1となる(ステップS438参照)。この場合、第1進入口71から進入した遊技球が排出されても役物内遊技球個数カウンタの値が0とならない(特定入賞口66Aに入賞していない場合)ので(ステップS453参照)、所定の第2貯留部の開放期間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)12秒)を経過すると、CPU56は、第2貯留部ソレノイド90bを駆動して第2貯留部材93bを可動させることによって、第2貯留部を開放状態に制御する(ステップS456G参照)。さらに、所定の可動部材77の可動時間(例えば、役物20開放後(2回開放する場合は1回目の役物開放後)13秒)を経過すると、CPU56は、可動部材77を可動する可動部材制御を実行する(ステップS456J参照)。すると、図14に示すように、第2貯留部が開放されるとともに、可動部材77が可動され右上方から左下方に斜めに傾いた状態に変化する。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)の制御にしたがって装飾部材78も可動部材77に連動して可動される。そして、第2貯留部から開放された遊技球は可動部材77内および経路部材95を通って回転体86上面に落下し、図15および図16に示すように、特定開口66または特定側面側開口66bを介して特定入賞口66Aに入賞し、または他の側面側開口84に入って排出される。
なお、図108に示すように、可動部材77が最も下方まで可動されると、下側位置センサ91bからのオン信号を検出し可動部材初期位置設定要求フラグがセットされた(ステップS225,S229参照)ことにもとづいて、直ちに初期位置制御処理が実行され第2貯留部を閉鎖状態に戻すとともに可動部材77を初期位置に戻す制御が行われる(ステップS1242〜S1249参照)。
そして、役物排出スイッチ85aのオン信号が検出されると(ステップS437参照)、役物内遊技球個数カウンタの値が1減算されて0となり、小当り遊技を終了する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、回転体第1位置センサ87aによる回転体86の位置検出結果と操作ボタン120による操作を検出したか否かの判定結果とにもとづいて、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知する。そのため、遊技者の操作に応じて、可変入賞球装置(役物)20内の遊技球が特定入賞口66Aに進入する可能性を報知・示唆することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞球装置(役物)20を開放状態としたタイミングと、回転体第1位置センサ87aが検出した回転体86の位置とにもとづいて、第1貯留部材93aによって停留状態とされる遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を算出し、算出した期待度を報知する。そのため、可変入賞球装置(役物)20を開放状態としたタイミングから報知を行うことができ、遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度の報知の実行タイミングの制限が少ない。例えば、第1貯留部が開放状態とされ可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態が解除される前のタイミングであっても、遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度の報知を行うことができる。
図109は、V入賞期待度を報知するタイミングを示すタイミングチャートである。図109に示すように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物開放時に回転体位置計測カウンタの値にもとづいてV入賞期待度を判定することによって、可変入賞球装置(役物)20を開放状態としたタイミングと、回転体第1位置センサ87aが検出した回転体86の位置とにもとづいてV入賞期待度を判定する(ステップS425A参照)。そして、その判定結果にもとづいて、V入賞期待度大報知指定コマンドまたはV入賞期待度小報知指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS425C,S425D参照)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞期待度大報知指定コマンドまたはV入賞期待度小報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、操作ボタン120の操作に応じて、演出表示装置9においてパワーバーのメモリ表示が徐々に増加するようなアオリ演出を実行する(ステップS8023A,S8025A,S8026A,S8023B,S8025B,S8026B参照)。また、操作ボタン120の操作に応じて第1貯留部装飾部90eが可動される(ステップS8023A,S8024A,S8023B,S8024B参照)。
次いで、第1貯留部開放時間になると、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1貯留部が開放状態とされる(ステップS456B,S456C参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120の操作に応じて、V入賞期待度を報知する(ステップS8028A,S8029A参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1貯留部装飾部90eの可動を一旦停止した後に、第1貯留部材93aの可動に追随して第1貯留部装飾部90eを可動させる(ステップS8031A,S8031B参照)。
この実施の形態では、図109に示すように、第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499の範囲であれば、回転体86の特定入賞口66Aがちょうど前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66AにV入賞する可能性が高くなる。したがって、役物20を開放してから遊技球が回転体86に到達するまでの回転体86の回転量を用いて逆算すれば、役物開放のタイミングで回転体86の回転位置(具体的には、回転体位置計測カウンタの値)がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。図109に示す例では、役物開放のタイミングで回転体位置計測カウンタの値が10000〜10999であることにもとづいて(図40参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、V入賞期待度「大」と判定する。その後、図109に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにもとづいて回転体位置計測カウンタの値がリセットされた後、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499となり(回転体86が前面側に位置する状態となり)、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。
また、この実施の形態によれば、少なくとも第1貯留部が開放状態とされ可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態が解除されるタイミングで、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知する(図109参照)。そのため、操作ボタン120を用いた操作によって第1貯留部材93aによる遊技球の貯留状態の解除に影響を与えたような印象を与えることができ、遊技者に対して操作ボタン120を用いた操作への参加意欲を高めさせることができる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞球装置(役物)20は、第1貯留部材93aと重複するように配置される可動可能な第1貯留部装飾部90eを有する。また、第1貯留部材93aが可動されることに対応して第1貯留部装飾部90eを可動させる演出を実行可能であり、可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球が停留状態となるタイミングで、操作ボタン120による操作に応じて第1貯留部装飾部90eを可動させる。そのため、操作ボタン120を用いた操作によって第1貯留部材93aによる遊技球の貯留状態の解除に影響を与えたような印象を与えることができ、遊技者に対して操作ボタン120を用いた操作への参加意欲を高めさせることができる。
また、この実施の形態によれば、第1貯留部材93aの位置を検出する第1貯留部位置センサ90cを備える。また、第1貯留部材93aによって可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態を解除されているタイミングで、第1貯留部位置センサ90cの検出結果にもとづいて、第1貯留部材93aが可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球を停留状態を維持する位置であることを検出したときに不正エラーと判定する。または、第1貯留部材93aによって可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態を解除されていないタイミングで、第1貯留部位置センサ90cの検出結果にもとづいて、第1貯留部材93aが可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態を解除させる位置であることを検出したときに、不正エラーと判定する。そして、不正エラーと判定したときにエラー報知を行う。そのため、第1貯留部材93aをピアノ線などを用いて可動させて遊技球を特定入賞口66Aに進入させる不正行為を防止することができる。
なお、この実施の形態では、V入賞期待度が大きい場合と小さい場合の両方においてV入賞期待度を報知する場合を示したが、V入賞期待度が大きい場合にのみ(役物20に遊技球が入賞したタイミングと回転体86の回転位置とのタイミングが、V入賞する可能性が高いタイミングの場合にのみ)報知するようにしてもよい。図110は、V入賞期待度が大きい場合にのみV入賞期待度を報知する場合の小当り遊技中処理(ステップS808)を示すフローチャートである。図110に示す例では、ステップS8014〜S8017を実行しない(従って、ステップS8029〜S8034も実行しない)点で、図87〜図90に示した大当り遊技中処理と異なる。すなわち、図110に示す例では、V入賞期待度が小さい場合には、ステップS8014〜S8017,S8029〜S8034のV入賞期待度の報知やアオリの演出を実行しないように制御する。
図110に示す構成によれば、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度が高い場合にのみ当該期待度を報知する。そのため、真に特定入賞口66Aへの進入の可能性が高い場合にのみ期待度の報知を行うことができる。従って、遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度の報知の演出がマンネリ化してしまうことを防止することができ、遊技に対する興趣が低下してしまう事態を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、可動部材77の前面側であって、可動部材と重複するように配置される可動可能な装飾部材78を備える。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可動部材77が可動されることに対応して装飾部材78を可動させる第1演出と、可動部材77が可動されることとは無関係に第1演出と同一態様または類似態様に装飾部材78を可動させる第2演出とを実行可能である。そのため、可動部材77の前面側に配置された装飾部材78を可動部材77の可動態様にあわせて可動させることによって、装飾部材78の動きに対して遊技者に一層の注目を与えるようにすることができる。従って、可動部材77が設けられた遊技機において、遊技に対する興趣を十分に向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出部材78、所定の第2可動態様に制御されていない状態において可動部材77全体を覆うように配置されている。そのため、演出部材78を遊技者により注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出部材78は、可変入賞球装置(役物)20内に進入した遊技球の挙動に影響を与えない位置に配置されている。そのため、演出部材78が可変入賞球装置20内の遊技球の動きに影響を与えないようにすることができ、遊技の公正を確保することができる。
また、この実施の形態によれば、可動部材77は、透明または略透明な部材を用いて構成されている。そのため、遊技者に可動部材77を認識しにくくさせることができる。従って、遊技者に演出部材78にのみ注目させることができ、遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、所定の表示領域を有する演出表示装置9を備える。また、可動部材77は、所定の第1可動態様に制御されている状態において、演出表示装置9の表示領域と重なる態様で配置され、演出部材78は、所定の第2可動態様に制御されている状態において、演出表示装置9の表示領域と重複するように配置されている。そのため、各種表示が行われる表示領域の前面側に重なるように可動部材77および演出部材78を可動させることができる。従って、遊技者により一層の注目を与えることができ、遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を実行しているときに、所定の第2可動態様と同一態様または類似態様に演出部材78を可動させる制御を行う。そのため、演出部材78を可変表示中に行われる大当り予告やリーチ予告演出などに用いることができる。また、小当り遊技状態に移行されている特定入賞口66Aに入賞しやすい場合と同一または類似態様で演出部材78を用いた演出を行うことによって、遊技者が大当りやリーチとなる可能性が高いことを容易に把握することができ、遊技に対するより一層の興趣の向上を図ることができる。
また、この実施の形態によれば、第2経路(スペシャルルート)を形成し、可変入賞球装置(役物)20内に配置され、所定の可動態様に変化可能な可動部材77を備える。また、始動口スイッチ60に一の遊技球が検出されたことにもとづく始動操作の開始から当該始動動作において可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球のうち、第1経路(ノーマルルート)を通過した遊技球が役物排出スイッチ85aで検出されるまでの第1時間が、第2経路(スペシャルルート)を通過した遊技球が役物排出スイッチ85aで検知されるまでの第2時間よりも短くなるように構成している。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作の開始から第1時間よりも長い第3時間が経過した後に可動部材77の動作を開始する。そのため、開放扉76A,76Bによって可変入賞球装置(役物)20内に進入した遊技球が第2経路(スペシャルルート)に振り分けられたときにのみ、可動部材77を可動させるようにすることができる。遊技者にとって有利な第2経路(スペシャルルート)に進入したときにのみ可動部材77が可動するので、可動部材77の可動に対して遊技者に期待感を与えることができる。
なお、この実施の形態では、第2時間より第3時間が長くなるように制御する場合を示したが、第2時間の方が第3時間よりも長くなるように制御してもよい。すなわち、この実施の形態では、第2貯留部を開放した後に可動部材77を可動して遊技球を回転体86まで導く経路を形成するように制御していたが、先に可動部材77を可動してから第2貯留部を開放するようにしてもよい(ただし、第2時間および第3時間は、第1時間よりも長いものとする)。
また、この実施の形態によれば、可変入賞球装置20は、第2経路(スペシャルルート)に遊技球を貯留可能な第2貯留部が設けられ、第2貯留部は、可動部材77よりも上流側に位置するように設けられている。そのため、第2貯留部に遊技球が貯留可能とされることによって、第2経路(スペシャルルート)に振り分けられた遊技球が所定の進入領域に到達するまでのタイミングを容易に遅らせることができる。
また、この実施の形態によれば、可変入賞球装置(役物)20は、遊技球が進入可能な第1進入口71と第2進入口72とが設けられ、第1進入口71は、第2進入口72と比較して遊技球が進入しやすい態様に形成されている。さらに、可変入賞球装置20は、第1進入口71に遊技球が進入した場合と比較して、第2進入口に遊技球が進入した場合の方が特定入賞口66Aに遊技球が進入しやすい態様に形成されている。そのため、可変入賞球装置20の進入口71,72に遊技球が進入した段階で、特定入賞口66Aに進入しやすい経路と進入しにくい経路とに振り分けることができる。よって、可変入賞球装置20の進入口部分に設けられた第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bの動作に遊技者の注目を集めさせることができ、可変入賞球装置20に遊技球が進入すると同時に特定入賞口66Aへの遊技球の進入に対して遊技者に期待感を抱かせることができる。
例えば、特開2004−223100号公報に記載された遊技機のように構成する場合には、可変入賞球装置に遊技球が進入した後に、可変入賞球装置内に設けられた振分け部材によって、特定入賞口に入賞しやすい経路としにくい経路とに振分けられる。そのため、可変入賞球装置に遊技球が進入する段階では、特定入賞口へのV入賞のしやすさに差がなく、可変入賞球装置の進入口に設けられた開放扉などの可動物に遊技者の注目を集めさせることはできない。この実施の形態では、可変入賞球装置20の進入口71,72に遊技球が進入した段階で、特定入賞口に進入しやすい経路と進入しにくい経路とに振り分けることができるので、可変入賞球装置20の進入口71,72に設けられた開放扉76A,76Bの動作に遊技者の注目を集めさせることができる。
なお、この実施の形態では、第2開放扉76Bを第1開放扉76Aと比較して小さくすることによって、第2進入口72に遊技球が進入しにくくする場合を示しているが、第2進入口72に遊技球が進入しにくくする態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、第2進入口72の付近に遊技球の進入を阻害する障害物となる部材を設けることによって、第1進入口71と比較して、第2進入口72に遊技球が進入しにくくなるように構成してもよい。また、例えば、第1進入口71内の通路の角度を第1進入口72内の通路の角度よりも大きく斜めに傾斜させた態様とすることによって、第1進入口71の方が第2進入口72よりも遊技球が進入しやすくするように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、第1開放扉76Aと第2開放扉76Bとは、一体に形成されている。そのため、第1開放扉76Aおよび第2開放扉76Bを容易に形成することができる。
また、この実施の形態によれば、第1進入口71が、第2進入口72に対して下側に位置するように配置されている。そのため、第2進入口72に進入できずに下側に流れた遊技球が第1進入口71に入賞できるようにすることができ、第1進入口71を第2進入口72と比較してより容易に遊技球が進入しやすく構成することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定される小当りが複数種類(第1小当り、第2小当り、第3小当り)あり、小当りの種類に応じて大当り遊技状態におけるラウンド数を異ならせる。そのため、特定入賞口66Aに遊技球が入賞する前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口66Aに遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。すなわち、特定入賞口66Aが形成されている可変入賞球装置(役物)20における遊技球の動き等による遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9に、特別図柄に対応する飾り図柄(演出表示)と普通図柄に対応する飾り図柄(演出表示)とがそれぞれ異なる領域で表示されるように構成されているが、特別図柄に対応する飾り図柄(演出表示)と普通図柄に対応する飾り図柄(演出表示)とを異なるタイミングで演出表示装置9に表示させてもよい。そして、普通図柄と特別図柄とが同じタイミングで変動している場合には、演出表示装置9に特別図柄を可変表示させてもよい。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、可変入賞球装置(役物)20を開放状態としたタイミングと回転体86の位置とにもとづいて、停留状態とされる遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知する場合を説明した。これに対して、演出図柄の可変表示を開始するタイミング、演出図柄の可変表示内容、及び回転体86の位置とにもとづいて、停留状態とされる遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知するようにしてもよい。以下、演出図柄の可変表示を開始するタイミング、演出図柄の可変表示内容、及び回転体86の位置とにもとづいて、停留状態とされる遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知する第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図111は、第2の実施の形態における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、変動パターン設定処理におけるステップS340〜S345の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS345で変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定すると、CPU56は、大当りであるか否かを確認する(ステップS345A)。なお、大当りであるか否かは、例えば、特図変動パターンコマンド格納領域に格納されている特図変動パターンコマンドが大当り用の特図変動パターンであるか否かを判定することによって確認できる。大当りであれば、そのままステップS346に移行する。
大当りでなければ(すなわち、小当りであれば)、CPU56は、回転体位置計測処理(ステップS31参照)で更新される回転体位置計測カウンタの現在の値と、小当りの種類(役物20の開放回数、演出図柄の変動時間)とにもとづいて、V入賞期待度を判定するためのV入賞期待度判定テーブルを用いて、V入賞期待度を判定する(ステップS345B)。ただし、第1の実施の形態と同様に、ステップS345Bでは、可変入賞球装置(役物)20内に設けられた2つの経路のうち、第1経路に進入した遊技球がV入賞する期待度を判定するものとする。なお、小当りの種類については、例えば、特図変動パターンコマンド格納領域に格納されている特図変動パターンコマンドが、いずれの小当り用の特図変動パターンであるか否かを判定することによって確認できる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でV入賞期待度を判定する場合を示しているが、演出制御用マイクロコンピュータ100側でステップS345Bと同様の処理に従ってV入賞期待度を判定するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS31と同様の処理(具体的には、ステップS3000〜S3003と同様の処理)に従って回転体位置計測カウンタの値を更新することによって、回転体86の回転位置を計測している。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の開始時に、特図変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、ステップS345Bと同様の処理に従って、現在の回転体位置計測カウンタの値および後述するV入賞期待度判定テーブルとを用いて、V入賞期待度を判定する。
図112は、第2の実施の形態におけるV入賞期待度判定テーブルの例を示す説明図である。図112に示すように、この実施の形態では、CPU56は、小当りの種類が役物20を1回だけ開放する小当りである場合には、ステップS345Bにおいて、回転体位置計測カウンタの値が5000〜5999であれば、V入賞期待度が大きいと判定する。また、回転体位置計測カウンタの値が0〜4999または6000以上であれば、V入賞期待度が小さいと判定する。また、小当りの種類が役物20を2回開放し変動時間が短い(例えば、19.5秒)小当りである場合には、ステップS345Bにおいて、回転体位置計測カウンタの値が0〜499または14500以上であれば、V入賞期待度が大きいと判定する。また、回転体位置計測カウンタの値が500〜14499であれば、V入賞期待度が小さいと判定する。さらに、小当りの種類が役物20を2回開放し変動時間が長い(例えば、29.5秒又は30.0秒)小当りである場合には、ステップS345Bにおいて、回転体位置計測カウンタの値が9500〜10499であれば、V入賞期待度が大きいと判定する。また、回転体位置計測カウンタの値が0〜9499または10500以上であれば、V入賞期待度が小さいと判定する。
ステップS345BでV入賞期待度が大きいと判定した場合には(ステップS345CのY)、CPU56は、V入賞期待度大報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS345D)。V入賞期待度が小さいと判定した場合には(ステップS345CのN)、CPU56は、V入賞期待度小報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS345E)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS346)。
図113は、第2の実施の形態における回転体86の回転位置とV入賞期待度との関係を示す説明図である。なお、図113では、一例として、小当りの種類が役物開放1回の小当りである場合が示されている。図113(C)に示すように、この実施の形態では、第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499の範囲であれば、回転体86の特定入賞口66Aがちょうど前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66AにV入賞する可能性が高くなる。したがって、特別図柄や演出図柄の変動表示を開始してから遊技球が回転体86に到達するまでの回転体86の回転量を用いて逆算すれば、変動開始のタイミングで回転体86の回転位置(具体的には、回転体位置計測カウンタの値)がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。この実施の形態では、図113(A)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示を開始するタイミングで、ステップS345BのV入賞期待度の判定の処理において、図112(A)に示すV入賞期待度判定テーブル(役物1回開放用)を用いて、回転体位置計測カウンタの値が5000〜5999であれば、V入賞期待度「大」と判定する。その後、図113(B)に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにもとづいて回転体位置計測カウンタの値がリセットされた後、図113(C)に示すように、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499となり(回転体86が前面側に位置する状態となり)、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。
なお、この実施の形態では、V入賞期待度を「大」と「小」との2段階で判定する場合を示しているが、2段階にかぎらず、例えば、「大」、「中」、「小」の3段階で判定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の実施の形態における図42に示した変形例と同様の処理に従って、V入賞期待度を「大」、「中」、「小」の3段階で判定するようにすればよい。
図111および図112に示す構成によれば、演出表示装置9における演出図柄の可変表示を開始するタイミングと、演出表示装置9における演出図柄の可変表示内容と、回転体第1位置センサ87aが検出した回転体86の位置とにもとづいて、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を算出し、算出した期待度を報知する。そのため、演出図柄の可変表示を開始するタイミングから報知を行うことができ、遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度の報知の実行タイミングの制限が少ない。例えば、第1貯留部が開放状態とされ可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態が解除される前のタイミングであっても、遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度の報知を行うことができる。
図114は、第2の実施の形態におけるV入賞期待度を報知するタイミングを示すタイミングチャートである。図114に示すように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動開始時に回転体位置計測カウンタの値および小当りの種類にもとづいてV入賞期待度を判定することによって、演出図柄の可変表示を開始するタイミングと、演出表示装置9における演出図柄の可変表示内容と、回転体第1位置センサ87aが検出した回転体86の位置とにもとづいて、V入賞期待度を判定する(ステップS345B参照)。そして、その判定結果にもとづいて、V入賞期待度大報知指定コマンドまたはV入賞期待度小報知指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS345D,S345E参照)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞期待度大報知指定コマンドまたはV入賞期待度小報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、操作ボタン120の操作に応じて、演出表示装置9においてパワーバーのメモリ表示が徐々に増加するようなアオリ演出を実行する(ステップS8023A,S8025A,S8026A,S8023B,S8025B,S8026B参照)。また、操作ボタン120の操作に応じて第1貯留部装飾部90eが可動される(ステップS8023A,S8024A,S8023B,S8024B参照)。なお、この実施の形態では、役物開放のタイミングからアオリ演出を開始する場合を示しているが、変動表示開始のタイミングからアオリ演出を開始するようにしてもよい。
次いで、第1貯留部開放時間になると、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1貯留部が開放状態とされる(ステップS456B,S456C参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン120の操作に応じて、V入賞期待度を報知する(ステップS8028A,S8029A参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1貯留部装飾部90eの可動を一旦停止した後に、第1貯留部材93aの可動に追随して第1貯留部装飾部90eを可動させる(ステップS8031A,S8031B参照)。
この実施の形態では、図114に示すように、第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499の範囲であれば、回転体86の特定入賞口66Aがちょうど前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66AにV入賞する可能性が高くなる。したがって、特別図柄や演出図柄の変動表示を開始してから遊技球が回転体86に到達するまでの回転体86の回転量(図114に示す例では、小当り種類が役物20を1回開放する場合であり、変動時間が10.0秒であることを考慮した回転量)を用いて逆算すれば、役物開放のタイミングで回転体86の回転位置(具体的には、回転体位置計測カウンタの値)がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。図114に示す例では、変動開始のタイミングで回転体位置計測カウンタの値が5000〜5999であることにもとづいて(図112(A)参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、V入賞期待度「大」と判定する。その後、図114に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにもとづいて回転体位置計測カウンタの値がリセットされた後、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499となり(回転体86が前面側に位置する状態となり)、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、可変入賞球装置(役物)20を開放状態としたタイミングと回転体86の位置とにもとづいて、停留状態とされる遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知する場合を説明した。これに対して、可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態が解除されたタイミングと回転体86の位置とにもとづいて、停留状態とされる遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知するようにしてもよい。以下、可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態が解除されたタイミングと回転体86の位置とにもとづいて、停留状態とされる遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を報知する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図115は、第3の実施の形態における役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、役物開放中処理におけるステップS430〜S456Bの処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
第1貯留部の開放時間を経過していれば(ステップS456BのY)、CPU56は、回転体位置計測処理(ステップS31参照)で更新される回転体位置計測カウンタの現在の値にもとづいて、V入賞期待度を判定するためのV入賞期待度判定テーブルを用いて、V入賞期待度を判定する(ステップS4501)。ただし、第1の実施の形態と同様に、ステップS4501では、可変入賞球装置(役物)20内に設けられた2つの経路のうち、第1経路に進入した遊技球がV入賞する期待度を判定するものとする。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でV入賞期待度を判定する場合を示しているが、演出制御用マイクロコンピュータ100側でステップS4501と同様の処理に従ってV入賞期待度を判定するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS31と同様の処理(具体的には、ステップS3000〜S3003と同様の処理)に従って回転体位置計測カウンタの値を更新することによって、回転体86の回転位置を計測している。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1貯留部開放時間を経過したことにもとづいて、ステップS4501と同様の処理に従って、現在の回転体位置計測カウンタの値および後述するV入賞期待度判定テーブルとを用いて、V入賞期待度を判定する。
図116は、第3の実施の形態におけるV入賞期待度判定テーブルの例を示す説明図である。図116に示すように、この実施の形態では、CPU56は、ステップS4502において、回転体位置計測カウンタの値が2000〜2999であれば、V入賞期待度が大きいと判定する。また、回転体位置計測カウンタの値が0〜1999または3000以上であれば、V入賞期待度が小さいと判定する。
ステップS4501でV入賞期待度が大きいと判定した場合には(ステップS4502のY)、CPU56は、V入賞期待度大報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS4503)。V入賞期待度が小さいと判定した場合には(ステップS4502のN)、CPU56は、V入賞期待度小報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS4504)。
以下、ステップS456C〜S456Jの処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図117は、第3の実施の形態における回転体86の回転位置とV入賞期待度との関係を示す説明図である。図117(C)に示すように、この実施の形態では、第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499の範囲であれば、回転体86の特定入賞口66Aがちょうど前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66AにV入賞する可能性が高くなる。したがって、第1貯留部を開放してから遊技球が回転体86に到達するまでの回転体86の回転量を用いて逆算すれば、第1貯留部開放のタイミングで回転体86の回転位置(具体的には、回転体位置計測カウンタの値)がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。この実施の形態では、図117(A)に示すように、回転体第1位置センサ87aがオンとなったことにもとづいて回転体位置計測カウンタの値がリセットされた後、図117(B)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1貯留部を開放するタイミングで、ステップS4501のV入賞期待度の判定の処理において、図116に示すV入賞期待度判定テーブルを用いて、回転体位置計測カウンタの値が2000〜2999であれば、V入賞期待度「大」と判定する。その後、図117(C)に示すように、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499となり(回転体86が前面側に位置する状態となり)、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。
なお、この実施の形態では、V入賞期待度を「大」と「小」との2段階で判定する場合を示しているが、2段階にかぎらず、例えば、「大」、「中」、「小」の3段階で判定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の実施の形態における図42に示した変形例と同様の処理に従って、V入賞期待度を「大」、「中」、「小」の3段階で判定するようにすればよい。
図115および図116に示す構成によれば、第1貯留部材93aによって可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態が解除されたタイミングと、回転体第1位置センサ87aが検出した回転体86の位置とにもとづいて、第1貯留部材93aによって停留状態とされている遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を算出し、算出した期待度を報知する。そのため、特定入賞口66Aを含む複数の領域に遊技球が進入する直前の回転体86と遊技球との位置関係にもとづいて、遊技球が特定入賞口66Aに進入する期待度を算出することができ、期待度算出の際の不確定要素が少ない。従って、可変入賞球装置(役物)20内の遊技球が特定入賞口66Aに進入する可能性をより高い信頼度で報知・示唆することができる。
図118は、第3の実施の形態におけるV入賞期待度を報知するタイミングを示すタイミングチャートである。図118に示すように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1貯留部の開放時に回転体位置計測カウンタの値にもとづいてV入賞期待度を判定することによって、第1貯留部材93aによって可変入賞球装置(役物)20に進入した遊技球の停留状態が解除されたタイミングと、回転体第1位置センサ87aが検出した回転体86の位置とにもとづいて、V入賞期待度を判定する(ステップS4501参照)。そして、その判定結果にもとづいて、V入賞期待度大報知指定コマンドまたはV入賞期待度小報知指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS4503,S4504参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって第1貯留部が開放状態とされる(ステップS456B,S456C参照)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞期待度大報知指定コマンドまたはV入賞期待度小報知指定コマンドを受信したことにもとづいて、操作ボタン120の操作に応じて、V入賞期待度を報知する(ステップS8028A,S8029A参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1貯留部装飾部90eの可動を一旦停止した後に、第1貯留部材93aの可動に追随して第1貯留部装飾部90eを可動させる(ステップS8031A,S8031B参照)。
この実施の形態では、図118に示すように、第1貯留部が開放された後に遊技球が回転体86に到達したタイミングで、回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499の範囲であれば、回転体86の特定入賞口66Aがちょうど前面側付近に位置する状態となり、特定入賞口66AにV入賞する可能性が高くなる。したがって、第1貯留部を開放してから遊技球が回転体86に到達するまでの回転体86の回転量を用いて逆算すれば、役物開放のタイミングで回転体86の回転位置(具体的には、回転体位置計測カウンタの値)がどの範囲にあれば、V入賞の期待度が大きいか否か判定することができる。図118に示す例では、第1貯留部開放のタイミングで回転体位置計測カウンタの値が2000〜2999であることにもとづいて(図116参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、V入賞期待度「大」と判定する。その後、図118に示すように、遊技球が回転体86に到達するタイミングで回転体位置計測カウンタの値が3500〜4499となり(回転体86が前面側に位置する状態となり)、高い確率で遊技球が特定入賞口66AにV入賞する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様に、第1貯留部開放時間となる前に、操作ボタン120の操作に応じて、演出表示装置9においてパワーバーのメモリ表示が徐々に増加するようなアオリ演出を実行するようにしてもよい。また、第1貯留部開放時間となる前に、操作ボタン120の操作に応じて第1貯留部装飾部90eを可動する演出を実行するようにしてもよい。そして、第1貯留部の開放時に受信したV入賞期待度大報知指定コマンドまたはV入賞期待度小報知指定コマンドにもとづいて、V入賞期待度「大」またはV入賞期待度「小」を報知する演出を実行するようにしてもよい。