JP2009272021A - 対物レンズ駆動装置、ボビン及び光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置、ボビン及び光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクトで剛性が高く高次共振特性に優れたボビンを有する対物レンズ駆動装置、ボビン及び光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】ボビン5が、フォーカシングコイルFC1,FC2を外周面に巻き付ける角筒部5wを有し、巻き付けた状態で、フォーカシングコイルFC1,FC2と角筒部5wの側面との間の少なくとも一部には、隙間が形成されているので、フォーカシングコイルFC1,FC2の巻線時のテンションで角筒部5wの変形を招くことが抑制されると共に、ボビン5の軽量化と剛性を確保しつつ、高次共振特性に優れたアクチュエータを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、対物レンズ駆動装置、ボビン及び光ピックアップ装置に関し、特に、光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うことができる光ピックアップ装置に用いると好適な対物レンズ駆動装置及びそれに用いるボビン並びに光ピックアップ装置に関する。
CDやDVDに代表される光ディスクに対して、情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置が開発されている。また、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、Blu−ray Disc(登録商標)などの高密度光ディスクに情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置の開発も急速に進んでいる。
ここで、光ピックアップ装置における、集光スポットを形成する対物レンズにおいては、情報の記録及び/又は再生時に、光ディスクの情報記録面に集光スポットを適切に結像させるためのフォーカシング動作と、光ディスクのトラックに適切に追従するトラッキング動作に加え、近年では対物レンズの光軸を傾けるチルト動作も必要になってきており、特に高次共振性能が重要視されている。
ここで、ボビンの小型化・軽量化を図るべく、ヨークを挟んで一対の壁を設け、かかる一対の壁の外側に巻線を行うことで、フォーカシングコイルを形成する技術が開発されている。しかしながら、一対の壁を用いてフォーカシングコイルを形成すると、巻線時のテンションによって壁が倒れるように変形するという問題がある。又、巻線時にコイルが内側に入り込んでしまうという問題もある。
これに対し、特許文献1に示すようなアクチュエータに用いるボビンにおいては、ヨークを包囲するように角筒部を形成し、その周囲にフォーカシングコイルを形成することで、巻線時のテンションによる内側への壁の倒れを抑制できるボビンを提供している。
特開2006−66013号公報
ところが、ボビンのトラッキング動作を阻害しないように、フォーカシングコイルとヨークとの間隔をあけると、特許文献1のボビンのように肉厚の厚い角筒部を設けた場合には、フォーカシングコイルの寸法が大きくなり、これによりボビンの大型化・重量増が生じると共に、巻線時のテンションによって角筒部の長手方向の側壁に大きな変形が生じたり、共振特性が悪化するという問題がある。これに対し、特許文献1のボビンにおける角筒部の肉厚を、例えば半分程度に薄くした場合、長手方向の側壁の変形量が7倍程度増大することがわかった。
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたものであり、コンパクトで剛性が高く高次共振特性に優れたボビンを有する対物レンズ駆動装置及びボビンを提供することを目的とする。
請求項1に記載の対物レンズ駆動装置は、光源側から入射した光束を、対物レンズを介して光ディスクに集光させる光ピックアップ装置用の対物レンズ駆動装置において、
前記対物レンズを保持するボビンと、
前記ボビンにおいて前記対物レンズの光軸を挟んで両側に配置され、前記光軸に対して並行して延在する巻軸線を有するコイルと、
前記コイルに対峙する磁石とを有し、
前記ボビンは、前記コイルを外周面に巻き付ける角筒部を有し、巻き付けた状態で、前記コイルと前記角筒部の側面との間の少なくとも一部には、隙間が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記ボビンが、前記コイルを外周面に巻き付ける角筒部を有し、巻き付けた状態で、前記コイルと前記角筒部の側面との間の少なくとも一部には、隙間が形成されているので、前記コイルの巻線時のテンションで前記角筒部の変形を招くことが抑制されると共に、前記ボビンの軽量化と剛性を確保しつつ、高次共振特性に優れた対物レンズ駆動装置を提供することができる。
請求項2に記載の対物レンズ駆動装置は、前記角筒部が、前記コイルの巻軸線に直交する断面において短辺となる側面と、長辺となる側面とを有しており、前記コイルと前記角筒部の長辺となる側面との間の少なくとも一部には、隙間が形成されているので、前記角筒部の長辺の撓みを有効に抑制できる。
請求項3に記載の対物レンズ駆動装置は、前記コイルと前記角筒部の短辺となる側面との間には、隙間が形成されていないので、磁気力を発生するのに必要な短辺側の巻線を精度良く形成することができる。
請求項4に記載の対物レンズ駆動装置は、前記コイルと、前記磁石に対向する前記角筒部の側面との間には、隙間が形成されていないので、磁気力を発生するのに必要な側面側の巻線を精度良く形成することができる。
請求項5に記載の対物レンズ駆動装置は、前記コイルの巻軸線に直交する断面において、前記コイルの一辺の長さの70%以上において、それに近接する前記角筒部の側面との間に隙間を有するので、更に高次共振特性に優れた対物レンズ駆動装置を提供することができる。
請求項6に記載の対物レンズ駆動装置は、前記コイルがフォーカシングコイル又はチルトコイルであることを特徴とする。
請求項7に記載の対物レンズ駆動装置は、前記ボビンにおいて前記対物レンズの光軸を挟んで両側に配置され、前記光軸に対して略90°傾いた巻軸線を有するトラッキングコイルを有することを特徴とする。
請求項8に記載のボビンは、請求項1〜4の対物レンズ駆動装置に用いるボビンであって、前記コイルを外周面に巻き付ける角筒部の側面に窪みを形成したことを特徴とする。
請求項9に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜7の対物レンズ駆動装置を用いたことを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる対物レンズ駆動装置の斜視図である。図2は、図1のボビン5を矢印II方向に見た図であり、図3は、図1のボビン5を矢印III方向に見た図であり、図4は、図1のボビン5を、上方から見た斜視図であり、図5は、図1のボビン5を、下方から見た斜視図である。尚、図示していないが、本実施の形態にかかる対物レンズ駆動装置は、光ピックアップ装置に組み込まれ、不図示の半導体レーザからの光束を、ボビン5で保持した対物レンズ6により集光し、光ディスクの情報記録面に適正な集光スポットを形成することで、情報の記録及び/又は再生が可能となっている。
対物レンズ駆動装置において、図1に示すように、ヨークを兼ねた板状のベース1は、不図示のハウジングに固定されている。ベース1上には、筐体2が固定されており、ベース1及び筐体2は不図示のハウジングの一部を構成する。筐体2の図で手前側には、基板3が取り付けられている。基板3には、片側で3本ずつ、合計6本のワイヤ4の一端が固定されており、各側のワイヤ4は、上下方向に等間隔で平行に並べられ且つベース1に沿って延在している。ワイヤ4の他端側は、ボビン5の側面5cに直交するように形成され更に下方に延在する板状の支持部5kに挿通され固定されている。支持部5kを突き抜けたワイヤ4の他端は、支持部5kに近接して側面5cに直交するように設けられたコイルのからげ部5jに、それぞれハンダ付けされている。からげ部5jの一部は、ボビン5に一体的に形成されベース1側に突出した支柱(不図示)上に設けられている。からげ部5jは一列でなく千鳥状に配置されていても良い。ワイヤ4は、ベース1に対してボビン5を移動可能に支持する機能と、不図示の配線が接続される基板3から、コイルに対して給電するための機能とを有する。なお、筐体2内には、ワイヤ4のダンピング効果のあるジェル(不図示)が充填されている。
ベース1に対して可動に支持された樹脂製のボビン5は、頂面5aと、それに直交する2対の側面5b、5cを有する細長い略直方体状であって、図1に示すように、頂面5aの中央に形成された円形開口5p(図5)に対して対物レンズ6を位置決めして取り付けている。この対物レンズ6は、光ピックアップ装置において、光ディスクの情報記録面にレーザ光束を集光するために用いられる。又、ボビン5の頂面5aには、対物レンズ6と2つの支持部5kとの間に、2つの矩形開口5eが形成されている。
図2,4、5を参照し、ボビン5の一対の側面5bは、ワイヤ4と直交する方向に延在しており、その中央は下方に伸びた延長面5fとなっており、ここに矩形板状の突起5dが形成され、その周囲にトラッキングコイルTRC1,TRC2が直接巻き付けられている。トラッキングコイルTRC1,TRC2の巻軸線は、対物レンズ6の光軸に略直交する。トラッキングコイルTRC1,TRC2は互いに接続されており、その両端は、両側のトラッキングコイル用からげ部5jにそれぞれ接続され、ハンダでワイヤ4に接続されている。
図5において、ボビン5における円形開口5pとワイヤ4との間において、それぞれ矩形開口5eの周囲を囲うようにして、角筒部5wが形成されている。角筒部5Wは、ワイヤ4と平行な一対の長壁5hと、長壁5hに直交する一対の短壁5gとを有する。長壁5hの外方面(側面)には窪み5xがそれぞれ形成されており、従って窪み5xの範囲で、フォーカシングコイルFC1,FC2は角筒部5wに接触していない。角筒部5wを用いることで、ボビン5の剛性を高め、また高次共振特性を向上させることができる。更に、角筒部5wの外周の角部はラウンド形状(曲面)となっているため、フォーカシングコイルFC1,FC2の巻付けの際にコイルの断線が生じることが抑制される。
角筒部5wの外側には、フォーカシングコイルFC1,FC2を介在させて、チルトコイルTLC1,TLC2が直接巻き付けられている。但し、これとは逆に、チルトコイルTLC1,TLC2を内側に巻き、フォーカシングコイルFC1,FC2をその外側に巻き付けても良い。フォーカシングコイルFC1,FC2の巻軸線は、対物レンズ6の光軸に略平行である。フォーカシングコイルFC1,FC2は、逆方向に巻き付けられて互いに接続されており、その両端は、両側のフォーカシングコイル用からげ部5jにそれぞれ接続され、ハンダでワイヤ4に接続されている。図5に示すように、フォーカシングコイルFC1,FC2の内側であって、矩形開口5e内には、対物レンズ6側から頂面5aに平行に延在する平板状の係止部5nと、これに対向してワイヤ4側から延在する平板状の係止部5mが形成されている。係止部5n、5mは、ヨークのストッパとして機能する。
図2に示すように、フォーカシングコイルFC1,FC2における対物レンズ6の光軸方向の端部は、対物レンズ6の光軸方向に並んだ3本のワイヤ4の間に配置されているので、ボビン5の全高を抑えてコンパクト化を図り、更に高次共振特性を改善できる。更に、フォーカシングコイルFC1,FC2の上端面は、対物レンズ6の光軸方向(図2で上下方向)に並んだ片側3本のワイヤ4の中間点(中央のワイヤ4)より対物レンズ6から遠い側(図2で下側)に配置されているので、ボビン5における対物レンズ6の光軸方向の最小厚みT(図2)を所定値以上確保することができ、これによりコンパクトでありながら十分な曲げ剛性を確保でき、共振特性を向上させることが可能となる。
図5において、ボビン5の頂面5aの下面には、対物レンズ6を取り付けた円形開口5pを囲うようにして、4つのリブ5sが形成されている。これによりボビン5の剛性のバランスを調整することで、ボビン5の曲げ共振時のモードを制御して、変形を小さく抑えることができる。加えて、ボビン5は、対物レンズ6を取り付けた円形開口5pの周囲の壁(側面5c)の下縁に、変形調整用の切欠5v(図3)を形成しているので、かかる変形調整用の切欠5vにより剛性のバランスを調整することで、ボビン5の側面5cが大きく撓むような共振を制御して、変形を小さく抑えることができる。
図2に示すように、ボビン5の上面側に配置された対物レンズ6の光軸方向(図2で上下方向)における位置に関し、トラッキングコイルTRC1、TRC2における対物レンズ6の光軸方向の端部のうち対物レンズ6より遠い側の端面の位置は、フォーカシングコイルFC1、FC2における対物レンズ6の光軸方向の端部のうち対物レンズ6に近い側の端面の位置よりも、対物レンズ6から遠い側に位置するので、これによりボビン5の全高を抑えつつ、トラッキングコイルTRC1、TRC2の領域を広げて感度を高めることができ、対物レンズ駆動装置のコンパクト化と性能向上とを両立できる。尚、対物レンズ6の光軸方向における位置に関し、フォーカシングコイルFC1、FC2における対物レンズ6に近い端部の位置は、対物レンズ6の光軸方向に並んだワイヤ4のうち、対物レンズ6に最も近い上部のワイヤ4の位置と、対物レンズ6から最も遠い下部のワイヤ4の位置との間に位置するので、ボビン5における対物レンズ6の光軸方向の厚みを確保しつつ高い剛性を確保でき、コンパクト化と剛性向上とを両立して、共振特性を向上させることが可能となる。
また、対物レンズ6の光軸方向における位置に関し、フォーカシングコイルFC1、FC2の位置は、対物レンズ6の光軸方向に並んだワイヤ4のうち、対物レンズ6に最も近い上部のワイヤ4の位置と、対物レンズ6から最も遠い下部のワイヤ4の位置との中間位置よりも、対物レンズ6より遠い側に位置している。同時に、対物レンズ6の光軸方向における位置に関し、フォーカシングコイルFC1、FC2の位置は、ボビン5における対物レンズ6の取り付け面(頂面5a)と、取り付け面に対してボビン5の反対側の端面との中間位置よりも、対物レンズ6より遠い側に位置している。これによりボビン5における対物レンズ6の光軸方向の厚みを確保しつつ高い剛性を確保でき、コンパクト化と剛性向上とを両立して、共振特性を向上させることが可能となる。更に、フォーカシングコイルFC1,FC2と、トラッキングコイルTRC1、TRC2とは、所定の隙間だけ離れて設けられているので、それぞれ独立して直接ボビン5に巻き付けることができる。
本実施の形態においては、角筒部5wの外側に巻かれたフォーカシングコイルFC1,FC2の周囲に重ねるようにして、チルトコイルTLC1、TLC2が同方向に巻かれた状態で、互いに結線されている。よって、チルトコイルTLC1、TLC2の巻軸線は、対物レンズ6の光軸と平行である。チルトコイルTLC1、TLC2の両端は、両側のチルトコイル用からげ部5jにそれぞれ接続され、ハンダでワイヤ4に接続されている。即ち、本実施の形態では、壁5gの外側にフォーカシングコイルFC1,FC2が直接巻き付けられた後、その上からチルトコイルTLC1、TLC2が巻き付けられることとなる。
図1において、ボビン5の2つの矩形開口5e内には、ベース1の一部が折り曲げられてなるヨーク1A、1Bがそれぞれ進入している。従って、ヨーク1A,1Bの周囲を巻回するようにして、フォーカシングコイルFC1,FC2及びチルトコイルTLC1、TLC2が配置されている。ボビン5の両側面5bに近接対向して、一対の板状の磁石9,10が、ベース1の一部を折り曲げてなるヨーク1C、1Dに裏当てされた状態で配置されている。磁石9,10は板厚方向に分極しており、且つ中央で極性が変わっていて、図1で左側は、N極がフォーカシングコイルFC1(図1で不図示)に対向し、図1で右側は、S極がフォーカシングコイルFC2に対向している。トラッキングコイルTRC1,TRC2は、片側が磁石9,10のN極に対峙し、残りがS極に対峙している。
次に、本実施の形態にかかる対物レンズ駆動装置の動作について説明する。ワイヤ4を介して、磁石9,10とヨーク1A、1Bとの間に生じた磁気回路中に配置されたフォーカシングコイルFC1,FC2に電流を供給すると、対物レンズ6の光軸方向の同一方向に付勢する磁力が発生し、それによりボビン5を対物レンズ6ごと光軸方向に変位させることができる。
更に、ワイヤ4を介して、磁石9又は磁石10により生じた磁気回路中に配置されたトラッキングコイルTRC1,TRC2に電流を供給すると、対物レンズ6の光軸直交方向の同一方向(トラッキング方向)に付勢する磁力が発生し、それによりボビン5を対物レンズ6ごとトラッキング方向に変位させることができる。
更に、ワイヤ4を介して、磁石9,10とヨーク1A、1Bとの間に生じた磁気回路中に配置されたチルトコイルTLC1、TLC2に電流を供給すると、磁石9、10の図1で左側の磁気回路内に配置されたチルトコイルTLC1は、対物レンズ6の光軸方向の一方向に付勢する磁力が発生し、磁石9、10の図1で右側の磁気回路内に配置された、対物レンズ6の光軸方向の他方向に付勢する磁力が発生し、それによりボビン5を対物レンズ6ごと光軸に対して傾けることができる。
本実施の形態によれば、ボビン5が、フォーカシングコイルFC1,FC2を外周面に巻き付ける角筒部5wを有し、巻き付けた状態で、フォーカシングコイルFC1,FC2と角筒部5wの側面との間の少なくとも一部には、隙間が形成されているので、フォーカシングコイルFC1,FC2の巻線時のテンションで角筒部5wの変形を招くことが抑制されると共に、ボビン5の軽量化と剛性を確保しつつ、高次共振特性に優れたアクチュエータを提供することができる。
図6は、別な実施の形態にかかる対物レンズ駆動装置の斜視図である。図7は、本実施の形態にかかるレンズホルダの斜視図である。本実施の形態においては、フォーカシングコイルFC1,FC2の周囲にチルトコイルは設けられておらず、その代わり、レンズホルダ5の周囲(側面5b、5c)に形成された溝(不図示)内に、チルトコイルTLCが直接巻き付けられている。チルトコイルTLCの巻軸線は、対物レンズ6の光軸と略一致する。チルトコイルTLCの両端は、両側のチルトコイル用からげ部5jにそれぞれ接続され、ハンダでワイヤ4に接続されている。
特に本実施の形態では、レンズホルダ5の支持部5kにおいて、チルトコイルTLCに対応する位置に切欠(第1の切欠)5uが形成されている。支持部5kに切欠5uを形成することで、支持部5kに邪魔されることなく、単一のレンズホルダ5にチルトコイルTLCを直接巻き付けることができるため、全てのコイルの巻付けの自動化を図れる。かかる場合、レンズホルダ5の側面5b、5cに線材を巻き付けてチルトコイルTLCを形成した後、チルトコイルTLCが通過する部位を切断して突起5d’の周囲に線材を巻き付けてトラッキングコイルTRC1,TRC2を形成した後、壁5gの周囲に線材を巻き付けてフォーカシングコイルFC1,FC2を形成することができる。尚、フォーカシングコイルを形成した後、トラッキングコイルを形成しても良い。
次に、本実施の形態におけるボビンの好ましい形態について検討する。図8〜11は、比較例と実施例のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図であり、いずれも一対の短壁5gの間隔を4.6mm、短壁5gの幅を2.5mmとする。尚、図8〜11において、左右方向をx方向とし、上下方向をy方向とする。図12は、比較例と実施例のボビンにおいて、フォーカシング時の周波数応答解析結果を示すグラフであり、図13は、比較例と実施例のボビンにおいて、トラッキング時の周波数応答解析結果を示すグラフである。
図8に示す比較例1においては、図5の角筒部5wより、長壁5hを取り去っている。比較例1の場合、フォーカシングコイルFCの巻き付け時のテンションによって、図8に点線で示すように、短壁5gが互いに接近するようにスタティックに変形した。このとき、x方向の変形量は10μmであり、短壁5gのy方向の変形量は79μmであり、実用上問題があることがわかった。
図9に示す比較例2においては、図5の角筒部5wの長壁5hにおいて、窪み5xを設けておらず、従来技術に相当する例である。本発明者が行った比較例2の巻線時のシミュレーションによれば、長壁(長辺側の側面を有する)5hを形成することで補強されるため、フォーカシングコイルFCの巻き付け時のテンションによる短壁(短辺側の側面を有する)5gの倒れ変形は抑制されることがわかった。より具体的には、短壁5gのy方向の変形量は2μmであったが、長壁5hのx方向の変形量は15μmとなってしまった。かかるシミュレーション結果を考察するに、図9に点線で示すように、短壁5gの倒れを抑えることができるものの、長壁5hが、大きく内側にすぼむようにスタティックに変形するので、実用上問題があることが確認された。又、図13に示すトラッキング時の周波数応答解析結果によれば、比較例1と比較して、より低い周波数(40kHz付近)で、ピークがより大きな共振が生じることが確認された。尚、比較例2において、短壁5gと長壁5hの肉厚を半分程度に減少させたところ、長壁5hのx方向の変形量は7倍程度増大することが確認された。
図10に示す実施例1においては、図5の角筒部5wを用いている。本発明者が行った実施例1の巻線時のシミュレーションによれば、比較例2と同様に長壁5hを形成することで補強されるため、フォーカシングコイルFCの巻き付け時のテンションによる短壁5gの倒れ変形は抑制され、更に長壁5hとフォーカシングコイルFCとの間に隙間を形成することで、長壁5hのスタティックな変形量を無視できる程度に小さくできることがわかった。より具体的には、実施例1においては、長壁5hのx方向の変形量は2μmであり、短壁5gのy方向の変形量は1μmであった。又、図13に示すトラッキング時の周波数応答解析結果によれば、この実施例1が、比較例2よりも低い共振ピーク値を持ち、更に比較例1よりも高い側に共振周波数をシフトした良好な共振特性を有することが確認された。更に、図12に示すフォーカシング時の周波数応答解析結果でも、共振特性に問題がないことが確認された。
図11に示す実施例2においては、図5の角筒部5wに対し、磁石に対向する角筒部の側面である短壁5gにも窪み5yを設けた例である。本発明者が行った実施例2の巻線時のシミュレーションによれば、比較例2と同様に長壁5hを形成することで補強されるため、フォーカシングコイルFCの巻き付け時のテンションによる短壁5gの倒れ変形は抑制されることがわかった。より具体的には、実施例2においては、長壁5hのx方向の変形量は1μmであり、短壁5gのy方向の変形量は2μmであった。即ち、長壁5h及び短壁5gのスタティックな変形量は無視できる程度に小さかった。又、図13に示すトラッキング時の周波数応答解析結果によれば、この実施例2も、比較例2よりも低い共振ピーク値を持ち、更に比較例1よりも高い側に共振周波数をシフトした良好な共振特性を有することが確認された。更に、図12に示すフォーカシング時の周波数応答解析結果でも、共振特性に問題がないことが確認された。
次に、窪み5xの最適な長さについて検討する。図14〜17は、実施例1に対し窪み5xの長さを変えた実施例3〜6のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図であり、いずれも一対の短壁5gの間隔を4.6mm、短壁5gの幅を2.5mmとする。尚、図14〜17において、左右方向をx方向とし、上下方向をy方向とする。図18は、実施例3〜6のボビンにおいて、フォーカシング時の周波数応答解析結果を示すグラフであり、図19は、比較例と実施例のボビンにおいて、トラッキング時の周波数応答解析結果を示すグラフである。
図14に示す実施例3においては、長壁5hに形成した窪み5xの長さを100%(4.20mm)としている。ここで、100%とは、窪み5xの長さがフォーカシングコイルFCにおいて、長壁5hに沿って伸びる直線部の長さと等しいことをいう。本発明者が行った実施例3の巻線時のシミュレーションによれば、フォーカシングコイルFCの巻き付け時の長壁5hのx方向の変形量は2μmであり、短壁5gのy方向の変形量は2μmであった。即ち、長壁5h及び短壁5gのスタティックな変形量は無視できる程度に小さかった。又、図19に示すトラッキング時の周波数応答解析結果によれば、実施例1とほぼ同等の共振特性を有することが確認された。更に、図18に示すフォーカシング時の周波数応答解析結果でも、共振特性に問題がないことが確認された。
図15に示す実施例4においては、長壁5hに形成した窪み5xの長さを70%(2.94mm)としている。本発明者が行った実施例4の巻線時のシミュレーションによれば、フォーカシングコイルFCの巻き付け時の長壁5hのx方向の変形量は4.5μmであり、短壁5gのy方向の変形量は1μmであった。即ち、長壁5h及び短壁5gのスタティックな変形量は無視できる程度に小さかった。又、図19に示すトラッキング時の周波数応答解析結果によれば、実施例1よりも低い周波数で共振が生じたが、小さな共振であるため実使用可能であることが確認された。更に、図18に示すフォーカシング時の周波数応答解析結果でも、共振特性に問題がないことが確認された。
図16に示す実施例5においては、長壁5hに形成した窪み5xの長さを50%(2.1mm)としている。本発明者が行った実施例5の巻線時のシミュレーションによれば、フォーカシングコイルFCの巻き付け時の長壁5hのx方向の変形量は8μmであり、短壁5gのy方向の変形量は1μmであった。即ち、長壁5h及び短壁5gのスタティックな変形量は無視できる程度に小さかった。又、図19に示すトラッキング時の周波数応答解析結果によれば、実施例1に対して共振ピーク値は若干増大したが、共振周波数は同等であるため実使用可能であることが確認された。更に、図18に示すフォーカシング時の周波数応答解析結果でも、共振特性に問題がないことが確認された。
図17に示す実施例6においては、長壁5hに形成した窪み5xの長さを25%(1.05mm)としている。本発明者が行った実施例6の巻線時のシミュレーションによれば、フォーカシングコイルFCの巻き付け時の長壁5hのx方向の変形量は10μmであり、短壁5gのy方向の変形量は1μmであった。即ち、長壁5h及び短壁5gのスタティックな変形量は無視できる程度に小さかった。又、図19に示すトラッキング時の周波数応答解析結果によれば、実施例1に対して共振ピーク値は若干増大したが、共振周波数は同等であるため実使用可能であることが確認された。更に、図18に示すフォーカシング時の周波数応答解析結果でも、共振特性に問題がないことが確認された。以上の検討結果から、長壁5hに形成した窪み5xの長さを70%以上とすると、特に性能が良くなることが確認された。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、上述した対物レンズ駆動装置は、3軸の駆動を可能とするが、4軸以上の対物レンズ駆動装置に本発明を適用してもよい。
本実施の形態にかかる対物レンズ駆動装置の斜視図である。 図1のボビン5を矢印II方向に見た図である。 図1のボビン5を矢印III方向に見た図である。 図1のボビン5を、斜め上方より見た斜視図である。 図1のボビン5を、斜め下方より見た斜視図である。 別な実施の形態にかかる対物レンズ駆動装置の斜視図である。 別な実施の形態にかかるレンズホルダの斜視図である。 比較例1のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 比較例2のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 実施例1のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 実施例2のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 比較例1,2と実施例1,2のボビンにおいて、フォーカシング時の周波数応答解析結果を示すグラフである。 比較例1,2と実施例1,2のボビンにおいて、トラッキング時の周波数応答解析結果を示すグラフである。 実施例3のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 実施例4のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 実施例5のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 実施例6のボビンにおけるフォーカシングコイルFCの巻き付け部の断面図である。 実施例3〜6のボビンにおいて、フォーカシング時の周波数応答解析結果を示すグラフである。 実施例3〜6のボビンにおいて、トラッキング時の周波数応答解析結果を示すグラフである。
符号の説明
1 ベース
1A、1B ヨーク
1C、1D ヨーク
2 筐体
3 基板
4 ワイヤ
5 ボビン
5a 頂面
5b 側面
5c 側面
5d 突起
5e 矩形開口
5f 延長面
5g 短壁
5h 長壁
5j からげ部
5k 支持部
5m 係止部
5n 係止部
5p 円形開口
5s リブ
5t 凸部
5u 切欠
5v 変形調整用の切欠
5w 角筒部
5x、5y 窪み
6 対物レンズ
9,10 磁石
FC1,FC2 フォーカシングコイル
H 配線
NZ ノズル
TLC1,TLC2、TLC チルトコイル
TRC1,TRC2 トラッキングコイル
W 線材

Claims (9)

  1. 光源側から入射した光束を、対物レンズを介して光ディスクに集光させる光ピックアップ装置用の対物レンズ駆動装置において、
    前記対物レンズを保持するボビンと、
    前記ボビンにおいて前記対物レンズの光軸を挟んで両側に配置され、前記光軸に対して並行して延在する巻軸線を有するコイルと、
    前記コイルに対峙する磁石とを有し、
    前記ボビンは、前記コイルを外周面に巻き付ける角筒部を有し、巻き付けた状態で、前記コイルと前記角筒部の側面との間の少なくとも一部には、隙間が形成されていることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 前記角筒部は、前記コイルの巻軸線に直交する断面において短辺となる側面と、長辺となる側面とを有しており、前記コイルと前記角筒部の長辺となる側面との間の少なくとも一部には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 前記コイルと前記角筒部の短辺となる側面との間には、隙間が形成されていないことを特徴とする請求項2に記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 前記コイルと、前記磁石に対向する前記角筒部の側面との間には、隙間が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 前記コイルの巻軸線に直交する断面において、前記コイルの一辺の長さの70%以上において、それに近接する前記角筒部の側面との間に隙間を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 前記コイルはフォーカシングコイル又はチルトコイルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置。
  7. 前記ボビンにおいて前記対物レンズの光軸を挟んで両側に配置され、前記光軸に対して略90°傾いた巻軸線を有するトラッキングコイルを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置。
  8. 請求項1〜7の対物レンズ駆動装置に用いるボビンであって、前記コイルを外周面に巻き付ける前記角筒部の側面に窪みを形成したことを特徴とするボビン。
  9. 請求項1〜7の対物レンズ駆動装置を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH06260325A (ja) * 1993-03-09 1994-09-16 Hokuyou Denki Kk コイルボビン、及びこれを用いたコイルの製造方法
JP2006066013A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Mitsumi Electric Co Ltd 対物レンズホルダ及び対物レンズ駆動装置

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