JP2009270451A - 可変容量圧縮機の容量制御システム - Google Patents
可変容量圧縮機の容量制御システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009270451A JP2009270451A JP2008119664A JP2008119664A JP2009270451A JP 2009270451 A JP2009270451 A JP 2009270451A JP 2008119664 A JP2008119664 A JP 2008119664A JP 2008119664 A JP2008119664 A JP 2008119664A JP 2009270451 A JP2009270451 A JP 2009270451A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- variable capacity
- discharge
- control system
- target
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
- Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
Abstract
【解決手段】可変容量圧縮機の容量制御システム(B)は、逆止弁(200)と、可変容量圧縮機(100)の吸入圧力領域の圧力及びソレノイドユニットの電磁力が可変容量圧縮機(100)の吐出圧力領域の圧力とは対抗する方向にて作用する弁体(304)を有する容量制御弁(300)と、外部情報検知手段(403,451,452)によって検知された外部情報及び逆止弁(200)の設定差圧に基づいてソレノイドユニットのコイル(316)に供給される電流を調整する電流調整手段(453,454,405)とを備える。
【選択図】図9
Description
特許文献1の容量制御弁を用いた場合、吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差(Pd−Ps差圧)が目標値に近付くように、吐出容量がフィードバック制御される。すなわち、特許文献1が開示する空調装置では、Pd−Ps差圧を制御対象としてソレノイドユニットのコイルへの通電量を変化させ、これに伴い吐出容量を変化させる。例えば、この空調装置では、Pd−Ps差圧が縮小しようとすれば、吐出容量を増大させてPd−Ps差圧を所定値に近付けるように動作する。
しかしながら、上述した特許文献1に記載された可変容量圧縮機には、逆止弁が設けられており、機械的に規定される最小の吐出容量よりもある程度吐出容量が大きくならなければ、逆止弁が開弁しない。つまり、起動制御モードで圧縮機を起動しようとしても、逆止弁によって圧縮機から冷媒が吐出されず、起動制御モードでは圧縮機を起動できないおそれがある。
一方、空調制御モードを行っている場合でも、冷房負荷の減少に伴い吐出容量の目標が小さくなり過ぎると、逆止弁によって圧縮機から冷媒が吐出されなくなり、吐出容量の制御が不安定になる虞がある。
本発明は上述した事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、逆止弁とともに用いられる可変容量圧縮機に適用され、当該圧縮機からの冷媒の吐出が許容される最小の吐出容量(以下、有効最小吐出容量という)が明確に規定されることにより、有効最小吐出容量近傍で吐出容量が安定に制御されるとともに可変容量圧縮機の消費動力の削減が図られる可変容量圧縮機の容量制御システムを提供することにある。
好ましくは、前記外部情報検知手段は、前記吐出圧力領域の圧力を検知する吐出圧力検知手段を含み、前記電流調整手段は、前記外部情報検知手段により検知された外部情報に基づいて前記吸入圧力領域の圧力の目標値である目標吸入圧力を設定する目標吸入圧力設定手段を含み、且つ、前記吐出圧力検知手段により検知された前記吐出圧力領域の圧力、前記目標吸入圧力設定手段により設定された目標吸入圧力及び前記逆止弁の設定差圧に基づいて前記コイルに供給される電流を調整する(請求項3)。
好ましくは、前記吐出圧力検知手段は、前記逆止弁より下流に設置されて前記吐出圧力領域の圧力と関連を有する値として前記冷凍サイクルの高圧領域の圧力を検知する圧力センサを含み、前記目標吸入圧力設定手段は、前記可変容量圧縮機が非作動状態にあり前記逆止弁が閉じているときに前記圧力センサによって検知された前記高圧領域の圧力に基づいて前記目標吸入圧力の初期値を設定する(請求項6)。
好ましくは、前記目標吸入圧力の初期値が、予め設定された下限値未満または予め設定された上限値超であるときに、前記可変容量圧縮機は非作動状態にて維持される(請求項8)。
好ましくは、前記電流の初期値は、前記可変圧縮機が確実に起動されるよう、前記逆止弁の設定差圧及び前記容量制御弁の動作特性のうち一方又は両方のばらつきを考慮して設定される(請求項11)。
好ましくは、前記可変容量圧縮機は、内部に前記吐出圧力領域、クランク室、前記吸入圧力領域及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、前記シリンダボアに配設されたピストンと、前記ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復運動に変換する傾角可変の斜板要素を含む変換機構と、前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路と、前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路とを備え、前記容量制御弁は、前記給気通路に介挿されている(請求項13)。
請求項4の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、熱負荷検知手段で検知された熱負荷を利用することにより、圧縮機が非作動状態にあるときの吸入圧力が検知または推定される。そして、検知又は推定された吸入圧力に基づいて、目標吸入圧力の初期値が容易且つ的確に設定される。
請求項6の可変容量圧縮機の容量制御システムによれば、逆止弁が閉じているときに圧力センサによって高圧領域の圧力を検知することによって、可変容量圧縮機が非作動状態にあるときにおける吸入圧力が実質的に検知される。そして、検知された高圧領域の圧力を基準として目標吸入圧力の初期値を設定することで、目標吸入圧力の初期値が容易且つ的確に設定される。
請求項7の可変容量圧縮機の容量制御システムによれば、目標吸入圧力を徐々に低下させることにより、可変容量圧縮機が作動状態になってからも、駆動負荷や吐出圧力の急激な増大が抑制される。このため、例えばこの可変容量圧縮機の容量制御システムを適用した空調システムによれば、可変容量圧縮機の起動後に空調が円滑に行われる。
請求項9の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、Pd−Ps差圧の目標値である目標差圧に基づいてコイルに供給される電流を調整しているため、吐出容量の制御範囲が広い。その上で、更に、逆止弁の設定差圧に基づいて電流が調整されることによって、有効最小吐出容量まで吐出容量制御が的確に行われ、広い制御範囲の全域が有効に活用される。
請求項12の可変容量圧縮機の容量制御システムによれば、コイルに供給される電流値が徐々に増大することにより、可変容量圧縮機が作動状態になってからも、駆動負荷や吐出圧力の急激な増大が抑制される。このため、例えばこの可変容量圧縮機の容量制御システムを適用した空調システムにあっては、可変容量圧縮機が作動状態になってから、空調が円滑に行われる。
請求項14の可変容量圧縮機の容量制御システムは、クラッチレス圧縮機が逆止弁ととともに使用されることが多いため、新たに逆止弁を追加することなくクラッチレス圧縮機に簡易に適用される。
第1実施形態の容量制御システムAが適用される圧縮機100は可変容量圧縮機であり、例えば往復動型の斜板式クラッチレス圧縮機である。圧縮機100はシリンダーブロック101を備え、シリンダーブロック101には、複数のシリンダボア101aが形成されている。シリンダーブロック101の一端にはフロントハウジング102が連結され、シリンダーブロック101の他端には、バルブプレート103を介してリアハウジング(シリンダヘッド)104が連結されている。
駆動軸106は、フロントハウジング102の外側に突出したボス部102a内を貫通し、駆動軸106の外端には、動力伝達装置としてのプーリ112に連結されている。プーリ112は、ボール軸受113を介してボス部102aによって回転自在に支持され、外部駆動源としてのエンジン114との間にベルト115が架け回される。
シリンダボア101a内にはピストン130が配置され、ピストン130には、クランク室105内に突出したテール部が一体に形成されている。テール部に形成された凹所130a内には一対のシュー132が配置され、シュー132は斜板107の外周部に対し挟み込むように摺接している。従って、シュー132を介して、ピストン130と斜板107とは互いに連動し、駆動軸106の回転によりピストン130がシリンダボア101a内を往復動する。
図2に示したように、逆止弁200はベース202を有し、ベース202はそれぞれ中空円筒状の大径部204と小径部206とを有する。大径部204の外周面には周溝が形成され、周溝にはOリング208が嵌められている。小径部206は、大径部204に対して一体且つ同軸に連なっており、小径部206にはケーシング210が固定されている。
ケーシング210内には、カップ状の弁体218が配置され、弁体218は円板形状の板部220と、板部220の外周縁に一体に連なる筒部222とを有する。筒部222は、ケーシング210の周壁212に対して摺動自在であり、板部220とケーシング210の端壁214との間には圧縮コイルばね224が配置されている。圧縮コイルばね224は、板部220をベース202の小径部206の端面に向けて付勢する。
ΔP1=Pin−Pout=fs1/Sv1 ・・・(1)
なお、Sv1は弁体218が弁座に当接しているときに、弁体218の板部220に圧力Pinが作用する面積(シール面積)である。
なお、逆止弁200には、圧力Pinとして吐出通路156側の圧力と、圧力Poutとしての吐出ポート152a側の圧力が作用する。
一方、吸入室140は、クランク室105と抽気通路162を介して連通している。抽気通路162は、駆動軸106とベアリング119,120との隙間、空間164及びバルブプレート103に形成された固定オリフィス103cからなる。
より詳しくは、図3に示したように、容量制御弁300は、弁ユニットと弁ユニットを開閉作動させるアクチュエータとしてのソレノイドユニットとからなる。弁ユニットは、円筒状の弁ハウジング301を有し、弁ハウジング301の一端には入口ポート(弁孔301a)が形成されている。弁孔301aは、給気通路160の上流側部分を介して吐出室142と連通し、且つ、弁ハウジング301の内部に区画された弁室303に開口している。
また、弁ハウジング301の外周面には出口ポート301bが形成され、出口ポート301bは、給気通路160の下流側部分を介してクランク室105と連通する。出口ポート301bも弁室303に開口しており、弁孔301a、弁室303及び出口ポート301bを通じて、吐出室142とクランク室105とは連通可能である。
固定コア318は、中央に挿通孔318aを有し、挿通孔318aの一端は弁室303に開口している。また、固定コア318と筒状部材320の閉塞端との間には、円筒状の可動コア322を収容する可動コア収容空間324が規定され、挿通孔318aの他端は、可動コア収容空間324に開口している。
ソレノイドハウジング310には感圧ポート310aが形成され、感圧ポート310aには、感圧通路166を介して吸入室140が接続されている。固定コア318の外周面には、軸線方向に延びる感圧溝318bが形成され、感圧ポート310aと感圧溝318bとは互いに連通している。
容量制御弁300にあっては、好ましくは、弁体304が弁孔301aを閉じた時に吐出室142の圧力(以下、吐出圧力Pdと呼ぶ)が作用する弁体304の受圧面積(シール面積Sv2と呼ぶ)と、吸入圧力Psが作用する弁体304の面積、即ちソレノイドロッド326の断面積とが同等に形成される。この場合、弁体304には、開閉方向にクランク室105の圧力(以下、クランク圧力Pcと呼ぶ)は作用しない。
従って、弁体304には、吐出圧力Pd、吸入圧力Ps、電磁力F(I)及び圧縮コイルばねの付勢力fs2が作用し、これらの間の関係は次式(2)、(3)によって示される。
式(2)及び(3)によれば、吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差であるPd−Ps差圧ΔP(=Pd−Ps)は、ソレノイドユニットで発生する電磁力F(I)で調整可能である。図4は、制御電流IとPd−Ps差圧ΔPとの関係を示しており、制御電流Iの増加に伴い、Pd−Ps差圧ΔPが増大する。このような関係によれば、制御電流Iを操作することによって、Pd−Ps差圧ΔPが所定値になるように吐出容量がフィードバック制御される。このような制御はPd−Ps差圧制御とも称される。
なお空調システム(エアコン)又は圧縮機100を起動するとは、圧縮機100を非作動状態から作動状態にすることであり、圧縮機100が非作動状態であるとは、逆止弁200が閉弁状態にあり圧縮機100から冷媒が外部に吐出されていない状態をさす。一方、圧縮機100が作動状態であるとは、逆止弁200が開弁状態にあり圧縮機100から冷媒が外部に吐出されている状態をさす。
つまり逆止弁200が閉じた状態では、逆止弁200の入口での冷媒の圧力Pinは吐出圧力Pdに等しく、圧力Poutは吸入圧力Psに等しいと考えてよい。従って、クラッチレス圧縮機100が非作動状態から作動状態に切替わる時、すなわち、逆止弁200が閉弁状態から開弁状態になる時は、Pd−Ps差圧ΔPは、逆止弁200の設定差圧ΔP1と実質的に同等であると考えてよい。
図6は、制御装置400を含む容量制御システムAの概略構成を示したブロック図である。容量制御システムAは、エアコンスイッチ402、蒸発器目標温度設定手段401、温度センサ403を有する。
エアコンスイッチ402は乗員によって操作され、エアコンスイッチ402をオン状態又はオフ状態に切り換えることで、可変容量圧縮機100が非作動状態から作動状態又は作動状態から非作動状態に切り換えられる。
制御装置400は目標差圧設定手段404及びソレノイド駆動手段405を有し、目標差圧設定手段404は目標差圧ΔPtを設定する。目標差圧ΔPtは、吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差であるPd−Ps差圧ΔPの目標値である。前述の式(3)から明らかなように、コイル316に供給される制御電流Iに対応してPd−Ps差圧ΔPが決まるため、目標差圧ΔPtを設定することは、コイル316に供給すべき制御電流Iを設定することに等しい。つまり、目標差圧設定手段404は制御電流Iを設定するものであるともいえる。
つまり、目標差圧設定手段404及びソレノイド駆動手段405は、目標差圧ΔPtに基づいて、容量制御弁300のコイル316に供給される制御電流I若しくは当該制御電流Iに関連するパラメータを調整する電流調整手段を構成している。
すなわち、エアコンスイッチがオン状態にあるとき、目標差圧ΔPtの最小側では、設定差圧ΔP1以上の値になるように目標差圧ΔPtが設定される。若しくは、エアコンスイッチがオン状態にあるとき、制御電流Iの最小側では、制御電流Iに対応する目標差圧ΔPtが設定差圧ΔP1以上の値になるように制御電流Iが設定される。
例えば、目標差圧設定手段404は、図7に示したように、エアコンスイッチ402がオフ状態からオン状態に切り換えられると、所定時間t1の間、制御電流Iを初期値Is1に設定・維持する。それから、目標差圧設定手段404は、所定時間t2までの間に、制御電流Iを初期値Is1から暫定値Is2まで増大する。
また、図8に示すように、目標差圧設定手段404は、初期値Is1を維持しなくても良い。この場合、エアコンスイッチ402がオン状態にされた直後から時間の経過とともに所定時間t2まで制御電流Iが徐々に増大するため、初期値Is1をIHより小さいILに設定しても確実に圧縮機100は起動する。ただし、暫定値Is2は、IHよりも大に設定される。
また更に、上述した容量制御システムAによれば、コイル316に供給される制御電流Iが徐々に増大することにより、可変容量圧縮機100が作動状態になってからも、駆動負荷や吐出圧力Pdの急激な増大が抑制される。このため、この容量制御システムAを適用した空調システムにあっては、可変容量圧縮機100が作動状態になってから、空調が円滑に行われる。
容量制御システムBは、圧縮機100及び容量制御弁300に適用可能であるが、図9に示したように、容量制御システムBは、いくつかの点において容量制御システムAとは異なる。以下、容量制御システムAとの相違点を中心に容量制御システムBについて説明する。
Pd=Ph+ΔPd
逆止弁200が開弁状態にあり且つ熱負荷が小さい場合等、吐出室142と高圧圧力センサ451の設置位置との間での圧力損失ΔPlossに基づく圧力差ΔPdが無視できるような場合、Pd=Phとなる。
Pd=Ph+ΔP2
なお、高圧圧力センサ451は目標吸入圧力Pssの初期値を演算するための熱負荷検知手段を兼ねている。
目標吸入圧力設定手段453は目標吸入圧力Pssを設定する。目標吸入圧力Pssは、制御目標となる吸入圧力Psの目標値である。目標吸入圧力設定手段453は、圧縮機100を起動する要求があったときに、目標吸入圧力Pssの初期値を適当に設定する。好ましくは、圧縮機100を起動するときには、目標吸入圧力設定手段453は、熱負荷情報に基づいて目標吸入圧力Pssの初期値を設定する。熱負荷情報としては、高圧圧力Phを用いることができる。具体的には、次式により目標吸入圧力Pssの初期値が演算される。
逆止弁200が閉じているときはPh=Psであり、目標吸入圧力Pssの初期値は、所定の値ΔP3を差し引くことにより、高圧圧力Phよりも僅かに低い値に設定される。
目標吸入圧力Pssの初期値を設定した後は、目標吸入圧力設定手段453は、蒸発器目標温度設定手段401によって設定された蒸発器目標出口空気温度Tes及び温度センサ403によって検知された蒸発器出口空気温度Teに基づいて、目標吸入圧力Pssを設定することができる。すなわち、蒸発器出口空気温度Teが蒸発器目標出口空気温度Tesに近付くように、初期値に補正が加えられ、空調制御モードが実行される。
具体的には、以下の式(4)に目標吸入圧力Pss及び吐出圧力Pdを代入することによって、制御電流Iが演算される。ここで、前述の式(3)を変形すると次式(4)が得られ、電磁力F(I)が制御電流Iにほぼ比例するようにソレノイドユニットを設計すれば、F(I)=A・I(ただし、Aは定数である。)として、式(4)が式(5)となる。
式(5)によって演算された制御電流I若しくは制御電流Iに相当するデューティ比は、吐出容量制御信号として、ソレノイド駆動手段405に入力される。
起動制御モード及び空調制御モードでは、容量制御弁300のコイル316に供給される制御電流Iを調整することによって、吸入圧力Psが目標吸入圧力Pssに近づくように圧縮機100の吐出容量が制御される。このような制御は、容量制御弁300の動作特性が上述した式(5)及び図10で表され、吐出圧力Pdと制御電流Iが決まれば、吸入圧力Psが決まるという関係に基づいている。
図11は、プログラムのメインルーチンを示し、メインルーチンは、例えば車両のエンジンキーがオン状態になると起動され、オフ状態になると停止される。
メインルーチンでは、起動すると先ず、初期条件が設定される(S100)。具体的には、S100では、フラグF1、フラグF2、計測時間t及び制御電流Iがゼロに設定される。
S104の後、目標吸入圧力設定・吸入圧力演算ルーチンS108で目標吸入圧力Pssが設定されるとともに吐出圧力Pdが演算される。
S110で演算された制御電流Iは、予め設定された下限値Imin以上であるか否か比較判定される(S112)。S112の判定の結果、演算された制御電流Iが下限値Iminよりも小さい場合(Noの場合)、下限値Iminが、制御電流値Iとして読み込まれて(S114)、その制御電流Iがコイル316に出力される(S116)。
なお、下限値Imin及び上限値Imaxは、容量制御システムBの場合と同様に設定される。
目標吸入圧力設定・吐出圧力演算ルーチンS108では、まず、フラグF1が0であるか否か比較判定される(S152)。エアコンスイッチがオン状態にされた直後は、フラグF1は0であるので、S152の判定結果は必ずYesとなり、フラグF2が0であるか否か比較判定される(S154)。エアコンスイッチがオン状態にされた直後は、フラグF2も0であるので、S154の判定結果は必ずYesとなり、目標吸入圧力Pssの初期値が演算される(S156)。
S156で演算された目標吸入圧力Pssの初期値は、予め設定された下限値PssL以上であるか否か比較判定される(S158)とともに、予め設定された上限値PssH以下であるか否か比較判定される(S160)。S156で演算された目標吸入圧力Pssの初期値が下限値PssL以上上限値PssH以下であれば、吐出圧力Pdの初期値Pd0が演算される(S162)。
S162で演算された吐出圧力Pdの初期値Pd0は、吐出圧力Pdとして読み込まれ(S164)。そして、タイマがスタートされて計測時間tの計測が開始される(S166)とともにフラグF2が1に設定され(S168)てから、プログラムはメインルーチンのS110に戻る。
S172で演算された目標吸入圧力Pssは、下限値PssL以上であるか否か比較判定され(S178)、S178の判定結果がNoの場合、下限値PssLが目標吸入圧力Pssに設定される。S178の判定結果がYesの場合、S172で演算された目標吸入圧力Pssは、上限値PssH以下であるか否か比較・判定される(S182)。S182の判定結果がNoの場合、上限値PssHが目標吸入圧力Pssに設定される(S184)。S182の判定結果がYesの場合には、S172で演算された目標吸入圧力Pssがそのまま目標吸入圧力Pssに設定される。
メインルーチン及び目標吸入圧力設定・吐出圧力演算ルーチンS108を繰り返しているうちに、計測時間tが時間t2を超えると、S170の判定結果がNoとなり、フラグF1が1に設定される(S186)。それから、蒸発器目標出口空気温度Tesと蒸発器出口空気温度Teとの偏差ΔTが演算され(S188)、現在の目標吸入圧力Pss及び偏差ΔTを例えばPI制御のための所定の演算式に代入して新たな目標吸入圧力Pssが演算される(S190)。
一方、高圧圧力Phと圧力損失ΔPlossとの和が演算され、吐出圧力Pdとして読み込まれる(S192)。
一方、フラグF1及びフラグF2が0の場合、S122の判定結果はNoとなり、S116で制御電流Iがコイル316に出力される。なお、フラグF1及びフラグF2が0の場合には、制御電流Iは0に設定されており、S122の判定結果にかかわらず、コイル316に出力される制御電流Iは0である。つまり、エアコンスイッチ402がオフ状態にされると、圧縮機100は非作動状態になる。
上述した容量制御システムBでは、制御電流Iが式(5)に基づいて演算されるため、圧縮機100の吐出容量は、吸入圧力Psが目標吸入圧力Pssに近づくように制御される。
また、上述した容量制御システムBによれば、吐出圧力検知手段の一部が熱負荷検知手段を兼ねることにより、新たに熱負荷検知手段を付加する必要が無く、その構成が簡素化される。
また更に、容量制御システムBによれば、目標吸入圧力を徐々に低下させることにより、可変容量圧縮機100が作動状態になってからも、駆動負荷や吐出圧力Pdの急激な増大が抑制される。このため、この容量制御システムBを適用した空調システムにあっては、可変容量圧縮機100が作動状態になってから、空調が円滑に行われる。
一方、上述した第1容量制御システムA及び容量制御システムBでは、可変容量圧縮機100が斜板要素を有する往復動型の可変容量圧縮機であり、吐出容量の機械的な可変範囲が広く、広い可変範囲が有効に活用される。
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、逆止弁200の設定差圧ΔP1は、機械的に規定される最小吐出容量状態で発生するPd−Ps差圧ΔPより大きく設定され、最小吐出容量状態では逆止弁200は常時閉じるようにしているが、逆止弁200は、最小吐出容量状態のときに常時閉じている必要はない。最小吐出容量状態で発生するPd−Ps差圧ΔPは、圧縮機100の回転数が上昇するにつれ増大するので、例えば、所定の回転数以下では逆止弁200が閉じ、所定の回転数を超える領域では逆止弁200が僅かに開弁するように設定差圧ΔP1を設定してもよい。
第1実施形態の容量制御システムAの起動制御モードでは、図7及び図8に示したように、制御電流Iが時間に比例するように増大するが、起動制御モードでは制御電流Iが漸増すればよく、非線形に増大してもよい。
第2実施形態の容量制御システムBでは、吐出圧力検知手段の高圧圧力センサ451が熱負荷検知手段を兼ねているが、熱負荷検知手段はこれに限定されることはない。例えば、熱負荷検知手段としては、外気温度を検知する外気温度センサを用いても良く、この場合、外気温度を変数とする演算式で目標吸入圧力Pssの初期値を設定しても良い。また、熱負荷検知手段としては、冷凍サイクル10の低圧領域の圧力を検知する低圧圧力センサ、車室内の各部温度を検知する温度センサ、冷媒温度を検知する温度センサ等を用いることができる。
第1実施形態及び第2実施形態では、圧縮機100がクラッチレス圧縮機であったけれども、圧縮機100は、電磁クラッチを装着した可変容量圧縮機であってもよい。
第1実施形態及び第2実施形態では、冷媒はR134aや二酸化炭素に限定されず、その他の新冷媒を用いてもよい。
200 逆止弁
300 容量制御弁
304 弁体
316 コイル
401 蒸発器目標温度設定手段
402 エアコンスイッチ
403 温度センサ(外部情報検知手段)
404 目標差圧設定手段(電流調整手段)
405 ソレノイド駆動手段(電流調整手段)
451 高圧圧力センサ(外部情報検知手段)
452 吐出圧力演算手段(外部情報検知手段)
410 目標吸入圧力設定手段(電流調整手段)
454 制御信号演算手段(電流調整手段)
Claims (14)
- 冷凍サイクルを構成すべく冷媒が循環する循環路に放熱器、膨張器及び蒸発器とともに介挿されて、制御圧力の変化に基づいて容量が変化する可変容量圧縮機の容量制御システムにおいて、
前記循環路における前記可変容量圧縮機と前記放熱器との間に設けられ、所定の設定差圧で開弁する逆止弁と、
前記可変容量圧縮機の吐出圧力領域の圧力が作用するとともに、前記可変容量圧縮機の吸入圧力領域の圧力及びソレノイドユニットの電磁力が前記吐出圧力領域の圧力とは対抗する方向にて作用する弁体を有し、前記弁体の作動により前記制御圧力を変化させる容量制御弁と、
少なくとも1つの外部情報を検知するための外部情報検知手段と、
前記外部情報検知手段によって検知された外部情報及び前記逆止弁の設定差圧に基づいて前記ソレノイドユニットのコイルに供給される電流を調整する電流調整手段と
を備えることを特徴とする可変容量圧縮機の容量制御システム。 - 前記電流調整手段により前記コイルに供給される電流の下限値は、前記吐出圧力領域の圧力と前記吸入圧力領域の圧力との差圧が、前記逆止弁の設定差圧を超えるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
- 前記外部情報検知手段は、前記吐出圧力領域の圧力を検知する吐出圧力検知手段を含み、
前記電流調整手段は、前記外部情報検知手段により検知された外部情報に基づいて前記吸入圧力領域の圧力の目標値である目標吸入圧力を設定する目標吸入圧力設定手段を含み、且つ、前記吐出圧力検知手段により検知された前記吐出圧力領域の圧力、前記目標吸入圧力設定手段により設定された目標吸入圧力及び前記逆止弁の設定差圧に基づいて前記コイルに供給される電流を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。 - 前記外部情報検知手段は、前記冷凍サイクルの熱負荷を検知する熱負荷検知手段を含み、
前記目標吸入圧力設定手段は、前記可変容量圧縮機を非作動状態から作動状態にする要求があったときに、前記可変容量圧縮機が非作動状態であったときに前記熱負荷検知手段で検知された熱負荷に基づいて前記目標吸入圧力の初期値を設定することを特徴とする請求項3に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。 - 前記吐出圧力検知手段は、前記熱負荷検知手段を兼ね、
前記目標吸入圧力設定手段は、前記可変容量圧縮機が非作動状態であったときに前記吐出圧力検知手段によって検知された前記吐出圧力領域の圧力又は当該圧力と関連を有する値に基づいて前記目標吸入圧力の初期値を設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。 - 前記吐出圧力検知手段は、前記逆止弁より下流に設置されて前記吐出圧力領域の圧力と関連を有する値として前記冷凍サイクルの高圧領域の圧力を検知する圧力センサを含み、
前記目標吸入圧力設定手段は、前記可変容量圧縮機が非作動状態にあり前記逆止弁が閉じているときに前記圧力センサによって検知された前記高圧領域の圧力に基づいて前記目標吸入圧力の初期値を設定する
ことを特徴とする請求項5に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。 - 前記目標吸入圧力設定手段は、前記目標吸入圧力を前記初期値から徐々に低下させることを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
- 前記目標吸入圧力の初期値が、予め設定された下限値未満または予め設定された上限値超であるときに、前記可変容量圧縮機は非作動状態にて維持されることを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
- 前記電流調整手段は、前記外部情報検知手段により検知された外部情報に基づいて、前記吐出圧力領域の圧力と前記吸入圧力領域の圧力との差圧の目標値である目標差圧を設定する目標差圧設定手段を含み、且つ、前記目標差圧設定手段により設定された目標差圧及び前記逆止弁の設定差圧に基づいて前記コイルに供給される電流を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
- 前記可変容量圧縮機が非作動状態から作動状態に切換わるとき、前記電流調整手段により前記コイルに供給される電流の初期値は、前記逆止弁の設定差圧を基準として設定されることを特徴とする請求項9に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
- 前記電流の初期値は、前記可変圧縮機が確実に起動されるよう、前記逆止弁の設定差圧及び前記容量制御弁の動作特性のうち一方又は両方のばらつきを考慮して設定されることを特徴とする請求項10に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
- 前記電流調整手段は、前記コイルに供給される電流を前記初期値から徐々に増大することを特徴とする請求項10又は11に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
- )
前記可変容量圧縮機は、
内部に前記吐出圧力領域、クランク室、前記吸入圧力領域及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、
前記シリンダボアに配設されたピストンと、
前記ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、
前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復運動に変換する傾角可変の斜板要素を含む変換機構と、
前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路と、
前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路とを備え、
前記容量制御弁は、前記給気通路に介挿されている
ことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。 - 前記可変容量圧縮機はクラッチレス圧縮機であることを特徴とする請求項13に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008119664A JP5091757B2 (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 可変容量圧縮機の容量制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008119664A JP5091757B2 (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 可変容量圧縮機の容量制御システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009270451A true JP2009270451A (ja) | 2009-11-19 |
JP5091757B2 JP5091757B2 (ja) | 2012-12-05 |
Family
ID=41437240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008119664A Expired - Fee Related JP5091757B2 (ja) | 2008-05-01 | 2008-05-01 | 可変容量圧縮機の容量制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5091757B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001153042A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 空調装置および容量可変型圧縮機の制御弁 |
JP2007247512A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Toyota Industries Corp | 可変容量型圧縮機における容量制御弁 |
-
2008
- 2008-05-01 JP JP2008119664A patent/JP5091757B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001153042A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 空調装置および容量可変型圧縮機の制御弁 |
JP2007247512A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Toyota Industries Corp | 可変容量型圧縮機における容量制御弁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5091757B2 (ja) | 2012-12-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5413837B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム及び表示装置 | |
JP4861900B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
JP5235569B2 (ja) | 容量制御弁、可変容量圧縮機及び可変容量圧縮機の容量制御システム | |
JP5281320B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
US7210911B2 (en) | Controller for variable displacement compressor and control method for the same | |
WO2001000992A1 (fr) | Commande de capacite variable pour cycle de refrigeration | |
US6705102B2 (en) | Vehicular air-conditioner | |
JP2009057855A (ja) | 可変容量圧縮機 | |
JP5075682B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
JP5270890B2 (ja) | 可変容量圧縮機のための容量制御システム | |
JP5430401B2 (ja) | 可変容量圧縮機 | |
JP5091757B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
JP5064918B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
WO2009116485A1 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御弁及び往復動型可変容量圧縮機 | |
JP2009103336A (ja) | 冷凍サイクル、可変容量圧縮機および吐出弁 | |
JP5180695B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
JP5474284B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
JP5260918B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御システム | |
JP5324929B2 (ja) | 車両用空調システム | |
JP5149580B2 (ja) | 可変容量圧縮機のための容量制御弁、容量制御システム及び可変容量圧縮機 | |
JP5260906B2 (ja) | 可変容量圧縮機の容量制御弁 | |
JP5324858B2 (ja) | 可変容量圧縮機の制御システム | |
JP2009023610A (ja) | 冷凍サイクル、可変容量圧縮機および吐出弁 | |
JP2008281323A (ja) | 冷凍サイクルおよび可変容量圧縮機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120815 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120823 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120914 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |