JP2009269469A - 発電機構およびタイヤの空気圧調整システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のタイヤ近傍で所定量の電力を安定して発生させることができる発電機構を提供する。
【解決手段】車軸Sの回転に同期して回転するディスクロータ4(回転部材)と、車軸Sの回転に同期することなくディスクロータ4に押しつけられるブレーキパッド32(押圧部材)との摩擦により車軸Sの回転に制動をかけるブレーキシステムのうち、ディスクロータ4に取り付けられる熱電変換素子6を備える。この熱電変換素子6が、ディスクロータ4とブレーキパッド32との摩擦により生じた熱を利用して発電する。熱電変換素子6は、ディスクロータ4のディスク部42のうち、ブレーキパッド32と干渉しない車軸S側の面に取り付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のブレーキシステムに取り付けられる発電機構およびこの発電機構を利用したタイヤの空気圧調整システムに関する。
自動車において、ホイールを含むタイヤ回りには、例えば、タイヤの温度や空気圧を測定するセンサやタイヤのグリップ力を向上させるためにタイヤを温める発熱手段など、電力の供給を受けて作動する電気機器が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。これら電気機器に電力を供給する手段としては、自動車のエンジンルームに収納されるメインバッテリが挙げられるが、メインバッテリへの負担を考慮してメインバッテリとは独立した発電機構を設けることも提案されている。
特許文献1には、ホイールの側面に太陽電池(発電機構)を設け、この太陽電池で発電した電力によりタイヤの温度を上昇させる発熱手段(電気機器)を動作させる技術が開示されている。メインバッテリとは別の発電機構を利用することで、メインバッテリに負担をかけることなく発熱手段を動作させることができる。また、発電機構を有していれば、タイヤ回りに限らず自動車に搭載される電気機器にも電力を供給することができるので、メインバッテリの負担を減らすことができるし、余剰の電力があればメインバッテリに充電させることもできる。
特開平5−16623号公報
しかし、太陽電池は、夜間や暗所など、光量が不足する状態ではほとんど発電できないかまたは全く発電することができず、タイヤ回りの電気機器に安定して電力を供給することができない。そのため、発電量が十分でない場合を考慮して、メインバッテリからタイヤ回りの電気機器に配線を設ける必要があり、しかも、発電量が不足する場合、結局は電気機器にメインバッテリから給電しなければならなくなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、車両のタイヤ近傍で所定量の電力を安定して発生させることができる発電機構を提供することにある。
本発明者らは、自動車のブレーキシステムにおいて発生する摩擦熱に着目し、この摩擦熱を利用することを検討した結果、本発明を完成するに至った。
本発明発電機構は、車両に用いられる発電機構であって、車軸の回転に同期して回転する回転部材と、車軸の回転に同期することなく回転部材に押しつけられる押圧部材との摩擦により車軸の回転に制動をかけるブレーキシステムのうち、回転部材および押圧部材の少なくとも一方に取り付けられる熱電変換素子を備え、前記熱電変換素子が、回転部材と押圧部材との摩擦により生じた熱を利用して発電することを特徴とする。
熱電変換素子は、一般に板状の形態であり、その一面を高温部、他面を低温部として、高温部と低温部との温度差を利用して発電する。そして、素子の高温部と低温部との温度差が大きいほど発電量が大きくなるので、タイヤ回りにおける素子の取り付け位置が非常に重要である。本発明の発電機構では、熱電変換素子が摩擦により高温になるブレーキシステムの回転部材および押圧部材の少なくとも一方に配置されているため、素子に効率良く発電させることができる。また、熱源として利用するブレーキ操作は、車両の運転時に頻繁に行われるので、本発明の構成によれば、安定して発電することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の発電機構に備わる熱電変換素子は、800℃で動作可能であることが好ましい。熱電変換素子が取り付けられるブレーキシステムの回転部材と押圧部材は、摩擦により非常に高温になる虞がある(具体的には、最高で約800℃程度)。また、熱電変換素子は、高温部と低温部との温度差に依存して発電量が決まるので、800℃での動作が可能な熱電変換素子であれば、所定量の電力を安定して発電することができる。
本発明発電機構の熱電変換素子が取り付けられるブレーキシステムとしては、代表的には、ディスクブレーキとドラムブレーキとが挙げられる。ディスクブレーキは、車両の車軸に同期して回転するディスクロータと、ピストンの作用によりディスクロータに押しつけられるブレーキパッドとを備える。ディスクロータは、車軸を貫通させる筒状のベース部と、ベース部の一端側から車軸の外方に伸びる円環状のディスク部とを備える。このディスクロータに熱電変換素子を取り付ける場合、ブレーキパッドと干渉しない位置、例えば、ブレーキパッドが押しつけられるのはディスク部の外周側の領域なのでディスク部の内周側、あるいは、車軸を貫通させるベース部の外周面に熱電変換素子を取り付けると良い。
一方、ドラムブレーキは、ホイールと一体になって回転するドラムの内周面に配置されるブレーキライニングと、ピストンの作用によりブレーキライニングを内側から押圧するブレーキシューとを備える。ブレーキライニング側に熱電変換素子を取り付ける場合、ブレーキシューと干渉しない位置、例えば、ドラムの外周面や、ライニング外周面とドラム内周面との間に熱電変換素子を取り付ければ良い。また、熱電変換素子をブレーキシューに取り付ける場合も、ブレーキライニングと干渉しない位置、例えば、ブレーキシューの内周側に取り付けると良い。
また、熱電変換素子は、熱電変換素子が取り付けられる回転部材や押圧部材に溝部を形成し、この溝部に収納されるように配置しても良い。例えば、スポーツタイプの自動車に採用されるベンチレーテッドタイプのブレーキ(ディスクブレーキの一種)は、2枚の円環部材が間隔を空けて配置されてディスクロータのディスク部が構成され、ディスク部の中心側(ベース部側)からディスク部の縁部に開口する通気孔(溝部)を有しているので、この通気孔の位置に熱電変換素子を配置すれば良い。熱電変換素子を溝部に配置すれば、物理的外力や埃などの外的要因から素子を保護することができる。
溝部に熱電変換素子を配置するにあたり、素子の高温部のみが素子が取り付けられる部材に接触するようにしても良いし、高温部と低温部の両方が部材に接触するようにしても良い。
熱電変換素子の高温部のみが部材に接触する場合、低温部が溝部の空間に面するようにすると良く、発電に十分な高温部と低温部との温度差を確保することができる。例えば、前述のベンチレーテッドタイプのディスクブレーキであれば、ディスク部の通気孔に熱電変換素子を配置するときに、高温部がディスクに接触し、低温部が通気孔の空間に面するようにする。
一方、高温部と低温部の両方が部材に接触する場合、低温部が接触する部分の熱伝導度を高温部が接触する部分よりも低くすることが好ましい。例えば、熱伝導度の異なる2枚の円環部材からディスク部を構成し、2枚の円環部材の間に形成される溝部において、ブレーキパッドとの熱伝導度の高い円環部材に素子の高温部を接触させ、熱伝導度の低い円環部材に素子の低温部を接触させる。このように構成することにより、熱伝導度の高い円環部材から低い円環部材に熱が伝わり難くなるので、発電に十分な高温部と低温部との温度差を確保することができる。しかも、熱伝導度の低い円環部材は、ブレーキパッドと摺接したときに温度が上がりにくいため、この点からも発電に十分な温度差を得やすくなる。
その他、熱電変換素子を回転部材に取り付ける場合、複数の熱電変換素子を車軸の回転軸を中心にした円周上に均等に配置することが好ましい。あるいは、熱電変換素子と、この熱電変換素子とほぼ質量の同じカウンターバランサとを車軸の回転軸を中心にした円周上に均等に配置することが好ましい。このような構成によれば、タイヤ全体の重量バランスが均等に保持されるため、その回転動作が円滑になる。熱電変換素子は、少なくとも一つ以上あれば良く、例えば、合計3つの部材を均等配置する場合、素子を一つ、バランサを二つとしても良いし、素子を二つ、バランサを一つとしても良いし、素子を三つとしても良い。
本発明の発電機構で発電した電力の用途としては、例えば、タイヤの空気圧を監視し、空気圧の状態を運転者に通告したり警報したりする空気圧監視装置などが挙げられる。タイヤの空気圧が低下した状態で車両が走行するとパンクの虞があるので、空気圧監視装置により空気圧を監視することは車両の安全な走行に有効である。また、タイヤの空気圧を監視するだけでなく、自動で空気圧を適正な値に調整するためのタイヤの空気圧調整システムも提案されており、このシステムに本発明発電機構から電力を供給するようにしても良い。空気圧調整システムは、少なくとも、本発明の発電機構と、発電機構から電力の供給を受けて作動し、タイヤのホイールに取り付けられて、タイヤ内に空気を送り込む空気充填機構とを備えるように構成すると良い。もちろん、空気圧調整システムは、発電機構と空気充填機構以外の構成、例えば、タイヤの空気圧が過剰となったときに、タイヤから空気を抜く減圧手段などを備えていても良い。
さらに、本発明の発電機構の電力を、エンジンルームに収納されるメインバッテリに充電させても良い。
本発明の発電機構によれば、車両の走行時に頻繁に行うブレーキ操作を利用して発電するので、所定量の電力を安定して発生させることができる。そのため、本発明の発電機構によれば、タイヤ回りの電力機器に対してメインバッテリに負担をかけることなく電力を供給することができる。
以下に、本発明の実施の形態に係る発電機構ついて図面を参照しつつ詳細に説明する。
<実施形態1>
本実施形態では、ディスクブレーキで発生した摩擦熱を利用して発電を行い、その電力を空気圧調整システムの駆動に利用する場合を例として説明する。
図1は、車軸Sに連結されるホイール1にタイヤ2を装着したタイヤ・ホイール組付体の部分断面図である。ホイール1は、車軸Sが貫通されるハブ部11と、タイヤ2が装着されるリム部13と、ハブ部11とリム部13とを連結するスポーク部12とを有する。ハブ部11の外周には、ディスクブレーキシステムを構成するディスクロータ4の筒状をしたベース部41が嵌め込まれ、ロータ4がホイール1に固定されている。また、ディスクロータ4の円環状のディスク部42の径方向外周側は、ディスクブレーキシステムを構成するキャリパー3の2枚のブレーキパッド32,33の間に配置されている。ブレーキパッド32は、ピストン31により駆動され、2枚のブレーキパッド32,33の間にディスクロータ4のディスク部42を挟み込むことで、ロータ4の回転、即ち、車軸Sの回転に制動をかける。
タイヤ・ホイール組付体には、さらにブレーキシステムで発生する摩擦熱を電気エネルギーに変換する熱電変換素子(発電機構)6が設けられている。熱電変換素子6は、ディスクロータ4のディスク部42のうち、ブレーキパッド32,33と干渉しない内周側の位置(車軸S寄りの位置)に取り付けられている。この場合、熱電変換素子6のうち、ディスク部42に接触する部分が高温部、ホイール1の内部空間に面する部分が低温部となり、十分な温度差を確保することができる。また、熱電変換素子6の配置位置として、図2に示すように、ディスクロータ4のベース部41の外周面を採用しても良い。この場合、ベース部41に接触する部分が高温部、ホイール1の内部空間に面する部分が低温部となり、発電に十分な温度差を設けることができる。
ところで、ディスクロータ4は、ブレーキパッド32との摩擦により約800℃程度の高温になるので、この温度で動作可能な熱電変換素子6を利用するようにする。このような高温動作可能な熱電変換素子6としては、代表的には、ゼーベック効果を利用した熱電変換素子(鉛・テルル系であれば約800K(約1073℃)、シリコン・ゲルマニウム系であれば約1000K(約1273℃)で動作可能)が挙げられる。なお、800℃未満の動作可能温度である熱電変換素子であれば、ディスクロータ4(ディスク部42)と素子の高温部との間に、ロータ4よりも熱伝導性の低い部材を介在させ、高温部に伝達される熱を減じれば良い。
その他、本実施形態では、熱電変換素子6を一つだけ図示しているが、複数の素子6を設けてもかまわない。複数の熱電変換素子6を使用する場合、車軸Sの回転中心を中心とした円周上に均等な間隔を空けて配置することが好ましい。例えば、2つの熱電変換素子6を、回転軸を挟んで点対象の位置に配置したり、3つの素子をそれぞれ、回転中心を重心の位置とする正三角形の頂点の位置に配置したりすることが挙げられる。このような構成によれば、タイヤ・ホイール組付体の重量バランスが均等になるので、その回転動作を円滑にすることができる。なお、複数の熱電変換素子の一部を、この素子とほぼ同じ質量を有するカウンターバランサとしてもかまわない。
また、タイヤ・ホイール組付体は、熱電変換素子6から得られる電気エネルギーを蓄電するバッテリ7(蓄電手段)を備える。このバッテリ7には二次電池が好適に利用できる。例えば、単三電池3本程度でも後述する空気圧調整システム5の駆動に必要な電力を供給できる。バッテリ7の他、所定の容量が得られれば、コンデンサ、電気二重層キャパシタなどを蓄電手段に利用してもよい。ここで、本実施形態では、バッテリ7をディスクロータ4の回転と同期するホイール1のリム部13の外周面に取り付けているので、熱電変換素子6からバッテリ7への配線に可動カプラなどの特殊な配線を用いる必要がない。
タイヤ・ホイール組付体はさらに、熱電変換素子6の電力により駆動する空気充填機構5を備える。この空気充填機構5と前述の熱電変換素子6およびバッテリ7とで空気圧調整システムが構成される。空気充填機構5としては、例えば、外気を圧縮してタイヤ2内に圧縮空気を供給するピストンポンプと、このピストンポンプを駆動するモータとを備える構成が挙げられる。ここで用いるモータは、出力が数W(10W以下)程度の小型のものでよい。勿論、空気充填機構は、ピストンポンプとモータとを備えるものに限定されるわけではなく、発電機構の電力で動作し、空気の圧縮と圧縮空気のタイヤ2への供給が可能でホイール1に装着可能なサイズであれば良い。
さらに、空気圧調整システムは、タイヤ2内の空気圧を監視するセンサ手段と、センサ手段の情報に基づいてモータの駆動を制御してピストンポンプの動作を制御する制御手段を備えていても良い。タイヤ2の空気圧の調整は、頻繁に行う必要はないため、一定間隔、例えば3日に一度とか一週間に一度などの間隔で空気の充填を行えば十分である。その他、空気圧調整システムは、タイヤ2内の空気圧が適正圧を超えた場合、自動的にタイヤ2内の空気を外部に放出する減圧手段(例えば、電気駆動式の減圧バルブや、一定以上の圧力がかかることで自動的にタイヤ内の空気を外部に開放する自動開閉バルブなど)を有していても良い。
ところで、本実施形態では、熱電変換素子6と、バッテリ7および空気充填機構5とを車軸Sを挟んで配置することでタイヤ・ホイール組付体の重量バランスをとっているが、例えば、素子6を複数とするのであれば、リム部13におけるバッテリ7や空気充填機構5の位置を調整して、組付体の重量バランスをとれば良い。その他、タイヤ・ホイール組付体の重量バランスを調整するために、バッテリ7や空気充填機構5に対するカウンターバランサをリム部13に設けてもかまわない。
以上説明した発電機構によれば、自動車の走行時、ブレーキをかけることにより、ブレーキパッドとディスクロータとの摺接で生じる摩擦熱により電力を発生させることができる。ブレーキ操作は、夜間走行や暗所走行にかかわらず自動車の運転時に頻繁に行われる操作であるので、ブレーキ操作時の摩擦熱を利用した本実施形態の発電機構は、安定した発電を行うことができる。従って、本実施形態で説明した空気圧調整システムに供給する電力が不足することがない。空気圧調整システムで消費しきれなかった余剰電力は、車体側のメインバッテリに蓄電させても良いし、メインバッテリとは電気的に接続されていない車載電装品の駆動に用いても良い。
<実施形態2>
本実施形態では、2枚の円環部材からなるディスク部を備えるディスクブレーキに熱電変換素子を取り付けた例を説明する。
図3に示すように、本実施形態のディスクブレーキは、ディスク部42が所定の間隔を空けて配置される2枚の円環部材421,422からなる。2つの円環部材421,422は、車軸S側から放射状に伸びる複数の板状部材で離隔されており、2つの円環部材421,422と板状部材とで囲まれる溝部が放射状に複数形成される。溝部は、ディスク部42から放熱する通気孔として機能する。
本実施形態では、ディスク部42の溝部であって、円環部材421,422の両方に接触するように熱電変換素子6が配置されている。ここで、ピストン31により移動されるブレーキパッド32とパッド32が押しつけられる円環部材421との摩擦の方が、パッド33と円環部材422との摩擦よりも摩擦が大きいため、円環部材421の方が円環部材422よりも高温となる。そこで、円環部材422の熱伝導度を、円環部材421の熱伝導度よりも小さくなるように構成する。具体的には、熱伝導度の差を10W/(m・K)以上、より好ましくは30W/(m・K)以上となるようにする。このように構成すれば、円環部材421の熱が円環部材422に伝導し難くなるので、円環部材422を円環部材421よりも低温にできる。つまり、熱電変換素子6の円環部材421側を高温部、円環部材422側を低温部として、発電に必要な温度差を確保することができる。
以上説明した実施形態2の構成によれば、ブレーキ操作により効率よく安定した発電を行うことができる。また、熱電変換素子が溝部に配置されているので、素子を物理的外力や埃などの外的要因から保護することができる。
<実施形態3>
上述した実施形態1または2では、ディスクブレーキで発生した摩擦熱を利用した発電機構を説明したが、本実施形態では、ドラムブレーキで発生した摩擦熱を利用した発電機構を説明する。
ドラムブレーキは、ホイールと一体になって回転するドラムの内側に配置されるブレーキライニングと、ブレーキライニングの内側からブレーキライニングに押しつけられるブレーキシューとを備え、ブレーキライニングとブレーキシューとの摩擦によりホイールの回転に制動をかける。この場合、ブレーキライニングとドラムとの間に熱電変換素子を取り付けたり、ブレーキシューの内周側に熱電変換素子を取り付けたりすると良く、素子のうち、ライニングやシューに接触する部分が高温部、タイヤ・ホイール組付体内の空間に面する部分が低温部となる。熱電変換素子の取り付けの際には、ブレーキライニングやブレーキシューに溝部を形成し、この溝部に素子が収納されるようにしても良い。
本実施形態の構成でも、ブレーキ操作により効率よく安定した発電を行う事ができる。特に、ドラムブレーキは、熱電変換素子の配置位置の自由度が高いので、複数の素子を取り付け易く、発電量を大きくすることができる。
なお、本発明の実施形態は、上述した構成に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
本発明の発電機構は、タイヤ回りの電気機器を動作させることに好適に利用可能である。特に、本発明の発電機構は、タイヤの空気圧を一定に保つための空気圧調節機構を動作させることに好適に利用できる。
ディスク部に熱電変換素子を取り付けたタイヤ・ホイール組付体の部分断面図である。 ベース部に熱電変換素子を取り付けたタイヤ・ホイール組付体の部分断面図である。 ディスク部を構成する2枚の円環部材の間に熱電変換素子を配置したタイヤ・ホイール組付体の部分断面図である。
符号の説明
1 ホイール 11 ハブ部 12 スポーク部 13 リム部
2 タイヤ
3 キャリパー 31 ピストン 32,33 ブレーキパッド
4 ディスクロータ 41 ベース部 42 ディスク部
421,422 円環部材
5 空気圧調整システム
6 熱電変換素子
7 バッテリ
S 車軸

Claims (7)

  1. 車両に用いられる発電機構であって、
    車軸の回転に同期して回転する回転部材と、車軸の回転に同期することなく回転部材に押しつけられる押圧部材との摩擦により車軸の回転に制動をかけるブレーキシステムのうち、回転部材および押圧部材の少なくとも一方に取り付けられる熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子は、回転部材と押圧部材との摩擦により生じた熱を利用して発電することを特徴とする発電機構。
  2. 前記熱電変換素子は、800℃で動作可能な熱電変換素子であることを特徴とする請求項1に記載の発電機構。
  3. 前記回転部材は、車軸を貫通させる筒状のベース部と、ベース部の一端から車軸の外方に向かって伸び、前記押圧部材に押圧される円環状のディスク部とを備え、
    前記熱電変換素子は、ディスク部のうち、押圧部材と干渉しない位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電機構。
  4. 前記回転部材は、車軸を貫通させる筒状のベース部と、ベース部の一端から車軸の外方に向かって伸び、前記押圧部材に押圧される円環状のディスク部とを備え、
    前記熱電変換素子は、ベース部の外周面に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電機構。
  5. 前記回転部材は、車軸を貫通させる筒状のベース部と、ベース部の一端から車軸の外方に向かって伸び、前記押圧部材に押圧される円環状のディスク部とを備え、
    前記ディスク部は、車軸方向に間隔を空けて配置される2枚の円環部材からなり、
    前記熱電変換素子は、2枚の円環部材の間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電機構。
  6. 複数の熱電変換素子、あるいは、熱電変換素子とカウンターバランサが、車軸の回転軸を中心にした円周上に均等に配置されるように前記回転部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発電機構。
  7. 自動で車両のタイヤ内の空気圧を適正な値に調整するためのタイヤの空気圧調整システムであって、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電機構と、
    ホイールに固定され、発電機構から電力の供給を受けてタイヤ内に空気を送り込む空気充填機構とを備えることを特徴とするタイヤの空気圧調整システム。
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