JP2009269215A - 表面弾性波によるインクミスト記録装置、そのインクミスト記録方法およびインクミスト記録濃度の諧調制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成により高密度化を図れ、しかも表面弾性波の制御を所要の状態で行い、高速化を図ることが可能となる表面弾性波によるインクミスト記録装置を得る。
【解決手段】 表面弾性波(SAW)1−1を伝播させる圧電素子材表面上に、櫛型電極(IDT)1と、その下流側に同一伝播材上に櫛型電極手段の幅と略同一幅の共通電極を配置した上部基板2−2と、基板と略同一寸法で、前記共通電極と対向する位置で、基板上に画像信号電圧発生素子と接続配置した個別電極アレーを有する下部基板2−1とが、対向配置するように挟持され、対向基板下流側のインク出射口より飛翔インクミスト3−1を発射するように構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 表面弾性波(SAW)1−1を伝播させる圧電素子材表面上に、櫛型電極(IDT)1と、その下流側に同一伝播材上に櫛型電極手段の幅と略同一幅の共通電極を配置した上部基板2−2と、基板と略同一寸法で、前記共通電極と対向する位置で、基板上に画像信号電圧発生素子と接続配置した個別電極アレーを有する下部基板2−1とが、対向配置するように挟持され、対向基板下流側のインク出射口より飛翔インクミスト3−1を発射するように構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、表面弾性波(SAW;Surface Acoustic Wave)をインク滴飛翔の駆動源とする表面弾性波によるインクミスト記録装置に関する。
従来から、表面弾性波をインク滴飛翔の駆動源とするインクジェットプリンタヘッドが提案されている。これは 表面弾性波の伝搬面上に液体を付加し、表面弾性波をその液体中に放射させ、その励振出力を大きくすることにより、液体が微小粒子となって飛翔する現象を利用したものである。
これらの従来装置のなかで、ノズルレス方式は大きく分けて、画素ごとに櫛歯状電極(IDT:Inter Digital Transducer)を1つ設ける場合(例えば、特許文献1参照)と、駆動源として大きな1つのIDTと画素制御用の小さなIDTを設ける場合(例えば、特許文献2参照)に分類される。
すなわち、特許文献1の装置は、個別IDT1が画像信号に対応して付勢され、個々のIDTより表面弾性波(SAW)が出射される方式であり、SAW発生・伝播材である圧電材の下流側端部にはインク供給部が配置されている。そして、その下方よりインクが供給され、端部上端で上流より伝播されてきたSAWがインク層に突入し、既定の角度方向に、インク滴を飛翔させるように構成されている。
この方式では、個別IDTが画像解像度個数分必要であることと、インク供給端と伝播材端との高精度な配置が必要となっている。
また、特許文献2の装置は、インク飛翔に必要な表面弾性波のエネルギが容易に確保できるような構成配置をもつ。ここで、共通の大型IDTでは、印字駆動ライン時間ごとに定期的にSAWを発生させている。その下流には、個別IDTが画素解像度分の個数で配置されており、信号に応じてON/OFFし、前記上流からのSAWを通過、遮断させる機能を有している。
この方式では、高いエネルギのSAWを使うことができる利点を有しているが、個別IDTを画素分必要なことより複雑な構成が必要となっている。
上述したような特許文献1,2のような従来のインクミスト記録装置では、IDTの交差幅は3波長以上必要と言われており、画素ごとにIDTを1つ持つ場合はこれがネックとなって、高密度化に制限がある。
そして、駆動源として大きな1つのIDTと画素制御用の小さなIDTを設ける場合も、画素制御用のIDTの交差幅の最小値に制限があり、これに伴い高密度化に制限が付く。
一般に、圧電材として電気機械結合係数の大きなLiNb03 が使用されているが、これの音速は約4000m/秒であり、50MHzの高速で動作させても、波長は80μmとなる
よって、交差幅3波長のIDTを考えると、240μmピッチ以上となり、これでは100dpi相当のプリントヘッドしか実現できないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、きわめて簡単な構成により高密度化を図れ、しかも表面弾性波(SAW)の制御を所要の状態で行い、高速化を図ることが可能となる表面弾性波によるインクミスト記録装置を得ることを目的とする。
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録装置は、表面弾性波(SAW)を伝播させる圧電素子材表面上に、櫛型電極(IDT)手段と、その下流側に同一伝播材上に前記櫛型電極手段の幅と略同一幅の共通電極を配置した上部基板と、前記基板と略同一寸法で、前記共通電極と対向する位置で、基板上に画像信号電圧発生素子と接続配置した個別電極アレーを有する下部基板とを対向配置することによりインク層を挟持し、対向基板下流側のインク出射口よりインクミストを発射するように構成されていることを特徴とする。
本発明(請求項2記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録装置は、請求項1記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、前記インクミストの飛翔を電界により加速させ、より着弾精度を向上させるために、インク出射口に対向する位置に間隙をあけて、受像する転写電極部材を配設したことを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録装置は、請求項2記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、前記バイアス印加転写電極部材は、表面が誘電層でコートされた導電部材であり、前記電気濡れ性(EW)電極印加電圧とは、同極性の電圧が印加された部材であることを特徴とする。
本発明(請求項4記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録装置は、請求項2記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、前記バイアス印加転写電極部材は表面が誘電でコートされた導電性ロール材であり、前記電気濡れ性(EW)電極印加電圧とは、同極性の電圧が印加されたロール材であることを特徴とする。
本発明(請求項5記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録装置は、請求項2記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、前記転写電極部材上の転写インクミスト像を受像紙に転写するための、圧力ロール、またはインクと逆極のバイアスを印加された2次転写ロールを配設していることを特徴とする。
本発明(請求項6記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録方法は、対向基板内部にインク供給装置より供給されたインク液を、上部基板上の櫛型電極手段より励振され発生した表面弾性波の付勢力と下部基板下流の個別電極に画像信号に対応して印加された電圧により上部基板共通電極より注入された電荷により電気濡れ性効果(EWOD)を発する個別電極部位を形成し、前記櫛型電極手段より発射された表面弾性波が前記インク薄層中に入射されて、音響波に変換された縦波を、先端部付近のインク層に集中させ、かつ前記荷電表面により、その電極表面の界面エネルギが低下し、液流動性が向上したインク液に、その表面弾性波付勢力に対応して、選択的に飛翔を行わせるように設定することを特徴とする。
本発明(請求項7記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録方法は、請求項6記載の表面弾性波によるインクミスト記録方法において、前記対向基板同士を出射口に向けて、その対向距離を狭める配置とすることにより、前記荷電液層の滞留位置が毛細管効果により、出射口付近に効果的に集中配置することを特徴とする。
本発明(請求項8記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録方法は、請求項6記載の表面弾性波によるインクミスト記録方法において、前記上部基板上の共通電極は、下部個別電極に向けて注入する電荷の配置解像度をより高めるために、下部個別電極と同様に、同対向配置となるような分割型の電極構成とすることを特徴とする。
本発明(請求項9記載の発明)に係る表面弾性波によるインクミスト記録方法は、請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の表面弾性波によるインクミスト記録方法において、前記個別電極に電気濡れ性をさらに効果的に付与するため、個別電極表面に誘電体皮膜を設け、いわゆる電気濡れ性効果(EWOD)を応用する選択的インク飛翔プロセスを有することを特徴とする。
本発明(請求項10記載の発明)に係るインクミスト記録濃度の諧調制御方法は、櫛型電極手段より励振された一様な表面弾性波を下流側に設けたインク薄層中に配置した個別電極アレー部に音響波として入射し、その音響放射圧で液滴を出射する記録装置において、その液滴出射を選択的に飛翔制御するために、前記個別電極アレー部に印加する電圧を可変することにより、その表面に対向電極より注入される電荷量が制御され、結果、電気濡れ性(EW)効果による電極表面の界面エネルギを変化させ、前記音響放射圧によるインク飛翔量の飛翔液滴量を可変制御することを特徴とする。
本発明(請求項11記載の発明)に係るインクミスト記録濃度の諧調制御方法は、請求項10記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、前記諧調制御は印加電圧量を可変することを特徴とする。
本発明(請求項12記載の発明)に係るインクミスト記録濃度の諧調制御方法は、請求項10記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、前記諧調制御は印加時間長を可変することを特徴とする。
本発明(請求項13記載の発明)に係るインクミスト記録濃度の諧調制御方法は、請求項10記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、前記電気濡れ性(EW)電極の電気濡れ性を制御する電圧印加に対し、前記電極表面に注入された電荷を効果的に解消させるため、前記EW性付与の電圧極性とは逆の極性の電圧、または接地電圧を適時印加するEWリフレッシュ回路を設けることを特徴とする。
本発明(請求項14記載の発明)に係るインクミスト記録濃度の諧調制御方法は、請求項13記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、上流IDT電極に付勢される電圧タイミングに同期させて、EW電極に電圧を印加する方式において、前記転写電極部材に印加する、EW電極とは同極性の吸引電界用の電圧は、その印加タイミングをインク飛翔タイミングよりも以前に立ち上げ、インク記録終了タイミングよりも遅く、立ち下げることを特徴とする。
本発明(請求項15記載の発明)に係るインクミスト記録濃度の諧調制御方法は、請求項13または請求項14記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、前記リフレッシュ制御は逆極電圧を可変印加することで最適制御することを特徴とする。
本発明(請求項16記載の発明)に係るインクミスト記録濃度の諧調制御方法は、請求項13または請求項14記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、前記リフレッシュ制御は印加時間長を可変させることで最適制御することを特徴とする。
以上説明したように本発明に係る表面弾性波によるインクミスト記録装置によれば、表面弾性波を励振する基板IとEWOD効果を発生する個別電極を有する基板IIとを上下に対向するように配置し、インク層を狭持した位置に前記SAWを入射すると同期して、EWOD電極を付勢させ、その界面エネルギ変化を利用して、選択的にミスト飛翔させるようにしているから、高解像度で、強力なインクジェット飛翔が可能となる等の優れた効果がある。
また、本発明によれば、伝播材表面に高解像な電極アレーを形成することにより、高解像記録可能で小型簡易な構成となる。
さらに、本発明によれば、SAWによる音響放射圧発生と、電気濡れ性効果を応用した選択的液滴化が可能となり、従来のようなノズルが不要なノズルレスプリンタを実現することができる。
さらに、本発明によれば、SAWによる音響放射圧発生と、電気濡れ性効果を応用した選択的液滴化が可能となり、従来のようなノズルが不要なノズルレスプリンタを実現することができる。
また、本発明によれば、EW効果応用の印加電圧を可変制御することで、簡易にインク記録濃度を諧調制御することが可能となるという利点がある。
さらに、本発明によれば、EW効果応用で、その繰り返し操作を高速化可能とできるリフレッシュ回路を設けることで、さらに高速なインク飛翔プロセスを実現できる。
さらに、本発明によれば、EW効果応用で、その繰り返し操作を高速化可能とできるリフレッシュ回路を設けることで、さらに高速なインク飛翔プロセスを実現できる。
また、本発明によれば、表面弾性波を励振する基板IとEWOD効果を発生する個別電極を有する基板IIとを上下に対向するように配置し、インク層を狭持した位置にSAWとEWOD電圧を同期付勢させ、その界面エネルギ変化によるミスト飛翔させるにあたって、転写電極バイアス印加させ、電界効果により、ミスト飛翔の着弾精度を向上させることができるから、高解像度で、かつインク着弾精度向上と、加速電界による強力・高速なインクジェット飛翔が可能となる装置を得ることができる。
さらに、本発明によれば、SAWによる音響放射圧発生と、電気濡れ性効果を応用した選択的液滴化が可能となり、従来のノズルは不要となるスリット部に必要なインク液層が確保可能となるという利点がある。
また、本発明によれば、EW効果応用の注入電荷を選択的に分布するととともに、分割電極対となることで、より高解像な、電荷分布を形成することが可能となる。
また、本発明によれば、EW効果応用の注入電荷を選択的に分布するととともに、分割電極対となることで、より高解像な、電荷分布を形成することが可能となる。
さらに、本発明によれば、電界飛翔効果を安定して発生させるため、転写部材へのバイアス印加シーケンスを予め吸引モードとさせておくことにより、より安定したインク飛翔プロセスを実現できる。
図1ないし図3は本発明に係る表面弾性波によるインクミスト記録装置の一実施形態を示すものである。
まず、本発明の原理を理解するための表面弾性波(SAW;Surface Acoustic Wave)による液滴飛翔原理(SAW Streaming)を、図4(a)などを用いて説明する。
すなわち、基板2は、印字有効幅を超えた幅を有する板状伝播材であり、この基板2には、LiNbO3 の128°Yカット圧電結晶板が用いられている。その伝播面表面には表面弾性波(SAW)を励振することのできる多数の対をなす櫛型電極1(IDT:Inter Digital Transducer)がフォトリソグラフィ法等によって形成されている。
すなわち、基板2は、印字有効幅を超えた幅を有する板状伝播材であり、この基板2には、LiNbO3 の128°Yカット圧電結晶板が用いられている。その伝播面表面には表面弾性波(SAW)を励振することのできる多数の対をなす櫛型電極1(IDT:Inter Digital Transducer)がフォトリソグラフィ法等によって形成されている。
同図(b)を用いて複数のIDT1の構成で詳しく説明する。
すなわち、櫛型電極1はペアの電極群にて構成され、ペア電極の交差する幅をW,ペア電極ピッチをPとすると、そのIDTに高周波電圧を印加したときの最適な駆動条件、すなわち基板2表面からペア電極方向に表面弾性波が励振されための最適条件はP=λ/2(λは基板2の音速をVRとすれば、共振周波数fresとして、λ=VR/fres)である。
すなわち、櫛型電極1はペアの電極群にて構成され、ペア電極の交差する幅をW,ペア電極ピッチをPとすると、そのIDTに高周波電圧を印加したときの最適な駆動条件、すなわち基板2表面からペア電極方向に表面弾性波が励振されための最適条件はP=λ/2(λは基板2の音速をVRとすれば、共振周波数fresとして、λ=VR/fres)である。
この例では、LiNbO3 の音速を約4000m/sとし、共振周波数を50MHzとすべく、電極ピッチDはλ=80μmより、40μmとしている。すなわち、電極線幅20、空隙20の割合とする。また、WはA4縦紙を記録対照とした場合、有効印字幅はアレーヘッドタイプでは、200mm幅必要となる。
また、この例では、1インチのアレーヘッドを想定しており、印字幅25.4mmを一周期で印字するため、IDT1の交差幅は30mm、伝播材の幅は40mmとする。さらに、IDT対数は内部抵抗、駆動周波数、圧電材の機械結合係数などから所望の最適対数が決定される。ここでは32対としている。
本発明による液滴飛翔原理を、図4(a)でさらに詳しく説明する。
すなわち、基板(LiNbO3 )2表面にIDT1が形成されている。
今、共振周波数50MHzにて励振した時、図右方向に表面弾性波1−1(SAW)が発生し、伝播してゆく。
すなわち、基板(LiNbO3 )2表面にIDT1が形成されている。
今、共振周波数50MHzにて励振した時、図右方向に表面弾性波1−1(SAW)が発生し、伝播してゆく。
液滴3−1は圧電材表面で半球状に吸着し、それ以上は広がらない状態となっている。今、SAW1−1がそのインク薄層の境界部に侵入したとき、SAWはそこからインク内部へ漏洩し、縦波弾性波となる。この縦波弾性波はインク層内を伝播する。この漏洩波は、一般にLeaky SAWと言われている。
漏洩弾性波1−2の進入角度ΘR はVR を伝播材の表面弾性波の速度、V1 をインク内の弾性波の速度とした時、ΘR =sin-1(V1 /VR )で表される角度で進入することがわかっている。
ΘR で進入した漏洩弾性波1−2は、インク液中を進行し、液滴表面に到達した時、その音響放射力がインクの表面張力に打ち勝ちほどのエネルギを持つ時、前記音響弾性波エネルギに対応した、飛び出し速度をもって、気中に液滴(ミスト)として飛翔してゆく。
そして、本発明の動作の基本プロセスは、この漏洩弾性波1−2による液滴飛翔原理を応用するものである。
そして、本発明の動作の基本プロセスは、この漏洩弾性波1−2による液滴飛翔原理を応用するものである。
さらに、選択的に液滴飛翔させる方法の説明を、次図の機能性を利用したことの例にて説明する。
図5(a)は電気濡れ性効果(EWOD)の動作原理図である。
同図のように、下部電極(Electrode)上の誘電体層(Dielectric)表面に水滴を滴下すると誘電体表面の疎水性と水の表面張力の為に、水滴はおおよそ半球形状となる。この濡れの悪い状態において水滴と誘電体を挟んだ下部電極の間に電圧を印加することで水滴が広がる現象を電気濡れ性(EW;Electro-Wetting)という。特に最近では、薄層の誘電体層を挟んで電圧印加する場合、より高耐圧で安定した動作を実現させることができ、この構成での電気濡れ性効果を(EWOD;Electro-Wetting On Dielectric)と呼び、各種の応用・研究例が報告されている。
本発明でもこのEWOD効果により、選択的に液滴飛翔を実現させることが可能となるのでその動作原理を詳しく説明する。
すなわち、図5(a)は電圧印加前の初期状態を示している。
同図中、誘電体層上に液滴が半球形状態で付着しており、その固体、液体、気体の3層の境界にて、次のような力でつりあっている。
図5(a)は電気濡れ性効果(EWOD)の動作原理図である。
同図のように、下部電極(Electrode)上の誘電体層(Dielectric)表面に水滴を滴下すると誘電体表面の疎水性と水の表面張力の為に、水滴はおおよそ半球形状となる。この濡れの悪い状態において水滴と誘電体を挟んだ下部電極の間に電圧を印加することで水滴が広がる現象を電気濡れ性(EW;Electro-Wetting)という。特に最近では、薄層の誘電体層を挟んで電圧印加する場合、より高耐圧で安定した動作を実現させることができ、この構成での電気濡れ性効果を(EWOD;Electro-Wetting On Dielectric)と呼び、各種の応用・研究例が報告されている。
本発明でもこのEWOD効果により、選択的に液滴飛翔を実現させることが可能となるのでその動作原理を詳しく説明する。
すなわち、図5(a)は電圧印加前の初期状態を示している。
同図中、誘電体層上に液滴が半球形状態で付着しており、その固体、液体、気体の3層の境界にて、次のような力でつりあっている。
今、誘電体層と液滴とが、その境界で接触角Θ0 で形成されているとすると、その境界点で、前記3層の境界面で力の釣合いが発生している。γLGを液体と気体との界面で発生する表面張力と言い、γSLを固体と液体界面での界面力、γSGを固体と気体界面での界面力とすれば、上記力の釣合い関係として、ヤングの式γSL=γSG−γLGcosΘ0 …(1) が成立している為にその境界、接触角Θ0で静止している。
図5(b)は、その後、下部電極と液滴間に電圧Vを印加した状態を示しており、図のように液体に挿入された電極より、負の電荷が注入され、最終的には誘電体層の膜厚と誘電率で決定される電荷量で静電容量Cを形成する。
電気濡れ性とは、この注入電荷により液体と固体との間に静電エネルギが蓄積され、その結果液体と固体との接触状態が変化し、いわゆる濡れ性が発現し、液体の接触角は図のように、Θと小さくなる。その時の釣合い式はγSL=γSG−γLGcosΘ…(2)である。
電気濡れ性とは、この注入電荷により液体と固体との間に静電エネルギが蓄積され、その結果液体と固体との接触状態が変化し、いわゆる濡れ性が発現し、液体の接触角は図のように、Θと小さくなる。その時の釣合い式はγSL=γSG−γLGcosΘ…(2)である。
上記(2)式、および図の接触角の変化からわかるように、固体と液体との界面で発生している、界面力γSLは非常に小さくなっている。これはそのエネルギ現象分が静電エネルギに代替されているからである。
以上の電気濡れ性効果(EWOD)を応用して、電圧印加により、誘電体表面での液体がもつ界面エネルギを減少させることが容易となり、その変化を選択的に個別電極ごとに行うことにより、図4(a)で説明したSAWによる音響放射力と掛け合わせ、選択的に液滴を飛翔させることが可能となるのである。
さて、本発明装置の概略構成および選択的液滴飛翔動作を、図1を用いて説明する。
すなわち、1は櫛型電極、1−1は表面弾性波(SAW)、2−1は基板1、2−2は基板2、3はインク供給部、3−1は飛翔インクミスト、3−2はインク収納壁、3−3はスリット開口部、3−4は転写インクミストである。
すなわち、1は櫛型電極、1−1は表面弾性波(SAW)、2−1は基板1、2−2は基板2、3はインク供給部、3−1は飛翔インクミスト、3−2はインク収納壁、3−3はスリット開口部、3−4は転写インクミストである。
4はEWOD部で、4−1は個別電極、4−2は誘電体層、4−3は記録信号駆動素子、4−4は注入電荷である。また、5は対向電極部で、5−1は対向電極、5−2は接地である。
ここで、この実施形態での特徴は、2−1の基板1に選択的に電気濡れ性効果(EWOD;Electrowetting on Dielectric)を発生させる個別電極4−1を有し、2−2の基板2に表面弾性波(SAW)を電極幅にわたり一様に励振する櫛型電極(IDT)1を配置し、それぞれが対向するように、インク液層を挟持して向かい合わされている構造をもつことを特徴としている。
以上の構成により、2−2の基板2上のIDT1より励振されたSAW1−1が図右方向に基板上を伝播し、右端に狭持されたインク層に進入してゆき、図4(a)で説明したように、液層中に縦波弾性波として図矢印のように進行してゆく。
これと同時に、2−1の基板1上に配置された、記録信号駆動素子から同期して励振された電圧V(この場合−V)が個別電極4−1に記録信号に対応して、印加されることにより、2−2の基板2の対向電極5−1より(+)電荷が注入され、図7(b)のように誘電体層4−2上に堆積分布する。前述のEWOD(電気濡れ性)効果により、電荷注入された個別電極上付近の界面エネルギは低下しており、その効果により液体の固体面への付着力は低下する。
その電極上に前記縦波弾性波が放射力として作用することにより、個別電極に対応して、液滴移動が発生し、スリット開口部3−3より、液滴ミストが選択的に飛翔することを可能としている。
本実施態様では、さらにスリット開口部3−3に対向する位置に、間隙約数mmをあけて、インク転写搬送部6が配設されている。
さらに、そのインク転写搬送部6はベルト形状をしており、その層構成は表面が数μm厚のポリイミド誘電層であり、機材の導電性材に均一にコートされている。この転写ベルト6−1にはバイアス電源6−2が接続されており、電圧は約−2kv印加されている。
電圧は前記スリット開口部3−3付近のインク液表面に正の電荷を誘起するのに十分であるが、電界吸引してインク滴を飛翔させるのには不十分な電圧である。
さらに、そのインク転写搬送部6はベルト形状をしており、その層構成は表面が数μm厚のポリイミド誘電層であり、機材の導電性材に均一にコートされている。この転写ベルト6−1にはバイアス電源6−2が接続されており、電圧は約−2kv印加されている。
電圧は前記スリット開口部3−3付近のインク液表面に正の電荷を誘起するのに十分であるが、電界吸引してインク滴を飛翔させるのには不十分な電圧である。
このような構成による動作を説明すると、前記EW電極表面に正電荷が滞留付着し、同時にSAWからの縦波弾性波が付勢される選択領域では、同時に転写電極からの吸引電界により、選択領域のインク滴が十分な加速度を得て、前期転写ベルト表面へ飛翔してゆくこととなる。
そして、このような構成によれば、この吸引電界により、非常に小さなインクミスト滴は通常飛翔では、空気などの外乱によりその飛翔方向が乱されるところが、強力に指向性を持って飛翔させることができ、従来よりもその着弾精度を向上させることが可能となっている。
ここで、図1(b)は前記転写ベルト6−1が転写ロール6−5としている構成であるが、その電気的材料構成は、図1(a)と同様である。
しかし、図1(b)ではさらにそのインクミスト飛翔を効果的とするために、前記基板1、基板2との狭持形態をスリット開口部3−3に向かうにおいて、狭める寸法をとるように構成されている。
しかし、図1(b)ではさらにそのインクミスト飛翔を効果的とするために、前記基板1、基板2との狭持形態をスリット開口部3−3に向かうにおいて、狭める寸法をとるように構成されている。
これは、前記インク層が安定してスリット開口部付近に保持可能となるためで、2枚の基板間で生ずる毛細管効果を利用し、スリット部方向に表面張力が向かうように傾斜させている。なお、この実施形態では、スリット部寸法を0.2mm程度、IDT部付近の対向寸法を5mmとなし、傾斜効果をもたせている。
上述したような図1(a),(b)とも、転写部材上のインク滴は荷電状態を保持しているため、受像紙6−4が同期して進入し、受像紙に転写するために、搬送ロール6−3には、インク滴電荷とは逆極性のバイアスで、さらに、転写ベルトバイアス電圧よりも強い電圧を印加するか、または、物理的な圧力付加により、または同時に与えることにより、高効率な受像紙転写を実現している。
図2は基板2の構成例である。
2−2の基板2は圧電材であり、本発明はLiNbO3 結晶板を採用しているが、表面弾性波を発生しうる圧電材であるならば、本材料に限定するものではない。
2−2の基板2は圧電材であり、本発明はLiNbO3 結晶板を採用しているが、表面弾性波を発生しうる圧電材であるならば、本材料に限定するものではない。
IDT1より励振されたSAWは表面弾性波1−1として、圧電材表面上を進行してゆく。下流には対向電極部5が圧電材上に配設されており、接地5−2処理されている。また、最下流側には、インク供給用のインク供給部3が設けられ、インクの安定供給機能を有する構成としている。
本発明動作ではこの対向電極形状も重要な要素をもつ。
すなわち、図に示すように、対向電極5−1は、セグメント状に分割配列させており、本例では、600dpi記録解像度を実現すべく、電極幅は20μm,電極ピッチ42μmとしている。この配列は図3で説明するが、下部基板上の個別電極と、この対向電極は1:1の寸法配置で対応させており、それぞれの個別電極への電荷注入がそれぞれの対向する対向電極からのみ注入されるように、電界分布が形成されるよう設計配置している。
すなわち、図に示すように、対向電極5−1は、セグメント状に分割配列させており、本例では、600dpi記録解像度を実現すべく、電極幅は20μm,電極ピッチ42μmとしている。この配列は図3で説明するが、下部基板上の個別電極と、この対向電極は1:1の寸法配置で対応させており、それぞれの個別電極への電荷注入がそれぞれの対向する対向電極からのみ注入されるように、電界分布が形成されるよう設計配置している。
なお、対向電極5−1は、上述したようにセグメント状に分割配列されているものであってもよいが、一連に連続した電極であってもよい。
図3は2−1の基板1の構成例である。
2−1の基板1はSiなど、通常の絶縁材であり、下流側には記録信号駆動素子4−3にそれぞれ接続された個別電極4−1群が配設されている。EWOD効果を呈するため、個別電極表面は薄層(約1μm厚)の誘電体層(ポリイミド等)でコートされている。
2−1の基板1はSiなど、通常の絶縁材であり、下流側には記録信号駆動素子4−3にそれぞれ接続された個別電極4−1群が配設されている。EWOD効果を呈するため、個別電極表面は薄層(約1μm厚)の誘電体層(ポリイミド等)でコートされている。
本動作での記録動作説明として、偶数列に信号を入力し、偶数列のインク滴を飛翔させる例で説明する。
すなわち、個別電極群の偶数番号の電極に(−)電圧が印加されており、その電圧に応じて、基板2の対向電極5−1から注入された(+)電荷がそれぞれ電極上に蓄積していることがわかる。
すなわち、個別電極群の偶数番号の電極に(−)電圧が印加されており、その電圧に応じて、基板2の対向電極5−1から注入された(+)電荷がそれぞれ電極上に蓄積していることがわかる。
以上の図2、図3の上、下基板構成の基板を対向配置することにより、図1の断面図で説明したような本発明動作を可能とするSAW表面弾性波によるEWOD効果応用の選択的液滴飛翔プロセスによる高解像度な直接ミスト記録装置を実現することができるのである。
図6、図7はEWOD駆動回路、諧調制御・リフレッシュ回路の動作を説明するためのものであり、図6(a),(b)は本発明のEWOD駆動回路とそのシーケンス例である。
同図(a)はEWODの等価回路であり、個別電極4−1と対向電極5−1とで静電容量Cを形成すべく、記録信号駆動素子4−3より電圧印加されている構成を示している。その電圧印加のタイミングシーケンスを同図(b)のシーケンス図で説明する。
同図(a)はEWODの等価回路であり、個別電極4−1と対向電極5−1とで静電容量Cを形成すべく、記録信号駆動素子4−3より電圧印加されている構成を示している。その電圧印加のタイミングシーケンスを同図(b)のシーケンス図で説明する。
すなわち、SAW励振電圧は、本実施態様では50MHzの交流駆動であるが、図のように、50kHzのバースト周期、Iライン走査周期Twで連続的に印加されている。この基本周期に同期して、EWOD個別電極の各電極(SEG−1,SEG−2,・・・・)は、記録信号に対応して、記録信号駆動素子4−3により電圧が付勢されるようタイミングが取られている。
また、このような本発明動作で重要なタイミングとして、転写ベルトへのバイアスタイミングは、同図(b)のように、スリット開口部において、飛翔直前のインクメニスカス(盛り上がり)形成が事前に形成されるように、EWOD電極への信号電圧パルスが印加される前にベルトバイアスは印加されており、さらに、最後の信号電圧パルスが印加し、転写が完了してから、十分後に、ベルト電圧はOFFされるようにしている。
図6(c),(d)前記EWOD回路において、(c)のように個別電極上にチャージされた電荷を効果的に除去させるため、(a)のように接地処理するのではなく、積極的に逆電圧を付与するように配置されている。本動作処理をリフレッシュ回路とし、(a)の如く、基本的にはIライン走査終了時かならず接地処理し、蓄積電荷除去処理シーケンスを設けたものに対し、さらに効果を発現するため、逆電圧印加処理を施す手法(c)もあわせて、リフレッシュ回路と特徴づける。
本回路処理により、EWOD効果は高速、高精度に適用することが可能となっている。
本回路処理により、EWOD効果は高速、高精度に適用することが可能となっている。
ここで、転写ベルトへの電圧印加タイミングは前述した図6(a),(b)と同様に印加することが必要である。
以上、本発明によりSAW弾性波駆動と、EWOD効果選択駆動により、高諧調、高速、高精度なインクミスト飛翔が実現可能となるものである。
以上、本発明によりSAW弾性波駆動と、EWOD効果選択駆動により、高諧調、高速、高精度なインクミスト飛翔が実現可能となるものである。
図7は本発明の他の特徴である、諧調記録の手法を説明するものである。
すなわち、諧調記録を液滴の飛翔量で諧調制御するものであるが、その飛翔量を制御するものが、個別電極ごとのチャージ電荷量であるとし、そのチャージ量はEWOD駆動素子印加電圧量であることより、本発明の諧調記録をEWOD駆動素子電圧制御により実現するものである。
すなわち、諧調記録を液滴の飛翔量で諧調制御するものであるが、その飛翔量を制御するものが、個別電極ごとのチャージ電荷量であるとし、そのチャージ量はEWOD駆動素子印加電圧量であることより、本発明の諧調記録をEWOD駆動素子電圧制御により実現するものである。
図7(f),(h)が諧調記録シーケンスを説明するもので、各個別電極(SEG−1,SEG−2,・・)はIラインより、Twの書き込み時間を100%、75%、50%と駆動時間を可変することにより、チャージ電荷量を諧調量となるべく、可変制御するものである。(f)は諧調駆動+リフレッシュ(接地)、(h)は諧調駆動+リフレッシュ(逆電圧)のそれぞれの駆動シーケンスを表している。
そして、以上の構成を採ることにより、SAW弾性波駆動と、EWOD効果選択駆動により、高諧調、高速、高精度なインクミスト飛翔が実現可能となるものである。
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、表面弾性波によるインクミスト記録装置を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施形態では、基板1を下部基板、基板2を上部基板として、対向配置機構としたが、その上下は逆でも良い。
また、電気濡れ性付与の電圧の極性は正極で説明したが、その逆でもよく、それに対応して、リフレッシュ回路の付与電圧極性も選択することで実現できる。
また、電気濡れ性付与の電圧の極性は正極で説明したが、その逆でもよく、それに対応して、リフレッシュ回路の付与電圧極性も選択することで実現できる。
さらに、EW(電気濡れ性)はその電圧をさらに高めるため、電極上部に薄層の誘電膜を設けるEWOD(ElectroWetting On Dielectric)法での応用でも良い。
1…櫛型電極(IDT)、1−1…表面弾性波(SAW)、1−2…漏洩弾性波、2…基板、2−1…基板1、2−2…基板2、3…インク供給部、3−1…飛翔インクミスト(液滴)、3−2…インク収納壁、3−3…スリット開口部、3−4…転写インクミスト、4…EWOD部、4−1…個別電極、4−2…誘電体層、4−3…記録信号駆動素子、4−4…注入電荷、5…対向電極部、5−1…対向電極、5−2…接地、6…インク転写搬送部、6−2…バイアス電源、6−3…搬送ロール、6−4…受像紙、6−5…転写ロール。
Claims (16)
- 表面弾性波(SAW)を伝播させる圧電素子材表面上に、櫛型電極(IDT)手段と、その下流側に同一伝播材上に前記櫛型電極手段の幅と略同一幅の共通電極を配置した上部基板と、
前記基板と略同一寸法で、前記共通電極と対向する位置で、基板上に画像信号電圧発生素子と接続配置した個別電極アレーを有する下部基板とを対向配置することによりインク層を挟持し、
対向基板下流側のインク出射口よりインクミストを飛翔させるように構成されていることを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録装置。 - 請求項1記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、
前記インクミストの飛翔を電界により加速させ、より着弾精度を向上させるために、インク出射口に対向する位置に間隙をあけて、受像する転写電極部材を配設したことを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録装置。 - 請求項2記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、
前記バイアス印加転写電極部材は、表面が誘電層でコートされた導電部材であり、
前記電気濡れ性(EW)電極印加電圧とは、同極性の電圧が印加された部材であることを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録装置。 - 請求項2記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、
前記バイアス印加転写電極部材は表面が誘電でコートされた導電性ロール材であり、
前記電気濡れ性(EW)電極印加電圧とは、同極性の電圧が印加されたロール材であることを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録装置。 - 請求項2記載の表面弾性波によるインクミスト記録装置において、
前記転写電極部材上の転写インクミスト像を受像紙に転写するための、圧力ロール、またはインクと逆極のバイアスを印加された2次転写ロールを配設していることを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録装置。 - 対向基板内部にインク供給装置より供給されたインク液を、上部基板上の櫛型電極手段より励振され発生した表面弾性波の付勢力と下部基板下流の個別電極に画像信号に対応して印加された電圧により上部基板共通電極より注入された電荷により電気濡れ性効果(EWOD)を発する個別電極部位を形成し、
前記櫛型電極手段より発射された表面弾性波が前記インク薄層中に入射されて、
音響波に変換された縦波を、先端部付近のインク層に集中させ、かつ前記荷電表面により、その電極表面の界面エネルギが低下し、液流動性が向上したインク液に、その表面弾性波付勢力に対応して、選択的に飛翔を行わせるように設定することを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録方法。 - 請求項6記載の表面弾性波によるインクミスト記録方法において、
前記対向基板同士を出射口に向けて、その対向距離を狭める配置とすることにより、前記荷電液層の滞留位置が毛細管効果により、出射口付近に効果的に集中配置することを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録方法。 - 請求項6記載の表面弾性波によるインクミスト記録方法において、
前記上部基板上の共通電極は、下部個別電極に向けて注入する電荷の配置解像度をより高めるために、下部個別電極と同様に、同対向配置となるような分割型の電極構成とすることを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録方法。 - 請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の表面弾性波によるインクミスト記録方法において、
前記個別電極に電気濡れ性をさらに効果的に付与するため、個別電極表面に誘電体皮膜を設け、いわゆる電気濡れ性効果(EWOD)を応用する選択的インク飛翔プロセスを有することを特徴とする表面弾性波によるインクミスト記録方法。 - 櫛型電極手段より励振された一様な表面弾性波を下流側に設けたインク薄層中に配置した個別電極アレー部に音響波として入射し、その音響放射圧で液滴を出射する記録装置において、
その液滴出射を選択的に飛翔制御するために、前記個別電極アレー部に印加する電圧を可変することにより、その表面に対向電極より注入される電荷量が制御され、結果、電気濡れ性(EW)効果による電極表面の界面エネルギを変化させ、前記音響放射圧によるインク飛翔量の飛翔液滴量を可変制御することを特徴とするインクミスト記録濃度の諧調制御方法。 - 請求項10記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、
前記諧調制御は印加電圧量を可変することを特徴とするインクミスト記録濃度の諧調制御方法。 - 請求項10記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、
前記諧調制御は印加時間長を可変することを特徴とするインクミスト記録濃度の諧調制御法。 - 請求項10記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、
前記電気濡れ性(EW)電極の電気濡れ性を制御する電圧印加に対し、前記電極表面に注入された電荷を効果的に解消させるため、前記EW性付与の電圧極性とは逆の極性の電圧、または接地電圧を適時印加するEWリフレッシュ回路を設けることを特徴とするインクミスト記録濃度の諧調制御方法。 - 請求項13記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、
上流IDT電極に付勢される電圧タイミングに同期させて、EW電極に電圧を印加する方式において、
前記転写電極部材に印加する、EW電極とは同極性の吸引電界用の電圧は、その印加タイミングをインク飛翔タイミングよりも以前に立ち上げ、インク記録終了タイミングよりも遅く、立ち下げることを特徴とするインクミスト記録濃度の諧調制御方法。 - 請求項13または請求項14記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、
前記リフレッシュ制御は逆極電圧を可変印加することで最適制御することを特徴とするインクミスト記録濃度の諧調制御方法。 - 請求項13または請求項14記載のインクミスト記録濃度の諧調制御方法において、
前記リフレッシュ制御は印加時間長を可変させることで最適制御することを特徴とするインクミスト記録濃度の諧調制御方法。
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