JP2009269189A - 部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型 - Google Patents

部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型 Download PDF

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祐一 小川
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Abstract

【課題】部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型において、金型構造を簡素化してコストダウンを図るとともに、表皮のセット作業における作業性を高め、かつ表皮のズレをなくし、成形性を高める。
【解決手段】成形金型40における表皮30の保持機構として、成形下型60の製品キャビティC外周に上下動可能な表皮押え外枠70を配置し、表皮30のセット時には表皮30の周縁端末30aを表皮押え外枠70と成形上型50とでクランプ保持し、木目込み溝21に対応する成形下型60の凹溝64内に表皮30の見切りラインLに沿うフロント側端末31を収容した時、凹溝64内に設けられた表皮保持用突起80と成形上型50とで凹溝64内の表皮30のフロント側端末31を簡単に保持でき、表皮30のセットズレをなくし、成形性を向上させる。
【選択図】図10

Description

この発明は、樹脂成形品の表面の一部に表皮を貼着してなる部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に係り、特に、表皮のセット作業が簡単に行なえるとともに、表皮の位置決め精度を高めた部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に関する。
図15,図16は、車両のリヤシート後方側に配置される棚機能を備えたリヤパーセルシェルフ1を示す平面図並びに断面図である。このリヤパーセルシェルフ1は、所要形状に成形され、所望の剛性を備えた樹脂芯材2の表面の一部に表皮3を貼着して構成され、フロント側の樹脂製品部1aとリヤ側の表皮貼り合わせ部1bのように、外観を相違させたアクセント効果により意匠性を高める構成が採用されている。樹脂製品部1aと表皮貼り合わせ部1bとの境界部分は、樹脂芯材2に設けた木目込み溝2a内に表皮3のフロント側端末3aを木目込み処理することで、表皮3の端末処理を行なっている。
次に、樹脂芯材2の表面の一部に表皮3を貼付した部分表皮貼り樹脂成形品としてのリヤパーセルシェルフ1を成形する際に使用する成形金型の概略構成について、図17,図18を基に説明する。図17に示すように、リヤパーセルシェルフ1を成形するための成形金型4は、所定ストローク上下動する成形上型5と、成形上型5と対をなす、下方側に位置する固定側の成形下型6とから構成されており、成形上型5は昇降シリンダ5aに連結され、所定ストローク上下動作を行なうとともに、成形下型6は射出機6aと連結し、射出機6aから供給される溶融樹脂Mは、ホットランナ6b、ゲート6cを通じて成形上下型5,6の製品キャビティC内に供給される。更に、樹脂芯材2に木目込み溝2aを形成するために、成形上下型5,6には、それぞれ成形下型6には凹溝6d、それに対応する成形上型5には凸条5bがそれぞれ設けられている。
また、図18に示すように、成形金型4が型開き状態にある時、表皮3をセットする際、表皮3のロケート孔3bをスピーカ開口部のフロート6eに位置決めして、表皮3をセットするとともに、成形下型6の凹溝6d内にクランプ具7が設けられており、表皮3のフロント側端末3aをこのクランプ具7で確実に保持して樹脂芯材2の成形時に表皮3のフロント側端末3aがずれたりすることがないようにしている。尚、部分表皮貼り樹脂成形品の従来の成形方法としては、特許文献1に詳細に示されている。
特開2004−1537号公報
このように、従来の部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法によれば、樹脂芯材2の木目込み溝2a内に表皮3のフロント側端末3aを木目込み処理する際、表皮3の端末3aが成形下型6の凹溝6d内に収容されてフリーな状態であれば、樹脂芯材2の成形時、溶融樹脂Mの流動により、表皮3にセットズレ等が生じ、精度の良い成形が行なえないという不具合が指摘されている。また、成形下型6の凹溝6d内にクランプ具7等の機構を組み込んで、表皮3のセット時に表皮3の端末3aをクランプ具7により保持するという従来例では、クランプ具7により金型費用が嵩み、製品のコストアップを招来するとともに、表皮3のセット作業についても、クランプ具7に表皮3の端末3aを精度良くクランプさせる作業が非常に面倒であり、作業性の大幅な低下をもたらすという欠点が指摘されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、成形上下型の型内に表皮を投入した後、製品キャビティ内に樹脂を射出充填し、樹脂芯材を所要形状に成形するとともに、樹脂芯材の表面の一部に表皮を貼付する一方、表皮の端末を樹脂芯材の木目込み溝内に木目込み処理してなる部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型において、簡単な方法で成形金型内に表皮を精度良くセットすることができ、廉価で精度の良い成形を可能にした部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、成形上下型内に表皮を投入した後、成形上下型の型締めにより画成した製品キャビティ内に溶融樹脂を射出充填することにより、樹脂芯材を所要形状に成形し、この樹脂芯材の表面の一部に表皮を貼付するとともに、表皮の見切りラインに沿う端末を樹脂芯材の木目込み溝内に木目込み処理してなる部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法において、前記成形下型の製品キャビティ外周に表皮押え外枠を配置するとともに、樹脂芯材に木目込み溝を形成するために設けられている成形下型の凹溝内に表皮保持用突起を突設し、成形金型内に表皮をセットする際、表皮の周縁端末を表皮押え外枠上に載置する一方、表皮の見切りラインに沿う端末を成形下型の凹溝内に収容し、成形上型を所定ストローク下降操作して、成形上型と、表皮押え外枠及び凹溝内の表皮保持用突起とで表皮の周縁端末並びに見切りラインに沿う端末を挟持し、表皮の位置規制を行ないつつ、成形上下型の製品キャビティ内に溶融樹脂を射出充填することにより、樹脂芯材を所要形状に成形すると同時に、樹脂芯材の表面の一部に表皮を貼付するようにしたことを特徴とする。
更に、本発明方法に使用する成形金型は、所要形状に成形された樹脂芯材の表面の一部に表皮を貼付してなる部分表皮貼り樹脂成形品を成形する成形金型において、前記成形金型は、所定ストローク上下動可能な成形上型と、成形上型の下方に位置する成形下型と、両金型間で画成される製品キャビティ内に溶融樹脂を供給するために成形下型に連設される射出機と、表皮保持機構とから構成され、上記表皮保持機構は、成形下型の製品キャビティ外周に上下動自在に配置され、成形上型と協働して、表皮の周縁端末を挟持する表皮押え外枠と、樹脂芯材の木目込み溝に対応して、成形下型に凹溝、成形上型に凸条がそれぞれ設けられており、上記凹溝内に表皮の見切りラインに沿う端末を保持するために設けられている表皮保持用突起とからなることを特徴とする。
ここで、本発明方法は、合成樹脂の射出成形工法、モールドプレス成形工法に適用でき、適用対象としては、所要形状に成形された樹脂芯材の表面の一部に表皮を貼付するとともに、表皮の見切りラインに沿う端末を樹脂芯材の木目込み溝内に木目込み処理した部分表皮貼り樹脂成形品であって、例えば、リヤパーセルシェルフ、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、リヤサイドトリム等の自動車用内装部品全般に適用することができる。
そして、樹脂芯材の素材としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等を使用できる。また、表皮としては、クロス、不織布等の布地シートや樹脂シート、又は布地シートや樹脂シートの裏面にポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム等のクッション層を裏打ちした積層シート材料が使用でき、表面風合いに優れ、溶融樹脂が表面側に染み出さない材質のものを使用する。
次に、本発明に係る部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法に使用する成形金型は、相互に型締め、型開き可能な成形上下型と、成形下型に連設され、樹脂芯材の素材である溶融樹脂を供給する射出機とから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型は、昇降シリンダにより所定ストローク上下動可能であるとともに、成形下型には、射出機からの溶融樹脂を製品キャビティ内に供給するための樹脂通路であるホットランナ、ゲートが設けられている。
更に、表皮の保持機構としては、成形下型の製品キャビティ外周に表皮押え外枠が上下動可能に設けられており、成形上型の下降に伴ない、成形上型の型面と表皮押え外枠との間で表皮の周縁端末を挟持して、上型と追随して表皮押え外枠が下降することで、表皮に適度のテンションを与えることができる。また、樹脂芯材の木目込み溝に対して成形下型に凹溝が形成され、この凹溝内に表皮保持用突起が設けられている。この表皮保持用突起は、例えば、成形上型と表皮保持用突起との間のクリアランスが0.5mmに設定されており、突起の外形寸法は、幅10mm、長さ10mm、高さ3mmである。そして、凹溝の長手方向に沿って所定間隔を配して、5箇所〜10箇所のようにスポット的に設けるのが好ましいが、凹溝の長手方向に沿って幅10mm、高さ3mmの長尺状の突起(凸条)としても良い。また、成形下型の凹溝内に設けられる表皮保持用突起の好ましい実施の形態としては、突起を常時上方向にバネ付勢する構成を採用しても良く、また、表皮保持用突起の上面に凹凸面を設け、成形上型の型面と表皮保持用突起の凹凸面との間で表皮の挟持力を強化するようにしても良い。
以上の構成から明らかなように、本発明方法並びに本発明に係る成形金型は、成形下型の凹溝内に表皮保持用突起を設けるという簡単な構成であるため、従来のクランプ具を廃止することにより、型構造を簡素化でき、型費を低減することができる。また、表皮のセット作業も、表皮の周縁端末(両側端末及びリヤ側端末)を表皮押え外枠に載置し、表皮の見切りラインに沿う端末は成形下型の凹溝内に収容すれば良いため、表皮のセット作業が簡単に完了するとともに、成形上型の下降により、成形上型と表皮押え外枠で表皮の3辺を挟持でき、かつ成形下型の凹溝内では、成形上型と表皮保持用突起とで表皮の見切りラインに沿う端末を挟持でき、表皮の周縁全長において、成形上型と表皮押え外枠、表皮保持用突起とで確実に保持でき、適度のテンションを付与して、樹脂芯材の表面に表皮を精度良く貼付することができる。
以上説明した通り、本発明は、所要形状に成形してなる樹脂芯材の表面の一部に表皮を貼付してなり、表皮の見切りラインに沿う端末を樹脂芯材の木目込み溝内に木目込み処理してなる部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型であって、成形下型の凹溝内に表皮保持用突起を設け、表皮のセット時は表皮の見切りラインに沿う端末を凹溝内に収容させるという簡単な作業で済むとともに、成形上下型の型締め時には、表皮保持用突起と成形上型とで挟み込んで、表皮の端縁部を保持するというものであるから、表皮のセット作業が簡単に行なえる。従って、表皮のセットズレがなく、精度の良い表皮と樹脂芯材の一体成形が可能となり、成形性能に優れるとともに、成形金型に従来のクランプ具等を不要としたため、構造の簡素化により、コストダウンが見込めるという種々の効果を有する。
以下、本発明に係る部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法並びに成形金型の具体的な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図14は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法を適用して製作したリヤパーセルシェルフの平面図、図2は同リヤパーセルシェルフの構成を示す断面図、図3は同リヤパーセルシェルフを成形するために使用する成形金型の概略構成を示す説明図、図4は同成形金型における成形下型の構成を示す平面図、図5,図6は同成形金型における表皮保持機構の構成を示す各断面図、図7,図8は同リヤパーセルシェルフの成形方法における表皮のセット工程を示す各説明図、図9,図10は同リヤパーセルシェルフの成形方法における表皮のクランプ状態を示す各説明図、図11は同リヤパーセルシェルフの成形方法における樹脂芯材と表皮との一体化工程を示す説明図である。また、図12乃至図14は本発明の変形例を示すもので、図12は凹溝の全体に表皮保持用凸条を形成した変形例、図13は表皮保持用突起を付勢スプリングによりバネ付勢した変形例、図14は表皮保持用突起の上面に表皮の挟持力を強化した凹凸面を形成した変形例を示す各説明図である。
まず、図1,図2を基に、本発明に係る部分表皮貼り樹脂成形品の一実施例であるリヤパーセルシェルフ10の構成について説明する。リヤパーセルシェルフ10は、図示しない車両のリヤシート後方側に配設され、車室とトランクルームとを区画するリヤパーセルパネルの室内面側に取り付けられる。そして、車載用スピーカを内装し、エアグリル等が装着されていることが多い。そして、本発明を適用したリヤパーセルシェルフ10は、所要形状に成形された樹脂芯材20と、樹脂芯材20の表面の一部(リヤ側のみ)に貼付される表皮30とから構成され、表皮貼り合わせ部10aと樹脂単体部10bとの外観上のアクセント効果により外観性能を高めた構成が採用されている。尚、図1中符号11はスピーカグリルを示し、符号Lは表皮貼り合わせ部10aと樹脂単体部10bとの間の見切りラインを示す。
上記樹脂芯材20として使用する合成樹脂材料は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等がある。また、表皮30としては、クロス、不織布等の布地シートや樹脂シート、又は布地シートや樹脂シートの裏面にポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム等のクッション層を裏打ちした積層シート材料を使用することもできる。そして、樹脂芯材20及び表皮30を成形する工法としては、射出成形工法が採用されている。詳しくは、後述するが、表皮30を成形金型内に投入しておき、樹脂芯材20の素材である溶融樹脂Mを成形金型の製品キャビティ内に射出充填することで、樹脂芯材20と、その表面の一部に表皮30を貼付して、リヤパーセルシェルフ10が成形される。
そして、本発明に係るリヤパーセルシェルフ10は、表皮貼り合わせ部10aと、樹脂単体部10bのように、外観上のアクセント効果を付与するだけでなく、表皮30の端末処理を美麗に行なえるように、樹脂芯材20に木目込み溝21を凹設し、この木目込み溝21内に表皮30の見切りラインLに沿うフロント側端末31を木目込み処理している。また、表皮30の全周において、見切りラインLに沿う端末31以外の周縁端末については、符号30aで示す。この実施例において、表皮30の周縁端末30aとしては、表皮30の両側端末、リヤ側端末が該当する。
更に、本発明方法は、上記構成を採用したリヤパーセルシェルフ10の成形方法に適用され、成形金型40の構成を簡素化でき、コストダウンを招来できるとともに、表皮30のセット作業も容易に行なえ、リヤパーセルシェルフ10の成形時には、表皮30の精度の良い位置決めが期待でき、成形性を向上させたことが特徴である。そのために、図3乃至図6に示す成形金型40の構成が採用されている。図3に示すように、成形金型40は、可動側である成形上型50と固定側である成形下型60とから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型50は、昇降シリンダ51に連結され、所定ストローク上下動可能であり、成形下型60と成形上型50は、型締め、型開き可能で、型締め時には、所定容積の製品キャビティCが画成される。一方、成形下型60は、射出機61が連結され、射出機61から供給される樹脂芯材20の素材である溶融樹脂Mの樹脂通路であるホットランナ62、ゲート63が形成されており、射出機61から所定の射出圧で溶融樹脂Mが成形上下型50,60で画成される製品キャビティC内に速やかに射出充填される。そして、成形上下型50,60の型内で樹脂芯材20が所要形状に射出成形されると同時に、その表面の一部に表皮30が貼付されるが、上述した通り、樹脂芯材20に木目込み溝21を凹設し、この木目込み溝21内に表皮30のフロント側端末31を木目込み処理するために、以下の構成が採用されている。
まず、成形下型60において、リヤパーセルシェルフ10における表皮貼り合わせ部10aと樹脂単体部10bとの見切りラインLに沿って、凹溝64が形成され、成形上型50には、成形下型60の凹溝64に対応して、凸条52が突設形成されている。従って、成形上下型50,60の型締め時、凹溝64と凸条52との相互作用により、樹脂芯材20に木目込み溝21を成形と同時に形成することができる。
次いで、表皮30の周縁端末30a及び見切りラインLに沿う端末31の保持機構として、成形下型60の両側縁とリヤ側端縁の3縁辺に沿って表皮押え外枠70が上下動自在に配設されている。この表皮押え外枠70は、支持シャフト71で支持され、この支持シャフト71は、成形下型60のガイド孔内に挿通自在に支持され、スプリング72により常時上方向に付勢されている。この表皮押え外枠70は、成形上型50の下降により、成形上型50の型面と表皮押え外枠70とにより、表皮30の周縁端末(両側端末及びリヤ側端末)30aをクランプし、継続する成形上型50の下降に連繋して、成形上型50と一体に下降動作を行なう。尚、この実施例においては、表皮押え外枠70の設定位置は、成形下型60の基準位置より20mm高い位置に設定され、先行突き当ての機能を備えており、表皮30がこの表皮押え外枠70と成形上型50とに挟まれ、成形上型50と共に70mmストロークする。
そして、表皮押え外枠70により、表皮30の周縁端末(両側端末及びリヤ側端末)30aが保持されるが、残るフロント側端末31については、成形下型60の凹溝64内に表皮30のフロント側端末31を収容させれば良い。そのために、この凹溝64内には長手方向に沿って適宜ピッチ間隔をあけて複数箇所(本実施例では8箇所)に表皮保持用突起80が突設形成されている。この表皮保持用突起80の外形寸法は、幅10mm、長さ10mm、高さ3mm、であり、成形上型50の下死点まで下降した時、成形上型50の型面と表皮保持用突起80の上面とのクリアランスが0.5mmになるように調整されている。
このように、本発明方法に使用する成形金型40は、樹脂芯材20に木目込み溝21を成形する成形下型60の凹溝64内に表皮保持用突起80を付設するという構成であり、樹脂芯材20の成形時には、表皮30のフロント側端末31は成形上型50と表皮保持用突起80とに挟まれてクランプされるため、フロント側端末31がフリー状態である時に比べてフロント側端末31がずれることがなく、端末処理を美麗に行なえ、クランプ具等のクランプ機構を採用した従来例に比べ、成形金型40の構造を簡素化でき、コストダウンを招来できる。
次いで、上記成形金型40を使用したリヤパーセルシェルフ10の成形方法について、図7乃至図11を基に説明する。図7,図8は、表皮30を成形金型40の型内に投入する表皮30のセット工程を示すもので、図7に示すように、成形上型50が上方位置にある型開き時に表皮30を型内にセットする。表皮30のセット作業については、表皮30に形成したロケート用孔32を成形下型60のスピーカグリル設置位置に設けたフロート65に嵌め込んで表皮30の位置決めを行なう。
この時、表皮30の周縁端末(両側端末及びリヤ側端末)30aは、成形下型60の製品キャビティ外周に設けられた表皮押え外枠70上に載置される一方、表皮貼り合わせ部10aと樹脂単体部10bとを区画する見切りラインLに沿うフロント側端末31については、成形下型60の凹溝64内に収容される。この時、凹溝64内の8箇所に設けた表皮保持用突起80の上面に表皮30のフロント側端末31が載置される。従って、従来のクランプ具を採用した成形金型40への表皮30のセット作業に比べ、クランプ具を動作させる必要がなく、表皮30のセット作業を簡単に行なえる。
次いで、成形金型40内に表皮30を投入した後、成形上型50は昇降シリンダ51の動作により、所定ストローク下降して、図9に示すように、まず、表皮押え外枠70に対して成形上型50が表皮30の周縁端末30aを介して当接し、更に、成形上型50が下降する際、表皮押え外枠70は、スプリング72のバネ圧に対して、成形上型50と共に下降して、表皮30に適度のテンションを付与した状態で製品キャビティC内に溶融樹脂Mが射出充填される。尚、図9中符号73は、表皮30の周縁端末30aを突き刺し保持するために成形上型50に取り付けられているサポートピンを示す。
このように、表皮30の周縁端末30aは、表皮押え外枠70と成形上型50との間で適切なクランプ圧で保持されるが、表皮30の残る1辺である見切りラインLに沿うフロント側端末31についても、図10に示すように、成形上型50における凸条52と、成形下型60の凹溝64内の表皮保持用突起80の上面との間で適切なクランプ圧で挟み込まれ、成形下型60の凹溝64内における表皮30のフロント側端末31において精度の良い位置規制を行ないつつ、製品キャビティC内に溶融樹脂Mが射出充填される。このように、成形上型50が下死点まで下降して、成形上下型50,60間のクリアランスが一定値に到達した時、射出機61からホットランナ62、ゲート63を通じて溶融樹脂Mが製品キャビティC内に射出充填されて樹脂芯材20が所要形状に成形され(図11参照)、図1,図2に示すリヤパーセルシェルフ10が得られる。
従って、本発明方法によれば、表皮30の周縁端末30a及び見切りラインLに沿う端末31は、表皮押え外枠70と成形下型60における凹溝64内の表皮保持用突起80と、成形上型50の型面との間で表皮30を適度なテンションで保持することができ、表皮30のセット作業が簡単に行なえ、作業性の向上に貢献できることに加えて、表皮30の精度の良い成形が可能となり、成形性能を向上させるという効果もある。尚、本実施例では、リヤ側の表皮貼り合わせ部10aとフロント側の樹脂単体部10bとを見切りラインLにより区画したリヤパーセルシェルフ10に適用したが、フロント側に表皮貼り合わせ部10a、リヤ側に樹脂単体部10bを設定しても良く、その場合は、表皮30の見切りラインLに沿う端末31は表皮30のリヤ側端末となる。また、見切りラインLにより、表皮貼り合わせ部10aと樹脂単体部10bとを左右に見切る構造に適用することも考えられる等、表皮貼り合わせ部10aと樹脂単体部10bとの配置は適宜変更することができる。
次に、図12乃至図14は、本発明方法を実施するための成形金型40の変形例を示すもので、成形下型60における凹溝64内の表皮保持用突起80の各種変形例を示している。まず、図12は、成形下型60の凹溝64内にその長手方向に沿って長尺状の表皮保持用凸条81が形成されている。従って、この変形例においては、凹溝64内の広い範囲で表皮30のフロント側端末31を保持することができ、表皮30の位置決め精度をより高めることができるという付随的な効果がある。
次に、図13は、表皮30のフロント側端末31の保持強度を強化するために、成形下型60における凹溝64内に設置する表皮保持用突起80の下面に付勢スプリング82が設けられている。従って、この付勢スプリング82のバネ圧により、表皮30のフロント側端末31の保持強度を高めることで、溶融樹脂Mの樹脂圧や造形上の製品の絞り形状により、表皮30にテンションが加わっても、表皮30にズレ等が生じることがなく、確実な保持が期待できる。更に、表皮30の厚みが変化しても、付勢スプリング82のバネ圧で対応できるため、表皮30の材料自由度が向上する。同様に、図14は、成形下型60における凹溝64内に設ける表皮保持用突起80の上面に凹凸面83が形成されており、表皮30のフロント側端末31にこの凹凸面83が食い込み支持することで、表皮30の保持強度を強固に維持することができる。このように、付勢スプリング82を付設するか、あるいは表皮保持用突起80の上面に凹凸面83を形成することにより、表皮30のズレを効率的に防止することができる。
以上説明した実施例は、リヤパーセルシェルフ10に適用したが、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、リヤサイドトリム等、自動車用内装部品全般に適用することができる。更に、成形金型40は、成形上下型50,60の型締め後、製品キャビティC内に溶融樹脂Mを射出充填する射出成形工法を採用したが、成形上下型50,60の型締め前に溶融樹脂Mをオープン状態で供給して、成形上下型50,60の型締め時に製品キャビティCにゆきわたらせるモールドプレス成形工法を採用することもできる。また、表皮貼り合わせ部10aと樹脂単体部10bとの配置は適宜変更することもできる。
本発明方法を適用して成形したリヤパーセルシェルフを示す平面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1に示すリヤパーセルシェルフを成形する際に使用する成形金型の概略構成を示す説明図である。 図3に示す成形金型における成形下型の平面図である。 図3に示す成形金型における表皮押え外枠を示す説明図である。 図3に示す成形金型における表皮保持用突起を示す説明図である。 図1に示すリヤパーセルシェルフの成形方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図1に示すリヤパーセルシェルフの成形方法における表皮のセット工程を示す説明図である。 図1に示すリヤパーセルシェルフの成形方法における表皮外枠での表皮のクランプ状態を示す説明図である。 図1に示すリヤパーセルシェルフの成形方法における木目込み溝内での表皮のクランプ状態を示す説明図である。 図1に示すリヤパーセルシェルフの成形方法における樹脂芯材の成形工程を示す説明図である。 本発明に係る部分表皮貼り樹脂成形品の成形金型における表皮保持用突起の変形例を示す成形下型の平面図である。 本発明に係る部分表皮貼り樹脂成形品の成形金型における表皮保持用突起の変形例を示す説明図である。 本発明に係る部分表皮貼り樹脂成形品の成形金型における表皮保持用突起の変形例を示す説明図である。 従来のリヤパーセルシェルフを示す平面図である。 図15中XVI −XVI 線断面図である。 従来のリヤパーセルシェルフを成形する際に使用する成形金型の概略構成を示す説明図である。 従来のリヤパーセルシェルフの成形方法における表皮セット状態を示す説明図である。
符号の説明
10 リヤパーセルシェルフ
10a 表皮貼り合わせ部
10b 樹脂単体部
11 スピーカグリル
20 樹脂芯材
21 木目込み溝
30 表皮
30a 周縁端末
31 フロント側端末
32 ロケート用孔
40 成形金型
50 成形上型
51 昇降シリンダ
52 凸条
60 成形下型
61 射出機
62 ホットランナ
63 ゲート
64 凹溝
65 フロート
70 表皮押え外枠
71 支持シャフト
72 スプリング
80 表皮保持用突起
81 表皮保持用凸条
82 付勢スプリング
83 凹凸面
C 製品キャビティ
M 溶融樹脂
L 見切りライン

Claims (4)

  1. 成形上下型(50,60)内に表皮(30)を投入した後、成形上下型(50,60)の型締めにより画成した製品キャビティ(C)内に溶融樹脂(M)を射出充填することにより、樹脂芯材(20)を所要形状に成形し、この樹脂芯材(20)の表面の一部に表皮(30)を貼付するとともに、表皮(30)の見切りライン(L)に沿う端末(31)を樹脂芯材(20)の木目込み溝(21)内に木目込み処理してなる部分表皮貼り樹脂成形品(10)の成形方法において、
    前記成形下型(60)の製品キャビティ(C)外周に表皮押え外枠(70)を配置するとともに、樹脂芯材(20)に木目込み溝(21)を形成するために設けられている成形下型(60)の凹溝(64)内に表皮保持用突起(80)を突設し、成形金型(40)内に表皮(30)をセットする際、表皮(30)の周縁端末(30a)を表皮押え外枠(70)上に載置する一方、表皮(30)の見切りライン(L)に沿う端末(31)を成形下型(60)の凹溝(64)内に収容し、成形上型(50)を所定ストローク下降操作して、成形上型(50)と、表皮押え外枠(70)及び凹溝(64)内の表皮保持用突起(80)とで表皮(30)の周縁端末(30a)並びに見切りライン(L)に沿う端末(31)を挟持し、表皮(30)の位置規制を行ないつつ、成形上下型(50,60)の製品キャビティ(C)内に溶融樹脂(M)を射出充填することにより、樹脂芯材(20)を所要形状に成形すると同時に、樹脂芯材(20)の表面の一部に表皮(30)を貼付するようにしたことを特徴とする部分表皮貼り樹脂成形品の成形方法。
  2. 所要形状に成形された樹脂芯材(20)の表面の一部に表皮(30)を貼付してなる部分表皮貼り樹脂成形品(10)を成形する成形金型(40)において、
    前記成形金型(40)は、所定ストローク上下動可能な成形上型(50)と、成形上型(50)の下方に位置する成形下型(60)と、両金型間で画成される製品キャビティ(C)内に溶融樹脂(M)を供給するために成形下型(60)に連設される射出機(61)と、表皮保持機構とから構成され、上記表皮保持機構は、成形下型(60)の製品キャビティ(C)外周に上下動自在に配置され、成形上型(50)と協働して、表皮(30)の周縁端末(30a)を挟持する表皮押え外枠(70)と、樹脂芯材(20)の木目込み溝(21)に対応して、成形下型(60)に凹溝(64)、成形上型(50)に凸条(52)がそれぞれ設けられており、上記凹溝(64)内に表皮(30)の見切りライン(L)に沿う端末(31)を保持するために設けられている表皮保持用突起(80)とからなることを特徴とする部分表皮貼り樹脂成形品の成形金型。
  3. 前記成形下型(60)における凹溝(64)内に設けられる表皮保持用突起(80)は、付勢スプリング(82)により常時上方向にバネ付勢されていることを特徴とする請求項2に記載の部分表皮貼り樹脂成形品の成形金型。
  4. 前記成形下型(60)における凹溝(64)内に設けられる表皮保持用突起(80)は、その上面が凹凸面(83)に設定され、表皮(30)の挟持力を高めたことを特徴とする請求項2に記載の部分表皮貼り樹脂成形品の成形金型。
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