JP2009268667A - 薬液噴霧投与装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬液を噴霧投与する際に、薬液貯留部の姿勢に関わらず、生体内の目的部位に確実に薬液を投与する。
【解決手段】薬液噴霧投与装置5は、薬液Aを貯留する薬液タンク10と、薬液タンク10から供給口6bを通して薬液を噴霧させる吐出口に移送するカテーテル6とを有する。薬液タンク10とカテーテル6の接続部には主電極12を設け、電圧を発生させる回路部15から副電極16を介して主電極12で薬液に電圧を印加する。薬液タンク10には薬液送液機構19の空圧タンク20と三方弁23を介して加圧気体を印加し、薬液をカテーテル6の吐出口に送液する。薬液タンク10内には薬液をその姿勢に関わらず供給口6bに接触して保持する多孔質構造の吸水体11を設け、吸水体11から薬液をカテーテル6の供給口に供給し、噴霧する。
【選択図】図2

Description

本発明は、薬剤を含む液体(以下、薬液という)を人間や動物等を含む生体の目的部位に噴霧投与する薬液噴霧投与装置に関する。
近年、治療等のために生体に薬液(治療薬液)を投与する考え方として、患部へ薬液を効率良く投与するためには、薬液を投与する必要のある部位に極力近い場所で投与を行なうことが好ましいという提案がなされている。現在、開発が進められている核酸医薬などでも、体内代謝分解による効能劣化を懸念して患部に薬液を局所投与することが考えられている。薬液を必要な場所にのみ必要な量を確実に投与することができて、患者への副作用を低減することが望まれている。
このような薬剤投与方法として例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された薬剤投与方法では、微粒子化治療薬を体内の標的部位、特に心臓の標的部位にデリバリーするためのカテーテルおよびカテーテルアセンブリーが開示されている。デリバリーされる微粒子化治療薬はエアゾル型またはドライパウダー型であり、超音速流を生み出すに足る付勢機構として、加圧ガス、真空、求心力、プランジャー、或いは電位の傾きを用いて治療薬を付勢し、カテーテル内の静止状態から標的部位に向けた移動状態へと治療薬を移行させる。これにより、微粒子化治療薬を体内の標的部位にデリバリーすることができる。
固形物/流体比の高い治療薬はデリバリー管腔を通過し難くなるため、場合により溶媒を使用して実用的な固形物/流体バランスを実現する必要がある。この場合、使用溶媒が標的部位に対して有害または治療薬と適合しないことがあるという問題が生じる。特許文献1に記載の方法では、付勢機構を用いることで、デリバリー管腔内の通過を容易にした治療薬を標的部位に効率的にデリバリーするとしている。
特に、付勢機構を電位の傾きとするカテーテルアセンブリーにおいては、アセンブリーはカテーテルを具備し、カテーテルは全長にわたる内腔、活性電極を含む近位端、および対極とノズルとを含む遠位端を有するとしている。
電気エネルギー源、例えば電池またはパルス発生器を具備し、それに活性電極と対極が接続され、帯電した治療薬は活性電極を経てデリバリーされて活性電極と対極の回路により形成される電位の傾きに沿って移動し、カテーテルのノズルを通って標的部位に至る。たとえばデリバリーされる治療薬がプラスに帯電している場合には、アノードが活性電極となりカソードが対極となって電気回路を完成させ、デリバリーされる治療薬がマイナスに帯電している場合には、カソードが活性電極となりアノードが対極とすることが開示されている。
特表2006−527023号公報
ところで、特許文献1に開示されている薬剤投与方法以外にも、例えば内視鏡を用いて薬液を患部に送達させることにより、患部周辺にのみ薬液を投与することが考えられる。いずれの場合でも、薬剤が薬液であると流動性が高いために薬液保持や送達の際に空気を巻き込まないように取り扱いに注意を要する。特許文献1では、薬剤を高分子でマイクロカプセル化する例等が提案されているが、手間がかかりコスト高になってしまう。
また、内視鏡等を用いて薬液投与する場合等では、内視鏡は患者の姿勢や患部の位置等により、内視鏡操作者によって操作部が操作し易い任意の姿勢に移動させることになるが、薬液タンクからカテーテルへ薬液を供給する際に空気を巻き込んだり薬液がカテーテルの供給口から外れると、薬液を十分患部に投与できないおそれがあった。そのため、内視鏡の操作位置や姿勢に関わらず、薬液タンクからカテーテルへの安定した薬液供給を行なって患部への薬液投与を実現することが必要である。また、内視鏡を用いない場合でも、患部の位置や場所等によって薬液噴霧投与装置の薬液タンクの姿勢を変更させるために、同様に薬液タンクの姿勢に関わらずカテーテルに安定した薬液供給を行い、スムーズな薬液投与を実現できることが要求される。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、薬液を噴霧投与する際に、薬液貯留部の姿勢に関わらず、生体内の目的部位に確実に薬液を投与することができる薬液噴霧投与装置を提供することを目的とする。
本発明による薬液噴霧投与装置は、薬液を噴霧投与して体内の目的部位に付着させる薬液噴霧投与装置において、薬液を貯留する薬液貯留部と、薬液に電圧を印加して帯電させる電圧印加部と、一端に薬液貯留部に接続された供給口を備えると共に他端側に薬液を噴霧させる吐出口を設けたカテーテルと、薬液貯留部に加圧気体を印加して薬液をカテーテルの吐出口に送液する薬液送液機構と、薬液貯留部内に設けられていて薬液貯留部の姿勢に関わらず薬液をカテーテルの供給口に接触または近接して保持する供給部とを備えていて、薬液送液機構からの加圧気体によって薬液貯留部内の供給部から薬液をカテーテルの吐出口に送液して噴霧するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、薬液貯留部内の供給部に薬液を保持させておき、薬液貯留部の姿勢や傾き等に関わらず薬液送液機構によって薬液貯留部内に加圧気体を印加することで供給部に保持される薬液がカテーテルの供給口に押し出されて吐出口まで送液され、しかも電圧印加部で帯電させられるため、薬液が吐出口から噴霧されると帯電した微粒子として分散され、目的部位に積極的に付着させることができる。
また、供給部は毛細管現象によって薬液を保持する多孔質の吸水体であってもよい。
薬液貯留部内の薬液は多孔質の吸水体によって毛細管現象によって保持されているから、薬液貯留部が傾斜したり上下反転した姿勢等であっても薬液を保持できる。そのため、薬液送液機構から印加される加圧気体によって、吸水体の多孔質内に保持される薬液はカテーテルの供給口に押し出されて吐出口まで確実に送液され、噴射される。
また、供給部は毛細管現象によって薬液を保持する微細流路であってもよい。
薬液貯留部の姿勢に関わらず微細流路に毛細管現象で保持された薬液は、薬液送液機構から供給される加圧気体によって微細流路からカテーテルの供給口に押し出され、カテーテルを送液されて吐出口から噴射される。
また、供給部は薬液貯留部内で薬液と気圧室を仕切ると共に薬液の貯留量の変化に追従する可動栓であってもよい。
薬液貯留部内に貯留された薬液は薬液貯留部の傾き等の姿勢に関わらず可動栓で気圧室と仕切られて保持されており、薬液送液機構から薬液貯留部内の気圧室に供給される加圧気体によって可動栓が薬液貯留部内を摺動することで、薬液貯留部内の薬液は供給口からカテーテルに押し出され、吐出口まで送液されて噴射される。
本発明による薬液噴霧投与装置によれば、薬液貯留部の姿勢によらず薬液貯留部内の供給部に薬液を保持することができるので、薬液送液機構から印加される加圧気体によって薬液は供給部からカテーテルの供給口に確実に押し出されて吐出口から薬液を噴霧投与することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の第一実施形態による薬液噴霧投与装置について図1乃至図4により説明する。図1は本発明の第一実施形態による薬液噴霧投与装置を内視鏡の鉗子栓に装着した状態を示す概略説明図、図2は薬液噴霧投与装置の要部構成図、図3は薬液噴霧投与装置から生体に吐出される薬液の噴霧微粒子が生体に到達する状態を示す説明図、図4はカテーテルの吐出口から薬液が噴霧される状態を示す図である。
図1において、内視鏡1の鉗子チャンネル2に設けた鉗子栓3には、本第一実施形態による薬液噴霧投与装置5が装着されている。薬液噴霧投与装置5に設けたカテーテル6は鉗子チャンネル2内に挿通されている。カテーテル6は柔軟性を有しており、カテーテル6の先端6aは鉗子チャンネル2の先端口2aから所定長さ突出している。なお、カテーテル6の先端6aは、鉗子チャンネル2の先端口2aと同一位置や内側に引っ込んだ位置に設けられていてもよい。
操作者は内視鏡1を操作しながら薬液噴霧投与装置5も操作できる。操作者は、内視鏡1により、生体表面の薬液を投与すべき目的部位である患部Kを確認しながら、鉗子チャンネル2の先端口2aを患部Kに対向させた後、カテーテル6の先端6aから薬液の噴霧微粒子を放出させる。鉗子チャンネル2の先端口2aや先端6a等に付着する体内粘液や組織小片等の体内異物は、後述する圧力空気の放出力により除去される。そのため、薬液噴霧が先端口2aやカテーテル6の吐出口7に付着する体内異物の影響を受けることが無く、噴射する薬液が吐出口7から垂れたり噴霧が不安定になったりすることはない。
次に、薬液噴霧投与装置5について図2乃至図4により説明する。
図2に示す薬液噴霧投与装置5において、カテーテル6は内部に例えば1つの流路7aを有するカテーテルである。
カテーテル6の材質は、例えば非導電性材料の四フッ化樹脂製(テフロン(登録商標)製)で柔軟な可撓性を有し、外径φ1.6mm、内径φ0.9mm、長さ850mmの細管である。また、生体内に挿入される先端6aには、薬液Aを噴霧する吐出口7が形成されている。吐出口7はカテーテル6内に設けた流路7aの先端に連通して配設されている。吐出口7の内径は例えばφ0.075mmとなる。なお、患部Kの種類や場所等、症例毎に使用する内視鏡1の長さが異なるため、それに合わせてカテーテル6の長さは選択される。
図2に示す薬液噴霧投与装置5は、内視鏡1の鉗子栓3に取り付けた筐体9内に薬液Aを貯留した薬液貯留部としての薬液タンク10が配設されている。この薬液タンク10の出口には、カテーテル6の薬液供給部としての供給口6bが接続されている。そのため、カテーテル6の流路7aは薬液タンク10に接続されている。
薬液タンク10は例えば透明な樹脂製であり、薬液タンク10内には薬液Aを吸収して保持する供給部としての吸水体11が設置されている。吸水体11は例えば略円柱形であり、その下部11aは薬液タンク10の底部に設けたカテーテル6の供給口6b付近に結合されている。吸水体11は例えば四フッ化樹脂製の多孔質構造を有しており、内部に薬液Aを毛細管現象によって保持するようになっており、表面に多孔質の開口を有している(図示せず)。
また、吸水体11は内部に毛細管現象を発揮する微細孔構造を有する多孔質体であれば、上記の円柱状多孔質構造に限定されるものではないが、耐薬品性を具備し、生体毒性を有しない材質が選定される。本実施の形態では、薬液タンク10の内径がφ5mm、吸水体11の外径はφ3mm程度の大きさを成し、内視鏡1の姿勢位置により、薬液タンク10が垂直方向に対して傾斜した斜めの姿勢や逆さまの姿勢になっても、薬液Aを吸水体11内に吸引保持して下部11aがカテーテル6の供給口6bに接触または若干の間隙を以て隣接して薬液タンク10の底部に固定された構成を有している。
また、薬液噴霧投与装置5には、薬液Aに電圧を印加して帯電させる電圧印加部17が設けられている。電圧印加部17は、カテーテル6と薬液タンク10底部との連結部近傍において、カテーテル6の流路7aの側部に固定された主電極12を備えている。また、電圧印加部17は、例えば電池等の電源14と、電源14に接続されていて電圧を発生させる回路部15と、回路部15及び主電極12の間に接続されていて主電極12に接触して電圧を印加する副電極16とを備えている。
主電極12は、導電性の金属製や導電性樹脂製や導電性膜が形成された樹脂製の円管形状をなし、内側の内径がカテーテル6に設けた薬液Aの流路7aの径と同一の大きさとなっている。主電極12は、薬液タンク10とカテーテル6との間で、内面が流路7aの薬液Aと液密に接触して配設されている。主電極12の内面下部には、段差部が形成されたカテーテル6の基端部が、液密に嵌合されている。このような構成において、電源14から回路部15に電圧が供給されると、この電圧が副電極16を通して主電極12に供給される。そして、主電極12は、供給口6bからカテーテル6の流路7aを流れる薬液Aに電圧を印加して帯電させる。
また、薬液タンク10と主電極12とカテーテル6は接着剤等により互いに強固に接合されている。そして、これらの接合された部材はディスポーザブル部品として着脱交換可能に構成され、使用後に廃棄される。
また、薬液噴霧投与装置5には、薬液送液機構19として、空圧タンク20と各種弁21、23と各種配管22、25とが備えられている。空圧タンク20では、逆止弁21を経由して図示しないディスポシリンジ等によって外部から空圧タンク20内に空気を繰返し注入し、空圧タンク内20の圧力を上昇させる。例えば、約0.5Mpa程度まで内部の圧力を上昇させる。そのため、空圧タンク20はその圧力に耐える金属製や高強度樹脂等により形成される。
空圧タンク20は配管22を介して例えばマニュアル駆動方式の三方弁23に配管接続されている。三方弁23は、薬液タンク10に空圧を供給する供給管25に接続されると共に、また大気圧開放配管26にも接続されている。供給管25は先端が針構造を有するようにテーパ形状を有している。また、供給管25が薬液タンク10の上部を閉鎖する蓋部としてのゴム栓28に気密に差し込まれることにより、供給管25と薬液タンク10の空気漏れが防止されるようになっている。供給管25のテーパ状先端は、図2に示す例では円柱状の吸水体11の上部11bに対向して位置している。
なお、薬液タンク10内に薬液Aを注入する際にも、このゴム栓28から注射針等を用いて注入される。或いは、薬液タンク10に薬液Aを注入した後にゴム栓28を閉蓋してもよい。よって、患部Kに投与が必要とされる薬液量は予め薬液タンク10内に保持されている。
三方弁23は通常位置の閉弁状態では配管22を閉弁すると共に、供給管25を大気圧開放配管26に連通させている。薬液タンク10内の空圧は、大気圧開放配管26を通して大気圧に保持されている。大気圧開放配管26は、例えばφ0.1mmの小さな配管径であり、薬液タンク10内の薬液Aがカテーテル6先端の各吐出口7から垂れない程度の圧力損失を発生させるような径や流路形状構造に形成されている。
そして、三方弁23には開閉用のボタン29が設けられており、ボタン29を指などで押し込むことにより、三方弁23は開弁して配管22を供給管25に連通すると共に、大気圧開放配管26を閉弁する。三方弁23が押されると、空圧タンク20内の空気が薬液タンク10内に供給されることにより薬液タンク10内の空気圧力が上昇する。すると、吸水体11内に保持されている薬液Aが毛細管を経由してカテーテル6の供給口6bに薬液Aを送液し、カテーテル6の流路7aを通して先端6aの吐出口7から薬液Aを吐出できる。
三方弁23の下部には弁認識スイッチ30が設けられている。この弁認識スイッチ30は、三方弁23の押圧を検出して電圧発生部となる回路部15から副電極16を介して主電極12に電圧を供給するものである。例えば、薬液タンク10の主電極12に+5kVの電圧が印加される。
三方弁23の作動は、例えば二段階に亘って行われることとしてもよい。具体的には、第一段の押圧で三方弁23を開弁して空圧タンク20内の空気圧力を薬液タンク10に印加し、第二段の押圧で弁認識スイッチ30をONして回路部15で主電極12に印加する電圧を発生させる。或いは、上述の構成に代えて、一段の押圧で空気圧力の薬液タンク12への印加と弁認識スイッチ30のONを行うようにしてもよい。
また、電源14は、例えば3V程度の電池電圧を内蔵された圧電トランスにより+5kVに昇圧する。副電極16は印加電圧を集中させるために印加方向に針形状を成したステンレス製の電極が好ましく、一般的な電気接触子の金メッキされたコンタクトプローブなどでもよい。
三方弁23のボタン29が操作者により動作されると、薬液Aがカテーテル6先端に供給されると共に薬液Aに5kVの電圧が印加され、吐出口7から薬液Aが静電霧化により噴霧される。
回路部15の内部には、高電圧の安全性対策として、図示しない高抵抗回路や過電流検出回路等が組み込まれている。高抵抗回路はスパークや生体への電撃を防ぐために、副電極16に保護用の高抵抗を直列に配置している。また、過電流検出回路は、電圧を印加したときに流れる電流を検出し、その数値が設定電流値以上になったときに電圧印加を停止する。
この他にも、高電圧の安全性対策として、内視鏡1の鉗子栓3近傍に装着認識スイッチ32が配設されている(図1、図2参照)。装着認識スイッチ32は、薬液噴霧投与装置5が鉗子栓3に装着されると、これを検出して電圧発生回路に電圧発生を許可する。言い換えると、内視鏡1の鉗子栓3に薬液噴霧投与装置5が装着されていないと三方弁23を操作しても電圧は印加されない。
また、例えば回路部15からは生体の一部と接触して0Vの電位になるグランドバンドGが筐体9の外部に引き出されている。本実施の形態では、グランドバンドGの他端は患者の指に接触している。
上述したように、薬液噴霧投与装置5において、薬液送液機構19と回路部15と電源14と弁認識スイッチ30と装着認識スイッチ32は筐体9内に内蔵されている。一方、薬液タンク10と主電極12とカテーテル6は外部から筐体9内に挿入して設置できる構成となっている。薬液Aを投与後は、薬液タンク10と主電極12とカテーテル6からなるディスポーザブル部品は筐体9から外されて廃棄され、新たなディスポーザブル部品が装着される。
なお、より安全性を高めるために、開閉式の透明樹脂製カバーを設置して主電極12を操作者等が直接触れないような構成を採用しても良い。
本実施形態による薬液噴霧投与装置5は上述の構成を備えており、次に薬液噴霧投与方法について説明する。
先ず、薬液Aが貯留された薬液タンク10を含むディスポーザブル部品を装着した薬液噴霧投与装置5を、図1に示すように、カテーテル6を鉗子チャンネル2内に挿通して内視鏡1の鉗子栓3に装着する。これを装着認識スイッチ32が検出して、電圧印加部17の回路部15で電圧を発生させることが可能になる。
次に、内視鏡1の鉗子チャンネル2の先端部を患者の体内に挿入し、内視鏡1で患部Kの位置を特定して鉗子チャンネル2の先端開口2aとカテーテル6の吐出口7を対向させて位置決めする。そして、図2において、ボタン29を押して三方弁23を開弁させることで、薬液送液機構19における空圧タンク20の配管22を薬液タンク10の供給管25に連通すると共に、大気圧開放配管26を遮断する。これによって薬液タンク10の内圧を空圧タンク20の内圧まで昇圧させる。
薬液タンク10の昇圧によって、薬液タンク10内の薬液Aがカテーテル6の供給口6bから流路7aを通ってカテーテル6先端の吐出口7に向けて搬送される。
ここで、薬液タンク10内には、カテーテル6の供給口6bに接触してまたはその近傍に吸水体11の下部11aが設けられているから、空圧タンク20からの加圧空気により、吸水体11内の薬液Aが供給口6bからカテーテル6の流路7a内に移動させられる。これにより、内視鏡1の姿勢差即ち薬液タンク10の姿勢差によらず、カテーテル6先端の吐出口7に空気を含まずに薬液Aを供給することができる。よって、内視鏡1の操作者は薬液タンク10内の薬液Aがカテーテル6の供給口6bに接しているか否か、或いは薬液Aの水面位置を気にすることなく、薬液Aの患部Kへの投与に集中することができる。また、薬液Aを噴霧投与中に薬液補給が滞り患部Kへの薬液投与が中断されることも防止できる。
また、吸水体11を含む薬液タンク10とカテーテル6等はディスポーザブル部品として交換可能であるから、常に清浄度の高い新品の状態で使用される。薬液タンク10の内部はガンマ線滅菌等により容易に滅菌できることは言うまでもない。
また、薬液タンク10は透明であり、吸水体11は薬液タンク10内径よりも細い円柱状に形成されているため、正立状態では薬液Aの残量(液面)を目視にて確認することもできる。
次に、ボタン29を更に押圧して三方弁23を更に押し込むことで、これを弁認識スイッチ30で検知し、回路部15で電圧を発生させる。回路部15で電圧が発生すると、この電圧は副電極16を介して主電極12に供給され、薬液タンク10から送られた薬液Aは、主電極12の内側を通過する際に帯電させられ、カテーテル6に送られる。そしてカテーテル6の流路7を通って吐出口7から吐出される薬液Aは薬液タンク10の昇圧によって患部Kに向けて吐出される(図3,4参照)。
ここで、図3及び図4により、吐出口7から噴射される薬液Aの挙動について詳述すると、吐出口7から吐出される薬液Aは患部Kに向かうに従って漸次減速する。流速が所定の大きさ以下になると薬液Aの先端に電圧が集中し、薬液A表面に働く静電気力によって電気流体力学的に不安定になり、多数の微粒子に分散されて噴霧を発生する。しかも、薬液Aの液面の電荷密度が臨界値に達していて細い液糸が引き出され、その細い液糸の先端から薬液Aが多数の微粒子に分裂する現象が始まる。微粒子となった薬液Aは個々に帯電しているため、同じ薬液A同士ではお互いに反発を繰返し、さらに小さな粒子に分裂して噴霧状態になる。
なお、本実施形態は、カテーテル6の細い内径の流路7aを噴霧微粒子状態の薬液Aを送気するものではなく、薬液Aは液体の状態で送液されて吐出口7から噴射される。
噴霧されて微粒子化された薬液Aは、例えば+側(例えば+5kV)に帯電しており、一方で生体表面は0Vである。そのため、微粒子化され且つ帯電した薬液Aは生体表面との電位差によって生体表面に向かう複数の電気力線に沿うように移動し、電気力線が形成された範囲の生体表面である患部Kに積極的に付着する。よって、吐出口7から薬液Aが垂れたり、噴霧された薬液Aが生体表面で跳ね返って舞い上がったりすることや空間中を漂うことはなくなる。
このため噴霧された薬液Aが生体表面に到達後、跳ね返って舞い上がることや空間中を漂うことは無く確実に患部Kに電気的に吸引され、薬液Aを投与することができる。
つまり、生体内の目的部位である患部Kにのみ、選択的に薬液Aを投与することができる。また、内視鏡1の鉗子チャンネル2内にカテーテル6を挿通した場合には、患部Kを観察して患部Kを認識しながら薬液Aを所定量投与することができる。
また、吐出口7を患部Kに接近させることにより投与面積を小さくでき、離間させることで投与面積を大きくすることができる。言い換えると、吐出口7を患部Kに接近させることにより単位面積当りの投与量を増やすことができ、離間させると単位面積当りの投与量を少なくすることができる。
また、薬液によっては、泡立ちやすいものや分散粒子が含有されているものがある。ネブライザーなどに使用される超音波霧化原理では、泡立ちやすい薬液は超音波の伝播を阻害するため、しばしば霧化を停止させることとなる。また、超音波霧化原理の内、噴霧粒子の微細化のために、数μmの微細穴メッシュを使用するものは、分散粒子が含有されている液体を霧化させる際にメッシュが詰まり、霧化を停止させることとなる。これに対し、本実施の形態による静電霧化方式では、泡立ちやすい薬液や分散粒子を含有する薬液も容易に噴霧投与することができる。
例えば、薬液の導電率が1×10-10〜1×10-1(S/m)の範囲では、電圧発生用の回路部15から供給される印加電圧の上昇に伴い薬液の噴霧粒子径をより小さくすることができる。さらに、吐出口7の穴径を小さくすることにより、薬液の噴霧粒子径を小さくすることができる。
例えば、蒸留水(導電率1×10-6)、吐出径φ0.075mm、印加電圧+5kV、送液速度0.3mL/分の場合、噴霧粒子径が8〜20μmの分布を有する噴霧が得られる。
噴霧される薬液は印加電圧が+側極性の場合は、+側極性に帯電した噴霧粒子となり、印加電圧が−側極性の場合は、−側極性に帯電した噴霧粒子となる。一般に生体は0Vまたはその近傍(グランド側)になっているため、+側極性、または−側極性に帯電した噴霧粒子を発生させると、積極的に生体表面に付着させることができる。これに対して、帯電していない薬液の噴霧粒子の場合、微小な液滴が自身の表面張力により球状形状を維持しようとする力が働く。その力は小さい粒子ほど強く作用するために、生体表面に噴霧されても付着せずに舞い上がるドライフォグ現象が発生し易い。薬液を投与する場合、その投与量は正確に管理すべき項目であるため、患部に積極的に付着できる帯電噴霧微粒子のほうが、患部Kへの投与量を正確に管理することができる。
特に、呼吸器系の肺や肺胞などに薬液投与を行なう場合、帯電していない薬液噴霧微粒子は呼吸の吐き出しにより口から排出され易い。このため、吸入療法等で使用されるネブライザーなどは、吸い込み時に合わせて薬液を噴霧するなどの呼気と連動した薬液噴霧動作が必要とされてきた。しかし、帯電した薬液噴霧微粒子を用い、さらに肺の目的部位の患部Kに接近して投与すれば、呼吸の吐き出しに関わらず薬液を目的位置に付着させることができる。
また、薬液タンク10内に貯留された薬液Aは、略円柱状の吸水体11に吸着されて保持されていると共に、吸水体11の下部11aはカテーテル6の供給口6bに接触または近接する位置に固定されているから、薬液送液機構19から供給される空気圧力によって吸水体11からカテーテル6内に押し出される。これにより、内視鏡1または薬液タンク10が垂直面に対して傾斜したり逆さまに保持された状態であっても、吐出口7から確実に薬液Aを噴霧投与することができる。また、吸水体11に未吸着状態の薬液Aがあっても、吸水体11からカテーテル6への薬液Aの押し出しが進むにつれて未吸着状態にあった薬液Aが吸水体11の多孔質に吸着されるので、薬液Aの全量を吐出できる。
そして、薬液タンク10内の薬液A全量を噴霧投与して投与を完了した場合、三方弁23を元の位置に戻し、回路部15による電圧印加を停止して薬液Aの送液を停止する。これにより、薬液タンク10内の残圧が大気圧開放配管26から排出され、大気圧に戻される。そして、使用済みの薬液タンク10とカテーテル6を含むディスポーザブル部品を薬液噴霧投与装置5から取り出す。或いは、薬液噴霧投与装置5を鉗子栓3から取り外す。
なお、投与すべき薬液Aが1種類でなく2種類以上ある場合、まず1種の薬液Aを噴霧投与した後、薬液噴霧投与装置5を鉗子栓3に装着したまま、薬液タンク10と主電極12とカテーテル6を備えたディスポーザブル部品を交換し、新たな薬液タンク10に貯留された別種の薬液Aの電気的特性(溶液内イオン化特性)に応じて、任意の極性を選択するようにしてもよい。
以上述べたように、本実施形態による薬液噴霧投与装置5によれば、薬液Aの送液中にいずれかの極性の印加電圧を与えると、+側極性に帯電した噴霧微粒子または−側極性に帯電した噴霧微粒子を選択的にカテーテル6の吐出口7から噴霧させることができる。しかも薬液タンク10内の薬液Aは略円柱状の吸水体11に吸着保持され、吸水体11の下部11aはカテーテル6の供給口6bに接触または近接する位置に固定されているから、内視鏡1または薬液タンク10の姿勢に関わらず、薬液タンク10内の薬液Aがカテーテル6の供給口6bから外れることなく或いは空気を巻き込むことなく、吸水体11を介して確実に全量をカテーテル6へ供給して吐出口7から噴霧できる。薬液タンク10を透明にしたことで薬液Aの残量を目視確認できる。
また、薬液噴霧投与装置5において、回路部15による印加電圧の大きさを変えることにより、噴霧微粒子径を可変できるため、目的部位である患部Kに合わせて最適な噴霧微粒子径を選択できる。また、三方弁23の操作に応じて、吐出口7からの送液及び電圧印加が瞬時に開始及び停止され、患部Kに必要な時にだけ必要とされるタイミングを選択して、薬液Aを噴霧投与することができる。
また、回路部15と生体の一部とをグランドバンドG等により接触させると、より生体が0Vの電位となるため、確実に付着させる作用を向上させると共に、生体自身が帯電した噴霧微粒子を受け取ることによる+極性側電位又は−極性側電位になることを防止でき、安全性を向上できる。
なお、生体への安全性を加味すると、回路部15の過電流検出回路等における電圧は約100μA以下、望ましくは10μA以下に設定されることが望ましい。また、薬液噴霧は電界によるため消費電力は少なく、電池等を電源14として噴霧することができる。
なお、本発明による薬液噴霧投与装置は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上述の実施の形態では、薬液Aに電圧を印加する位置は薬液タンク10とカテーテル6との間に設定したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、薬液Aに接触できる場所であればよい。例えば、主電極12は薬液タンク10の内部に設置されていてもよく、或いはカテーテル6の内部に挿通設置された微細線であっても良い。
次に、本発明の他の実施形態について添付図面により説明するが、上述した実施形態と同一または同様の部分、部材には同一の符号を用いてその説明を省略する。
本発明の第二の実施の形態を図5により説明する。
第一の実施の形態と異なる部分のみ説明する。
本実施形態による薬液噴霧投与装置40では、薬液タンク10内に設けた吸水体41は薬液タンク10の内面形状に対応しており、内面に内接した大きさの形状とされている。薬液タンク10の内面形状が例えば図5に示すように瓶を上下逆さまにした概略形状であるとして、吸水体41はほぼ同一形状とされている。そして、薬液タンク10の内面上部にはゴム栓28と吸水体41上面との間に若干の間隙が形成されている。
このような構成を備えているため、投与前に薬液Aを薬液タンク10内に注入すると全量が吸水体41内の多孔質に毛細管現象によって保持される。
本実施形態による薬液噴霧投与装置40によれば、第一の実施の形態による薬液噴霧投与装置5と同様に、内視鏡1の姿勢や薬液噴霧投与装置40の姿勢によらず、薬液タンク10内の薬液Aをカテーテル6の供給口6bから吐出口7へ供給することができる。第一実施形態と比較して吸水体41の体積が大きくなったことにより、投与前に薬液全量を吸水体41で保持することができる。そのため、内視鏡1の位置や傾きを操作者が全く意識しなくても良く、より確実に薬液噴霧投与を行なうことができる。
次に本発明の第三の実施の形態による薬液噴霧投与装置を図6により説明する。
本実施形態においても第一の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図6に示す薬液噴霧投与装置45では、薬液タンク10内に供給部として微細な流路がジグザグ状またはクランプ状に形成された微細流路47が設けられており、この微細流路47は薬液タンク10の内面と同一形状とされている。
図6に示すように、微細流路部47は、薬液タンク10の上部を閉塞するゴム栓28に供給管25の先端が貫通して位置する空間としての圧力供給部47aと、カテーテル6の供給口6bに接触する薬液供給部47bと、圧力供給部47a及び薬液供給部47bを結ぶジグザグ状をなすより微細な流路部47cと、で構成されている。この薬液タンク10内に貯留された薬液Aは毛細管現象によって微細流路47内に薬液Aを移動し、更に空圧タンク20からの圧力空気によって微細流路47内を薬液供給部47bに押し出されてカテーテル6内に進入することになる。
本実施の形態における供給部として、ジグザグ状またはクランプ状の微細流路47を開示しているが、これに限らず毛細管現象でカテーテル6の供給口6bに移動可能であれば、螺旋状やスパイラル状等の微細流路であっても良い。さらに、微細流路47の長手方向に直交する流路断面形状としては例えば円流路や矩形流路等が望ましい。
薬液タンク10内に注入された薬液Aは微細流路47内に進入すると、毛細管現象により、微細流路47内部に薬液Aを保持し、空圧によりカテーテル6の吐出口7に薬液Aを供給することになる。
本実施形態によれば、第一の実施の形態と同様に、内視鏡1の姿勢によらず、薬液タンク10内部の薬液Aを毛細管現象によって微細流路47に保持することができるので、この状態で加圧気体を供給することによって薬液Aをカテーテル6の吐出口7に供給することができる。しかも、薬液送液機構19の空圧タンク20から三方弁23及び供給管25を通して薬液タンク10の圧力供給部47aに加圧空気を印加することで、微細流路47内の薬液Aは全量が確実に供給口6bからカテーテル6内に押し出される。そのため、カテーテル6の吐出口7から薬液A全量を静電霧化によって噴霧でき、帯電された噴霧微粒子を電気力線に沿って患部Kに積極的に付着させる。
上述のように、本実施形態による薬液噴霧投与装置45は、薬液A全量を微細流路47内に保持することができ、内視鏡1や薬液噴霧投与装置5の傾きや位置に関わらず、操作者は傾き等を全く意識しなくても良く確実に薬液Aの噴霧投与を行なうことができる。
次に本発明の第四の実施の形態による薬液噴霧投与装置を図7により説明する。
本実施形態においても第一の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図7に示す本第四実施形態による薬液噴霧投与装置50では、薬液タンク10はゴム栓28が開閉式の蓋部を構成しており、薬液タンク10本体の上部開口と分離・結合できる構成となっている。ゴム栓28を薬液タンク10本体から開放して、内部に所定量の薬液Aを注入した後、薬液Aに接触しても劣化したり溶解・分離したりしない材質からなる可動栓51を供給部として薬液タンク10の内部に嵌め込む。そして、薬液タンク10の上部開口にゴム栓28を結合して気密に閉鎖させる。
ここで、図7に示すように、薬液タンク10の内面10aは例えば略円筒形状とされ、その下部内面10bは略円錐台形状となるように内径が漸次小さくなっており、その下端部には略円筒状の主電極12が液密に連結されている。主電極12の内側にはカテーテル6の薬液Aの流路7aと同一径の小径内面とカテーテル6(のさや管)を液密に嵌合させる大径内面とからなる段部が形成されている。
ここで、可動栓51は薬液タンク10の内面10aと同一外径を有しており、例えばシリコンゴムやテフロン(登録商標)ゴム等の生体安全性の高い材質にて形成されている。可動栓51は例えば2重の円盤形状を成し、薬液タンク内面10aの内径と可動栓51の外径が密接しており、気体圧力により薬液タンク内面10aを移動し、薬液Aをカテーテル6方向に移動できる。
可動栓51を設置後、薬液タンク10のゴム栓28が閉蓋される。薬液タンク10は可動栓51によって下側の薬液Aと上側の気圧室52とに分離される。
従って、本第四実施形態によれば、内視鏡1に薬液噴霧投与装置50を設置後、薬液タンク10内に薬液Aを供給してゴム栓28を閉蓋する。そして、可動栓51とカテーテル6の供給口6bとの間に混入・残存した空気を、空圧タンク20から供給される加圧空気により可動栓51を下方に移動させることにより、カテーテル6の吐出口7から追い出す。これにより、薬液タンク10の円筒状内面10aと下部内面10bにおける可動栓51の下方領域とカテーテル6内には薬液Aしか存在しないように予め設定する。
この状態で、薬液タンク10内においては空圧タンク20からの空気圧が印加された気圧室52と薬液Aとが可動栓51により分離されている。そして、押圧される三方弁23によって空圧タンク20から薬液タンク10内の気圧室52に印加される空気圧力によって、内部の可動栓51がカテーテル6方向に押されることにより薬液Aを押し出して供給口6bからカテーテル6の吐出口7まで供給し、噴射させる。その際、内視鏡1や薬液噴霧投与装置50の姿勢が傾斜していたり逆さまであったとしても、薬液Aの吐出に全く影響を与えることがない。
ところで、第四実施形態による薬液噴霧投与装置50では、可動栓51は円盤形状であるため、薬液タンク10の下部内面10bの円錐台形状部分に薬液Aが残存する可能性がある。図8に示す変形例による可動栓53では、薬液タンク10の内面10aと同一径を有する円盤部53aと、下部内面10bと同一形状をなす突起部53bとで形成されている。
そのため、薬液送液機構19の空圧タンク20から薬液タンク10の気圧室52に加圧空気が供給されて可動栓53が円筒状の内面10aの下端まで到達すれば、突起部53bが下部内面10bに密着することになるから、薬液タンク10内に薬液Aが残留することなく全量をカテーテル6内に移送できる。
第三、第四実施形態の場合も、薬液タンク10を少なくとも一部透明に形成することで、薬液Aの残量を目視確認できる。
なお、上述した各実施形態による薬液噴霧投与装置5,40,45,50では、カテーテル6の吐出口7から静電霧化により薬液を噴霧するようにしたが、本発明はこのような装置に限定されることなく、例えば吐出口7から吐出する薬液Aについて吐出口7の内径と略同一径を有する略円柱状の噴流柱Wを形成させて、その後に噴霧させるようにした薬液噴霧投与装置にも適用できる。
噴流柱Wを形成させることによって、内視鏡1における鉗子チャンネル2の先端口2aやカテーテル6の吐出口7等に体内粘液や組織小片等の体内異物が付着していても、吐出口7から噴射される薬液Aの噴流柱Wによって除去できる。
そのため、その後の薬液噴霧が先端口2aやカテーテル6の吐出口7に付着する体内異物の影響を受けることが無く、噴射する薬液が吐出口7から垂れたり噴霧が不安定になったりすることはない。
例えば第一実施形態による薬液噴霧投与装置5において、図9に示すように吐出口7から噴射する薬液Aに噴流柱Wを形成させるためには、薬液送液機構19から薬液タンク10に印加される気体圧力を高く設定して、薬液Aを送液することによって実現できる。その際、カテーテル6先端の吐出口径やカテーテル長さやカテーテル材質の撥水性特性や薬液Aの液体特性(粘度や比重や接触角等)に応じて使用される気体圧力は異なるが、薬液噴霧投与装置5のカテーテル6においては0.2MPa程度の送液圧力により、噴流柱Wを形成できる。
さらに、吐出口径を小さくしたり、カテーテルを長くしたりする場合には、液体送液時の圧力損失が大きくなり、噴流柱Wが形成しづらくなる。この場合には、薬液送液のための気体圧力を増加させることにより噴流柱Wを形成し、体内異物を除去する。
なお、上述の各実施形態では、内視鏡1に薬液噴霧投与装置5,40,45、50を搭載した例について説明したが、本発明は必ずしも内視鏡1に用いる薬液噴霧投与装置に限定されるものではない。例えばのど等、体内の患部Kに体外等から薬液噴霧投与装置5,40,45、50を単独で用いて薬液Aを投与することもできる。
また、本発明においては薬液送液機構19として、必ずしも空圧タンク20や三方弁23は必要としない。この場合、シリンダ等で供給管25の内圧を圧縮して加圧気体を薬液タンク10等に印加すればよい。
本発明の第一実施形態による薬液噴霧投与装置を内視鏡に適用した場合の全体構成を示す図である。 第一実施形態による薬液噴霧投与装置の要部構成を示す説明図である。 薬液噴霧投与装置のカテーテルから噴霧された薬液の微粒子が患部に到達する状態を示す説明図である。 カテーテルの先端に設けた吐出口から噴霧される薬液を示す説明図である。 本発明の第二実施形態による薬液噴霧投与装置の要部構成を示す説明図である。 本発明の第三実施形態による薬液噴霧投与装置の要部構成を示す説明図である。 本発明の第四実施形態による薬液噴霧投与装置の要部構成を示す説明図である。 第四実施形態による薬液噴霧投与装置の変形例による可動栓を示す薬液タンクの断面図である。 吐出口から吐出する薬液が噴流柱を形成する状態を示す薬液噴霧投与装置の変形例を示す部分図である。
符号の説明
1 内視鏡
5、40、45、50 薬液噴霧投与装置
6 カテーテル
7 吐出口
10 薬液タンク
11、41、46 吸水体
12 主電極
14 電源
15 回路部
16 副電極
17 電圧印加部
19 薬液送液機構
20 空圧タンク
30 弁認識スイッチ
47 微細流路
51、53 可動栓
K 患部
G グランドバンド

Claims (4)

  1. 薬液を噴霧投与して体内の目的部位に付着させる薬液噴霧投与装置において、
    薬液を貯留する薬液貯留部と、
    薬液に電圧を印加して帯電させる電圧印加部と、
    一端に前記薬液貯留部に接続された供給口を備えると共に他端側に薬液を噴霧させる吐出口を設けたカテーテルと、
    前記薬液貯留部内に加圧気体を印加して薬液を前記カテーテルの吐出口に送液する薬液送液機構と、
    前記薬液貯留部内に設けられていて該薬液貯留部の姿勢に関わらず薬液を前記カテーテルの供給口に接触または近接して保持する供給部とを備えていて、
    前記薬液送液機構からの加圧気体によって前記薬液貯留部内の供給部から薬液を前記カテーテルの吐出口に送液して噴霧するようにしたことを特徴とする薬液噴霧投与装置。
  2. 前記供給部は毛細管現象によって薬液を保持する多孔質の吸水体である請求項1に記載された薬液噴霧投与装置。
  3. 前記供給部は毛細管現象によって薬液を保持する微細流路である請求項1に記載された薬液噴霧投与装置。
  4. 前記供給部は薬液貯留部内で薬液と気圧室を仕切ると共に薬液の貯留量の変化に追従する可動栓である請求項1に記載された薬液噴霧投与装置。
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