JP2009268526A - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液透過性表面シート30と液不透過性シート11との間に吸収体56が介在されたおむつに対して、液不透過性シート11の表面側に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質40を含有させるにあたり、温度変化物質40を、その表面側及び裏面側にそれぞれ位置する表面側部材58及び裏面側部材56間に挟むとともに、その一部を表面側部材58及び裏面側部材56に枠状に融着し、且つ残部を表面側部材及び裏面側部材に融着せずに、枠状融着部分41により囲まれる部分に移動可能な状態で封じ込めるようにする。
【選択図】図6
Description
この代表的なものが、ソルビトール等のように尿等の水分との接触により温度変化をもたらす物質の利用である(例えば特許文献1、2参照)。特許文献1記載の技術では、ソルビトール等の温度変化物質を含む部材を、吸収要素の身体側に配置することが提案されている。また、特許文献2記載の技術では、浸透性層と不浸透性層との間にソルビトール等の温度変化物質を挟んでなる要素を、吸収性コア上に配置することが提案されている。
この問題点を解決する方法として、吸収性物品内部の適宜の部材に温度変化物質を融着することが考えられたが、温度変化物質が融着した部分は硬くなり、吸収性物品の柔軟性を損ねるおそれがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、柔軟性を損ねずに温度変化物質の移動を防止することにある。
<請求項1記載の発明>
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、表面側に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品において、
前記温度変化物質は、その表面側及び裏面側にそれぞれ位置する表面側部材及び裏面側部材間に挟まれるとともに、その一部が前記表面側部材及び裏面側部材に融着し、且つ残部が前記表面側部材及び裏面側部材に融着しておらず、
前記温度変化物質の融着部分が枠状をなすとともに、その枠状融着部分により囲まれる部分に前記非融着の温度変化物質が封じ込められている、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品。
表面側部材及び裏面側部材に融着する枠状融着部分の内側は、表裏方向は表面側部材及び裏面側部材により囲まれ、周囲は枠状融着部分により囲まれているため、その内側に配置された温度変化物質は融着してなくても、枠状融着部分の範囲内でしか移動できない。よって、温度変化物質の移動を抑制され、所期の温度変化が発生するようになる。しかも、温度変化物質の融着部分は枠状であるため、全体を面状に融着するよりも格段に柔軟となり、温度変化物質の融着による硬質化も抑制することができる。
前記枠状融着部分が多数配列されて格子状パターンをなしており、且つこの格子状パターンは、前記温度変化物質の融着部及び非融着部が交互に列なる点線状の融着線からなり、各交差位置において少なくとも一方の融着線が不連続となっているパターンである、請求項1記載の使い捨て吸収性物品。
温度変化物質の融着部分をこのようなパターンで設けることにより、温度変化物質の融着部分が不連続となることにより、融着部分による硬質化がより一層軽減されるようになる。
前記温度変化物質として、相対的に融点が高い高融点温度変化物質と、相対的に融点が低い低融点温度変化物質とを含有しており、前記枠状融着部分が前記低融点温度変化物質の融着により形成され、且つ前記枠状融着部分により囲まれる部分に前記高融点温度変換物質が前記非融着の温度変化物質として封じ込められている、請求項1又は2記載の使い捨て吸収性物品。
融点の異なる温度変化物質を用い、低融点温度変化物質により枠状融着部分を形成し、その内側に高融点温度変化物質を配置することで、製造に際して枠状融着部分の形成が容易となる。
前記表面側部材が、前記表面シートと前記吸収体との間に配置された第1の液透過性シートであり、前記裏面側部材が前記第1の液透過性シートと前記吸収体との間に配置された第2の液透過性シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
温度変化物質は水分との接触により温度変化をもたらすものであるため、表面側部材及び裏面側部材が本項記載の部位に設けられていると、第1に水分との接触効率が高く、第2に温度変化した水分が肌により近い部位に保持され、第3に温度変化物質がじかに肌に触れないようになる。また、表面側部材及び裏面側部材が本項記載のように表面シートや吸収体とは別に設けられていると、表面側部材及び裏面側部材の素材選択の自由度が増すという利点がある。
前記表面側部材が前記表面シートであり、前記裏面側部材が前記表面シートの裏面側に隣接配置された液透過性セカンドシートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
温度変化物質は水分との接触により温度変化をもたらすものであるため、表面側部材及び裏面側部材が本項記載の部位に設けられていると、第1に水分との接触効率が高く、第2に温度変化した水分が肌により近い部位に保持され、第3に温度変化物質がじかに肌に触れないようになる。また、表面側部材及び裏面側部材が本項記載のように表面シートとその裏面側に隣接配置された液透過性セカンドシートであると、資材の増加を抑えることができるという利点がある。
前記吸収体が包装シートにより包まれており、前記表面側部材が前記包装シートにおける前記吸収体の表面側に位置する部分であり、前記裏面側部材が前記吸収体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
温度変化物質は水分との接触により温度変化をもたらすものであるため、表面側部材及び裏面側部材が本項記載の部位に設けられていると、第1に水分との接触効率が高く、第2に温度変化した水分が肌により近い部位に保持され、第3に温度変化物質がじかに肌に触れないようになる。また、表面側部材及び裏面側部材が本項記載のように包装シート及び吸収体であると、資材の増加を抑えることができるとともに、両部材の間から温度変化物質が零れ出ても、包装シート内に止めることができるという利点がある。
前記吸収体として、表面側吸収体とその裏面側に重なる裏面側吸収体とを有しており、前記表面側部材が前記表面側吸収体であり、前記裏面側部材が前記裏面側吸収体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
表面側部材及び裏面側部材が本項記載のように吸収体であると、資材の増加を抑えることができるとともに、吸収した液分に対して温度変化を持続的にもたらすことができるという利点がある。
前記表面側部材が、一枚のシートを折り畳んで形成された層構造物における表面側層であり、前記裏面側部材が前記表面側層の裏面側に隣接配置された裏面側層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
このような構造を採用することにより、層構造物の端部におけるシートの折り返し部分が温度変化物質の移動を遮断し、当該端部からの温度変化物質の零れ落ちを防止することができるとともに、資材管理が容易となる、製造設備が簡素となる等の利点ももたらされる。
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
前記温度変化物質を所定の表面側部材及び裏面側部材間に挟んだ状態で、枠状のエンボスパターンで且つ前記温度変化物質が溶融する温度でヒートエンボス加工を施す工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。
このような工程を採用することにより、前述の請求項1記載の発明と同様の特徴を有する吸収性物品を、簡単に製造することができる。また、この方法は製造ラインによる連続製造にも好適である。
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
所定の表面側部材及び裏面側部材のいずれか一方における対向面上に、前記温度変化物質の溶融液を枠状に塗布するとともに、その少なくとも枠の内側に粒子状の温度変化物質を配置した後、その上に他方の部材を重ね、前記溶融液を接着剤として前記表面側部材及び裏面側部材を接着する工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。
このような工程を採用することにより、前述の請求項1記載の発明と同様の特徴を有する吸収性物品を、簡単に製造することができる。また、この方法は製造ラインによる連続製造にも好適である。
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
所定の表面側部材及び裏面側部材のいずれか一方における対向面上に、前記温度変化物質の溶融液を第1の方向に間隔を空けた複数位置において、第1の方向と交差する第2の方向に沿って線状に塗布するとともに、その少なくとも塗布線間に粒子状の温度変化物質を配置した後、その上に他方の部材を重ね、前記溶融液を接着剤として前記表面側部材及び裏面側部材を接着し、しかる後、前記温度変化物質が溶融する温度で、第2の方向に間隔を空けて第1の方向に沿う線状のヒートエンボス加工を施す工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。
このような工程を採用することにより、前述の請求項1記載の発明と同様の特徴を有する吸収性物品を、簡単に製造することができる。また、この方法は製造ラインによる連続製造にも好適である。
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
所定の表面側部材及び裏面側部材の間に、相対的に融点が低い低融点温度変化物質を枠状に配置するとともに、その枠の内側に相対的に融点が高い高融点温度変化物質を配置した状態で、前記低融点温度変化物質が溶融し且つ前記高融点温度変化物質が溶融しないように加熱する工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。
このような工程を採用することにより、前述の請求項1記載の発明と同様の特徴を有する吸収性物品を、簡単に製造することができる。また、この方法は製造ラインによる連続製造にも好適である。
前記表面側部材及び裏面側部材は連続帯状をなしており、これらを所定方向に搬送しながら前記工程を行った後、前記表面側部材及び裏面側部材をMD方向に所定の間隔を空けて切断するのと同時に、その切断端部にCD方向に沿う線状のヒートエンボス加工を施す、請求項9〜12のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品の製造方法。
製造ラインによる連続製造を行う場合、資材は連続帯状で供給し、枠状融着部分の融着後にMD方向に所定の間隔で所定寸法に切断するのが好ましい。しかし、この場合、切断端部から温度変化物質が零れ落ちるおそれがある。よって、本項記載のように、切断と同時に切断端部にCD方向に沿う線状のヒートエンボス加工を施し、表面側部材及び裏面側部材を切断端部でシールするのが好ましい。これにより、切断端部から温度変化物質が零れ落ちる量を低減することができる。
前記表面側部材及び裏面側部材は連続帯状をなしており、これらを所定方向に搬送しながら前記工程を行い、MD方向に間隔を空けてCD方向に沿う線状の温度変化物質の融着部分を形成した後、前記表面側部材及び裏面側部材をMD方向に所定の間隔を空けて切断する方法であって、
前記切断位置のMD方向一方側及び他方側にそれぞれ隣接する、CD方向に沿う線状の温度変化物質の融着部分間の間隔を、他のCD方向に沿う線状の温度変化物質の融着部分間の間隔よりも狭くする、
請求項9〜12のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品の製造方法。
前述したように、資材は連続帯状で供給し、枠状融着部分の融着後にMD方向に所定の間隔で所定寸法に切断する場合において、MD方向に間隔を空けてCD方向に沿う線状の温度変化物質の融着部分を形成する場合は、そのCD方向融着部分のMD方向間隔を、切断位置を挟むCD方向融着部分のみ狭くすることにより、切断端部から温度変化物質が零れ落ちる量を低減することができる。
<パンツ型使い捨ておむつの基本構造例>
図1〜図9は、パンツ型使い捨ておむつの一例を示している。各図において、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側と背側とを重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った状態で胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bは、図4及び図5にも示すようにシート状資材12,12を2枚貼り合せてなるものであり、内側に位置する内側シート状資材12はウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側に位置する外側シート状資材12は内側シート状資材12のウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在され、対向面にホットメルト接着剤等により固定されている。シート状資材12としては溶着により接合できるものであれば特に限定されないが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えている。液不透過性シート11の裏面側には、内装体200の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シート12Mを固定することもできる。また、表面シート30と吸収要素50との間に、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるセカンドシート44(図11参照)を設けることもできる。さらに、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に、身体側に起立するバリヤーカフス60,61を設けることができる。なお、図示しないが、内装体200の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビードまたはスパイラル塗布などにより、適宜相互に固定することができる。また、内装体200は、メカニカルファスナーや粘着材を用い、外装シート12F,12Bに対して着脱自在に取り付けることもできる。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。特に、表面側からの温度変化を感知し易くするため、スパンボンド法やSMS法により加工された不織布が薄さと強度のバランスに優れる点で好適であり、エアスルー法により加工された不織布は低坪量でも吸収が速やかでかつさらっと感に優れるため好適である。
前述のとおり、表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、セカンドシート44(図11参照)を設けることができる。このセカンドシート44は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。セカンドシート44は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
バリヤーカフス60,61は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。
なお、図示形態と異なり、外側及び内側バリヤーカフス60,61のいずれか一方のみを設けることもできる。
本例の吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有するものとなっているが、包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成される。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
70mm ≦ W1 < W2 ≦ 190mm …(1)
0.5 ≦ W1/W2 ≦ 0.85 …(2)
0mm ≦ L1−L2 ≦ 70mm …(3)
0mm ≦ L3−L4 ≦ 50mm …(4)
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないような目の細かいシートであるのが望ましく、包装シート58の内側に温度変化物質40を設ける場合には表面側からの温度変化を感知し易くするため、薄く低目付けのものが適当である。厚みは0.05〜3mm程度、特に0.2mm以下、且つ目付けが5〜25g/m2程度、特に15g/m2以下であると、裏面側から肌への伝熱性に優れるため好ましい。不織布を用いる場合は、スパンボンド法やSMS法により加工された不織布、特にSMS法により加工された不織布が、薄さと強度のバランスに優れる点で好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。
内装体200の裏面側には、製品外面に露出する股間部外装シート12Mが設けられている。この股間部外装シート12Mの素材としては、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bと同様のものを用いることができるが、より高強度の素材や消臭剤を含有するもの等、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bとは異なる素材を用いることもできる。具体的には、PP、PP/PE、PP/PET等の繊維からなる、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、エアーポイント不織布、スパンレース不織布、SMS不織布等の各種不織布、あるいはこれに消臭剤等を添加したもの等を用いることができる。
股間部外装シート12Mは、印刷や着色を行い、デザイン要素を備えたシートとしてもよい。前述のデザインシートと併用する場合は、それぞれのデザインが重ならないように配置することが好ましい。
股間部外装シート12Mとして伸縮不織布を用い、内装体200の長手方向に伸長して貼り付けると、股間部のフィット性が向上するため好ましい。
特徴的には、包装シート58における吸収体56の表面側に位置する部分(表面側部材)と、吸収体56(裏面側部材)の表面との間における、表面に沿う方向の所定範囲に、温度変化物質40が挟まれるとともに、その一部41のみが枠状に表面側部材である包装シート58及び裏面側部材である吸収体56に融着し、残部42は非融着粒子として枠状融着部分により囲まれる部分に移動可能な状態で封じ込められている。
Claims (14)
- 液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、表面側に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品において、
前記温度変化物質は、その表面側及び裏面側にそれぞれ位置する表面側部材及び裏面側部材間に挟まれるとともに、その一部が前記表面側部材及び裏面側部材に融着し、且つ残部が前記表面側部材及び裏面側部材に融着しておらず、
前記温度変化物質の融着部分が枠状をなすとともに、その枠状融着部分により囲まれる部分に前記非融着の温度変化物質が封じ込められている、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品。 - 前記枠状融着部分が多数配列されて格子状パターンをなしており、且つこの格子状パターンは、前記温度変化物質の融着部及び非融着部が交互に列なる点線状の融着線からなり、各交差位置において少なくとも一方の融着線が不連続となっているパターンである、請求項1記載の使い捨て吸収性物品。
- 前記温度変化物質として、相対的に融点が高い高融点温度変化物質と、相対的に融点が低い低融点温度変化物質とを含有しており、前記枠状融着部分が前記低融点温度変化物質の融着により形成され、且つ前記枠状融着部分により囲まれる部分に前記高融点温度変換物質が前記非融着の温度変化物質として封じ込められている、請求項1又は2記載の使い捨て吸収性物品。
- 前記表面側部材が、前記表面シートと前記吸収体との間に配置された第1の液透過性シートであり、前記裏面側部材が前記第1の液透過性シートと前記吸収体との間に配置された第2の液透過性シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
- 前記表面側部材が前記表面シートであり、前記裏面側部材が前記表面シートの裏面側に隣接配置された液透過性セカンドシートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
- 前記吸収体が包装シートにより包まれており、前記表面側部材が前記包装シートにおける前記吸収体の表面側に位置する部分であり、前記裏面側部材が前記吸収体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
- 前記吸収体として、表面側吸収体とその裏面側に重なる裏面側吸収体とを有しており、前記表面側部材が前記表面側吸収体であり、前記裏面側部材が前記裏面側吸収体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
- 前記表面側部材が、一枚のシートを折り畳んで形成された層構造物における表面側層であり、前記裏面側部材が前記表面側層の裏面側に隣接配置された裏面側層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
- 液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
前記温度変化物質を所定の表面側部材及び裏面側部材間に挟んだ状態で、枠状のエンボスパターンで且つ前記温度変化物質が溶融する温度でヒートエンボス加工を施す工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。 - 液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
所定の表面側部材及び裏面側部材のいずれか一方における対向面上に、前記温度変化物質の溶融液を枠状に塗布するとともに、その少なくとも枠の内側に粒子状の温度変化物質を配置した後、その上に他方の部材を重ね、前記溶融液を接着剤として前記表面側部材及び裏面側部材を接着する工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。 - 液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
所定の表面側部材及び裏面側部材のいずれか一方における対向面上に、前記温度変化物質の溶融液を第1の方向に間隔を空けた複数位置において、第1の方向と交差する第2の方向に沿って線状に塗布するとともに、その少なくとも塗布線間に粒子状の温度変化物質を配置した後、その上に他方の部材を重ね、前記溶融液を接着剤として前記表面側部材及び裏面側部材を接着し、しかる後、前記温度変化物質が溶融する温度で、第2の方向に間隔を空けて第1の方向に沿う線状のヒートエンボス加工を施す工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。 - 液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が介在されるとともに、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に、水分との接触により温度変化をもたらす粒子状の温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品の製造方法において、
所定の表面側部材及び裏面側部材の間に、相対的に融点が低い低融点温度変化物質を枠状に配置するとともに、その枠の内側に相対的に融点が高い高融点温度変化物質を配置した状態で、前記低融点温度変化物質が溶融し且つ前記高融点温度変化物質が溶融しないように加熱する工程を含む、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法。 - 前記表面側部材及び裏面側部材は連続帯状をなしており、これらを所定方向に搬送しながら前記工程を行った後、前記表面側部材及び裏面側部材をMD方向に所定の間隔を空けて切断するのと同時に、その切断端部にCD方向に沿う線状のヒートエンボス加工を施す、請求項9〜12のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品の製造方法。
- 前記表面側部材及び裏面側部材は連続帯状をなしており、これらを所定方向に搬送しながら前記工程を行い、MD方向に間隔を空けてCD方向に沿う線状の温度変化物質の融着部分を形成した後、前記表面側部材及び裏面側部材をMD方向に所定の間隔を空けて切断する方法であって、
前記切断位置のMD方向一方側及び他方側にそれぞれ隣接する、CD方向に沿う線状の温度変化物質の融着部分間の間隔を、他のCD方向に沿う線状の温度変化物質の融着部分間の間隔よりも狭くする、
請求項9〜12のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品の製造方法。
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