JP4435240B2 - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents
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Description
この代表的なものが、ソルビトール等のように尿との接触により尿に温度変化をもたらす物質の利用である(例えば特許文献1、2参照)。特許文献1記載の技術では、ソルビトール等の温度変化物質を含む部材を、吸収要素の身体側に配置することが提案されている。また、特許文献2記載の技術では、浸透性層と不浸透性層との間にソルビトール等の温度変化物質を挟んでなる要素を、吸収性コア上に配置することが提案されている。
また、温度変化物質が移動しない場合であっても、温度変化物質含有部分が皺等の変形によって身体にフィットせず、温度変化物質含有部分への尿供給が不十分となることにより温度変化が不十分となる、或いは温度変化の身体への伝達が不十分となる、といった問題点があった。
そこで、本発明の主たる課題は、これらの問題点を解決することにある。
<請求項1記載の発明>
股間部と、股間部の前側に延出する腹側部分と、股間部の後側に延出する背側部分とを有し、
前記腹側部分から背側部分までにわたり、液透過性表面シートと裏面側シートとの間に繊維集合体からなる吸収体が介在されてなる吸収部分が設けられ、
尿との接触により尿を冷却又は加熱する温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品において、
前記温度変化物質は前記使い捨て吸収性物品に含まれる熱可塑性樹脂よりも融点が低く、
前記吸収体の幅方向中央部のうち、少なくとも前記股間部から前記腹側部分にわたる部分に前記温度変化物質が融着され、且つ
前記吸収体における前記温度変化物質の融着部分の周囲には、前記温度変化物質が配置されていないか、又は前記温度変化物質は配置されているがその温度変化物質は前記吸収体に融着されていない、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品。
本発明では、吸収体の幅方向中央部のうち、少なくとも股間部から腹側部分にわたる部分に温度変化物質が融着されているため、少なくともこの部分には温度変化物質が確実に保持されるようになる。また、吸収体における温度変化物質の融着部分はその周囲の温度変化物質が融着されていない部分と比較してコシ(剛性)が高くなるため、温度変化物質を確実に保持する温度変化物質融着部分に皺や折れ曲がり等の変形が起こり難く、股間部から腹側部分にわたる部分が身体に良好にフィットするようになる。よって、本発明によれば、温度変化物質に対して十分な量の尿がより効果的に供給され、所期の温度変化が発生するとともに、その温度変化が身体に対して効果的に伝達されるようになる。なお、本発明における「融着」とは、温度変化物質が溶融状態で対象(吸収体)に付着した後に固化し、固化体が対象に固定された状態を意味する。なお、股間部とは、展開状態における腹側部分のウエスト端縁から背側部分のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が腹側部分及び背側部分をそれぞれ意味する。
展開状態における腹側部分のウエスト端縁から背側部分のウエスト端縁までの前後方向長さとして定まる製品長をLとしたとき、
少なくとも前記腹側部分のウエスト側端縁から股間側に0.15〜0.80Lの範囲にわたり、前記吸収体が設けられており、
少なくとも前記腹側部分のウエスト側端縁から股間側に0.25〜0.45Lの範囲にわたり、前記温度変化物質の融着部分が設けられており、前記吸収体における前記温度変化物質の融着部分は、その周囲と比較して剛性が高い、
請求項1記載の使い捨て吸収性物品。
このような寸法を採用することによって、男女の排尿位置に温度変化物質の融着部分が位置するようになる。つまり、排尿時に尿が温度変化物質の融着部分に確実に当たりようになる。
前記温度変化物質の融着部分は、鼠蹊部に沿い且つ鼠蹊部よりも幅が広くなるように、ウエスト側に向かうにつれて幅が拡大する形状を有している、請求項2記載の使い捨て吸収性物品。
温度変化物質の融着部分をこのような形状にすることによって、股間部における縦皺及び鼠蹊部に沿う皺が入り難く、股間部から腹側部分にかけてのフィット性がより一層のものとなる。
前記吸収体の股間部に脚周りに沿う括れ部が設けられており、展開状態における前記吸収体の前後方向長さをY、幅をXとしたとき、前記括れ部の前後方向長さが0.2〜0.3Yであり、前記括れ部における最も幅が狭い部分の幅が0.6〜0.75Xであり、
前記温度変化物質の融着部分のうち前記幅が拡大する部分の股間側端が、前記括れ部の最も幅の狭い部分と同位置か、又はこれよりも腹側に位置しており、
前記温度変化物質の融着部分の後端は、前記括れ部の後端と同位置、又はこれよりも背側に位置するとともに、その幅が、前記腹側部分における前記温度変化物質の融着部分のウエスト側端縁の幅の0.7倍以下で、且つ0.5X以下である、
請求項3記載の使い捨て吸収性物品。
吸収体の股間部に脚周りに沿う括れ部が設けられていると、両脚の付け根と股間部とのフィット性が高まり、股間部における縦皺が入り難いため好ましく、その場合、各部の寸法は本項記載の範囲内にあるのが好ましい。具体的には、吸収体の寸法が上記範囲内にあると吸収体が脚周りにフィットし易くなる。また、腹側部分における融着部分のウエスト側端縁の幅が上記範囲内にあり、温度変化物質の融着部分のうち幅拡大部分の股間側端が上記範囲に位置していると、歩行により鼠蹊部に沿って発生する皺を効果的に防止できる。また、温度変化物質の融着部分の後端を上記範囲内に抑えることで、温度変化に鈍感である尻側に無駄な温度変化物質を配置しなくて済む。また、温度変化物質の融着部分の後端の幅が上記範囲内にあると股間部における縦皺が入り難くなるため好ましい。
前記吸収体は、高吸収性ポリマーを含むとともに、裏面側よりも表面側のほうが前記高吸収性ポリマーの密度が高いものであり、
前記吸収体の表面側層は、前記温度変化物質及び前記高吸収性ポリマーを混合状態で含む層であり、
この吸収体の表面側層の上に、温度変化物質のみの層が形成されており、
前記吸収体の表面側層の上の温度変化物質のみの層に含まれる前記温度変化物質が前記吸収体の表面に融着されるとともに、前記吸収体の表面側層に含まれる前記温度変化物質が前記吸収体の表面側層の繊維集合体の繊維に融着されることにより、前記融着部分が形成されている、請求項2記載の使い捨て吸収性物品。
本項記載のように構成されていると、表面シートを通過し、吸収体の表面に到達した尿は、温度変化物質により冷却または加熱された後、表面側層に含まれる高吸収性ポリマーにより吸収され、この高吸収性ポリマーを含む吸収体の表面側層の温度が物品表面側に効果的に伝達され、装着者に温度変化を知覚させることになるため好ましい。
前記吸収体は上層とその裏面側に接する下層とを有し、前記温度変化物質は前記上層に融着されるとともに、少なくとも前記上層は高吸収性ポリマーを含み、
前記上層の繊維密度が前記下層の繊維密度の4.5倍以上である、
請求項2記載の使い捨て吸収性物品。
吸収体が本項記載のような2層構造を有していると、吸収体に吸収された尿が下層に移動せずに上層に保持されるようになるため、より大きな温度変化を生じることができるようになる。その後、上層で温度変化した尿は高吸収性ポリマーに吸収されるため、大きな温度変化を生じた状態を維持しつつ、尿の肌への逆戻りは低減することができる。
前記上層の全体が、前記温度変化物質の融着部分全体をなすとともに、前記上層における厚み方向と直交する方向の全体にわたり高吸収性ポリマーが含有されており、
前記融着された温度変化物質は尿への溶解により吸熱反応を起し、尿を冷却するものであり、且つ温度20℃の100mlの水への溶解度が30g以上であり、
前記温度変化物質の融着部分における前記温度変化物質の目付けは300〜800g/m2であり、
前記温度変化物質の融着部分により前記吸収体に生じうる熱量変化の総量は50cal以上であり、
前記温度変化物質の融着部分の単位面積当たりの熱量変化は1cal/cm2以上であり、
前記高吸収性ポリマーは吸収速度が50秒以下であり、
前記上層における高吸収性ポリマーの目付けは50〜400g/m2である、
請求項6記載の使い捨て吸収性物品。
上層に、本項記載のような性質、量の温度変化物質及び高吸収性ポリマーを含有させることにより、上層の液保持性能がより一層のものとなり、着用者に対して温度変化を効果的に伝達させることができるため好ましい。なお、吸収速度とは、2gの試料が50gの生理食塩水を吸収するのに要する時間であって、JIS K 7224−1996に基づき測定されるものである(以下同じ)。
図1〜図10は、パンツ型使い捨ておむつの一例を示している。各図において、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側と背側とを重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った状態で胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bは、図4及び図5にも示すようにシート状資材12,12を2枚貼り合せてなるものであり、内側に位置する内側シート状資材12はウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側に位置する外側シート状資材12は内側シート状資材12のウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在され、対向面にホットメルト接着剤等により固定されている。シート状資材12としては溶着により接合できるものであれば特に限定されないが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えている。液不透過性シート11の裏面側には、内装体200の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シート12Mを固定することもできる。また、表面シート30と吸収要素50との間に、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させる中間シート(セカンドシート)を設けることもできるが、肌への熱伝達が阻害されるため、表面シート30と吸収要素50との間には、少なくとも後述する高吸収性ポリマーを有する部分と重なる部分、好ましくは全体にわたり、他の部材を設けないのが好ましい。さらに、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に、身体側に起立するバリヤーカフス60,61を設けることができる。なお、図示しないが、内装体200の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビードまたはスパイラル塗布などにより、適宜相互に固定することができる。また、内装体200は、メカニカルファスナーや粘着材を用い、外装シート12F,12Bに対して着脱自在に取り付けることもできる。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。特には、表面側からの温度変化を感知し易くするため、スパンボンド法やSMS法により加工された不織布が薄さと強度のバランスに優れる点で好適であり、エアスルー法により加工された不織布は低坪量でも吸収が速やかでかつさらっと感に優れるため好適である。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
バリヤーカフス60,61は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。
なお、図示形態と異なり、外側及び内側バリヤーカフス60,61のいずれか一方のみを設けることもできる。
本例の吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包被シート58とを有するものとなっているが、包被シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成される。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
70mm ≦ W1 < W2 ≦ 190mm …(1)
0.5 ≦ W1/W2 ≦ 0.85 …(2)
0mm ≦ L1−L2 ≦ 70mm …(3)
0mm ≦ L3−L4 ≦ 50mm …(4)
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包被シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないような目の細かいシートであるのが望ましく、表面側からの温度変化を感知し易くするため、薄く低目付けのものが適当である。厚みは0.05〜3mm程度、特に0.2mm以下、且つ目付けが5〜25g/m2程度、特に15g/m2以下であると、裏面側から肌への伝熱性に優れるため好ましい。不織布を用いる場合は、スパンボンド法やSMS法により加工された不織布、特にSMS法により加工された不織布が、薄さと強度のバランスに優れる点で好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。
内装体200の裏面側には、製品外面に露出する股間部外装シート12Mが設けられている。この股間部外装シート12Mの素材としては、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bと同様のものを用いることができるが、より高強度の素材や消臭剤を含有するもの等、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bとは異なる素材を用いることもできる。具体的には、PP、PP/PE、PP/PET等の繊維からなる、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、エアーポイント不織布、スパンレース不織布、SMS不織布等の各種不織布、あるいはこれに消臭剤等を添加したもの等を用いることができる。
吸収体56は、その幅方向中央部のうち、少なくとも股間部から腹側部分にわたる部分に温度変化物質が融着され、且つ吸収体56における温度変化物質の融着部分40の周囲には温度変化物質が融着されていないものである。温度変化物質は、吸収体56に融着されていると、温度変化物質が移動することがなくなり、所定の領域(この場合は股間部)で確実に機能するようになる。また、融着されていない部分と比較してコシ(剛性)が高くなるため、温度変化物質を確実に保持する温度変化物質融着部分に皺や折れ曲がり等の変形が起こり難く、股間部から腹側部分にわたる部分が身体に良好にフィットするようになる。
(繊維1gあたりの保水量の測定方法)
1.200ccビーカーに20℃のイオン交換水200ccを入れる。
2.その中に繊維集合体1gを入れ、ガラス棒で30秒間攪拌する。
3.内径62mmのブフナー漏斗を支持台にセットし、ビーカー内の試料および水を10秒間で流し込み、自然ろ過する。
4.底面が直径60mmで、重さ1450gの円筒形の重りを試料の上に載せ、1分間放置する。(10cm四方あたりの荷重は5kgとなる。)
5.繊維の重量を量り、前後の重量差から繊維の保水量(1g=1ccとする)を求め、この保水量を繊維1gあたりに換算して、繊維1gあたりの保水量とする。
なお、試料が不織布等のシート状物である場合は、1gのシートを長さ20mm×幅2mmで、厚さ2mm以下にカットしたものを用いて測定する。
Claims (7)
- 股間部と、股間部の前側に延出する腹側部分と、股間部の後側に延出する背側部分とを有し、
前記腹側部分から背側部分までにわたり、液透過性表面シートと裏面側シートとの間に繊維集合体からなる吸収体が介在されてなる吸収部分が設けられ、
尿との接触により尿を冷却又は加熱する温度変化物質が含有された、使い捨て吸収性物品において、
前記温度変化物質は前記使い捨て吸収性物品に含まれる熱可塑性樹脂よりも融点が低く、
前記吸収体の幅方向中央部のうち、少なくとも前記股間部から前記腹側部分にわたる部分に前記温度変化物質が融着され、且つ
前記吸収体における前記温度変化物質の融着部分の周囲には、前記温度変化物質が配置されていないか、又は前記温度変化物質は配置されているがその温度変化物質は前記吸収体に融着されていない、
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品。 - 展開状態における腹側部分のウエスト端縁から背側部分のウエスト端縁までの前後方向長さとして定まる製品長をLとしたとき、
少なくとも前記腹側部分のウエスト側端縁から股間側に0.15〜0.80Lの範囲にわたり、前記吸収体が設けられており、
少なくとも前記腹側部分のウエスト側端縁から股間側に0.25〜0.45Lの範囲にわたり、前記温度変化物質の融着部分が設けられており、前記吸収体における前記温度変化物質の融着部分は、その周囲と比較して剛性が高い、
請求項1記載の使い捨て吸収性物品。 - 前記温度変化物質の融着部分は、鼠蹊部に沿い且つ鼠蹊部よりも幅が広くなるように、ウエスト側に向かうにつれて幅が拡大する形状を有している、請求項2記載の使い捨て吸収性物品。
- 前記吸収体の股間部に脚周りに沿う括れ部が設けられており、展開状態における前記吸収体の前後方向長さをY、幅をXとしたとき、前記括れ部の前後方向長さが0.2〜0.3Yであり、前記括れ部における最も幅が狭い部分の幅が0.6〜0.75Xであり、
前記腹側部分における前記温度変化物質の融着部分のウエスト側端縁の幅は0.4〜0.7Xであり、
前記温度変化物質の融着部分のうち前記幅が拡大する部分の股間側端が、前記括れ部の最も幅の狭い部分と同位置か、又はこれよりも腹側に位置しており、
前記温度変化物質の融着部分の後端は、前記括れ部の後端と同位置、又はこれよりも背側に位置するとともに、その幅が、前記腹側部分における前記温度変化物質の融着部分のウエスト側端縁の幅の0.7倍以下で、且つ0.5X以下である、
請求項3記載の使い捨て吸収性物品。 - 前記吸収体は、高吸収性ポリマーを含むとともに、裏面側よりも表面側のほうが前記高吸収性ポリマーの密度が高いものであり、
前記吸収体の表面側層は、前記温度変化物質及び前記高吸収性ポリマーを混合状態で含む層であり、
この吸収体の表面側層の上に、温度変化物質のみの層が形成されており、
前記吸収体の表面側層の上の温度変化物質のみの層に含まれる前記温度変化物質が前記吸収体の表面に融着されるとともに、前記吸収体の表面側層に含まれる前記温度変化物質が前記吸収体の表面側層の繊維集合体の繊維に融着されることにより、前記融着部分が形成されている、請求項2記載の使い捨て吸収性物品。 - 前記吸収体は上層とその裏面側に接する下層とを有し、前記温度変化物質は前記上層に融着されるとともに、少なくとも前記上層は高吸収性ポリマーを含み、
前記上層の繊維密度が前記下層の繊維密度の4.5倍以上である、
請求項2記載の使い捨て吸収性物品。 - 前記上層の全体が、前記温度変化物質の融着部分全体をなすとともに、前記上層における厚み方向と直交する方向の全体にわたり高吸収性ポリマーが含有されており、
前記融着された温度変化物質は尿への溶解により吸熱反応を起し、尿を冷却するものであり、且つ温度20℃の100mlの水への溶解度が30g以上であり、
前記温度変化物質の融着部分における前記温度変化物質の目付けは300〜800g/m2であり、
前記温度変化物質の融着部分により前記吸収体に生じうる熱量変化の総量は50cal以上であり、
前記温度変化物質の融着部分の単位面積当たりの熱量変化は1cal/cm2以上であり、
前記高吸収性ポリマーは吸収速度が50秒以下であり、
前記上層における高吸収性ポリマーの目付けは50〜400g/m2である、
請求項6記載の使い捨て吸収性物品。
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