JP2009267203A - プラズマドーピング装置 - Google Patents

プラズマドーピング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009267203A
JP2009267203A JP2008116835A JP2008116835A JP2009267203A JP 2009267203 A JP2009267203 A JP 2009267203A JP 2008116835 A JP2008116835 A JP 2008116835A JP 2008116835 A JP2008116835 A JP 2008116835A JP 2009267203 A JP2009267203 A JP 2009267203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
plasma
substrate
plasma doping
vacuum vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008116835A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Okashita
勝己 岡下
Yuichiro Sasaki
雄一朗 佐々木
Bunji Mizuno
文二 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008116835A priority Critical patent/JP2009267203A/ja
Priority to US12/430,551 priority patent/US20090266298A1/en
Publication of JP2009267203A publication Critical patent/JP2009267203A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32431Constructional details of the reactor
    • H01J37/32458Vessel
    • H01J37/32477Vessel characterised by the means for protecting vessels or internal parts, e.g. coatings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32412Plasma immersion ion implantation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32917Plasma diagnostics
    • H01J37/32935Monitoring and controlling tubes by information coming from the object and/or discharge
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32917Plasma diagnostics
    • H01J37/3299Feedback systems

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

【課題】工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、長期間に渡り高いスループットを保ったまま、製品の不良率を低下することができるプラズマドーピング装置を提供する。
【解決手段】試料電極と対向する前記真空容器の上壁に、電子線導入管と連通しかつ電子線を真空容器内に基板に向けて導入しかつプラズマの電子線導入管への侵入を防止するプラズマ侵入防止兼電子線導入穴を備え、電子線導入穴の直径Dがデバイ長をλ、シースの厚さをSとして、D≦2λ+2Sを満たすようにする。
【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法において使用され、特に、不純物を半導体基板等の固体試料の表面に導入するプラズマドーピング装置に関するものである。
不純物を固体試料の表面に導入する技術としては、不純物をイオン化して低エネルギーで固体中に導入するプラズマドーピング法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、前記特許文献1に記載された従来の不純物導入方法としてのプラズマドーピング法に用いられるプラズマ処理装置の部分断面図を示している。図5において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した誘電体窓7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位を持つように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。
このようにして、プラズマ中のイオンを試料であるシリコン基板9の表面に向かって加速し衝突させてシリコン基板9に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されている。試料電極6は、基板9を載置する略円形状の台座である。
さらに、前記特許文献1に記載されたプラズマ処理装置には、基板9の表面に導入された不純物濃度(ドーズ量)を算出するための、電子線照射装置12、X線分析器13、X線検出器14、および、電子線15を真空容器1内に導入するための電子線導入穴16、X線17を透過するためのX線透過窓18が備えられている。電子線15を電子線照射装置12から電子線導入穴16を通して真空容器1内に導入し、基板9に照射すると、基板9からX線17が放出される。基板9から放出されたX線17の線量をX線透過窓18を通してX線分析器13、X線検出器14から成る検出器を用いて検出することにより、基板9の表面に導入された不純物濃度(ドーズ量)を測定することができる。このように、不純物の導入を行う真空容器1と同じ真空容器内でプラズマドーピング後の基板9のドーズ量を測定することで、製品の不良率を低下させ、装置の設置面積を少なくすることができる。なお、19は試料電極6を真空容器1に固定するための支柱である。
国際公開WO/2006/098109号公報(特願2005-047598号)
しかしながら、工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、前記特許文献1の従来のプラズマ処理装置を用いて長期に渡り繰り返しプラズマドーピングを実施すると、ドーズ量の測定に要する時間が著しく長くなり、生産のスループットが低下するという問題点があった。
前記従来の問題に鑑み、本発明の目的は、プラズマドーピングを行う真空容器にドーズ量を検査する測定器を備えており、工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、長期間に渡り高いスループットを保ったまま、製品の不良率を低下することができるプラズマドーピング装置を提供することである。
前記の目的を達成するために、本発明者らは、従来のプラズマドーピング装置で長期間に渡り高いスループットを保ったまま、製品の良好な良品率を維持できない理由を検討した結果、次のような知見を得るに至った。
なお、本発明者らは、プラズマドーピングの長期に渡る再現性を検討する中で本発明の解決すべき課題を見出した。これにより、従来は顕在化しにくかった問題が認識し易くなったものである。
前記特許文献1の従来のプラズマドーピング装置を用いて長期に渡り繰り返しプラズマドーピング処理を行うと、誘電体窓7に設けられた電子線15を真空容器1内に導入するための電子線導入穴16から電子線照射装置12の内部にプラズマPが侵入し(図7B参照)、プラズマ中に含まれる不純物を含んだ膜が電子線照射装置12の内部に形成されてしまう。このことを図6を参照して詳しく説明する。図6は、従来のプラズマドーピング装置の電子線照射装置12と電子線導入穴16の詳細を説明するための部分断面図である。図6において、電子線照射装置12の内部には、電子を発生させるフィラメント12A、発生した電子を加速する加速器12Bが備えられている。従来のプラズマドーピング装置では、電子線導入穴16の直径が非常に大きい(後述するように約40mm)ので、電子線導入穴16を通して電子線照射装置12の中にプラズマが侵入してしまう。それによって、不純物を含む膜が、電子線照射装置12の中にあるフィラメント12Aや加速器12Bに付着する。このことが原因で、フィラメント12Aから放出される電子が、不純物を含む膜によって阻害され、電子の放出数が減少することで、電子線15の強度が減衰してしまう。前記特許文献1の従来のプラズマドーピング装置において、ドーズ量の測定に要する時間が著しく長くなり、生産のスループットが低下してしまう原因は、このことが原因であることが分かってきた。
前記した知見に基づき、本発明者らは、工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、長期に渡り繰り返しプラズマドーピング処理をした場合でも、ドーズ量の測定に要する時間を短く維持して長期間に渡り高いスループットを保ったまま、製品の不良率を低下することができるプラズマドーピング装置を発明するに至った。
前記目的を達成するため、本発明は、以下のように構成している。
本発明の第1態様によれば、真空容器と、前記真空容器内に配置され基板を載置する試料電極と、前記試料電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記真空容器内を排気するガス排気装置と、前記真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、前記真空容器内で前記基板にプラズマを直接照射するプラズマ照射装置と、前記基板に電子線を前記基板に向けて照射する電子線照射装置と、前記真空容器に配置されて前記電子線照射装置から照射された電子線を前記基板に向けて輸送する電子線導入管と、前記基板から放出されるX線を測定する検査装置とを備えるプラズマドーピング装置であって、
前記試料電極と対向する前記真空容器の上壁に、前記電子線導入管と連通しかつ前記電子線を前記真空容器内に前記基板に向けて導入するプラズマ侵入防止兼電子線導入穴を備え、前記電子線導入穴の直径Dがデバイ長をλ、シースの厚さをSとして、D≦2λ+2Sを満たすことを特徴とするプラズマドーピング装置を提供する。
これにより、工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、長期に渡ってドーズ量の測定に要する時間を短く維持できるという特段の効果を奏する。
また、本発明の第2態様によれば、前記電子線導入穴の直径Dが0.05mm以上、5mm以下である、ことを特徴とする第1態様に記載のプラズマドーピング装置を提供する。
前記電子線導入穴の直径Dが0.05mm未満であれば、低エネルギーの電子線を通過させること自体が困難となり、ドーズ量の測定自体が困難になってしまう。一方で、前記電子線導入穴の直径Dが5mmより大きければ、前記電子線導入穴から電子線照射装置の内部にプラズマが侵入してしまい、電子線導入穴や、電子線照射装置の内部に不純物を含む膜が付着するという問題が生じる。これに対して、前記電子線導入穴の直径Dが0.05mm以上、5mm以下であれば、低エネルギーの電子線を通過させることが容易であるとともに、電子線導入穴の中にプラズマが侵入せず、電子線導入穴や電子線照射装置の内部に不純物を含む膜が付着しないので望ましい。これにより、広範囲のプラズマ条件に対して、工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、長期に渡ってドーズ量の測定に要する時間を短く維持できるという特段の効果を奏する。
また、本発明の第3態様によれば、前記真空容器に設けられかつ前記X線を前記真空容器の外に透過するX線透過窓の内壁面に、前記X線透過窓を開閉するシャッターを備えることを特徴とする第1態様に記載のプラズマドーピング装置を提供する。
これにより、プラズマを発生させている間、シャッターでX線透過窓を覆う閉鎖位置に位置させることができて、不純物を含む膜がX線透過窓に形成されず、不純物を含む膜によってX線の線量が減衰することが防止でき、さらに長期に渡ってドーズ量の測定に要する時間を短く維持できるという特段の効果を奏する。
また、本発明の第4態様によれば、前記電子線導入管が外側管と内側管の二重構造であるとともに、前記外側管が金属で構成されている前記電子線導入管を備えることを特徴とする請求項1に記載のプラズマドーピング装置を提供する。
これにより、電子線導入管の内側と外側で材質を変えることができるので、フィラメントから基板の間の電位を材質によって制御し易くなる結果、電子線の強度を低下させることなく輸送し易くなるので望ましい。また、電子線導入管周辺に設置された高周波電源整合装置や、コイル等から発生する電磁波によって発生する電子線導入管内の電界の変化を低減できる結果、電子線の強度を低下させることなく基板に照射できるという特段の効果を奏する。
また、本発明の第5態様によれば、前記電子線導入管の前記外側管の金属がステンレス銅であることを特徴とする第4態様に記載のプラズマドーピング装置を提供する。
これにより、電子線導入管周辺に設置された高周波電源整合装置や、コイル等から発生する電磁波によって発生する電子線導入管内の電界の変化を低減できると共に、ガスによる腐食を防止できるのでさらに望ましい。
また、本発明の第6態様によれば、前記電子線導入管の前記内側管が絶縁体であることを特徴とする第4態様に記載のプラズマドーピング装置を提供する。
この構成にすることで、外側の金属の成分が真空容器内に混入することを防ぐことができ、金属汚染を低下できるのでさらに望ましい。
また、本発明の第7態様によれば、前記電子線の加速エネルギーは50eV以上、10keV以下であることを特徴とする特徴とする第1態様に記載のプラズマドーピング装置を提供する。
前記電子線の加速エネルギーが50eV未満であれば、基板の表面に対して垂直に電子線を照射することが難しく、放出されるX線の強度が極めて小さくなるので十分な検出感度が得られないという不具合が生じる。一方で、前記電子線の加速エネルギーが10keVより大きければ、測定したい領域よりも深い領域から放出されるX線の強度が多くなり、実際に測定したい浅い領域から放出されるX線の強度が相対的に小さくなるので、実際に測定したい浅い領域を正確に評価することが困難となるという問題が生じる。
これに対して、前記電子線の加速エネルギーが50eV以上、10keV以下であれば、測定したい基板の浅い領域から放出されるX線の強度も十分に大きく、測定したくない基板の深い領域から放出されるX線の強度を抑制できるので正確な測定を行うことができるので望ましい。
本発明によると、プラズマドーピングを行う真空容器にドーズ量を検査する測定器を備えており、工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、長期に渡り高いスループットを保ったまま、製品の不良率を低下することができるプラズマドーピング装置を提供することが可能となる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態にかかるプラズマドーピング装置について、図1Aから図1C、図2を参照して説明する。
図1A及び図1Bに、それぞれ、本発明の1つの実施形態において用いたプラズマドーピング装置の部分断面図を示す。図1Aは、後述するシャッター39が閉鎖位置に位置している場合、図1Bは、後述するシャッター39が開放位置に位置している場合を、それぞれ示している。
図1A及び図1Bにおいて、真空室を構成する真空容器21内に、ガス供給装置22から原料ガスである例えばHeで希釈されたBを導入しつつ、排気装置の一例としてのターボ分子ポンプ23により排気を行い、調圧弁24により真空容器21内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源25により13.56MHzの高周波電力を、試料電極26に対向し、かつ真空容器21の上壁の一例としての天板27の近傍でかつ真空容器21の外部に設けられたコイル28に供給することにより、真空容器21内にプラズマを発生させることができる。高周波電源25とコイル28とにより、プラズマ照射装置の一例を構成している。真空容器21の底面に絶縁体を介して配置された試料電極26上には、試料の一例としてのシリコン基板29を載置する。また、試料電極26に高周波電力を供給するための高周波電源30が真空容器21の外部に設けられており、これは、試料の一例としての基板29がプラズマに対して負の電位を持つように、試料電極26の電位を制御する電圧源として機能する。制御装置1000は、ガス供給装置22とターボ分子ポンプ23と調圧弁24と高周波電源25と後述する電子線照射装置31とX線分析器32とX線検出器33とシャッター開閉駆動装置39Dと接続して、それぞれの動作を制御している。なお、コイル28の形状は、図1Aなどに示すように平板型に限定されるものではなく、図7Aに示すようにドーム型でもよい。
このような構成により、制御装置1000での制御の下に、プラズマをシリコン基板29に直接接触させながら、プラズマ中のイオンを試料の一例としてのシリコン基板29の表面に向かって加速し衝突させて基板29の表面に不純物、例えばボロンを導入することができる。また、プラズマをシリコン基板29に直接接触させるので、イオンと共にガスやラジカルの形態からも基板29の表面に不純物、例えばボロンを導入することができる。なお、本発明の前記実施形態のプラズマドーピング装置の特徴の一つは、イオンシャワー装置のようにプラズマ中からイオンだけを抜き出してガスやラジカルからイオンを分離したり、イオン注入装置のようにプラズマ中に存在する複数の種類のイオンから所望のイオンのみを質量分析器を用いて分離したりせずに、プラズマを直接、基板29に照射することである。これにより、プラズマ中に存在する全ての不純物原子をイオンだけでなく、ガスやラジカルという形態から基板29に導入できるので、非常に効率良く、基板29に対する不純物の導入ができるので、スループットが極めて速くなるという特段の効果がある。
さらに、本発明の前記実施形態において用いたプラズマドーピング装置には、基板29の表面に導入された不純物、例えばボロンのドーズ量を測定するための、電子線照射装置31、X線分析器32、およびX線検出器33を備えている。図1Cに、電子線照射装置31の内部の部分断面図を示す。電子線照射装置31は、真空容器21の天板27の外面でかつ真空容器21の外部に設けられたコイル28の頂点(最上部分)よりも上側に、真空容器21のケーシング21aの上面に配置されて、高周波電源25の整合装置やコイル28等から発生する電磁波によって発生する電界が、電子線照射装置31の動作に影響しないようにするのが好ましい。電子線照射装置31の内部には、電子を発生させるフィラメント31Aと、フィラメント31Aから発生した電子を加速する加速器31Bとが備えられている。電子線照射装置31内のフィラメント31Aから発生した電子は、加速器31Bの電極に電圧を加えることで加速され、電子線34となる。電子線34は、電子線導入管35の内部を通過する。電子線導入管35は、天板27に貫通して形成された電子線導入穴36と連通している。この電子線導入穴36は、電子線導入管35から輸送されてきた前記電子線34を、前記真空容器21内に前記基板29に向けて導入し、かつ、前記真空容器21内のプラズマの前記電子線導入管35への侵入を防止する機能を有するものである。電子線導入管35及び電子線導入穴36は、それぞれ、試料電極26に載置された基板29の表面に対して垂直方向の軸線沿いに配置されている。よって、電子線照射装置31から照射された電子線34が、電子線導入管35及び電子線導入穴36を貫通して、真空容器21内に入り、試料電極26に載置された基板29の表面に対して垂直方向沿いに、基板29に照射されるようにしている。電子線導入管35は例えばステンレス銅で形成されており、そのために、静電遮蔽の原理によって、電子線導入管35の周辺に設置された高周波電源25の整合装置やコイル28等から発生する電磁波によって発生する電子線導入管35内の電界の変化を低減できる。すなわち、電子線導入管35は、電磁波によって発生する電子線導入管35内の電界の変化を低減できかつ原料ガスに対する耐性のある材料で構成するのが好ましい。この結果、電子線導入管35は、電子線34を電磁波の変化から保護する役割を果たしている。また、ステンレス銅は、ガス供給装置22から供給される原料ガスに接触したとしても腐食し難いので、より望ましい。この電子線34をシリコン基板29に照射すると、シリコン基板29の表面に導入された不純物元素が励起される。例えば、電子ビームによって不純物としてのボロン元素のK核電子が原子の外に飛び出る。すると、L核電子がK核に落ちて緩和される過程において、L核とK核のエネルギー準位差に相当するエネルギーを持ったX線37が放射される。ボロンの場合、X線37の波長はおよそ65オングストロームである。このX線37の線量を、真空容器21の側壁に設けられたX線透過窓38を通してX線分析器32とX線検出器33とで構成する検出器を用いて検出することにより、シリコン基板29の表面に導入されたドーズ量を測定することができる。尚、本実施形態では、電子線34の加速エネルギーを500eVとした。
この電子線34を、電子線導入管35と電子線導入穴36を通して真空容器21内に導入し、シリコン基板29に照射する。
ここで、本発明の前記実施形態の特徴としては、電子線導入穴36の直径の大きさを一定の数値範囲内に設定することである。以下に、この特徴を詳しく説明する。なお、本実施形態の具体的な1つの例では、電子線導入穴36の直径を5mmとしている。また、このときの天板27の厚さは5cm、天板27から真空容器21のケーシング21aの上面までの高さは10cmである。
図2に示すように、本発明の効果を奏する条件は、電子線導入穴36の直径をD、電子線導入穴36の内側側面からのシースの厚さをS、プラズマのデバイ長をλとしたとき、電子線導入穴の直径Dが以下の式1
Figure 2009267203
を満たすことである。
この理由を以下で詳しく説明する。
そもそも、電子線導入穴36の中にプラズマが侵入しなければ、電子線34を照射する電子線照射装置31の内部に不純物を含んだ膜が堆積することはないので、本発明の効果を奏することができる。そこで、本発明の効果を奏する条件としては、電子線導入穴36の中にプラズマが侵入しない条件である。電子線導入穴36の中にプラズマが侵入するための必要条件は、図2に示すように、イオンを中心にして、その周囲にデバイ長の2倍の長さを確保することと、さらにその周囲にシースの厚さSの2倍の長さを確保することである。
このことを、図2を用いてさらに詳しく説明する。図2は、電子線導入穴36の中にプラズマが侵入する為の必要条件の一つを説明する図である。プラズマ中では、電子とイオンが電気的に中性を保とうとしている。デバイ長λとは、異符号の荷電子粒子群が電気的に中性と見なせる最小の距離である。すなわち、プラズマ中のイオンと電子は、クーロン力によって、イオンの正電荷と、電子の負電荷が引き合う力と、熱運動によって離れようとする力が釣り合ったとき、正負の2つの電荷の持つ相対的距離の平均値がデバイ長λとなる。従って、孤立したイオンが電子線導入穴36のちょうど中心にあった場合でも、イオンを中心として半径λの空間、すなわちデバイ長λの2倍の空間がなければ、プラズマを中性に保つことができなくなり、プラズマを維持することができない。つまり、少なくとも直径Dが2λの空間がなければ、異符号の荷電子粒子群が電気的に中性に成り得ないので、プラズマを維持することができない。また、プラズマ中に絶縁体または導体を挿入すると、挿入した絶縁体または導体とプラズマの間にシースと呼ばれる電荷層が発生する。ここでは、プラズマを維持するためには、少なくとも直径Dが2λの空間に加えて、さらに少なくともシースの2倍の空間が必要であることを説明する。まず、絶縁体とプラズマの間の場合、絶縁体とプラズマ間には直流電流が流れ得ないので、単位時間に飛来する電子とイオンの数は等しくなければならない。しかし、電子の速度はイオンの速度に比べて断然速いので、電子がイオンに比べてより多く絶縁体表面に到達する。従って、表面では電子が過剰となり、表面付近に負の電界を形成し、電子電流とイオン電流が等しくなるところまで帯電が進行する。一方、導体とプラズマの間の場合は導体の電位がプラズマの電位よりも高い場合と低い場合で事情が異なる。導体の電位がプラズマの電位よりも高い場合には、電子を引き寄せイオンを追い返すので、電子だけによる電荷層を形成する。一方、導体の電位がプラズマの電位よりも低い場合には、イオンを引き寄せ電子を追い返すので、イオンだけによる電荷層を形成する。以上のように、電子線導入穴のような対向した壁面が絶縁体であっても導体であっても、壁面とプラズマの間には電子とイオンの拡散速度の違いが原因(電子の方がイオンよりも断然拡散速度が速い)で電位差が生じる。これによる電界の影響を無くして、プラズマを維持するためには、壁面とプラズマとの間にある空間が必要となる。よく知られているように、その空間のことをシースという。すなわち、プラズマ中の電荷を中性に維持する空間(少なくとも直径Dが2λの空間)に加えて、シースを形成する空間(少なくとも直径Dが2Sの空間)がなければ、壁面とプラズマの間に生じる電位差の影響をプラズマ中に持ち込まないように遮蔽することができないので、プラズマを維持することができなくなる。従って、図2に示すように、プラズマを維持するためには、少なくとも直径Dが2λの空間に加えて、少なくとも直径Dが2Sの空間を確保できることが必要条件となる。
以上をまとめると、電子線導入穴36のような対向した壁面を2つ持つ空間内でプラズマを維持するには、対向する壁面間の長さがデバイ長λの2倍の長さに加えて、シースの厚さSの2倍の長さを持つことが必要である。対向する壁面間の長さが、これ以下になると、プラズマを維持することができない。
従って、使用するプラズマに応じて式1を満たすように、つまり、プラズマが維持できる必要条件を満たさないように電子線導入穴36の直径Dを設定することで、電子線導入穴36の内部ではプラズマを維持することができなくなるので、電子線照射装置31や、電子線導入管36の内側に不純物を含んだ膜が付着することを防止することが可能となり、本発明の効果を奏することができる。
次に、電子線導入穴36の直径Dの具体的な数値を限定する。
シースの厚さSd、デバイ長λは、使用するプラズマに対応した異なる値をとる。本発明のプラズマドーピング装置を用いて、プラズマドーピングを実施するときの真空容器21の内壁から1cm離れた部分の典型的なプラズマ密度は1E6cm−3から1E8cm−3の範囲であり、電子温度は1eVから10eVの範囲である。シースの厚さSd、デバイ長λは、プラズマ密度と電子温度、イオンの質量、電子の質量に影響を受け、プラズマ密度をNe、電子温度をkTe、イオンの質量をm、電子の質量をmとすると以下の関係式が成り立つ。
Figure 2009267203
Figure 2009267203
Figure 2009267203
本実施形態で使用する典型的なプラズマ(プラズマ密度が1E6cm−3から1E8cm−3の範囲で、電子温度は1eVから10eVの範囲)の場合、シースの厚さSは式3より、1.94mmから61.3mmであり、デバイ長λは0.74mmから23.5mmである。このとき、式1で等号が成り立つ電子線導入穴36の直径Dの最小の値は5.4mmである。従って、直径Dが5mm以下であれば、前記に記した理由から電子線導入穴36の中にプラズマPは侵入し得ないので(図7A参照)、電子線照射装置31の内側に不純物を含んだ膜が付着することを防止することが可能となり、広範囲のプラズマに対して、長期に渡ってドーズ量の測定に要する時間を短く維持できるという特段の効果がある。
また、図1A及び図1Bに示すように、X線透過窓38の内壁面側にはシャッター39を備えている。シャッター39は、モータなどの回転装置又はシリンダなどのシャッター開閉駆動装置39Dを利用して、X線透過窓38を閉鎖する閉鎖位置(図1A参照)と、X線透過窓38を露出させる開放位置(図1B参照)との間で移動可能でかつX線遮蔽機能を有する蓋部材で構成されている。シャッター39は、プラズマを発生させている間、X線透過窓38を覆う閉鎖位置に位置するように配置する。これによって、不純物を含む膜がX線透過窓38に形成されず、不純物を含む膜によってX線の線量が減衰することが防止できる。一方、図1Bに示すように、X線を基板に照射してドーズ量を測定している間は、シャッター39はX線透過窓38を覆う閉鎖位置から開放位置に移動する。これにより、基板29から発生したX線37を、不純物を含む膜で減衰させたり、シャッター39で遮断することなく、X線透過窓38を通過させてX線分析器32を通じてX線検出器33で検出することが可能となる。これにより、さらに長期に渡ってドーズ量の測定に要する時間を短く維持できるという効果がある。
このような装置構成において、繰り返し製品を生産した際のスループットの変化を調べた。スループットは以下に説明する工程S1Aから工程S4Aに要する時間の合計とした。
(工程S1A)まず、不純物導入前のシリコン基板29を真空容器21内の試料電極26に載置する。
(工程S2A)次に、プラズマドーピングを実施してシリコン基板に不純物を導入する。すなわち、制御装置1000の制御の下に、真空容器21内に、ガス供給装置22から原料ガスである例えばHeで希釈されたBを導入しつつターボ分子ポンプ23により排気を行い、調圧弁24により真空容器21内を所定の圧力に保ったのち、高周波電源25により13.56MHzの高周波電力をコイル28に供給することにより、真空容器21内にプラズマを発生させるとともに、試料電極26に高周波電源30から高周波電力を供給して、試料電極26上の基板29がプラズマに対して負の電位を持つように、試料電極26の電位を制御する。このようにしてプラズマドーピングを実施してシリコン基板に不純物を導入するときの放電条件は、一例として、真空容器21内に導入する前記原料ガス(プロセスガス)が例えばBをHeで希釈した混合ガスであり、前記原料ガス中におけるBの濃度が例えば3質量%であり、真空容器21内の前記所定の圧力が例えば1Paであり、コイル28に供給する前記高周波電力が例えば1000Wである。また、一例として、プラズマドーピングの放電時間は60秒とする。このとき、X線透過窓38の内壁面に設けたシャッター39は閉鎖位置に位置してX線透過窓38を閉じておく。
(工程S3A)次に、電子線照射装置31から電子線34をシリコン基板29に照射して、シリコン基板29から放出されるX線37の線量をX線検出器33で検出することで、ドーズ量を測定する。一例として、このときの電子線34の加速エネルギーは500eVである。電子線34を照射するとき、X線透過窓38に設けたシャッター39を開放位置に位置してX線透過窓38を開いておく。
(工程S4A)次に、シリコン基板29を真空容器21から搬出する。このとき、制御装置1000の制御の下に、ガス供給装置22とターボ分子ポンプ23と高周波電源25と高周波電源30などの装置の駆動をそれぞれ停止しておく。
以上の工程S1Aから工程S4Aを1サイクルとして、繰り返し実施したときのスループットの変化を測定した。尚、本実施形態では、工程S2Aでのプラズマドーピングの放電時間は一定とした。また、工程S1A及び工程S4Aにおけるシリコン基板29の搬入及び搬出に要する時間は一定である。
図3Aは、前記工程S1Aから工程S4Aを繰り返した際の、横軸をプラズマドーピングの処理回数(工程S1Aから工程S4Aを1サイクルとしたサイクルの繰り返し回数)としてスループットの変化を表した図である。本実施形態では、プラズマドーピングを繰り返しても、スループットが低下しない。ここで、シリコン基板29を真空容器21内に搬入する工程S1Aと、プラズマドーピングでシリコン基板29に不純物を導入する工程S2A、シリコン基板29を搬出する工程S4Aに要する時間は一定である。また、図4Aに示すように、プラズマドーピングの繰り返しサイクル数が増加した場合でも工程S2Aに要する時間は初期と変わらずに一定である。このように、工程S1Aから工程S4Aの全ての工程に要する時間はプラズマドーピングの繰り返しサイクル数が増加しても一定なので、本実施形態ではプラズマドーピングを繰り返しても、スループットが低下しないことが確認された。
すなわち、本発明の前記実施形態にかかるプラズマドーピング装置を用いてプラズマドーピングを実施すれば、長期間(例えば、数週間又は1ヶ月程度)に渡り高いスループットを保ったまま、製品の不良率を低下することができることができるという特段の効果を得ることができる。
(比較例)
以下、比較例に係るプラズマドーピング装置について、図面を参照しながら説明する。
図5に、比較例のプラズマドーピング装置(特許文献1に記載された従来の不純物導入方法としてのプラズマドーピング法に用いられるプラズマ処理装置)の部分断面図を示す。図5において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入しつつ、排気装置としてのターボ分子ポンプ3により排気を行い、調圧弁4により真空容器1内を所定の圧力に保つことができる。高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を試料電極6に対向した天板7の近傍に設けられたコイル8に供給することにより、真空容器1内に誘導結合型プラズマを発生させることができる。試料電極6上に、試料としてのシリコン基板9を載置する。また、試料電極6に高周波電力を供給するための高周波電源10が設けられており、これは、試料としての基板9がプラズマに対して負の電位を持つように、試料電極6の電位を制御する電圧源として機能する。
このようにして、プラズマ中のイオンをシリコン基板9の表面に向かって加速し衝突させてシリコン基板9に不純物を導入することができる。なお、ガス供給装置2から供給されたガスは、排気口11からポンプ3へ排気される。ターボ分子ポンプ3及び排気口11は、試料電極6の直下に配置されている。試料電極6は、基板9を載置する略円形状の台座である。
さらに、基板9の表面に導入されたドーズ量を算出するための、電子線照射装置12、X線分析器13、X線検出器14、および、電子線15を真空容器1内に導入するための電子線導入穴16、X線17を透過するためのX線透過窓18が備えられている。電子線15を電子線照射装置12から電子線導入穴16を通して真空容器1内に導入し、基板9に照射すると、基板9からX線17が放出される。基板9から放出されたX線17の線量をX線透過窓18を通してX線分析器13、X線検出器14から成る検出器を用いて検出することにより、基板9の表面に導入されたドーズ量を測定する。比較例の装置構成において、電子線導入穴16の直径は約40mmとした。
このような装置構成において、繰り返し製品を生産した際のスループットの変化を調べた。スループットは以下に説明する工程S1Bから工程S4Bに要する時間の合計とした。
(工程S1B)まず、不純物導入前のシリコン基板9を真空容器1内の試料電極6に載置する。
(工程S2B)次に、プラズマドーピングを実施してシリコン基板9に不純物を導入する。このときのプラズマの放電条件は、真空容器1内に導入する前記原料ガス(プロセスガス)が例えばBをHeで希釈した混合ガスであり、前記原料ガス中おけるBの濃度が例えば3質量%であり、真空容器1内の前記所定の圧力が例えば1Paであり、コイル8に供給する高周波電力が例えば1000Wである。また、プラズマドーピングの放電時間は60秒とし、本発明の前記実施形態でスループットを調べた場合と同じとした。またシリコン基板9に導入されるドーズ量も本発明の前記実施形態と同じにした。
(工程S3B)次に、電子線15をシリコン基板9に照射して、シリコン基板9から放出されるX線17の線量を測定することで、ドーズ量を測定する。このときの電子線15の加速エネルギーは500eVとし、本発明の前記実施形態と同じとした。
(工程S4B)次に、シリコン基板9を真空容器1から搬出する。
これらの工程S1Bから工程S4Bを1サイクルとして、繰り返し実施したときのスループットの変化を調べた。
尚、本比較例では、工程S2Bでのプラズマドーピングの放電時間は一定とした。また、工程S1B、工程S4Bにおけるシリコン基板の搬入及び搬出に要する時間は、一定である。
図3Bは、前記工程S1Bから工程S4Bを繰り返した際の、横軸をプラズマドーピングの実施回数(工程S1Bから工程S4Bを1サイクルとしたサイクルの繰り返し回数)としてスループットの変化を表した図である。本比較例では、プラズマドーピングを繰り返すと、スループットが著しく低下した。なお、シリコン基板9を真空容器1内に搬入する工程S1Bと、プラズマドーピングでシリコン基板9に不純物を導入する工程S2B、シリコン基板9を搬出する工程S4Bに要する時間は一定である。そこで、スループットが低下する原因を調べた結果、ドーズ量の測定を行う工程S2Bに要する時間が繰り返しプラズマドーピングを行うと著しく長くなるためであることが分かった。図4Bに、プラズマドーピングの繰り返しサイクル数と、工程S2Bに要する時間の関係を示す。工程S2Bに要する時間が長くなる原因は、電子線導入穴16から電子線照射装置12の内部にプラズマPが侵入することで(図7B参照)、不純物を含む膜が電子線照射装置12の中にあるフィラメントや加速器に付着したことが原因である。これによって、フィラメントから放出される電子が不純物を含む膜によって阻害され、電子の放出数が減少することで、電子線15の強度が減衰したため、シリコン基板9から放出されるX線17の時間あたりの線量が低下し、ドーズ量の定量に要する時間が長くなる。さらに、X線透過窓17の内壁面にも不純物を含む膜が形成されていた。これにより、不純物を含む膜でX線17が減衰されて、X線検出器14に届くX線17の線量が低下したことも、スループットが低下した原因の1つである。
本比較例では、プラズマドーピングを繰り返すと最終的には製品が生産できなくなった。これは、プラズマドーピングを繰り返すと、前記の理由によりシリコン基板9から放出されるX線17の線量が低下し続け、最終的にX線検出器14で検出できる線量の下限値を下回ったためである。
すなわち、本比較例の装置を用いてプラズマドーピングを実施すると、本発明の前記実施形態のプラズマドーピング装置と比較して、短期間(例えば、数時間)でスループットが低下してしまうという不具合を生じる。そして、最終的には製品を生産することができなくなるという著しい問題がある。
(変形例)
なお、本発明は上記前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
例えば、前記電子線導入管35が、図1Cに示すように、外側管35Aと内側管35Bの二重構造であるとともに、前記外側管35Aが金属、例えば、ステンレス銅である一方、前記内側管35Bが絶縁体であるように構成してもよい。
これにより、電子線導入管35の内側と外側で材質を変えることができるので、フィラメント31Aから基板29の間の電位を材質によって制御し易くすることができる結果、電子線34の強度を低下させることなく電子線34を輸送し易くなるので望ましい。また、電子線導入管35の周辺に設置された高周波電源25の高周波電源整合装置やコイル28等から発生する電磁波によって発生する電子線導入管35内の電界の変化を低減できる結果、電子線34の強度を低下させることなく、基板29に照射できるという特段の効果を奏する。また、前記電子線導入管35の前記外側管35Aの金属がステンレス銅であれば、前記した電子線導入管35内の電界の変化を低減できると共に、ガス供給装置22から供給される原料ガスによる腐食を防止できるので、さらに望ましい。また、前記電子線導入管35の前記内側管35Bが絶縁体であれば、外側管35Aの金属の成分が真空容器21内に混入することを防ぐことができ、金属汚染を低下できるので、さらに望ましい。
また、前記電子線照射装置31から照射される電子線34の加速エネルギーは、50eV以上、10keV以下であるようにするのが好ましい。前記電子線34の加速エネルギーが50eV未満であれば、基板29の表面に対して垂直に電子線34を照射することが難しく、放出されるX線37の強度が極めて小さくなるので、十分な検出感度が得られないという不具合が生じる。一方で、前記電子線34の加速エネルギーが10keVより大きければ、測定したい領域よりも深い領域から放出されるX線37の強度が多くなり、実際に測定したい浅い領域から放出されるX線37の強度が相対的に小さくなるので、実際に測定したい浅い領域を正確に評価することが困難となるという問題が生じる。これに対して、前記電子線34の加速エネルギーが、50eV以上、10keV以下であれば、測定したい基板29の浅い領域から放出されるX線37の強度も十分に大きく、測定したくない基板29の深い領域から放出されるX線37の強度を抑制できるので、正確な測定を行うことができて望ましい。
なお、上記前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかるプラズマドーピング装置は、プラズマドーピングを行う真空容器にドーズ量を検査する測定器を備えており、工場で連続してプラズマを放電して製品を処理するうえで、長期間に渡り高いスループットを保ったまま、製品の不良率を低下することができ、半導体装置及びその製造方法において、特に、不純物を半導体基板等の固体試料の表面に導入するときに有用なものである。
本発明の1つの実施形態にかかるプラズマドーピング装置において、シャッターが閉鎖位置に位置している場合の部分断面図。 本発明の前記実施形態にかかるプラズマドーピング装置において、シャッターが開放位置に位置している場合の部分断面図。 本発明の前記実施形態にかかるプラズマドーピング装置の電子線照射装置の内部の部分断面図。 本発明の前記実施形態にかかるプラズマドーピング装置において、電子線導入穴の直径をD、電子線導入穴の内側側面からのシースの厚さをS、プラズマのデバイ長をλとしたとき、本発明の効果を奏する条件としての電子線導入穴の直径Dを説明するための説明図。 本発明の前記実施形態にかかるプラズマドーピング装置において、工程S1Aから工程S4Aを繰り返した際の、横軸をプラズマドーピングの処理回数(工程S1Aから工程S4Aを1サイクルとしたサイクルの繰り返し回数)としてスループットの変化を表した図。 比較例において、工程S1Bから工程S4Bを繰り返した際の、横軸をプラズマドーピングの実施回数(工程S1Bから工程S4Bを1サイクルとしたサイクルの繰り返し回数)としてスループットの変化を表した図。 本発明の前記実施形態にかかるプラズマドーピング装置において、プラズマドーピングの繰り返しサイクル数が増加した場合でも工程S2Aに要する時間は初期と変わらずに一定であることを示す図。 比較例において、プラズマドーピングの繰り返しサイクル数と、工程S2Bに要する時間の関係を示す図。 特許文献1に記載された従来の不純物導入方法としてのプラズマドーピング法に用いられるプラズマ処理装置の部分断面図。 従来のプラズマドーピング装置の電子線照射装置と電子線導入穴の詳細を説明するための部分断面図。 本発明の前記実施形態にかかるプラズマドーピング装置において、電子線導入穴から電子線照射装置の内部にプラズマが侵入しない状態を説明するための説明図 比較例において、電子線導入穴から電子線照射装置の内部にプラズマが侵入する状態を説明するための説明図
符号の説明
21 真空容器
21a 真空容器のケーシング
22 ガス供給装置
23 ターボ分子ポンプ
24 調圧弁
25 プラズマ発生用高周波電源
26 試料電極
27 天板
28 コイル
29 シリコン基板
30 試料電極用高周波電源
31 電子線照射装置
31A フィラメント
31B 加速器
32 X線分析器
33 X線検出器
34 電子線
35 電子線導入管
36 電子線導入穴
37 X線
38 X線透過窓
39 シャッター
39D シャッター開閉駆動装置
1000 制御装置。

Claims (7)

  1. 真空容器と、前記真空容器内に配置され基板を載置する試料電極と、前記試料電極に高周波電力を印加する高周波電源と、前記真空容器内を排気するガス排気装置と、前記真空容器内にガスを供給するガス供給装置と、前記真空容器内で前記基板にプラズマを直接照射するプラズマ照射装置と、前記基板に電子線を前記基板に向けて照射する電子線照射装置と、前記真空容器に配置されて前記電子線照射装置から照射された電子線を前記基板に向けて輸送する電子線導入管と、前記基板から放出されるX線を測定する検査装置とを備えるプラズマドーピング装置であって、
    前記試料電極と対向する前記真空容器の上壁に、前記電子線導入管と連通しかつ前記電子線を前記真空容器内に前記基板に向けて導入するプラズマ侵入防止兼電子線導入穴を備え、前記電子線導入穴の直径Dがデバイ長をλ、シースの厚さをSとして、D≦2λ+2Sを満たすことを特徴とするプラズマドーピング装置。
  2. 前記電子線導入穴の直径Dが0.05mm以上、5mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマドーピング装置。
  3. 前記真空容器に設けられかつ前記X線を前記真空容器の外に透過するX線透過窓の内壁面に、前記X線透過窓を開閉するシャッターを備えることを特徴とする請求項1に記載のプラズマドーピング装置。
  4. 前記電子線導入管が外側管と内側管の二重構造であるとともに、前記外側管が金属で構成されている前記電子線導入管を備えることを特徴とする請求項1に記載のプラズマドーピング装置。
  5. 前記電子線導入管の前記外側管の金属がステンレス銅であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマドーピング装置。
  6. 前記電子線導入管の前記内側管が絶縁体であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマドーピング装置。
  7. 前記電子線の加速エネルギーが50eV以上、10keV以下であることを特徴とする特徴とする請求項1に記載のプラズマドーピング装置。
JP2008116835A 2008-04-28 2008-04-28 プラズマドーピング装置 Withdrawn JP2009267203A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116835A JP2009267203A (ja) 2008-04-28 2008-04-28 プラズマドーピング装置
US12/430,551 US20090266298A1 (en) 2008-04-28 2009-04-27 Plasma doping apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116835A JP2009267203A (ja) 2008-04-28 2008-04-28 プラズマドーピング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009267203A true JP2009267203A (ja) 2009-11-12

Family

ID=41213743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008116835A Withdrawn JP2009267203A (ja) 2008-04-28 2008-04-28 プラズマドーピング装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20090266298A1 (ja)
JP (1) JP2009267203A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11145496B2 (en) * 2018-05-29 2021-10-12 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. System for using O-rings to apply holding forces
US20220093428A1 (en) * 2020-09-21 2022-03-24 Applied Materials, Inc. Atomic oxygen detection in semiconductor processing chambers

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS594819B2 (ja) * 1975-10-08 1984-02-01 双葉電子工業株式会社 イオン源
JPS5587445A (en) * 1978-12-25 1980-07-02 Fujitsu Ltd Manufacture of semiconductor device
DE3803355A1 (de) * 1988-02-05 1989-08-17 Leybold Ag Teilchenquelle fuer eine reaktive ionenstrahlaetz- oder plasmadepositionsanlage
US6452338B1 (en) * 1999-12-13 2002-09-17 Semequip, Inc. Electron beam ion source with integral low-temperature vaporizer
US7085351B2 (en) * 2000-10-06 2006-08-01 University Of North Carolina At Chapel Hill Method and apparatus for controlling electron beam current
DE10207835C1 (de) * 2002-02-25 2003-06-12 Karlsruhe Forschzent Kanalfunkenquelle zur Erzeugung eines stabil gebündelten Elektronenstrahls
EP1585999A4 (en) * 2002-08-02 2008-09-17 E A Fischione Instr Inc METHOD AND DEVICE FOR PREPARING SAMPLES FOR MICROSCOPY
US7557511B2 (en) * 2005-08-01 2009-07-07 Neocera, Llc Apparatus and method utilizing high power density electron beam for generating pulsed stream of ablation plasma
US8956457B2 (en) * 2006-09-08 2015-02-17 Tokyo Electron Limited Thermal processing system for curing dielectric films
US20090218219A1 (en) * 2008-02-29 2009-09-03 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Manufacturing Apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
US20090266298A1 (en) 2009-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7878145B2 (en) Monitoring plasma ion implantation systems for fault detection and process control
JP2009016453A (ja) プラズマ処理装置
KR101441167B1 (ko) 광 발광 분광법에 의해 저압 가스를 분석하는 시스템
JP2006338881A (ja) 電子顕微鏡応用装置および試料検査方法
US6140131A (en) Method and apparatus for detecting heavy metals in silicon wafer bulk with high sensitivity
JP2004039936A (ja) ドーピング方法、ドーピング装置の制御システム、およびドーピング装置
CN113169028A (zh) 质谱仪和通过质谱分析气体的方法
JP2009267203A (ja) プラズマドーピング装置
JP4911567B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置
US9773637B2 (en) Plasma ion source and charged particle beam apparatus
JP2002310959A (ja) 電子線分析装置
WO2002037525A2 (en) A probe assembly for detecting an ion in a plasma generated in an ion source
KR20220100026A (ko) 이온 밀링 장치
KR20160100238A (ko) 플라즈마 이온원 및 하전 입자 빔 장치
JP4855625B2 (ja) プラズマ処理装置の観測窓およびプラズマ処理装置
JP4067640B2 (ja) 荷電粒子源および荷電粒子ビーム装置並びに不良解析方法および半導体デバイスの製造方法
US7205539B1 (en) Sample charging control in charged-particle systems
US11784031B2 (en) Method of detecting radicals using mass spectrometry
TWI773042B (zh) 離子研磨裝置
US20210269919A1 (en) Shunt door for magnets in plasma process chamber
JP2004095985A (ja) 計測用窓部を備えたプラズマ処理装置
JPH11154485A (ja) 質量分析装置およびそれを備えるイオン注入装置
JPH08138887A (ja) プラズマ計測装置、プラズマ計測方法及びプラズマ処理装置
KR20220105353A (ko) 오염입자의 실시간 복합 측정이 가능한 수직형 플라즈마 처리 장치
JPH0745227A (ja) 荷電粒子応用分析装置及び荷電粒子応用描画装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110414

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20121015