JP2009267040A - 半導体発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹部18を有する基台10と、凹部18の底部に実装された半導体発光素子である青色LED20と、部材周面26Aの一方側終縁に入射面26Bを、他方側終縁に出射面26Cを有し、青色LED20からの青色光を入射面26Bから受け入れ、当該青色光の一部を黄色光に変換し、当該黄色光を波長変換されなかった青色光と共に出射面26Cから出射する波長変換部材26とを有し、波長変換部材26は、青色LED20から離間された状態で、周面26Aが凹部18開口部に嵌め込まれて基台18に設けられており、周面26Aが青色LED20から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状に形成されていると共に、周面26Aに光を反射する反射層が形成されている。
【選択図】図1
Description
白色LEDパッケージの一般的なものとして、基台に実装された半導体発光素子の一種である青色LEDチップに、波長変換物質である黄色蛍光体を含有した樹脂が直接ポッティングされてなる構成を有するものが知られている。この構成によれば、青色LEDから出射された青色光の一部は黄色蛍光体により黄色光に変換される。そして、当該黄色光と、黄色光に変換されずに蛍光体含有樹脂を透過した青色光との混色により白色光が得られる。
特許文献1の白色LEDパッケージ300は、凹部302を有する基台304と、凹部302の底部に実装された青色LEDチップ306と、凹部302の開口部を塞ぐように配された波長変換部材308とを有する。波長変換部材308は、透光性プレート310と透光性プレート310の下面に被着された黄色蛍光体層312とからなる。
波長変換物質における変換効率は、温度依存性を有しており、温度が上昇すればするほど変換効率は低下する。この問題に対処するため、図13の一点鎖線で示すように、透光性プレート310の厚みを増大させて透光性プレート310から基台304への放熱経路を拡張することにより、黄色蛍光体層312における温度上昇を抑制することが考えられる。
本発明は、上記した課題に鑑み、波長変換部材の厚みを増大させたとしても、光の取り出し効率の低下を可能な限り抑制することができる半導体発光装置を提供することを目的とする。
また、前記凹部開口を形成する基台内壁は、前記周面に合致するテーパー状に形成されており、前記波長変換部材は、当該周面を前記基台内壁に嵌合させて前記基台に固着されていることを特徴とする。
また、前記波長変換部材は、セラミックス材料または酸化物単結晶材料からなることを特徴とする。
また、前記周面のテーパー角が60度以上120度以下の範囲であることを特徴とする。
<実施の形態1>
図1は、本発明に係る半導体発光装置の実施の形態の一例として示す、表面実装型白色LEDパッケージ2(以下、単に「LEDパッケージ2」と言う。)の概略構成を表した図である。図1(a)は、LEDパッケージ2の平面図を、図1(b)は、(a)におけるA・A線位置での断面図を、図1(c)は、底面図をそれぞれ示している。なお、図1(a)は、後述する波長変換部材26を除いた状態で表した図である。また、図1を含む全ての図において各部材間の縮尺は統一していない。
プリント配線板4は、絶縁基板12と絶縁基板12の表面に形成されたプリント配線14,16とからなる。プリント配線14,16は、絶縁基板12の上面から側面を経て底面に渡って形成されていて、当該底面に形成されたプリント配線14,16部分が、給電端子14A,16Aとして用いられる。
プリント配線板4とスペーサ8とは、耐熱性の接着剤(不図示)で固着されている。固着された状態で、プリント配線板4上面の中央部部分と中空部6とで基台10の凹部18を成す。
青色LED20のp側電極(不図示)とプリント配線14とは、ボンディングワイヤー22で接続されている。一方、n側電極(不図示)とプリント配線16とはボンディングワイヤー24で接続されている。
図1に戻り、基台10の凹部18の開口部内壁は、逆円錐台形をした波長変換部材26の側面(すなわち、テーパー状をした周面)に合致するテーパー状に形成されている。
図1(b)におけるB部の拡大図を図3(a)に示し、これを参照しながら、反射層32と接合層36等について説明する。
反射層32は、透光性プレート28に直接被着されている。反射層32は、誘電体多層膜からなる。誘電体多層膜は、異種材料からなる2種の薄膜(例えば、酸化タンタル(Ta2O5)膜と酸化珪素(SiO2)膜)を交互に積層したものである。反射層32の厚みは0.5〜2[μm]の範囲にある。なお、誘電体多層膜に用いる薄膜材料は、前記したもの以外に、例えば、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムの中から選択できる。
透光性プレート28側に形成された反射層32、拡散防止層34とスペーサ8側に形成されたNi/Pt/Au層38との間に存する接合層36によって、透光性プレート28(波長変換部材26)がスペーサ8(基台10)に固着されている。
しかし、上述した従来の透光性プレートをそのまま分厚くしただけでは、その内部を伝播する光の内、側面(周面)に向かう光が有効に取り出せなくなる可能性が高く、LEDパッケージにおける光の取り出し効率が低くなる。これに対し、実施の形態に係る透光性プレート28の側面(周面)26Aは、青色LED20から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状をしており、透光性プレート28内を進行してくる光を反射する反射層32が当該側面(周面)に形成されているため、透光性プレート28内をその側面(周面)に向かって伝播した光は反射層32で、前方へと(青色LED20の光出射方向と同方向へと)反射される。このため、従来の透光性プレートをそのまま分厚くしただけの場合と比較して、光の取り出し効率は向上する。
図2(b)は、透光性プレート28の断面を表している。
下面の径をD1、上面の径をD2、厚みをT1とする。透光性プレート28は、逆円錐台形をしているため、当然のことながら、D1<D2である。
続いて、LEDパッケージ2の製造工程の一部について、図4、図5を参照しながら説明する。
図4は、透光性プレート28への反射層32および蛍光体層30の形成工程を説明するための図である。
次に、スパッタリングまたは蒸着により透光性プレートの側面に反射層32(誘電体多層膜)と拡散防止層34とをこの順に形成する[工程(A−2)]。
続いて、図4の工程(A−2)に示す透光性プレート28の上面(LEDパッケージ2の完成品においては下面となる面)に蛍光体層30を形成する[工程(A−3)]。先ず、酢酸ブチル、ニトロセルロース、ホウ酸などからなる溶液に青色蛍光体粒子を分散させてなる懸濁液を前記上面に塗布した後、乾燥させる。その後、約400度で焼成して、前記溶液中の有機物を燃焼させることにより、無機物のみからなる蛍光体層30が形成される。
工程(A−1)〜工程(A−3)と平行して、図5に示すように、基台10の開口部内壁における波長変換部材26を接合する領域にAuSnからなる半田層42を形成した後、基台10の凹部18の底部に青色LED20が実装する[工程(C−1)]。
以上説明したようにしてLEDパッケージ2が作製される。
(変形例)
上記の例では、反射層32を誘電体多層膜で構成したが、これに限らず、一種金属の薄膜で構成することとしても構わない。
透光性プレート48に直接被着されている反射層50は、金属層からなる。当該金属層を構成する金属としては、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)などを用いることができる。透光性プレート48は、セラミックスYAGで形成されている。
スペーサ8の内壁には、不図示のMo(モリブデン)層が形成されており、当該Mo層に接合の下地層となるPt層56が形成されている。Pt層56には、AuSnからなる接合層54が積層されている。
変形例に係る波長変換部材58の製造工程の一部について、図6を参照しながら説明する。なお、変形例では、蛍光体層も、上記実施の形態とは異なる方法により形成したものを用いている。
当該セラミックYAG板材(不図示)を、研磨等により円錐台形に整形して、片面に蛍光体層46が形成された透光性プレート48からなる波長変換部材58を作製する[工程(B−1)]。
なお、反射層50、拡散防止層52がその側面に形成された波長変換部材58を基台10に接合する工程は、上記実施の形態において図5を用いて説明したのと同様なので、その説明については省略する。
<実施の形態2>
図7は、実施の形態2に係る表面実装型白色LEDパッケージ60(以下、単に「LEDパッケージ60」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ60は、LEDの個数と波長変換部材の構成とが異なる以外は、基本的に、実施の形態1のLEDパッケージ2と同様である。よって、上記異なる部分を中心に説明し、共通する部分については、簡単に言及するにとどめる。
紫外あるいは青紫色LED21Aのp側電極(不図示)と絶縁基板62に形成されたプリント配線64とは、ボンディングワイヤー22Aで接続されており、n側電極(不図示)と絶縁基板62に形成されたパッド66とはボンディングワイヤー24Aで接続されている。
以上の構成により、紫外あるいは青紫色LED21Aと青色LED21Bとは、直列接続されている。
波長変換部材74は、光の入射面が円形平面で出射面が半球面をした透光性部材76を有する。透光性部材76は、透光性プレート28と同様の材料で形成される。透光性部材76の前記入射面には、蛍光体層77,78,80が積層されている。
このように、異なる色を発する蛍光体プレートを組み合わせて蛍光体プレートを構成することにより、同じ白色光でも色温度等の異なる多彩な光色を実現できる。
また、波長変換部材74(透光性部材76)の光出射面74Cが半球面であるため、集光などの配光制御が可能となる。
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3に係る表面実装型白色LEDパッケージ90(以下、単に「LEDパッケージ90」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ90は、波長変換部材の構成が異なる以外は、基本的に、実施の形態2のLEDパッケージ60(図7)と同様である。よって、実施の形態3において実施の形態2と共通する部分については、実施の形態2と同じ符号を付して、その説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。なお、実施の形態3では、紫外あるいは青紫色LED21A,21Bに代えて、実施の形態1の青色LED20と同じ青色LED20A,20Bを用いている。
透光性プレート94の上面(光出射面)92Cは、サンドブラスト処理等により、表面粗さ5〜50[μm]程度に粗面化されている。これにより光の取り出し効率が、粗面化しない場合よりも改善される。
<実施の形態4>
図9は、実施の形態4に係る表面実装型白色LEDパッケージ100(以下、単に「LEDパッケージ100」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ100は、波長変換部材の構成が異なる以外は、基本的に、実施の形態1のLEDパッケージ2(図1)と同様である。よって、実施の形態4において実施の形態1と共通する部分については、実施の形態1と同じ符号を付して、その説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。
また、波長変換部材102は、その断面が扇形をしている。このようにすることにより、青色LED20から出射される青色光の波長変換部材102を通過する距離を、通過位置にかかわらず、可能な限り均等にすることができる。その結果、青色光が黄色光に変換される割合が、青色光の通過位置にかかわらず一定とすることができるため、波長変換部材102から出射される光(青色光と黄色光が混色されてなる白色光)の出射位置に因る色ムラを可能な限り防止することができる。
<実施の形態5>
図10は、実施の形態5に係る表面実装型白色LEDパッケージ110(以下、単に「LEDパッケージ110」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ110は、波長変換部材の構成が異なる以外は、基本的に、実施の形態1のLEDパッケージ2(図1)、実施の形態4のLEDパッケージ100(図9)と同様である。よって、実施の形態5において実施の形態1,4と共通する部分については、実施の形態1,4と同じ符号を付して、その説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。
波長変換部材112は、上面(光の出射面)および下面(光の入射面)の両方が、外方にドーム状に膨出しており、全体として凸レンズ状をしている。
このようにすることにより半導体素子直近の1次光が発散する前に波長変換部材に1次光を入射させて、波長変換部材中を真上に進む1次光と斜めに進む1次光の光路長をそろえることができるので、色むらの抑制ができる。
<実施の形態6>
図11に、実施の形態6に係る表面実装型白色LEDパッケージ202(以下、単に「LEDパッケージ202」と言う。)の概略構成を示す。図11(a)は、LEDパッケージ202の平面図を、図11(b)は、(a)におけるD・D線位置での断面図を、図11(c)は、底面図をそれぞれ示している。なお、図11(a)は、波長変換部材226を除いた状態で表した図である。
これに対し、実施の形態6に係るLEDパッケージ202では、波長変換部材226を逆角錐台形に形成すると共に、これに合致させて、基台210の凹部218を逆角錐台形に形成した。
したがって、図11において各部材を示す符号に200番台の番号を用いると共に、その下2桁に実施の形態1のLEDパッケージ2の対応する構成部材に付した番号(図1)を用いて、それぞれの説明については省略する。
(1)実施の形態1〜3では、透光性プレートの下面(青色LEDに臨む側の面)に蛍光体層を被着させたが、これに限らず、上面に被着させることとしても構わない。
あるいは、上下両面に蛍光体層を被着させても構わない。
(2)さらには、図12に示すように、透光性プレート122,124で、蛍光体層126を挟み込んで(サンドイッチして)、波長変換部材120を構成しても構わない。
また、上記サンドイッチ構造を採った場合であっても、上下両端の透光性プレートの一方または両方の外主面に蛍光体膜を被着させることとしても構わない。
(3)上記実施の形態では、LEDとしてGaN等の窒化物半導体材料からなるものを用いたが、LEDパッケージに用いるLEDとしては、これに限らず、ZnO等の酸化物半導体材料やZnS等の硫化物半導体材料からなるものを用いることができる。
(4)蛍光体層で発生した熱を効率よく放熱するためには透光性プレートや透光性部材の材料として熱伝導率が10[W/m・K]以上であることが好ましい。上記実施の形態では、AlN(熱伝導率:150[W/m・K])やYAG(熱伝導率:11[W/m・K])を用いたが、これに限らず、例えば、Al2O3(熱伝導率:30[W/m・K])、MgO(熱伝導率:54[W/m・K])、Y2O3(熱伝導率:14.5[W/m・K])、ZnO(熱伝導率:20[W/m・K])、BN(熱伝導率:1000[W/m・K])、SiC(熱伝導率:400[W/m・K])を用いることができる。
蛍光体材料には、黄色蛍光体としてY3Al5O12:Ce3+、Y3(Al,Ga)5O12:Ce3+、(Y,Gd)3Al5O12:Ce3+、Y3Al5O12:Tb3+、Y3Al5O12:Ce3+,Pr3+、チオガレート蛍光体CaGa2S4:Eu2+、α−サイアロン蛍光体Ca-α-SiAlON:Eu2+などがある。
赤色蛍光体として硫化物蛍光体 (Ca、Sr)AlSiN3:Eu2+、 (Sr,Ca)S:Eu2+,La2O2S:Eu3+,Sm3+、珪酸塩蛍光体 Ba3MgSi2O8:Eu2+,Mn2+、窒化物または酸窒化物蛍光体 (Ca、Sr)SiN2:Eu2+、 (Ca、Sr)AlSiN3:Eu2+、 Sr2Si5-xAlxOxN8-x:Eu2+(0≦x≦1)などがある。
10,210 基台
20,20A,20B,220 青色LED
21A,21B 紫外あるいは青紫色LED
26,74,92,102,112,226 波長変換部材
26A,74A,226A 部材周面
26B,74B,226B 入射面
26C,74C,226C 出射面
32,50 反射層
Claims (11)
- 凹部を有する基台と、
前記凹部の底部に実装された半導体発光素子と、
部材周面の一方側終縁に入射面を、他方側終縁に出射面を有し、前記半導体発光素子からの1次光を前記入射面から受け入れ、当該1次光の一部をこれよりも波長の長い2次光に変換し、少なくとも2次光を前記出射面から出射する波長変換部材と、
を有し、
前記波長変換部材は、前記周面が前記凹部開口部に嵌め込まれて前記基台に設けられており、
前記周面が前記半導体発光素子から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状に形成されていると共に、当該周面に光を反射する反射層が形成されていることを特徴とする半導体発光装置。 - 前記2次光と当該2次光に波長変換されなかった1次光をともに前記出射面から出射することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
- 前記凹部開口を形成する基台内壁は、前記周面に合致するテーパー状に形成されており、前記波長変換部材は、当該周面を前記基台内壁に嵌合させて前記基台に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
- 前記反射層は誘電体多層膜からなり、前記波長変換部材は、前記誘電体多層膜と前記基台内壁との間に存する接合層を介して、前記基台に固着されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光装置。
- 前記反射層は金属層からなり、当該金属層には拡散防止層が積層されており、前記波長変換部材は、前記拡散防止層と前記基台内壁との間に存する接合層を介して、前記基台に固着されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光装置。
- 前記拡散防止層は、前記金属層の周縁を覆うように当該金属層の周囲まで延設されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
- 前記波長変換部材は、透光性プレートとその一方の主面の少なくとも一部に被着された波長変換層とからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
- 前記波長変換層は、前記透光性プレートの前記半導体発光素子側の主面に被着されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置。
- 前記波長変換部材は、セラミックス材料または酸化物単結晶材料からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
- 前記波長変換部材は、プレート状をしており、その側面である前記周面が前記凹部開口部に嵌め込まれていて、前記半導体発光素子側の主面の径をD1、厚みをTとした場合に、当該波長変換部材が、(D1/3)≦T≦(3×D1)の関係を満たすような形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
- 前記周面のテーパー角が60度以上120度以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
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