JP2009267040A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換部材の厚みを増大させたとしても、光の取り出し効率の低下を可能な限り抑制することができる半導体発光装置を提供すること。
【解決手段】凹部18を有する基台10と、凹部18の底部に実装された半導体発光素子である青色LED20と、部材周面26Aの一方側終縁に入射面26Bを、他方側終縁に出射面26Cを有し、青色LED20からの青色光を入射面26Bから受け入れ、当該青色光の一部を黄色光に変換し、当該黄色光を波長変換されなかった青色光と共に出射面26Cから出射する波長変換部材26とを有し、波長変換部材26は、青色LED20から離間された状態で、周面26Aが凹部18開口部に嵌め込まれて基台18に設けられており、周面26Aが青色LED20から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状に形成されていると共に、周面26Aに光を反射する反射層が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光装置に関し、特に、半導体発光素子と当該半導体発光素子からの光を波長変換する波長変換物質とを有する半導体発光装置に関する。
半導体発光装置の一種である白色LEDパッケージが、近年、蛍光灯等の従来の照明器具に代替するものとして広く用いられるようになってきている。
白色LEDパッケージの一般的なものとして、基台に実装された半導体発光素子の一種である青色LEDチップに、波長変換物質である黄色蛍光体を含有した樹脂が直接ポッティングされてなる構成を有するものが知られている。この構成によれば、青色LEDから出射された青色光の一部は黄色蛍光体により黄色光に変換される。そして、当該黄色光と、黄色光に変換されずに蛍光体含有樹脂を透過した青色光との混色により白色光が得られる。
ところが、上記構成では、蛍光体含有樹脂が青色LEDチップに密接しているため、点灯中に青色LEDから出る熱の影響を蛍光体含有樹脂が直接的に受ける。このため、蛍光体含有樹脂が変色する等の劣化が早くなる。当該劣化によって、白色LEDパッケージにおける光の取り出し効率が低下してしまう。ここで、光の取り出し効率とは、半導体発光素子(青色LED)において発生する光量と半導体発光装置(白色LEDパッケージ)の外部へ取り出される光量との比である。
この問題を解決するための白色LEDパッケージとして、特許文献1には、図13に示すような構成としたものが開示されている。
特許文献1の白色LEDパッケージ300は、凹部302を有する基台304と、凹部302の底部に実装された青色LEDチップ306と、凹部302の開口部を塞ぐように配された波長変換部材308とを有する。波長変換部材308は、透光性プレート310と透光性プレート310の下面に被着された黄色蛍光体層312とからなる。
このように、波長変換部材308を発熱源である青色LEDチップ306から離間させることにより、青色LEDチップ306から出る熱の影響が低減されるため、波長変換部材308の劣化が可能な限り抑制されることとなる。
特開2003−347601号公報
ところで、近年におけるLEDの高輝度化に伴い、LEDチップから放出される光のエネルギーが増大している。この結果、当該光の波長を異なる波長の光に変換する波長変換物質である蛍光体におけるエネルギーロス(ストークス損)も多くなり、波長変換部材(蛍光体層)における発熱量が増大している。
波長変換物質における変換効率は、温度依存性を有しており、温度が上昇すればするほど変換効率は低下する。この問題に対処するため、図13の一点鎖線で示すように、透光性プレート310の厚みを増大させて透光性プレート310から基台304への放熱経路を拡張することにより、黄色蛍光体層312における温度上昇を抑制することが考えられる。
ところで、透光性プレート310内を進行する光の内、プレート側面に向かう光は透光性プレートから出射されにくい。このため、透光性プレート310の厚みを増大させると、そのような出射されにくい光が増加することとなる結果、LEDパッケージにおける光の取り出し効率が低下してしまう。
本発明は、上記した課題に鑑み、波長変換部材の厚みを増大させたとしても、光の取り出し効率の低下を可能な限り抑制することができる半導体発光装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る半導体発光素子は、凹部を有する基台と、前記凹部の底部に実装された半導体発光素子と、部材周面の一方側終縁に入射面を、他方側終縁に出射面を有し、前記半導体発光素子からの1次光を前記入射面から受け入れ、当該1次光の一部をこれよりも波長の長い2次光に変換し、少なくとも2次光を前記出射面から出射する波長変換部材とを有し、前記波長変換部材は、前記周面が前記凹部開口部に嵌め込まれて前記基台に設けられており、前記周面が前記半導体発光素子から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状に形成されていると共に、当該周面に光を反射する反射層が形成されていることを特徴とする。
また、前記2次光と当該2次光に波長変換されなかった1次光をともに前記出射面から出射することを特徴とする。
また、前記凹部開口を形成する基台内壁は、前記周面に合致するテーパー状に形成されており、前記波長変換部材は、当該周面を前記基台内壁に嵌合させて前記基台に固着されていることを特徴とする。
また、前記反射層は誘電体多層膜からなり、前記波長変換部材は、前記誘電体多層膜と前記基台内壁との間に存する接合層を介して、前記基台に固着されていることを特徴とする。あるいは、前記反射層は金属層からなり、当該金属層には拡散防止層が積層されており、前記波長変換部材は、前記拡散防止層と前記基台内壁との間に存する接合層を介して、前記基台に固着されていることを特徴とする。この場合に、前記拡散防止層は、前記金属層の周縁を覆うように当該金属層の周囲まで延設されていることとすることもできる。
また、前記波長変換部材は、透光性プレートとその一方の主面の少なくとも一部に被着された波長変換層とからなることを特徴とする。この場合に、前記波長変換層は、前記透光性プレートの前記半導体発光素子側の主面に被着されているようにすることが好ましい。
また、前記波長変換部材は、セラミックス材料または酸化物単結晶材料からなることを特徴とする。
また、前記波長変換部材は、プレート状をしており、その側面である前記周面が前記凹部開口部に嵌め込まれていて、前記半導体発光素子側の主面の径をD1、厚みをTとした場合に、当該波長変換部材が、(D1/3)≦T≦(3×D1)の関係を満たすような形状であることを特徴とする。
また、前記周面のテーパー角が60度以上120度以下の範囲であることを特徴とする。
上記構成からなる半導体発光装置によれば、波長変換部材内を入射面と出射面との間に存する周面に向かって進行してくる光が、半導体発光素子から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状をした当該周面に形成された反射層によって反射されるため、入射面と反射面との距離(波長変換部材の厚み)を増大させたとしても、前記周面で反射される光は、出射面に向かうこととなるので、光の取り出し効率を可能な限り抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明に係る半導体発光装置の実施の形態の一例として示す、表面実装型白色LEDパッケージ2(以下、単に「LEDパッケージ2」と言う。)の概略構成を表した図である。図1(a)は、LEDパッケージ2の平面図を、図1(b)は、(a)におけるA・A線位置での断面図を、図1(c)は、底面図をそれぞれ示している。なお、図1(a)は、後述する波長変換部材26を除いた状態で表した図である。また、図1を含む全ての図において各部材間の縮尺は統一していない。
LEDパッケージ2は、円板状をしたプリント配線板4と逆円錐台形をした中空部6を有するスペーサ8とで構成される基台10を有する。
プリント配線板4は、絶縁基板12と絶縁基板12の表面に形成されたプリント配線14,16とからなる。プリント配線14,16は、絶縁基板12の上面から側面を経て底面に渡って形成されていて、当該底面に形成されたプリント配線14,16部分が、給電端子14A,16Aとして用いられる。
スペーサ8、絶縁基板12には、窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)その他の高熱伝導率のセラミックス材料を用いることができる。
プリント配線板4とスペーサ8とは、耐熱性の接着剤(不図示)で固着されている。固着された状態で、プリント配線板4上面の中央部部分と中空部6とで基台10の凹部18を成す。
凹部18の底部、すなわち、プリント配線板4の上面中央部には、半導体発光素子である青色LED20が実装されている。青色LED20には、GaN等の窒化物半導体材料からなるものを用いることができる。
青色LED20のp側電極(不図示)とプリント配線14とは、ボンディングワイヤー22で接続されている。一方、n側電極(不図示)とプリント配線16とはボンディングワイヤー24で接続されている。
また、LEDパッケージ2は、逆円錐台形のプレート状をした波長変換部材26を有する。波長変換部材26は、透光性プレート28と透光性プレート28の下面に被着された波長変換層である蛍光体層30とからなる。本例では、波長変換部材26の蛍光体層30下面が光入射面となり、透光性プレート28上面が光出射面となる。すなわち、波長変換部材26は、テーパー状に形成された側面(周面)26Aの一方側(下方側)終縁に入射面26Bを、他方側(上方側)終縁に出射面26Cを有する構成である。
波長変換部材26を下方斜めから見た斜視図を図2(a)に示す。透光性プレート28は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)等の高熱伝導率(熱伝導率:150[W/m・K])を有する透光性セラミックス材料で形成される。蛍光体層30は、青色LED20から出射される青色光(1次光)をこれとは波長の異なる黄色光(2次光)に変換する黄色蛍光体粒子を含む。黄色蛍光体には、例えば、YAl12:Ce3+を用いることができる。透光性プレート28の周面(側面)26Aには、後述する反射層32(図3(a))が形成されている。
ここで、蛍光体層30の厚み(膜厚)は10〜30[μm]であり、透光性プレート28の厚み1〜5[mm]と比べて極めて小さいため、蛍光体層30の厚みは、波長変換部材26の大きさを特定する際(評価する際)には無視するものとする。なお、透光性プレート28の下面の径D1の大きさ等については後述する。
図1に戻り、基台10の凹部18の開口部内壁は、逆円錐台形をした波長変換部材26の側面(すなわち、テーパー状をした周面)に合致するテーパー状に形成されている。
透光性プレート28(波長変換部材26)は、反射層32と凹部内壁との間に存する後述の接合層36を介して、基台10に固着されている。
図1(b)におけるB部の拡大図を図3(a)に示し、これを参照しながら、反射層32と接合層36等について説明する。
反射層32は、透光性プレート28に直接被着されている。反射層32は、誘電体多層膜からなる。誘電体多層膜は、異種材料からなる2種の薄膜(例えば、酸化タンタル(Ta)膜と酸化珪素(SiO)膜)を交互に積層したものである。反射層32の厚みは0.5〜2[μm]の範囲にある。なお、誘電体多層膜に用いる薄膜材料は、前記したもの以外に、例えば、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムの中から選択できる。
反射層32に重ねて拡散防止層34が積層されている。拡散防止層34は、反射層32を構成する酸化物成分または窒化物成分が、後述の接合層36を構成するスズ(Sn)と反応するのを防止するために設けられる。拡散防止層34を形成する材料としては、例えば、白金(Pt)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)の中から選択できる。
スペーサ8の内壁には、接合の下地層となるNi/Pt/Au層38が形成されており、Ni/Pt/Au層38には、AuSnからなる接合層36が積層されている。
透光性プレート28側に形成された反射層32、拡散防止層34とスペーサ8側に形成されたNi/Pt/Au層38との間に存する接合層36によって、透光性プレート28(波長変換部材26)がスペーサ8(基台10)に固着されている。
なお、青色LED20が存する空間(収納空間)40は、基台10と波長変換部材26とその両者に存する反射層32、拡散防止層34、接合層36、Ni/Pt/Au層38からなる積層体39とで気密封止されており、当該収納空間40には不活性ガス(例えば、窒素ガス)が充填されている。なお、煩雑さを避けるため、図3以外の図においては、積層体39は一つにまとめて描いている。
図1に戻り、上記構成からなるLEDパッケージ2において、給電端子14A,16Aから給電すると、青色LED20の上面から青色光が出射される。出射された青色光は、波長変換部材26にその入射面26Bから入射する。入射した青色光の一部は、蛍光体層30によって黄色光に波長変換される。当該黄色光と波長変換されなかった青色光とが混色され白色光となってLEDパッケージ2(波長変換部材26の出射面26C)から出射される。
この場合に、蛍光体層30においてストークス損に起因して発生する熱は、透光性プレート28、基台10(スペーサ8、プリント配線板4)を介して、LEDパッケージ2が実装される実装基板(不図示)へと放熱される。透光性プレート28を分厚くして、放熱流路を確保すれば、蛍光体層30における過熱状態を防止するのに効果がある。
しかし、上述した従来の透光性プレートをそのまま分厚くしただけでは、その内部を伝播する光の内、側面(周面)に向かう光が有効に取り出せなくなる可能性が高く、LEDパッケージにおける光の取り出し効率が低くなる。これに対し、実施の形態に係る透光性プレート28の側面(周面)26Aは、青色LED20から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状をしており、透光性プレート28内を進行してくる光を反射する反射層32が当該側面(周面)に形成されているため、透光性プレート28内をその側面(周面)に向かって伝播した光は反射層32で、前方へと(青色LED20の光出射方向と同方向へと)反射される。このため、従来の透光性プレートをそのまま分厚くしただけの場合と比較して、光の取り出し効率は向上する。
しかしながら、分厚くし過ぎると、透光性プレート28内での光の減衰が大きくなるため好ましくない。一方、薄すぎると、放熱性が悪くなる。透光性プレート28(波長変換部材26)の好適な寸法関係について、図2(b)を参照しながら説明する。
図2(b)は、透光性プレート28の断面を表している。
下面の径をD1、上面の径をD2、厚みをT1とする。透光性プレート28は、逆円錐台形をしているため、当然のことながら、D1<D2である。
ここで、D1とTが、(D1/3)≦T≦(3×D1)の条件を満たす関係にあることが好ましい。Tが(D1/3)を下回ると、透光性プレート28(波長変換部材26)が薄すぎて、放熱性が悪くなるからであり、Tが(3×D1)を超えると、透光性プレート28(波長変換部材26)が分厚すぎて、光の減衰が、問題となるほどに大きくなるからである。
また、透光性プレート28の側面(反射層32)における光の反射方向を考慮した場合、当該側面(周面)のテーパー角αは、60度以上120度以下の範囲が好ましい。
続いて、LEDパッケージ2の製造工程の一部について、図4、図5を参照しながら説明する。
図4は、透光性プレート28への反射層32および蛍光体層30の形成工程を説明するための図である。
窒化アルミニウムからなる素材を研磨等により円錐台形に整形して、透光性プレートを作製する[工程(A−1)]。
次に、スパッタリングまたは蒸着により透光性プレートの側面に反射層32(誘電体多層膜)と拡散防止層34とをこの順に形成する[工程(A−2)]。
続いて、図4の工程(A−2)に示す透光性プレート28の上面(LEDパッケージ2の完成品においては下面となる面)に蛍光体層30を形成する[工程(A−3)]。先ず、酢酸ブチル、ニトロセルロース、ホウ酸などからなる溶液に青色蛍光体粒子を分散させてなる懸濁液を前記上面に塗布した後、乾燥させる。その後、約400度で焼成して、前記溶液中の有機物を燃焼させることにより、無機物のみからなる蛍光体層30が形成される。
以上、工程(A−1)〜工程(A−3)により、円錐台形をした透光性プレート28の一方の主面に蛍光体層30が被着されてなる波長変換部材26のテーパー側面に反射層と拡散防止層とが形成されてなるものが完成する。
工程(A−1)〜工程(A−3)と平行して、図5に示すように、基台10の開口部内壁における波長変換部材26を接合する領域にAuSnからなる半田層42を形成した後、基台10の凹部18の底部に青色LED20が実装する[工程(C−1)]。
続いて、窒素ガス雰囲気の中で、工程(A−1)〜工程(A−3)を経た波長変換部材26を基台10にはめ込み、約300度に過熱することにより、波長変換部材26と基台10とがAuSnからなる接合層36で接合されると共に、収納空間40に青色LED20が気密封止されることとなる[工程(C−2)]。
以上説明したようにしてLEDパッケージ2が作製される。
(変形例)
上記の例では、反射層32を誘電体多層膜で構成したが、これに限らず、一種金属の薄膜で構成することとしても構わない。
反射層を金属層で構成した場合の図1(b)におけるC部の拡大図を図3(b)に示す。
透光性プレート48に直接被着されている反射層50は、金属層からなる。当該金属層を構成する金属としては、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)などを用いることができる。透光性プレート48は、セラミックスYAGで形成されている。
反射層50に重ねて拡散防止層52が積層されている。拡散防止層52は、反射層50を構成する金属が、後述の接合層54を構成するスズ(Sn)と反応し、反射率が低下するのを防止するために設けられる。拡散防止層54を形成する材料としては、白金(Pt)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)の他、窒化物(窒化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム)、酸化物(酸化珪素、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム)の中から選択できる。なお、拡散防止層54は、上掲した金属の中から選択された複数種金属の積層体(多層膜)としても構わない。
また、拡散防止層52は、反射層50の周縁を覆うように反射層50の周囲まで延設されている。これは、金属層からなる反射層50を、透光性プレート48と拡散防止層52とで完全に覆い、反射層50(金属層)を空気と遮断することにより、金属層の酸化を防止するためである。
スペーサ8の内壁には、不図示のMo(モリブデン)層が形成されており、当該Mo層に接合の下地層となるPt層56が形成されている。Pt層56には、AuSnからなる接合層54が積層されている。
透光性プレート28側に形成された反射層50、拡散防止層52とスペーサ8側に形成されたPt層56との間に存する接合層54によって、透光性プレート48(波長変換部材58)がスペーサ8(基台10)に固着されている。
変形例に係る波長変換部材58の製造工程の一部について、図6を参照しながら説明する。なお、変形例では、蛍光体層も、上記実施の形態とは異なる方法により形成したものを用いている。
先ず、セラミックYAG板材(不図示)の片面に、Ce(セリウム)を含む溶液を含浸させた後、約1500度で焼成する。これにより、Ceを賦活剤とするYAG:Ceからなる蛍光体層が片面に形成されたセラミックYAG板材(不図示)ができる。
当該セラミックYAG板材(不図示)を、研磨等により円錐台形に整形して、片面に蛍光体層46が形成された透光性プレート48からなる波長変換部材58を作製する[工程(B−1)]。
次に、スパッタリングまたは蒸着により波長変換部材58の側面に反射層50(例えば、Agからなる金属層)と拡散防止層52(例えば、Ti/W/Au層)とをこの順に形成する[工程(B−2)]。反射層50の厚みは約0.5[μm]であり、拡散防止層52の厚みは0.5〜1.0[μm]である。
なお、反射層50、拡散防止層52がその側面に形成された波長変換部材58を基台10に接合する工程は、上記実施の形態において図5を用いて説明したのと同様なので、その説明については省略する。
<実施の形態2>
図7は、実施の形態2に係る表面実装型白色LEDパッケージ60(以下、単に「LEDパッケージ60」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ60は、LEDの個数と波長変換部材の構成とが異なる以外は、基本的に、実施の形態1のLEDパッケージ2と同様である。よって、上記異なる部分を中心に説明し、共通する部分については、簡単に言及するにとどめる。
LEDパッケージ60は、実施の形態1のLEDパッケージ2(図1)とは異なり、複数個の(本例では、2個の)紫外あるいは青紫色LED21A,21Bで構成されている。紫外あるいは青紫色LED21A,21Bは、実施の形態1の青色LED20と同様、GaN等の窒化物半導体材料からなるものである。
紫外あるいは青紫色LED21Aのp側電極(不図示)と絶縁基板62に形成されたプリント配線64とは、ボンディングワイヤー22Aで接続されており、n側電極(不図示)と絶縁基板62に形成されたパッド66とはボンディングワイヤー24Aで接続されている。
一方、紫外あるいは青紫色LED21Bのp側電極(不図示)とパッド66とは、ボンディングワイヤー22Bで接続されており、n側電極(不図示)と絶縁基板62に形成されたプリント配線68とはボンディングワイヤー24Bで接続されている。
以上の構成により、紫外あるいは青紫色LED21Aと青色LED21Bとは、直列接続されている。
絶縁基板62とプリント配線62,64とからなるプリント配線板70には、スペーサ72が重ねて設けられ、基台73を構成している。そして、スペーサ72に波長変換部材74が固着されている。
波長変換部材74は、光の入射面が円形平面で出射面が半球面をした透光性部材76を有する。透光性部材76は、透光性プレート28と同様の材料で形成される。透光性部材76の前記入射面には、蛍光体層77,78,80が積層されている。
すなわち、波長変換部材74は、全体的に、紫外あるいは青紫色LED21A,21Bから遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状に形成された周面74Aの一方側(下方側)終縁に入射面74Bを、他方側(上方側)終縁に出射面74Cを有する構成である。なお、周面74Aと基台73の凹部開口を形成する基台内壁との間には、周面74A側から順に反射層、拡散防止層、接合層、Ni/Pt/Au層からなる積層体81が形成されている。
蛍光体層77は、紫外あるいは青紫色LED21A,21Bから出射される紫外あるいは青紫色光を青色光に波長変換する。蛍光体層78は、紫外あるいは青紫色LED21A,21Bから出射される紫外あるいは青紫色光を緑色光に波長変換する。蛍光体層80は、紫外あるいは青紫色LED21A,21Bから出射される青色光を赤色光に波長変換する。
そして、青色光、赤色光および緑色光が混色されて白色光となる。
このように、異なる色を発する蛍光体プレートを組み合わせて蛍光体プレートを構成することにより、同じ白色光でも色温度等の異なる多彩な光色を実現できる。
また、波長変換部材74(透光性部材76)の光出射面74Cが半球面であるため、集光などの配光制御が可能となる。
<実施の形態3>
図8は、実施の形態3に係る表面実装型白色LEDパッケージ90(以下、単に「LEDパッケージ90」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ90は、波長変換部材の構成が異なる以外は、基本的に、実施の形態2のLEDパッケージ60(図7)と同様である。よって、実施の形態3において実施の形態2と共通する部分については、実施の形態2と同じ符号を付して、その説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。なお、実施の形態3では、紫外あるいは青紫色LED21A,21Bに代えて、実施の形態1の青色LED20と同じ青色LED20A,20Bを用いている。
LEDパッケージ90の波長変換部材92は、逆円錐台形をした透光性プレート94を有する。透光性プレート94は、透光性プレート28と同様の材料で形成される。
透光性プレート94の上面(光出射面)92Cは、サンドブラスト処理等により、表面粗さ5〜50[μm]程度に粗面化されている。これにより光の取り出し効率が、粗面化しない場合よりも改善される。
透光性プレート94の下面には、複数の小蛍光体層96,98が、例えば、マトリックス状に形成されている。小蛍光体層96は、波長変換物質である緑色蛍光体粒子を含んでおり、青色LED20A,20Bから出射される青色光を緑色光に波長変換する。小蛍光体層98は、波長変換物質である赤色蛍光体粒子を含んでおり、青色LED20A,20Bから出射される青色光を赤色光に波長変換する。小蛍光体層96,98のいずれも形成されていない透光性プレート94の下面部分からは青色光が透光性プレート94に直接入射する。これによれば、蛍光体層を通過せずに直接青色光を取り出し、利用することができる。
波長変換部材92の周面92Aと基台73の凹部開口を形成する基台内壁との間には、周面92A側から順に反射層、拡散防止層、接合層、Ni/Pt/Au層からなる積層体93が形成されている。
<実施の形態4>
図9は、実施の形態4に係る表面実装型白色LEDパッケージ100(以下、単に「LEDパッケージ100」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ100は、波長変換部材の構成が異なる以外は、基本的に、実施の形態1のLEDパッケージ2(図1)と同様である。よって、実施の形態4において実施の形態1と共通する部分については、実施の形態1と同じ符号を付して、その説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。
LEDパッケージ100の波長変換部材102は、透光性プレート自身が波長変換物質(蛍光体)を含有するものである。
また、波長変換部材102は、その断面が扇形をしている。このようにすることにより、青色LED20から出射される青色光の波長変換部材102を通過する距離を、通過位置にかかわらず、可能な限り均等にすることができる。その結果、青色光が黄色光に変換される割合が、青色光の通過位置にかかわらず一定とすることができるため、波長変換部材102から出射される光(青色光と黄色光が混色されてなる白色光)の出射位置に因る色ムラを可能な限り防止することができる。
<実施の形態5>
図10は、実施の形態5に係る表面実装型白色LEDパッケージ110(以下、単に「LEDパッケージ110」と言う。)の概略構成を表した断面図である。LEDパッケージ110は、波長変換部材の構成が異なる以外は、基本的に、実施の形態1のLEDパッケージ2(図1)、実施の形態4のLEDパッケージ100(図9)と同様である。よって、実施の形態5において実施の形態1,4と共通する部分については、実施の形態1,4と同じ符号を付して、その説明については省略し、異なる部分を中心に説明する。
LEDパッケージ110の波長変換部材112の材質は、実施の形態4の波長変換部材102と同様である。
波長変換部材112は、上面(光の出射面)および下面(光の入射面)の両方が、外方にドーム状に膨出しており、全体として凸レンズ状をしている。
このようにすることにより半導体素子直近の1次光が発散する前に波長変換部材に1次光を入射させて、波長変換部材中を真上に進む1次光と斜めに進む1次光の光路長をそろえることができるので、色むらの抑制ができる。
<実施の形態6>
図11に、実施の形態6に係る表面実装型白色LEDパッケージ202(以下、単に「LEDパッケージ202」と言う。)の概略構成を示す。図11(a)は、LEDパッケージ202の平面図を、図11(b)は、(a)におけるD・D線位置での断面図を、図11(c)は、底面図をそれぞれ示している。なお、図11(a)は、波長変換部材226を除いた状態で表した図である。
実施の形態1に係るLEDパッケージ2(図1)においては、波長変換部材26を逆円錐台形に形成し、これに合致させて、基台10の凹部18も逆円錐台形に形成した。
これに対し、実施の形態6に係るLEDパッケージ202では、波長変換部材226を逆角錐台形に形成すると共に、これに合致させて、基台210の凹部218を逆角錐台形に形成した。
実施の形態6のLEDパッケージ202は、以上の点が異なる以外は、基本的に、実施の形態1のLEDパッケージ2と同様の構成である。
したがって、図11において各部材を示す符号に200番台の番号を用いると共に、その下2桁に実施の形態1のLEDパッケージ2の対応する構成部材に付した番号(図1)を用いて、それぞれの説明については省略する。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることもできる。
(1)実施の形態1〜3では、透光性プレートの下面(青色LEDに臨む側の面)に蛍光体層を被着させたが、これに限らず、上面に被着させることとしても構わない。
あるいは、上下両面に蛍光体層を被着させても構わない。
(2)さらには、図12に示すように、透光性プレート122,124で、蛍光体層126を挟み込んで(サンドイッチして)、波長変換部材120を構成しても構わない。
また、透光性プレートの枚数は、2枚に限らない。3枚以上とし、隣接する透光性プレートの間に蛍光体層を挟みこむ(サンドイッチする)構成としても構わない。
また、上記サンドイッチ構造を採った場合であっても、上下両端の透光性プレートの一方または両方の外主面に蛍光体膜を被着させることとしても構わない。
(3)上記実施の形態では、LEDとしてGaN等の窒化物半導体材料からなるものを用いたが、LEDパッケージに用いるLEDとしては、これに限らず、ZnO等の酸化物半導体材料やZnS等の硫化物半導体材料からなるものを用いることができる。
(4)蛍光体層で発生した熱を効率よく放熱するためには透光性プレートや透光性部材の材料として熱伝導率が10[W/m・K]以上であることが好ましい。上記実施の形態では、AlN(熱伝導率:150[W/m・K])やYAG(熱伝導率:11[W/m・K])を用いたが、これに限らず、例えば、Al(熱伝導率:30[W/m・K])、MgO(熱伝導率:54[W/m・K])、Y(熱伝導率:14.5[W/m・K])、ZnO(熱伝導率:20[W/m・K])、BN(熱伝導率:1000[W/m・K])、SiC(熱伝導率:400[W/m・K])を用いることができる。
(5)黄色蛍光体、赤色蛍光体、緑色蛍光体として用いる材料も、上記実施の形態に記載したものに限らず、以下に記すその他の材料を適宜選択することができる。
蛍光体材料には、黄色蛍光体としてYAl12:Ce3+、Y(Al,Ga)12:Ce3+、(Y,Gd)3Al12:Ce3+、YAl12:Tb3+、YAl12:Ce3+,Pr3+、チオガレート蛍光体CaGa:Eu2+、α−サイアロン蛍光体Ca-α-SiAlON:Eu2+などがある。
緑色蛍光体として、アルミン酸塩蛍光体 BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+, (Ba,Sr,Ca)Al:Eu2+、α−サイアロン蛍光体 Sr1.5AlSi16:Eu2+,Ca-α-SiAlON:Yb2+、β−サイアロン蛍光体β-SiN4:Eu2+、酸化物蛍光体 シリケート(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+、酸窒化物蛍光体 オクソニトリドシリケート(Ba,Sr,Ca)Si:Eu2+、オクソニトリドアルミノシリケート(Ba,Sr,Ca)2SiAlON:Ce3+、(Ba,Sr,Ca)Al−xSixO−xNx:Eu2+(0<x<2)、窒化物蛍光体 ニトリドシリケート蛍光体(Ba,Sr,Ca)2Si:Ce3+、 チオガレート蛍光体SrGa:Eu2+、 ガーネット蛍光体CaScSi12:Ce3+, BaY2SiAl12:Ce3+などがある。
橙色蛍光体として、α−サイアロン蛍光体Ca-α-SiAlON:Eu2+などがある。
赤色蛍光体として硫化物蛍光体 (Ca、Sr)AlSiN:Eu2+、 (Sr,Ca)S:Eu2+,LaS:Eu3+,Sm3+、珪酸塩蛍光体 Ba3MgSi28:Eu2+,Mn2+、窒化物または酸窒化物蛍光体 (Ca、Sr)SiN:Eu2+、 (Ca、Sr)AlSiN:Eu2+、 SrSi-xAlxOxN-x:Eu2+(0≦x≦1)などがある。
本発明に係る半導体発光装置は、例えば、自動車に搭載される各種照明装置(ヘッドライト、フォグランプ、インパネバックライト、車内灯など)の光源、カメラ用フラッシュ、液晶モニター用バックライトユニットなどの光源として好適に利用可能である。
(a)は、実施の形態1に係るLEDパッケージの平面図を、(b)は、(a)におけるA・A線位置での断面図を、(c)は、底面図をそれぞれ示している。図1(a)は、波長変換部材を除いた状態で表している。 (a)は、上記LEDパッケージの備える波長変換部材を斜め下方からみた斜視図であり、(b)は、当該波長変換部材の寸法関係を説明するための図である。 (a)は、図1(b)におけるB部の拡大図であり、(b)は、実施の形態1の変形例の場合の図1(b)におけるC部の拡大図である。 実施の形態1の波長変換部材の製造工程の一部を示す図である。 上記波長変換部材を基台へ接合する工程を示す図である。 実施の形態1の変形例にかかる波長変換部材の製造工程の一部を示す図である。 実施の形態2に係るLEDパッケージの概略構成を示す断面図である。 実施の形態3に係るLEDパッケージの概略構成を示す断面図である。 実施の形態4に係るLEDパッケージの概略構成を示す断面図である。 実施の形態5に係るLEDパッケージの概略構成を示す断面図である。 (a)は、実施の形態6に係るLEDパッケージの平面図を、(b)は、(a)におけるD・D線位置での断面図を、(c)は、底面図をそれぞれ示している。図11(a)は、波長変換部材を除いた状態で表している。 波長変換部材の他の変形例を示す断面図である。 従来技術に係るLEDパッケージの概略構成を示す断面図である。
符号の説明
2,60,90,100,110,202 表面実装型白色LEDパッケージ
10,210 基台
20,20A,20B,220 青色LED
21A,21B 紫外あるいは青紫色LED
26,74,92,102,112,226 波長変換部材
26A,74A,226A 部材周面
26B,74B,226B 入射面
26C,74C,226C 出射面
32,50 反射層

Claims (11)

  1. 凹部を有する基台と、
    前記凹部の底部に実装された半導体発光素子と、
    部材周面の一方側終縁に入射面を、他方側終縁に出射面を有し、前記半導体発光素子からの1次光を前記入射面から受け入れ、当該1次光の一部をこれよりも波長の長い2次光に変換し、少なくとも2次光を前記出射面から出射する波長変換部材と、
    を有し、
    前記波長変換部材は、前記周面が前記凹部開口部に嵌め込まれて前記基台に設けられており、
    前記周面が前記半導体発光素子から遠ざかるにしたがって拡径するテーパー状に形成されていると共に、当該周面に光を反射する反射層が形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記2次光と当該2次光に波長変換されなかった1次光をともに前記出射面から出射することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記凹部開口を形成する基台内壁は、前記周面に合致するテーパー状に形成されており、前記波長変換部材は、当該周面を前記基台内壁に嵌合させて前記基台に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  4. 前記反射層は誘電体多層膜からなり、前記波長変換部材は、前記誘電体多層膜と前記基台内壁との間に存する接合層を介して、前記基台に固着されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光装置。
  5. 前記反射層は金属層からなり、当該金属層には拡散防止層が積層されており、前記波長変換部材は、前記拡散防止層と前記基台内壁との間に存する接合層を介して、前記基台に固着されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光装置。
  6. 前記拡散防止層は、前記金属層の周縁を覆うように当該金属層の周囲まで延設されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光装置。
  7. 前記波長変換部材は、透光性プレートとその一方の主面の少なくとも一部に被着された波長変換層とからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  8. 前記波長変換層は、前記透光性プレートの前記半導体発光素子側の主面に被着されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置。
  9. 前記波長変換部材は、セラミックス材料または酸化物単結晶材料からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  10. 前記波長変換部材は、プレート状をしており、その側面である前記周面が前記凹部開口部に嵌め込まれていて、前記半導体発光素子側の主面の径をD1、厚みをTとした場合に、当該波長変換部材が、(D1/3)≦T≦(3×D1)の関係を満たすような形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  11. 前記周面のテーパー角が60度以上120度以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
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