JP2009266450A - ドリフトチューブ線形加速器 - Google Patents
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Abstract
【課題】荷電粒子をより効率的に加速することが可能なドリフトチューブ線形加速器を安価に得る。
【解決手段】共振空胴内部のビーム加速軸に沿って複数の円筒状のドリフトチューブ3を配列し、ドリフトチューブ3をステム4を介して共振空胴内部に保持し、ドリフトチューブ3間に発生する電場を利用して荷電粒子を加速し加速ビームを収束するドリフトチューブ線形加速器であって、ドリフトチューブ3が、分割した形状の一部3bと他部3aとからなり、分割した形状の一部3bがステム4と一体で加工されたものであり、一部3b及び他部3aにおける分割面10を接合することにより形成された接合体9を備えたものとする。
【選択図】図2
【解決手段】共振空胴内部のビーム加速軸に沿って複数の円筒状のドリフトチューブ3を配列し、ドリフトチューブ3をステム4を介して共振空胴内部に保持し、ドリフトチューブ3間に発生する電場を利用して荷電粒子を加速し加速ビームを収束するドリフトチューブ線形加速器であって、ドリフトチューブ3が、分割した形状の一部3bと他部3aとからなり、分割した形状の一部3bがステム4と一体で加工されたものであり、一部3b及び他部3aにおける分割面10を接合することにより形成された接合体9を備えたものとする。
【選択図】図2
Description
本発明は、ドリフトチューブ線形加速器に関する。
加速器は電子や陽子、あるいは重粒子などの荷電粒子を加速して高エネルギーの粒子ビームを生成する装置である。また、加速器のうち、直線状のビーム加速軸に沿って荷電粒子を加速するものは、線形加速器と呼ばれている。線形加速器には、共振空胴内部のビーム加速軸に沿ってドリフトチューブと呼ばれる円筒状電極をギャップを介して複数配列したドリフトチューブ線形加速器があり、ドリフトチューブ線形加速器では隣接するドリフトチューブ間の加速ギャップにおいて、ドリフトチューブ間に発生する高周波電場によって荷電粒子を加速する。
ドリフトチューブは、共振空胴内部の電磁界計算とビーム軌道計算により粒子を効率よく加速できる理想的な形状、配置が決定される。よって、ドリフトチューブの中心軸は理想的なビーム軌道に対し、高精度で一致するよう配列することが必要とされる。これらのドリフトチューブは共振空胴内部にステムを介して保持されている。このため、ステムとドリフトチューブとの高い形状精度を持つ接合体を製造する必要がある。
従来、ドリフトチューブとステムは別々に加工し、互いを位置あわせして接合する製造方法が一般的である。ドリフトチューブにあけた穴にステムを挿入することにより、位置決めして接合する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
また、接合法は明示していないが、ドリフトチューブの円筒面上にステムを接合している例がある(例えば、特許文献1参照)。
山本和男「がん治療用重イオン入射線形加速器の小型化に関する研究」東京工業大学 学士論文 平成17年度、p.64−73
特開平11−121199号公報(第2頁−第3頁、図9、図10)
従来のドリフトチューブとステムの接合体は、接合時の互いの位置合わせの誤差やひずみにより形状誤差が発生しやすいという問題があった。この形状誤差は共振空胴に設置した際のドリフトチューブの中心軸とビーム加速軸の不一致の原因となる。特に、ビーム加速軸方向の長さが大きいドリフトチューブにおいて、ドリフトチューブとステムとの間に角度誤差が発生した場合、ドリフトチューブ端においてビーム加速軸とドリフトチューブの中心軸とのずれが大きくなる。
従来のように製作されたドリフトチューブとステムとの接合体をドリフトチューブ線形加速器に用いた場合、例えば、ドリフトチューブの中心軸とビーム加速軸との同軸度において数百μm以上の誤差を生じ、効率のよい加速を実現するのは困難であるという問題があった。
また、形状精度が要求値を満たしていない場合は、再度加工、あるいは製作する必要があった。このため、形状誤差を発生させないよう、接合時に歪みが発生しにくい電子ビーム溶接法等の高価な溶接法を用いる場合もあるが、いずれの場合も製造コストは大きなものとなるという問題があった。
また、ドリフトチューブ線形加速器のうち、ビーム加速軸に対して垂直方向に電流が流れるTE波(Hモード)を利用して荷電粒子を加速するHモード・ドリフトチューブ線形加速器においては、ステムが共振空胴内の電磁場を発生するための電流経路となるため、ステムとドリフトチューブは発熱する。ステムとドリフトチューブの接合において溶接を用いる場合は、接合時の界面における歪みの発生を抑制するため、十分に母材を溶融することができず、接合界面の面積を大きく取れない。このため、冷却性能が悪化し、ドリフトチューブとステムは発熱による膨張や変形により形状精度が悪化するという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、形状精度が高く、冷却性能がよいステムとドリフトチューブの接合体が配列され、高効率な加速を実現できる、安価なドリフトチューブ線形加速器を提供することを目的とするものである。
本発明に係るドリフトチューブ線形加速器は、共振空胴内部のビーム加速軸に沿って複数の円筒状のドリフトチューブを配列し、上記ドリフトチューブをステムを介して上記共振空胴内部に保持し、上記ドリフトチューブ間に発生する電場を利用して荷電粒子を加速するドリフトチューブ線形加速器であって、
上記ドリフトチューブが、分割した形状の一部と他部とからなり、
上記分割した形状の一部が上記ステムと一体で加工されたものであり、
上記一部及び他部における分割面を接合することにより形成された上記ステムと上記ドリフトチューブとの接合体を備えたものである。
上記ドリフトチューブが、分割した形状の一部と他部とからなり、
上記分割した形状の一部が上記ステムと一体で加工されたものであり、
上記一部及び他部における分割面を接合することにより形成された上記ステムと上記ドリフトチューブとの接合体を備えたものである。
本発明に係るドリフトチューブ線形加速器によれば、形状精度の高いステムとドリフトチューブとの接合体が容易に得られ、高効率なビーム加速を実現することができる安価なドリフトチューブ線形加速器を提供することができる。
以下、本発明に係るドリフトチューブ型線形加速器の好適な実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器の実施の形態1の構成を模式的に示す斜視図である。円筒状(共振空胴内部を図示するため一部切り欠いている)の共振空胴1内には、ビーム加速軸2に沿って、荷電粒子を加速するための加速電場を発生するための複数の円筒状のドリフトチューブ3が設置されている。ドリフトチューブ3を保持する円柱状のステム4は、共振空胴1内壁に取り付けられている。共振空胴1の両端には端板5が設置されている。ただし、共振空胴1内部を図示するため、片方の共振空胴の端板は図示していない。複数のドリフトチューブ3の間には加速ギャップ6があり、以下、ドリフトチューブ3の個数に応じ、加速ギャップ数も増えていく。
実施の形態1.
図1は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器の実施の形態1の構成を模式的に示す斜視図である。円筒状(共振空胴内部を図示するため一部切り欠いている)の共振空胴1内には、ビーム加速軸2に沿って、荷電粒子を加速するための加速電場を発生するための複数の円筒状のドリフトチューブ3が設置されている。ドリフトチューブ3を保持する円柱状のステム4は、共振空胴1内壁に取り付けられている。共振空胴1の両端には端板5が設置されている。ただし、共振空胴1内部を図示するため、片方の共振空胴の端板は図示していない。複数のドリフトチューブ3の間には加速ギャップ6があり、以下、ドリフトチューブ3の個数に応じ、加速ギャップ数も増えていく。
図2は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器の実施の形態1に用いられるドリフトチューブ及びステムの正面図(a)及び断面図(b),(c)であり、断面図(b),(c)は正面から見た断面図である。
図1に示したように、ドリフトチューブ3の長さはそれぞれ異なっており、このうち長いもの、例えばステム4の直径の3倍以上のものについて、図2(b)に示したように、位置決め形状部8を有する2つのドリフトチューブ3aと、位置決め形状部7を有する1つのドリフトチューブ3bとにビーム加速軸2方向で分割した形状とし、ドリフトチューブ3bはステム4と一体に加工されたものとする。図2(c)に示したように、位置決め形状部7と位置決め形状部8とを嵌め合わせて、図2(a)、(c)に示したように、ドリフトチューブ3aとドリフトチューブ3bとを分割面10で接合し接合体9を形成する。ドリフトチューブ3bは本発明の請求項における一部に相当し、2つのドリフトチューブ3aが他部に相当する。
ドリフトチューブ3bはステム4の直径よりややビーム加速軸2方向の長さが長く、2つのドリフトチューブ3aは残りの長さ分を2等分した長さを持つように加工する。これらは従来のドリフトチューブとステムを別々に加工する場合と同等の精度にて加工する。位置決め形状部7,8はそれぞれ、嵌め合い公差数十μm程度に加工しておく。これらを互いに嵌め合わせた後、ろう付け、溶接等の方法によって接合する。このとき、位置決め形状部7,8の嵌め合い公差をさらに厳しく取り、冷やしばめ等の方法によって互いを位置合わせした場合は、単純に嵌め合わせた場合より、さらに高精度での接合が可能である。このようなドリフトチューブ3a,3bとステム4との接合体9を共振空胴1内壁に数十μmの精度で配置し、ドリフトチューブ線形加速器を構成する。
本実施の形態1によれば、ビーム加速軸2方向で、2つのドリフトチューブ3aと1つのドリフトチューブ3bとに分割した形状とし、ドリフトチューブ3bはステム4と一体に加工したものとし、2つのドリフトチューブ3aとドリフトチューブ3bとを分割面で接合しているので、接合界面を大きく取ることができ、また、接合するドリフトチューブ間の相対的な位置や角度を、互いの位置決め形状部7,8によって強く拘束できるため、接合時の歪みによる角度誤差の影響を小さくできる。
また、ステム4とドリフトチューブ3a,3bとの接合体9を用いることで、形状精度が高く高効率なドリフトチューブ線形加速器を提供することができる。
また、ドリフトチューブ3a,3bとステム4との高精度な接合体9を容易に加工できるため歩留まりが改善し、製造コストを削減できる効果がある。
また、ドリフトチューブ3a,3bの配置時のアライメントは高精度な接合体9を用いることで容易となるため作業時間を短縮することができ、製造コストを削減することができる。
また、加速ビームを収束する手段として、熱による変形がドリフトチューブ3に発生しやすいAPF法(詳細は後述する)を採用した場合、接合面積が大きいので熱による変形に対して強いドリフトチューブ3が得られる。
実施の形態2.
図3は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器の実施の形態2の構成を模式的に示す斜視図であり、図4は、図3のA−A断面の一部を示し、Hモード・ドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブ・ステム部分の電流経路を模式的に説明する図である。図1と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ3及びステム4は上記実施の形態1における接合体9と同一のものを用いている。
図3は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器の実施の形態2の構成を模式的に示す斜視図であり、図4は、図3のA−A断面の一部を示し、Hモード・ドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブ・ステム部分の電流経路を模式的に説明する図である。図1と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ3及びステム4は上記実施の形態1における接合体9と同一のものを用いている。
本実施の形態2においては、隣り合うドリフトチューブ3のステム4は、共振空胴1内壁の対向する位置に設置された一対のリッジ13に交互に接続されており、ビーム軸2に対し、図4に示したように垂直方向に電流が流れるTE波(Hモード)を利用して荷電粒子を加速するインターディジタル H−モード(Interdigital H−mode(IH))型ドリフトチューブ加速器であるという点で上記実施の形態1とは異なる。なお、本実施の形態2においてリッジ13が無く、ステム4は共振空胴内壁の対向する位置に直接取り付けられていても良い。
IH型ドリフトチューブ線形加速器においては、ステム4に電流14が流れるためステム4は発熱する。ここで、例えば陽子を1MeVから5MeVまで加速するIH型ドリフトチューブ線形加速器加速器の一例においては、ステム4の発熱量はピーク値で5kW、平均値で5W程度となる。一方ドリフトチューブ3における発熱量はこの数分の1以下である。特に、IH型ドリフトチューブ線形加速器において、荷電粒子の加速ビームを収束させる手段として、APF(Alternating Phase Focused)法を採用する場合、すなわち、荷電粒子が加速ギャップ6を通過するときの高周波電場として、高周波の立ち上がりと立下りの位相の電場を交互に用いることにより、荷電粒子を収束するAPF法を採用する場合は、ドリフトチューブ3内に磁石等のビーム収束専用の機器を必要としないため、ドリフトチューブ3長が短くなる。このため、冷却機構を搭載するための十分なステム径をとることができず、熱による変形が発生しやすいという問題がある。
本実施の形態2においては、ステム4の発熱が大きいIH型ドリフトチューブ加速器において、発熱の小さいドリフトチューブ3上に接合界面を持たせることで、接合部の熱的負荷を軽減することができる。また、接合界面を大きくとることができるため、冷却性能も改善することができる。これにより、熱による変形に対して強いドリフトチューブ3とステム4との接合体を製造することができる。
なお、ここではIH型ドリフトチューブについて説明したが、Crossbar H−mode(CH)型ドリフトチューブ線形加速器など他のHモード・ドリフトチューブ線形加速器に適用しても同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図5は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器の実施の形態3におけるドリフトチューブとステムの接合体の断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
図5は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器の実施の形態3におけるドリフトチューブとステムの接合体の断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
本実施の形態3においては、2つのドリフトチューブ3aとドリフトチューブ3bとの接合が、ドリフトチューブ3a及びドリフトチューブ3bの位置決め形状部7,8に位置決め用部品15を嵌め込むことにより達成されている。
本実施の形態3による効果を説明する。
ドリフトチューブとステムの形状や大きさ、使用する加工機によっては実施の形態1で説明したようにドリフトチューブ3bやドリフトチューブ3a自体に位置決め形状部7,8を精度よく加工するのは困難な場合がある。
ドリフトチューブとステムの形状や大きさ、使用する加工機によっては実施の形態1で説明したようにドリフトチューブ3bやドリフトチューブ3a自体に位置決め形状部7,8を精度よく加工するのは困難な場合がある。
本実施の形態3によれば、位置決め用部品15として、例えば円柱または円筒状の単純な形状のものを用いることができ、位置決め用部品15を容易に高い形状精度で加工することができる。また、ドリフトチューブ3a及びドリフトチューブ3bには位置決め用部品15と同様の単純な位置決め形状部7,8を加工すればよく、容易に位置決め形状部7,8を高精度に加工することができる。
また、高精度に互いに位置決めされ、接合されたドリフトチューブ3a,3bとステム4との接合体9を容易に製造することができ、形状精度が高く高効率のドリフトチューブ線形加速器を提供することができる。
実施の形態4.
図6は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブとステムの接合体の正面図(a)及び断面図(b)、(c)であり、断面図(b)は正面から見た断面図、断面図(c)は側面から見た断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
図6は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブとステムの接合体の正面図(a)及び断面図(b)、(c)であり、断面図(b)は正面から見た断面図、断面図(c)は側面から見た断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
本実施の形態4において、ステム4と一体で加工されたドリフトチューブ3bは、別途加工されたドリフトチューブ3aの位置決め形状部8における溝8aに嵌り込み、ドリフトチューブ3aに内包されるような内径及び外径としており、ドリフトチューブ3a同士の端面が突き合わされて、ドリフトチューブ3の外形(外径、内径及び長さ)はドリフトチューブ3aで決定されている。
本実施の形態4によれば、ドリフトチューブ3aの形状精度でドリフトチューブ3の外形が決定され、また、ドリフトチューブ3aはドリフトチューブ3bに比べて容易に高い形状精度を達成することができるので、実施の形態1の場合に比べて容易に高精度なドリフトチューブ3が得られる。
また、従来例に比べて接合界面を大きくとることができ、また、ドリフトチューブ3bをドリフトチューブ3aによって強く拘束できるため、接合時のひずみによる変形を抑制することができる。
実施の形態5.
図7は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブとステムの接合体の正面図(a)及び断面図(b)、(c)であり、断面図(b)は正面から見た断面図、断面図(c)は側面から見た断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
図7は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブとステムの接合体の正面図(a)及び断面図(b)、(c)であり、断面図(b)は正面から見た断面図、断面図(c)は側面から見た断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
本実施の形態5においては、ステム4と一体で加工されたドリフトチューブ3bは円筒形状のドリフトチューブ3の中心軸に沿った外周面の一部としている。
本実施の形態5によれば、本発明の請求項における他部であるドリフトチューブ3aは1つの部品となるので、高精度の外形(外径、内径及び長さ)が得られる。
また、ステム4と一体で加工するドリフトチューブ3bも小さくなり、穴あるいは円形溝を加工する必要がなくなる。
また、ドリフトチューブ7とドリフトチューブ9の接合箇所は一箇所のみとなる。また、位置決め形状部8は平らな面にすることができるため容易に高精度に加工でき、また、十分な面積をとることができる。
また、高い形状精度を持つドリフトチューブ3a,3bとステム4の接合体9を容易に製造することができる。
実施の形態6.
図8は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブとステムの接合体の正面断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
図8は、本発明に係るドリフトチューブ線形加速器のドリフトチューブとステムの接合体の正面断面図である。図2と同一符号は同一部分または相当部分であり、ドリフトチューブ線形加速器の構成は図1または図3と同一である。
本実施の形態6においては、ドリフトチューブ3a,3b及びステム4の表面にメッキ、電鋳等の方法によって金属表面層16が形成されている。
本発明による効果を説明する。ドリフトチューブ3の表面付近は強い電場が発生するため、隣接するドリフトチューブ3やステム4との間に放電を発生する場合がある。このとき加速電極間は短絡するため電圧が発生せず、荷電粒子を加速できない。
接合界面17が形成された表面部分は一般的にその周囲よりも表面性状が劣っているため、電場が集中しやすく放電を発生しやすい。接合界面17をドリフトチューブ3内部とした場合、従来のようにドリフトチューブ3とステム4とを接合した場合に比べて、接合界面17部分が隣接するドリフトチューブ3やステム4に近くなるため、放電を発生しやすくなる可能性があるが、本実施の形態6によれば、金属表面層16を形成することにより表面性状が改善され、放電の発生を防止できる。
本発明に係るドリフトチューブ線形加速器は、医療用設備等に有効に利用することができる。
1 共振空胴、2 ビーム加速軸、3,3a,3b ドリフトチューブ、4 ステム、5 共振空胴端版、6 加速ギャップ、7,8 位置決め形状部、8a 円周状の溝、
9 接合体、10 分割面、13 リッジ、14 電流経路、15 位置決め用部品、
16 金属表面層、17 接合界面。
9 接合体、10 分割面、13 リッジ、14 電流経路、15 位置決め用部品、
16 金属表面層、17 接合界面。
Claims (8)
- 共振空胴内部のビーム加速軸に沿って複数の円筒状のドリフトチューブを配列し、上記ドリフトチューブをステムを介して上記共振空胴内部に保持し、上記ドリフトチューブ間に発生する電場を利用して荷電粒子を加速するドリフトチューブ線形加速器であって、
上記ドリフトチューブが、分割した形状の一部と他部とからなり、
上記分割した形状の一部が上記ステムと一体で加工されたものであり、
上記一部及び他部における分割面を接合することにより形成された上記ステムと上記ドリフトチューブとの接合体を備えたことを特徴とするドリフトチューブ線形加速器。 - 上記ドリフトチューブの一部の分割面及び上記ドリフトチューブの他部の分割面に、上記接合における互いの位置合わせのための位置合わせ形状部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリフトチューブ線形加速器。
- 上記位置合わせ形状部が穴であり、上記穴に嵌合する位置決め用部品により、上記一部及び他部が接合されていることを特徴とする請求項2に記載のドリフトチューブ線形加速器。
- 上記ドリフトチューブの一部が、上記他部に内包されていることを特徴とする請求項1に記載のドリフトチューブ線形加速器。
- 上記ドリフトチューブの一部が、上記円筒状のドリフトチューブの上記ビーム加速軸に沿った外周面の一部であることを特徴とする請求項1に記載のドリフトチューブ線形加速器。
- 上記共振空胴内部に発生する電場は上記ビーム加速軸に対して垂直方向に流れる電流によるTE波(Hモード)であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のドリフトチューブ線形加速器。
- 上記荷電粒子の加速ビームを収束させる手段として、高周波の立ち上がりと立下りの位相の電場を交互に用いたAPF収束法を採用したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のドリフトチューブ線形加速器。
- 上記ドリフトチューブとステムの接合体に、金属表面層を付加したことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のドリフトチューブ線形加速器。
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WO2013002305A1 (ja) * | 2011-06-30 | 2013-01-03 | 株式会社Quan Japan | 荷電粒子加速器及び荷電粒子加速方法 |
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2008
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