JP2009266257A - 広帯域波長板および光ヘッド装置 - Google Patents

広帯域波長板および光ヘッド装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の異なる波長の光が入射してそれらの光に対する偏光状態を制御して出射させる広帯域波長板および光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】透明基板上に第1の波長板13aと第2の波長板13bとを積層させ、各波長板の光学軸(進相軸と進相軸または、遅相軸と遅相軸との組み合わせ)および入射する光の偏光方向を設定するとともに、各波長板の各波長におけるリタデーション値を設定することで、波長λ、λ、λの光(λ<λ<λ)に対して、波長λの光は偏光状態を変えず、波長λおよび波長λの光は直線偏光を円偏光として出射させる広帯域波長板10が実現でき、光ヘッド装置の小型化、および記録・再生の高品質化が実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入射する光の偏光状態を制御するための広帯域波長板であり、特に、光ストレージを扱う光学系として、CD、DVD、光磁気ディスクなどの光記録媒体および、「Blu−ray」(登録商標:以下BD)、HD−DVDなどの高密度光記録媒体に情報の記録および再生を行う光ヘッド装置に関する。
近年、例えば光ストレージを扱う光学系として、CD、DVD、光磁気ディスクなどの光記録媒体だけでなく、BD、HD−DVDなどの高密度光記録媒体(以下、「光ディスク」という)に情報の記録および再生を行う光ヘッド装置の開発が進んでいる。使用されるレーザ光の波長は、短波長であるほど記録密度を向上できるため光源の短波長化が進められている。一方、これまでに普及している多くの光ディスク用の長波長(赤色域、近赤外域)のレーザ光による再生もできるようにする必要があり、従来のDVDのような赤色域(660nm波長帯)、CDのような近赤外域(785nm波長帯)のレーザ光と、短波長(405nm波長帯)のレーザ光との互換性を有する様々な方式が提案されている。
このように、高密度記録媒体だけでなく、従来の光ディスクに対してこの互換性を確保するために、短波長光源に加えて、赤色域、近赤外域の光源を併せて設置する方式がある。このため、3つの異なる広帯域の波長に対して一定の特性を有する光学部品のニーズも高まっている。したがって、BD/HD−DVD、DVD、CDなどを再生または記録(以下、「記録・再生」という)できる光ヘッド装置は少ない光学部品で構成できるような小型化が要求されている。
図22に3つの異なる波長のレーザ光を使用した従来の光ヘッド装置300の構成の一例を示す。半導体レーザ等の光源301から出射される405nm波長帯の光は、偏光ビームスプリッタ307で反射され、コリメータレンズ310で平行光となってλ/4板312によって円偏光となる。円偏光となった光は、ミラー314で反射し、対物レンズ316によってBD、HD−DVD等の光ディスク318の情報記録面に集光される。情報記録面に形成されたピットの情報を含んだ反射光は上記の経路を逆方向に進行する。ここで、光源から光ディスクに到達するまでの光路を「往路」、光ディスクから光検出器に到達するまでの光路と「復路」として説明する。復路の光は往路の円偏光とは逆方向の円偏光となってλ/4板312を出射する復路の光は往路の直線偏光に対して直交する直線偏光となり、偏光ビームスプリッタ307を直進透過して光検出器319に到達する。光検出器319では、光ディスクで反射された光からピット情報を検出することで光ディスク318に記録された情報の読み出しを行っている。
同様に、半導体レーザ等の光源302から出射される660nm波長帯の光、光源303から出射される785nm波長帯の光も、ダイクロイックプリズム308を反射または透過し、偏光ビームスプリッタ309透過する。そして、コリメータレンズ311で平行光となって、λ/4板313で円偏光となって、ミラー315で反射され対物レンズ317で光ディスク318に集光される。復路の光は、それぞれ往路の直線偏光と直交する直線偏光となって、偏光ビームスプリッタ309で反射され、光検出器320に到達する。また、回折素子304、305、306は、メインビームと、例えばトラッキングサーボ信号となる2つのサブビームを発現させる光学素子であって、それぞれの往路の光源と偏光ビームスプリッタまたはダイクロイックプリズムとの間の光路中に配置することもできる。
このように、図22に示した光ヘッド装置300は、偏光ビームスプリッタや光検出器などの光学素子を2セット配置しており、部品点数が多く装置の小型化や、組立調整に時間がかかるといった問題がある。これに対し、例えば、図23に3つの異なる波長のレーザ光を使用した他の構成例となる光ヘッド装置400が報告されている(特許文献1)。
これは、図22の光ヘッド装置300に対して、3つの異なる波長の光に対して共通して使用するコリメータレンズ110およびλ/4板411が採用されるものである。405nm波長帯の光源101、660nm波長帯の光源102、785nm波長帯の光源103から発する光の光路中にダイクロイックプリズム107、トリクロイックプリズム108を配置して各波長の光を透過または反射させる。さらに3つの波長の光はコリメートレンズ110とλ/4板411を透過する。トリクロイックプリズム112では、405nm波長帯の光のみ反射させ、660nm波長帯および785nm波長帯の光を透過させ、対物レンズ114により、BD、HD−DVD等の光ディスク116の情報記録面に集光する。
一方、660nm波長帯、785nm波長帯の光は、トリクロイックプリズム112を直進透過し、ミラー113で反射し、対物レンズ115により、DVD、CD等の光ディスク116の情報記録面に集光する。それぞれの光ディスクで反射された405nm波長帯、660nm波長帯および785nm波長帯の復路の光は、λ/4板411にて往路の直線偏光に対して直交する直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ109で反射し光検出器117に到達する。特許文献1において、特に405nm波長帯、660nm波長帯および785nm波長帯それぞれにλ/4板として機能する、広帯域波長板を特徴とする光ヘッド装置として報告されている。
特開2007−086105号公報
しかしながら、トリクロイックプリズム112の特性として、660nm波長帯および785nm波長帯の光の透過率を、入射する光の偏光状態によらずに高くしようとすると、405nm波長帯の光が入射する場合にS偏光とP偏光の光に位相差が生じてしまう。つまり、広帯域波長板411で円偏光となってトリクロイックプリズム112に円偏光で入射しても、405nm波長帯の光がこの位相差によって楕円偏光となる。したがって、光ディスク116で反射された復路の光も同様に楕円偏光となってしまい、広帯域波長板411を透過した復路の光も直線偏光ではなく、楕円偏光となってしまう。このため、例えば、405nm波長帯の復路の光が偏光ビームスプリッタ109に入射しても、反射される光量が低減され、一部の光量しか光検出器117に到達しないため、信号レベルの低下による光ヘッド装置の記録・再生特性を悪化させてしまう問題があった。
なお、トリクロイックプリズム112の特性として405nm波長帯の偏光依存性をないようにすると、660nm波長帯および785nm波長帯の透過偏光依存性が発現するといったトレードオフの問題により、図23のような光ヘッド装置400では各光ディスクの高品質な記録・再生を得ることが困難であった。本発明の目的は、光源として405nmの波長の光を含む2つ以上の異なる波長のレーザ光を用いた光ヘッド装置における上述の問題を解決するために、405nm波長帯の直線偏光の光の偏光状態を変えず、長波長側の波長帯では光の偏光状態を直線偏光から円偏光とする機能を有する広帯域波長板を得ることであり、特に、660nm波長帯、785nm波長帯の2つの波長帯で光の偏光状態を直線偏光から円偏光とする機能を有する広帯域波長板を得ることである。
本願発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、平行に配置された第1の波長板と第2の波長板とを備え、m個(mは2以上の整数)の波長の光が入射する広帯域波長板であって、前記第1の波長板の光学軸と前記第2の波長板の光学軸が交差しており、入射する波長を、λ<λj+1(j=1〜m−1の整数)の関係を満足するとして表し、波長λ(n=1〜mの整数)に光に対する第iの波長板のリタデーション値をR(λ)[度](iは1または2)としたときに、少なくとも1組の波長λと波長λj+1に関して、R(λj+1)/R(λj+1)が2±0.1の範囲内であるとともに、R(λ)/R(λj+1)が2±0.1の範囲内であって、kを奇数として、R(λ)が(360×k)±5[度]の範囲内であって、前記波長λと前記波長λj+1の直線偏光の光が同じ偏光方向で入射する偏光方向と前記第2の波長板の光学軸とがなす角度θが90±5[度]の範囲内である広帯域波長板を提供する。
また、前記波長λと前記波長λj+1の直線偏光の光が同じ偏光方向で入射する偏光方向と前記第1の波長板の光学軸とがなす角度θが22.5−{(90−θ)/2}±2.5[度]の範囲内である上記に記載の広帯域波長板を提供する。
この構成により、例えばλで入射する光の偏光状態はそのままの直線偏光で出射させ、λで入射する光の偏光状態を直線偏光から円偏光に変えることができる。また、λに対する楕円率は0±0.1の範囲内となるとともに、λに対する楕円率の絶対値は0.7以上とすることができる。
また、R(λj+1)/R(λj+1)が2±0.05の範囲内であるとともに、前記角度θが22.5−{(90−θ)/2}±1.5[度]の範囲内である少なくとも一つの波長λj+1の直線偏光の光が入射する上記に記載の広帯域波長板広帯域波長板を提供する。さらに、前記波長λと前記波長λと波長λ(λ<λ<λ)の直線偏光の光が入射する広帯域波長板であって、前記λが405nm波長帯であり、前記λが660nm波長帯であり、前記λが785nm波長帯である上記に記載の広帯域波長板を提供する。
この構成により、λに対する楕円率は0±0.1の範囲内となるとともに、λに対する楕円率の絶対値は0.85以上とすることができる。また、3つの異なる波長の光が直線偏光で入射して、λの波長の光は偏光状態を変えず、λおよびλの波長の光は直線偏光から楕円率の高い(円)偏光状態で出射させることができる。さらに、異なる3つの波長をそれぞれ、405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯に設定して具体的に、2枚の波長板の設計条件によって構成することができる。なお、本発明では、405nm波長帯は405±15nmの範囲の波長帯域、660nm波長帯は660±20nmの範囲の波長帯域、785nm波長帯は785±20nmの範囲の波長帯域として定義する。
また、少なくとも前記波長λと前記波長λの光を出射する光源と、前記光源から出射した光を偏向分離する第1の分離手段と、前記第1の分離手段から出射した光を前記波長λの光と前記波長λの光とを異なる光路に偏向分離する第2の分離手段と、前記第2の分離手段から出射した光を光ディスク上に集光させる対物レンズと、前記光ディスクで反射した光を検出する光検出器と、を備える光ヘッド装置であって、前記第2の分離手段と前記対物レンズとの間の前記波長λの光の光路中にλ/4板が配置されるとともに、前記第1の分離手段と前記第2の分離手段との間の光路中に上記に記載の広帯域波長板が配置される光ヘッド装置を提供する。また、前記光源は、前記波長λ、前記波長λおよび前記波長λを出射し、前記第2の分離手段は、前記波長λの波長の光の出射方向と、前記波長λの光および前記波長λの光の出射方向とを異なるようにするトリクロイックプリズムである上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、規格の異なる光ディスクを記録・再生する光ヘッド装置においてそれぞれの波長の光を楕円率が高い円偏光で各規格の光ディスクに集光させることができ、光利用効率が高く品質の向上した光ヘッド装置を実現できる。さらに、異なる2つおよび3つの波長において共通した光学系で広帯域波長板を利用することで光ヘッド装置の小型化および軽量化を実現することができる。
さらに、前記第1の分離手段は、複屈折性を有する回折格子が等方性材料となる充填材で充填平坦化されてなるホログラム素子であって、前記充填材の屈折率nは、前記回折格子の常光屈折率nまたは異常光屈折率nに略等しい上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、光検出器の位置を自由に設定することができるとともに、広帯域波長板とホログラム素子を一体化させることができ、さらに他の光学素子とも合わせて一体化させることで小型化となる光ヘッド装置を実現することができる。
本発明は、異なる複数の波長の光が入射してそれぞれの光の偏光状態を変えることができる広帯域波長板を提供するとともに、3つの異なる波長の光を使用する光ヘッド装置において光学素子の部品点数の削減により小型化を実現することができる。
(第1の実施の形態)
図1に本実施形態にかかる広帯域波長板10の構成を示す。図1(a)は広帯域波長板10の模式的断面図であり、図1(b)は広帯域波長板に含まれる2枚の波長板の積層状態を説明する平面模式図である。広帯域波長板10は、2枚の波長板13aと13bとが、透明基板11a、11bおよび接着剤11cを介して一体化されてなるものである。また、後述するように波長板13a、13bが高分子液晶からなる場合は、それぞれ配向膜12a、12bを配してもよい。
透明基板11a、11bおよび接着剤11cは入射する光に対して透明であれば、樹脂板、樹脂フィルムなど種々の材料を用いることができるが、ガラスや石英ガラスなどの光学的等方性材料を用いると、透過光に複屈折性の影響を与えないため好ましい。波長板13a、13bは、光学的に複屈折性を有する材料からなり、液晶を高分子化した高分子液晶を用いることで液晶の配向方向を制御して波長板13a、13bの光学軸方向を設定しやすく好ましい。なお、波長板13a、13bの材料は、高分子液晶に限らず水晶やLiNbO(ニオブ酸リチウム)のような光学的に複屈折性を有する単結晶材料を加工したり、延伸により複屈折性を持たせたポリカーボネートフィルムや有機系高分子フィルムであったり、基板上に異方性蒸着などの成膜方法で複屈折性を持たせて形成したTiOなどの無機材料、樹脂の射出成型品によって作製されたものでもよく、その場合、配向膜12a、12bを配さなくてもよい。
2つの波長板13a、13bの接着には、粘着フィルム、UV硬化型や熱硬化型の接着剤を使用できる。広帯域波長板の波面収差の低減、温度特性や信頼性の向上のためには、できるだけ薄い接着層として貼り合わせることが望ましく、接着層の厚さを10μm以下にすることが特に望ましい。また、広帯域波長板は、透過光の波面収差の劣化を回避するために、表面の平滑化処理や基板による接着保持が望ましい。具体的には、少なくとも1枚の透明基板に広帯域波長板を接着して使用することが望ましい。他の光学素子と積層一体化せずに広帯域波長板を単独で用いる場合には、2枚の透明基板11a、11bにより挟み込む構成が波面収差低減・強度確保の点から特に望ましい。
次に、波長板13a、13bを構成する条件について説明する。なお、広帯域波長板10に対して入射する光は、透明基板11a側から透明基板11a面に垂直方向から入射するものとし、光が入射する順にそれぞれ第1の波長板13a、第2の波長板13bとする。また、広帯域波長板10には、少なくとも波長λと波長λの光が入射する(λ<λ)ものとする。次に、第1の波長板13aと第2の波長板13bとを重ねるとき、それぞれの光学軸および入射する直線偏光の光の方向との関係を説明する。ここでは、図1(b)において入射する直線偏光の光の方向15として、これを基準に反時計回りをプラスとして第1の波長板13aの光学軸16となす角度をθとし、第2の波長板13bの光学軸17となす角度をθとする。なお、波長λの光の直線偏光方向と波長λの光の直線偏光方向とは同じ方向で入射するものとする。また、光学軸は、進相軸と遅相軸とが含まれるが、本実施形態では第1の波長板13a、第2の波長板13bの進相軸どうしの組み合わせまたは、遅相軸どうしの組み合わせ、において有効である。したがって、以下、光学軸を用いてなす角度という場合、2つの波長板がともに進相軸であるかまたは、ともに遅相軸であるという意味とする。
また、第1の波長板13a、第2の波長板13bはそれぞれリタデーション値を有する。ここでリタデーション値は、入射する光に対する進相軸と遅相軸との位相差の値(単位は、[度])で表すものとする。また、これらを構成する材料により、常光屈折率nと異常光屈折率nとの差である屈折率異方性Δn(=|n−n|)が入射する光の波長によって異なる特性(以下、波長分散特性という)があり、同じ材料であっても入射する光の波長によってリタデーション値は異なる。ここで、波長λおよび波長λの光に対する第1の波長板13aのリタデーション値をそれぞれ、R(λ)、R(λ)とする。また、波長λおよび波長λの光に対する第2の波長板13bのリタデーション値をそれぞれ、R(λ)、R(λ)とする。本実施形態の広帯域波長板10は、少なくともλの波長の直線偏光の光が入射して偏光状態を変えないで出射させるとともに、λの波長の直線偏光の光が入射して円偏光で出射させる特性を有する構成を提供するものである。
上記のように第1の波長板13aと第2の波長板13bが有するリタデーション値および積層条件となるθとθを用いて、次の(A)〜(D)の条件すべてを満たすように広帯域波長板を構成するとよい。
(A)R(λ)[度]>R(λ)[度]であり、R(λ)[度]/R(λ)[度]が2±0.1の範囲内にある。
(B)R(λ)[度]>R(λ)[度]であり、R(λ)[度]/R(λ)[度]が2±0.1の範囲内にある。
(C)R(λ)[度]が、(360×k)±5[度]の範囲(kは奇数:1,3,5・・・)である。
(D)θが90±5[度]の範囲である。
このように構成することにより、広帯域波長板10は、波長λの入射光に対して偏光状態を変化させないで出射するλ板として機能する。一方、波長λ(>λ)の光が入射すると、図2に示すポアンカレ球においてS1からS3を通る経線近傍上の偏光状態をとる。つまり、図2の矢印26の軌道に沿って直線偏光で入射する光が楕円偏光、円偏光を経て入射する光と直交する直線偏光、までの幅広い偏光状態を取ることができ、例えば、光ヘッド装置の設計をするときに光学設計の自由度が増す効果をもたらす。
図2に示すポアンカレ球を用いて具体的に説明する。入射する光の偏光方向をS1の極点とすると波長λの光は、まず第1の波長板13aによって、偏光状態はS1軸と2θの角度をなす軸22を中心としてR(λ)ほど回転した地点に移動する。R(λ)=180[度]の場合、その地点はS1とS2とを通る赤道上に位置する。そして、第2の波長板13bによって、S1軸と2θの角度をなす軸23を中心としてR(λ)ほど回転した地点に移動する。特にR(λ)=180[度]でかつ、θ=90[度]、R(λ)=90[度]の場合、その地点はS1、S3を通る経線上の偏光状態をとる。つまり、矢印26の軌道に沿って直線偏光で入射する光が楕円偏光、円偏光を経て入射する光と直交する直線偏光、までの幅広い偏光状態を取ることができる。特にR(λ)=180[度]、θ=90[度]、R(λ)=90[度]でかつ、θ=22.5[度]の場合、S3の極点に位置し、偏光状態が円偏光となる。
また、上記(A)〜(D)の条件に次の(E)条件を加え、(A)〜(E)の条件すべてを満たすように広帯域波長板を構成する。
(E)θが22.5−{(90−θ)/2}±2.5[度]の範囲である。
この構成により、広帯域波長板10は、波長λの直線偏光の光の状態を変えずに出射させるとともに、波長λの直線偏光の光に対してλ/4板として機能し、偏光状態を円偏光とすることができる。
上記の説明では、m=2、すなわち使用される波長が2つの場合について説明した。m=2の場合には、波長はλとλのみとなるので、上記の設定で使用する。一方、使用する波長がm≧3の場合には、上記の(A)、(B)の条件は、少なくとも1組の波長λと波長λj+1に関して、以下の関係を満足するように設定することになる。
(A´)R(λj+1)[度]/R(λj+1)[度]が2±0.1の範囲内にある。
(B´)R(λ)[度]/R(λj+1)[度]が2±0.1の範囲内にある。
さらに具体的には、例えばm=3、λとλとλの場合(λ<λ<λ)には、上記の(A)、(B)の条件は、以下のように設定すればよい。j=1の場合の(A1)および(B1)を満足するか、j=2の場合の(A2)および(B2)を満足するように設定すればよい。
(A1)R(λ)[度]/R(λ)[度]が2±0.1の範囲内にある。
(B1)R(λ)[度]/R(λ)[度]が2±0.1の範囲内にある。
(A2)R(λ)[度]/R(λ)[度]が2±0.1の範囲内にある。
(B2)R(λ)[度]/R(λ)[度]が2±0.1の範囲内にある。
次に、広帯域波長板10には互いに波長が異なる3つの光(λ、λおよびλ:λ<λ<λ)が入射するものとして説明する。本発明における広帯域波長板10を構成する2枚の波長板(13aおよび13b)のリタデーション値について、以下のように一般化して表す。
(λ)={Δnij・d/λ}・360 [度] ・・・ (1)
ここで、iは光が入射する順を表し(第iの波長板)、jは入射する光の波長のうち短い波長から数えた順を表すものである。つまり本発明では、iのとり得る値は1と2のいずれかであり、jのとり得る値は1、2および3のいずれかである。また、Δnは波長板の屈折率異方性、dは波長板の厚さである。したがって、Δnijは波長λにおける広帯域位相差の第iの波長板に使用される複屈折材料の屈折率異方性、dは広帯域位相差の第iの波長板の厚さを表す。
ここで、R(λ)が360[度]であり、R(λ)/R(λ)およびR(λ)/R(λ)が2±0.1の範囲内とすると、R(λ)およびR(λ)は約180[度]となる。さらに、R(λ)/R(λ)およびR(λ)/R(λ)が2±0.1の範囲内であるとすると、R(λ)およびR(λ)は約90[度]となる。このとき、前述のように、広帯域波長板10を透過した波長λおよび波長λの直線偏光の光はほぼ円偏光となる。
ここで、光の偏光状態を表すミュラー行列を用いて、直線偏光の光で広帯域波長板に入射して透過するまでの偏光状態を記述する。広帯域波長板へ入射する光のストークスベクトルをSとし、広帯域波長板を出射する光のストークスベクトルをSとすると、ストークスベクトルSは、式(2)を用いて表される。
=G(θ、Γ)×G(θ、Γ)×S ・・・ (2)
なお、ストークスベクトルSは、[1、1、0、0]である。ただし、記号Tは転置を意味する。
また、変換行列G(θ、Γ)およびG(θ、Γ)は、それぞれ第1の波長板13aおよび第2の波長板13bで生じる偏光状態の変化を表すものであり、前述のθ、θはそれぞれ入射偏光方向Sと複屈折層の光学軸とがなす角、Γ、Γはそれぞれ波長板13aと波長板13bのリタデーション値を表すものであり、式(3)を用いて表される。
Γ=Δn×d×2π/λ [rad] ・・・ (3)
ここで、Δnは波長板の屈折率異方性を表し、dは波長板の厚さ、λは波長を表す。
変換行列G(θ、Γ)は、さらに以下に示すように3つの変換行列に分けられる。
G(θ、Γ)=T(θ)C(Γ)T(−θ) ・・・ (4)
Figure 2009266257
Figure 2009266257
ここで、式(5)のT(θ)は旋光子行列であり、旋光子行列T(θ)は、式(5)に示すように、ポアンカレ球のS3軸の周りにストークスベクトルを2θ回転させる変換行列である。また、C(Γ)は位相子行列であり、位相子行列C(Γ)は、式(6)に示すように、ポアンカレ球のS1軸の周りにストークスベクトルをΓ回転させる変換行列である。
ここで、複屈折材料の屈折率異方性であるΔnは一般に波長依存性を有し、A、B、Cを材料に依存する分散係数とすると、近似的に以下のコーシーの式で表される。
Δn(λ)=A+B/λ+C/λ ・・・ (7)
ここで、λは波長であり、表1および表2に、それぞれ複屈折材料を水晶、高分子液晶としたとき入射する光の波長に対するそれぞれのΔnの値を示す。
Figure 2009266257
Figure 2009266257
表1の各波長における特性から水晶では、それぞれA=0.00849、B=0.000255、C=−1.46E−05の値が求められる。一方、表2の各波長における特性から高分子液晶では、それぞれA=0.0360、B=0.000751、C=0.000140の値が求められる。また、波長分散がない、すなわち波長に依存しない複屈折材料を仮定すると、それぞれの分散係数はA=定数、B=0、C=0の値として求められる。以上の各複屈折材料の分散係数を用いて計算した楕円率および方位角の結果を図3に示す。図3(a)および図3(b)は、波長板を1枚として各複屈折材料で構成したときの特性、図3(c)および図3(d)は、波長板を2枚積層して各複屈折材料で構成したときの特性を示す。また、これらは、405nmの波長の光が入射するとき、リタデーション値が360[度]となるλ板として規格化するときの各特性である。なお、1枚の波長板で構成する場合、入射する光の偏光方向に対して光学軸は45°の角度をなし、2枚の波長板で構成する場合、入射する光の偏光方向に対して、最初に入射する波長板の光学軸はθ1=22.5°の角度をなし、次に入射する波長板の光学軸はθ=90°の角度をなすものである。なお、(偏光方向の)方位角は、入射光の偏光方向と出射光の偏光方向とがなす角度である。
このように波長板1枚の構成に比べて2枚の構成の方が、405nm波長帯でλ板として機能するとともに、DVD用波長である660nm波長帯とCD用波長である785nm波長帯の双方に対して楕円率が高い値となり、本発明の目的とする効果が得られやすい。また、各波長帯は、上記のように波長の幅を持たせている。例えば、光源となる半導体レーザそのものの個体素子のばらつきや温度変化によって変化する波長において、2枚の構成では、楕円率を大きく低下させず安定した特性を得ることができるものである。図3(a)および図3(c)に入射する光の波長に対する楕円率を示しているが、660nm波長帯および785nm波長帯の双方で高い楕円率を有するためには、660nmから785nmの間の波長をλとして、各リタデーション値の比が、
(λ)/R(λ)=2 ・・・ (8)
(λ)/R(λ)=2 ・・・ (9)
を満たすことが好ましい。この条件を満たす複屈折材料としては特に水晶および高分子液晶が好ましく、さらにλの値が660nmと785nmとの中間波長723nmにおいて、上記条件式を満たすとより好ましい。また、上記(A)〜(E)の条件はλとλの波長の光に対する条件であるが、λ、λおよびλ(λ<λ<λ)の光が入射するとき、λに関する(A)〜(E)のパラメータはλのパラメータとして置き換えてもよい。
次に、広帯域波長板10に波長λの光で入射して、出射する光の楕円率および偏光の方位角と、広帯域波長板10を構成する第1の波長板13aおよび第2の波長板13bの各設定条件について説明する。まず、第1の波長板13aの光学軸と入射光の偏光方向とがなす角度θを22.5[度]、第2の波長板13bの光学軸と入射光の偏光方向とがなす角度θを90[度]とする。そして、各波長板のリタデーション値の比、R(λ)/R(λ)を2とする。
図4(a)および図4(b)にそれぞれ、第1の波長板13aのリタデーション値(R(λ))に対する楕円率、R(λ)に対する偏光方向の方位角との関係を示す。これらは、いずれも連続的に変化する特性を有する。また、λ波長板としての機能するため、楕円率の絶対値が0.1以下であるとともに、偏光方向の方位角が0±10[度]の範囲内であると、直線偏光で入射する光の偏光状態を大きく変化させることがないので好ましい。ここでは、R(λ)が360±5[度]の範囲内では上記のλ波長板としての機能を満たしている。また、図4(a)の特性より、R(λ)が上記範囲から大きく外れると、楕円率の絶対値が0.1を超える。
図5は、R(λ)/R(λ)とR(λ)の関係による広帯域波長板10の特性を示す図であり、図5(a)はこれらの組み合わせによって得られる楕円率を示し、図5(b)はこれらの組み合わせによって得られる偏光方向の方位角を示すものである。また、図5(a)において楕円率範囲を示すとともに、それぞれの楕円率が得られる上記2つの組み合わせからなる領域を太線の枠で示す。図5(a)より、R(λ)が360±5[度]の範囲内かつ、R(λ)/R(λ)が2±0.1の範囲内では、楕円率が−0.05〜0.05の範囲内に入っており、λ波長板としての機能を満たしている。そして、R(λ)が上記範囲から大きく外れると、楕円率の絶対値が0.1を超える。また、図5(b)に示すR(λ)/R(λ)とR(λ)の範囲の組み合わせでは偏光方向の方位角はいずれも0.0〜1.0の範囲となる。なお、楕円率および偏光方向の方位角は領域分けしているが連続して変化する特性を有する。
図6は、θとθとの関係による広帯域波長板10の特性を示す図であり、図6(a)はこれらの組み合わせによって得られる楕円率を示し、図6(b)はこれらの組み合わせによって得られる偏光方向の方位角を示すものである。また、図6(b)において偏光方向の方位角の範囲を示すとともに、それぞれの偏光方向の方位角が得られるθとθとの組み合わせからなる領域を太線の枠で示す。図6(b)においてθが22.5±2.5[度]の範囲内かつ、θが90±5[度]の範囲内では、偏光方向の方位角が0±10[度]のの範囲内に入っており、λ波長板としての機能を満たしている。また、θが90±5[度]の範囲内から外れる場合は偏光方向の方位角が0±10[度]の範囲内からも外れる。
図7は、波長λの光が入射して、上記条件(B)と(D)との範囲内でそれぞれ、上限値((B):2.1、(D):95[度])、中間値((B):2.0、(D):90[度])、下限値((B):1.9、(D):85[度])で固定し、他の上記条件(A)および(C)の範囲内で値を変化させて出射光の楕円率および偏光方向の方位角を示したものである。図7(a)は、θに対する楕円率を示したものであり、点線は上記上限値において最大となる楕円率、一点鎖線は上記下限値において最小となる楕円率、実線は上記中間値において中間となる楕円率の特性である。これにより上記条件(A)および(C)を変化させて変動する楕円率は、図7(a)のθの範囲において0±0.1の範囲内となる。
また、図7(b)も図7(a)と同じ条件において、θに対する偏光方向の方位角を示したものであり、点線は上記上限値において最大となる偏光方向の方位角、一点鎖線は上記下限値において最小となる偏光方向の方位角、実線は上記中間値において中間となる偏光方向の方位角の特性である。これにより上記条件(A)および(C)を変化させて変動する偏光方向の方位角は、図7(b)のθの範囲において、ほぼ0±10[度]の範囲内となる。図7(a)および図7(b)より、上記(A)〜(D)の範囲内で設定することによって、λの波長の光に対してλ波長板として機能していることが示されている。
次に、広帯域波長板10に波長λの光で入射して、出射する光の楕円率について説明する。上記条件(A)〜(E)をそれぞれ中間値、つまり、(A)としてR(λ)/R(λ)が2、(B)としてR(λ)/R(λ)が2、(C)としてR(λ)を360[度]、(D)としてθが90[度]、そして(E)としてθが22.5[度]とする。
このときの条件において、R(λ)/R(λ)と楕円率との関係を図8に示す。λの波長の光が入射するときに円偏光で出射されることが望ましく、楕円率では1となれば最も好ましい。このようにλの波長の光に対してλ/4板として機能するには、楕円率の絶対値は0.7以上であることが好ましく、0.85以上であればより好ましい。そして図8より、R(λ)/R(λ)=2のとき楕円率を最大値(=1.0)としてR(λ)/R(λ)が2±0.1の範囲内においても波長λにおいてλ/4板の機能を満たしている。また、この条件が大きく外れることで楕円率の絶対値が0.7を下回る。
また、上記条件(A)〜(E)をそれぞれ中間値として、R(λ)/R(λ)と楕円率との関係を図9に示す。R(λ)/R(λ)=2のとき楕円率を最大値(=1.0)としてR(λ)/R(λ)が2±0.1の範囲内においても波長λにおいてλ/4板の機能を満たしている。また、この条件が大きく外れることで楕円率の絶対値が0.7を下回る。
次に、θと楕円率との関係を図10に示す。上記条件(A)〜(C)、(E)をそれぞれ中間値として、上記(D)の条件においてθ=90[度]において楕円率=1となり、θが90±5[度]の範囲内においても波長λにおいてλ/4板の機能を満たしている。また、この条件が大きく外れることで楕円率の絶対値が0.7を下回る。
同様に、θと楕円率との関係を図11に示す。上記条件(A)〜(D)をそれぞれ中間値として、上記(E)の条件、つまりθが90[度]であるとき、θが22.5±2.5[度]の範囲では、波長λにおいてλ/4板としての機能を満たしている。また、この条件が大きく外れることで楕円率の絶対値が0.7を下回る。
次に、R(λ)/R(λ)とR(λ)/R(λ)との組み合わせにより得られる楕円率の関係を図12に示す。また、各楕円率の範囲となる上記組み合わせの領域は、太線で囲ってその領域を表している。これより、R(λ)/R(λ)が2±0.1であるとともにR(λ)/R(λ)が2±0.1である条件では、ほぼ0.9以上の楕円率が得られ、波長λにおいて楕円率が0.7以上となるλ/4板の機能を満たしている。なお、楕円率は領域分けしているが連続して変化する特性を有する。
同様に、θとθとの組み合わせにより得られる楕円率の関係を図13に示す。また、各楕円率の範囲となる上記組み合わせの領域は、太線で囲ってその領域を表している。この特性より、楕円率が同値をとるためのθとθとの関係は、
θ=22.5−{(90−θ)/2}[度]
で示すことができる。また、このとき、θが90±5[度]、かつθが22.5−{(90−θ)/2}±2.5[度]の範囲では、波長λにおいてλ/4板としての機能を満たしている。上記範囲から大きく外れる場合、楕円率の絶対値は0.7を下回る。なお、同様に楕円率は領域分けしているが連続して変化する特性を有する。
図14は、上記条件(A)〜(C)との範囲内でそれぞれ、中間値((A):2.0、(B):2.0、(C):360[度])、条件1((A):1.9、(B):2.1、(C):355[度])、
条件2((A):2.1、(B):1.9、(C):365[度])で固定し、他の上記条件(D)および(E)の範囲内で値を変化させて出射光の楕円率を示したものである。図14(a)は、θを95[度]と固定して、θに対する楕円率を示したものであり、点線は上記中間値において最大となる楕円率、一点鎖線は上記条件1において最小となる楕円率、実線は上記条件2において最小となる楕円率の特性である。
同様に、図14(b)は、θを90[度]と固定したとき、図14(c)は、θを85[度]と固定してθを変化させたときの楕円率を示したものである。なお、このほかの条件における楕円率は、いずれも図14(a)〜図14(c)に示した中間値における楕円率と条件1における楕円率との間をとる。また、図15(a)は図14(a)〜図14(c)の中間値において、θおよびθを変化させたときの楕円率の特性をまとめたものである。また、図15(b)、図15(c)は、それぞれ図14(a)〜図14(c)の条件1、図14(a)〜図14(c)の条件2において、θおよびθを変化させたときの楕円率の特性をまとめたものである。これらの特性から、上記条件(A)〜(E)の範囲内では、波長λにおいて楕円率が0.7以上となり、λ/4板として機能していることが示されている。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、波長λの光に対してλ板としての機能を有するとともに、波長λの光に対して楕円率が0.7以上となるλ/4板としての機能を有する広帯域波長板について説明した。第2の実施の形態では、波長λの光に対してλ板としての機能を有するとともに、波長λの光に対して楕円率が0.85以上となるλ/4板となる広帯域波長板の構成条件について説明する。
第1の実施の形態と同様に第1の波長板13aと第2の波長板13bが有するリタデーション値および積層条件となるθとθを用いて、次の(A´)、(B)〜(D)および(E´)の条件すべてを満たすように広帯域波長板を構成するとよい。なお、(B)〜(D)は、第1の実施の形態と同じ条件である。
(A´)R(λ)[度]>R(λ)[度]であり、R(λ)/R(λ)が2±0.05の範囲内にある。
(B)R(λ)[度]>R(λ)[度]であり、R(λ)/R(λ)が2±0.1の範囲内にある。
(C)R(λ)[度]が、(360×k)±5[度]の範囲(kは奇数:1,3,5・・・)である。
(D)θが90±5[度]の範囲である。
(E´)θが22.5−{(90−θ)/2}±1.5[度]の範囲である。
図16は、上記条件(A´)、(B)および(C)の範囲内でそれぞれ、中間値((A´):2.0、(B):2.0、(C):360[度])、条件3((A´):1.95、(B):2.1、(C):355[度])、条件4((A´):2.05、(B):1.9、(C):365[度])で固定し、他の上記条件(D)および(E´)の範囲内で値を変化させて出射光の楕円率を示したものである。図16(a)は、θを95[度]と固定して、θに対する楕円率を示したものであり、点線は上記中間値において最大となる楕円率、一点鎖線は上記条件3において最小となる楕円率、実線は上記条件4において最小となる楕円率の特性である。
同様に、図16(b)は、θを90[度]と固定したとき、図16(c)は、θを85[度]と固定してθを変化させたときの楕円率を示したものである。なお、このほかの条件における楕円率は、いずれも図16(a)〜図16(c)に示した中間値における楕円率と条件4における楕円率との間をとる。また、図17(a)は図16(a)〜図16(c)の中間値において、θおよびθを変化させたときの楕円率の特性をまとめたものである。また、図17(b)、図17(c)は、それぞれ図16(a)〜図16(c)の条件3、図16(a)〜図16(c)の条件4において、θおよびθを変化させたときの楕円率の特性をまとめたものである。これらの特性から、上記条件(A´)、(B)〜(C)および(E´)の範囲内では、波長λにおいて楕円率が0.85以上となり、λ/4板として機能していることが示されている。なお、波長λの光が入射するときの楕円率および偏光方向の方位角は図7に示す範囲内であり、波長λの光に対してλ板としての機能を有する。また、上記(A´)、(B)〜(C)および(E´)の条件はλとλの波長の光に対する条件であるが、λ、λおよびλ(λ<λ<λ)の光が入射するとき、λに関する(A)〜(E)のパラメータはλのパラメータとして置き換えてもよい。
なお、第1の実施形態においても共通するが、θおよびθは符号が反転しても成立する。つまり、θを−θに、θを−θとしても、上記の関係を満足するものである。また、これまでの説明では、波長λの第1の波長板13aのリタデーション値(R(λ))[度]を360±5度の波長板としたが、(360×k)±5度(kは奇数:1,3,5・・・)としても成立する。360±5度はk=1としたときの一つの例である。
(第3の実施の形態)
図18に広帯域波長板付き偏光型回折格子40の断面模式図を示す。広帯域波長板付き偏光型回折格子40は、第1または第2の実施形態にかかる広帯域波長板10に偏光ホログラム30を積層したものである。偏光ホログラム30は、透明基板11d上に断面が周期的な凹凸形状であって、Y方向に平行なストライプ状となる回折格子31と光学的に透明となる充填材32から構成される。また、回折格子31は複屈折性を示すとともに、充填材32の等方性屈折率nが、回折格子31の常光屈折率nと異常光屈折率nのいずれか一方に略等しいものとする。
例えば、回折格子31が常光屈折率nを示す方向が図18のX方向であって、充填材32の屈折率nがnに略等しい場合、Z方向に進行するX方向の直線偏光の光は偏光状態をほぼ変えないで広帯域波長板付き偏光型回折格子40を直進透過する。また、Y方向の直線偏光の光は、屈折率nと屈折率nとの差を感じるので回折する。このように、広帯域波長板10にホログラム素子を積層することで入射する光の偏光方向に対して出射させる光の作用を変えることができる。なお、回折格子の断面の形状は矩形形を例として示したが、これに限らず、ブレーズ形状やブレーズ形状を階段状に近似した擬似ブレーズ形状であってもよい。
(第4の実施の形態)
次に本願発明の第4の実施の形態として、第1または第2の実施形態の設計に基づく広帯域波長板10を光ヘッド装置の光学部品として配置する場合について説明する。図19は、異なる3つの波長、405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯の光を用いた光ヘッド装置100の構成を示すものである。また、光ヘッド装置100を構成する光学部品として従来の光ヘッド装置400と同じ光学部品は同じ番号を付して説明の重複を避ける。第3の実施形態にかかる光ヘッド装置100は、広帯域波長板111として第1の実施形態にかかる広帯域波長板10を配置する。さらに、トリクロイックプリズム112と対物レンズ114との間の光路中に405nm波長帯の光に対応するλ/4板118を配置する。
ここで、図19において、405nm波長帯の光は光源101から出射してダイクロイックプリズム108で反射される。このとき反射される光はZ方向に進行するX方向の直線偏光(P偏光とする)となって広帯域波長板111に入射する。広帯域波長板111では偏光状態を変えないでそのまま出射させるので、トリクロイックプリズム112によって405nm波長帯のP偏光の光は反射されて進行方向を変えてX方向へ進み、λ/4板118によって円偏光となって光ディスク116の情報記録面に集光される。このように広帯域波長板111を透過する405nm波長帯の光は特定の偏光成分(P偏光)を有する直線偏光の状態でトリクロイックプリズム112によって反射されてλ/4板に入射するので、良好な円偏光の光で集光させることができる。
また、光ディスク116の情報記録面上に形成されたピットの情報を含んだ信号光は、再びλ/4板118を透過して直線偏光となってトリクロイックプリズム112で反射されるが、このときY方向の直線偏光の光(S偏光とする)となり、同じように広帯域波長板111を、偏光状態を変えずに出射する。そして、偏光ビームスプリッタ109によって反射され、光検出器117に集光される。
一方で、光源102および光源103より出射された660nm波長帯の光および785nm波長帯の光は、それぞれP偏光の直線偏光で広帯域波長板111に入射して円偏光となり、トリクロイックプリズム112を直進透過してミラー113で反射されて光ディスク116に集光される。光ディスク116で反射された信号光は、再びミラー113で反射され、トリクロイックプリズム112を直進透過して、広帯域波長板111で円偏光からS偏光となる。そして、偏光ビームスプリッタ109によって反射され、光検出器117に集光される。このように広帯域波長板111とλ/4板118とを含む構成とすることで、3つの異なる波長の光に対して良好な円偏光で光ディスクに集光して記録・再生ができるので、品質の良い光ヘッド装置を実現することができる。
(第5の実施の形態)
次に本願発明の第5の実施の形態として、第3の実施形態の設計に基づく広帯域波長板付き偏光型回折格子40を光ヘッド装置の光学部品として配置する場合について説明する。図20は、異なる3つの波長、405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯の光を用いて第3の実施形態の光ヘッド装置100と異なる光ヘッド装置200の構成を示すものである。また、光ヘッド装置200を構成する光学部品として第3の実施形態の光ヘッド装置100と同じ光学部品は同じ番号を付して説明の重複を避ける。第4の実施形態にかかる光ヘッド装置200は、広帯域波長板付き偏光型回折格子211として第2の実施形態にかかる広帯域波長板付き偏光型回折格子40を配置する。さらに、光検出器217は広帯域波長板付き偏光型回折格子211によって回折された光が到達する位置に配置する。
広帯域波長板付き偏光型回折格子211は第2の実施形態のように光ヘッド装置に用いられる他の光学素子と積層一体化することで部品点数の削減、光ヘッド装置組み立ての簡略化並びに装置の小型化が実現できる。このような構成にすることで、各波長の光源の出射直後の光路中にそれぞれ配置された回折格子を配さないようにでき、より小型化が実現できる。このように、広帯域波長板がレーザ光の光学的性質を変化させる少なくとも1つの光学素子と一体化されているとより好ましい。
ここで、図20において、405nm波長帯の光は光源101から出射してダイクロイックプリズム108で反射される。このとき反射される光はZ方向に進行するP偏光となって広帯域波長板付き偏光型回折格子211に入射する。また、広帯域波長板付き偏光型回折格子211に含まれるホログラム素子30は、P偏光の光に対して回折しないように屈折率が調整されている。したがって、広帯域波長板付き偏光型回折格子211では偏光状態を変えないでそのまま出射させるので、トリクロイックプリズム112によって405nm波長帯のP偏光の光は反射されて進行方向を変えてX方向へ進み、λ/4板118によって円偏光となって光ディスク116の情報記録面に集光される。
また、光ディスク116の情報記録面上に形成されたピットの情報を含んだ信号光は、再びλ/4板118を透過して直線偏光となってトリクロイックプリズム112で反射され、このときS偏光となって広帯域波長板広帯域波長板付き偏光型回折格子211に入射する。広帯域波長板付き偏光型回折格子211のうち広帯域波長板10で偏光状態を変えずに、ホログラム素子30では回折格子と充填材との屈折率の差を感じるため回折し、コリメートレンズ110により光検出器217に集光される。
一方で、光源102および光源103より出射された660nm波長帯の光および785nm波長帯の光は、それぞれP偏光の直線偏光で広帯域波長板付き偏光型回折格子211に入射して円偏光となり、トリクロイックプリズム112を直進透過してミラー113で反射されて光ディスク116に集光される。光ディスク116で反射された信号光は、再びミラー113で反射され、トリクロイックプリズム112を直進透過して広帯域波長板付き偏光型回折格子211に入射する。広帯域波長板付き偏光型回折格子211のうち広帯域波長板10で円偏光から直線偏光(S偏光)となり、さらに、ホログラム素子30では回折格子と充填材との屈折率の差を感じるため回折し、対物レンズ110により光検出器217に集光される。
また、広帯域波長板付き偏光型回折格子211に含まれるホログラム素子30は、入射する3つの異なる波長の光のうち、いずれか一つの波長の光に対して最適化するかまたは、3つの波長の中間値の光に対して最適化する設計とすると、いずれの波長の光に対しても往路は直進透過の高い特性となり、復路では回折効率を大きく低下させることなく光検出器217に信号光を集光させることができる。光検出器217の配置や構成にもよるが、ホログラム素子30の回折格子構造は、矩形であってもよいが、ブレーズ形状であれば一方向の回折効率を大きく、光利用効率を上げることができ好ましい。このように広帯域波長板付き偏光型回折格子211を含む構成とすることで、3つの異なる波長の光に対して良好な円偏光で光ディスクに集光して記録・再生ができるとともに構成する光学部品点数を低減することができるので、品質が良く小型化された光ヘッド装置を実現することができる。
また、光ヘッド装置において一体化できる光学素子の例として、広帯域波長板10とホログラム素子30を挙げたがこれに限らない。他に一体化できる光学素子の例として、光ディスク上での集光特性を改善するために使用される液晶を用いた位相補正素子や、光ディスクで反射された信号光を回折作用によって光検出器に導く回折格子が挙げられる。本発明における広帯域波長板付き偏光型回折格子211は、光の偏光状態による特性の違いを利用した光学素子を有する光ヘッド装置に用いると特に効果が大きく、さらに小型化および軽量化が要求される光情報の記録・再生に用いる光ヘッド装置用の部品に適している。
(実施例1)
図1に示す広帯域波長板10の作製方法について説明する。透明基板11a、11bとなる石英ガラス基板に、面に対して水平に配向された配向膜12a、12bとなるポリイミド膜を形成しシールを施して、図示しないもう一方の基板を重ね、基板間隔がそれぞれ8.9μm、4.5μmの空セルを2組形成する。ラビングの方向は、基板間隔8.9μmの空セルに対しては、基板を対向させたときに基準方向14(X方向)とした基板の一辺となす角度θが22.5度の方向、基板間隔4.5μmの空セルに対してなす角度θが90度の方向となるように施す。次いで、[化1]に示す液晶化合物(10)、(11)、(12)および(13)を重量比15.6:16.9:32.1:35.4で混合した光重合性液晶化合物を調整し、それぞれのセルに注入し光重合させて波長板13a、13bとなる高分子液晶層を形成する。このようにして形成された高分子液晶層は、波長405nm、660nm、785nmにおける常光屈折率と異常光屈折率の差となる屈折率異方性Δnがそれぞれ0.0457、0.0384、0.0375であった。
Figure 2009266257
次いで、高分子液晶層を挟持する液晶セルの図示しない一方の基板を離型剥離し、基準方向14が一致するように高分子液晶層を重ね合せて前記異なる3つの波長帯で透明な材料として接着剤11cを用いて接着して、本例の高分子液晶層が2層積層された構成の広帯域波長板を得る。前記の広帯域波長板に対して前記基準方向14と平行な偏光方向15となる直線偏光の光を入射し出射する光の楕円率を求める。このとき、θを90[度]、λ=660nmのときのR(λ)/R(λ)を2、R(λ)を360[度]として、θに対する波長660nm、785nmの入射光に対する楕円率を図21(a)に示す。これより、θ=22.5[度]における楕円率は、波長405nm、660nmおよび785nmの光に対して、それぞれ0.00、0.98および0.90である。かつ、波長405nmの偏光方向の方位角は、入射偏光方向15と同方向の0[度]となり、λ波長板として機能していることが確認できる。さらに、θ=22.5[度]より変化しても、波長405nmの光に対して0±0.1の範囲の楕円率および±10[度]の範囲内の偏光方向の方位角であり、波長660nmおよび785nmの光に対して高い楕円率が得られる。
(実施例2)
図21(b)にλ=660nmのときのR(λ)/R(λ)を2.05、R(λ)を365[度]とする以外は、実施例1と同じ条件とするとき、θに対する660nm、785nmの入射光に対する楕円率を示す。これより、θ=22.5[度]における楕円率は、波長405nm、660nmおよび785nmの光に対して、それぞれ−0.03、0.93および0.93である。かつ、波長405nmの偏光方向の方位角は、0.3[度]となり、λ波長板として機能していることが確認できる。さらに、θ=22.5[度]より変化しても、波長405nmの光に対して0±0.1の範囲の楕円率および±10[度]の範囲内の偏光方向の方位角であり、波長660nmおよび785nmの光に対して高い楕円率が得られる。
(実施例3)
図21(c)にθ=85[度]とする以外は、実施例1と同じ条件とするとき、θに対する660nm、785nmの入射光に対する楕円率を示す。これより、θ=20[度]における楕円率は、波長405nm、660nmおよび785nmの光に対して、それぞれ0.00、0.99および0.92である。かつ、波長405nmの偏光方向の方位角は、−10[度]となり、λ波長板として機能していることが確認できる。さらに、θ=20[度]より変化しても、波長405nmの光に対して0±0.1の範囲の楕円率および±10[度]の範囲内の偏光方向の方位角であり波長660nmおよび785nmの光に対して高い楕円率が得られる。
(実施例4)
図21(d)にθ=85[度]とする以外は、実施例2と同じ条件とするとき、θに対する660nm、785nmの入射光に対する楕円率を示す。これより、θ=20[度]における楕円率は、波長405nm、660nmおよび785nmの光に対して、それぞれ−0.05、0.94および0.95である。かつ、波長405nmの偏光方向の方位角は、−9.6[度]となり、λ波長板として機能していることが確認できる。さらに、θ=20[度]より変化しても、波長405nmの光に対して0±0.1の範囲の楕円率および±10[度]の範囲内の偏光方向の方位角であり波長660nmおよび785nmの光に対して高い楕円率が得られる。
(実施例5)
図18に示す広帯域波長板付き偏光型回折格子40の作製方法について説明する。広帯域波長板10は、実施例1と同じ作製方法を用いるので省略し、ホログラム素子30について説明する。透明基板11dとなる石英ガラス基板に、表面がラビングされたポリイミド膜からなる図示しない水平配向膜を形成しシールを施して、基板間隔が4.4μmの空セルを形成する。ラビングは、入射する光の偏光方向に直交する方向となるように施す。次いで、[化1]に示す液晶化合物(10)、(11)、(12)および(13)を重量比15.6:16.9:32.1:35.4で混合した光重合性液晶化合物を調整し、それぞれのセルに注入し光重合させて高分子液晶層を形成する。このようにして形成された高分子液晶層は、波長405nm、660nm、785nmにおける常光屈折率と異常光屈折率の差となる屈折率異方性Δnがそれぞれ0.0457、0.0384、0.0375であった。予め405nmで1次回折効率が最大となるように空セルの基板間隔を設定しておく。そのため高分子液晶層のリタデーション値は波長405nmにおいて179[度]であった。
次いで、高分子液晶層を挟持する液晶セルの図示しない一方の基板を離型剥離し、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて幅5μmのストライプ状の高分子液晶を形成する。その際、1次回折効率が最大となるように高分子液晶のストライプ幅と高分子液晶のない溝幅は1:1になるように設定した。これにより格子ピッチ10μmの回折格子31を形成できる。
次に、高分子液晶からなる回折格子31上に3つの異なる波長帯において充填材32として透明となる接着剤を塗布して広帯域波長板10を積層し、広帯域波長板付き偏光型回折格子40を作製する。このとき、高分子液晶の常光屈折率と屈折率が同じになる接着剤を使用した。作製した広帯域波長板付き偏光型回折格子40にラビングと同方向の直線偏光を入射した結果、波長405nmのレーザ光に対して、+1次および−1次回折効率は各々39%の値が得られる。一方、ラビングと直交方向の直線偏光を入射した結果、0次透過率が97%の値が得られる。
(実施例6)
例1に記載した広帯域波長板10を図19の光ヘッド装置100の広帯域波長板111として配置する。各半導体レーザの波長は、光源101が405nm、光源102が658nm、そして光源103が789nmである。これらの光は全て同じ直線偏光の方向で広帯域波長板111に入射し、その結果、3つの波長405nmでは偏光状態が変化せず直線偏光のまま出射し、658nmおよび789nmに対して満足できる円偏光が得られ、光利用効率の高い信号光を得ることができる。
以上のように、複数の異なる波長の光が入射する、波長板を2枚積層してなる広帯域波長板として、積層する波長板の光学軸および各波長におけるリタデーション値を組み合わせることで、λの波長の直線偏光の光は偏光状態を変えずに出射し、λおよびλ(λ<λ<λ)の波長の光は円偏光となって出射させることができる。さらに、この広帯域波長板を規格が異なる光ディスクの記録・再生をする光ヘッド装置に配置することで小型化、軽量化となる光ヘッド装置を実現することができ、有用である。
本発明の広帯域波長板の断面模式図および波長板の各光学軸の角度など関係を示す平面模式図。 本発明の広帯域波長板の偏光状態を表すポアンカレ球。 本発明の広帯域波長板の透過光の対する楕円率および方位角の波長依存性。 波長λにおける第1の波長板13aのリタデーション値R(λ)に対する、楕円率および偏光方向の方位角の特性。 (λ)/R(λ)とR(λ)との組み合わせに対する、楕円率および偏光方向の方位角の特性。 入射する光の偏光方向と各波長板の光学軸とがなす角度θとθとの組み合わせに対する、楕円率および偏光方向との方位角の特性。 θ、R(λ)およびR(λ)/R(λ)の有効条件下(上限値、中間値、下限値)における、θに対する、楕円率および偏光方向の方位角の特性。 (λ)/R(λ)に対する、楕円率の特性。 (λ)/R(λ)に対する、楕円率の特性。 θに対する、楕円率の特性。 θに対する、楕円率の特性。 (λ)/R(λ)とR(λ)/R(λ)との組み合わせに対する、楕円率の特性。 θとθとの組み合わせに対する、楕円率の特性。 θ、R(λ)/R(λ)、R(λ)/R(λ)およびR(λ)の有効条件下(中間値、条件1、条件2)における、θに対する、楕円率の特性。 θ、R(λ)/R(λ)、R(λ)/R(λ)およびR(λ)の有効条件下(中間値、条件1、条件2)における、θに対する、楕円率の特性。 θ、R(λ)/R(λ)、R(λ)/R(λ)およびR(λ)の有効条件下(中間値、条件3、条件4)における、θに対する、楕円率の特性。 θ、R(λ)/R(λ)、R(λ)/R(λ)およびR(λ)の有効条件下(中間値、条件3、条件4)における、θに対する、楕円率の特性。 本発明における広帯域波長板付き偏光型回折格子の断面模式図。 本発明の第3の実施形態にかかる光ヘッド装置の構成図。 本発明の第4の実施形態にかかる光ヘッド装置の構成図。 実施例1〜4にかかる広帯域波長板の楕円率の特性。 従来の光ヘッド装置の構成図1。 従来の光ヘッド装置の構成図2。
符号の説明
10、111 広帯域波長板(本発明)
11a、11b、11d 透明基板
11c 接着剤
12a、12b 配向膜
13a 第1の波長板
13b 第2の波長板
14 基準方向
15 入射する光の偏光方向
16 第1の波長板の光学軸方向
17 第2の波長板の光学軸方向
21 ポアンカレ球上の入射偏光状態
22 第1の波長板に対応する回転軸
23 第2の波長板に対応する回転軸
24 第1の波長板(R(λ)<180[度])により変換されたポアンカレ球上の偏光状態
25 第1の波長板(R(λ)>180[度])により変換されたポアンカレ球上の偏光状態
26 広帯域波長板により変換されたポアンカレ球上の偏光状態の軌跡
30 ホログラム素子
31 回折格子
32 充填材
40、211 広帯域波長板付き偏光型回折格子
100、200 光ヘッド装置(本発明)
101、301 光源(405nm波長帯)
102、302 光源(660nm波長帯)
103、303 光源(785nm波長帯)
104、105、106、304、305、306 回折素子
107、308 ダイクロイックプリズム
108、112 トリクロイックプリズム
109、307、309 偏光ビームスプリッタ
110、310、311 コリメータレンズ
113、314、315 ミラー
114、115、316、317 対物レンズ
116、318 光ディスク
117、217、319、320 光検出器
118、312、313 λ/4板
300、400 光ヘッド装置(従来)
411 広帯域波長板(従来)

Claims (7)

  1. 平行に配置された第1の波長板と第2の波長板とを備え、
    m個(mは2以上の整数)の波長の光が入射する広帯域波長板であって、
    前記第1の波長板の光学軸と前記第2の波長板の光学軸が交差しており、
    入射する波長を、λ<λj+1(j=1〜m−1の整数)の関係を満足するとして表し、波長λ(n=1〜mの整数)に光に対する第iの波長板のリタデーション値をR(λ)[度](iは1または2)としたときに、
    少なくとも1組の波長λと波長λj+1に関して、
    (λj+1)/R(λj+1)が2±0.1の範囲内であるとともに、R(λ)/R(λj+1)が2±0.1の範囲内であって、
    kを奇数として、R(λ)が(360×k)±5[度]の範囲内であって、
    前記波長λと前記波長λj+1の直線偏光の光が同じ偏光方向で入射する偏光方向と前記第2の波長板の光学軸とがなす角度θが90±5[度]の範囲内である広帯域波長板。
  2. 前記波長λと前記波長λj+1の直線偏光の光が同じ偏光方向で入射する偏光方向と前記第1の波長板の光学軸とがなす角度θが22.5−{(90−θ)/2}±2.5[度]の範囲内である請求項1に記載の広帯域波長板。
  3. (λj+1)/R(λj+1)が2±0.05の範囲内であるとともに、前記角度θが22.5−{(90−θ)/2}±1.5[度]の範囲内である少なくとも一つの波長λj+1の直線偏光の光が入射する請求項1または請求項2に記載の広帯域波長板。
  4. 前記波長λと前記波長λと波長λ(λ<λ<λ)の直線偏光の光が入射する広帯域波長板であって、
    前記λが405nm波長帯であり、前記λが660nm波長帯であり、前記λが785nm波長帯である請求項1〜3いずれか1項に記載の広帯域波長板。
  5. 少なくとも前記波長λと前記波長λの光を出射する光源と、
    前記光源から出射した光を偏向分離する第1の分離手段と、
    前記第1の分離手段から出射した光を前記波長λの光と前記波長λの光とを異なる光路に偏向分離する第2の分離手段と、
    前記第2の分離手段から出射した光を光ディスク上に集光させる対物レンズと、
    前記光ディスクで反射した光を検出する光検出器と、を備える光ヘッド装置であって、
    前記第2の分離手段と前記対物レンズとの間の前記波長λの光の光路中にλ/4板が配置されるとともに、
    前記第1の分離手段と前記第2の分離手段との間の光路中に請求項1〜4いずれか1項に記載の広帯域波長板が配置される光ヘッド装置。
  6. 前記光源は、前記波長λ、前記波長λおよび前記波長λを出射し、
    前記第2の分離手段は、前記波長λの波長の光の出射方向と、前記波長λの光および前記波長λの光の出射方向とを異なるようにするトリクロイックプリズムである請求項5に記載の光ヘッド装置。
  7. 前記第1の分離手段は、複屈折性を有する回折格子が等方性材料となる充填材で充填平坦化されてなるホログラム素子であって、
    前記充填材の屈折率nは、前記回折格子の常光屈折率nまたは異常光屈折率nに略等しい請求項5または請求項6に記載の光ヘッド装置。
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