JP2009266161A - 時間領域解析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな記憶容量しか用いず、高速に時間領域解析の計算が可能な時間領域解析システムの実現を目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために本発明の時間領域解析システムは、記憶部と、共振特性を有する第1変数を計算処理する第1変数計算部と、第2変数を計算処理する第2変数計算部とを有し、第1変数計算部は、第1の時点までの第1解析領域における第1変数の周波数特性を算出し、共振周波数を算出する工程を備え、第2変数計算部は、第1の時点までの第2解析領域における時間領域の第2変数を記憶部に保存し、時間領域の第2変数を用いて共振周波数での周波数領域の第2変数を計算した後、第1の時点以降は第1の時点までの周波数領域の第2変数を用いて共振周波数における周波数領域での第2変数を計算する工程を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、デバイスの物理特性を解析するシステムに関するものである。
例えば、共振特性を有するアンテナの共振周波数での電磁界分布を解析する際には、時間領域解析手法が用いられる。時間領域解析とは、時間微分を時間の差分に置き換え、逐次計算を行うことにより解析を行う手法であり、代表的なものとしてFDTD法(時間領域差分法)が挙げられる。
時間領域解析手法では時間領域のデータにフーリエ変換を適用することで、周波数領域のデータを得ることができる。すなわち、時間領域解析での全時間領域のデータを保存しておけば、解析終了後にフーリエ変換を用いることで、任意の周波数の電磁界特性を得ることができる。なお、このような手法を説明した文献として非特許文献1、非特許文献2が挙げられる。
しかしながら、電界・磁界・電流などのような電磁界の分布を確認するためには、計算すべき要素数が多くなり、これらのすべての要素に対して全時間領域のデータを解析終了後まで保存しておかなければならず、膨大な記憶容量が必要となり、現実的ではない。
ここでこのような課題を解決するための方法として、時間領域解析の計算を行う前に予め電磁界特性を計算する周波数を指定する方法が挙げられる。この方法では時間領域解析の計算終了後まで全時間領域のデータを保存しておく必要がないため、現実的な記憶容量で計算を行うことができる。なお、このような手法を説明した文献として非特許文献3が挙げられ、またこの手法を用いた先行技術製品としては、例えば、CST社のMW−Studioが挙げられる。
K.S.Yee, D.Ingham and K.Shlager,"Time-Domain extrapolation to the far field based on FDTD calculations," IEEE Trans. Microwave Theory Tech., Vol.MTT-39, pp.410-413, March 1991. R.J.Luebbers, K.S.Kunz, M.Schneider and F.Hunsberger,"A finite-difference time-domain near zone to far zone transformation," IEEE Trans. Antenna Propagat., Vol.AP-39, pp.429-433, Apr 1991. A.Taflove, Computational Electrodynamics: TheFinite-Difference Time-Domain Method, Artech House, Inc., 1995.
上記の従来の手法では、共振周波数での電磁界特性を得るために、図1に示すような手順を取る必要がある。まず、S1において通常の時間領域解析の計算を行いインピーダンス特性を計算し、次にS2においてS1で得られたインピーダンス特性から共振周波数を求め、次にS3において電磁界特性を計算する周波数として共振周波数を指定して再度時間領域解析の計算を行い、S4において共振周波数での電磁界特性を得る。
しかしながら、このような従来の手法では、時間領域解析の計算を2度行なうことになり、2倍の計算時間を要する事から、解析時間が長くなるという課題があった。
そこで、本発明は、少ない記憶容量のみ用い、且つ、1回の時間領域解析の計算でデバイスの物理特性を得ることが可能な時間領域解析システムを実現することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の時間領域解析システムは、記憶部と、共振特性を有する第1変数を計算処理する第1変数計算部と、第2変数を計算処理する第2変数計算部とを有し、第1変数計算部は、第1の時点までの第1解析領域における第1変数の周波数特性を算出し、共振周波数を算出する工程を備え、第2変数計算部は、第1の時点までの第2解析領域における時間領域の第2変数を記憶部に保存し、時間領域の第2変数を用いて共振周波数での周波数領域の第2変数を計算した後、第1の時点以降は第1の時点までの周波数領域の第2変数を用いて共振周波数における周波数領域での第2変数を計算する工程を備え記憶部と、共振特性を有する第1変数を計算処理する第1変数計算部と、第2変数を計算処理する第2変数計算部とを有し、前記第1変数計算部は、第1の時点までの第1解析領域における第1変数の周波数特性を算出し、共振周波数を算出する工程を備え、前記第2変数計算部は、第1の時点までの第2解析領域における時間領域の第2変数を前記記憶部に保存し、前記時間領域の第2変数を用いて前記共振周波数での周波数領域の第2変数を計算した後、第1の時点以降は第1の時点までの前記周波数領域の第2変数を用いて前記共振周波数における周波数領域での第2変数を計算する工程を備えるものとした。
本発明によると、現実的な記憶容量で1回の時間領域解析の計算で共振周波数での物理特性を得ることができ、解析時間を短縮することができる。
これは、時間領域解析の計算の途中で共振周波数を計算し、この時点で物理特性を計算する周波数を確定し、この周波数のみの物理特性の計算を行う構成としたことによる。すなわち、従来の時間領域解析システムでは、1回目の時間領域解析の計算終了時点で共振周波数を求めるため、共振周波数での物理特性を得るためには改めて2回目の時間領域解析の計算を行う必要があったが、本発明では1回目の時間領域解析の計算途中で共振周波数を求め、この時点でこの周波数のみの物理特性の計算を行うようにしたため、2回目の時間領域解析の計算を行うことなく、共振周波数での物理量を得ることができる。
この結果、本発明の時間領域解析システムでは、従来の時間領域解析システムに比べて、解析時間を短いものとすることができるのである。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における時間領域解析システムについて、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態における時間領域解析システムの全工程を概説する図である。
図2に示す本実施形態の時間領域解析システムは、特許請求の範囲の記載における「第1変数」としてインピーダンス特性を採用し、特許請求の範囲の記載における「第2変数」として電磁界特性を採用している。尚、特許請求の範囲の記載における「第1変数」及び「第2変数」は、時間的に変動する性質を有していれば、いかなる変数が採用されたとしても、本発明の有する効果が得られることを意味している。
図2において、本実施形態の時間領域解析システムは、まず最初に、第1解析領域と、第2解析領域と、第1の時点と、第2の時点とを設定するS5ステップを有している。具体的には、時間領域解析を行う者が、キーボード等の入力手段(図示せず)を用いて、第1解析領域と、第2解析領域と、第1の時点と、第2の時点とを設定する。
ここで、特許請求の範囲の記載における「第1の時点」とは、後述するが、第1変数から確からしい共振周波数、又は解析周波数が導出可能となる時点を指している。また、特許請求の範囲の記載における「第2の時点」とは、後述するが、時間領域解析を終了する時点を指している。
また、特許請求の範囲における「第1解析領域」とは、時間領域解析を行う解析モデルの一部の解析領域を指しており、具体的には、第1変数の算出を行うのに利用される解析領域を指している。一例として、時間領域解析を行う解析モデル中のポート部分を、第1解析領域として用いる場合が多い。
更に、特許請求の範囲における「第2解析領域」とは、第2変数の計算を行う解析領域を指しており、具体的には時間領域解析を行う解析モデルの全部が第2解析領域となることが多い。
本発明の理解を容易にするため、図3を用いて、第1の時点、第2の時点の概念を説明する。
図3は、時間領域解析を行う解析モデル中のポートを、第1解析領域とした場合に、第1変数計算部により算出されたポートにおける電界特性の時間変化を示している。図3の横軸は、時間領域解析開始からの時間であり、縦軸は、ポートにおける電界特性である。図3に示すように、ポートに初期値であるエネルギーを印加し、時間領域解析を開始した後、第1変数計算部により算出されるポートにおける電界特性は、時間と共に変動し、解析時間が長くなるに従い、一定値に収束していく事となる。図3に示すような時間領域の電界特性が算出された後、この算出結果をフーリエ変換する事により、周波数領域の電界特性を得る事が可能となる。
周波数領域の電界特性が得られれば、ポートにおけるインピーダンス特性が得られる事となる。この導出されたインピーダンス特性の精度は、より解析時間の長い時間領域電界特性を基にした方が高くなると言えるが、解析時間が一定時間以降になると、インピーダンス特性の精度向上の度合いが低下することになる。このように、解析時間を長くしても、インピーダンス特性の大幅な精度向上が期待できない時間領域に、解析時間が到達した時点を第1の時点とし、この第1の時点までの時間領域のポートにおける電界特性を基にインピーダンス特性を導出すれば、短時間で、精度の高いインピーダンス特性を求める事が可能となる。図3においては、t1が第1の時点に相当する。また、図3において、t2は第2の時点に相当しており、第2変数計算部が第2解析領域における第2変数の算出を終了する時点を意味している。
ここで、記憶容量の観点から、第1の時点t1は可能な限り早い時点であることが望ましい。
図2において、S5ステップ以降、S6ステップと、S7〜S9ステップとが処理されることになる。
S6ステップでは、第2変数計算部が第2解析領域における第1の時点までの時間領域の電界特性又は磁界特性を算出し、算出後の時間領域の電界特性又は磁界特性を記憶部に保存する。
S7ステップでは、第1変数計算部が、時間領域解析を行う解析モデル中のポート(第1解析領域に該当する部分)における第1の時点までの時間領域の電界特性又は磁界特性を算出し、算出後の時間領域の電界特性又は磁界特性を記憶部に保存する。
S7ステップの次に処理されるS8ステップでは、第1変数計算部が、記憶部に保存されているポートにおける時間領域の電界特性又は磁界特性を、フーリエ変換により周波数領域の電界特性又は磁界特性へ変換し、変換後の周波数領域の電界特性又は磁界特性を記憶部に保存する。
次に、第1変数計算部は、この周波数領域の電界特性又は磁界特性を基に、ポートにおけるインピーダンス特性(第1変数に該当)を計算し、計算後のインピーダンス特性を記憶部に保存する。インピーダンス特性の具体的な計算方法は、周波数領域の電界特性を記憶部から読み出してポートにおける周波数領域の電圧特性を計算し、また周波数領域の磁界特性を記憶部から読み出してポートにおける周波数領域の電流特性を計算し、これらポートにおける電圧特性、電流特性からインピーダンス特性を算出する。
尚、上記においては、ポートにおける時間領域での電界特性又は磁界特性を記憶部に保存した後、第1の時点においてフーリエ変換を実施したが、時間領域解析のタイムステップ毎に逐次フーリエ変換を行うことも可能である。これにより、ポートにおける第1の時点までの全タイムステップでの時間領域での電界特性又は磁界特性を記憶しておく必要がなくなるため、計算に必要な記憶容量を大幅に削減することができる。
S8ステップの次に処理されるS9ステップにおいては、第1変数計算部が、ポートのインピーダンス特性を基に、共振周波数を求める。ここで、共振周波数を求める方法としては、隣り合う離散ポイントの共振周波数の変化量に対するインピーダンスの変化量を計算し、変化量の符号が変化した点を共振周波数と判断する方法が考えられる。尚、極値を探索可能な方法であれば他の方法でも本発明は実施可能である。例えば極値探索可能な方法として、勾配法、ニュートン法、遺伝的アルゴリズム、シミュレーティッドアニーリングなどの方法が挙げられる。
また、例えば、図3における第1の時点t1を早い時点で設定した場合には、第1変数計算部が算出したインピーダンス特性にリップルが含まれることがある。そのため、第1変数計算部は、細かいリップルを極値としてとらえてしまう可能性もあるため、本来の共振周波数の探索が困難となることも予想される。そのため、S8ステップで求めたインピーダンスの周波数特性に対して、リップルを平滑にし、インピーダンスの周波数特性を滑らかなものに変換するフィルタを用いてもよい。これにより、第1変数計算部は、共振周波数の探索精度を向上させることができる。
または、S7ステップで保存したデータに対してARモデルやARMAモデルなどの予測アルゴリズムを用いて、インピーダンス特性のリップルを除去してもよい。これにより、第1変数計算部は、共振周波数の探索精度を向上させることができる。
尚、当然の事ではあるが、S9ステップにおいて導出される共振周波数は1つである必要はなく、複数あっても良い。この場合、複数の共振周波数に対して、S10ステップ以降の工程を実施する事となる。これにより、解析の必要があった周波数を解析し損なう確率を低減でき、時間領域解析の再実行を回避できる。
S6ステップとS9ステップとが終了した後、S10ステップでは、S6ステップにおいて記憶部に保存した第1の時点までの時間領域の電界特性又は磁界特性に対して、S9ステップにおいて導出された共振周波数でのフーリエ変換を行う。これにより、第2解析領域において、周波数領域の電磁界特性(特許請求の範囲の「第2変数」に相当する)を導出する事ができる。ここで算出された周波数領域の電磁界特性は記憶部に保存しておく。
フーリエ変換の具体的な式を(数1)に示す。
Figure 2009266161
ここでfは共振周波数、Gは周波数領域での電磁界特性、gは時間領域での電磁界特性、ΔtはFDTD法でのタイムステップ幅、n1は時点t1までのタイムステップ数である。
尚、S10ステップの工程終了後に、S6ステップで記憶部に保存された第1の時点までの第2解析領域における時間領域の電界特性又は磁界特性のデータを、記憶部から削除してもよい。これにより、記憶部に保存されているデータ量を少なくでき、小さい記憶容量でも実施可能な時間領域解析システムを実現する事ができる。
S10ステップの次に処理されるS11ステップでは、第1の時点以降で第2の時点までの期間において、時間領域解析により導出される第2解析領域における時間領域の電界特性または磁界特性に対して、S9ステップにおいて導出された共振周波数でフーリエ変換を行い、周波数領域の電磁界特性(特許請求の範囲の「第2変数」に対応する)を算出する事となる。このS11ステップにおいては、第1の時点までの第2解析領域の電磁界特性が必要となるため、S10ステップで得られた電磁界特性を用いることとなる。
具体的には、(数2)により、S9ステップにおいて導出された共振周波数でのフーリエ変換を行う。
Figure 2009266161
ここでn2は時点t2までのタイムステップ数である。
なお、S9ステップにおいて導出された共振周波数が複数ある場合にも、それぞれの周波数に対してS10ステップおよびS11ステップの工程を実施することで、本発明の実施が可能である。つまり、S10ステップ以降は、S9ステップで導出された共振周波数における第2解析領域の電磁界特性のみ解析すればよく、また、記憶部に保存すればよいので、解析時間が短時間化できると共に、記憶部の記憶容量も小さくできる。
以上のS1ステップからS11ステップの工程により、本実施の形態の時間領域解析システムでは、共振周波数での電磁界特性を算出することができる。
このように、本実施の形態の時間領域解析システムでは、1回の時間領域解析の計算で共振周波数での電磁界特性が得られるものである。これに対し、従来の時間領域解析システムでは、1回目の時間領域解析の計算の後に共振周波数を得るため、最低2回以上の時間領域解析の計算を行わなければならず、計算時間が長いものであった。
すなわち、本実施の形態の時間領域解析システムでは、時間領域解析の計算終了後までの全時間領域のデータを記憶部に保存しておくことなく、1回の時間領域解析の計算で共振周波数での電磁界特性を得ることができ、従来の時間領域解析システムに比べ、解析時間が圧倒的に短いものとなり、解析時間を従来の時間領域解析システムから短縮することができるのである。
尚、本実施の形態では時間領域解析の計算回数は1回としているが、2回以上であっても構わない。
また、本実施の形態では第1変数としてインピーダンス特性を採用したが、第1変数として力学的な振動特性を採用した場合にも、同様に実施可能であり、同様の効果が得られる。この場合には第2変数としては応力特性が挙げられる。
更に、特許請求の範囲における「第1変数計算部」と、「第2変数計算部」との記載は、単数または複数の演算処理装置により構成されてもよい。他のシステムにも使用されている演算処理装置と兼用する構成とすれば、時間領域解析システムの小型化を図ることもできる。
尚、特許請求の範囲における「システム」の記載は、S1ステップ〜S11ステップを含むプログラム、またはCDROM、若しくは、これらのプログラムにより時間領域解析が実行される記憶部、第1変数計算部、第2変数計算部等を含めた計算装置、生産装置を指している総称である。
尚、本実施の形態においては、第1の時点をS5ステップにおいて設定しているが、S5ステップにおいて第1の時点を設定しない構成としても良い。具体的には、例えば、第1変数計算部は、解析開始後任意時間T1において、第1変数を基に共振周波数F1を導出し、時間T1以降の任意時間T2において、再度、第1変数計算部は第1変数を基に共振周波数F2を算出し、F1とF2の差異が所定値以下であれば、時間T2を第1の時点として決定する方法が考えられる。これにより、S5ステップにおいて、第1の時点を設定するステップを省略することができ、ユーザの利便性を向上させられると共に、より精度の高い共振周波数を導出することができる。
更に、本実施の形態においては、第2の時点をS5ステップにおいて設定し、この第2の時点において、時間領域解析を終了したが、S5ステップにおいて第2の時点を設定せず、例えば、第2変数計算部が、任意解析領域内に蓄積されているエネルギー量等の他の指標を基に、時間領域解析を終了しても良い。これにより、S5ステップにおいて、第2の時点を設定するステップを省略することができ、ユーザの利便性を向上させられると共に、より精度の高い解析結果を得ることができる。
尚、記憶部としては、メモリ、ハードディスク、外部記憶媒体が考えられるが、入出力時間の観点からメモリの使用が望ましい。
また、本実施の形態において、第2変数として採用した電磁界特性は、具体的には、電界特性、磁界特性、電流特性、放射特性等が該当する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における時間領域解析システムについて、図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態における時間領域解析システムの全工程を概説する図である。
図4において、本実施形態の時間領域解析システムは、まず最初に、第1解析領域と、第2解析領域と、第1の時点と、第2の時点とを設定するS12ステップを有している。S12ステップについては実施の形態1におけるS5ステップと同じ操作であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、S13ステップにおいて、あらかじめ電磁界特性を計算したい周波数を指定する。ここで指定した周波数が多くなるほど、計算負荷が多くなるため、あらかじめおおよその共振周波数の範囲が分かっている場合は、その周波数範囲で複数ポイントの周波数を設定することが望ましい。たとえばここでは1.1[GHz]、1.3[GHz]、1.5[GHz]の三点の周波数を設定することとする。
図4において、S13ステップ以降、S14ステップと、S15〜S17ステップとが処理されることになる。
S14ステップでは、第1の時点まで、第2変数計算部が第2解析領域におけるS13で指定した周波数で電界特性又は磁界特性(特許請求の範囲の第2変数に対応)に対しフーリエ変換を行い周波数領域での電界特性、磁界特性を算出し、算出後の周波数領域での電界特性又は磁界特性を記憶部に保存する。すなわち今回の場合には、(数3)〜(数5)の計算をそれぞれ行う。
Figure 2009266161
Figure 2009266161
Figure 2009266161
ここでGは周波数領域での電磁界特性、gは時間領域での電磁界特性、ΔtはFDTD法でのタイムステップ幅、n1は時点t1までのタイムステップ数である。
そしてこれらの計算結果を記憶部に保存する。なお記憶部としてはメモリ、ハードディスク、外部記憶媒体が考えられるが、入出力時間の観点からメモリの使用が望ましい。
S15〜S17ステップについては実施の形態1におけるS7〜S9ステップと同じ操作であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
S14ステップとS17ステップが終了した後、S18ステップでは、S13ステップで指定した周波数の中からS17ステップで求めた共振周波数に近い周波数を優先して選択する。たとえばS17ステップで求めた共振周波数が1.1[GHz]であったとする。この場合、S13ステップで指定した1.1[GHz]、1.3[GHz]、1.5[GHz]の中で最も共振周波数に近い周波数は1.1[GHz]となるため、1.1[GHz]を選択する。なお今回は共振周波数に一番近いものを選択したが、電磁界特性に大きな影響を与えない場合には、一番近いものでなくともかまわない。
尚、S18ステップの工程終了後に、S14ステップで記憶部に保存された第1の時点までの第2解析領域における周波数領域の電界特性又は磁界特性のデータの中から、S18で選択した周波数以外の周波数に関連するデータを記憶部から削除してもよい。これにより、記憶部に保存されているデータ量を少なくでき、小さい記憶容量でも実施可能な時間領域解析システムを実現する事ができる。
S18ステップの次に処理されるS19ステップでは、第1の時点以降で第2の時点までの期間において、時間領域解析により導出される第2解析領域における時間領域の電界特性または磁界特性に対して、S18ステップにおいて選択された周波数でフーリエ変換を行い、周波数領域の電磁界特性(特許請求の範囲の「第2変数」に対応する)を算出する事となる。このS19ステップにおいては、第1の時点までの第2解析領域の電磁界特性が必要となるため、S14ステップで得られた電磁界特性を用いることとなる。今回の場合には、S18ステップにおいて1.1[GHz]を選択したため、第2の時点までは1.1[GHz]のみの電磁界特性の計算を行う。すなわち(数6)の計算を行う。
Figure 2009266161
以上の工程により、本実施形態では事前に指定した周波数の中から共振周波数に近い周波数での電磁界特性を算出している。
このように、本実施の形態の時間領域解析システムでは、1回の時間領域解析の計算で事前に指定した周波数の中から共振周波数に近い周波数での電磁界特性が得られるものである。これに対し、従来の時間領域解析システムでは、1回目の時間領域解析の計算の後に共振周波数を得るため、最低2回以上の時間領域解析の計算を行わなければならず、計算時間が長いものであった。
すなわち、本実施の形態の時間領域解析システムでは、時間領域解析の計算終了後までの全時間領域のデータを記憶部に保存しておくことなく、1回の時間領域解析の計算で共振周波数での電磁界特性を得ることができ、従来の時間領域解析システムに比べ、解析時間が圧倒的に短いものとなり、解析時間を従来の時間領域解析システムから短縮することができるのである。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における時間領域解析システムについて、図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態における時間領域解析システムの全工程を概説する図である。
図5において、本実施形態の時間領域解析システムは、まず最初に、第1解析領域と、第2解析領域と、第1の時点と、第2の時点と、少なくとも1つ以上の周波数決定条件を設定するS20ステップを有している。周波数決定条件としては、例えばVSWR=3となる周波数というように、第1変数の値もしくは第1変数の値から算出される値に基づいて判定する条件が挙げられる。
図5において、S20ステップ以降、S21ステップと、S22〜S24ステップとが処理されることになる。
S21ステップについては実施の形態1におけるS6ステップと同じ操作であるため、ここでは詳細な説明を省略する。またS22〜S23ステップも実施の形態1におけるS7〜S8ステップと同じ操作であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
S23ステップの次に処理されるS24ステップにおいては、第1変数計算部が、ポートのインピーダンス特性を基に、周波数決定条件を満たす周波数を求める。ここで、この周波数条件を満たす周波数を探索する方法としては、ニュートン法などが考えられる。尚、他の探索方法でも本発明は実施可能である。例えば探索方法として、勾配法、遺伝的アルゴリズム、シミュレーティッドアニーリングなどの方法が挙げられる。
当然の事ではあるが、S24ステップにおいて導出される周波数は1つである必要はなく、複数あっても良い。この場合、複数の周波数に対して、S25ステップ以降の工程を実施する事となる。これにより、解析の必要があった周波数を解析し損なう確率を低減でき、時間領域解析の再実行を回避できる。
S21ステップとS24ステップとが終了した後、S25ステップでは、S21ステップにおいて記憶部に保存した第1の時点までの時間領域の電界特性又は磁界特性に対して、S24ステップにおいて導出された周波数でのフーリエ変換を行う。これにより、第2解析領域において、周波数領域の電磁界特性(特許請求の範囲の「第2変数」に相当する)を導出する事ができる。ここで算出された周波数領域の電磁界特性は記憶部に保存しておく。
尚、S25ステップの工程終了後に、S21ステップで記憶部に保存された第1の時点までの第2解析領域における時間領域の電界特性又は磁界特性のデータを、記憶部から削除してもよい。これにより、記憶部に保存されているデータ量を少なくでき、小さい記憶容量でも実施可能な時間領域解析システムを実現する事ができる。
S25ステップの次に処理されるS26ステップでは、第1の時点以降で第2の時点までの期間において、時間領域解析により導出される第2解析領域における時間領域の電界特性または磁界特性に対して、S24ステップにおいて導出された周波数でフーリエ変換を行い、周波数領域の電磁界特性(特許請求の範囲の「第2変数」に対応する)を算出する事となる。このS25ステップにおいては、第1の時点までの第2解析領域の電磁界特性が必要となるため、S21ステップで得られた電磁界特性を用いることとなる。
なお、S24ステップにおいて導出された共振周波数が複数ある場合にも、それぞれの周波数に対してS25ステップおよびS26ステップの工程を実施することで、本発明の実施が可能である。つまり、S25ステップ以降は、S24ステップで導出された周波数における第2解析領域の電磁界特性のみ解析すればよく、また、記憶部に保存すればよいので、解析時間が短時間化できると共に、記憶部の記憶容量も小さくできる。
以上のS20ステップからS26ステップの工程により、本実施の形態の時間領域解析システムでは、共振周波数での電磁界特性を算出することができる。
このように、本実施の形態の時間領域解析システムでは、1回の時間領域解析の計算で共振周波数での電磁界特性が得られるものである。これに対し、従来の時間領域解析システムでは、1回目の時間領域解析の計算の後に周波数決定条件を満たす周波数が決定されるため、最低2回以上の時間領域解析の計算を行わなければならず、計算時間が長いものであった。
すなわち、本実施の形態の時間領域解析システムでは、時間領域解析の計算終了後までの全時間領域のデータを記憶部に保存しておくことなく、1回の時間領域解析の計算で周波数決定条件を満たす周波数での電磁界特性を得ることができ、従来の時間領域解析システムに比べ、解析時間が圧倒的に短いものとなり、解析時間を従来の時間領域解析システムから短縮することができるのである。
本発明の時間領域解析システムを用いれば、デバイスの共振周波数での物理特性を計算する場合に、解析時間を短縮することが可能であり、例えばアンテナやフィルタの設計・分析に有用である。
従来の時間領域解析システムの工程を示す図 本発明の実施の形態1における時間領域解析システムの工程を示す図 時間領域解析システムのポートにおける物理量と時間の関係を示す図 本発明の実施の形態2における時間領域解析システムの工程を示す図 本発明の実施の形態3における時間領域解析システムの工程を示す図

Claims (7)

  1. 記憶部と、
    共振特性を有する第1変数を計算処理する第1変数計算部と、
    第2変数を計算処理する第2変数計算部とを有し、
    前記第1変数計算部は、第1の時点までの第1解析領域における第1変数の周波数特性を算出し、共振周波数を算出する工程を備え、
    前記第2変数計算部は、第1の時点までの第2解析領域における時間領域の第2変数を前記記憶部に保存し、前記時間領域の第2変数を用いて前記共振周波数での周波数領域の第2変数を計算した後、第1の時点以降は第1の時点までの前記周波数領域の第2変数を用いて前記共振周波数における周波数領域での第2変数を計算する工程を備えた時間領域解析システム。
  2. 記憶部と、
    前処理部と、
    前記前処理部の後に計算を実行する第1変数計算部と第2変数計算部とを有し、
    前記前処理部は少なくとも1つ以上のモニタ周波数を指定する工程を備え、
    前記第1変数計算部は、第1の時点までの第1解析領域における第1変数の周波数特性を算出し、共振周波数を算出する工程を備え、
    前記第2変数計算部は、第1の時点までの第2解析領域における前記モニタ周波数での周波数領域の第2変数を計算し、前記記憶部に計算後の前記第2変数を保存し、
    第1の時点以降は、前記共振周波数に近い前記モニタ周波数を優先して、周波数領域での第2変数を計算する工程を備えた時間領域解析システム。
  3. 記憶部と、
    前処理部と、
    前記前処理部の後に計算を実行する第1変数計算部と第2変数計算部とを有し、
    前記前処理部は少なくとも1つ以上の周波数決定条件を指定する工程を備え、
    前記第1変数計算部は、第1の時点までの第1解析領域における第1変数の周波数特性を算出した後、この算出結果を基に、前記周波数決定条件を満たす少なくとも1つ以上の解析周波数を導出する工程を備え、
    前記第2変数計算部は、第1の時点までの第2解析領域における時間領域の第2変数を前記記憶部に保存し、前記時間領域の第2変数を用いて前記解析周波数での周波数領域の第2変数を計算した後、第1の時点以降は第1の時点までの前記周波数領域の第2変数を用いて前記解析周波数における周波数領域での第2変数を計算する工程を備えた時間領域解析システム。
  4. 前記第1変数はインピーダンス特性であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の時間領域解析システム。
  5. 前記第1変数は振動特性であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の時間領域解析システム。
  6. 前記時間領域の第2変数を用いて周波数領域の第2変数を計算して以降の任意時期に、前記記憶部に記録された時間領域の第2変数は、前記記憶部から削除されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の時間領域解析システム。
  7. 前記記憶部に記録されている少なくとも1つ以上の前記モニタ周波数における周波数領域の第2変数のうち、第1の時点以降に計算の行われない前記モニタ周波数に係る周波数領域の第2変数は、第1の時点以降の任意時期に、前記記憶部から削除されることを特徴とする請求項2に記載の時間領域解析システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011203834A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toshiba Corp 電磁場シミュレーション方法、電磁場シミュレーション装置、半導体装置の製造方法

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