JP2009264243A - バキュームポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リードバルブは、吐出口を有する弁座面と、吐出口を開閉するリードと、リードが吐出口を開放する開状態となる際に、過度に弾性変形するのを防止するストッパ93とを備える。ストッパ93は、基端部9gから吐出口の略中央部分に向かうにつれて弁座面から離れていき、当該吐出口の略中央部分から当該ストッパの先端部9hに向かうにつれて再び前記弁座面に近づいていく形状とされている。ストッパ93は、その基端部9gから僅かに先端側の所定位置9iまでの前記弁座面に対する傾斜角度が当該所定位置9iより先端側の前記弁座面に対する傾斜角度よりも大きくされている。ストッパ93には、所定位置9iで傾斜角度が変わることにより屈曲した屈曲部9jが設けられている。
【選択図】 図4
Description
このようなバキュームポンプの用途として、たとえば、自動車のブレーキの倍力装置の負圧発生装置が知られている。
このようなバキュームポンプにおいて、空気を排出する吐出口にリードバルブが設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
そして、ストッパは、リードが開放側に移動した際に、過度に弾性変形するのを防止するために、リードの変形移動範囲を規制するものである。また、ストッパは、たとえば、平面視してリードとほぼ同形状に設けられ、開放側に変形移動するリードに当接するようになっている。
ここで、バキュームポンプにおいては、負圧時に消費トルクが減少するので、リードが開状態から閉状態に変形移動する際に、速やかに短時間で閉状態となって、バキュームポンプ内の圧が速やかに減少することで、当該バキュームポンプの消費トルクの低減を図ることができる。
そこで、ストッパと弁座面とがなす角度を小さくして、開放時のリードの自由端を弁座面に近づけることで、リードの開放時から閉塞時までの変形移動時間の短縮を図ることが考えられるが、ストッパの傾斜角度を小さくして開放時のリードを弁座面の吐出口に近づけてしまうと、上述のように吐出口からの排気がリードやストッパに妨げられてしまう可能性がある。
したがって、ストッパを弁座面に近づけることで、リードの開閉速度、特に、閉塞する際の速度の向上により、消費トルクの低減を図ることが難しかった。
当該弁座面に固定された固定端部および前記弁座面から離間可能な自由端部とを有し、前記弁座面に沿って配置されることにより前記固定端部と前記自由端部との間で前記吐出口を閉塞する閉状態と前記弁座面から前記自由端側が離れることにより前記吐出口を開放する開状態との間で変形移動可能な弁体となる板状のリードと、
基端部が前記リードの固定端に重なった状態で前記弁座面に固定される固定部を有し、当該弁座面との間に前記リードが配置されることにより、当該リードの開放側への変形移動範囲を規制するストッパとを備えたリードバルブを有するバキュームポンプであって、
前記ストッパは、当該ストッパの基端部から僅かに先端側の所定位置までの前記弁座面に対する傾斜角度が当該所定位置より先端側の前記弁座面に対する傾斜角度よりも大きくされ、前記所定位置で当該ストッパの傾斜角度が変わることにより屈曲した屈曲部が設けられていることを特徴とする。
たとえば、リードの固定端側の開状態となる際に曲がり始める部分を規制するストッパの傾斜角度が小さすぎると、その部分でリードの弾性変形が規制されてしまい、リードが大きな傾斜角度で変形しずら状態となってしまうのを防止することができる。
そして、板バネとして機能するリードにおいて、リードの弾性変形する部分を短くして、リードのバネ常数を大きくし、リードが開状態から閉状態に変形移動する際の弾性力(閉弁力)を大きくすることができるる。これにより開から閉となるリードの加速度を大きくして、リードが開から閉に移動する時間を短縮することができる。
また、リードの実質的に変形移動する部分の長さ、すなわち、リードの弁座面から最も離れる位置が概略円弧状に移動する場合の当該円弧の曲率半径を短くすることができるので、リードの変形移動する部分の開閉時の追従性を向上することができる。
前記ストッパは、当該ストッパの基端部から前記吐出口の略中央部分に向かうにつれて前記弁座面から離れていき、当該吐出口の略中央部分から当該ストッパの先端部に向かうにつれて再び前記弁座面に近づいていく形状であることを特徴とする。
これにより、開放状態のリードは、吐出口の中央部分が最も弁座面から離れ、自由端部は、リードの吐出口の中央部分に対応する部分(すなわち、リードの固定端部と自由端部との間でリードの中央部分か中央部分より僅かにずれた状態となる部分)より弁座面に近くなる。
したがって、従来の開状態のリードの吐出口の中央部分に対応する部分の弁座面からの距離と、本発明の開状態のリードの吐出口の中央部分に対応する部分の弁座面からの距離とをほぼ同じにするか、後者の距離を少し長くすることで、従来と同様に本発明の開状態のリードでも吐出口から十分な速度で排気を行えるようにした場合に、従来のリードでは自由端が上述のように最も弁座面から離れるが、本発明のリードでは、吐出口の中央部分に対応する部分が最も弁座面から離れることになる。
すなわち、開状態となったリードは、排出される空気が通過する吐出口部分において、最も弁座面から離れることになり、リードの先端部を弁座面に近づける構造となっていても、排出される空気が通る開口面積(吐出口部分の弁座面91と開状態のリード92との間の部分の面積)を十分に確保することができる。
これにより、本発明においては、開状態となるリードが閉状態となる際の移動距離が従来より短縮され、開状態から閉状態へのリードの変形移動に要する時間を短縮することができる。
これによって、上述のようにバキュームポンプが負圧となる際に、リードバルブを閉めるのに要する時間を短縮することで、バキュームポンプ内の圧が速やかに減少させ、当該バキュームポンプの消費トルクの低減を図ることができる。
また、リードとストッパとを吐出口と略同形状に湾曲した状態に形成することで、吐出口を確実に閉塞するのに最小限の面積とし、開放状態となった際に吐出口より大きくなるリードやストッパが排気の流れを妨げるのを防止することができる。
図1は本発明の実施の形態に係るバキュームポンプを示す斜視図、図2および図3は、当該バキュームポンプを示す展開斜視図、図4はバキュームポンプの吐出口に設けられるリードバルブのストッパを示す平面図、要部側面図、斜視図および一部を破断した斜視図である。
そして、前記ボディ3の底部31の外面側には、駆動軸6の周囲を囲む円筒状の軸受部32が設けられ、当該軸受部32の端面には、ボディ3の底部31の内面と軸受部32の端面とを貫通した状態の排出通路33の開口部である略円弧状(弧状)の吐出口34が設けられている。そして、前記軸受部32の端面の当該吐出口34部分にリードバルブ9が設けられている。
また、ボディ3とカバー4との間には気密性を保持するためのOリング41が配置されている。また、ボディ3とカバー4とはボルト42により接合されている。
そして、ボディ3の底部の内面においては、ロータ5の外周面がボディ3内周面に接した部分より僅かにロータ5の回転方向の逆側となる位置で、かつ、ロータ5の外周面と、ボディ3の内周面との間となる位置に、前記排出通路33の底部31内周面側の開口部が円弧状に形成されている。
また、ボディ3内周面のロータ5の外周面に接した部分より僅かにロータ5の回転方向側に図示しない吸入通路の開口部が形成されている。
また、円筒状のロータ5は、前記駆動軸6に接続されてカップリング7を介して伝達されるトルクにより回転する。
また、駆動軸6は、上述の軸受部32に回転自在に軸支された状態となっている。なお、ボディ3の軸受部32の外側には、バキュームポンプ1を固定するためのフランジ部36が左右に延在して設けられている。
そして、このベーン8の回転により、吸入通路から空気を吸入し、排出通路33の吐出口34から空気を吐出することになる。
上述のように円筒状の軸受部32の端面に、排出通路33の開口部となる吐出口34が設けられている。そして、当該吐出口34を有する端面の吐出口34の周囲となる部分がリードバルブ9の弁座面91となる。そして、当該円弧状の吐出口34の一方の端部側となる軸受部32の端面がリードバルブ9のリード92およびストッパ93の取付面となる。
そして、リード92およびストッパ93は、円弧状の吐出口34および円弧状の弁座面91に対応して、円弧状に形成されている。
リード92は、弾性変形可能な概略円弧状の板体で、前記取付面となる軸受部32の端面にビス94(ボルト)で、固定される。
そして、リード92は、全体として平板状で円弧状となっているが、固定部9aおよび弁体部9bの幅(円弧の半径方向に沿う長さ)に対して接続部9cの幅が狭くなっている。
そして、バキュームポンプ作動時に吐出口34側が負圧となった際に、吐出口34に吸い寄せられて、リード92の全体が弁座面91に当接する。この状態では、リード92により吐出口34が閉塞されており、リード92は吐出口34を閉塞する閉状態となっている。
そして、ストッパ93は、リード92に対して弁座面91の反対側に形成され、ストッパ93と弁座面91との間にリード92が配置されている。また、ストッパ93の基端部9gは、リード92の固定部9aの上に重ねた状態に配置され、前記ビス94でリード92と共締めされて前記弁座面91と同一平面(弁座面91の一部)となる取付面に固定されている。
これにより、ストッパ93の吐出口34の中央部分に対応する部位(図4のB−B矢視図の断面とされた部分)から弁座面91までの距離L1は、ストッパ93の先端部分(図4のA−A矢視図の断面とされた部分)から弁座面91までの距離L2より長くされている。
また、先端部9hにおいては、上述のように、基端部9g側から先端部9h側に向かうに連れて弁座面91に近づく方向に傾斜しているが、先端部9hにおいては、再び傾斜方向が逆転して先端に向かうにつれて弁座面91から離れるように傾斜している。
すなわち、ストッパ93の先端部9hでは、ストッパ93の基端部9gから先端部9hの間となる部分の湾曲に対して逆側に凸となるように湾曲して反り返った状態となっている。
そして、ストッパ93の傾斜角度が所定位置9iで大きく変わることにより、所定位置9iでストッパ93が屈曲した状態となっており、所定位置9iに屈曲部9jが形成されている。なお、この屈曲部9jにおける弁座面91からの距離は、ストッパ93の厚みより短いものとされている。
すなわち、一般的には、曲がり始めの部分が滑らかになるように曲がり始めの傾斜角度を小さくし、その後傾斜角度を大きくしている。
したがって、リード92はストッパ93の曲がり始めとなる部分で弾性変形範囲を小さく規制されることがなく、開状態となった際のリード92の曲がり始め部分の傾斜角度が小さくなりすぎてしまうのを防止することができる。また、曲がり始めの部分で傾斜角度を大きくした後に曲がり始め部分の近傍の所定位置で直ぐに傾斜角度を小さくしてこの傾斜角度の変化により屈曲部9jを形成しているので、開状態のリード92の曲がり始めの部分で、リード92が過度に曲がってしまうのを防止することができる。
ここで、この例においては、ストッパ93の基端部9gのビス94で固定された固定部と、前記屈曲部9jとを離間して、屈曲部9jを固定部より弁座面91の吐出口34側に近づけることで、リード92の曲がり始める部分から吐出口34の中央部分に対応する位置まで長さを上述の通常のストッパの曲げ方の場合よりも短くなるようにしている。
このような状態で吐出口34が負圧となった場合に、従来のリードに対してこの例のリード92が短時間で開状態から閉状態に移動可能なのは明らかである。
第1の実験は、従来のストッパを有するリードバルブとして、当該ストッパが基端部から先端部に向かうにつれて、弁座面から離れるように形成され、当該ストッパに規制されたリードは、開状態となった際に、当該リードの前記吐出口の中央部分に対応する部分よりも当該リードの先端部の方が弁座面から離れるようになっているリードバルブを用いている。
それに対して対策品としてのリードバルブは、今回の例のようにストッパが円弧状に形成され、リードが開状態となった際に、リードの前記吐出口の中央部分に対応する部分より、リードの先端部の方が弁座面に近づくようになっている。
また、従来品と対策品とでは、リードの吐出口の中央部分の弁座面からの距離が等しくなっている。
したがって、第1の実験は、この例のリードバルブ9のストッパ93が当該ストッパ93の基端部から前記吐出口34の略中央部分に向かうにつれて前記弁座面91から離れていき、当該吐出口34の略中央部分から当該ストッパ93の先端部に向かうにつれて再び前記弁座面91に近づいていく形状とされていることの効果を実証するためのものである。
その実験結果を図5のグラフに示す。この例の実施の形態のストッパと同様にストッパを弧状にされた対策品としてのリードバルブを取り付けたバキュームポンプの方が、従来のバキュームポンプより消費出力が約800回転当たりから2500回転以上まで少なくなっている。
ベース品となるリードポンプでは、開状態となったリードの曲がり始めの位置から自由短までの距離がたとえば相対的に長くなっており、ここでは25mmとなっている。
この対策品の形状は、この実施の形態においてストッパが曲がり始める部分の傾斜角度を所定位置まで大きくし、所定位置から先側の傾斜角度を小さくして屈曲部を設けることで、従来に比較してリードの曲がり始める部分から自由端までの距離を短くすることが可能な構成の効果を検討するためのものである。すなわち、リードの弾性変形する部分を短くしている点がこの例のリードバルブ9と対策品となるリードバルブで一致している。但し、この実験では対策品に屈曲部9jが形成されておらず、単にリードの弾性変形可能部分の長さを短くしただけなので、リードの曲がり始める部分の傾斜角度が小さくなり、吐出口の中央部分に対して、開状態のリードが十分に離れていない可能性が高く、バキュームポンプの能力がこの例のバキュームポンプ1よりも劣るものとなっている可能性が高い。
34 吐出口
9 リードバルブ
91 弁座面
92 リード
93 ストッパ
9d 固定端部
9e 自由端部
9i 所定位置
9j 屈曲部
9g 基端部(固定部)
Claims (3)
- 吐出口が形成された弁座面と、
当該弁座面に固定された固定端部および前記弁座面から離間可能な自由端部とを有し、前記弁座面に沿って配置されることにより前記固定端部と前記自由端部との間で前記吐出口を閉塞する閉状態と前記弁座面から前記自由端側が離れることにより前記吐出口を開放する開状態との間で変形移動可能な弁体となる板状のリードと、
基端部が前記リードの固定端に重なった状態で前記弁座面に固定される固定部を有し、当該弁座面との間に前記リードが配置されることにより、当該リードの開放側への変形移動範囲を規制するストッパとを備えたリードバルブを有するバキュームポンプであって、
前記ストッパは、当該ストッパの基端部から僅かに先端側の所定位置までの前記弁座面に対する傾斜角度が当該所定位置より先端側の前記弁座面に対する傾斜角度よりも大きくされ、前記所定位置で当該ストッパの傾斜角度が変わることにより屈曲した屈曲部が設けられていることを特徴とするバキュームポンプ。 - 前記ストッパは、当該ストッパの基端部から前記吐出口の略中央部分に向かうにつれて前記弁座面から離れていき、当該吐出口の略中央部分から当該ストッパの先端部に向かうにつれて再び前記弁座面に近づいていく形状であることを特徴とする請求項1に記載のバキュームポンプ。
- 前記吐出口が湾曲した弧状に形成され、当該吐出口に対応して前記リードおよび前記ストッパが湾曲した弧状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバキュームポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008114859A JP2009264243A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | バキュームポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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2008
- 2008-04-25 JP JP2008114859A patent/JP2009264243A/ja active Pending
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