JP2009264177A - ターボチャージャ - Google Patents

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Hiroshi Mori
博史 森
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Abstract

【課題】アクセルに対する加速レスポンスが良好で、燃焼室数に関わらず、吸気圧力の変動を小さくし、且つ、圧力の高い状態を維持することができるターボチャージャを提供する。
【解決手段】ターボチャージャ10aは、タービン30のタービンホイール14aとコンプレッサ40のコンプレッサホイール15とを連結する回転軸17aと、タービンホイール14aとの間に、係合子としてローラ54又はスプラグを備えた一方向クラッチ50を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に使用されるターボチャージャに関する。
従来のターボチャージャ10は、図2に示すように、タービンハウジング11とコンプレッサハウジング12とがベアリングハウジング13を介して一体に連結されている。また、タービンハウジング11内のタービンホイール14と、コンプレッサハウジング12内のコンプレッサホイール15とは、ベアリングハウジング13内にて複数の軸受16により回転自在に支持された回転軸17によって連結される。タービンホイール14は、溶接等によって回転軸17の一端に連結され、コンプレッサホイール15は、スラストブッシュ18,19を挟んで、ナット20により回転軸17の他端に連結される。
そして、エンジンの排気ガスの圧力によってタービンホイール14を回転させることにより回転軸17を介してコンプレッサホイール15を回転させ、吸気圧力を高めてエンジンにこの過給された空気を供給している。
また、回転軸17は高速で回転するため、軸受16を潤滑する必要があり、ベアリングハウジング13にはオイル供給路21が形成されている。また、複数の軸受16が配置される回転軸17の軸方向両側には、回転軸17とコンプレッサハウジング12、及び回転軸17とベアリングハウジング13との間にオイルシール22を設け、オイル供給路21と吸気通路及び排気通路とを仕切っている。
さらに、図2に示したターボチャージャ10のタービンハウジング11は、ハウジング内に隔壁23を形成して独立した2つのスクロールを形成しており、排気干渉を防止して応答速度を向上している。
ここで、排気工程から排出されるガスは、密度の高い部分と低い部分とが連続した圧力波となっており、タービンホイール14は排気圧力が高いときには高速で回転し、低いときには低速で回転する。この回転変動はコンプレッサホイール15と直結した回転軸17にも伝達されるため、コンプレッサホイール15で圧縮される吸気にも圧力変動が発生する。
燃焼室に吸入する空気量を制御し、大量の空気を吸入させるには、その元となるコンプレッサからの圧縮空気に圧力変動が少ないほうが制御しやすい。そこで、従来、吸気側にダンピングボリュームという空気溜めを設けて圧力変動を吸収したり、排気側では、パルスコンバータと呼ばれる排気の順序を考慮してマニホールドのグループ分けを行い、排気圧の平滑化を図ることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、一方向クラッチを使用した排気ターボチャージャが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2005−113871号公報 特開2006−90174号公報
ところで、吸気側に設けられるダンピングボリュームは、アクセルに対する加速レスポンスに悪影響を及ぼし、アクセルペダルを踏んでスロットルバルブを開いても、ダンピングボリュームに吸収された空気の動きは緩慢で、マニホールドに直ちに入りにくいため、エンジントルクの立ち上がりが遅くなる。また、ピーク圧力も吸収されて低減する。
また、排気側に設けられるパルスコンバータは、エンジンの燃焼室の数が少なくなると位相の違う排気そのものが存在せず、統合できないためその効果が低減してしまう。
さらに、特許文献2に記載の排気ターボチャージャにおいては、一方向クラッチの具体的な構成や材料についてなんら開示されていない。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アクセルに対する加速レスポンスが良好で、燃焼室数に関わらず、吸気圧力の変動を小さくし、且つ、圧力の高い状態を維持することができ、高速で使用されるターボチャージャを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内燃機関の排気通路に配設されるタービンと、内燃機関の吸気通路に配設されて該タービンによって回転駆動されるコンプレッサと、を備えるターボチャージャであって、
前記タービンと前記コンプレッサとの間には、前記タービンのタービンホイールと前記コンプレッサのコンプレッサホイールとを連結する回転軸周りに配置され、係合子としてローラ又はスプラグを備えた一方向クラッチを有することを特徴とするターボチャージャ。
(2) 前記一方向クラッチは、前記係合子を保持する、金属材料からなる保持器をさらに有し、前記一方向クラッチのクラッチ内輪が嵌合されるスリーブは、鋳鉄からなることを特徴とする(1)に記載のターボチャージャ。
本発明のターボチャージャによれば、タービンとコンプレッサとの間には、タービンとコンプレッサとの間には、タービンのタービンホイールとコンプレッサのコンプレッサホイールとを連結する回転軸周りに配置され、係合子としてローラ又はスプラグを備えた一方向クラッチを有するので、吸気圧力の変動を小さくし、且つ、圧力の高い状態を維持することができる。これにより、吸気側ではダンピングボリュームを無くす、又は、小さくすることができ、アクセルに対する加速レスポンスを高めることができる。また、圧力の高い状態で燃焼室に吸気できることから、より高い出力を得ることができる。加えて、排気側では、パルスコンバータが不要となる他、燃焼室数の少ないエンジンでも排気圧力変動を吸収できるため、ターボチャージャの効果を十分に発揮することができる。また、係合子としてローラ又はスプラグを備えた一方向クラッチを有するので、高速で使用されるターボチャージャに適した構成となる。
また、一方向クラッチの保持器は、プラスチックより耐熱性に優れる金属材料、例えば、金属の焼結材料とし、また、一方向クラッチのクラッチ内輪が嵌合されるスリーブは、高温環境で機械的特性変化が少ない鋳鉄を用いるので、ターボチャージャの高速、且つ高温環境下でも好適な一方向クラッチが得られる。
以下、本発明の一実施形態に係るターボチャージャについて図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、タービンホイールとコンプレッサホイールとの間に一方向クラッチを配置した点にあり、その他の構成は図2で示した従来構造と概略同様である。このため、従来構造と同一部分又は同等部分については同一符号を付して、説明を省略或は簡略化する。
本実施形態のターボチャージャ10aも、内燃機関の排気通路に配設されるタービン30と、内燃機関の吸気通路に配設されてタービン30によって回転駆動されるコンプレッサ40と、を備える。タービン30は、ツインフロータービンハウジング11とタービンホイール14aとから構成され、コンプレッサ40は、コンプレッサハウジング12とコンプレッサホイール15とから構成される。
タービン30のタービンホイール14aとコンプレッサ40のコンプレッサホイール15とは、ベアリングハウジング13内で軸受16により回転自在に支持された回転軸17aによって連結されている。回転軸17aは、中空のタービンホイール14aとコンプレッサホイール15内を貫通するような軸方向長さを持って形成され、回転軸17aの軸方向一端の外周面とタービンホイール14aの内周面との間には、一方向クラッチ50と、一方向クラッチ50を軸方向にて挟むように一対の転がり軸受51とが配置されている。
一方向クラッチ50は、タービンホイール14aが回転軸17aに対して所定の方向に相対回転する傾向となる場合のみ、回転軸17aに回転力を伝達しており、排気圧力が減少しタービン30の回転数が低下した場合には、一方向クラッチ50の係合が解除されてコンプレッサ40は慣性力で回転し続けるため、回転数の減少は少なくなり、吸気の圧力変動も小さくなる。また、排気圧力が上昇した場合には、一方向クラッチ50が係合し、タービン30の加速度をコンプレッサ40に伝達する。
なお、一方向クラッチ50は、図1に示すクラッチ外輪52、クラッチ内輪53、係合子であるローラ54、クラッチ保持器55、付勢部材(図示せず)を備えたローラクラッチであってもよく、他の公知のものであってもよい。また、高速で使用されるターボチャージャ10aの用途に好適な一方向クラッチとしては、係合子として、スプラグが使用されるディスエンゲージタイプのスプラグクラッチであってもよい。また、回転軸17aとクラッチ内輪53との間には、クラッチ内輪53が嵌合されるスリーブ(図示せず)が設けられてもよい。その場合、高温環境で機械的特性変化が少ない鋳鉄が使用され、さらに、クラッチ保持器55を、プラスチックより耐熱性に優れる、例えば、金属の焼結材料とすることで、ターボチャージャが使用される高速、且つ、高温環境下でも好適な一方向クラッチ50が得られる。
また、転がり軸受51も、タービンホイール14aに加わるラジアル荷重を支承して、タービンホイール14aと回転軸17aとの相対回転を可能とするものであればよく、本実施形態の深溝玉軸受に限らず、ニードルころ軸受や円すいころ軸受であってもよい。また、転がり軸受51は、一方向クラッチ50の軸方向片側のみに配置されてもよく、また、2個より多く配置されてもよい。
このように、本実施形態のターボチャージャ10aによれば、タービン30とコンプレッサ40との間に、係合子としてローラ54を有する一方向クラッチ50を設けることで、吸気圧力の変動を小さくし、且つ、圧力の高い状態を維持することができる。これにより、従来のターボチャージャと比べて、吸気側ではダンピングボリュームを無くす、又は、小さくすることができ、アクセルに対する加速レスポンスを高めることができる。また、圧力の高い状態で燃焼室に吸気できることから、より高い出力を得ることができる。加えて、排気側では、パルスコンバータが不要となる他、燃焼室数の少ないエンジンでも排気圧力変動を吸収できるため、ターボチャージャの効果を十分に発揮することができる。また、係合子としてローラ54を備えたローラクラッチ50を有するので、高速で使用されるターボチャージャ10aに適した構成となる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
また、本発明の一方向クラッチは、タービンとコンプレッサ間に設けられればよく、図1に示したタービンホイールと回転軸との間の他、コンプレッサホイールと回転軸との間や、回転軸を分割した構造として分割した回転軸間に設けられてもよく、タービンとコンプレッサの各ホイール間であればその位置は限定されない。
本発明の一実施形態に係るターボチャージャの断面図である。 従来のターボチャージャの断面図である。
符号の説明
10a ターボチャージャ
11 タービンハウジング
12 コンプレッサハウジング
13 ベアリングハウジング
14a タービンホイール
15 コンプレッサホイール
16 軸受
50 一方向クラッチ
51 転がり軸受

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に配設されるタービンと、内燃機関の吸気通路に配設されて該タービンによって回転駆動されるコンプレッサと、を備えるターボチャージャであって、
    前記タービンと前記コンプレッサとの間には、前記タービンのタービンホイールと前記コンプレッサのコンプレッサホイールとを連結する回転軸周りに配置され、係合子としてローラ又はスプラグを備えた一方向クラッチを有することを特徴とするターボチャージャ。
  2. 前記一方向クラッチは、前記係合子を保持する、金属材料からなる保持器をさらに有し、前記一方向クラッチのクラッチ内輪が嵌合されるスリーブは、鋳鉄からなることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
JP2008112591A 2008-04-23 2008-04-23 ターボチャージャ Pending JP2009264177A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110138808A1 (en) * 2007-07-24 2011-06-16 Kasi Forvaltning I Goteborg Ab New enhanced supercharging system and an internal combustion engine having such a system

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