JP2009262705A - 流出油回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】風波や潮流、あるいは海流によって油回収作業を阻害されない流出油回収装置を提供すること。安全かつ迅速な油回収作業が可能な流出油回収装置を提供すること。油流出事故による経済的な損失や環境に与える悪影響を軽減できる流出油回収装置を提供すること。
【解決手段】流出油捕集口4を備え、該流出油捕集口4の後方に回収油貯留室5を設けて流出油捕集器6とし、回収油貯留室5の頂部近傍に回収油送液管7の一端を取付け、回収油送液管7の他の一端を回収油貯蔵タンク8と結ぶ構成の流出油回収装置1とする。
【選択図】図1
【解決手段】流出油捕集口4を備え、該流出油捕集口4の後方に回収油貯留室5を設けて流出油捕集器6とし、回収油貯留室5の頂部近傍に回収油送液管7の一端を取付け、回収油送液管7の他の一端を回収油貯蔵タンク8と結ぶ構成の流出油回収装置1とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、水中に流出源を持つ流出油回収装置に関するものである。
今日、様々な原因によって油の流出事故が引起されるが、これは単に有用な油が失われるという経済的な損失をもたらすだけでなく、環境にも重大な悪影響を与えるものである。流出した油は時間が経つとともに汚染範囲が拡大することで、被害を受ける範囲も拡大するばかりでなく、油回収作業が一層困難なものとなる。油流出事故の際には、流出した油を可能な限り速やかに回収する必要がある。
小規模な油の流出事故は、しばしば比較的発見の容易な陸上で発生するので迅速な対応が可能な場合が多いが、船舶の海難事故や水底に敷設された油送パイプラインの損傷によって引起される油流出事故は一般に一事故当りの流出量が多く、しかも迅速な対応がとりにくいために大規模な油流出事故となる場合がある。上記の多くは油の流出源が水中となるため、油回収作業が困難となるばかりではなく、流出した油は風や潮流、あるいは海流によって拡散するので、短時間のうちに広い範囲に汚染が拡大してしまうという問題があり、環境汚染の深刻さや生態系の回復に要する費用や労力は膨大なものになる。
従来の水域での流出油回収作業では、流出原因が船舶の事故や水底に敷設された油送パイプラインの損傷によって引起される油流出事故の場合や、また、流出源が陸上にあっても、流出油が水域に流入した場合の油流出事故もほぼ同様の手順となり、概ね以下の通りである。何らかの流出事故により油が水域に流出すると、浮遊する油を取り囲む形にオイルフェンスを展開して油の拡散を防ぐとともに、層状の流出油を油吸着マットに吸着させて回収、もしくは、水面上から汲み上げて油水の混合液として回収してタンク内に収容したり、回収した油水を分離して得られる油分をタンク内に収容したりした後に無害化処理するが、無害化処理としては焼却処分が一般的である。
船舶の沈没によって積荷である油や燃料油が流出する事故の際には、沈没場所の水深や沈没船の海底での姿勢によっては、沈没船から油を抜き取ることが可能な場合がある。この場合には、積載する油の全ては無理としても、その一部を水域に拡大する前に回収することが可能であり、良好な状態で回収できた油は本来の用途に使用できる場合もある。しかし、海底に横たわる船舶からの油の抜き取り作業には、人材、機材、気象、潮流、水深、沈船の状態等の様々な要素が好条件で揃わなければならず、また、水中での配管の接続作業には多くの危険が伴うので、成功の事例はそれ程多くない。上記場合にも、通常はオイルフェンスの展開など被害の拡大を予防する処置が必要である。
ここで、オイルフェンスの展開が間に合わなかった場合や展開したオイルフェンスが風波や潮流の影響などによって有効に機能しなかった場合には、沿岸に到達した流出油を人力によって回収しなければならないが、事前に油流出事故が発生した場合にオイルフェンスが必要となる地域を想定して必要量のオイルフェンスを準備して置き、有事の際にこれを迅速に展開するということは容易なことではない。また、オイルフェンスが期待通りに展開されたとしても、強風や潮流や海流などの強い水流があればオイルフェンスを所望の水域に固定して置くことは困難である。さらに、オイルフェンスで塞き止めることが可能な浮遊油の層の厚さにはオイルフェンスに構造的な限界があり、波浪などによって水面が動揺している場合にはオイルフェンスで塞き止めることが可能な浮遊油の層の厚さは減少する。
気候的にはモーンスン地帯に属するわが国周辺は季節を問わず強い風が吹くことがあり、また、複雑な海岸線は場所によっては強い海流や潮流を発生させることが知られているので、オイルフェンスを迅速かつ有効に展開できるのは、平時からオイルフェンスの準備が整っている場合においても、港湾とか、穏やかな気象時のしかも流れの強くない海域に限定されるのが実情である。
オイルフェンスの展開ができない場合には、先に述べたように水面に浮遊、もしくは、海岸などに漂着した流出油を人力によって回収する作業とならざるを得ず、流出油の回収作業に膨大な時間と労力、また、経済的負担が必要であり、海域の環境に多大な障害を与えることは過去の事例で示されるところである。以下に背景技術を示すものとして、代表的な特許文献を挙げるが、これらの文献以外でも、油の流出の際に水面に到達する以前の流出油を回収する技術に関する文献は発見できなかった。
特開2002−081046号公報
特開2003−276680号公報
特開2004−345383号公報
特開2005−013880号公報
発明が解決しようとする課題は、従来の方法では、水中に流出源を持つ流出油が風や潮流、あるいは海流によって拡散し易いため流出油回収作業が困難なであるところから、風波や潮流、あるいは海流の影響によって作業を阻害されない流出油回収装置を提供すること、また、安全かつ迅速な作業が可能な流出油回収装置を提供することである。さらに、良好な状態の流出油を回収することや周辺海域に流れ出る流出油の量を減少させることによって、流出事故による経済的な損失や環境に与える悪影響を軽減できる流出油回収装置を提供することである。
上記課題を達成するために、油の流出個所を覆うことのできる大きさの開口部を流出油捕集口として備え、該流出油捕集口の後方に回収油貯留室を設けて流出油捕集器とするとともに、流出油捕集器の開口部を下向きとした姿勢で、回収油貯留室の頂部近傍に回収油送液管の一端を取付け、該回収油送液管の他の一端を後方に置く回収油貯蔵タンクと結ぶ構成より成り、油回収作業時には油の流出個所上方の水中に流出油捕集口を下方に向けて設置することを特徴とする流出油回収装置とする。
また、前記流出油回収装置の回収油貯蔵タンクを設ける地点を船上や海岸等の気中とした流出油回収装置とする。
あるいは、前記流出油回収装置の流出油捕集器上部から後方の回収油貯蔵タンクを結ぶ回収油送液管の途中に油水分離装置を備えた流出油回収装置とする。
さらに、前記流出油回収装置の流出油捕集器が硬質の材料からなる流出油回収装置にする。
もしくは、前記流出油回収装置の流出油捕集器が可撓性を有する膜材料からなる流出油回収装置にする。
本発明請求項1に記載する流出油回収装置は、油の流出個所を覆うことのできる大きさの開口部を流出油捕集口として備え、該流出油捕集口の後方に回収油貯留室を設けて流出油捕集器とするとともに、流出油捕集器の開口部を下向きとした姿勢で、回収油貯留室の頂部近傍に回収油送液管の一端を取付け、該回収油送液管の他の一端を後方に置く回収油貯蔵タンクと結ぶ構成より成り、油回収作業時には油の流出個所上方の水中に流出油捕集口を下方に向けて設置することを特徴とするものである。流出油捕集器を水中での油の流出源となる沈没船や海底に敷設された油送管などの破損個所の油流出個所を覆うように接近して設置することで、水と油との比重差で水中を上昇しょうとする流出油を捕集し、流出油捕集器上部に取り付けた回収油送液管から後方の回収油貯蔵タンクに送るものである。
本発明の流出油回収装置では、流出油を流出個所の直上で捕集するが、捕集した油分は周辺の水分より比重が小さいことから流出油捕集器上部の回収油貯留室に貯留され、この貯留された油分を回収油送液管経由で適宜後方の回収油貯蔵タンクに送液する。一度回収油貯留室に貯留された油分には周辺の水流や風波の影響が及ばないので、流出油が水面まで再浮上したり、水流や風波の影響によって広範囲に拡大したりすることがない。油の流出個所が複数の場合でも、流出油捕集口に到達した流出油は全量捕集できるので周辺環境に与える悪影響を抑制できる効果とともに、多くの場合にオイルフェンスの展開が不要となり、油抜き取り作業に伴う配管の接続作業も不要となるために、流出油回収作業が安全かつ迅速に行えるという効果がある。さらに、本発明の流出油回収装置では、流出油を流出個所の直上で捕集するために、流出油が水中で懸濁したり水面で流出油の一部が蒸発したりして流出油が変質する度合いが極めて少なく、回収した油が流出以前の用途に使用できる可能性が高まるという効果も生まれた。
なお、ここで述べる回収油貯蔵タンクとは、外見上が貯蔵タンクであるものに留まらず、緊急時に使用できる回収油を蓄える機能を持つものの意であり、回収油送液管によって回収油が供給されて貯蔵できるものであれば、水中や台船上に置く回収油容器、あるいは、タンカーそのもの、油吸着マットのような油の吸収体も含んで使用している。
本発明請求項2に記載する流出油回収装置は、前記の回収油貯蔵タンクを船上や海岸の気中に設けたものである。回収油貯蔵タンクを気中に置くことで、通常は油回収作業が容易になる。本発明請求項2に記載する流出油回収装置では、流出油を流出個所の直上で捕集し、捕集した油を水中から速やかに隔離できるため、一度回収した油が再び浮遊油となって環境を汚染するという事態を回避できるという効果がある。
本発明請求項3に記載する流出油回収装置は、前記流出油回収装置の流出油捕集器上部から回収油貯蔵タンクを結ぶ回収油送液管の途中に油水分離装置を備えた流出油回収装置としたものである。通常の油回収作業時において回収油送液管の必要個所には送液ポンプを備えるが、送液ポンプの送液量を流出する油の量を上回るように制御することで、回収油送液管を流れる液体には水分が混入することになるとしても、流出した油が浮遊油となって環境を汚染するという事態を回避でき、もし、他に油の流出個所がなければオイルフェンスの展開は不要となる。上記の場合には、捕集した流出油に水分が混入するが、流出油捕集器上部から回収油貯蔵タンクを結ぶ回収油送液管の途中に油水分離装置を備えることによって、回収油中に混入する余分な水分を排除でき、回収油の保管や輸送、その後の回収油処理作業の効率化を図れるという効果がある。また、高精度な油水分離処理が実施された場合には、回収された油を焼却処分とせずに有価物として活用できるという効果もある。
本発明請求項4に記載する流出油回収装置は、前記流出油回収装置の流出油捕集器が硬質の材料からなるもので、該流出油捕集器の回収油貯留室頂部近傍に回収油送液管を取り付けた流出油回収装置である。具体的な一例を示すと、鋼板製の大型漏斗状の流出油捕集器を作製し、油の流出個所を覆うようにして漏斗状の流出油捕集器の開口が下方になる姿勢で水中に置いたものである。流出油捕集器を硬質の材料からなるものとしたことで、流出油捕集器を油の流出個所に密着するように配置でき、流出個所からの流出油を確実に捕集することができる。
本発明請求項5に記載する流出油回収装置は、前記流出油回収装置の流出油捕集器が可撓性を有する膜材料からなるもので、該流出油捕集器の回収油貯留室頂部近傍に回収油送液管を取り付けた流出油回収装置である。具体的な一例を示すと、可撓性を有する膜材料製の大型雨傘状の流出油捕集器を作製して油の流出個所を覆うようにして、雨傘状の流出油捕集器の開口が下方になる姿勢で水中に置いたものである。流出油捕集器を可撓性膜材料からなるものとしたことで、流出油捕集器を油の流出個所に接触させても配置でき流出油の漏れが無くなり、流出個所からの流出油を確実に捕集することができる。またこのものは、流出油捕集器を折り畳むことができるので嵩張らず、有事の際の移動や平時の保管に便利である。
本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明するが、図1は、本発明の流出油回収装置1を示す斜視図である。油の流出個所2を覆うことのできる大きさの開口部3を流出油捕集口4として備え、該流出油捕集口4の後方に回収油貯留室5を設けて流出油捕集器6とするとともに、流出油捕集器6の開口部3を下向きとした姿勢で、回収油貯留室5の頂部近傍に回収油送液管7を取付け、さらに該回収油送液管7後方に回収油貯蔵タンク8を置き、油回収作業時には図のように、油の流出個所2上方の水中に流出油捕集口4を下方に向けて設置する。
本発明流出油回収装置1は、流出油捕集器6を油の流出源となる沈没船や海底に敷設された油送管などの破損個所の油流出個所2を覆うようにして水中に設置することで、水と油との比重差で水中を上昇しょうとする流出油9を早期に捕集し、流出油捕集器6上部の回収油貯留室5に取り付けた回収油送液管7から後方の回収油貯蔵タンク8に送るものである。通常の場合は回収油送液管7の必要個所に送液ポンプ10を備え、必要な場合には油水分離装置11を備える。
図2は、本発明の流出油回収装置1を示す斜視図である。油流出事故の際には、流出源となる沈没船や海底に敷設された油送管などの破損個所の油流出個所2が一箇所である場合は稀で、通常は流出個所2が複数であったり流出個所2が移動したりする場合が考えられるので、流出油捕集口4は図2で示すように、下方の水平断面積が大きくなるように成型するのが望ましい。また、流出油捕集器6上部の回収油貯留室5は上方に寄るに従って水平断面積が小さくなるように成型し、回収油貯留室5は必要な容積を確保のうえ上端に回収油送液管7を取り付けると、捕集した油(場合によっては油水混合液)を回収油貯蔵タンク8に送る際に混入する水分を排除することができ、流出油の捕集や送液、その後の工程を無駄なく円滑に行える。
図3は、本発明の流出油回収装置1による油回収作業を示す斜視図である。回収油貯留室5の頂部近傍に一端を取付け、他の一端を後方に置く回収油貯蔵タンク8に繋げる回収油送液管7は、内外から水流に曝されるので必要な強度を確保するのは言うまでもないが、回収油送液管7の一部もしくは、全長にわたって可撓性を持たせるとともに、流出油捕集器6と回収油送液管7とを一体的に吊り上げられるようにして一個の機構として組み立てて置き、前記の機構を水上に浮かせた流出油回収船12に取り付けたクレーンで吊り下げて水中に設置すると油回収作業が迅速に開始できる。また、流出油捕集器6の位置を変更したり調整したりする際にも都合がよい。
流出油捕集器の設置に際しては、水中から浮上する油の所在が一つの手掛かりとなるが、多くの場合には水流や風波があるので流出油が流出個所の真上に浮上するとは限らない。そこで、GPSシステムやソナー機器、水中カメラ機器等を利用すると、迅速に流出油捕集器を設置すべき正確な位置を探し出すことができるとともに、人命に危険が及ぶ恐れが否定できない油流出事故水域での潜水作業も回避できる。
図4は、本発明流出油回収装置1実施例における流出油捕集器6の断面図である。捕集した油分は周辺の水分より比重が小さいことから、流出油捕集器6の回収油貯留室5上部から次第に油分で満たされることとなり、満たされた油分の下面は水と接触して境界を形成する。ここで、本発明の流出油回収装置に回収油貯留室5おける油水境界の高さを検出できるレベル検出装置13を設ける一方、レベル検出装置13からの出力信号によって、油水境界が高い位置にある時は送液ポンプ10の送液量を抑制し、油水境界が低い位置にある時は送液ポンプ10の送液量を増加させる制御をすれば、一層高精度に油分を分離して流出油捕集器6上部の回収油貯留室5に取り付けた回収油送液管7から後方の回収油貯蔵タンク8に送ることができる。本発明流出油回収装置では、流出油9を流出個所2の直上で捕集するために、流出油9の水中での滞在時間が少なく、水中で流出油内に水分が移行して懸濁したり、水面まで上昇した流出油の一部が蒸発したりして流出油が変質する度合いが極めて少なく、回収した油が流出以前の用途に使用できる可能性が高まるので、流出事故による経済的な損失を軽減できるのは先に述べた通りである。
図5は、本発明流出油回収装置1の他の実施例を示す斜視図である。図に示す流出油回収装置1は、流出油捕集器6が硬質の材料からなるもので、この実施例では、鋼板製の大型漏斗状の流出油捕集器6を作製して油の流出個所を覆うようにして、漏斗状の流出油捕集器6の開口が下方になる姿勢で水中に置いたものであるが、さらに流出油捕集口4先端に可撓性材質の封止用パッキング15取り付けたものである。封止用パッキング15としては、変形量が多く取れて接触面との追随性が高いものが好ましい。図は油流出個所2周辺の凹凸の少ない平面に流出油捕集口4の先端にある封止用パッキング15を接触させた後、送液ポンプの仕事量を増やすことで流出油捕集器6内に負圧を導入して油を回収する状況を示すものである。従来の方法では、流れ出るのを待つしか方法がなかった油の流出を積極的に吸引することで飛躍的に速めることができ、油回収作業の能率を向上させることが可能となる。
図6は海中に横たわる沈没船から積荷の油が流出していて、これを本発明の流出油回収装置1を装備した海上の流出油回収船12から油回収作業を行う際の概念図である。図6の流出油回収装置1は、可撓性を有する膜材料製の流出油捕集器6を油の流出個所2を覆うようにして、開口が下方になる姿勢で水中に置くものであるが、流出油捕集器6が可撓性を有する膜材料製で軟弱であるために水中では潮流の影響を受けて油の流出個所2を覆う際に困難が伴う場合がある。以下に示す手順によれば、円滑に流出油捕集器6の設置作業を進めることができる。
図6の流出油回収装置1は回収油送液管7の一部もしくは、全長にわたって可撓性を持たせるとともに、流出油捕集器6と回収油送液管7とを一体的に吊り上げられるようにして一個の機構として組み立てて置き、前記の機構を水上に浮かせた流出油回収船12に取り付けたクレーンで吊り下げて水中に設置するのであるが、流出油捕集器6先端の裾にあたる部分の周りに適宜間隔で固定用のフックまたは穴を複数設けて置き、ここを始点とする綱を締結する。綱の各終点は流出油回収船12、あるいは、他の作業支援船に置き、各綱にはスライド可能にしてシンカー、またはアンカー(以下ではシンカー等16という)を通して置き、シンカー等16が海面近くに位置するように各綱を縮めて置く。
この状態で、図7斜視図で示すように、各綱の終点側を伸長しシンカー等16を着底させ、必要に応じて着底場所を調整した後に、各綱の終点側を縮めながら流出油捕集器6を水没させ、所望の場所で停止させる。上記手順によると、水中に流出油捕集器6を降ろす際に水流や風の影響を受けて正確な地点に設置できなくなるという懸念がなく、油回収作業時にも水流によって流出油捕集器6が変形したり下流側に流されたりする恐れがなくなる。
図8で示す流出油回収装置1では、流出油捕集器6を可撓性膜材料からなるものとしたことで、流出油捕集器6を折り畳むことができ、流出油捕集器6自体の質量も小さくできるので容易に大型の流出油捕集器6を使用でき、流出個所を広く覆っての油回収作業が可能である。このため、流出する油の回収率を高めることができ、周辺環境に与える悪影響や生態系の回復に要する費用や労力を最小限に留めることができる。
本発明の流出油回収装置1は、従来の油回収作業に人海戦術的に用いられる機材と比較すると、総量としては少量、軽量となるので保管や移動が極めて容易である。油流出事故の発生地点や時間は予測できないものであるが、本発明の油回収装置を専用の車両や船舶に搭載して操作に精通した作業者と共に要所に配備して置くことで、不測の事態にも迅速に対応できる。
1 流出油回収装置
2 流出個所
3 開口部
4 流出油捕集口
5 回収油貯留室
6 流出油捕集器
7 回収油送液管
8 回収油貯蔵タンク
9 流出油
10 送液ポンプ
11 油水分離装置
12 流出油回収船
13 レベル検出装置
14 水面
15 封止用パッキング
16 シンカー等
2 流出個所
3 開口部
4 流出油捕集口
5 回収油貯留室
6 流出油捕集器
7 回収油送液管
8 回収油貯蔵タンク
9 流出油
10 送液ポンプ
11 油水分離装置
12 流出油回収船
13 レベル検出装置
14 水面
15 封止用パッキング
16 シンカー等
Claims (5)
- 油の流出個所を覆うことのできる大きさの開口部を流出油捕集口として備え、該流出油捕集口の後方に回収油貯留室を設けて流出油捕集器とするとともに、流出油捕集器の開口部を下向きとした姿勢で、回収油貯留室の頂部近傍に回収油送液管の一端を取付け、該回収油送液管の他の一端を後方に置く回収油貯蔵タンクと結ぶ構成より成り、油回収作業時には油の流出個所上方の水中に流出油捕集口を下方に向けて設置することを特徴とする流出油回収装置。
- 回収油貯蔵タンクを設ける地点が気中である請求項1記載の流出油回収装置。
- 流出油捕集器の頂部近傍から後方の回収油貯蔵タンクを結ぶ回収油送液管の途中に油水分離装置を備えることを特徴とする請求項1、あるいは、請求項2記載の流出油回収装置。
- 流出油捕集器が硬質の材料からなる、請求項1、ないし請求項3のいずれかに記載の流出油回収装置。
- 流出油捕集器が可撓性を有する膜材料からなる、請求項1、ないし請求項3のいずれかに記載の流出油回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008113209A JP2009262705A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 流出油回収装置 |
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---|---|---|---|
JP2008113209A JP2009262705A (ja) | 2008-04-23 | 2008-04-23 | 流出油回収装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102253682B1 (ko) * | 2020-12-18 | 2021-05-18 | 주식회사 오션파이브 | 침몰선의 잔존유 포집 및 이송장치 |
JP7493896B2 (ja) | 2021-12-24 | 2024-06-03 | 飛島建設株式会社 | 油分検出システム |
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2008
- 2008-04-23 JP JP2008113209A patent/JP2009262705A/ja active Pending
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