JP2009259437A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Mitsunobu Shiono
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Hironobu Murakami
弘展 村上
Masanori Furuya
正紀 古屋
Minoru Takashio
稔 高塩
Shigeru Ando
茂 安藤
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、空気極にLa1−ySrNi1−xFeを用いた固体酸化物形燃料電池において、800℃以上1000℃以下での発電性能を向上させることである。
【解決手段】
本発明は、空気極と、燃料極と、前記空気極と前記燃料極との間に介在する固体電解質と、を備えた固体酸化物形燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池の運転方法であって、前記空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料を備え、かつ固体酸化物形燃料電池を定常運転する際の前記セルの温度が800℃以上1000℃以下になるようにすることを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は固体酸化物形燃料電池の運転方法及び固体酸化物形燃料電池セルに関する。
固体酸化物形燃料電池セルの空気極には、電子伝導性が高いこと、熱膨張係数が固体電解質のそれに近いことが求められる。従来La1−ySrMnOが用いられてきたが、さらなる高出力化のために、より電子伝導性の高い材料が求められている。近年、La1−ySrNi1−xFe(x−0.25≦y≦x−0.35で、かつ0.55≦x≦0.85)が、La1−ySrMnOに比べて高い電子伝導性をもち、熱膨張係数が固体電解質のそれに近い性質をもつことが明らかになった。前記材料は600℃付近の中温において高い電子伝導性を示すため、中温作動型の固体酸化物形燃料電池セルの空気極材料として用いた例があり、高い発電性能と信頼性が得られることが示された(例えば特許文献1)。
また、La1−ySrNi1−xFeにおいてy=0であるLaNi1−xFeについても高い電子伝導性を持つことが明らかになっており、特許文献2にはLa1−ySrNi1−xFeを空気極として用いた場合、高い発電性能が得られることが示唆されている。
しかし非特許文献1に記載されるように、La1−ySrNi1−xFeは600℃程度の中温では高い電子伝導性を示すものの、800℃以上で電子伝導性が著しく低下することが知られている。そのため、800℃以上で運転する固体酸化物形燃料電池セルに使用することができなかった。
特許第3617814号 特開平11−242960 R. Chiba et al., Solid State Ionics, 152-153, (2002), 575-582
本発明は、空気極にLa1−ySrNi1−xFeを用いた固体酸化物形燃料電池を800℃以上1000℃以下で運転する際の不具合を解決するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、空気極と、燃料極と、前記空気極と前記燃料極との間に介在する固体電解質と、を備えた固体酸化物形燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池の運転方法であって、前記空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料を備え、かつ固体酸化物形燃料電池を定常運転する際の前記セルの温度が800℃以上1000℃以下になるようにすることを特徴とする。
本発明によれば、La1−ySrNi1−xFeを運転温度800℃以上1000℃以下の固体酸化物形燃料電池セルの空気極として好的に用いることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の運転方法は、空気極と、燃料極と、前記空気極と前記燃料極との間に介在する固体電解質と、を備えた固体酸化物形燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池の運転方法であって、前記空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料を備え、かつ固体酸化物形燃料電池を定常運転する際の前記セルの温度が800℃以上1000℃以下になるようにすることを特徴とする。
本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池を説明するために、固体酸化物形燃料電池の一例について説明する。
図1は、固体酸化物形燃料電池を部分的に破断した概略的な斜視図である。固体酸化物形燃料電池は、燃料ガスと空気(酸化剤ガス)とを電気化学反応させることで発電するための装置として構成されている。
固体酸化物形燃料電池は、固体酸化物形燃料電池セル2と、集電部材3,4と、集電ロッド5と、空気ヘッダ6と、空気供給管7と、モジュール容器8と、絶縁断熱部材9と、断熱部材10とを備えている。
固体酸化物形燃料電池セル2は、2列×6列の12本ごとに固体酸化物形燃料電池セルスタック(図1において明示しない)として構成され、モジュール容器8内に収められている。各固体酸化物形燃料電池セル2は、有底筒状であって、セラミックス材料からなり筒の内側から外側に向かって空気極、固体電解質、燃料極の多層構造を形成している。固体酸化物形燃料電池セル2の内壁すなわち空気極に空気、外壁すなわち燃料極に燃料ガスが接触すると、セル内でO2−イオンが移動して電気化学反応が起こり空気極と燃料極との間に電位差が生じて発電が行われる。固体酸化物形燃料電池セル2が発電した電気は、集電部材3,4によって集電され、集電ロッド5によって外部に取出される。
各固体酸化物形燃料電池セル2に供給される空気は、空気供給管7を通って空気ヘッダ6に供給された空気が分配されて供給される。空気供給管7の上流側は空気の供給元に連結されている。
空気ヘッダ6は、各固体酸化物形燃料電池セル2に供給される空気を一時的に貯留して昇温させる役割を果たすと共に、各固体酸化物形燃料電池セル2に空気を分配する役割も果たしている。空気ヘッダ6は、各固体酸化物形燃料電池セル2に供給する空気の流路を固体酸化物形燃料電池セル2の数に応じて複数の系統に分配するためのものでもあるので、固体酸化物形燃料電池セル2の数に応じてその配置数量が増減される。
各固体酸化物形燃料電池セル2に供給される燃料ガスは、各固体酸化物形燃料電池セル2の下方から供給される(詳細は後述する)。
固体酸化物形燃料電池セル2、集電部材3,4、及び空気ヘッダ6は、直方体形状のモジュール容器8に収容されている。このモジュール容器8は、運転時に高温になることから、例えば、インコネルやステンレスなどの耐熱性の合金材料により形成されている。また、燃料ガスや空気を外部に漏出させないために密閉構造となっている。モジュール容器8の内側には、固体酸化物形燃料電池セル2とモジュール容器8とを絶縁すると共に、モジュール容器8内部を保温するための絶縁断熱部材9が設けられている。絶縁断熱部材9は、アルミナ繊維等で形成されている。モジュール容器8は更に、動作温度を安定に保つためにその全体が断熱部材10で覆われている。
続いて、図2を参照しながら、固体酸化物形燃料電池セル2の配置態様について説明する。図2は、図1において空気ヘッダ6側から固体酸化物形燃料電池セル2側を見通す方向における横断面図である。固体酸化物形燃料電池セル集合体21は、複数の固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21b,21cを備えている。各固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21b,21cは、12本の固体酸化物形燃料電池セル2を有し、それぞれの固体酸化物形燃料電池セル2は、2列(図中x方向)×6列(図中y方向)に配置されている。
各固体酸化物形燃料電池セル2は有底円筒状であって、その開口部2aを空気ヘッダ6側に向けて配置されている。各固体酸化物形燃料電池セル2は、セル間集電部材13及び導電性のセル接続部材14を介して、電気的に2並列×6直列に接続されている。なお、固体酸化物形燃料電池セル2は、発電容量等に応じて本数や配列が適宜選択される。
各固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21b,21cは、所定の間隔を置いて3列(図中x方向)に配置されており、36本の固体酸化物形燃料電池セル2を有する固体酸化物形燃料電池セル集合体21を構成している。それぞれの固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21b,21cは、集電部材3を介して電気的に直列に接続されている。このように直列接続された固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21b,21cの両端に配置される固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21cの端部には、集電部材4が繋がれている。集電部材4は集電ロッド5に繋がれているので、集電ロッド5を介して外部に電力が取り出すことができる。
各固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21b,21cにはそれぞれ、固体酸化物形燃料電池セル2が6列に並べられている一対の側面に接するように絶縁板16が配置されている。更に、隣接する絶縁板16の間には熱伝導板15が配置されている。固体酸化物形燃料電池セルスタック21a,21cと絶縁断熱部材9との間にも熱伝導板15が配置されている。熱伝導板15と集電部材3,4との間には、絶縁棒11が配置されている。
このように熱伝導板15が配置されることで、局部的に固体酸化物形燃料電池セル2の温度が部分的に高くなっても、熱伝導板15を介して高温部分から低温部分へ熱が移動しやすくなり、固体酸化物形燃料電池セル2の温度分布を均一化させることができる。
また、上述したように絶縁板16及び絶縁棒11が配置されることで、熱伝導板15と固体酸化物形燃料電池セル2との間の電気絶縁性、及び熱伝導板15と集電部材3,4との間の電気絶縁性が確保される。
続いて、図3を参照しながら、固体酸化物形燃料電池セル2の配置態様と燃料ガス及び空気の供給態様について説明する。図3は、固体酸化物形燃料電池の縦断面図であって、モジュール容器8の内部を示す図である。
図3に示すように、モジュール容器8の下方には、モジュール容器8内に導入する燃料ガスを均一に分散するための燃料ガス分散室17が配置されている。この燃料ガス分散室17内には、燃料ガスを予備分散する予備分散板18が配置されている。この予備分散板18は、例えばアルミナからなり、燃料ガス通気孔19が一様に形成されている。また、予備分散板18の上方には、例えばNiフォームからなる燃料ガス分散材30が配置されている。燃料ガス分散室17の上流側(図中下側)には、燃料ガス供給管22が設けられ、この燃料ガス供給管22の上流側は燃料ガスの供給元に連結されている。また、モジュール容器8と燃料ガス分散室17との間には、燃料ガスを燃料ガス分散室17からモジュール容器8に通気させるための燃料ガス分散板23が設けられている。この燃料ガス分散板23には、複数の燃料ガス供給孔24が形成されている。
また、燃料電池セル集合体21の上方に配置される空気ヘッダ6には、燃料電池セル2の空気極に空気を導入する複数の空気導入管25が連結されている。この空気導入管25は、燃料電池セル2の管内に挿入され、その下端部は燃料電池セル2の底面付近まで延びている。
また、モジュール容器8内には、燃料電池セル2の長尺方向に対して垂直方向に沿って形成される矩形状の仕切板26が設けられている。この仕切板26は、アルミナ繊維を積層してブランケット状に形成したものが用いられている。モジュール容器8内において、この仕切板26で仕切られた上側に燃焼室27が形成され、下側に発電室28が形成される。ここで、燃焼室27は、発電室28で反応に寄与しなかった余剰の燃料ガスと、各燃料電池セル2の筒内で反応に寄与しなかった余剰の空気とを混合して燃焼させるための空間である。発電室28は、燃料ガス供給孔24から導入される燃料ガスを各燃料電池セル2に接触させ、各燃料電池セル2の管内に流れる空気との電気化学反応を生じさせて発電させるための空間である。
また、仕切板26には、残余の燃料ガスを発電室28から燃焼室27に排出するための、例えばアルミナからなる筒状の燃料ガス排出管(図示しない)が複数挿通されている。従って、仕切板26には、発電室28から燃焼室27へと燃料ガスを通過させるための複数のガス排出孔が形成されていることになる。
続いて、図4を参照しながら、燃料電池モジュールFCを用いた燃料電池FCSの構成について説明する。図4は、燃料電池FCSの構成を示すブロック図である。図4に示すように、燃料電池FCSは、燃料電池モジュールFCと、燃料供給部FPと、空気供給部APと、水供給部WPと、電力取出部EP(負荷制御部)と、制御部CS(状態判定部)と、記録装置LGを備えている。燃料供給部FP、空気供給部AP、水供給部WP、及び電力取出部EPは、燃料電池FCSの補器ADを構成している。
燃料供給部FPは、燃料供給源としての都市ガス配管から燃料ガスを燃料電池モジュールFCに供給する部分であって、燃料ポンプ、電磁弁を有している。燃料供給部FPから供給される燃料ガスは燃料ガス供給管22へと送り出される。
空気供給部APは、空気供給源としての大気中から空気を固体酸化物形燃料電池モジュール1に供給する部分であって、空気ブロア、電磁弁を有している。空気供給部APから供給される空気は空気供給管8へと送り出される。
水供給部WPは、水供給源としての水道管から水を固体酸化物形燃料電池モジュール1に供給する部分であって、水ポンプ、電磁弁を有している。水供給部WPから供給される水は、燃料電池モジュールFC内部で水蒸気となって送り出される。
電力取出部EPは、燃料電池モジュールFCから電力を取り出す部分であって、電子負荷装置(パワーコンディショナー)として機能しており、インバータ等の電力変換装置を有している。電力取出部EPは、集電ロッド5と繋がっていて、変換した電力は電力供給先へと送り出すように構成されている。
制御部CSは、燃料供給部FP、空気供給部AP、駆動補器AD、及び電力取出部EPのそれぞれを制御するための部分であって、CPUやROMを有している。燃料電池モジュールFCの動作は、制御部CSからの指示信号に基づいて実行される。
記録装置LGは、燃料電池モジュールFCに設けられた熱電対等から出力される信号を記録して制御部CSへと出力する部分である。記録装置LGは、データとして、燃料電池モジュールFCの温度や電流値、電圧値を出力する。
このように構成された燃料電池FCSの動作について説明する。発電室28を電気化学反応が生じる温度(700〜1000℃)に昇温する。空気供給部APから空気を空気供給管7に供給し、空気ヘッダ6内に貯留する。貯留された空気は、複数の空気導入管25内を下方に流れ、下端から燃料電池セル2の筒内に流出する。流出した空気は、燃料電池セル2の筒内を上方に流れる。このとき、空気は、空気極に接触して反応に供される。反応で消費されなかった空気は、燃料電池セル2の開口部2aから燃焼室27に達する。
また、燃料供給部FPから燃料ガスを燃料ガス供給管22に供給し、燃料ガス分散室17内に貯留する。貯留された燃料ガスは、燃料ガス分散板23に形成された複数の燃料ガス供給孔24から発電室28内に導入され、発電室28内を各燃料電池セル2を包囲しながら上方に流れる。このとき、燃料ガスは、燃料極に接触して反応に供される。反応で消費されなかった燃料ガスは、仕切板26の燃料ガス排出管(図示しない)を通って燃焼室27に達する。
燃焼室27に達した残余の燃料ガスと残余の空気とは、所定の点火装置を用いて燃焼され排出ガスが、モジュール容器8の上壁に連結された排ガス管から燃焼室27の外に排出される。この排出ガスは高温となるために、発電室28を加熱するための熱源として利用される。
上述した初期運転動作に対応させて、制御部CSは記録装置LGから出力されるデータに基づいて、電力取出部EPを次のように制御する。その制御フローを図5に示す。また、その際の時間―温度、時間―電流、時間―電圧の相互関係を図6に示す。図6の(a)が時間―電流の関係を示し、図6の(b)が時間―温度の関係を示し、図6の(c)が時間―電圧の関係を示している。
上述のように燃料電池FCSに燃料ガス及び空気を供給して発電を開始すると、燃料電池セル2の温度が上昇し(図6の(b)参照)、燃料電池モジュールFCの電圧も上昇する(図6の(c)参照)。時刻t1(1本の燃料電池セル2あたりに基準電圧(これ以下になると、保つことができなくなる限界値。例えば、0.6V)がかかる時刻)に到達すると、電圧値が開放電圧値の80%よりも小さくならないように制御する(図6の(a),(c))。そのまま運転を継続すると、燃料電池モジュールFCの温度が更に上昇する(図5のステップS03)。更に運転を継続すると、燃料電池モジュールFCの温度が理想的な運転状態の温度である950℃に近づく(図5のステップS04)。その燃料電池モジュールFCの温度上昇に呼応して、燃料電池モジュールFCの電圧が上昇する(図5のステップS05)。更に燃料電池モジュールFCの電圧が上昇して定格出力(例えば、1kW)に到達する(図5のステップS06)。燃料電池モジュールFCの出力が定格出力に到達すると、その定格出力を保つように制御部CSは電力取出部EPに対して指示する(図5のステップS07)。
本発明でいう定常運転とは、定格出力を保った運転と、例えば1kWの定格出力に対して0.3kWなどの出力を小さくした運転または1.2kWなどの出力を大きくした運転を示す。固体酸化物形燃料電池の起動時と停止時は含まない。
本発明で利用できる固体酸化物形燃料電池の運転方法は、温度を800℃以上とすることにより、排熱を効率的に利用することができ、さらに高温では電極反応が早いため効率良く発電反応を行うことができ、排熱利用も含めた総合的な熱効率が高いという利点がある。また、運転温度を1000℃以下とすることにより、元素拡散等による材料の劣化を抑制することができ、耐久性の高い固体酸化物形燃料電池を提供することができる。このように、800℃以上1000℃以下で運転することによって、高い熱効率と高い耐久性を有する固体酸化物形燃料電池を得ることができる。
本発明で利用できる体酸化物形燃料電池セルの空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料とすることで、800℃以上でも電子伝導性が高いため発電性能に優れた固体酸化物形燃料電池セルを提供できる。
La1−ySrNi1−xFeは600℃程度の中温で高い電子伝導性を有するが、800℃以上で電子伝導性が著しく低下することが知られていた。本発明者らは様々な検討の結果、La1−ySrNi1−xFeの組成範囲を0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7とすることにより、800℃以上でも電子伝導性が低下せず、800℃以上1000℃以下の範囲において高い電子伝導性を示すことを見出した。前記組成範囲のLa1−ySrNi1−xFeを空気極として用いることにより、800℃以上1000℃以下の運転温度において高い発電性能を有する固体酸化物形燃料電池セルを得ることができる。
また、好ましくは本発明で利用できる空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.1かつ0.3≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料である。
La1−ySrNi1−xFeの組成範囲を0≦y≦0.1かつ0.3≦x≦0.7とすることによって、より高い電子伝導性を得ることができるので、さらに高い発電性能を得ることができる。また上記組成範囲では、800℃における電子伝導性と1000℃における電子伝導性の差がわずかであるため、固体酸化物形燃料電池の運転中に固体酸化物形燃料電池セル間や固体酸化物形燃料電池セル内で温度分布が生じた場合でも、電流が偏ることなく流れるため、高電流が流れることによる固体酸化物形燃料電池セルの劣化を抑制することができ、高い耐久性を得ることができる。
また、最も好ましくは本発明で利用できる空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0<y≦0.1かつ0.4≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料である。
La1−ySrNi1−xFeの組成範囲を0<y≦0.1かつ0.4≦x≦0.7とすることにより、高い強度特性とより高い電子伝導性を有する空気極を備えた固体酸化物形燃料電池セルを提供することができる。高い強度特性を有するため、固体酸化物形燃料電池の運転中に、各材料の熱膨張係数の差やモジュール容器のわずかなひずみによって生じる周辺部材などから押付け力が固体酸化物形燃料電池セルに加わっても、破損することなく運転することができ、高い耐久性を得ることができる。
本発明で利用できる固体酸化物形燃料電池セルの構造として、図7に示す円筒型の他にも、図8に示す扁平円筒型や、図9に示す平板型などを挙げることができる。
本発明で利用できる空気極は、多孔質材料からなり、高いガス透過性と高い電子伝導性を有するものが好ましい。空気極が複数の層から形成されていてもかまわない。固体電解質に近接する空気極に、組成の異なる空気極材料や、空気極材料と固体電解質材料のコンポジット材料などを用いた空気極触媒層をもうけることにより、空気からO2−イオンが生成する反応が生じる3相界面の面積を広げることができるため発電効率を向上させることができる。本発明では、空気極と空気極触媒層を合わせて空気極と呼ぶ。一例として、図10に空気極31とインターコネクター32と燃料極34と固体電解質33とを備えた円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの断面図を、図11に空気極31(a)と空気極触媒層31(b)インターコネクター32と燃料極34と固体電解質33とを備えた円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの断面図を示す。空気極触媒層31(b)は、例えば、La1−ySrNi1−xFeとジルコニア系材料のコンポジットや、La1−ySrNi1−xFeとセリア系材料のコンポジット、La1−ySrNi1−xFeとランタンガレート系材料のコンポジットなどを挙げることができる。また、例えばLa1−ySrNi1−xFeとジルコニア系材料などの割合を傾斜させてもかまわない。
空気極触媒層についても空気極と同様に、高いガス透過性と高い電子伝導性を有するものが好ましい。よって空気極触媒層についても、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7で表されるものが好ましく、さらに好ましくは、前記組成範囲が0≦y≦0.1かつ0.3≦x≦0.7で表される。
空気極の電子伝導性を向上させることによって、固体酸化物形燃料電池セルの発電性能を向上させることができる。例えば円筒型セルでは空気極を流れる電流の流路が長いため、空気極の電子伝導性を向上させることによって発電性能が大きく向上することが、本発明者らのシミュレーション結果によって算出された。発電性能を向上させることによって、単位体積あたりの出力が向上するため固体酸化物型燃料電池のコンパクト化が可能になる。また、固体酸化物型燃料電池セルに流れる電流量が大きいほど経時的な劣化が大きいことが知られているが、発電性能に優れるセルほどセルに流す電流量が少なくて済むため劣化を抑制することができ、耐久性を向上させることができる。
また、本発明における組成範囲のLa1−ySrNi1−xFeは、800℃から1000℃の温度範囲における電子伝導性の低下が少ないため、運転時に発電室内で温度分布が存在する場合でも電流集中を起こすことなく、安定して発電反応を行うことができ、耐久性の高い固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
本発明で利用できる燃料極は、ガス透過性が高く、電子伝導性が高いものが好ましい。この観点からNi合金やCo合金、Ni-Co合金、Niとジルコニア系材料のコンポジットや、Niとセリア系材料のコンポジット等が用いられる。また、燃料極は複数の層から形成されていてもかまわない。例えば、Niとイットリア安定化ジルコニアなどのコンポジット材料の割合を傾斜させたものを挙げることができる。燃料極を傾斜構造とすることにより、より高い発電性能を得ることができる。
本発明で利用できる固体電解質には、酸素イオン伝導性が高いこと、気密性に優れること、機械的強度に優れること、材料安定性に優れることが要求される。ジルコニア系材料、ランタンガレート系材料、セリア系材料などが用いられる。また、固体電解質は複数の層から形成されていてもかまわない。例えば、イットリアで安定化されたジルコニアとスカンジアで安定化されたジルコニアの2層構造や、スカンジアで安定化されたジルコニアと、イットリアで安定化されたジルコニアと、スカンジアで安定化されたジルコニアの3層構造を挙げることができる。多層構造とすることにより、発電性能や焼結性を向上させることができる。
以下に本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。なお、当然のことであるが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
出発原料として、La(OH)、SrCO、NiO、Feの各粉末を使用した。La0.98Sr0.02Ni0.56Fe0.44組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーを添加し、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。
(実施例2)
組成がLa0.97Sr0.03Ni0.70Fe0.30となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例3)
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.60Fe0.40となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例4)
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.50Fe0.50となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例5)
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.47Fe0.53となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例6)
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.33Fe0.67となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例7)
組成がLa0.94Sr0.06Ni0.65Fe0.35となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例8)
組成がLa0.94Sr0.06Ni0.53Fe0.47となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例9)
組成がLa0.90Sr0.10Ni0.45Fe0.55となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例10)
組成がLa0.80Sr0.20Ni0.50Fe0.50となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例11)
組成がLa0.80Sr0.20Ni0.40Fe0.60となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(実施例12)
出発原料として、La(OH)、NiO、Feの各粉末を使用した。LaNi0.53Fe0.47組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーを添加し、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。すなわち、本比較例はSrドープ量y=0の試料である。
以下の比較例において、比較例1、2はLa1−ySrNi1−xFeについてFeドープ量xの範囲が0<x<0.3の例である。比較例3〜7はFeドープ量xの範囲が0.7<xの例である。比較例8〜16はSrドープ量yの範囲が0.2<yの例である。また、比較例17はFeドープ量x=0、比較例18はSrドープ量y=0の例である。
(比較例1)
組成がLa0.80Sr0.20Ni0.90Fe0.10となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例2)
組成がLa0.80Sr0.20Ni0.80Fe0.20となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例3)
組成がLa0.95Sr0.05Ni0.10Fe0.90となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例4)
組成がLa0.90Sr0.10Ni0.20Fe0.80となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例5)
組成がLa0.88Sr0.12Ni0.05Fe0.95なるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例6)
組成がLa0.85Sr0.15Ni0.25Fe0.75となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例7)
組成がLa0.80Sr0.20Ni0.20Fe0.80となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例8)
組成がLa0.79Sr0.21Ni0.35Fe0.65となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例9)
組成がLa0.75Sr0.25Ni0.56Fe0.44となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例10)
組成がLa0.75Sr0.25Ni0.05Fe0.95となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例11)
組成がLa0.70Sr0.30Ni0.40Fe0.60となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例12)
組成がLa0.70Sr0.30Ni0.20Fe0.80となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例13)
組成がLa0.70Sr0.30Ni0.10Fe0.90なるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例14)
組成がLa0.63Sr0.37Ni0.47Fe0.53となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例15)
組成がLa0.61Sr0.39Ni0.19Fe0.81となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例16)
組成がLa0.45Sr0.55Ni0.18Fe0.82となるように出発原料の配合割合を変えたこと以外、実施例1と同様である。
(比較例17)
出発原料として、La(OH)、SrCO、NiOの各粉末を使用した。La0.44Sr0.56NiO組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーを添加し、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。すなわち、本比較例はFeドープ量x=0の試料である。
(比較例18)
出発原料として、La(OH)、NiO、Feの各粉末を使用した。LaNi0.97Fe0.03組成となるように所定量の出発原料を秤量し、ボールミル混合した。この混合粉末を大気中1200℃で10時間焼成し、原料粉末を得た。この粉末に有機バインダーを添加し、一軸プレス法にて角柱を成形した。この成形体を大気中1350℃で2時間焼成し、実験用試料とした。すなわち、本比較例はSrドープ量y=0の試料である。
(組成分析方法)
実施例及び比較例の組成分析方法を以下に示す。まず、標準試料作製方法について示す。標準試料は、後で述べる原料を配合し、混合し、乾燥することによって得られる。配合については、La(OH)、SrCO、NiO、Feを110℃で2時間以上乾燥させ、表1に示す元素比になるように配合した。具体的には、標準試料1は元素のmol比がLa:Sr:Ni:Fe=0.9:0.1:0.7:0.3となるように、標準試料2はLa:Sr:Ni:Fe=0.7:0.3:0.5:0.5となるように、標準試料3はLa:Sr:Ni:Fe=0.5:0.5:0.1:0.9となるように配合した。混合については、4種類の原料が均一になるまで十分に混合した。乾燥については、110℃で一晩以上乾燥した。粉体形態の3種類の標準試料についてそれぞれ、四ホウ酸リチウムを用いてガラスビードを作製し、蛍光X線分析リガク製ZSX PrimusIIを用いて以下の条件で、La、Sr、Ni、Feの強度値の測定を行った。
スペクトル Kα
X線出力 60mA、50kV
スリット S2
分析径 1mm角
分光結晶 LiF1
検出器 SC
検量線作成方法について、まずLaの場合を説明する。上記の測定により得られたLaの強度値と表1に示すLaの元素比との関係は、縦軸を強度値、横軸をLaの元素比としてグラフ化される。グラフの原点を通るように最小二乗法でプロット点の近似直線を作成して、Laの検量線を得た。Sr、Ni、Feについても同様にして検量線を得た。
実施例、比較例の元素比の求め方について説明する。全ての実施例、比較例について、実験用試料を蛍光X線分析リガク製ZSX PrimusIIを用いて標準試料と同じ条件で測定し、Laの強度値を得た。上述の方法で標準試料より作成したLaの検量線を用いて、強度値からLaの元素比を求めた。Sr、Ni、Feについても同様の方法で、それぞれの検量線から元素比を求めた。なお固体酸化物形燃料電池セルの空気極の組成を分析する際は、固体酸化物形燃料電池セルを長尺方向に垂直に切断し切断面の空気極部分を標準試料と同じ条件で測定する、もしくは空気極を粉砕し四ホウ酸リチウムを用いてガラスビード化し、標準試料と同じ条件測定すれば良い。
Figure 2009259437
(導電率評価)
実施例1〜12及び比較例1〜18の導電率について、次のように評価した。作製した実験用試料にJISR1661に基づき電流端子及び電圧端子を取り付けた。前記実験用試料を大気雰囲気800℃または900℃または1000℃の条件下にて、直流4端子法による導電率測定を行ない、(4)式より導電率を算出した。
σe=L/A×(V/I) ・・・(4)
ここで、σeは導電率、Lは電位端子間距離、Aは試料の断面積、Vは電位、Iは電流を示す。
(強度特性)
次に、実施例1、実施例2、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例10、実施例12の3点曲げ強度を以下に示す方法で評価することによって、強度特性を調べた。
実施例1、実施例2、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例10、実施例12の3点曲げ強度をJIS R1601に基づいて評価した。測定にはオートグラフ島津製作所製AGS−H1kNを用い(4)式から強度を算出した。
σb = (3×P×L)/ (2×w×t2) …(4)
ここでσbは3点曲げ強度、Pは破壊荷重、L は下部支点間距離、wは試験片の幅、tは試験片の厚さを示す。なお、サンプルサイズはw=約5mm、t=約5mmでありJIS規格と異なるものを用いたが、計算式にサンプルサイズが含まれているため、サイズが異なっていても強度値は変化しない。
(評価結果)
組成分析結果より試料組成は仕込み通りであることが確認された。実施例1〜12と比較例1〜18の導電率測定結果を表2に示す。実施例1〜12は800℃〜1000℃の温度範囲において電子伝導性が高く、いずれも300S/cm以上であった。空気極材料として従来用いられてきたLa1−ySrMnOの導電率は150S/cm程度であり、実施例1〜12は従来材料と比較して2倍以上の電子伝導性を示した。また、実施例1〜9と12は特に電子伝導性が高く、さらに800℃における導電率と1000℃における導電率の差が50S/cm未満であるため、例えば発電室内で温度分布が生じた場合でも安定して高い効率で発電反応が行えると推測された。
実施例1、実施例2、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例10、実施例12の3点曲げ強度試験結果を表3に示す。いずれも3点曲げ強度4kgf/mm以上であった。本発明者らが算出した運転時における各材料の熱膨張係数差から生じる応力値と、運転時の部材等からの押付け力を考慮すると、固体酸化物形燃料電池の運転時において固体酸化物形燃料電池セルの破損を防止するためには、3点曲げ強度4kgf/mm以上であることが好ましいことが推測される。また、経験的にも3点曲げ強度4kgf/mm以上であれば発電時の固体酸化物形燃料電池セル破損を抑制できることが観察されており、よって実施例1、実施例3〜6、実施例8、実施例9を空気極として用いることにより、強度特性と電子伝導性ともに高い固体酸化物型燃料電池を提供できる。
Figure 2009259437
Figure 2009259437
La1−ySrNi1−xFe組成図に、800℃以上1000℃以下で導電率が300S/cm以上の組成を○で、300S/cm未満の組成を×で表記した図を図12に示す。縦軸はSrドープ量yを0から1まで、横軸はFeドープ量xを0から1まで表しており、点線によって区切ってある。○横の数字は実施例番号を、×横の数字は比較例番号を表す。
図12より、La1−ySrNi1−xFe(0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7)の組成範囲で800℃以上1000℃以下における導電率が300S/cm以上であり、La1−ySrNi1−xFeを800℃以上1000℃以下で運転する固体酸化物形燃料電池セルの空気極として用いることが可能になった。また、La1−ySrNi1−xFe(0<y≦0.1かつ0.4≦x≦0.7)の範囲において高い強度を示したことから、前記組成範囲を用いることにより、800℃以上1000℃以下で運転する固体酸化物形燃料電池において、発電性能と耐久性を向上させることが可能になった。
固体酸化物形燃料電池モジュールを部分的に破断した概略的な斜視図である。 図1において空気ヘッダ側から固体酸化物形燃料電池セル側を見通す方向における横断面図である。 固体酸化物形燃料電池モジュールの縦断面図である。 固体酸化物形燃料電池の構成を示すブロック図である。 固体酸化物形燃料電池における制御フローを示す図である。 図5における電流、温度、電圧の時系列変化を示す図である。 円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの断面を示す図である。 扁平円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの断面を示す図である。 平板型の固体酸化物形燃料電池セルの断面を示す図である。 本発明で利用できる円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの断面を示す図である。 本発明で利用できる、空気極触媒層を備えた円筒型の固体酸化物形燃料電池セルの断面を示す図である。 La1−ySrNi1−xFeの組成と電子伝導性の関係を示した図である。
符号の説明
2…固体酸化物形燃料電池セル、3,4…集電部材、5…集電ロッド、6…空気ヘッダ、7…空気供給管、8…モジュール容器、9…絶縁断熱部材、10…断熱部材、21…固体酸化物形燃料電池セル集合体、25…空気導入管、26…仕切板、27…燃焼室、28…発電室、29…燃料ガス排出孔、FC…固体酸化物形燃料電池モジュール、FCS…固体酸化物形燃料電池、31…空気極、32…インターコネクター、33…固体電解質、34…燃料極

Claims (5)

  1. 空気極と、燃料極と、前記空気極と前記燃料極との間に介在する固体電解質と、を備えた固体酸化物形燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池の運転方法であって、前記空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料を備え、かつ固体酸化物形燃料電池を定常運転する際の温度が800℃以上1000℃以下になるようにすることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の運転方法。
  2. 前記組成範囲が0<y≦0.1かつ0.4≦x≦0.7で表される請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の運転方法。
  3. 空気極と、燃料極と、前記空気極と前記燃料極との間に介在する固体電解質と、を備えた固体酸化物形燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池セルであって、前記空気極は、La1−ySrNi1−xFeで表され、その組成範囲が0≦y≦0.2かつ0.3≦x≦0.7で表される成分を含む多孔質材料を備え、かつ固体酸化物形燃料電池を定常運転する際の温度が800℃以上1000℃以下でも運転可能であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル。
  4. 前記空気極の組成範囲が0<y≦0.1かつ0.4≦x≦0.7で表されることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池セル。
  5. 請求項3または4のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池セルを備えた固体酸化物形燃料電池。
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