JP2009258408A - 画像形成方法 - Google Patents

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政裕 安野
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武雄 大柴
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Abstract

【課題】ニップ幅が狭い現像ローラを用いた場合でも、帯電の立ち上がり性に優れ、トナーに安定した帯電性と搬送性を付与する画像形成方法を提供する。
【解決手段】ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を有する複合酸化物を添加したトナーを弾性層を持たない現像ローラ上に担持させ、当該トナーを感光体ドラムに供給して静電潜像を現像する画像形成方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成は、像担持体(通常電子写真感光体)上に形成された静電潜像に帯電したトナーを接触あるいは非接触方式で供給して現像を行い、形成されたトナー画像を普通紙等に転写した後、定着を行って画像形成を行うものである。
像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給する現像方法には、キャリアとトナーから構成される二成分現像剤を用いる二成分現像方式と、トナーのみ構成される一成分現像剤を用いる一成分現像方式がある。このうち、一成分現像方式は、キャリアを使用しない分、現像装置の構造を簡素化でき、装置のコンパクト化を実現する上で好ましいものである。また、近年では電子写真のカラー化の検討が進められているが、磁性体を用いないトナーを用いる非磁性一成分現像方式はフルカラーの画像形成に有力な技術の1つとして注目されている。
非磁性一成分現像方式による画像形成では、トナーを帯電付与部材に接触させたり現像ローラ面に押圧することにより摩擦帯電が行われている。この非磁性一成分現像方式の画像形成に使用される現像ローラは、導電性シャフトの外周にゴム製の弾性層を形成した構造のものが従来より用いられてきた。非磁性一成分現像方式の現像工程では、金属板あるいはローラ等の帯電部材により現像ローラ上にトナーの薄層を形成するとともに、摩擦帯電を行っている。現像ローラは、弾性層の存在により摩擦帯電が行い易い構造になっており、同時に、過度なストレスがトナーに加わらない様に設計され、これまでも弾性層の改良により安定した帯電付与の行える現像ローラの検討が行われていた(たとえば、特許文献1参照)。
ところで、画像形成装置の広範な普及に伴って、装置のさらなるコンパクト化や簡素化がますます求められている。この様な背景から、画像形成装置の構成部品にも着目してコンパクト化と簡素化の検討が行われ、現像ローラのコンパクト化や簡素化を実現する手段として、弾性層を有さないハードローラと呼ばれる現像ローラが考えられている。そして、金属製シャフト上への導電性樹脂層形成技術(たとえば、特許文献2、3参照)等を参考にして、弾性層なしでも安定した摩擦帯電性能を発現する現像ローラの開発が進められている。
特開平8−190263号公報 特開平5−257370号公報 特開平5−297710号公報
この様な弾性層をもたない現像ローラを用いて画像形成を行うと、弾性層を有する現像ローラに比べてトナー搬送量を規制するニップ幅(規制部材と現像ローラ面が接触する幅のこと)が狭くなるため、安定した摩擦帯電が行いにくかった。すなわち、ニップ幅が狭くなった分、摩擦帯電の行える時間が短くなるため、帯電の立ち上がりに影響を与え、安定した帯電と搬送をトナーに付与することが難しくなっていたのである。
また、現像ローラが硬い分、トナーに加わるストレスも増大し、摩擦帯電時にトナーを変形または破砕させて、トナー品質にも影響を与えていた。すなわち、トナーの破砕により微粉が発生し、これが現像ローラや帯電付与部材表面に付着したり固着することによりトナーフィルミングを発生させたり、装置内や作製画像の汚染の原因になっていた。特に、従来よりも低い温度で溶融、固着が行われる低温定着対応のトナーやワックスを多量に含有するオイルレス定着用トナーでその傾向は顕著にあらわれた。
本発明は、弾性層を有さない現像ローラを用いる画像形成において、現像ローラのニップ幅が狭いものであっても、帯電の立ち上がり性に優れ、トナーに安定した帯電性と搬送性を付与する画像形成方法を提供することを目的とする。
また、本発明は摩擦帯電時に生ずるストレスによるトナーの破砕や外添剤の脱離を防ぎ、トナーの固着やフィルミング、さらに装置内や作製画像への汚染を発生させることのない画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題が以下に記載の構成により解消されることを見出した。
請求項1に記載の発明は、『弾性層を有さない現像ローラ上に担持させたトナーを感光体ドラムに供給して、前記感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像する工程を有する画像形成方法であって、
前記トナーは、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなる粒子表面に、ケイ素原子、チタン原子、及び、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物を添加したものであり、
前記複合酸化物が、蛍光X線測定における全金属元素量に対する前記少なくとも2種類の原子の割合がそれぞれ1〜99質量%であることを特徴とする画像形成方法。』というものである。
請求項2に記載の発明は、『前記複合酸化物が、少なくともケイ素原子とチタン原子とを含有し、かつ、個数平均1次粒径が20nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。』というものである。
本発明によれば、いわゆるハードローラと呼ばれる弾性層を有さない現像ローラを用いたニップ幅の狭い画像形成環境においても、帯電立ち上がり性に優れ、かつ、安定したトナー帯電性とトナー搬送性を実現することができる様になった。特に、環境の影響により荷電性能が変動し易くなる低温低湿環境下や高温高湿環境下でプリント作製を行った時も所定の画質が安定して得られる様になった。
また、ニップ幅の狭い構造の現像ローラを用いるものでありながら、摩擦帯電時に強いストレスをトナーが受けてもトナー表面からの外添剤の脱離は起こらず、フィルミングの発生や画像欠陥を起こさずに安定したプリント作製が行える様になった。
本発明は、ハードローラと呼ばれる弾性層を有さない構造の現像ローラを用いてトナーの摩擦帯電を行う工程を経て、画像形成を行う画像形成方法に関する。
非磁性一成分現像方式の現像装置は、現像ローラの近傍に設置された規制部材と現像ローラにより構成される規制部において、トナーの荷電を行うとともに現像ローラ上にトナーの薄層を形成する。そして、この様に現像ローラ上に層形成されたトナーは、感光体に向かって飛翔して感光体上に形成された静電潜像を現像するものである。
弾性層をもたない現像ローラは、規制部材との幅(ニップ)を広くとることが難しい構造になっており、ニップが狭い分、弾性層を有する現像ローラに比べてトナー帯電を行う機会が少なくなっている。したがって、現像ローラ上に形成されたトナー層には十分に帯電されたトナーの他に所定量に満たない低荷電のトナーも混在していることが懸念され、低荷電のトナーで画像形成を行うと画像上にカブリを発生させるおそれがある。
また、弾性層がなくニップが狭くなっている分、弾性層を有する現像ローラで得られるレベルのトナーの帯電性や搬送性を確保することが難しくなった。また、弾性層を有しないため、従来の弾性層を有する構成と比べて所望の帯電性を得ようとすると、ニップではトナーに高い押圧力が加わることになり、トナー表面からの外添剤の脱離やトナーの破砕が懸念された。外添剤の脱離やトナーの破砕により、トナーは現像ローラや規制部材の表面に付着し易くなり、現像ローラ表面へのトナー付着によるフィルミングの発生は、現像ローラによるトナー帯電と搬送をますます困難にする。その結果、所定の画像濃度が得られず、画質への影響がさらに懸念された。
本発明者は、短時間で所定量の電荷を得られる様な帯電立ち上がり特性と、安定したトナー搬送性を付与するための流動性をトナーに付与すること、さらには、現像ローラに付着しにくい性質の外添剤の使用することにより、これらの課題を解消させようと考えた。そして、ケイ素原子、チタン原子及びアルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物を外添したトナーを用いることで、ニップの狭い現像ローラ上で良好な帯電立ち上がり性能と搬送性が得られることを見出したのである。また、この様な外添剤を用いたトナーでは高い押圧力を受けても、トナー表面からの外添剤の脱離やトナーの破砕が起きず、トナーフィルミングの発生が解消されたのである。
これは、電気的特性や粉体特性が異なる複数種類の金属原子を含有する複合酸化物がトナー表面に存在することで、トナー表面において複合酸化物を構成する各種金属原子の物理特性がバランスよく発現され、トナーの表面特性を向上させるためと考えられる。
具体的には、電気的に低抵抗のチタン酸化物やアルミニウム酸化物の存在により、トナーへの電荷の取り込みが促進され、帯電立ち上がり性能の向上に寄与しているものと考えられる。また、電気的に高抵抗のケイ素酸化物の存在により、取り込まれた電荷がトナーに安定して保持される様になり、リークの発生抑制に寄与しているものと推測される。
また、ケイ素酸化物の有する非接着性により、トナーの表面特性が改善されて流動性が付与され、押圧力の影響を受けて外添剤が脱離することがあっても現像ローラに付着しにくいので、フィルミングの発生を回避することができるものと考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、本発明に係る画像形成方法として、図1の非磁性一成分現像方式の画像形成装置を一例として説明する。図1に示す画像形成装置は、図2に示す現像装置20が搭載可能なフルカラー画像形成装置である。なお、図2に示す現像装置20が搭載可能な画像形成装置は、図1に示すものに限定されるものではない。たとえば、後述する現像装置20を直列に配置させたいわゆるタンデム型の画像形成装置にも適用することができる。
図1の画像形成装置は、回転駆動される感光体ドラム15の周囲に、感光体ドラム15表面を所定電位に均一帯電させる針電極帯電タイプの帯電装置16、感光体ドラム15上の残留トナーを除去するクリーナ17が設けられている。
レーザ走査光学系18は、帯電装置16により均一帯電された感光体ドラム15上を走査露光し、感光体ドラム15上に静電潜像を形成する。レーザ走査光学系18は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵し、その制御部にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送される。そして、上記各色の印字データに基づいて、レーザビームが順次出力され、感光体ドラム15上を走査露光して、各色毎の静電潜像を形成する。
現像装置20を収納した現像装置ユニット30は、静電潜像が形成された感光体ドラム15に各色トナーを供給して現像を行う。現像装置ユニット30には、支軸33の周囲にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各非磁性1成分トナーをそれぞれ収納した4つの現像装置20Y、20M、20C、20Bkが装着され、支軸33を中心に回転して、各現像装置20が感光体ドラム15と対向する位置に導かれる。
現像装置ユニット30は、レーザ走査光学系18により感光体ドラム15上に各色の静電潜像が形成される毎に、支軸33を中心に回転し、対応する色のトナーを収容した現像装置20を感光体ドラム15に対向する位置に導く。そして、各現像装置20Y、20M、20C、20Bkより感光体ドラム15上に、帯電された各色トナーを順次供給して現像を行う。
図1の画像形成装置は、現像装置ユニット30より感光体ドラム15の回転方向下流側に無端状の中間転写ベルト40が設けられ、感光体ドラム15と同期して回転駆動する。中間転写ベルト40は、1次転写ローラ41により押圧された部位で感光体ドラム15と接触し、感光体ドラム15上に形成されたトナー画像を転写する。また、中間転写ベルト40を支持する支持ローラ42と対向して、2次転写ローラ43が回転可能に設けられ、支持ローラ42と2次転写ローラ43との対向する部位で、中間転写ベルト40上のトナー画像が記録紙等の記録材S上に押圧転写される。
なお、現像装置ユニット30と中間転写ベルト40との間には、中間転写ベルト40上の残留トナーを除去するクリーナ50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
記録材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、記録材Sを収容する給紙トレイ61と、給紙トレイ61に収容した記録材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラ62、給紙した記録材Sを2次転写部位に送るタイミングローラ63より構成される。
トナー画像が押圧転写された記録材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着装置70に搬送され、定着装置70で転写されたトナー画像が記録材S上に定着される。定着後、記録材Sは垂直搬送路80を搬送され、装置本体100の上面に排出される。
次に、本発明に係る画像形成方法に使用可能な現像装置の一例として、図2に示す非磁性一成分現像方式の現像装置を説明する。現像装置20は「トナーカートリッジ」とも呼ばれ、トナーを収納したトナー収納部に加えて現像ローラ等の構成部材が一体に配置されたユニットの形態を有し、装置をそのまま画像形成装置に装填することでトナー補給が行える様に設計されている。
現像装置20は、現像ローラ10、現像ローラ10の左側に設けられたバッファ室22、バッファ室22に隣接するホッパ23を有する。ホッパ23は前述したトナー収納部に該当するものである。現像ローラ10は、図示しないモータにより図中反時計回り方向に回転駆動され、図示しない画像形成装置に組み込まれた状態にある像担持体と接触または近接する。
バッファ室22には、トナー層規制部材であるブレード24が現像ローラ10に圧接させた状態で配置されている。ここで、ブレード24はトナーの層厚を規制するとともに、現像ローラ上に担持されたトナーを荷電する帯電付与部材として機能するものである。また、現像ローラ10には供給ローラ26が押圧されている。供給ローラ26は、図示しないモータにより現像ローラ10と同一方向(図中反時計回り方向)に回転駆動することにより、現像ローラ10表面にトナー供給を行う。供給ローラ26は、導電性の円柱基体と基体の外周にウレタンフォームなどで形成された発泡層を有する。
トナー層規制部材であるブレード24は、現像ローラ10上のトナーの帯電量及び付着量を規制するものである。また、現像ローラ10の回転方向に対してブレード24の下流側に、現像ローラ10上でのトナーの帯電量や付着量の規制を補助する補助ブレード25をさらに設けることも可能である。
帯電付与部材としても機能するブレード24は、現像ローラ上でトナーの均一な薄層を形成するとともにトナーの摩擦帯電を行う。ブレード24は、ある程度の弾性を有する部材で作製され、現像ローラに当接することにより現像ローラ上にトナーの薄層を形成する。トナー層規制部材であるブレード24は、ステンレスやリン青銅をそのまま使用する他に、これらの表面にウレタン樹脂やエポキシ樹脂をコーティングしたものや、シリカやチタン酸化合物等の無機化合物をゾルゲル法等によりコーティングしたものが使用できる。また、シリコンゴムやウレタンゴム等のJIS Aに規定される硬度が40°〜90°の弾性材料も使用できる。
現像ローラ上に形成されたトナーの薄層は、トナー粒子が最大で10個分、好ましくは5個分以下の厚さを有するものである。具体的には、静電潜像担持体11の周速を100mm/sec、現像ローラ10の周速を200mm/sec、トナー規制部材24の現像ローラ10への押圧力を10〜100N/mとしたとき、トナー粒子約1.5個分の厚みの層を形成することができる。
また、ブレード24の現像ローラへの当接力は、100mN/cm〜5N/cmが好ましく、200mN/cm〜4N/cmが特に好ましい。当接力をこの範囲内にすることにより、搬送ムラを起こさずにトナー搬送が行えるので、白スジ等の画像不良の発生が回避される。また、当接力を上記範囲とすることにより、トナーを変形、破砕させずに現像ローラ上でトナー層を形成し摩擦帯電を行うことができる。
この様に、現像装置20では、現像ローラ10とトナー層規制部材であるブレード24とがそれぞれ当接する様に配置され、トナー層規制部材により現像ローラ上にトナーの薄層が形成される。そして、現像ローラ上に薄層化され、かつ、摩擦帯電したトナーは像担持体上に供給されることにより、像担持体上に形成された静電潜像を可視画像化できる。
現像装置20を構成するホッパ23には、一成分現像剤であるトナーTが収納されている。また、ホッパ23にはトナーTを撹拌する回転体27が設けられている。回転体27には、フィルム状の搬送羽根が取付けられており、回転体27の矢印方向への回転によりトナーTを搬送する。搬送羽根により搬送されたトナーTは、ホッパ23とバッファ室22を隔てる隔壁に設けられた通路28を介してバッファ室22に供給される。なお、搬送羽根の形状は、回転体27の回転に伴い羽根の回転方向前方でトナーTを搬送しながら撓むとともに、通路28の左側端部に到達すると真っ直ぐの状態に戻るようになっている。このように羽根はその形状を湾曲状態を経て真っ直ぐに戻るようにすることでトナーTを通路28に供給する。
また、通路28には通路28を閉鎖する弁281が設けられている。この弁はフィルム状の部材で、一端が隔壁の通路28右側面上側に固定され、トナーTがホッパ23から通路28に供給されると、トナーTからの押圧力により右側に押されて通路28を開けるようになっている。その結果、バッファ室22内にトナーTが供給される。
また、弁281の他端には規制部材282が取り付けられている。規制部材282と供給ローラ26は、弁281が通路28を閉鎖した状態でも僅かな隙間を形成する様に配置される。規制部材282は、バッファ室22の底部に溜まるトナー量が過度にならないように調整するもので、現像ローラ10から供給ローラ26に回収されたトナーTがバッファ室22の底部に多量に落下しないように調整される。
現像装置20では、画像形成時に現像ローラ10が矢印方向に回転駆動するとともに供給ローラ26の回転によりバッファ室22のトナーが現像ローラ10上に供給される。現像ローラ10上に供給されたトナーTは、ブレード24、補助ブレード25により帯電、薄層化された後、像担持体との対向領域に搬送され、像担持体上の静電潜像の現像に供される。現像に使用されなかったトナーは、現像ローラ10の回転に伴ってバッファ室22に戻り、供給ローラ26により現像ローラ10から掻き取られ回収される。
また、現像装置20に設けられる現像バイアス電源装置29は、現像バイアス電圧Vbの設定値(例えば500V程度)を出力する直流電圧電源と交番電界(例えばVppが2.0kV、周波数2kHz)を形成する交流電源装置より構成される。なお、「Vpp」とは、交番電圧波形の振幅の山と谷の差であるピーク・トゥー・ピーク電圧を示す。
画像形成時、静電潜像担持体11が、帯電装置(図示せず)により例えば800V程度の電位に一様に帯電され、その後、所定部分がレーザ等の光学ヘッドにより露光されると、例えば100V程度の電位に減衰されて静電潜像が形成される。
現像領域では、現像バイアス電源装置29から印加される現像バイアス電圧Vbと交番電圧により形成される電界の作用により、現像ローラ10上で薄層形成していたトナーが現像ローラ10周面から飛翔してパウダクラウド化する。そして、静電潜像が形成されている静電潜像担持体上にトナーを供給することで静電潜像が現像されトナー像が形成される。
次に、本発明に使用される現像ローラについて説明する。
本発明で使用される現像ローラは、弾性層とよばれるゴム等で作製された弾力性を有する層を有さない構造のもので、いわゆるハードローラとも呼ばれるタイプの現像ローラである。また、ハードローラの表面状態としては、JIS B0601に規定する表面粗さ(Rmax)で2μm〜16μmにすることが好ましく、微細な凹凸構造中の凸部の平均間隔(S)を50μm〜200μmにすることが好ましい。
本発明に使用可能な現像ローラの概略図を図3に示す。図3には本発明に使用可能な現像ローラの外観とともに、(a)〜(e)に本発明に使用可能な現像ローラ10の断面構造の例を示している。
本発明に使用可能な現像ローラ10のうち、図3(a)〜(d)に示す断面構造を有するものは、導電性のシャフト11とシャフト11上に樹脂層12を有するものである。図3の(a)と(c)で表される断面構造を有する現像ローラ10はシャフト11の周りに1層の樹脂層を有するのであり、図3の(b)と(d)で表される断面構造を有する現像ローラ10は表面層122と中間層121からなる多層構造の樹脂層12を有するものである。また、図3の(c)と(d)で表される断面構造を有する現像ローラ10は、現像ローラ表面に粗さを付与するために樹脂層12中に粒子13を含有させた構造のものである。
また、図3(e)に示す断面構造を有する現像ローラ10は樹脂層12を有さず、シャフト11の外周面上に直接粗面化処理を施して現像ローラ表面に粗さを付与しており、代表的なものにブラストローラと呼ばれるタイプがある。
現像ローラ10に使用されるシャフト11は、導電性の部材で構成され、具体的には、SUS304等のステンレス鋼、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の金属材料が好ましい。また、前述した金属の粉体物やカーボンブラック等の導電性材料を樹脂中に充填させた導電性樹脂も使用可能である。
シャフト11は、公知の方法で作製され、たとえば、押出成形や引抜き成形等により円筒体を形成し、円筒体の両端にインロー加工を施した後、フランジ部材を取り付ける。次に、円筒体の外径とフレを所定寸法公差内に収まる様に円筒体の外周面に切削、研削加工を施すことにより作製することができる。
図3の(e)に示す現像ローラ10に使用されるシャフト11は、表面に粗面化処理を施すことが好ましい。粗面化処理の具体的な方法としては、たとえば、圧縮空気に研磨剤粒子を混ぜて吹き付けを行うサンドブラスト処理と呼ばれる処理方法が代表的なものとして挙げられる。サンドブラスト処理用の研磨剤粒子としては、たとえば、アランダム等のアルミナ系研磨剤やガラスビーズ、スチールショットやステンレスビーズ等の金属粒子、カーボランダム等の炭化珪素系研磨剤、ナイロン樹脂等のプラスチック系研磨剤等が挙げられる。
図3に示す現像ローラ10を構成するシャフト11の外径は、5mm〜30mmが好ましく、10mm〜20mmがより好ましい。シャフト11は、現像ローラ表面に蓄積する不要な電荷をリークし易くさせるために、その比抵抗を1×10Ω・cm以下にすることが好ましい。
図3(a)〜(d)に示す現像ローラ10に配置される樹脂層12は、その表面でトナー層を形成させ、摩擦によりトナーを帯電させるものである。また、樹脂層12はシャフト11との間に強固な接着力を発現させることが求められる。樹脂層12に使用可能な樹脂は、前述した性能を発現することができるものであれば、特に限定されるものではなく、公知の樹脂を用いることができる。具体的には、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、変性されたシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、樹脂層12は、ある程度の導電性を有することが求められ、カーボンブラックに代表される導電性物質を分散させることが好ましい。この様に、樹脂層12中にカーボンブラック等の導電性物質を分散含有させることで、樹脂層12にある程度の導電性が付与されるので、現像ローラ表面に残留した不要な電荷を導電性シャフト11よりリークさせることができる。
次に、図3の(b)と(d)に示す様な2層構造の樹脂層12(中間層121、表面層122)を有するハードローラに好適に使用できる樹脂について説明する。
最初に中間層に使用可能な樹脂について説明する。中間層用の樹脂として好適に使用可能な例として、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を主成分とする樹脂が挙げられる。これは、ポリウレタン骨格を有し、シリカ構造と一体となったものであり、特に限定されるものではないが、たとえば、特開2002−220431号公報に開示された方法で得ることができる。
すなわち、少なくとも多価アルコールと多価イソシアネート化合物とから得られ、かつ、エポキシ基と反応性を有する官能基とを有するポリウレタン樹脂(1)と、分子中に少なくとも1つ以上の水酸基を有するエポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)とを脱アルコール反応させて得られるエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物とを反応させてアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂を作製する。そして、硬化反応を行うことにより、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を作製する。なお、反応中にアミンを添加することによりイソシアネート基とアミノ基を反応させ、ウレア結合を形成させることもできる。ウレア結合とウレタン結合とを共存させることにより、分子間の密着性が向上して耐久性を向上させることができるので好ましい。
当該多価アルコールとしては、特に限定されないが、たとえば、末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。当該多価アルコールは、硬化物の力学物性や弾性付与の観点から、ある程度高分子量化したものが好ましく、数平均分子量で1000〜6000の範囲内のものが好ましい。なお、数平均分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)にてスチレン換算数平均分子量として算出することができる。
また、ポリウレタン−シリカハイブリッド体に高温耐久性等の性能を付与する観点から、前記多価アルコールのうちでもポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが特に好適である。
当該ポリエステルポリオールとしては、たとえば、以下の飽和もしくは不飽和の低分子グリコール類やアルキルグリシジルエーテル類、モノカルボン酸グリシジルエーテル類等の公知の化合物が挙げられる。すなわち、
・飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等
・アルキルグリシジルエーテル類;n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等
・モノカルボン酸グリシジルエステル類;バーサティック酸グリシジルエステル等。
また、以下に挙げる二塩基酸やこれらに対応する酸無水物、ダイマー酸、ひまし油及びその脂肪酸等とを脱水縮合させて得られるポリエステルポリオール類も好ましく用いられる。二塩基酸には、たとえば、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等が挙げられる。
また、環状エステル化合物を開環重合させて得られるポリエステルポリオール類も挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、以下に挙げる多価アルコールを用いた公知の縮合反応を経て得られるものである。すなわち、
・多価アルコールとジメチルカーボネートの脱メタノール縮合反応
・多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱ウレタン縮合反応
・多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応等
これらの反応に使用可能な多価アルコールとしては、以下の飽和もしくは不飽和の低分子グリコール類や脂環族グリコール類等が挙げられる。
・飽和もしくは不飽和の低分子グリコール類;1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等
・脂環族グリコール類;1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等。
また、ポリエーテルポリオールには、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の開環重合により形成されるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(1)の構成成分である多価イソシアネート化合物には、芳香族、脂肪族あるいは脂環族の各種公知の多価イソシアネート類を使用することができる。その中でもジイソシアネート化合物は弾性付与の観点から好ましい。
以下にジイソシアネート化合物の具体例を挙げる。すなわち、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等。
また、ポリウレタン樹脂(1)には分子鎖を伸長させるための鎖伸長剤を使用することが可能である。鎖伸長剤には以下のものが挙げられる。すなわち、
・前記ポリエステルポリオールの項で述べた低分子グリコール類
・ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等、分子内にカルボキシル基を有するグリコール類
・エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等のポリアミン類
・L−リジン、L−アルギニン等のアミノ酸類。
鎖伸長剤にアミン類を使用することにより、ポリウレタンの分子内にウレア結合を形成することができる。ウレア結合の量はモル比でウレタン結合に対して1〜10モル%とすることが好ましく、この量は反応時にグリコール類を99〜90モル%とし、アミン類を1〜10モル%添加することにより実現することができる。ウレア結合とウレタン結合が分子内に共存することにより、ポリウレタンの分子間に水素結合による相互作用が発現され、樹脂層の耐久性や接着性を向上させることができる。ウレア結合の量が少なすぎると分子間相互作用が低下して接着性を向上させることが難しくなる。また、ウレア結合の量が多すぎると分子間相互作用は向上するものの、ウレア結合が過剰に存在することで反発が起きて接着性がかえって低下してしまう。
また、ポリウレタン樹脂には、分子量を調節するために重合停止剤を使用することが可能である。重合停止剤としては、たとえば、以下の様なものが挙げられる。
(a)アルキルモノアミン類;ジ−n−ブチルアミン、n−ブチルアミン等
(b)アミノ酸類;D−アラニン、D−グルタミン酸等
(c)アルコール類;エタノール、イソプロピルアルコール等
(d)カルボキシル基を有するアルコール類;グリコール酸等。
ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基と反応性を有する官能基は、ポリウレタン樹脂(1)の末端、主鎖のいずれに存在していてもよい。かかる官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの酸性基、アミノ基、水酸基、メルカプト基などが挙げられる。この中でもエポキシ基との反応性や官能基付与容易性の点から、酸性基やアミノ基が好ましい。ポリウレタン樹脂(1)に酸性基を付与する方法は特に限定されないが、たとえば、前記の鎖伸長剤や重合停止剤として前述の官能基を有する化合物を使用することで、官能基を付与することができる。
ポリウレタン樹脂(1)の製造法には、たとえば、以下のものがある。すなわち、高分子ポリオールとジイソシアネート化合物ならびに必要に応じて鎖伸長剤あるいは重合停止剤を適当な溶媒中で一度に反応させる一段法が挙げられる。また、以下の手順でポリウレタン樹脂(1)を作製する行う二段法が挙げられる。二段法は最初に高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰な条件下で反応させて高分子ポリオール末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製する。次いで、これを適当な溶媒中で鎖伸長剤及び必要に応じて重合停止剤と反応させることによりポリウレタン樹脂を作製するものである。均一なポリマー溶液を得るという視点では二段法が好ましい。
これらの製造法において使用される溶剤としては下記のものが挙げられる。下記の溶剤を単独または混合して使用できる。
・芳香族系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等
・エステル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等
・アルコール系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等
・ケトン系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
・その他;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等。
また、ポリウレタン樹脂(1)にアミノ基を付与する方法は、特に限定されるものではないが、たとえば、プレポリマーの末端イソシアネート基に対し、アミノ基が過剰になる様にポリアミン類を反応させる方法がある。ポリウレタン樹脂(1)におけるエポキシ基反応性官能基の量は、特に制限されるものではないが、通常は0.1〜20KOHmg/gが好ましい。0.1KOHmg/g未満になると、得られるポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の柔軟性や耐熱性が低下し、また、20KOHmg/gを超えると、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体の耐水性が低下する傾向がある。なお、ポリウレタン樹脂中にウレア結合を有するものは層間接着性がより好ましい。
一方、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2)は、前述した様に、エポキシ化合物(A)とアルコキシシラン部分縮合物(B)との脱アルコール反応により得られるものである。かかるエポキシ化合物(A)は、1分子中に水酸基を1つ有するエポキシ化合物であれば、エポキシ基の数は特に限定されるものではない。また、エポキシ化合物(A)は、分子量が小さいものほどアルコキシシラン部分縮合物(B)に対する相溶性がよく、耐熱性や密着性付与効果が高いことから炭素数が15以下のものが好適である。
エポキシ化合物(A)の具体例としては以下のものがある。すなわち、
・分子末端に1つの水酸基を有するモノグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンと、水や2価アルコールまたはフェノール類とを反応させて得られるもの
・分子末端に1つの水酸基を有するポリグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンと、グリセリンやペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールとを反応させて得られるもの
・分子末端に1つの水酸基を有するエポキシ化合物;エピクロロヒドリンとアミノモノアルコールとを反応させて得られるもの
・分子中に1つの水酸基を有する脂環式炭化水素モノエポキシド;たとえば、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール等
これらのエポキシ化合物の中でも、グリシドールは耐熱性付与効果の点とアルコキシシラン部分縮合物(2)との反応性も高いので最も優れている。
また、アルコキシシラン部分縮合物(B)は、下記一般式(a)で表される加水分解性アルコキシシランモノマーを酸またはアルカリ水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。
一般式(a):R Si(OR4−p
(式中、pは0または1を示す。Rは、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。Rはメチル基またはエチル基を示し、R同士はそれぞれ同一のものでも異なるものでもよい。)
一般式(a)で表される加水分解性アルコキシシランモノマーの具体例を以下に示す。
・テトラアルコキシシラン類;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン等
・トリアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等。
これらアルコキシシラン部分縮合物(B)は、前記例示のものを特に制限なく使用できるが、上記例示化合物を2種類以上混合使用する場合には、アルコキシシラン部分縮合物(B)を構成する全てのアルコキシシランモノマー中にテトラメトキシシランを70モル%以上用いることが好ましい。なお、ポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体中に含まれるシラン骨格の割合を1質量%以上30量%以下とすることにより非常に安定した接着性が発現する。
アルコキシシラン部分縮合物(B)は、たとえば、下記に示す一般式(b)または(c)で示される。
Figure 2009258408
(式中、Rは、炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。Rはメチル基またはエチル基を示し、R同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2009258408
(一般式(c)中、Rは一般式(b)中のRと同じ。)
以上説明したポリウレタン樹脂−シリカハイブリッド体を用いて、図3の(b)と(d)に示す構造のハードローラの樹脂層12のうちの中間層を形成することが可能である。中間層の形成方法は、たとえば、中間層を構成する樹脂成分の粘度等に応じて、ディッピング、スプレー、ロールコートまたは刷毛塗り等の公知の塗布法が挙げられる。
次に、表面層に用いられる樹脂について説明する。表面層の形成に好適な樹脂として、シリコーン共重合ポリウレタン樹脂が挙げられ、2官能以上の多価イソシアネート基及び2官能以上の水酸基を有するシリコーン骨格を分子中に有する化合物より合成できる。この中でも、JIS A 硬度が60〜90°、100%モジュラスが5×10〜3×10Paのものである。
表面層の形成に使用されるシリコーン共重合ポリウレタン樹脂は、特に限定されるものではないが、特公平7−33427号公報等に開示されるものを使用することができる。前記文献では、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分及び必要に応じて鎖伸長剤成分を反応させてポリウレタン系樹脂を製造する際、ポリオール成分の少なくとも一部が活性水素を含有するシロキサン化合物とラクトン類との共重合体であるポリウレタン系樹脂を製造するものである。すなわち、ポリオール、ポリイソシアネート、必要に応じて鎖伸長剤等を反応させてポリウレタン系樹脂を得るに際して、ポリオールの全部または一部に活性水素を含有するシロキサン化合物とラクトン類との共重合体を使用して得られる。
活性水素を含有するシロキサン化合物の好ましい例としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
(1)アミノ変性シロキサン
Figure 2009258408
(2)エポキシ変性シロキサン
Figure 2009258408
上記エポキシ変性シロキサンは、分子中のエポキシ基をポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸等と反応させて、末端に活性水素を存在させることで使用が可能になる。
(3)アルコール変性シロキサン
Figure 2009258408
Figure 2009258408
(4)メルカプロ変性シロキサン
Figure 2009258408
(5)カルボキシル変性シロキサン
Figure 2009258408
表面層に使用される活性水素を含有するシロキサン化合物は、上記例示化合物に限定されるものではなく、市場から容易に入手可能な公知のものも使用できる。なお、上記シロキサン化合物のうち1官能の化合物はラクトン類と共重合後、末端NCOのポリウレタンと反応させてポリウレタン中に組込むことができる。
活性水素を含有するシロキサン化合物と反応可能なラクトン類は、置換基を有していてもよく、置換基は炭素数1〜5のアルキル基やアリール基等でこれらは各々同一でも異なっていてもよい。
表面層の形成に最も好適なラクトン類としては、たとえば、以下のモノアルキル−ε−カプロラクトン類が挙げられる。すなわち、ε−カプロラクトン、モノメチル−ε−カプロラクトン、モノエチル−ε−カプロラクトン、モノプロピル−ε−カプロラクトン、モノドデシル−ε−カプロラクトン等。あるいは、2個のアルキル基の双方がε−位置の炭素原子に結合せず別個の炭素原子に夫々置換しているジアルキル−ε−カプロラクトン類が挙げられる。また、ラクトン環のε−位置の炭素原子がジ−置換されていないので他の2個又は3個の炭素原子が3個のアルキル基によって置換されているトリアルキル−ε−カプロラクトン類やエトキシ−ε−カプロラクトンの様なアルコキシ−ε−カプロラクトン類がある。さらに、シクロヘキシル−、フェニル−、ベンジル−ε−カプロラクトン等の様なシクロアルキル−ε−カプロラクトン類やアリール−ε−カプロラクトン類、アラルキル−ε−カプロラクトン類等が挙げられる。
前記シロキサン化合物と上記カプロラクトン類との反応は、両者を混合し、好ましくは窒素気流下で適当な触媒を使用して150〜200℃の温度下で数時間〜十数時間反応させるもので、シロキサン変性ポリカプロラクトン共重合体が作製される。前記シロキサン化合物と上記カプロラクトン類は、任意の反応比で反応することができるが、表面層用の樹脂を作製する場合は、カプロラクトン類100質量部に対してシロキサン化合物10〜80質量部の割合で反応させることが好ましい。シロキサン化合物の量が少なすぎると、最終的に得られるポリウレタン系樹脂の非粘着性や耐ブロッキング性等が不十分となり、逆に、シロキサン化合物の量が多すぎると、得られるポリウレタン系樹脂の光学的透明性が低下するので好ましくない。
また、上記共重合体と後述するポリイソシアネートとを、共重合体の水酸基またはポリイソシアネート基のイソシアネート基の少なくとも一方が残る様に反応させて得られる中間体も同様に使用できる。この様な中間体の例としては、2官能の共重合体と多官能のポリイソシアネートをイソシアネート基リッチで反応させたものや、逆に、共重合体の反応性基をリッチにして反応させたものが挙げられる。
さらに、共重合体とポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール等も同様にして使用することができる。
前記シロキサン変性ポリカプロラクトン共重合体と併用が可能なポリオールとしては、従来公知のポリウレタン用ポリオールがいずれも使用できるが、その中でも末端基が水酸基であって数平均分子量が300〜4,000となる以下のものが好ましい。すなわち、
ポリエチレンアジペート、ポリエチレンプロピレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンアジペート、カーボネートポリオール、ポリプロピレングリコール等、及び上記ポリオール中に適当な量のポリオキシエチレン鎖を含有するものが挙げられる。
有機ポリイソシアネートとしては、従来公知のいずれのものも使用できるが、好ましいものとして以下のものが挙げられる。すなわち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化MDI、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。また、これらの有機ポリイソシアネートと低分子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシアネートとなる様に反応させて得られるウレタンプレポリマー等も使用できる。
鎖伸長剤としては、従来より公知の化合物が使用できるが、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、イソホロンジアミン、m−キシリレンジアミン、ヒドラジン、水等が好ましい。
上述した材料から得られるポリウレタン系樹脂のうち、特に好ましいものは、シロキサン−カプロラクトン共重合体セグメントがポリウレタン系樹脂分子中で約10〜80質量%を占めるものである。約10質量%未満では非粘着性、耐ブロッキング性等の発現が不十分となり、一方、80質量%を超えると得られるポリウレタン系樹脂の透明性と可撓性が不十分になるので好ましくない。また、分子量は数平均分子量で2万〜50万のものが好ましく、数平均分子量で2万〜25万のものが最も好ましい。
また、上記共重合体とポリイソシアネートとをイソシアネートリッチの状態で反応させて、少なくとも1個の遊離のイソシアネート基を有するポリウレタン系樹脂とし、これを他の被膜形成用樹脂と併用してそれらの変性剤として用いることもできる。
以上の様なシロキサンカプロラクトン共重合体のセグメントを含有するポリウレタン系樹脂は、従来公知の製造方法により作製することができる。これらのポリウレタン系樹脂は、無溶剤で作製することも有機溶剤中で作製することもできるが、工程的に有機溶剤中で作製することにより、得られる溶液がそのまま各種用途に利用できるメリットがある。
この様な有機溶剤として好ましいものには以下のものがある。すなわち、
・ケトン類;メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、アセトン等
・エステル類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等
・その他;シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等。
この様に、ポリウレタン系樹脂にシロキサン化合物とカプロラクトンとの共重合体セグメントを導入することにより、非粘着性、耐ブロッキング性、可撓性等に優れるとともに、光学的に透明性に優れたポリウレタン系樹脂が提供される。
次に、現像ローラの電気特性について説明する。
現像ローラの導電性は、体積抵抗率(体積抵抗、体積抵抗値)により評価することが可能である。体積抵抗率は公知の方法により測定が可能である。
本発明に使用される現像ローラは、以下に示す測定方法による体積抵抗率が、1×10〜1×10Ω・cmであるとき、適度な導電性を示すと判断される。現像ローラの体積抵抗率が1×10〜1×10Ω・cmのとき特に好ましい。現像ローラの体積抵抗率が上記範囲のとき、現像ローラ表面に生じた電荷が適度にリークし、かつ適度にリークが抑制されることから好ましい。
現像ローラの体積抵抗率は、たとえば、図4に示す様な装置を用いて測定を行う金属ローラ電極法と呼ばれる方法により測定できる。
金属ローラ電極法による体積抵抗率の測定は以下の手順で行うものである。すなわち、ステンレス製の電極ローラ101を現像ローラ10上に接触させ、電極ローラ101の自重と合わせ9.8Nで押圧する。この状態でローラを回転させながら、現像ローラ10の一端に+100Vの電圧を印加して電流値を計測し、下記式(1)より現像ローラの体積抵抗率を算出する。なお、測定条件を以下に示す。
R=V/I 式(1)
〔測定条件〕
測定環境:23℃、57RH%
印加電圧:+100V
ローラ回転数:27rpm
電極ローラ荷重:9.8N(電極ローラ自重含む)
電極ローラ有効幅:230mm(径30mm)
測定項目:電流値(電圧印加 5sec後の平均値)
また、図3の(c)と(d)に示す様に、樹脂層12中に粒子13を含有させて現像ローラ10表面に粗さを付与する場合、粒子13は平均1次粒径が5μm〜30μmであり、樹脂層12中への含有量が10質量%〜50質量%とすることが好ましい。粒子13により現像ローラ10の表面に粗さが付与されると、現像ローラ表面でのトナー搬送性を向上、安定化させることができる。
樹脂層12に含有可能な粒子13の材質は、特に限定されるものではなく、たとえば、スチレン樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等の架橋粒子や、シリカ、ジルコニア等の無機微粒子が挙げられる。
さらに、本発明で使用される現像ローラは、シャフト11上に樹脂溶液を塗布することにより樹脂層12の形成を行うことが好ましく、粒子13は溶剤の影響で膨潤等変性しないものが好ましい。この視点から、粒子13は架橋構造等の耐溶剤性に優れた構造を有するものが特に好ましく、たとえば、架橋構造を有するアクリル樹脂は特に好ましいものの1つといえる。また、粒子13の粒径は、現像ローラ表面の粗さを均一にする視点から均一なものであることが好ましい。
次に、本発明に使用される現像ローラの製造方法の例について説明する。ここでは、本発明に使用可能な現像ローラの1つである樹脂コートタイプの現像ローラの製造方法について説明する。樹脂コートタイプの現像ローラは、導電性を有するシャフトの周りに、樹脂を溶解させた塗布液を塗布し、塗布後、加熱処理を施して樹脂層を乾燥させることにより作製が可能である。また、上記樹脂層の上にさらに樹脂を熔解させた塗布液を塗布して、同様の加熱処理を行うことにより、図3(b)や(d)等に示す多層構造の現像ローラを作製することも可能である。以下、本発明に使用する現像ローラの作製手順についてさらに説明する。
先ず、導電性を有するシャフトの周りに形成する樹脂層を形成する材料を有機溶剤に混合し、溶解することにより樹脂層形成用塗布液を作製する。すなわち、樹脂層形成用塗布液を作製する際、必要に応じて、ローラ表面に粗さを付与する粒子13やカーボンブラック等の導電性物質を含有させて、塗布液を作製することができる。
塗布液を作製する際には、塗布液中の成分が均一になることが好ましく、たとえば、粗さを付与する粒子13やカーボンブラック等を樹脂とともに添加して塗布液を作製する場合、カーボンブラック等の添加成分が塗布液中で均一に分散する様に調製することが好ましい。塗布液を調製する手段としては、たとえば、「ダイノーミルTILAB(シンマルエンタープライゼス社製)」に代表されるサンドグラインダ型の分散装置等が挙げられる。サンドグラインダ型の分散装置では、たとえば、直径0.5mmのガラスビーズやジルコニアビーズ等を使用して分散処理が行われる。カーボンブラックや粗さを付与する粒子等の成分を均一分散させる塗布液を作製する際には、液中で粒子をはじめとする成分が変形、破砕しない様に分散処理を行う必要がある。この様にして塗布液を作製する。
次に、導電性シャフト上に前述の樹脂層形成用塗布液を塗布する。塗布方法は、樹脂層形成用塗布溶液の粘度等に応じて種々の方法を選択することが可能である。具体的な塗布方法としては、具体的にはディッピング法、スプレー法、ロールコート法または刷毛塗り法等の方法が挙げられ、本発明ではこれらの塗布方法を限定するものではない。
導電性シャフト上に樹脂層形成用塗布液を塗布後、乾燥及び加熱処理(温度;120〜200℃、処理時間;20〜90分)を行って樹脂層形成用塗布液中の溶剤を除去することにより、樹脂層を形成する。
また、上記手順による樹脂層形成の前後に、別の樹脂層形成用塗布液を塗布することで、図3の(b)や(d)に示す中間層と表面層からなる多層構造の現像ローラを作製することも可能である。なお、図3(b)や(d)に示す中間層と表面層を有する現像ローラをコートローラともいう。
このコートローラにおいて、中間層及び表面層の厚みをそれぞれ3〜30μmの範囲に設定することが好ましく、それぞれの層を5〜20μmに設定することが特に好ましい。なお、中間層や表面層の厚みは、コートローラより表面層、中間層を含む断面試料を採取し、これの顕微鏡写真に基づいて算出される。
なお、本発明に使用される現像ローラは、シャフト11の外周に形成する樹脂層が図3に示す単層や2層のものに限定されるものではなく、適宜の数の層を形成して2層以上としてもよい。また、樹脂層12を構成する複数の層のうち最表面に位置するものを表面層ということができる。
以上の手順により、導電性のシャフトの周りに樹脂層を形成してなる現像ローラの作製が可能である。
次に、本発明に使用される特定の複合酸化物を外添剤として用いたトナーについて説明する。
本発明に使用されるトナーは、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物を外添剤として用いて形成されたものである。この様な外添剤を添加したトナーを用いることで、導電性のシャフト上に樹脂層を直接形成した構造の現像ローラを用いた画像形成で、良好な帯電立ち上がり性能と搬送性を発現させることができる様になったのである。また、トナーに高い押圧力が加わる状況にあるにも係わらず、トナーが現像ローラや規制部材に強く付着することがなく、トナー付着による現像ローラ表面におけるフィルミングの発生を解消することができる。
上記複合酸化物を外添剤として用いたトナーが良好な帯電立ち上がり性能を発現する様になった理由は以下の様に考えられる。先ず、電気的に低抵抗のチタン酸化物やアルミニウム酸化物の存在により、トナー表面への電荷の取り込みが行い易くなり、トナー帯電を行う機会が構造上少ない現像ローラ表面でも短時間のうちに荷電が行える様になったことが考えられる。特に、本発明により迅速な荷電が困難とされる低温低湿環境下での画像形成においても良好な帯電立ち上がり性能が発現できる様になった。
また、チタン酸化物やアルミニウム酸化物の存在は、トナーの過剰帯電防止に寄与するものと考えられる。すなわち、低抵抗性のこれら酸化物がトナー表面に存在することにより電荷のリークし易い環境が形成され、トナーの過剰帯電が防止されると考えられる。本発明では、荷電したトナーが過剰に帯電し易くなる環境である低温低湿環境下で安定したプリント作製が行えることが確認されたが、これはチタン酸化物やアルミニウム酸化物の存在により過剰帯電が抑制され良好なプリント作製に寄与しているためと考えられる。
また、電気的に高抵抗性を有するケイ素酸化物の存在は、チタン酸化物やアルミニウム酸化物により迅速に取り込まれた電荷をトナー外に逃さずに保持していると考えられる。本発明では、環境中の水分子の影響による電荷リークの発生が懸念される高温高湿環境下で画像形成を行った時、所定の画像濃度を有するプリント物が作製できる。これは、ケイ素酸化物のもつ電荷保持性能によりトナーの荷電性が安定して保持されることにより発現されるものと考えられる。また、ケイ素酸化物の存在により、トナーに流動性が付与されて良好なトナー搬送を発現するものと見られる。また、外添剤に含有されるケイ素酸化物の存在により、トナー粒子の付着性が低減され現像ローラや規制部材へのトナー付着が回避されるものとみられる。
本発明で使用されるケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物について説明する。本発明に使用されるトナーに外添剤として添加される複合酸化物は、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有するもので、複合酸化物は蛍光X線測定における全金属元素量に対する2種類の原子(ケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子)の含有量がそれぞれ1質量%〜99質量%となるものである。これら原子の含有量が1質量%未満または99質量%を超える場合には、上記複合酸化物としての特性が効果的に発現せず、それぞれの原子を含有する単独粒子と大差のない特性になる。なお、本発明ではケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する酸化物を複合酸化物と呼ぶ。
本発明で使用されるケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物の分子構造には以下のものが挙げられる。
(1)1分子中にケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうち少なくとも2種の原子を併せ持つ共晶タイプの複合酸化物
(2)ケイ素原子を有する酸化物、チタン原子を有する酸化物、アルミニウム原子の酸化物のうち、少なくとも2種の酸化物の混晶タイプの複合酸化物
(3)非晶質の複合酸化物
上記のうち、チタン原子もしくはアルミニウム原子を有する酸化物を核として、その表面にケイ素原子の酸化物が存在する構造を有するものが、構造的に本発明の効果を発現しやすい傾向を有しているので好ましい。
また、負帯電性のトナーを設計する場合、少なくとも2種の原子の組み合わせとしてケイ素原子とチタン原子とを組み合わせた複合酸化物が、各種環境下で所望とする荷電性能を安定して発現し、ある程度の耐久性が得られるので好ましい。一方、正帯電性のトナーを設計する場合、少なくとも2種の原子の組み合わせとしてケイ素原子とアルミニウム原子とを組み合わせた複合酸化物が、各種環境下で所望とする荷電性能を安定して発現し、ある程度の耐久性が得られるので好ましい。特に、シリカに代表されるケイ素原子を有する酸化物を複合酸化物表面に多く存在させることにより、優れた流動特性と安定した荷電保持性能を得る上でより好ましい形態となる。
この様に、負帯電性のトナーを設計する場合は、シリカに代表されるケイ素原子を含有する酸化物とチタン原子を含有する酸化物を必須成分とする複合酸化物を用いることが好ましい。また、正帯電性のトナーを設計する場合は、ケイ素原子を含有する酸化物とアルミニウム原子を含有する酸化物を必須成分とする複合酸化物を用いることが好ましい。
また、チタン原子とケイ素原子を含有する複合酸化物では、ケイ素原子の割合を1〜20質量%にしたものが好ましい。その理由は、チタン原子の存在により得られる静電緩和特性を有効に発現させるために、チタン原子の割合を高く設定することが好ましく、特にチタン原子の割合を80質量%以上にすることで静電緩和特性に基づく効果が顕著に得られることによる。
一方、ケイ素原子の存在により得られる高温高湿環境下での過剰なリーク発生防止やトナーへの流動性付与については、ケイ素原子の割合が比較的低くても十分に発現させることができ、ケイ素原子の割合を1〜20%の範囲にしても発現させることができる。
なお、より好ましいチタン原子とケイ素原子を含有する複合酸化物としては、ケイ素原子を複合酸化物の表面側に偏在させた形態を有し、かつ、ケイ素原子の割合を小さくしたものが挙げられる。
本発明では、トナーの荷電性能や流動特性を向上させるため、たとえば、ケイ素原子の割合とチタン原子を含有する複合酸化物について、これらの原子の割合を変えた複数種類の複合酸化物を併用してもよい。同様に、ケイ素原子の割合とアルミニウム原子の割合を変えた複数種類の複合酸化物を併用することもできる。また、個数基準の平均一次粒径が異なる複合酸化物を複数種類併用して、本発明の効果をより確実に発現させることもできる。さらに、ケイ素原子とチタン原子を含有する複合酸化物とケイ素原子とアルミニウム原子を含有する複合酸化物を併用したり、これらの複合酸化物と従来より使用されている公知の外添剤粒子を併用することも可能である。
本発明で使用される複合酸化物中に含有されるケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子の含有量は、たとえば、蛍光X線分析装置により測定することが可能である。
蛍光X線分析装置(XRF)は、試料に連続X線を照射して、試料を構成する元素に固有の特性X線(蛍光X線)を発生させる。そして、発生した蛍光X線を分光結晶により分光(波長分散型)することによりスペクトルを生成させ、得られたスペクトルを測定して、その強度から含有される原子の割合を定量分析することができる。
蛍光X線分析法では、先ず、チタン原子とケイ素原子あるいはアルミニウム原子の含有量が既知の酸化物を用いて蛍光X線分析装置により検量線をそれぞれ作成しておく。そして、この検量線を用いて複合酸化物中のチタン原子、ケイ素原子あるいはアルミニウム原子の含有量を定量するものである。市販の蛍光X線分析装置としては、たとえば、「XRF−1800(島津製作所社製)」や「ZSX−100E((株)RIGAKU社製)」等が挙げられる。
蛍光X線分析装置によるケイ素原子とチタン原子(アルミニウム原子も同様)の定量は、たとえば、以下の手順により実施することが可能である。
(1)先ず、検量線作成用の試料を作製する。スチレンパウダー100質量部に既知量の二酸化ケイ素を添加して、二酸化ケイ素用の測定用ペレットを作製する。同様に、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化チタンを添加し、酸化チタン用の測定用ペレットを作製する。同様に、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化アルミニウムを添加し、酸化アルミニウム用の測定用ペレットを作製する。
(2)作製したペレットをそれぞれ蛍光X線分析装置にて測定し、スチレンパウダー中の二酸化ケイ素あるいは酸化チタンについて、各試料より得られるピーク強度より検量線を作成する。
(3)次に、本発明に使用されるケイ素原子とチタン原子を含有する複合酸化物粒子を蛍光X線分析装置で測定し、得られたピーク強度を検量線と照合することにより、ケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子の含有量を定量する。
上記蛍光X線分析では、X線としてロジウム(Rh)のKα線を使用し、たとえば、管電圧が20kV、管電流が100mAの出力条件の下で定量する。また、分光結晶はケイ素原子用及びチタン原子用の公知の分光結晶を用いることが可能である。
さらに、スペクトルを検出する検出器としては、公知のシンチレーションカウンタやプロポーションカウンタを使用することができる。
図5に、蛍光X線の発生原理と分析装置の概要を示す。
次に、本発明で使用される複合酸化物の粒径について説明する。本発明で使用される複合酸化物は、その粒径が個数基準による平均一次粒径で20nm以上200nm以下のものが好ましく、30nm以上110nm以下のものがより好ましい。複合酸化物の粒径を上記範囲とすることにより、トナーに良好な流動性を付与するとともに、水分をはじめとする環境の影響やトナーへの埋没を防ぐことができる。
すなわち、複合酸化物の平均一次粒径を200nm以下、より好ましくは110nm以下とすることでトナーに良好な流動性が付与される。また、平均一次粒径を20nm以上、より好ましくは30nm以上とすることにより、複合酸化物の表面積がある程度のレベルに維持されるので、画像形成環境における水分の影響を受けない様に回避することができる。また、現像ローラ上にトナー層を形成する時など、画像形成装置にセットされたトナーにはストレスが加わる機会が多いが、平均一次粒径を20nm以上、より好ましくは30nm以上とすることで複合酸化物のトナー表面への埋没を防いでいる。
特に、本発明では規制部材との幅(ニップ)が狭い弾性層をもたない現像ローラを用いてトナーを荷電することから、トナーが良好な流動性を有し、ストレスを受けても外添剤が埋没しない耐久性を有することは重要である。なお、複合酸化物の粒径は、たとえば、複合酸化物の作製方法や原料比率により制御することが可能である。
複合酸化物の個数基準による平均一次粒径は、たとえば、電子顕微鏡写真より算出することが可能である。具体的には、以下の手順で算出することが可能である。
(1)走査電子顕微鏡にて倍率3万倍のトナーの写真撮影を行い、この写真画像をスキャナにて取り込む。
(2)画像処理解析装置「LUZEX AP(ニレコ社製)」にて、写真画像上のトナー表面に存在する複合酸化物粒子について2値化処理し、100個について水平フェレ径を算出し、算出した値を個数基準による平均一次粒径とする。
なお、上記の様にトナーの写真撮影を行い、トナー表面に存在する複合酸化物粒子を利用する方法の他に、複合酸化物粒子を直接走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その写真画像から同様の手順で平均一次粒径を算出することも可能である。
次に、本発明に使用可能な複合酸化物のBET比表面積について説明する。本発明に使用可能な複合酸化物は、BET比表面積の値が20m/g以上60m/g以下となるものが好ましい。複合酸化物のBET比表面積を上記範囲にすることにより、複合酸化物がトナー中に埋没したりトナー表面から脱離することがなく、複合酸化物が外添剤として安定して作用することができる。
なお、BET比表面積とは、ガス吸着法により粒子の比表面積を算出する測定方法である。ガス吸着法による粒子の比表面積算出は、窒素ガスの様な吸着占有面積が分かっているガス分子を粒子に吸着させ、その吸着量から粒子の比表面積を算出する。BET比表面積は、固体表面に直接吸着したガス分子の量(単分子層吸着量)を正確に算出するためのもので、下記に示すBETの式と呼ばれる数式を用いて算出される。
下記式に示す様に、BETの式は一定温度で吸着平衡状態にある時の吸着平衡圧Pとその圧力における吸着量Vの関係を示すもので以下の様に表される。
式1:
P/V(Po−P)=(1/VmC)+((C−1)/VmC)(P/Po)
ただし、Po:飽和蒸気圧
Vm:単分子層吸着量、気体分子が固体表面で単分子層を形成した時の
吸着量
C :吸着熱などに関するパラメータ(>0)
そして、上式より単分子吸着量Vmを算出し、これにガス分子1個の占める断面積を掛けることにより、粒子の表面積を求めることができる。
BET比表面積は、自動比表面積測定装置「GEMINI 2360(島津・マイクロメリティックス社製)」を用い、下記の測定法により算出した値である。
先ず、複合酸化物2g程度をストレートサンプルセルに充填し、前処理として窒素ガス(純度99.999%)にて2時間セル内を置換する。置換後、測定装置本体にて前処理した複合酸化物に窒素ガス(純度99.999%)を吸脱着させて、多点法(7点法)により算出する。
次に、本発明に使用されるケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子のうち少なくとも2種の原子を含有し、各原子の含有量がそれぞれ1質量%〜99質量%である複合酸化物粒子のかさ密度は、市販の川北式かさ密度測定機等により測定が可能である。市販の川北式かさ密度測定機としては、たとえば、IH−2000型(セイシン企業社製)等が挙げられ、実際のかさ密度測定は、以下の様な手順で行われる。
先ず、所定大きさのメッシュを有するふるい上に複合酸化物粒子を載せ、任意の振動強度にて30秒間試料を落下させる。その後、振動を停止し30秒静置した後、すり切りを行うことにより、かさ密度(複合酸化物粒子質量/容積)を算出する。
なお、本発明に使用可能な少なくともケイ素原子とチタン原子とアルミニウム原子の中、少なくとも2種の原子を含有し、かつ各原子が1質量%〜99質量%である複合酸化物粒子のトナーへの添加量は、着色粒子100質量部に対し、0.1質量%乃至2.0質量%が好ましく、0.3質量%乃至1.0質量%がより好ましい。
なお、本発明における外添剤用の複合酸化物の疎水化度は30%以上であることが好ましい。
複合酸化物の疎水化度は、以下の方法により測定が可能である。200mlビーカーに水50mlを投入し、さらに、0.2gの複合酸化物粒子を添加する。マグネットスターラで撹拌しながら、滴下時に先端が水に浸漬されたビュレットからメタノールを添加する。メタノールの添加により、当初浮かんでいた複合酸化物粒子が徐々に沈み始めていき、完全に沈んだときのメタノールの滴下量を読み、下記式より算出する。
疎水化度(%)
=〔(滴下メタノールのml数)/(50+滴下メタノールのml数)〕×100
また、上記疎水化処理を行う際に使用される疎水化剤としては、ヘキサメチルシラザンに代表されるシランカップリング剤の他に、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の表面処理剤として使用可能なものが挙げられる。さらには、フッ素系シランカップリング剤やフッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等も使用可能である。疎水化剤は、エタノール等の溶剤に溶解されて使用することが好ましい。
上記のような疎水化剤で本発明においてなる複合酸化物や各種無機微粒子を処理するには、そのような表面処理剤をテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンあるいはアセトンエタノール、塩化水素飽和エタノール等の溶剤を用いて混合希釈し、無機微粉末をブレンダー等で強制的に撹拌しつつ表面処理剤の希釈液を滴下したりスプレーしたりして加え充分混合する。その際、ニーダーコーター、スプレードライヤー、カーマルプロセッサー、流動床等の装置が使用できる。
次に得られた混合物をバット等に移してオーブンに入れ加熱し乾燥させる。その後再びミキサー、ジェットミル等にて充分に解砕する。また、必要に応じて分級する事が望ましい。このような方法において各々の表面処理剤は同時に用いて処理しても別々に処理してもよい。
このような乾式法の他に無機微粉末をカップリング剤の有機溶剤溶液に浸漬し、乾燥させたり、または無機微粉末を水中に分散してスラリー状にしたうえで表面処理剤の水溶液を滴下し、その後無機微粉末を沈降させて加熱乾燥して解砕する、というような湿式による処理法もある。加熱時の温度は100℃以上が好ましい。100℃未満であると無機微粉末と表面処理剤との縮合反応が完結しにくくなる。
次に、本発明に使用される複合酸化物の製造方法について説明する。本発明に使用される複合酸化物の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により作製することができる。具体的には、熱分解法、ゾル−ゲル法、プラズマ法、沈殿法、水熱法または鉱山法等が挙げられ、これらの方法を組み合わせたものもある。この中でも、熱分解法は、原子の存在部位を調整しながら複合酸化物を作製することができることから特に好ましい。また、熱分解法による複合酸化物の製造方法には、気相法及び火炎加水分解法と呼ばれる方法であるが、これらの中でも、気相法により作製された複合酸化物が好ましい。
複合酸化物中のチタン原子、ケイ素原子、及び、アルミニウム原子の含有量は、たとえば、複合酸化物の作製工程で使用される原料化合物の割合を制御することにより設定が可能である。原料化合物の割合を制御する具体的な方法としては、たとえば、原料化合物として四塩化ケイ素と四塩化チタンを用い、火炎中で反応させて複合酸化物を作製する気相法の場合、四塩化ケイ素蒸気と四塩化チタン蒸気の割合を制御することで実現される。
たとえば、ケイ素原子:チタン原子=1:9の複合酸化物を作製する場合、四塩化ケイ素蒸気の使用量:四塩化チタンの使用量=1:9とすることにより、上記比率の複合酸化物を作製することが可能である。
熱分解法による複合酸化物の製造方法は、複合酸化物の原料化合物を蒸気(ガス)または粉体(粒子)の形態でバーナーに供給し、火炎中で酸化させることにより複合酸化物を作製するものである。図6に本発明で使用される複合酸化物を作製する製造装置の概略を示す。図6の製造装置は、複合酸化物の原料化合物を蒸気(ガス)形態でバーナーに供給することにより複合酸化物を作製するものである。
複合酸化物の原料化合物が蒸気(ガス)の形態で供給される場合、原料化合物のガスを窒素等の不活性ガスとともに燃焼バーナーの設けられた混合室に導入する。そして、水素、乾燥空気あるいは酸素を混合させて所定比率の混合ガスを作製し、混合ガスを1000℃〜3000℃の温度下で燃焼処理することにより複合酸化物が生成される。次に、反応系を冷却ゾーンに通過させることにより冷却処理を行い、分離装置にて生成された複合酸化物を反応系から分離するとともに副生成物を除去する。この様にして作製された複合酸化物は脱酸工程を経た後、図中のサイロで収集される。
たとえば、図6に示す製造装置でケイ素原子とチタン原子を含有する複合酸化物を作製する場合、原料化合物である四塩化ケイ素ガスと四塩化チタンガスが窒素等の不活性ガスとともに燃焼バーナーの混合室に供給される。そして、水素、乾燥空気あるいは酸素を混合して所定比率の混合ガスが形成され、この混合ガスを1000℃〜3000℃の温度で燃焼させることにより、ケイ素原子とチタン原子を含有する複合酸化物が生成される。
ケイ素原子を相対的に複合酸化物表面に多く存在した構造の複合酸化物を作製する場合、燃焼バーナーに投入する原料化合物の流量比率、混合ガス作製用の原料ガスの導入タイミング、燃焼時間、温度、燃焼雰囲気等の条件を調製することで作製が可能である。ケイ素原子を複合酸化物表面に相対的に多く存在させる具体的な方法としては、気相法では、たとえば、ケイ素酸化物形成用の原料化合物の火炎中への導入タイミングを遅らせたり、ケイ素酸化物形成用の原料化合物濃度を反応後半で高くすることが挙げられる。
ケイ素原子を表面に多く存在させた構造の複合酸化物の具体的な作製方法は、先ず、チタン酸化物やアルミニウム酸化物あるいはこれらの複合酸化物の原料化合物を燃焼バーナーに投入して、チタン原子やアルミニウム原子を含有する複合酸化物を形成させる。次に、前述の複合酸化物の結晶が成長し始めた後に、ケイ素酸化物を形成する原料化合物を火炎中に供給することにより作製する。あるいは、複合酸化物の結晶が成長し始めた後、ケイ素酸化物を形成する原料化合物の濃度を他の原料化合物よりも多めに設定して火炎中への供給を行うことにより作製することができる。この様に、ケイ素酸化物を形成する原料化合物の投入タイミングをずらしたり、ケイ素酸化物を形成する原料化合物の経時での添加濃度を制御することにより、ケイ素原子を表面に多く存在させた構造の複合酸化物を形成することができる。
また、複合酸化物の原料化合物が粉体の形態で供給される場合も蒸気(ガス)で供給される場合と同様の手順で作製することができる。原料化合物が粉体の形態で供給される場合、原料化合物の粒径を変えることにより原子の配置を制御することができる。たとえば、チタン酸化物やアルミニウム酸化物を形成する原料化合物の粒径を、ケイ素酸化物を形成する原料化合物の粒径よりも大きなものにして複合酸化物を作製する方法がある。このとき、チタン酸化物やアルミニウム酸化物を形成する原料化合物の周囲にケイ素酸化物を形成する原料化合物が熱により接着、融合して、表面にケイ素原子を多く含有する複合酸化物を作製することができる。
このとき、ケイ素酸化物を形成する原料化合物は原形を観察できないまでに、熱によりチタン酸化物やアルミニウム酸化物を形成する原料化合物表面に融合していることが好ましい。この様に、チタン酸化物やアルミニウム酸化物を形成する原料化合物周囲にケイ素酸化物を形成する原料化合物が熱で接着、融合することで、チタン酸化物やアルミニウム酸化物表面をケイ素酸化物で改質した構造の複合酸化物が得られるものと考えられる。
複合酸化物の原料化合物が粉体の形態で供給される場合に用いられる製造装置としては、たとえば、図7に示す製造装置が挙げられる。
図7の製造装置は、粉体の原料化合物(A)と(B)を用いて複合酸化物を作製する製造装置の概略図である。図中、210は原料化合物(A)、220は原料化合物(A)を収納したタンク、230は原料化合物(A)の定量供給ポンプ、250は原料化合物(A)の導入管である。211は原料化合物(B)、221は原料化合物(B)を収納したタンク、231は原料化合物(B)の定量供給ポンプ、251は原料化合物(B)の導入管である。また、260はメインバーナー、261は酸素、水蒸気混合ガスの導入管、262は酸素、水蒸気混合ガス、263は酸素、水蒸気混合ガスを収納するタンク、270は燃焼炉(反応管)で、燃焼炉内に示す280は燃焼火炎を模式的に示したものである。さらに、290は煙道、300はサイクロン、320はバグフィルタ、310と330は回収器、340は排風機を示す。
図7の製造装置では、原料化合物(A)210と原料化合物(B)211は原料化合物(A)と(B)を収納するタンク220、221より定量供給ポンプ230、231で原料導入管250、251を介してメインバーナー260に供給される。なお、メインバーナー260の先端には噴霧ノズルが取り付けられている。原料化合物(A)と原料化合物(B)は、導入管261よりメインバーナー260に供給されている酸素、水蒸気の混合ガス262とともに燃焼炉270内部に噴霧され、補助火炎により着火して燃焼火炎280が形成される。燃焼炉270では燃焼により複合酸化物が形成され、形成された複合酸化物は副生成物とともに煙道290で冷却された後、サイクロン300及びバグフィルター320で分離され、回収器310、330に捕集される。なお、反応により形成された副生成物は排風機340により排気される。
次に、本発明に使用可能なトナーの構造の一例を図8に示す。図8に示すトナーは、コアシェル構造と呼ばれる構造を有するもので、前述した低温定着対応のトナーに使用可能なものである。コアシェル構造のトナーは、軟化点温度やガラス転移温度を低めに設定した樹脂中に少なくとも着色剤やワックスを含有したコアと呼ばれる領域の表面に、比較的高めの温度特性を有する樹脂を被覆してシェルを形成したものである。
図8に示すトナーTは、いずれも着色剤1とワックス4を含有する樹脂2からなるコアAと、コアA表面に樹脂3を被覆して形成されたシェルBから構成されるものである。図8(a)に示すトナーTは、コアA表面がシェルBで完全に被覆された構造のものであり、(b)に示すものはシェルBがコアAを完全に被覆していない構造のものである。さらに、(c)に示すものは、コアA表面に若干の凹凸が存在しているが、シェルBによりトナーとしてある程度まるみを帯びた形状のトナーである。
図8に示すコアシェル構造のトナーは、コアを構成する樹脂の軟化点温度やガラス転移温度を従来よりも低くすることにより、低温定着対応のトナーを提供することを可能にするものである。しかしながら、コア構成樹脂の軟化点温度やガラス転移温度といった温度特性を低く設定するほど、ストレスを受けた時の耐久性が低下する傾向が顕著にあらわれた。本発明では、上述した様に、ケイ素、チタン、アルミニウムのうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物を外添剤に用いることにより、押圧等によるストレスを受けても破砕せず、かつ、安定した帯電性能を発現するトナーが得られる様になった。
本発明に使用されるトナーの物性についてさらに説明する。
本発明では、ガラス転移温度が55℃以下の着色粒子表面に前述したケイ素原子、チタン原子、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物を添加して形成されたトナーを使用することができる。トナーのガラス転移温度は、たとえば、「DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー社製)」、「TAC7/DX熱分析装置コントローラ(パーキンエルマー社製)」を用いて測定することができる。
上記測定装置を用いてガラス転移温度の測定を行う場合、先ず、測定を行うトナーを4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(Kit No.0219−0041)に封入して「DSC−7サンプルホルダー」にセットする。なお、リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用する。
測定条件は、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行うものとし、2回目の加熱処理を行った時に得られるデータをもとに解析を行う。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度として示す。
本発明では、軟化点が121℃以下の着色粒子表面に前述のチタン酸化合物を添加して形成されたトナーを使用することができる。トナーの軟化点は、たとえば、以下の手順で測定することができる。
(1)温度20℃±1℃、湿度50±5%RHの環境下で、トナー1.1gをシャーレに入れて平らにならし、12時間以上放置する。
(2)12時間の放置後、成型器「SSP−10A(島津製作所製)」にて3.74×10Pa(3820kg/cm)の圧力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製する。
(3)上記成型サンプルの軟化点測定を、24℃±5℃、50±20%RH環境下で、フローテスタ「CFT−500D(島津製作所(株)製)」を用いて行う。測定は上記成型サンプルに荷重196N(20kgf)を付与し、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分の条件で行う。この条件下で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より直径1cmのピストンを用いて予熱終了時からサンプルを押し出し、昇温法の溶融温度測定方法により測定を行う。オフセット値を5mmに設定して測定されたオフセット法温度(Toffset)をトナーの軟化点とする。
次に、トナーの粒径について説明する。本発明では、体積基準メディアン径(D50)が3μm以上8μm以下のトナーを用いることが可能で、この様に小径の部類に属するトナーは、後述するデジタル技術に対応した高精細なドット画像を再現する上で最適なものである。
体積基準メディアン径(D50)は、たとえば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
次に、本発明に使用されるトナーの製造方法について説明する。
本発明に使用されるトナーは、「少なくとも樹脂と着色剤を含有する着色粒子表面に、ケイ素原子、チタン原子、及び、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物」を外添する工程を経て作製されるものである。ここで、着色粒子とは、外添剤を添加する前のトナーの母体粒子のことをいうものである。
トナーを構成する着色粒子は、特に、その作製方法を限定するものではなく、粉砕法あるいは重合法のいずれの作製方法で得られたものが使用できる。なお、着色粒子とは、トナー粒子に外添剤を添加する前の段階の粒子のことをいい、一般にトナー母体とも呼ばれるものである。
本発明では、ケイ素原子、チタン原子、及び、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物を外添することにより、弾性層がない現像ローラを使用する画像形成にも使用可能な低温定着対応のトナーを見い出せる様にした。すなわち、本発明により、弾性層がない現像ローラを使用する画像形成に使用可能な着色粒子の選択の幅が拡げたともいえる。以下、本発明に使用可能なトナーを構成する着色粒子の代表例として、コアにワックスを内包したコアシェル構造の着色粒子を用いてトナーを製造する方法について説明する。
以下は、低温定着対応のワックスを内包したコアシェル構造のトナーを作製する方法の一つである乳化会合法によるトナー作製の流れである。乳化会合法によるコアシェル構造のトナーは以下の様な工程を経て行われる。
(1)コア形成用樹脂微粒子分散液の作製工程
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
(3)コア用樹脂粒子の凝集・融着工程
(4)第1熟成工程
(5)シェル化工程
(6)第2熟成工程
(7)冷却工程
(8)洗浄工程
(9)乾燥工程
(10)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
この工程は、コア用の樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行って120nm程度の大きさの樹脂微粒子を形成する工程である。この工程では、樹脂微粒子中にワックスを含有させたものを形成することも可能で、この場合、ワックスを重合性単量体に溶解あるいは分散させておき、これを水系媒体中で重合させて、ワックスを含有する樹脂微粒子を形成する。
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
水系媒体中に着色剤を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤微粒子分散液を作製する工程である。
(3)コア用粒子の凝集・融着工程(コアの形成)
この工程は、水系媒体中で前述のワックスを含有した樹脂微粒子と着色剤微粒子を凝集させ、凝集させたこれらの微粒子をさらに融着させることにより、コア用の粒子を作製する工程である。この工程では、先ず、ワックスを含有する樹脂微粒子と着色剤微粒子とを混合させた水系媒体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を凝集剤として添加する。続いて、樹脂微粒子のガラス転移温度以上で混合物の融解ピーク温度以下となる様に加熱を行うことにより、凝集を進行させると同時に樹脂微粒子と着色剤微粒子とをお互いに融着させる。
すなわち、前述の手順で作製した樹脂微粒子と着色剤微粒子とを反応系に添加し、塩化マグネシウム等の凝集剤を添加することにより、樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集させると同時に微粒子同士を融着させて粒子形成を行う。そして、粒子の大きさが目標の大きさになった時に、食塩水等の塩を添加して凝集を停止させる。
(4)第1熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することによりコアの形状が所望の形状になるまで熟成を行う工程である。
(5)シェル化工程
この工程は、第1熟成工程で形成されたコアの分散液仲に、シェル形成用の樹脂微粒子を添加して、コア表面にシェルを形成する工程である。
(6)第2熟成工程
この工程は、上記シェル化工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより、コア表面へのシェルの被覆を強化するとともに、着色粒子の形状が所望の形状になるまで熟成を行う工程である。
(7)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(8)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのケーキ状集合体にした着色粒子から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去するための洗浄工程からなる。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(9)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された着色粒子に乾燥処理を施す工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
また、乾燥処理を終えた着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理された着色粒子同士が弱い粒子間引力で凝集する場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(10)外添剤処理工程
この工程は、乾燥処理を終えた着色粒子に前述の「ケイ素原子、チタン原子、及び、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物」を外添剤として添加することにより画像形成に使用するトナーを作製する工程である。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。また、上述したケイ素原子、チタン原子、及び、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物以外の公知の外添剤の併用も可能である。
以上の手順により、乳化会合法でコアシェル構造のトナーを作製することができる。
次に、本発明に使用されるトナーを構成する樹脂、着色剤、ワックス等について、具体例を挙げて説明する。
本発明に使用されるトナーに使用可能な樹脂は、下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体を用いることができる。また、本発明で使用可能な樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするものであり、これらビニル系単量体を単独あるいは複数種類組み合わせて作製した重合体である。
以下に、重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等。
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等。
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等。
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等。
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等。
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等。
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等。
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等。
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等。
また、本発明に使用されるトナーは、上記に加えて、前述した極性基を有する重合性単量体、親水性の高い重合性単量体を適宜用いて形成されるものである。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
また、トナーに使用可能な着色剤としては公知のものが挙げられる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが挙げられる。また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉を使用することも可能である。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド1〜23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37〜41、C.I.ピグメントレッド48〜58、C.I.ピグメントレッド60、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド64、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド87〜90、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.Iピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド163、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238、C.Iピグメントレッド269等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー162、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができる。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
また、トナーに使用可能なワックスとしては、以下に示す公知のものがある。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等。
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
また、本発明では前述した複合酸化物を外添剤として用いるが、たとえば、以下に示すものを外添剤として併用することも可能である。
(1)炭化化合物
炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等
(2)窒化化合物
窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等
(3)酸化化合物
酸化鉄、酸化クロム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅等
(4)その他
ホウ化ジルコニウム等のホウ化物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸化合物
これらの外添剤用化合物は、カップリング剤等の公知の処理剤により表面処理されていることが好ましく、具体的な表面処理用の処理剤としては以下のものが挙げられる。
シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコン系オイル、シリコンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコンオイル、アミノ基/第4級アンモニウム塩含有カップリング剤、変性シリコーンオイル等。
また、平均一次粒径が10〜2000nm程度の公知の有機微粒子を使用することも可能で、たとえば、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体が挙げられる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために、いわゆる滑剤と呼ばれる高級脂肪酸金属塩を併用することも可能である。高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、たとえば、以下のものが挙げられる。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩がある。
これら外添剤のトナーへの添加量は、前述の外添剤として用いられる複合酸化物を含めてトナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.「現像ローラ1〜4」の作製
以下の手順により「現像ローラ1〜4」を作製した。
(1)「現像ローラ1」の作製
撹拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、ポリカーボネートジオール「プラクセルCD220(ダイセル化学(株)製)」(数平均分子量2000)1000質量部とイソホロンジイソシアネート278質量部を仕込み、窒素気流下100℃で6時間反応させて、遊離イソシアネート価が3.44%のプレポリマーを形成させた。これにメチルエチルケトン548質量部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。
次いで、イソホロンジアミン71.8質量部、ジ−n−ブチルアミン4.0質量部、メチルエチルケトン906質量部、イソプロピルアルコール603質量部からなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液1000質量部を添加して、50℃で3時間反応させた。この様にして、ポリウレタン樹脂溶液(以下、「ポリウレタン樹脂(1A)」溶液という)を作製した。得られた「ポリウレタン樹脂(1A)」溶液は、樹脂固形分濃度が30%、アミン価が1.2KOH(mg/g)であった。
一方、撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応装置に、グリシドール「エピオールOH(日本油脂(株)製)」1400質量部、テトラメトキシシラン部分縮合物「メチルシリケート51(多摩化学(株)製)」(Siの平均個数4)8957.9質量部を仕込み、窒素気流下撹拌を行いながら90℃に昇温させた後、ジブチルスズジラウレート2質量部を触媒として加え反応させた。反応中、分水器のメタノールを留去し、その量が約630質量部になったところで冷却した。なお、昇温後冷却までに要した時間は5時間であった。次いで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノールを減圧除去した。この様にして「エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)」を作製した。
さらに、同様の反応装置で前述の「ポリウレタン樹脂(1A)」500質量部を50℃に加温した後、前記「エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(2A)」10.95質量部を加え、窒素気流下、60℃で4時間反応させ、コート樹脂として使用する「アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂」を作製した。
前記「アルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂」100部と「ケッチェンブラック」30部、数平均一次粒径20μmの架橋ウレタン樹脂粒子「バーノックCFB100(大日本インキ化学工業(株)製)」40部とを混合分散させて塗布液を調製した。この塗布液を直径10mmのSUS303製シャフトの周面に乾燥時の厚さが15μmとなる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成することにより、図3(c)に示す断面構造を有する「現像ローラ1」を作製した。「現像ローラ1」のRmaxは8μm、Sは120μmであった。
(2)「現像ローラ2」の作製
前記「現像ローラ1」の作製において、数平均一次粒径20μmの架橋ウレタン樹脂粒子「バーノックCFB100(大日本インキ化学工業(株)製)」添加しなかったこと以外は同様の手順で塗布液を作製した。この塗布液を直径10mmのSUS303製シャフトの周面に乾燥時の厚さが20μmとなる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成することにより、図3(a)に示す断面構造を有する「現像ローラ2」を作製した。「現像ローラ2」のRmaxは3μm、Sは52μmであった。
(3)「現像ローラ3」の作製
撹拌機、温度計及び窒素ガス導入管、還流冷却器を備えた反応装置に、ε−カプロラクトン310部、アルコール変性シロキサンオイル(例示化合物3−3)150部、テトラブチルチタネート0.05部を投入し、窒素気流下180℃で10時間反応させて、水酸基価37、酸価0.40、数平均分子量3030のポリシロキサン−ポリエステル共重合体を作製した。
上記共重合体150部と1,4−ブタンジオール27部を、メチルエチルケトン200部とジメチルホルムアミド100部との混合溶媒中に溶解させ、60℃でよく撹拌させた。これに水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(水添化MDIまたはH12MDIとも略す)91部をジメチルホルムアミド188部に溶解したものを徐々に滴下させた。滴下終了後80℃で6時間反応させることにより、コート樹脂として使用するシリコーン共重合ポリウレタン樹脂の溶液を作製した。この溶液は、非常に透明性が高く、固形分濃度が35%で粘度が35.5Pa・s(25℃)であった。
上記シリコーン共重合ポリウレタン樹脂100部、ケッチェンブラック30部、数平均一次粒径20μmの架橋ウレタン樹脂からなる粒子40部を混合分散させて表面層形成用の塗布液を作製した。
前記「現像ローラ1」を作製後、上記表面層形成用の塗布液を乾燥時の厚さが5μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を40分間行って2つ目の樹脂層を形成することにより、図3(d)に示す断面構造を有する「現像ローラ3」を作製した。「現像ローラ3」のRmaxは14μm、Sは140μmであった。
(4)「現像ローラ4」の作製
直径11mmのアルミニウム製シャフト表面に、アランダム砥粒「モランダムA#400(昭和電工(株)製)」を用いてサンドブラスト加工処理を施して、JIS B−0601で規定する中心線平均粗さで15μmとなる様に凹凸を付与した。この様にシャフトを加工して、図3(e)に示す断面構造を有するブラストローラタイプの「現像ローラ4」を作製した。「現像ローラ4」のRmaxは10μm、Sは78μmであった。
2.「外添剤1〜15」の作製
(1)「外添剤1」の作製
気相法により複合酸化物を作製する図4の製造装置を用いて、ケイ素原子とチタン原子の比率が1:99の複合酸化物よりなる「外添剤1」を作製した。なお、使用した製造装置はバーナーにおける混合ガス消費量を自動測定することが可能な仕様のものである。
先ず、四塩化チタンを図6に示す製造装置内の蒸発器に供給して四塩化チタン蒸気を形成し、混合室にて窒素ガスを供給することにより四塩化チタン蒸気と窒素ガスからなる混合ガスを作製した。窒素ガスの供給速度は四塩化チタン蒸気と窒素ガスの比率が体積比で50:10になる様に設定した。
次に、前記混合ガスを燃焼温度を2500℃に設定したバーナー室に供給して、前記温度下で燃焼処理を行うことにより酸化チタン結晶の形成を開始した。混合ガスの消費量が85%を経過した時、四塩化ケイ素を用いて混合ガスを作製しバーナー室に供給して燃焼処理を行うことにより、酸化チタン結晶表面に酸化ケイ素結晶を形成させて複合酸化物を生成させた。なお、四塩化ケイ素蒸気と窒素ガスからなる混合ガスの作製は、四塩化チタン蒸気の混合ガスを作製する時と同じ手順で行った。上記反応工程では四塩化チタンと四塩化ケイ素の比率が98.5:1.5になる様にした。
得られた複合酸化物を冷却処理後、塩化水素ガス分離や脱酸処理を行い、サイロにて捕集を行った後、複合酸化物をトルエンに分散させ、複合酸化物に対し20%のヘキサメチルシラザンを添加して120℃で1時間の撹拌を行うことで疎水化処理を施した。トルエンを除去し、乾燥処理を行って、個数平均一次粒径が20nmのケイ素原子とチタン原子を含有し、ケイ素原子が結晶表面に多めに存在する構造の複合酸化物よりなる「外添剤1」を作製した。得られた「外添剤1」を図5に示す構成の蛍光X線分析装置「XRF−1800(島津製作所社製)」で前述した手順で分析したところ、全金属元素量に対するケイ素原子とチタン原子の比率がそれぞれ1質量%、99質量%であった。
(2)「外添剤2〜12」の作製
前記「外添剤1」の作製に対し、製造装置での複合酸化物の形成時間、四塩化チタン、四塩化ケイ素、塩化アルミニウムの混合比を表1に示す内容に変更した他は同様の手順とすることにより、複合酸化物よりなる「外添剤2〜12」を作製した。なお、表1では外添剤を構成する複合酸化物形成時間を、「外添剤1」における形成時間の倍数で表示している。表中、塩化アルミニウムを用いて複合酸化物を形成するものは、前述した複合酸化物の作製手順で四塩化チタンを投入するところで塩化アルミニウムの投入を行っている。また、塩化アルミニウムと四塩化チタンを併用しているものは両者を共存させた状態で反応処理を行った。
(3)「外添剤13〜15」の作製
前記「外添剤1」の作製に対し、原料に1種類の塩化物を用い、酸化物形成時間を4倍に延長した他は同様の手順を採ることにより、ケイ素原子、チタン原子、アルミニウムのみの酸化物からなる「外添剤13〜15」を作製した。
Figure 2009258408
3.「着色粒子A、B」の作製
〔A〕「着色粒子A」の作製
(1)「コア形成用樹脂微粒子A1」の作製
以下の手順で「コア形成用樹脂微粒子A」の分散液を作製した。
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記化合物を添加した後、80℃に加温して「単量体混合溶液1」を調製した。
スチレン 109質量部
n−ブチルアクリレート 55質量部
メタクリル酸 12質量部
n−オクチルメルカプタン 2.9質量部
パラフィンワックス「HNP−57(日本精蝋(株)製)」 70質量部
一方、アニオン系界面活性剤ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩1.5質量部をイオン交換水650質量部に溶解させて界面活性剤溶液を作製しておき、この界面活性剤溶液を90℃に加温しておく。
上記界面活性剤溶液中に前述の「単量体混合溶液1」を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック社製)」を用いて、前記単量体混合溶液を界面活性剤溶液中に分散させた。3時間の分散処理により、分散粒子径が210nmの乳化粒子を含有してなる分散液が作製され、この分散液中に90℃に加熱したイオン交換水700質量部を添加する。
さらに、過硫酸カリウム(KPS)3質量部をイオン交換水120質量部に溶解させてなる開始剤水溶液を上記分散液中に添加し、この系を82℃にした後、3時間にわたり加熱、撹拌処理して重合(第1段重合)を行い、「樹脂粒子分散液a1」を作製した。
(b)第2段重合
上記「樹脂粒子分散液a1」に、過硫酸カリウム(KPS)3質量部をイオン交換水120質量部を溶解させてなる開始剤水溶液を添加し、この系を80℃にした後、下記化合物よりなる「単量体混合溶液2」を1時間かけて滴下した。
スチレン 212質量部
n−ブチルアクリレート 86質量部
n−オクチルメルカプタン 2.6質量部
滴下終了後、3時間にわたり加熱、撹拌処理を行って重合(第2段重合)を行い、その後反応系を28℃まで冷却することにより、2層構造を有する「樹脂微粒子A1分散液」を作製した。なお、「樹脂微粒子A1分散液」を構成する「樹脂微粒子A1」のガラス転移温度は40.0℃であった。
(2)「シェル形成用樹脂微粒子A2」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を備えた反応容器に、前記「コア形成用樹脂微粒子A1」の作製で用いたアニオン系界面活性剤2.0質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させて界面活性剤溶液を作製した。この界面活性剤溶液を、窒素気流下で230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
一方、下記化合物を添加、混合して「単量体混合溶液2」を調製しておく。すなわち、
スチレン 544質量部
n−ブチルアクリレート 160質量部
メチルメタクリレート 96質量部
n−オクチルメルカプタン(NOM) 20質量部
からなるものである。
前記界面活性剤溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させてなる開始剤溶液を添加後、上記「単量体混合溶液2」を3時間かけて滴下した。そして、この系を80℃にし、1時間にわたる加熱、攪拌により重合を行い、「シェル形成用樹脂微粒子A2」の分散液を作製した。
(3)「着色剤分散液1」の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解させて作製した溶液を撹拌させておき、当該溶液中に、カーボンブラック「リーガル330R(キャボット社製)」を420質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックス(エム・テクニック社製)」を用いて分散処理を行い、「着色剤分散液1」を調製した。「着色剤分散液1」中の着色剤粒子の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、質量平均粒径で110nmであった。
(4)コアの形成
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を備えた反応容器に、
「樹脂微粒子A1」分散液 450質量部(固形分換算)
イオン交換水 1100質量部
「着色剤分散液1」 100質量部(固形分換算)
を投入し、液温を30℃に調整した。その後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
上記反応系を撹拌させておき、この状態で塩化マグネシウム・6水和物60質量部をイオン交換水60質量部に溶解してなる水溶液を10分間かけて上記反応系に添加した。添加後、3分間放置した後、昇温を開始して、この系を60分間かけて80℃まで昇温させて、80℃を保持した状態で樹脂粒子の会合を行って粒子を成長させた。粒子の成長は「マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)」を用いて会合粒子の粒径測定を行うことで確認した。そして、体積基準メディアン系(D50)が5.5μmになった時、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させてなる水溶液を反応系に添加して粒子の成長を停止させた。
さらに、反応系の温度を70℃にして1時間にわたり、加熱撹拌を行うことにより粒子の融着を継続させて、熟成処理を行い、「コアA」を形成させた。なお、「コアA」の平均円形度を「FPIA2000(システックス社製)」で測定したところ、0.912であった。
(5)シェルの形成
次に、上記「コアA」の分散液550質量部(固形分換算)を65℃にして、
「樹脂微粒子A2」分散液 50質量部(固形分換算)
を添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させてなる水溶液を10分間かけて添加した。
次に、この系を70℃に昇温させて、1時間にわたり撹拌を継続して、「コア1」表面に「樹脂微粒子A2」を融着させた。その後、この系を75℃にして20分間にわたり加熱撹拌を行って熟成処理を行い、シェルを形成させた。
さらに、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させてなる水溶液を添加して、8℃/分の条件で30℃まで冷却した。生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥して、コア表面にシェルを被覆してなる構造の「着色粒子A」を作製した。なお、「着色粒子A」表面のシェル被覆率は98%であった。また、「着色粒子A」のガラス転移温度はコアが40℃、シェルが55℃、コアシェル粒子で42℃、軟化点温度は110℃であった。
〔B〕「着色粒子B」の作製
(1)「樹脂微粒子B1」の作製
ドデシルベンゼンスルフォン酸20質量部を純水2400質量部に溶解させ、当該溶解液を95℃に加熱しておき、この状態で下記化合物を超音波分散装置で分散させて形成した油滴を投入し、95℃の下で24時間反応させてポリエステル樹脂を形成した。
アゼライン酸 320質量部
1,10−デカンジオール 280質量部
スチレン 800質量部
アクリル酸ブチル 200質量部
得られたポリエステル樹脂部分の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法により分子量測定を行ったところ、重量平均分子量(Mw)20,000、数平均分子量(Mn)10,000、ガラス転移点温度Tgが60℃、軟化点温度が125℃であった。
次に、反応系の温度を80℃に下げた後、過硫酸カリウム(KPS)1.5質量部をイオン交換水60質量部に溶解して形成した開始剤水溶液を添加して、5時間にわたり重合を行うことによりスチレンアクリル樹脂を形成した。この様にして、ポリエステル樹脂とスチレンアクリル樹脂からなる「樹脂微粒子B1」を作製した。
スチレンアクリル樹脂部分を樹脂微粒子B1より分離し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法により分子量測定を行ったところ、重量平均分子量(Mw)52,000、数平均分子量(Mn)9,000、分子量分布(Mw/Mn)5.7であった。また、ガラス転移点温度Tgが53℃、軟化点温度が118℃であった。また、「樹脂微粒子B1」の大きさは、数平均一次粒子径で210nmであった。
(2)「着色剤分散液2」の作製
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム10質量部をイオン交換水300質量部に撹拌溶解させた。この溶解液を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)70質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用いて分散処理することにより、「着色剤分散液2」を作製した。
作製した「着色剤分散液2」の着色剤粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、質量平均粒径で92nmであった。
(3)「ワックス分散液1」の作製
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム10質量部をイオン交換水300質量部に撹拌溶解させた。この溶解液を90℃に加熱しておき、この状態で前記溶解液を撹拌しながら、「カルナウバワックス(精製カルナウバワックス1号)」70質量部を90℃に加熱して溶解させたものを徐々に添加した。次いで、機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」を用いて、90℃の下で7時間の分散処理を行った後、30℃に冷却することにより「ワックス分散液1」を作製した。
作製した「ワックス分散液1」のワックス粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」により測定したところ、質量平均粒子径で95nmだった。
(4)「着色粒子B」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を備えた反応容器に、前述した「樹脂微粒子B1」、イオン交換水300質量部、「着色剤分散液2」、及び、「ワックス分散液1」を投入して、反応容器内の温度を30℃に調製した。なお、「樹脂微粒子B1」、「着色剤分散液2」、「ワックス分散液1」は前述の手順で作製したものをそのまま反応容器に投入した。
次に、反応容器内に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調製した後、前記投入物を撹拌させた状態の下で、塩化マグネシウム・6水和物10質量部をイオン交換水200質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した。塩化マグネシウム・6水和物を添加後1分間放置しておき、その後昇温を開始して、10分間かけて90℃に昇温させて前記微粒子の凝集を行った。
粒子の成長は「マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)」を用いて凝集粒子の粒径測定を行うことで確認した。そして、体積基準メディアン系(D50)が5.5μmになった時、塩化ナトリウム2質量部をイオン交換水20質量部に溶解させた水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、反応系を95℃に加熱して10時間にこの状態で撹拌を継続することにより、微粒子の融着を継続させて形状を制御を行った後、反応系を8℃/分の条件で30℃まで冷却した。生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥して、コア表面にシェルを被覆してなる構造の「着色粒子B」を作製した。得られた「着色粒子B」のガラス転移温度は55℃、軟化点温度は121℃であった。
4.「トナー1〜17」の作製
表2に示す様に、前記「着色粒子A、B」に、表1に示す「外添剤1〜15」を1.0質量部と、BET比表面積が#200のシリカにヘキサメチルジシラザン処理を行った疎水性シリカ0.3質量部を添加した。
上記外添剤を添加後、ヘンシェルミキサー「FM10B(三井三池化工機社製)」を用いて周速45m/秒にて20分間混合処理し、その後、目開き90μmのふるいを用いて粗大粒子を除去することにより非磁性の「トナー1〜17」を作製した。
Figure 2009258408
この様に作製した「トナー1〜17」と前述の「現像ローラ1〜4」とを組み合わせて、図2に示す現像装置に搭載することにより評価を行った。各評価におけるトナーと現像ローラの組合せは後述する表3に示すとおりである。なお、現像ローラとトナー層規制部材との間隙を20μmに調整した。
5.評価実験
市販の非磁性一成分現像方式の画像形成装置であるカラーレーザプリンタ「Magicolor 5440DL(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」に使用する現像装置に、前述の評価試料として、表3に示す様にトナーと現像ローラとを組み合わせて搭載した。本発明の構成を有するトナーと現像ローラとの組合せを「実施例1〜15」、本発明の構成から外れるトナーと現像ローラの組合せを「比較例1〜5」とした。評価は、高温高湿環境(温度30℃、湿度85%RH)と低温低湿環境(温度10℃、湿度15%RH)の下で、帯電立ち上がり性能、帯電量の安定性、搬送性、及び、トナー固着の発生についてそれぞれ行った。
〈帯電立上がり性能の評価〉
ベタ黒画像プリントを出力した直後に白紙をプリントし、白紙におけるカブリ濃度を測定することにより、帯電立ち上がり性能を評価した。すなわち、カブリ濃度が低いものほど良好な帯電立ち上がり性能を有するものと評価した。
カブリ濃度の測定は、先ず、新品の白紙上より任意の20点を選択し、マクベス反射濃度計(RD−918)を使用して測定を行い、その平均値を白紙の基準濃度とした。次に、ベタ黒画像プリントの出力直後にプリントした白紙について、前述と同様に任意に選択した20点の反射濃度を測定して、その平均値を算出し、この平均値より白紙の基準濃度を引き、算出された値をカブリ濃度とした。評価は以下の基準に基づいて行い、カブリ濃度が0.010以下のものを合格とした。
◎;カブリ濃度が0.003未満
○:カブリ濃度が0.003以上0.006以下
△:カブリ濃度が0.006よりも大きく0.010以下
×:カブリ濃度が0.010よりも大きい。
〈帯電量安定性〉
帯電量安定性は、画素率が5%となるA4サイズのプリント画像を低温低湿環境下、及び、高温高湿環境下でそれぞれ連続で6000枚出力し、連続プリント前後に帯電量を測定することにより評価を行った。帯電量の測定は、現像ローラ上に存在するトナーを用いて、吸引式小型帯電測定装置「Model 210HS 2A 1成分ユニット(トレック・ジャパン社製)」により行った。高温高湿環境、及び、低温低湿環境の両者間での帯電量の差が15μC/g以下のものを合格とした。
〈トナー搬送性〉
現像ローラにおけるトナー搬送性評価として、連続プリントを5000枚行ったところで50%のハーフトーン画像(ベタ画像濃度に対して濃度が50%のハーフトーン画像を出力したもの)を出力し、当該ハーフトーン画像における画像濃度ムラを目視観察することにより行った。評価は以下の基準に基づいて行い、○と△のものを合格とした。
○:良好な粒状性のハーフトーン画像が得られムラが確認されない
△:ハーフトーン画像上に若干のムラが見られるが、実用上問題ないと判断した
×:粒状性が悪く、ムラがはっきりとあらわれていた。
〈トナー固着発生〉
トナー固着の発生状況を出力プリントの画質から評価した。前述の5000枚の連続プリント終了時に、A4サイズ全面にハーフトーン画像を出力したプリント物を作製し、ハーフトーン画像における白スジ発生を目視観察することにより行った。評価は以下の基準に基づいて行い、◎、○、及び、△のものを合格とした。
◎:ハーフトーン画像上に白スジの発生が認められなかった
○:ハーフトーン画像上に若干濃度が薄くなっている個所がみられたがスジ状に形成されたものではなく問題なしと判定した
△:ハーフトーン画像上に若干の白スジが見られたが、実用上問題ないと判定した
×:ハーフトーン画像上にハッキリとした白スジが確認され、使用不可と判定した。
以上の結果を表3に示す。
Figure 2009258408
表3に示す様に、本発明の構成要件を有する実施例1〜15はいずれも低温低湿環境下で良好な帯電立上り性能が発現され、また、高温高湿環境及び低温低湿環境下で連続プリントを実施した後もトナーの荷電性が変動しないことが確認された。また、高温高湿環境下及び低温低湿環境下のそれぞれの環境下において連続プリント実施後も画像濃度に変動を来すものではなく、環境の影響を受けずに安定したプリント作製が行えることが確認された。さらに、トナーに強いストレスが加わり易いプリント作製条件下にありながら、外添剤の脱離によるフィルミングやカブリの発生も見られなかった。
非磁性一成分現像方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る画像形成方法に使用可能な現像装置の断面図である。 本発明に使用される現像ローラの一例を示す概略図である。 現像ローラの体積抵抗率の測定方法を説明する構成図である。 蛍光X線の発生原理と分析装置の原理と構成を説明する概要図である。 蒸気の原料化合物で複合酸化物を作製する製造装置の概略図である。 粉体の原料化合物で複合酸化物を作製する製造装置の概略図である。 コアシェル構造型のトナーを示す模式図である。
符号の説明
10 現像ローラ(ハードローラ)
11 シャフト
12 樹脂層
121 中間層
122 表面層
20 現像装置(トナーカートリッジ)
24 ブレード(トナー層規制部材)

Claims (2)

  1. 弾性層を有さない現像ローラ上に担持させたトナーを感光体ドラムに供給して、前記感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像する工程を有する画像形成方法であって、
    前記トナーは、
    少なくとも樹脂と着色剤を含有してなる粒子表面に、ケイ素原子、チタン原子、及び、アルミニウム原子のうちの少なくとも2種類の原子を含有する複合酸化物を添加したものであり、
    前記複合酸化物が、蛍光X線測定における全金属元素量に対する前記少なくとも2種類の原子の割合がそれぞれ1〜99質量%であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記複合酸化物が、少なくともケイ素原子とチタン原子とを含有し、かつ、個数平均1次粒径が20nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013195833A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Fuji Xerox Co Ltd 非磁性一成分トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

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