JP2009257009A - 埋設物環境調査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】最小限の掘削を行うことで、周辺地盤への悪影響を与えることなく、短時間に、実地で埋設管などの埋設物の環境を調査することができる。
【解決手段】地中に埋設された埋設物の環境を調査する埋設物環境調査方法であり、周囲より分離された舗装版片を形成するために、地面に敷設された舗装版の表面から舗装版の下の路盤に至るまで、舗装版に設定された所定領域の外周を切削し、切断した舗装版片を舗装版より除去する舗装版切断除去工程と、舗装版片が除去された所定領域にケーシングを配置し、このケーシングを地盤に降下させるのに先立ち、埋設物の出現の有無を確認しながらケーシングの内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工する吸引掘削工程と、地盤を目標深度まで吸引掘削した際に、埋設物の環境を調査する埋設物環境調査工程と、埋設物環境調査工程が終了すると、ケーシングを引き上げながら、縦穴の埋め戻しを行う埋め戻し工程と、を有する。
【選択図】図4

Description

この発明は、地中に埋設された埋設管などの埋設物の環境を調査する埋設物環境調査方法に関する。
従来から、水や都市ガスなどの供給用には埋設管が使用されている。この一旦地中に埋設されたガス管、上水道管、下水道管、電力ケーブル等の埋設管は、一旦敷設された後で長い年月にわたって使用される。この埋設管は、例えば、道路の分部に本管が埋設され、この本管から各住戸に分岐する部分では分岐配管が接続される。
例えば、宅地内に水道を引き込む水道管(給水管)の場合には、水道管の経年度に達した地域、又は漏水が発生した地域、又は赤水が発生した地域などを最優先して管路の更新を行っていた。
この漏水の発生や赤水の発生を検知する方法として、例えば地中埋設管の亀裂、腐食、もしくは肉厚変化等の異常を検出できる地中埋設管の異常検出方法があり、地中に埋設された配管の表面の一部を露出させ、この露出部に超音波送受信器を設置し、この超音波送受信器から配管内部に超音波を送信して配管内部の媒体内部を伝播させると共に、配管の異常部分からの反射波をこの超音波送受信器で受信し、この反射波の到達時間から配管の異常部分を検出するもの(特許文献1)、また管路の埋設箇所について実地での埋設環境の調査を行わずに、その埋設管路の腐食量の予測を行えるようにするもの(特許文献2)などがある。
特開平9−159656号公報 特開2007−107882号公報
ところで、特許文献1は、超音波を送信して、この反射波の到達時間から配管の異常部分を検出ものであり、特許文献2は、埋設管路の腐食量の予測を行うものであり、いずれも管路の埋設箇所について実地での埋設環境の調査を行わないために、埋設環境の調査に制限があり、埋設物の外面調査、埋設物近傍の土壌調査などを行うことができない。
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、最小限の掘削を行うことで、周辺地盤への悪影響を与えることなく、短時間に、実地で埋設管などの埋設物の環境を調査することができる埋設物環境調査方法を提供することである。
かかる課題を解決するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、地中に埋設された埋設物の環境を調査する埋設物環境調査方法であり、
周囲より分離された舗装版片を形成するために、地面に敷設された舗装版の表面から前記舗装版の下の路盤に至るまで、前記舗装版に設定された所定領域の外周を切削し、前記切断した舗装版片を前記舗装版より除去する舗装版切断除去工程と、
前記舗装版片が除去された所定領域にケーシングを配置し、このケーシングを地盤に降下させるのに先立ち、前記埋設物の出現の有無を確認しながら前記ケーシングの内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工する吸引掘削工程と、
前記地盤を目標深度まで吸引掘削した際に、前記埋設物の環境を調査する埋設物環境調査工程と、
前記埋設物環境調査工程が終了すると、前記ケーシングを引き上げながら、前記縦穴の埋め戻しを行う埋め戻し工程と、
を有することを特徴とする埋設物環境調査方法である。
請求項2に記載の発明は、地中に埋設された埋設物の環境を調査する埋設物環境調査方法であり、
所定領域にケーシングを配置し、このケーシングを地盤に降下させるのに先立ち、前記埋設物の出現の有無を確認しながら前記ケーシングの内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工する吸引掘削工程と、
前記地盤を目標深度まで吸引掘削した際に、前記埋設物の環境を調査する埋設物環境調査工程と、
前記埋設物環境調査工程が終了すると、前記ケーシングを引き上げながら、前記縦穴の埋め戻しを行う埋め戻し工程と、
を有することを特徴とする埋設物環境調査方法である。
請求項3に記載の発明は、前記埋設物環境調査工程において、少なくとも埋設物の外面調査、埋設物近傍の土壌調査のいずれかを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の埋設物環境調査方法である。
請求項4に記載の発明は、前記埋め戻し後に、周囲との段差をなくして所定の平坦性を確保する復旧工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の埋設物環境調査方法である。
請求項5に記載の発明は、前記所定領域は、直径が略50mm〜1500mmの円形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の埋設物環境調査方法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明では、舗装版片が除去された所定領域にケーシングを配置し、このケーシングを地盤に降下させるのに先立ち、埋設物の出現の有無を確認しながらケーシングの内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工し、地盤を目標深度まで吸引掘削した際に、埋設物の環境を調査し、この調査が終了すると、ケーシングを引き上げながら、縦穴の埋め戻しを行い、最小限の掘削を行うことで、周辺地盤への悪影響を与えることなく、短時間に、実地で埋設物の環境を調査することができる。
請求項2に記載の発明では、所定領域にケーシングを配置し、このケーシングを地盤に降下させるのに先立ち、埋設物の出現の有無を確認しながらケーシングの内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工し、地盤を目標深度まで吸引掘削した際に、埋設物の環境を調査し、この調査が終了すると、ケーシングを引き上げながら、縦穴の埋め戻しを行う埋め戻しを行い、最小限の掘削を行うことで、周辺地盤への悪影響を与えることなく、短時間に、実地で埋設物の環境を調査することができる。
請求項3に記載の発明では、少なくとも埋設物の外面調査、埋設物近傍の土壌調査のいずれかを行い、実地で埋設物自体の腐食などは勿論、埋設物に悪影響を及ぼす土壌の状況なども調査することができる。
請求項4に記載の発明では、埋め戻し後に、周囲との段差をなくして所定の平坦性を確保し、調査の終了後は、自動車、自転車の走行、歩行者の通行など交通に支障を及ぼさないよう段差をなくし、所定の平坦性を確保することができる。
請求項5に記載の発明では、前記所定領域は、直径が略50mm〜1500mmの円形状であり、所定領域が略50mm〜1500mmの直径を有する円形状の小面積であり、吸引掘削の作業性がよい。
以下、この発明の埋設物環境調査方法の実施の形態について説明するが、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
(第1の発明の実施形態)
図1は第1の発明の埋設物環境調査方法を水道管路の宅地内に水道を引き込む水道管(給水管)の環境調査を行う場合に適用した実施の形態を説明する図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。水道管路の配水管100は、舗装道101の地中に埋設され、この配水管100から分岐して宅地内102に水道を引き込む給水管103が埋設され、この給水管103は宅地内102で量水筺104に接続されて各住宅に水を供給するようになっている。
この給水管103が経年度に達した地域、又は給水管103から漏水が発生した地域、又は給水管103から赤水が発生した地域などを最優先して管路の更新を行っていたが、例えば事前に給水管103の環境を調査し、この調査の結果によって優先順位を決めて更新すると、異常が発生する前の適切な時期に更新することができる。
この実施の形態では、この出願人が自ら開発した埋設物敷設工法である「MDP工法」(Minimum Digging Process)を用いて例えば分岐部の所定領域A、又は途中の所定領域Bを吸引掘削するが、この所定領域A、Bが略50mm〜1500mmの直径を有する円形状の小面積であり、吸引掘削の作業性がよく、舗装本復旧面積Cも小面積である。これに対して、従来では、図2(a),(b)の所定範囲Dを掘削して堀上がった場所に行って調査を行い、ほとんどが開削し舗装本復旧面積Eが大面積である。すなわち、掘削時の周辺地盤への悪影響が大きく、舗装は掘削部分を仮復旧した後、交通開放して自然転圧期間を設け、その後掘削部分より広い範囲で本復旧する必要があった。
図3は第1の発明の埋設物環境調査方法の説明図である。アスファルト等の舗装版1(道路)が地面に敷設された地盤は、上層から順に、上層路盤2、下層路盤3および路床4で構成されている。上層路盤2および下層路盤3は、舗装版1が存在する領域の直下に設けられている。上層路盤2は、例えば30mm以下の砕石が敷き詰められた層であり、下層路盤3は、例えば40mm以下の砕石が敷き詰められた層である。路床4には、埋設物環境調査すべき埋設物5が、既知の目標深度Dtgtで埋設されている。この実施形態では、埋設物5として、道路下に埋設され水道管、より具体的には、これと宅地や敷地に水道を引き込む引込管である給水管と配水管との接続部位を想定している。しかしながら、埋設物5は、これに限定されるものではなく、ガス管、下水管、或いは、電気や電話の埋設管等を含む。一連の作業は、舗装版の除去(ステップ1)、縦穴の掘削(ステップ2)、埋設物環境調査(ステップ3)、縦穴の埋め戻し(ステップ4)および舗装版の修復(ステップ5)といった順序で進められる。
図4は埋設物環境調査方法の手順を示す図である。この埋設物環境調査方法は、準備工(ステップa1)、舗装版切断工(ステップa2)、掘削舗装版処理工(ステップa3)、吸引掘削工(ステップa4)、埋設位置・深度の確認(ステップa5)、埋設物環境調査(ステップa6)、埋め戻し工(ステップa7)、仮復旧が必要かの判断し(ステップa8)、仮復旧が必要ない場合本復旧工(ステップa9)、仮復旧が必要である場合仮復旧工(ステップa10)後に本復旧工する。舗装版片を舗装版より除去して最小限の吸引掘削を行うことで、作業性、安全性および環境性を全体的に満足することができる。
次に、この埋設物環境調査方法の施工を詳細に説明する。
[舗装版の除去(ステップ1)]
舗装版の除去(ステップ1)では、準備工(ステップa1)、舗装版切断工(ステップa2)、掘削舗装版処理工(ステップa3)を実施し、舗装版切断除去工程である。
準備工(ステップa1)において、施工に際して設計条件を満足するように十分な調査に基づいた施工計画を行い、実施工程に支障がないように準備する。
舗装版切断工(ステップa2)、掘削舗装版処理工(ステップa3)において、作業領域となる舗装版1が部分的に除去される。詳細については後述するが、上層路盤2に達する深さまで所定領域の外周をカッターで切削し、周囲より分離された舗装版片7を昇降自在なクランプなどを用いて除去する。なお、舗装版1より除去された舗装版片7は、所定の処理袋に収納・保管される。
つぎに、周囲より分離された舗装版片を形成するために、地面に敷設された舗装版の表面から舗装版の下の路盤に至るまで、舗装版に設定された所定領域の外周を切削し、切断した舗装版片を舗装版より除去する舗装版切断除去工程について詳述する。この舗装版切断除去工程は、舗装版1を切削する工程と、舗装版1の切削された領域にクランプをセットする工程と、舗装版1の切削された領域を除去する工程とを有する。
(第1の実施形態)
図5は、第1の実施形態に係る舗装版1の舗装版切断除去工程の説明図である。まず、図5(a)の示すように、舗装版1の表面に設定された作業領域Sの中心Oに円形カッター8の固定軸が取り付けられる。この作業領域Sは、埋設箇所が既知である作業対象物5の直上に位置し、後述するように、周囲より分離された舗装版片7の形成領域に相当する。MDP工法では、作業面積の小面積化を図るべく、作業領域Sは、略900mmの比較的小さな直径を有する円形状として定義される。作業対象物5に対する処理が非開削で施工される関係上、舗装版1を切削する作業領域Sは、作業者一名が入れる程度の径で十分足りる。作業者は、円形カッター8の固定軸を中心Oに取り付けて、これを中心とした半径略450mm、すなわち、図5(b)のように作業領域Sの外周を円形カッター8で切断する。
この円形カッター8での切断深さは、5〜10cm程度であり、舗装版1の厚さが5〜10cm程度である場合に応じて用いられ、舗装版1の厚さが比較的薄い場合に適用される。
円形カッター8は、切削時に生じる粉塵の放出を抑制する観点より、水でダイヤモンド
ブレードを冷却しながら切削する湿式カッターを用いる。この場合、環境面への配慮より、湿式カッターによる切削と同時に、切削により生じた汚水を図示しないポンプ(例えば真空ポンプや圧送ポンプ等)で吸引する。これにより、舗装版切断による下水溝への汚水の流入を防いで、汚泥に起因した下水溝や下水道管の詰まりを防止できるとともに、下水道最終処理場におけるトラブルの発生をも防止できる。
舗装版1の切削に際しては、円形カッター8の刃先が舗装版1の表面に対して斜めに入射するようにする。これにより、図5(c)に示すように、舗装版片7の側面には、深度方向にストレート状に形成される。
この実施形態において、舗装版片7の除去は、図6に示すように、舗装版片7にアンカーボルト14aを挿着して固定し、このアンカーボルト14aにワイヤー14bを取り付け、作業者は、アンカーリフトを操作してワイヤー14bを上昇させる。これにより、舗装版片7が舗装版1より除去され、舗装版片7を簡単かつ的確に除去することができる。
以上のような工程を有するMDP工法によれば、作業性、環境性(「地球環境に優しい」)、および安全性をトータル的に満足することができる。さらに、舗装版片7をアスファルト塊として一体で処分する場合には、専用の収納袋にこれを格納することでコンパクトに道路上を運搬することができ、運搬廃棄上も有利である。
(第2の実施形態)
図7は舗装版1の舗装版切断除去工程の説明図である。まず、図7(a)の示すように、舗装版1の表面に設定された作業領域Sの中心Oに対応する位置に円筒カッター30の回転軸31が取り付けられる。この作業領域Sは、埋設箇所が既知である埋設物5の直上に位置し、切削溝6によって周囲より分離された舗装版片7の形成領域に相当する。この埋設物環境調査方法では、作業面積の小面積化を図るべく、作業領域Sは、直径が略50mm〜1500mmの比較的小さな直径を有する円形状として定義される。埋設物5に対する処理が非開削で施工される関係上、舗装版1を切削する作業領域Sは、例えば直径が略900mmの作業者一名が入れる程度の径で十分足りる。作業者は、円筒カッター30の回転軸31を中心Oに対応して取り付け、この回転軸31を介して円筒カッター30を回転して、中心Oを中心とした半径略450mm、すなわち、図7(b)のように作業領域Sの外周を円筒カッター30で切断し、図7(c)のように舗装版片7が切削溝6によって周囲より分離される。
この円筒カッター30での切断深さは、15〜20cm程度であり、舗装版1の厚さが15〜20cm程度である場合に応じて用いられ、舗装版1の厚さが比較的厚い場合に適用される。
この舗装版切断除去工程と、吸引掘削工程においては、図8乃至図10に示すケーシング設置装置を用いる。図8はケーシング設置装置を舗装版切断除去工程おいて用いる状態を示す図、図9は円筒カッターとカッター駆動装置とを示す図、図10はケーシング設置装置を吸引掘削工程おいて用いる状態を示す図である。
ケーシング設置装置Kは、支持基台40と、一対の支柱41,42と、支持装置43と、一対の昇降装置44,45と、カッター駆動装置47と、円筒状のケーシング10とを備える。支持基台40には、作業領域Sに対応する円形開口40aが形成され、円形開口40aが作業領域Sに対応するように、支持基台40を舗装版1の上に設置する。この支持基台40には、対称位置にウエイト49を取り付けるようにしても良い。
一対の支柱41,42は、円形開口40aの中心に対して対称位置で支持基台40に立設され、この一対の支柱41,42には、支持装置43が昇降可能に設けられている。支持装置43は、円筒状のケーシング10の外周を保持する固定アーム43aと、可動アーム43bとを有し、可動アーム43bはアーム開閉装置43cの駆動によって開閉される。このアーム開閉装置43cは、油圧シリンダで構成され、固定アーム43aと可動アーム43bとによって、例えば直径が略900mm〜1500mmの種々の大きさの円筒状のケーシング10を保持することができる。一対の昇降装置44,45は、油圧シリンダで構成され、支持装置43を昇降させる。
カッター駆動装置47は、取付部47aと、回転駆動部47bとを有している。取付部47aの中央部に回転駆動部47bが設けられ、取付部47aの両端部を一対の支柱41,42に挿入して上方から支持装置43に着脱可能である。このカッター駆動装置47の回転駆動部47bに円筒カッター30の回転軸31を取り付け、回転駆動部47bの駆動によって円筒カッター30を回転する。円筒カッター30は、開口端部にダイヤモンドブレード32が設けられている。この回転駆動部47bは、油圧モータで構成される。このように、アーム開閉装置43cを油圧シリンダで構成し、一対の昇降装置44,45を油圧シリンダで構成し、回転駆動部47bを油圧モータで構成することで、同一の駆動源を用いて駆動することができる。
この舗装版切断除去工程において、ケーシング設置装置Kは、図8に示すように、支持基台40の円形開口40aが作業領域Sに対応するように、支持基台40を舗装版1の上に設置される。支持基台40の端部の対称位置に一対のウエイト49を取り付けることができ、このウエイト49の重量はケーシング設置装置Kの駆動時に支持基台40が舗装版1の上を移動しないように設定される。
支持装置43を上方へ移動させた位置で、図9に示すように、円筒カッター30を取り付けたカッター駆動装置47を上方から装着して取り付け、円筒カッター30を円形開口40aに挿入し舗装版1に近接させる。
この状態で回転駆動部47bを駆動すると、円筒カッター30が回転軸31を介して回転し、一対の昇降装置44,45を駆動して支持装置43を下降させることで、円筒カッター30は回転しながら下降し、この円筒カッター30の回転により舗装版切断し、舗装版1の直下の上層路盤2にダイヤモンドブレード32が至るまで、作業領域Sの外周を切削していく。これにより、舗装版片7とその周囲とを分離する切削溝6が形成される。円筒カッター30は、切削時に生じる粉塵の放出を抑制する観点より、水でダイヤモンドブレード32を冷却しながら切削する湿式カッターを用いる。この場合、環境面への配慮より、湿式カッターによる切削と同時に、切削により生じた汚水を図示しないポンプ(例えば真空ポンプや圧送ポンプ等)で吸引する。これにより、舗装版切断による下水溝への汚水の流入を防いで、汚泥に起因した下水溝や下水道管の詰まりを防止できるとともに、下水道最終処理場におけるトラブルの発生をも防止できる。
このようにカッター駆動装置47と一対の昇降装置44,45を駆動し、円筒カッター30を回転させながら下降して舗装版1を円形に切断する構造であり、取り付けられた所定の大きさの円筒カッター30を用いて、中心Oを基準とした作業領域Sの外周を円筒カッター30で切断することができる。
この切削作業が完了した後に、一対の昇降装置44,45を駆動して支持装置43を介してカッター駆動装置47を上方へ移動させ、カッター駆動装置47を円筒カッター30と共に取り外す。つぎに、図6と同様にして、舗装版片7の除去を行う。
[縦穴の掘削(ステップ2)]
縦穴の掘削(ステップ2)は、吸引掘削工(ステップa4)、埋設位置・深度の確認(ステップa5)を実施する吸引掘削工程である。この吸引掘削工程では、舗装版片7が除去された所定領域にケーシング10を配置し、このケーシング10を地盤に降下させるのに先立ち、埋設物の出現の有無を確認しながらケーシング10の内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工する。
この舗装版切断除去工程において、ケーシング設置装置Kは、図10に示すように、カッター駆動装置47を取り外した後に切断された舗装版片7を除去し、支持装置43の固定アーム43aと可動アーム43bとの間にケーシング10を挿入する。そして、アーム開閉装置43cの駆動によって可動アーム43bを閉じ、固定アーム43aと可動アーム43bによってケーシング10の外周を保持する。この状態で、一対の昇降装置44,45を駆動して支持装置43を介してケーシング10を下降させ、舗装版片7が除去された所定領域にケーシング10を配置し、このケーシング10を地盤に降下させるのに先立ち、ケーシング10の内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工可能にする。
この縦穴の掘削では、舗装版片7が除去された領域直下に対して、ケーシング10の降下と吸引掘削とを併用して、縦穴が掘削される。作業者は、掘削によって生じる土砂を吸引しながら掘削しつつ、土留めとしての役割を有するケーシング10をケーシング設置装置Kによって上層路盤2、下層路盤3および路床4に降下させていく。ケーシング10の降下に先立ち吸引掘削を行うことで、路床4に存在する不測の埋設物5´の有無を目視にて確認できるので、その損傷や破壊を未然に回避できる。掘削によって生じた土砂等は、環境面への配慮から、所定の処理袋に収納・保管される。
図11は路床4おける縦穴の吸引掘削工程の説明図である。まず、図10に示すように、ケーシング設置装置Kによってケーシング10を保持する。この作業の初期状態として、図10(a)に示すように、縦穴11が舗装版1を貫通して上層路盤2の最上部まで到達している。この縦穴11の周囲を囲むケーシング10の内底には、地盤である路床2の露出面2aが出現している。まず、作業者は、舗装版片7が除去された作業領域S(地盤の裏面)には、図13に示すような円筒状のケーシング10(φ=900mm)を配置する。
つぎに、図11(b)に示すように、作業者は、ケーシング10を地盤に降下させるのに先立ち、ケーシング10の内底に露出した地盤を吸引掘削する。掘削によって生じた土砂等はホース120を介して吸引される。このホース120は空気とともに土砂等を吸い込む強力なポンプ機に接続されている。作業者は、ポンプ機に接続されたホース120を操作しながら土砂等を吸引することによって掘削を進める。掘削の臭体的な手法としては、例えば、高圧なエアー(空気圧〉またはジェツト(水圧)で露出面の土砂を浸食させ、これによって生じる土砂(ジェットの場合には水も含む〉をポンプ機で吸引する手法を用いることができる。この場合、ポンプ機は、掘削作業で発生する粉塵等を吸収するので、作業領城周辺における粉塵等の影響を極力抑えることができる。なお、地盤が比較的柔らかい場合、それが可能であるならば、吸引のみで地盤の掘削を行ってもよい。
この掘削に際して、ケーシング10の周部直下も掘削される。したがって、ケーシング設置装置Kのアーム開閉装置43を開放すると、図11(c)に示すように、ケーシング10は、ケーシング10の自重によって降下し、ケーシング10を地盤内に圧入する。このように、吸引掘削にてケーシング10の周部直下を掘削した際、ケーシング10を自重によって降下させる簡単な構造である。
また、一対の昇降装置44,45を駆動して支持装置43を下降させ、この支持装置43によってケーシング10を下降させても良く、ケーシング10を降下させる圧力を用いて、ケーシング10を地盤内に圧入することで、迅速かつ確実に降下させることができる。これは、ケーシング10の外周壁と地盤との問に生じる摩擦力によって、自重による降下が困難な場合に有効である。
なお、この吸引掘削工程における掘削は、上層路盤2および下層路盤3の掘削と、これに統く路床4の掘削とがある。両者は、ケーシング10の吸引による掘削とが併用される点では同様であるが、後者の場合には、不測の埋設物5´を確認しながら掘削する必要があるので、前者と異なるプロセスが採用されている。
まず、上下層の路盤2,3に関しては、従来と同様のプロセスで、ケーシング10の内底に路床4が露出するまで掘削される。これらの路盤2,3は、道路を敷設する際に人為的に積層されたものであって、ここに如何なる埋設物も存在しないことは明自である。そのため、路盤2,3の掘削に関しては、以下に述べるような不測の埋設物5の確認を伴う掘削プロセスを採用する必要性はない。
一方、路床4に関しては、埋設物5の確認を伴う試し堀的な掘削プロセスによって縦穴が掘削される。路床4には、作業者が把握している埋設物5(例えば水道管)以外に、作業者が把握していない不測の埋設物(例えばガス管等)が埋設されている可能性がある。図3に示すように、不測の埋設物5´が埋設物5よりも浅い箇所に存在する場合、試し堀を行うことなくケーシング10を降下させると、ケーシング10によって不測の埋設物5´を損傷・破壊してしまうおそれがある。このような事態を未然に防止するためには、この実施形態のように、試し堀にて不測の埋設物5´が存在しないことを確認しながらケーシング10を降下させるというプロセスを採用することが好ましい。
図12は、路床4における縦穴の吸引掘削工程の流れを示すフローチャートである。まず、ステップ21〜23のループを繰り返すことによって、露出面2aのうちの一部領域がエアー(またはジヱット等)によって所定の深度Djetだけ掘削される(図11 (c))。具体的には、作業者は、ホース120からの吸引力を用いて露出面2aを掘削する。吸引された土砂等は、必要に応じて、舗装版処分用とは別個に用意された所定の処理袋内に放出・収納される。露出面2aの部分掘削は、所定深度Djet内に不測の埋設物5´が存在しないことを確認するための試し堀り的な意味合いもある。したがって、例えば、縦穴11の内周を掘削してもよいし、任意の1カ所または複数箇所を掘削してもよい。なお、試し堀という観点でいえば、露出面2aの全体を掘削する必要は必ずしもないが、露出面2aの全体を掘削してしまうことも当然可能である。
埋設物が出現することなく所定深度Djet分の部分掘削が完了した場合、ステップ23の判断からステップ24に進み、ケーシング10が所定深度Djetに応じて降下される。つまり、ケーシング10の降下は、埋設物が所定の深度内に存在しないことを条件に、左記の吸引掘削に追従して、その深度分だけ行われる。そして、続くステップ25において、露出面2aのうちの掘削されなかった残りの領域が所定深度Djetだけエアー(またはジェット等)によって掘削される。これによって、露出面2aの全体が所定深度Djetだけ掘り下げられることになる。この掘り下げが完了すると、再びステップ21〜23のループが繰り返され、次の所定深度Djet分だけ、露出面2aの部分掘削が行われる。
ここで、吸引掘削によって埋設物が出現した場合には、ステップ22の判断よりステップ26に進み、縦穴11の現在の深度が目標深度Dtgtに到達しているか否かが判断される。目標深度Dtgtに到達する前に埋設物が出現した場合、これは不測の埋設物5´であるから(ステップ28)、作業の中断を含む適宜の措置を講じる必要がある。
これに対して、吸引掘削によって不測の埋設物5´が出現しなかった場合には、露出面2aの掘削(ステップ21〜23)、ケーシング10の降下(ステップ24)、および、露出面2aの残りの掘削(ステップ25)が繰り返される。これにより、縦穴11の掘り下げが所定深度Djet単位で段階的に進められる。そして、縦穴11の深度が目標深度Dtgtに到達した場合には、埋設されていた埋設物5が出現する。この場合には、ステップ22の肯定判定、ステップ26の肯定判定およびステップ27を経て、縦穴11の掘削が完了する。
[埋設物環境調査(ステップ3)]
埋設物環境調査(ステップ3)では、この埋設物環境調査工程においては、少なくとも埋設物の外面調査、埋設物近傍の土壌調査のいずれかを行う。この実施の形態では、図14に示すように、埋設物5の外面調査、埋設物近傍の土壌調査を行い、調査データ作成を行う。この埋設物環境調査工程において、少なくとも埋設物5の外面調査、埋設物近傍の土壌調査のいずれかを行うことで、実地で埋設物5自体の腐食などは勿論、埋設物5に悪影響を及ぼす土壌の状況なども調査することができる。
埋設物5の外面調査では、埋設物5が例えば水道の給水管(例えば鉛管)である場合には、例えば第1乃至第5の調査を行う。第1の調査の給水管の口径、管種、材質、継手種別及び製造年等は、給水管の継手部分の受口を鋳出し文字、顕微鏡及び管外周測定等により確認する。第2の調査の給水管の占用位置土被り等は掘削のケーシング11内で調査した給水管の占有位置を中心に水平器等を使用して測定する。第3の調査の給水管の管外面状況は、管外面をケレン棒、テストハンマー等により錆等を取り除き腐食(孔食)をデプスゲージ(孔食計)により測定する。また、給水管の継手部分のボルトの腐食状況も調査する。第4の調査は、調査時の漏水及びポリエチレンスリーブの有無を確認する。第5の調査の給水管の管厚測定は、4箇所(天・地・左・右)についてケレン棒等で管体を清掃してから超音波管厚計を用いて測定する。
埋設物近傍の土壌調査では、例えば第1乃至第8の調査を行う。第1の調査は、比抵抗測定であり、給水管の管体壁面の土壌に防錆管埋計を用いてその比抵抗接地棒を土壌へ差し込み測定する。この調査は調査管路の天(上)・地(下)・左・右の4点を3回測定する。第2の調査は、電位勾配測定であり、高感度記録計(フィールドレコーダ)を用いて、硫酸銅電極棒(+)(−)共に土壌に差し込み、その電位差を測定する。第3の調査は、給水管の管体と土壌の電位差測定であり、高感度記録計(フィールドレコーダ)を用いて、硫酸銅電極棒(−)を土壌に差し込み、ターミナル(+)を管体にセットしその電位差を測定する。第4の調査は、測定用土壌採取であり、給水管の管周囲の土壌を天(上)・地(下)2点、左・右1点計6点を採取しポリエチレン瓶に入れる。第5の調査は、PH測定であり、第4の調査で採取した土壌を6個の試験カップの中に各々に入れ、純水を加えてよく撹絆し、泥状にしてからPH計にて測定する。第6の調査は、Redox電位(酸化還元電位)測定であり、第4の調査で採取した土壌を6個の試験カップの中に入れ、純水を加え、土壌によく浸透(10〜15分放置)測定する。第7の調査は、硫化物測定であり、試験管を4本用意し、試験管にアジト溶液を3cc入れ、第4の調査で摂取した4箇所の土壌を1cm程度各試験管に入れ、気泡(窒素ガス)発生の有無(無・小・多)を調査する。第8の調査は、採取土壌の運搬であり、調査対象の管体壁面の2箇所(天・地)の土壌を採取し、ポリエチレン瓶に入れ指定した分析機関に搬入する。
[縦穴の埋め戻し(ステップ4)]
縦穴の埋め戻し(ステップ4)は、埋め戻し工(ステップa9)を実施する埋め戻し工程である。図15は改良土を用いる場合について縦穴の埋め戻し工程を説明する図である。縦穴の埋め戻し工程では、縦穴の周囲を囲っているケーシング10を引き上げながら、縦穴が埋め戻される(図15(a))。ここでは、縦穴の掘削時に生じた土砂等を現場で改良土化して再利用することによって(図15(b))、縦穴の埋め戻しが行われる(図15(c))。
埋め戻し工では、施工後、自動車の走行などにより道路に沈下などが生じないように、埋め戻し土を十分に締め固め、所定の締め固め密度が確保できるよう施工する。埋め戻し土は締め固めがしやすい砂などの良質土が好ましくかつ簡便である。残土処理等を低減し、環境問題に資するという観点からは、現地発生土に石灰などの改良材を添加した改良土が有効であるが、改良土でなくてもよいし、現地発生土に限定されず購入土などでもよい。
現地発生土を改良土として利用する場合には、必要に応じて事前に配合試験を行い、改良材の種類、添加量などを決定する。このような再利用は、土砂等の廃棄が不要になるので環境性に優れているばかりか、土砂の運搬も不要となるのでコスト的にも優れている。
埋め戻し作業は、例えば埋め戻し土を1層当り層厚20〜30cm程度で撒きだし、締め固め機械で十分締め固めを行い、所定の締め固め密度を確保する。特に周辺地山との境界部分は、孔壁崩壊防止のケーシング10を引き抜きながらの施工となるため、ランプレなどで入念に締め固めを行い、施工後、埋め戻し部分と周辺地山で段差などが生じないようにする。
[舗装版の修復(ステップ5)]
舗装版の修復(ステップ5)は、仮復旧が必要かの判断し(ステップa10)、仮復旧が必要ない場合本復旧工(ステップa11)、仮復旧が必要である場合仮復旧工(ステップa12)後に本復旧工する工程である。
舗装版の修復では、ケーシング10を引き抜いた上で、従来と同様の手法で、下層路盤3、上層路盤2および舗装版1が順次修復される。なお、緊急時の対処として舗装版1の仮復旧を行う場合には、上述したステップ1で保管されている舗装版片7(鉄の覆工板でも可)を所定領域に嵌め戻してもよい。舗装面(路盤)の復旧工は、所定の舗装性能を確保し、かつ自動車、自転車の走行、歩行者の通行など交通に支障を及ぼさないよう段差をなくし、所定の平坦性を確保する。
また、切断した舗装版を保存しておくと、これを仮復旧に利用でき、この場合は、カッターで切断した部分のみにモルタルやグラウト材で充填を行う。また、本復旧工が天候等の理由ですぐに施工できない場合は、施工可能となるまでの期間、鉄板養生等を行う。
本復旧工の場合には仮復旧工と同様、交通の安全を確保するとともに、施工後の自動車走行などにより沈下が生じないよう、所定の品質を満たす路盤を構築する。
以上のようなステップ1からステップ5までの工程を有する埋設物環境調査方法によれば、最小限の掘削を行うことで、周辺地盤への悪影響を与えることなく、短時間に、実地で給水管などの埋設物5の環境を調査することができる。
特に、舗装版1の除去工程(ステップ1)によれば、舗装版1の部分的な除去を簡単な作業で的確に行うことができる。すなわち、舗装版片7を挟持して上昇させることによって舗装版片7を除去する。舗装版片7を除去するための特殊かつ複雑な引き上げ具を必ずしも必要とせず、単純な構成を有する汎用機器を用いて、作業を効率的に行うことができる。また、舗装版片7を破壊することなく一体で除去でき、破壊による粉塵の発生や騒音を防止できるので、環境性にも優れている。さらに、舗装版片7をアスファルト塊として一体で処分する場合には、専用の収納袋にこれを格納することでコンパクトに道路上を運搬することができ、道路廃棄上も有利である。
また、特に、縦穴11の掘削工程(ステップ2)では、土留めを確保する役割を担うケーシング10の降下に先立ち、ケーシング10の内底に露出した地盤を吸引掘削する。そして、吸引掘削によって埋設物が出現しなかった場合に、吸引掘削に追従して、ケーシング10を地盤に降下させる。ケーシング10の降下は、埋設物が出現しないことを条件に行われるので、地盤内に不測の埋設物5´が埋まっていたとしても、これを損傷または破壊してしまうことを未然に回避することができる。また、掘削によって生じる土砂は、(特に掘削深度が浅い場合には)外部に飛び散らないようにケーシング10によってガードされるとともに、ホース120を介して即時に吸引される。したがって、作業現場が土砂等で汚れることがないので、環境的にも優れている。さらに、吸引掘削は、低粉塵化および低騒音化を実現できるため、作業現場周辺への影響を軽減できる。なお、所定の処理袋に収納された土砂等(改良土化された土砂等)を縦穴11の埋め戻しに再利用する場合には、環境面のみならず、コスト面でも優れている(運搬コストが不要になる)。
さらに、この実施形態では、作業領域Sを円形状とし、直径が略50mm〜1500mmの円形状であることが好ましく、この円形掘削ではその舗装復旧に影響を必要としないので、例えば仕切弁笠上げは、直径が500mmの円形で工事ができる。また、仕切弁、消火栓の笠上げ、取締、分水栓止め、給水管漏水は、配水管工に直径が900mmのみの立坑掘削で本復旧ができる。また、配水管の耐久年度が増す時に異形管、消火栓等を含む部分のみの交換は、直径が900mm〜1500mmの立坑の中で、配水管口径の直径が150mm迄が可能である。さらに、この実施形態では、作業領域Sを円形状としているが、これに限定されるものではなく、矩形片等を含む任意の形状であってもよいのは当然である。
(第2の発明の実施形態)
図16は第2の発明の埋設物環境調査方法の説明図である。
この第2の発明の埋設物環境調査方法は、第1の発明の埋設物環境調査方法と異なり、アスファルト等の舗装版1(道路)が地面に敷設されていない地盤に実施される。この実施形態では、一連の作業は、縦穴の掘削(ステップ2)、対象物の埋設物環境調査(ステップ3)、おとび縦穴の埋め戻し(ステップ4)といった順序で進められる。
この第2の発明の埋設物環境調査方法を図17に示し、図4と同様に実施されるが、準備工(ステップa1)、吸引掘削工(ステップa4)、埋設位置・深度の確認(ステップa5)、埋設物環境調査(ステップa6)、埋め戻し工(ステップa7)、仮復旧が必要かの判断し(ステップa8)、仮復旧が必要ない場合本復旧工(ステップa9)、仮復旧が必要である場合仮復旧工(ステップa10)後に本復旧工する。舗装版がないような場所においても最小限の掘削を行うことで、周辺地盤への悪影響を与えることなく、短時間に、実地で引込管などの埋設物の環境を調査することができる。
この発明は、地中に埋設された給水管などの埋設物の環境を調査する埋設物環境調査方法に適用でき、最小限の掘削を行うことで、周辺地盤への悪影響を与えることなく、短時間に、実地で引込管などの埋設物の環境を調査することができる。
第1の発明の埋設物環境調査方法の説明図である。 従来の埋設物環境調査方法の説明図である。 埋設物環境調査方法を水道管路の宅地内に水道を引き込む水道管(給水管)の環境調査を行う場合に適用した実施の形態を説明する図である。 埋設物環境調査方法の手順を示す図である。 舗装版の切削工程の説明図である。 舗装版の除去工程の説明図である。 舗装版の切削工程の説明図である。 ケーシング設置装置を舗装版切断除去工程おいて用いる状態を示す図である。 円筒カッターとカッター駆動装置とを示す図である。 ケーシング設置装置を吸引掘削工程おいて用いる状態を示す図である。 路床における縦穴の掘削工程の説明図である。 路床における縦穴の掘削工程の流れを示すフローチャートである。 ケーシングの外観斜視図である。 埋設物環境調査を示す図である。 埋め戻し工程の説明図である。 第2の発明の埋設物環境調査方法の説明図である。 埋設物環境調査方法の手順を示す図である。
符号の説明
1 舗装版
2 上層路盤
2a 露出面
3 下層路盤
4 路床
5 埋設物
5´ 不測の埋設物
6 切削溝
7 舗装版片
8 円形カッター
10 ケーシング
11 縦穴
14a アンカーボルト
14b ワイヤー
30 円筒カッター
31 回転軸
32 ダイヤモンドブレード
40 支持基台
41,42 一対の支柱
43 支持装置
44,45 一対の昇降装置
47 カッター駆動装置
49 ウエイト
120 ホース
K ケーシング設置装置

Claims (5)

  1. 地中に埋設された埋設物の環境を調査する埋設物環境調査方法であり、
    周囲より分離された舗装版片を形成するために、地面に敷設された舗装版の表面から前記舗装版の下の路盤に至るまで、前記舗装版に設定された所定領域の外周を切削し、前記切断した舗装版片を前記舗装版より除去する舗装版切断除去工程と、
    前記舗装版片が除去された所定領域にケーシングを配置し、このケーシングを地盤に降下させるのに先立ち、前記埋設物の出現の有無を確認しながら前記ケーシングの内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工する吸引掘削工程と、
    前記地盤を目標深度まで吸引掘削した際に、前記埋設物の環境を調査する埋設物環境調査工程と、
    前記埋設物環境調査工程が終了すると、前記ケーシングを引き上げながら、前記縦穴の埋め戻しを行う埋め戻し工程と、
    を有することを特徴とする埋設物環境調査方法。
  2. 地中に埋設された埋設物の環境を調査する埋設物環境調査方法であり、
    所定領域にケーシングを配置し、このケーシングを地盤に降下させるのに先立ち、前記埋設物の出現の有無を確認しながら前記ケーシングの内底に露出した地盤を吸引掘削して縦穴を施工する吸引掘削工程と、
    前記地盤を目標深度まで吸引掘削した際に、前記埋設物の環境を調査する埋設物環境調査工程と、
    前記埋設物環境調査工程が終了すると、前記ケーシングを引き上げながら、前記縦穴の埋め戻しを行う埋め戻し工程と、
    を有することを特徴とする埋設物環境調査方法。
  3. 前記埋設物環境調査工程において、少なくとも埋設物の外面調査、埋設物近傍の土壌調査のいずれかを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の埋設物環境調査方法。
  4. 前記埋め戻し後に、周囲との段差をなくして所定の平坦性を確保する復旧工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の埋設物環境調査方法。
  5. 前記所定領域は、直径が略50mm〜1500mmの円形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の埋設物環境調査方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012002602A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Hoshin Kensetsu Co Ltd 危険物の確認探査による除去方法

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