JP2009256987A - 鋼製枠据え付け装置、土留め擁壁、および土留め擁壁の構築方法 - Google Patents

鋼製枠据え付け装置、土留め擁壁、および土留め擁壁の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工精度が要求される鋼製枠の地盤への据え付け作業を、地盤の性状および形状、施工スペースの広さに拘わらず容易、且つ迅速に行うことができる鋼製枠据え付け装置、並びに同装置を用いて構築した土留め擁壁および土留め擁壁の構築方法を提供する。
【解決手段】複数の柱材26を傾斜して立設する擁壁10の前記柱材26を、地盤11上に鋼製枠1を据え付け、同鋼製枠1の内部に充填材4を充填して立設する際に、地盤11と鋼製枠1との間に設置される鋼製枠据え付け装置5であって、この鋼製枠据え付け装置5は、据え付け用部材8と複数の基礎ボルト7とからなり、据え付け用部材8が前記複数の基礎ボルト7を介して地盤11上に設置され、据え付け用部材8を複数の基礎ボルト7によって高さを調整して傾斜状態で固定する手段を備えている。
【選択図】図4

Description

この発明は、斜面の崩落あるいは斜面の落石の防護を目的とする土留め擁壁、落石防止柵の技術分野に属し、更に云えば、柱材を、地盤上に鋼製枠を据え付け同鋼製枠の内部に充填材を充填して立設する際に、前記鋼製枠を容易、且つ迅速に据え付けることができる鋼製枠据え付け装置、並びに同装置を用いて構築した土留め擁壁および土留め擁壁の構築方法に関する。
本出願人は、先に、法面の崩落を防ぐ擁壁として、円弧状の複数のライナープレートを周方向および軸方向に接合して成る円筒形の鋼製枠を用いてコンクリート柱を構築し、隣接するコンクリート柱間に壁面材を掛け渡して構成される擁壁(土留め擁壁)を発明した(特許文献1参照)。
この特許文献1に係る擁壁は、現地で型枠を組みコンクリートを打設して施工する擁壁と比して、作業が容易で、工期も短縮でき、型枠工等の技能工を必要としないので非常に有益である。また、工場で製作したコンクリート擁壁部材を現地に搬入し組み立てて施工する擁壁と比して、部材搬入を容易に行うことができ、大型の重機を必要としないので非常に有益である(特許文献1の段落[0022]〜[0024]を参照)。
ところで、前記特許文献1に係る発明は、擁壁を構成するコンクリート柱を構築するにあたり、鋼製枠を地盤に据え付ける際、当該地盤について、コンクリート柱を構築するのに適切な角度(勾配)に傾斜させるための掘削作業、整地作業を行っていた(特許文献1の段落[0016]、および図3を参照)。
その他、特許文献2には、同文献2の図1等に示したように、無機ブロック1を基礎地盤4に据え付ける際、擁壁を構築するのに適切な角度に傾斜させて基礎地盤4に据え付けるべく、当該地盤4に、上面を前記適切な角度に傾斜させて成形したコンクリート製基礎ブロック2を設置し、その上に無機ブロックを据え付ける技術が開示されている。
特開2000−96584号公報 特開2001−303572号公報
上記特許文献1に係る発明は、上記したように非常に有益な技術ではあるが、鋼製枠を設置する地盤について、コンクリート柱を構築するのに適切な角度に傾斜させるための掘削作業、及び整地作業が思いのほか面倒で、工期を要するという問題があった。特に、前記地盤が硬質地盤で、バックホー等の重機を搬入できない民家裏の狭いスペース等での施工の場合には、前記掘削作業及び整地作業がさらに面倒で、工期を要することとなる。
上記特許文献2に係る発明は、地盤上に前記コンクリート製基礎ブロックを設置して実施するので、地盤の性状や、施工スペースの広さに拘わらず確実に実施できる利点はある。
しかしながら、前記コンクリート製基礎ブロックを現場で施工するには養生期間に通常3日程要し、その間、擁壁の構築作業を一切進めることができず、非常に不合理で、その分工期が嵩み不経済であるという問題があった。
したがって、本発明の目的は、施工精度が要求される鋼製枠の地盤への据え付け作業を、地盤の性状および形状、施工スペースの広さに拘わらず容易、且つ迅速に行うことができる鋼製枠据え付け装置、並びに同装置を用いて構築した土留め擁壁および土留め擁壁の構築方法を提供することである。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る鋼製枠据え付け装置は、
複数の柱材を傾斜して立設する擁壁の前記柱材を、地盤上に鋼製枠を据え付け、同鋼製枠の内部に充填材を充填して立設する際に、前記地盤と鋼製枠との間に設置される鋼製枠据え付け装置であって、
前記鋼製枠据え付け装置は、据え付け用部材と複数の基礎ボルトとからなり、前記据え付け用部材が前記複数の基礎ボルトを介して地盤上に設置されていること、
前記鋼製枠据え付け装置は、据え付け用部材を複数の基礎ボルトによって高さを調整して傾斜状態で固定する手段を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した鋼製枠据え付け装置において、
前記複数の基礎ボルトは、高さ調整位置をネジ部とし、該複数の基礎ボルトが前記据え付け用部材に設けた複数のボルト挿入用孔に挿入され、同ネジ部にねじ込んだ高さ調整用ナットで前記据え付け用部材が傾斜状態で固定されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した鋼製枠据え付け装置において、前記据え付け用部材は、板材からなり、複数のボルト挿入用孔が離間して設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1又は2に記載した鋼製枠据え付け装置において、前記据え付け用部材は、2個の板材を交差または、T字形状にして組み合わせてなり、その交点および端部に複数のボルト挿入用孔が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1又は2に記載した鋼製枠据え付け装置において、
前記据え付け用部材は、円形状または半円形状であり、複数のボルト挿入用孔が離間して設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明に係る土留め擁壁は、複数の柱材を傾斜して立設し、該柱材と柱材の間に壁面材を張設してなる土留め擁壁において、
前記柱材は、鋼製枠と該鋼製枠の内部に充填された充填材とからなること、
前記鋼製枠は、地盤上に設置した前記請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製枠据え付け装置に据え付けられていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項6に記載した土留め擁壁において、前記土留め擁壁は、前記柱材に支柱を立設して、該支柱間に落石防止網を張設したことを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項6又は7に記載した土留め擁壁において、前記鋼製枠は、波付鋼板を周方向および軸方向に接合して成る円筒枠、又は半円筒枠であることを特徴とする。
請求項9に記載した発明に係る土留め擁壁の構築方法は、複数の柱材を法面に向けて傾斜して立設し、該柱材と柱材の間に壁面材を張設してなる土留め擁壁の構築方法において、
前記請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製枠据え付け装置を、複数の基礎ボルトを地盤に打ち込んで地盤上に設置すること、
前記鋼製枠据え付け装置の据え付け用部材を、前記鋼製枠を据え付けるのに適切な角度に傾斜させるべく、前記複数の基礎ボルトによって高さを調整して固定した後、前記鋼製枠を据え付けること、
前記鋼製枠を、柱材を構築するのに必要な高さ積み重ねると共に、前記地盤上に前記鋼製枠と地盤との隙間を塞ぐ充填材流出防止用部材を設置すること、
前記鋼製枠内に充填材を充填して柱材を構築すること、
前記複数の柱材と壁面材及び法面との間に裏込め材を充填することを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、請求項9に記載した発明に係る土留め擁壁の構築方法において、前記複数の柱材と壁面材及び法面との間に裏込め材を充填した後に、前記柱材に支柱を立設して、該支柱間に落石防止網を張設したことを特徴とする。
本発明に係る鋼製枠据え付け装置、並びに同装置を用いて構築した土留め擁壁および土留め擁壁の構築方法によれば、機械的な作業が多い擁壁(土留め擁壁)の構築作業の中で、施工精度が要求される鋼製枠(特には、第1段目の鋼製枠)の据え付け作業を、同鋼製枠に先行して、傾斜角度を自在に設定できる鋼製枠据え付け装置を地盤上に設置して実施するので、地盤の性状(例えば、硬質地盤)、形状(例えば、不陸)、および施工スペースの広さ(例えば、民家裏の狭いスペース)に拘わらず容易、且つ迅速に行うことができる。よって、工期を大幅に短縮することができ、コスト削減に大きく寄与する。
ちなみに、前記鋼製枠を据え付けるために必要な傾斜角度を設定する作業について、従来の上記特許文献1に係る地盤の掘削作業および整地作業は通常1時間程度要し、上記特許文献2に係るコンクリート製基礎ブロックの施工は通常3日程要するのに対し、本発明に係る鋼製枠据え付け装置を用いて傾斜角度を設定する作業は、10分程度で速やかに行うことができる。
本発明は、熟練した技能工を必要としない組み立て及び施工であり、また、部材の搬入が容易であるなど、施工上種々の利点があることから擁壁全般に好適に実施することができる。また、落石防止柵の基礎の土留め擁壁としても好適に実施することができる。
鋼製枠とは、主として、円弧状の複数のライナープレート等の波付鋼板を周方向および軸方向に接合して成る円筒形(又は半円筒形)の鋼製枠を指す。
以下に説明する実施例では、鋼製枠を用いて施工する擁壁の代表例として、図1と図2に概略的に示したように、法面3の根元の擁壁を設置する地盤11上に、法面3の幅方向に沿って所定の間隔をあけて鋼製枠1を設置し、同鋼製枠1内にコンクリート4を打設してコンクリート柱(柱材)26を傾斜して立設し、隣接する鋼製枠1、1の間にエキスパンドメタルなどからなる壁面材2を掛け渡した構成の擁壁(土留め擁壁)10を施工する実施例を示している(例えば、特許文献1の図1、図2参照)。ちなみに図中の符号16は、壁面材2を取り付けるために鋼製枠1に設けた取付けプレートを示している。
図3〜図6は、図1と図2に示した擁壁10の柱材26を構築する際に、鋼製枠1を地盤11上に据え付けるための鋼製枠据え付け装置5の実施例を示している。
この鋼製枠据え付け装置5は、複数の柱材26を傾斜して立設する擁壁10の柱材26を、地盤11上に鋼製枠1を据え付け、同鋼製枠1の内部にコンクリート等の充填材4を充填して立設する際に、地盤11と鋼製枠1との間に設置される。
この鋼製枠据え付け装置5は、据え付け用部材8と複数の基礎ボルト7とからなり、据え付け用部材8が複数の基礎ボルト7を介して地盤11上に設置される。
また、鋼製枠据え付け装置5は、据え付け用部材8を複数の基礎ボルト7によって高さを調整して傾斜状態で固定する手段を備えている。
この据え付け用部材8の高さを調整して傾斜状態に固定する手段として、本実施例では、複数の基礎ボルト7の高さ調整位置をネジ部とし、複数の基礎ボルト7が、据え付け用部材8に設けた複数のボルト挿入用孔9に挿入され、予めネジ部にねじ込まれた高さ調整用ナット6で据え付け用部材8を傾斜状態で固定(支持)している。
この鋼製枠据え付け装置5の据え付け用部材8は、2個のベースプレート8a、8bを十字形状に交差して組み合わせてなり、当該交差部を4本のボルト19で固定している。
据え付け用部材8を構成する2個のベースプレート8a、8bはそれぞれ、長方形の板材の幅方向両端部を直角に折り曲げて短いフランジを形成してなる。その交差部の中心と各ベースプレート8a、8bの端部に、基礎ボルト7(7a、7b、7c、7d)を挿入するためのボルト挿入用孔9が計5個設けられている。
また、据え付け用部材8は、一方のベースプレート8aの角隅部の4箇所に、第1段目の鋼製枠1の下面側のフランジと接合するためのボルト通し孔13を設けて実施し、他方のベースプレート8bのフランジの長手方向両端部を、鋼製枠1を安定した状態で設置するために切り欠いて実施している。
ちなみに、本実施例に係るベースプレート8a、8bの大きさはともに、幅250mm、長さ1260mm、溝高50mm、肉厚4.5mmで実施しているが、これに限定されず、種々の設計変更が可能である。
なお、据え付け用部材8を構成する部材は前記ベースプレート8a、8bに限定されず、前記鋼製枠1、ひいては柱材26を十分に支持できる剛性を有する部材であればよい。また、据え付け用部材8の形態も勿論これに限定されず、使用する鋼製枠1をバランスよく支持できることを条件に、鋼製枠1の水平断面形状の大きさに応じて適宜設計変更可能である。
ボルト挿入用孔9は、ベースプレート8a、8bの交差部の中央に位置するボルト挿入用孔9を中心に、四方に500mm程度の間隔をあけてサイコロの5の目状にバランスよく配設されている。なお、ボルト挿入用孔9の配置および配置間隔は勿論これに限定されず、構築する柱材26を十分に支持できることを条件に適宜設計変更可能である。
また、このボルト挿入用孔9は、ベースプレート8a、8bを基礎ボルト7に対して傾斜させた状態であってもスムーズに上下動できる孔径(ルーズ孔)で実施している。ちなみに、本実施例に係るボルト挿入用孔9の孔径は、基礎ボルト7のボルト径が29mmであるのに対して、48mmで実施している。
ボルト挿入用孔9に挿入する基礎ボルト7は、本実施例では、引き抜き耐力に優れた異形ロックボルトを使用している。本実施例に係る基礎ボルト7の長さ寸法は、図4に示したように、法面3側に配置する基礎ボルト7cを短く、民家20(図7参照)等の保全対象側に配置する基礎ボルト7aを長くして実施している。これは、傾斜状態で据え付ける据え付け用部材8を効率よく支持するためである。ちなみに本実施例では、一例として、基礎ボルト7cを600mm、基礎ボルト7b、7dを700mm、基礎ボルト7aを800mmの長さ寸法で実施している。
ここで、本発明の実施例1に係る土留め擁壁10の構築方法について説明する。
図3〜図6に示したように、先ず、5本の基礎ボルト7を、法面3の根元の鋼製枠1(擁壁10)を設置する地盤11上にサイコロの5の目状に打ち込む。本実施例に係る5本の基礎ボルト7はともに、一例として350mm程度の深さまで地盤11中に打ち込んでいる。
具体的に、5本の基礎ボルト7は、その中心に位置すべき基礎ボルト7dを、平面方向から見て、据え付ける鋼製枠1のほぼ中央に位置するように打ち込む。次に当該基礎ボルト7dを中心に、ベースプレート8aを固定する側の基礎ボルト7a、7cを、法面3の幅方向に対しほぼ直角方向に打ち込み、ベースプレート8bを固定する側の基礎ボルト7b、7bを、法面3の幅方向とほぼ平行に打ち込んで実施している。
なお、本実施例に係る5本の基礎ボルト7は、基礎ボルト7dを中心に四方に500mmの間隔をあけて打ち込んでいるがこれに限定されず、ベースプレート8a、8bに設けたボルト挿入用孔9の穿設位置や、据え付ける鋼製枠1の形態に応じて適宜設計変更可能である。
このように5本の基礎ボルト7を所定の配置に打ち込んだ後、5本の基礎ボルト7にそれぞれ高さ調整ナット6をねじ込む。この高さ調整用ナット6は、ベースプレート8a、8bを安定した状態で支持できるように、当該ベースプレート8a、8bに設けたボルト挿入用孔9の孔径より十分に大きい外径で実施する。ちなみに、本実施例に係る高さ調整用ナット6の外径は、ボルト挿入用孔9の孔径が48mmであるのに対して70mm程度で実施している。なお、この高さ調整用ナット6は予め、基礎ボルト7にねじ込んでいてもよい。
次に、5本の基礎ボルトのうち、法面3の幅方向に対しほぼ直角方向に配設した基礎ボルト7c、7d、7aに、ベースプレート8aのボルト挿入用孔9をそれぞれ通して当該ベースプレート8aを高さ調整用ナット6で支持する。
次に、ベースプレート8aを支持する高さ調整用ナット6をそれぞれ回転させることにより、ベースプレート8aを、高さ調整用ナット6に支持された状態で上下動させて、鋼製枠1を据え付けるのに適切な角度に傾斜させて位置決めする。具体的には先ず、3個の高さ調整用ナット6のうち、2個の高さ調整用ナット(通常、ベースプレート8aの両端部に位置する基礎ボルト7a及び7cに設けた高さ調整用ナット6、6)を回転させてベースプレート8aの傾斜角度を設定した後、残りの1個の高さ調整用ナット6を回転させてベースプレート8aの裏面に当接させる。
なお、鋼製枠1を据え付けるのに適切な角度とは、法面3の性状および形状に応じて適宜設計変更されるが通常、地上から10〜15度の角度とされる。
ベースプレート8aの傾斜角度を設定した後、法面3の幅方向とほぼ平行に配設した基礎ボルト7b、7d、7bに、ベースプレート8bのボルト挿入用孔9をそれぞれ通して当該ベースプレート8bをベースプレート8aの上面に載置する。次に、ベースプレート8bの両端部の基礎ボルト7b、7bに設けた高さ調整用ナット6、6を回転させてベースプレート8bの裏面に当接させる。
かくして、ベースプレート8a、8bから構成される据え付け用部材8は、地盤11から鉛直に立ち上がる基礎ボルト7にねじ込んだ高さ調整用ナット6により、鋼製枠1を据え付けるのに適切な角度で傾斜させた状態で支持される。
続いて、本実施例では、据え付け用部材8を基礎ボルト7に固定するべく、同基礎ボルト7の上方から締結用ナット14をねじ込むことにより、据え付け用部材8を、高さ調整用ナット6と締結用ナット14で挟み込み固定する。
しかる後、鋼製枠据え付け装置5の据え付け用部材8に、第1段目の鋼製枠1を据え付ける。
鋼製枠1を据え付け用部材8(ベースプレート8a、8b)に据え付ける手法は種々あるが、本実施例では、図6に示したように、鋼製枠1とベースプレート8aとを、ベースプレート8aのボルト通し孔13と鋼製枠1の下面のフランジ面に設けたボルト通し孔25とを一致させ、当該一致したボルト通し孔13、25にボルトを通して接合している。また、鋼製枠1とベースプレート8bとは、ベースプレート8bの両端部のフランジを切り欠いた切欠部へ鋼製枠1の下面のフランジを載置している。かくして、鋼製枠1は、据え付け用部材8の上面に安定した状態で据え付けられる。なお、ベースプレート8bの角隅部にもベースプレート8aと同様なボルト通し孔13を設け、鋼製枠1の下面のフランジ面とボルト接合して実施することも勿論できる。
続いて、図7に示したように、第1段目の鋼製枠1上に、複数の鋼製枠1を、柱材(コンクリート柱)26を構築するのに必要な高さ複数段(図示例では計7段)積み重ねることにより、鋼製枠1の設置作業を終了する。
ちなみに、本実施例では、1/4円弧状のライナープレート(波付鋼板)の四辺にボルト通し孔(連結孔)25を有する周方向フランジ及び軸方向フランジを備え、同ボルト通し孔25を利用して周方向および軸方向にボルト接続して円筒形状の鋼製枠1を複数段積み重ねている。
具体的な作業手順は一例として、先ず、法面3に正対するライナープレート1aのみを配置し、高さ方向に積み重ねて接続する。次いで、その高さ方向の適宜の箇所(図示例では第2、4、6段目の計3箇所)において、ライナープレート1aに設けたアンカー用孔からアンカー17を打ち込み、このアンカー17にライナープレート1aを結合させる。この作業は、鋼製枠1がまだ円筒形状に形成されていない状態での作業であり、擁壁10を設置する地盤11が広いスペースとして空いているので、この作業は容易に行い得る。次いで、円筒形の鋼製枠1を形成するための残り3枚のライナープレート1aを円周方向に連結し、かつ軸方向に連結して鋼製枠1を形成する。この残り3枚のライナープレート1aを連結して円筒形の鋼製枠1を形成する作業は、ライナープレート1aの外側から行うことができるので、この作業も容易に行い得る。
次に、鋼製枠1の設置作業と並行して、又は相前後して、図7と図8に示したように、地盤11上に、鋼製枠1と地盤11との隙間を塞ぐ充填材流出防止用部材12を設置する。ちなみに、充填材流出防止用部材12を設置しても、鋼製枠1と地盤11との間にコンクリート(充填材)4が流出する隙間が生じている場合には、周辺の土砂や石などを適宜敷き並べて当該隙間を塞ぐ。
かくして、鋼製枠1を必要な高さ複数段(図示例では計7段)積み重ね、地盤11に充填材流出防止用部材12を設置した後、鋼製枠1内に上方からコンクリート4を打設して、地盤11から75〜80度程度傾斜したコンクリート柱(柱材)26を構築する。
コンクリート4は、鋼製枠1の内部を通って据え付け用部材8が形成するスペースS(図6参照)を通過して下方の地盤11まで流れ落ちる。コンクリート4は、地盤11上に設けた充填材流出防止用部材12、および必要に応じて敷き並べた土砂や石などで堰き止められるので、鋼製枠1内に徐々にコンクリート4が充填され、ひいては地上から傾斜して立ち上がるコンクリート柱(柱材)26が構築される。
その後、間隔をおいて構築されたコンクリート柱26の鋼製枠1の外面に突出している取り付けプレート16と、エキスパンドメタルなどからなる壁面材2の左右両側に形成されたフランジとをボルトなどで接合し、鋼製枠1及び壁面材2の背面と、法面3との間に裏込め材24を裏込めして擁壁(土留め擁壁)10を構築する。裏込め材24は、現地発生土砂が好適であるが、それ以外には、岩、砕石、割石なども使用することができる。
さらに、本実施例では、図16に示したように、土留め擁壁10の上部に落石防止柵を構築して実施している。この落石防止柵は、鋼製枠1の内部にコンクリートを打設する際に、上端部の鋼製枠1に支柱27を仮設してコンクリート4を充填することによって支柱27を立設し、隣接する支柱27、27間に落石防止網28を張設して構築している。
以上説明したように、この実施例1に係る鋼製枠据え付け装置5、並びに同装置5を用いて構築した土留め擁壁10および土留め擁壁10の構築方法によれば、機械的な作業が多い擁壁10(土留め擁壁)の構築作業の中で、施工精度が要求される鋼製枠1(特には、第1段目の鋼製枠1)の据え付け作業を、同鋼製枠1に先行して、傾斜角度を自在に設定できる鋼製枠据え付け装置5を地盤11上に設置して実施するので、地盤11の性状(例えば、硬質地盤)、形状(例えば、不陸)、および施工スペースの広さ(例えば、民家裏の狭いスペース)に拘わらず容易、且つ迅速に行うことができる。よって、工期を大幅に短縮することができ、コスト削減に大きく寄与する。
なお、本実施例では、鋼製枠据え付け装置5を地盤11に設置するに際し、基礎ボルト7を打設し、同基礎ボルト7に高さ調整用ナット6をねじ込み、ベースプレート8aを据え付けた後、ベースプレート8bを据え付ける手順で実施しているがこれに限定されない。鋼製枠据え付け装置5の設置作業効率を高めるべく、予め、基礎ボルト7に高さ調整用ナット6をねじ込み同ナット6上にベースプレート8a、8bを支持させた状態で、基礎ボルト7を地盤11に打ち込んで実施することもできる。以下の実施例についても同様の技術的思想とする。
図9、図10は、上記実施例1に係る鋼製枠据え付け装置5の異なる実施例を示している。この実施例2に係る鋼製枠据え付け装置15は、法面3の下部が硬くて崩落のおそれがなく、鋼製枠1を円筒形状に形成する必要のない場合に好適に実施される。
この鋼製枠据え付け装置15の据え付け用部材18は、短尺のベースプレート18aと長尺のベースプレート18bをT字形状にして組み合わせてなり、当該交差部を4本のボルト19で固定している。
据え付け用部材18を構成する2個のベースプレート18a、18bは、長方形の板材の幅方向両端部を直角に折り曲げて短いフランジを形成してなる。その交差部の中心と各ベースプレート18a、18bの端部に、基礎ボルト7(7a、7b、7d)を挿入するためのボルト挿入用孔9が計4個設けられている。
また、据え付け用部材18は、ベースプレート18aの一端部の角隅部の2箇所に、第1段目の鋼製枠1の下面側のフランジと接合するためのボルト通し孔13を設けて実施し、他方のベースプレート18bのフランジの長手方向両端部を、鋼製枠1を安定した状態で設置するために切り欠いて実施している。
ちなみに、本実施例に係る据え付け用部材18は、幅250mm、長さ630mm、溝高50mm、肉厚4.5mmの大きさのベースプレート18aと、幅250mm、長さ1260mm、溝高50mm、肉厚4.5mmの大きさのベースプレート18bで実施しているが、これに限定されず、種々の設計変更が可能である。
なお、前記据え付け用部材18を構成する部材は、上記実施例1と同様に、ベースプレート18a、18bに限定されず、前記鋼製枠21、ひいては柱材26を十分に支持できる剛性を有する部材であればよい。また、前記据え付け用部材18の形態も勿論これに限定されず、使用する鋼製枠21をバランスよく支持できることを条件に、鋼製枠21の水平断面形状の大きさに応じて適宜設計変更可能である。
ボルト挿入用孔9は、ベースプレート18a、18bの交差部の中央に位置するボルト挿入用孔9を中心に、500mm程度の間隔をあけて当該ベースプレート18a、18bの端部に設けている。なお、ボルト挿入用孔9の配置および配置間隔は勿論これに限定されず、構築する柱材26を十分に支持できることを条件に適宜設計変更可能である。
また、ボルト挿入用孔9は、ベースプレート18a、18bを基礎ボルト7に対して傾斜させた状態であってもスムーズに上下動できる孔径(ルーズ孔)で実施していることは上記実施例1と同様である。
ボルト挿入用孔9に挿入する基礎ボルト7は、上記実施例1と同様に、引き抜き耐力に優れた異形ロックボルトを使用している。本実施例に係る基礎ボルト7の長さ寸法は、法面3側に配置する基礎ボルト7b、7dを短く、民家20(図7参照)等の保全対象側に配置する基礎ボルト7aを長くして実施することも上記実施例1と同様である。
ここで、本発明の実施例2に係る土留め擁壁10の構築方法について説明する。
図9〜図12に示したように、先ず、4本の基礎ボルト7を、法面3の根元の鋼製枠21を設置する地盤11上に打ち込む。本実施例に係る4本の基礎ボルト7はともに、一例として350mm程度の深さまで地盤11中に打ち込んでいる。
具体的に、4本の基礎ボルト7は、T字形状の据え付け用部材18の交差部に位置する基礎ボルト7dを、平面方向から見て、据え付ける鋼製枠21が形成する半円弧の半径の中心近傍位置に打ち込む。次に基礎ボルト7dを基点として、ベースプレート18aを固定する側の基礎ボルト7aを、法面3の幅方向に対しほぼ直角方向に打ち込み、ベースプレート18bを固定する側の基礎ボルト7b、7bを、法面3の幅方向とほぼ平行に打ち込んで実施している。
なお、本実施例に係る4本の基礎ボルト7は、鋼製枠21の内側部分に納まるように、基礎ボルト7dを中心に500mmの間隔をあけて打ち込んでいるがこれに限定されず、据え付ける鋼製枠1の形態に応じて適宜設計変更可能である。
このように4本の基礎ボルト7を所定の配置に打ち込んだ後、4本の基礎ボルト7にそれぞれ高さ調整ナット6をねじ込む。なお、この高さ調整用ナット6は予め、基礎ボルト7にねじ込んでいてもよい。
次に、4本の基礎ボルトのうち、法面3の幅方向に対しほぼ直角方向に配設した基礎ボルト7d、7aに、ベースプレート18aのボルト挿入用孔9をそれぞれ通して当該ベースプレート18aを高さ調整用ナット6で支持する。
次に、ベースプレート18aを支持する高さ調整用ナット6、6をそれぞれ回転させることにより、ベースプレート18aを、高さ調整用ナット6に支持された状態で上下動させて、鋼製枠21を据え付けるのに適切な角度に傾斜させて位置決めする。
なお、鋼製枠21を据え付けるのに適切な角度とは、法面3の性状および形状に応じて適宜設計変更されるが通常、地上から10〜15度の角度とされる。
ベースプレート18aの傾斜角度を設定した後、法面3の幅方向とほぼ平行に配設した基礎ボルト7b、7d、7bに、ベースプレート18bのボルト挿入用孔9をそれぞれ通して当該ベースプレート18bをベースプレート18aの上面に載置する。次に、ベースプレート18bの両端部の基礎ボルト7b、7bに設けた高さ調整用ナット6、6を回転させてベースプレート8bの裏面に当接させる。
かくして、ベースプレート18a、18bから構成される据え付け用部材18は、地盤11から鉛直に立ち上がる基礎ボルト7にねじ込んだ高さ調整用ナット6により、鋼製枠1を据え付けるのに適切な角度で傾斜させた状態で支持される。
続いて、上記実施例1と同様に、ベースプレート18a、18b(据え付け用部材18)を基礎ボルト7に固定するべく、同基礎ボルト7の上方から締結用ナット14をねじ込むことにより、据え付け用部材18を、調整用ナット6と締結用ナットで挟み込み固定する。
しかる後、鋼製枠据え付け装置15の据え付け用部材18に、第1段目の鋼製枠21を据え付ける。
鋼製枠21を据え付け用部材18(ベースプレート18a、18b)に据え付ける手法は種々あるが、本実施例では上記実施例1と同様に、図12に示したように、鋼製枠21とベースプレート18aとを、ベースプレート18aのボルト通し孔13と鋼製枠21の下面のフランジ面に設けたボルト通し孔25とを一致させ、当該一致したボルト通し孔13、25にボルトを通して接合している。また、鋼製枠21とベースプレート18bとは、ベースプレート18bの両端部のフランジを切り欠いた切欠部へ鋼製枠21の下面のフランジを載置している。かくして、鋼製枠21は、据え付け用部材18の上面に安定した状態で据え付けられる。なお、ベースプレート18bの角隅部にもベースプレート18aと同様なボルト通し孔13を設け、鋼製枠21の下面のフランジ面とボルト接合して実施することも勿論できる。
続いて、図13に示したように、第1段目の半円筒形の鋼製枠21上に半円筒形の鋼製枠21を取り付け、さらにその上に円筒形の鋼製枠1を、柱材(コンクリート柱)26を構築するのに必要な高さ複数段(図示例では計7段)積み重ねることにより、半円筒形の鋼製枠21、及び円筒形の鋼製枠1の設置作業を終了する。
ちなみに、本実施例では、半円筒形の鋼製枠21は、上記実施例1で説明した1枚の波付鋼板(ライナープレート)とその両側の半分サイズの2枚の波付鋼板とを周方向にボルト接合して半円筒状に形成する。円筒形の鋼製枠1の成形方法、および具体的な作業手順は、上記実施例1で説明した通りである。
なお、本実施例では、半円筒形の鋼製枠21を上下2段に積み重ねて実施しているが、段数は勿論これに限定されるものではなく、法面3の下部の硬さ等に応じて、適宜増減して実施する。
次に、鋼製枠21、1の設置作業と並行して、又は相前後して、図13と図14に示したように、地盤11上に、鋼製枠21と地盤11との隙間を塞ぐ充填材流出防止用部材12を設置する。ちなみに、充填材流出防止用部材12を設置しても、鋼製枠21と地盤11との間にコンクリート(充填材)4が流出する隙間が生じている場合には、周辺の土砂や石などを適宜敷き並べて当該隙間を塞ぐ。
かくして、鋼製枠21、1を必要な高さ複数段(図示例では計7段)積み重ね、地盤11に充填材流出防止用部材12を設置した後、鋼製枠21、1内に上方からコンクリート4を打設して、地盤11から75〜80度程度傾斜したコンクリート柱(柱材)26を構築する。
コンクリート4は、鋼製枠1、21の内部を通って据え付け用部材18が形成するスペースS(図12参照)を通過して下方の地盤11まで流れ落ちる。コンクリート4は、地盤11に設けた充填材流出防止用部材12、および必要に応じて敷き並べた土砂や石などで堰き止められるので、鋼製枠1、21内に徐々にコンクリート4が充填され、ひいては地上から傾斜して立ち上がるコンクリート柱(柱材)26が構築される。
その後、間隔をおいて構築されたコンクリート柱26の鋼製枠21、1の外面に突出している取り付けプレート16と、エキスパンドメタルなどからなる壁面材2の左右両側に形成されたフランジとをボルトなどで接合し、鋼製枠21、1及び壁面材2の背面と、法面3との間に裏込め材24を裏込めして擁壁(土留め擁壁)10を構築する。裏込め材24は、現地発生土砂が好適であるが、それ以外には、岩、砕石、割石なども使用することができる。
さらに、本実施例でも上記実施例1と同様に、図16に示したように、土留め擁壁10の上部に落石防止柵を構築して実施している。この落石防止柵は、鋼製枠21、1の内部にコンクリートを打設する際に、上端部の鋼製枠1に支柱27を仮設してコンクリート4を充填することによって支柱27を立設し、隣接する支柱27、27間に落石防止網28を張設して構築している。
以上説明したように、本発明に係る鋼製枠据え付け装置15、並びに同装置15を用いて構築した土留め擁壁10および土留め擁壁10の構築方法によれば、上記実施例1と同様な作用効果を奏する。すなわち、機械的な作業が多い擁壁10(土留め擁壁)の構築作業の中で、施工精度が要求される鋼製枠21、1、(特には、第1段目の鋼製枠21)の据え付け作業を、同鋼製枠21に先行して、傾斜角度を自在に設定できる鋼製枠据え付け装置15を地盤11上に設置して実施するので、地盤11の性状(例えば、硬質地盤)、形状(例えば、不陸)、および施工スペースの広さ(例えば、民家裏の狭いスペース)に拘わらず容易、且つ迅速に行うことができる。よって、工期を大幅に短縮することができ、コスト削減に大きく寄与する。
図15Aは、上記実施例1に係る鋼製枠据え付け装置5について、同装置5の据え付け用部材8の異なる実施例を示している。この図15Aに係る据え付け用部材22は謂わば、十字形状のベースプレートと円形状(リング状)のベースプレートとを一体化した形状で実施している。
この据え付け用部材22は、実施例1に係る据え付け用部材8と同様に、コンクリート4を通すスペースSを有する。また、基礎ボルト7を通すためのボルト挿入用孔9がサイコロの5の目状に設けられている。さらに、この上面に据え付ける円筒形の鋼製枠1の下面のフランジ面とほぼ一致する平面形状に形成したリングには、鋼製枠1の下面のフランジ面に設けたボルト通し孔25と一致するボルト通し孔13が複数設けられている。
よって、この図15Aに係る据え付け用部材22は、地盤11に基礎ボルト7をサイコロの5の目状に打ち込み、高さ調整用ナット6をねじ込んだ後、据え付け用部材22のボルト挿入用孔9に基礎ボルト7を通して高さ調整用ナット6で支持することができる。また、高さ調整用ナット6を回転させることにより、同ナット6に支持された状態で上下動させて鋼製枠1を据え付けるのに適切な角度に傾斜させて位置決めすることができる。鋼製枠1の下面のフランジ面とボルト接合することにより、鋼製枠1を安定した状態で支持することができ、ひいては地上から傾斜して立ち上がるコンクリート柱(柱材)26を構築することができる。
したがって、この据え付け用部材22を使用した鋼製枠据え付け装置は、上記実施例1と同様に、機械的な作業が多い擁壁10(土留め擁壁)の構築作業の中で、施工精度が要求される鋼製枠1(特には、第1段目の鋼製枠1)の据え付け作業を、同鋼製枠1に先行して、傾斜角度を自在に設定できる鋼製枠据え付け装置5を地盤11上に設置して実施するので、地盤11の性状(例えば、硬質地盤)、形状(例えば、不陸)、および施工スペースの広さ(例えば、民家裏の狭いスペース)に拘わらず容易、且つ迅速に行うことができる。よって、工期を大幅に短縮することができ、コスト削減に大きく寄与する。
図15Bは、上記実施例2に係る鋼製枠据え付け装置15について、同装置15の据え付け用部材18の異なる実施例を示している。この図15Bに係る据え付け用部材23は謂わば、T字形状のベースプレートと半円形状のベースプレートとを一体化した形状で実施している。
この据え付け用部材23は、実施例2に係る据え付け用部材18と同様に、コンクリート4を通すスペースSを有する。また、基礎ボルト7を通すためのボルト挿入用孔9がT字形の交差部を基点としてほぼ等間隔に設けられている。さらに、この上面に据え付ける半円筒形の鋼製枠21の下面のフランジ面とほぼ一致する平面形状に形成した部位には、鋼製枠21の下面のフランジ面に設けたボルト通し孔25と一致するボルト通し孔13が複数設けられている。
よって、この図15Bに係る据え付け用部材23は、地盤11に基礎ボルト7を4本打ち込み、高さ調整用ナット6をねじ込んだ後、据え付け用部材23のボルト挿入用孔9に基礎ボルト7を通して高さ調整用ナット6で支持することができる。また、高さ調整用ナット6を回転させることにより、同ナット6に支持された状態で上下動させて鋼製枠21を据え付けるのに適切な角度に傾斜させて位置決めすることができる。鋼製枠21の下面のフランジ面とボルト接合することにより、鋼製枠21を安定した状態で支持することができ、ひいては地上から傾斜して立ち上がるコンクリート柱(柱材)26を構築することができる。
したがって、この据え付け用部材23を使用した鋼製枠据え付け装置は、上記実施例2と同様に、機械的な作業が多い擁壁10(土留め擁壁)の構築作業の中で、施工精度が要求される鋼製枠21、1、(特には、第1段目の鋼製枠21)の据え付け作業を、同鋼製枠21に先行して、傾斜角度を自在に設定できる鋼製枠据え付け装置15を地盤11上に設置して実施するので、地盤11の性状(例えば、硬質地盤)、形状(例えば、不陸)、および施工スペースの広さ(例えば、民家裏の狭いスペース)に拘わらず容易、且つ迅速に行うことができる。よって、工期を大幅に短縮することができ、コスト削減に大きく寄与する。
以上に実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、各実施例に係る据え付け用部材8、18、22、23の形態はこれらに限定されず、充填材4が流通可能なスペースSを確保して鋼製枠1、21、ひいては柱材26を支持し得ることを条件に、三角形その他の多角形状でも実施することができる。
また、充填材流出防止用部材12は、施工後、外観が見えなくなる程に土砂等で埋めて実施してもよい。
土留め擁壁の構成を概略的に示した平面図である。 土留め擁壁の構成を概略的に示した正面図である。 実施例1に係る鋼製枠据え付け装置を示した斜視図である。 実施例1に係る鋼製枠据え付け装置を地盤に設置した状態を示した立面図である。 実施例1に係る鋼製枠据え付け装置を地盤に設置し、第1段目の鋼製枠を据え付けた状態を示した立面図である。 実施例1に係る鋼製枠据え付け装置と第1段目の鋼製枠との接合状態を示した平面図である。 実施例1に係る鋼製枠据え付け装置を地盤に設置し、鋼製枠を所要の高さ積み重ねた状態を示した立断面図である。 実施例1に係る鋼製枠据え付け装置に充填材流出防止用部材を設置した状態を示した斜視図である。 実施例2に係る鋼製枠据え付け装置を示した斜視図である。 実施例2に係る鋼製枠据え付け装置を地盤に設置した状態を示した立面図である。 実施例2に係る鋼製枠据え付け装置を地盤に設置し、第1段目の鋼製枠を据え付けた状態を示した立面図である。 実施例2に係る鋼製枠据え付け装置と第1段目の鋼製枠との接合状態を示した平面図である。 実施例2に係る鋼製枠据え付け装置を地盤に設置し、鋼製枠を所要の高さ積み重ねた状態を示した立断面図である。 実施例2に係る鋼製枠据え付け装置に充填材流出防止用部材を設置した状態を示した斜視図である。 Aは、実施例1に係る鋼製枠据え付け装置の据え付け用部材の異なる実施例を示した平面図であり、Bは、実施例2に係る鋼製枠据え付け装置の据え付け用部材の異なる実施例を示した平面図である。 土留め擁壁を利用して構築した落石防止柵を示した斜視図である。
符号の説明
1 鋼製枠
2 壁面材
3 法面
4 充填材(コンクリート)
5、15 鋼製枠据え付け装置
6 高さ調整用ナット
7 基礎ボルト
8、18、22、23 据え付け用部材
9 ボルト挿入用孔
10 擁壁(土留め擁壁)
11 地盤
12 充填材流出防止用部材
13、25 ボルト通し用孔
14 締付け用ナット
16 取付けプレート
17 アンカー
19 ボルト
20 民家
21 半円筒形の鋼製枠
24 裏込め材
26 柱材(コンクリート柱)
27 支柱
28 落石防止柵
S スペース

Claims (10)

  1. 複数の柱材を傾斜して立設する擁壁の前記柱材を、地盤上に鋼製枠を据え付け、同鋼製枠の内部に充填材を充填して立設する際に、前記地盤と鋼製枠との間に設置される鋼製枠据え付け装置であって、
    前記鋼製枠据え付け装置は、据え付け用部材と複数の基礎ボルトとからなり、前記据え付け用部材が前記複数の基礎ボルトを介して地盤上に設置されていること、
    前記鋼製枠据え付け装置は、据え付け用部材を複数の基礎ボルトによって高さを調整して傾斜状態で固定する手段を備えていることを特徴とする、鋼製枠据え付け装置。
  2. 前記複数の基礎ボルトは、高さ調整位置をネジ部とし、該複数の基礎ボルトが前記据え付け用部材に設けた複数のボルト挿入用孔に挿入され、同ネジ部にねじ込んだ高さ調整用ナットで前記据え付け用部材が傾斜状態で固定されることを特徴とする、請求項1に記載した鋼製枠据え付け装置。
  3. 前記据え付け用部材は、板材からなり、複数のボルト挿入用孔が離間して設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した鋼製枠据え付け装置。
  4. 前記据え付け用部材は、2個の板材を交差または、T字形状にして組み合わせてなり、その交点および端部に複数のボルト挿入用孔が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した鋼製枠据え付け装置。
  5. 前記据え付け用部材は、円形状または半円形状であり、複数のボルト挿入用孔が離間して設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した鋼製枠据え付け装置。
  6. 複数の柱材を傾斜して立設し、該柱材と柱材の間に壁面材を張設してなる土留め擁壁において、
    前記柱材は、鋼製枠と該鋼製枠の内部に充填された充填材とからなること、
    前記鋼製枠は、地盤上に設置した前記請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製枠据え付け装置に据え付けられていることを特徴とする、土留め擁壁。
  7. 前記土留め擁壁は、前記柱材に支柱を立設して、該支柱間に落石防止網を張設したことを特徴とする、請求項6に記載した土留め擁壁。
  8. 前記鋼製枠は、波付鋼板を周方向および軸方向に接合して成る円筒枠、又は半円筒枠であることを特徴とする、請求項6又は7に記載した土留め擁壁。
  9. 複数の柱材を法面に向けて傾斜して立設し、該柱材と柱材の間に壁面材を張設してなる土留め擁壁の構築方法において、
    前記請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製枠据え付け装置を、複数の基礎ボルトを地盤に打ち込んで地盤上に設置すること、
    前記鋼製枠据え付け装置の据え付け用部材を、前記鋼製枠を据え付けるのに適切な角度に傾斜させるべく、前記複数の基礎ボルトによって高さを調整して固定した後、前記鋼製枠を据え付けること、
    前記鋼製枠を、柱材を構築するのに必要な高さ積み重ねると共に、前記地盤上に前記鋼製枠と地盤との隙間を塞ぐ充填材流出防止用部材を設置すること、
    前記鋼製枠内に充填材を充填して柱材を構築すること、
    前記複数の柱材と壁面材及び法面との間に裏込め材を充填すること、
    を特徴とする、土留め擁壁の構築方法。
  10. 前記複数の柱材と壁面材及び法面との間に裏込め材を充填した後に、前記柱材に支柱を立設して、該支柱間に落石防止網を張設したことを特徴とする、請求項9記載の土留め擁壁の構築方法。
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