JP2009256795A - 単分子膜形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜室2内における成膜面W1上の熱対流を抑制することにより、成膜面W1への自己組織化単分子の吸着ムラを無くし、緻密な自己組織化単分子膜を形成する。
【解決手段】自己組織化単分子を含有する成膜原料を気化し、基板Wの成膜面W1上に自己組織化単分子膜を形成する単分子膜形成装置1であって、内部に基板Wが設けられる成膜室2と、前記成膜室2内に自己組織化単分子を含有する成膜原料を気化して供給する原料供給機構3と、前記成膜室2内に保持された基板Wの成膜面W1上の対流を制限する対流制限構造8と、を具備する
【選択図】図1

Description

この発明は、基板上に自己組織化単分子膜を形成する単分子膜形成装置に関するものである。
原子、分子、微粒子等の微小要素は、自発的に集合し規則的な配列を形作ることがあるが、このような自己組織化現象は、微小要素を集積化して材料・デバイスを構築するボトムアップ・ナノテクノロジーにおいて重要な役割を果たすと考えられる。自己組織化を利用した材料プロセスのひとつに、有機分子の単層膜/多層膜形成がある。ある種の有機分子が固体表面への特異な吸着現象を示すことは古くから知られていたが、近年の研究によって、吸着の過程で吸着分子同士の相互作用によって、自発的に集合体を形成し、吸着分子が緻密に集合しかつ配向が揃った分子膜が形成される場合があることが明らかになってきた。
特定の物質に対して親和性を有する有機分子の溶液に、その物質からなる基板を浸漬すると、有機分子が材料表面に化学吸着し有機薄膜が形成されるが、この吸着分子層が一層の場合、すなわち単分子膜が形成される場合には、当該有機薄膜は自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer、SAM膜)と呼ばれる。近時SAM膜に関する研究が大きく進展し、基礎・応用の両面から注目されるようになっている。
例えば、表面に酸化膜が形成されたシリコン基板に、気相法により有機シラン分子のSAM膜を形成するには、従来、図8に示すように、密閉系システムによる方法が用いられている。この方法においては、オーブンZ3中に、有機シランを入れた容器Z1とシリコン基板Wを入れた密閉容器Z2を置き、オーブンZ3を有機シランの沸点まで加熱する。すると、有機シランは気化し、シリコン基板W表面のOH基と有機シランが反応し、SAM膜が形成される。
しかしながら、このような方法では、密閉容器Z2内の有機シラン濃度が必要以上に高くなり、過剰な有機シランがシリコン基板W上に付着して、有機シランが次々に重合を起こすことがあり、シリコン基板Wに結合した有機シラン分子の長さが不均一となり、歩留まりが悪かった。また、このような方法では大面積の基板にSAM膜を形成することは難しい。実際、この密閉容器Z2を用いた方法では、基板サイズはせいぜい20mm×20mm程度である。
そして、近年、特許文献2に示すように、基板を内部に収容する成膜室と、当該成膜室内に自己組織化単分子を含有する試料を気化させて供給する原料供給機構と、前記成膜室内に設けられ、前記基板が載置される基板ヒータとを備え、自己組織化単分子を含有する試料を成膜室内に供給して、基板の成膜面上にSAM膜を形成する装置が考えられている。この単分子膜形成装置では、基板ヒータ上に基板が、その成膜面が成膜室の収容空間に臨むように、つまり、成膜面を基板の上面とした場合に、その基板の下面が基板ヒータと接触するように載置されている。
しかしながら、基板ヒータによる加熱により、基板の成膜面上で熱対流が発生してしまい、成膜室内に充満された自己組織化単分子が熱対流に乗って流動してしまうので、成膜面上への吸着ムラが生じてしまうという問題が生じる。特に、吸着現象を利用したこの種の単分子膜形成方法においては、その影響を多大に受けてしまう。その結果、緻密なSAM膜を形成することが難しいという問題がある。
特開平5−195222号公報 特開2007−100191号公報
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、成膜室内における成膜面上の熱対流を抑制することにより、大面積の基板に自己組織化単分子膜(SAM膜)を形成する場合であっても、気化した成膜原料の対流を抑制して成膜面への自己組織化単分子の吸着ムラを無くし、緻密なSAM膜を形成することをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る単分子膜形成装置は、自己組織化単分子を含有する液体原料を気化し、基板の成膜面上に自己組織化単分子膜を形成するものであって、内部に基板が設けられる成膜室と、前記成膜室内に自己組織化単分子を含有する成膜原料を気化して供給する原料供給機構と、前記成膜室内に保持された基板の成膜面上の対流を制限する対流制限構造と、を具備することを特徴とする。
このようなものであれば、大面積の基板に自己組織化単分子膜(SAM膜)を形成することができる上に、成膜室内における成膜面上の熱対流を抑制することにより気化した成膜原料の対流を抑制して成膜面への自己組織化単分子の吸着ムラを無くし、緻密な自己組織化単分子膜を形成することができる。
対流制限構造を容易に実現するための具体的な実施の態様としては、前記対流制限構造が、前記成膜面から所定距離離間して設けられ、前記成膜面上の空間を仕切る対流制限面であることが考えられる。
成膜面上の対流を制限するためには、前記成膜面と前記対流制限面との距離が、1mm以下であることが望ましい。
また、対流制限構造を既存の構成を用いて簡単に実現するためには、前記基板を加熱するための基板ヒータを備え、前記成膜面を前記基板ヒータと対向するように配置し、前記基板ヒータの基板載置面が前記対流制限面として機能することが望ましい。
前記原料供給機構から供給される気化した成膜原料が、直接成膜面上に到達しないようにして、供給の向きによる自己組織化単分子の成膜面の吸着ムラを防止するためには、前記対流制限面と前記基板とから形成される開口を備え、当該開口が、前記原料供給機構の成膜室開口の開口方向と略直交する方向を向くものであることが望ましい。
このように構成した本発明によれば、成膜室内における成膜面上の熱対流を抑制することにより、大面積の基板に自己組織化単分子膜(SAM膜)を形成する場合であっても、気化した成膜原料の対流を抑制して成膜面への自己組織化単分子の吸着ムラを無くし、緻密な自己組織化単分子膜を形成することができる。
本発明の実施形態に係る単分子膜形成装置の概略構成図である。 対流制限構造を模式的に示す断面図である。 対流制限構造及び自己組織化単分子の流れを模式的に示す図である。 単分子膜形成方法及び当該方法における形成過程を示す模式図である。 成膜面及び基板載置面間の距離を変更して形成したSAM膜の接触角を示す図である。 変形実施形態に係る対流制限構造を模式的に示す断面図である。 変形実施形態の基板及び自己組織化単分子の組み合わせを示す一覧表である。 従来の気相法により基板上にSAMを形成する密閉系システムを示す概略構成図である。
<装置構成>
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図1は本実施形態に係る単分子膜形成装置1の概略構成図、図2は対流制限構造8を模式的に示す拡大断面図、図3は対流制限構造8及び自己組織化単分子の流れを模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る単分子膜形成装置1は、加工対象である基板Wの上面である成膜面W1にSAM膜を形成する装置であり、自己組織化単分子を含有する成膜原料を気化し、基板Wの成膜面W1上に自己組織化単分子を吸着させSAM膜を形成するものである。本実施形態の基板Wは、例えばシリコン基板である。
具体的にこのものは、図1に示すように、成膜室2と、原料供給機構3と、水蒸気供給機構4と、を具備する。
成膜室2は、基板Wを内部に収容して、保持機構により保持するものである。本実施形態の成膜室2には、基板Wを加熱するための基板ヒータ5が設けられており、保持機構の機能を兼ねている。そして、成膜室2は、真空用弁Vを介して真空ポンプ6によって減圧可能に構成されている。また、成膜室2内に充填した気化した成膜原料を成膜室2から除去するためのパージ用Nガスを供給するパージ用ガス供給管71も配設されている。このパージ用ガス供給管7は、マスフローコントローラ(MFC)72によりパージ用Nガスの供給流量を制御されている。なお、保持機構は、ごく一般的なものであるため、詳細な説明及び図示は省略する。また、成膜室2内の圧力を測定するための圧力計Gが成膜室2に設置されている。
原料供給機構3は、成膜室2内に自己組織化単分子を含有する成膜原料を気化して供給するものである。その構成は、成膜原料を収容する例えばステンレス製の原料タンク31と、当該原料タンク31と成膜室2とを接続する原料供給管32と、当該原料供給管32上に設けられ、前記原料タンク31で蒸発した成膜原料を一時貯留する原料蒸気タンク33を備えている。また、原料供給管32における原料タンク31及び原料蒸気タンク33間には、原料供給管32の開放又は閉塞を行う第1開閉弁34が設けられている。さらに、原料供給管32における原料蒸気タンク33及び成膜室2間には、原料供給管32の開放又は閉塞を行い、原料蒸気タンク33に貯留された蒸気の成膜室2への供給、停止を行う第2開閉弁35が設けられている。その上、原料供給機構3は、原料タンク31、原料供給管32及び原料蒸気タンク33等を所定温度に加熱するための成膜原料用ヒータ(図示しない)を備えている。なお、第1、第2開閉弁34、35及び成膜原料用ヒータは、図示しない情報処理装置により制御される。
水蒸気供給機構4は、基板W上に吸着された自己組織化単分子を加水分解するために、成膜室2内に水蒸気を供給するものである。その構成は、水を収容する例えばステンレス製の貯水タンク41と、当該貯水タンク41と成膜室2とを接続する水蒸気供給管42と、当該水蒸気供給管42上に設けられ、前記貯水タンク41からの水蒸気を一時貯留する水蒸気タンク43とを備えている。また、水蒸気供給管42における貯水タンク41及び水蒸気タンク43間には、水蒸気供給管42の開放又は閉塞を行う第3開閉弁44が設けられている。さらに、水蒸気供給管42における水蒸気タンク43及び成膜室2間には、水蒸気供給管42の開放又は閉塞を行い、水蒸気タンク43に貯留された水蒸気の成膜室2への供給、停止を行う第4開閉弁45が設けられている。その上、原料供給機構3は、貯水タンク41、水蒸気供給管42及び水蒸気タンク43等を所定温度に加熱するための水蒸気用ヒータ(図示しない)を備えている。なお、第3、第4開閉弁44、45及び水蒸気用ヒータは、前記原料供給機構3と同様、図示しない情報処理装置により制御される。
しかして、本実施形態の単分子膜形成装置1は、図2に示すように、成膜室2内に保持された基板Wの成膜面W1上の対流を制限する対流制限構造8を備えている。
この対流制限構造8は、成膜面W1から所定距離離間して設けられ、成膜面W1上の空間を仕切る対流制限面801を備えている。成膜面W1と対流制限面801とは略平行に設けられ、その離間距離は、1mm以下であり、より好ましくは0.1mm程度である。なお、離間距離は、成膜面W1と対流制限面801との間に自己組織化単分子を含むガスが自由に入り込むことを担保しつつ、成膜面W1への吸着ムラを低減して所望の緻密性(つまりSAM膜の疎水性)を実現できる程度の距離である。
本実施形態の対流制限構造8は、基板ヒータ5の上面である基板載置面51と、当該基板載置面51上に設けられ、基板Wと接触するスペーサ部材9とから構成される。このスペーサ部材9は、基板載置面51と基板W(具体的には成膜面W1)との距離を規定するものであり、基板ヒータ5の基板載置面51と一体に設けられても良いし、別体に設けられても良い。また、スペーサ部材9の形状は、基板載置面51と一体のものである場合には、基板Wの周縁部の一部と接触する例えばピン形状をなす突起部であっても良いし、基板Wの周縁部の一部と接触する突条部又は段部であっても良い。その他、その形状は、成膜面W1と基板載置面51との距離を規定できる形状であれば良く、基板Wの形状によって適宜変更可能である。
そして、基板Wを基板ヒータ5に載置するに際して、その成膜面W1と基板載置面51とが対向するように(つまり、従来の基板載置態様と表裏反対となるように)載置することよって、基板載置面51が対流制限面801として機能する。本実施形態の対流制限面801(基板載置面51)は、原料供給機構3の原料供給管32の成膜室開口及び水蒸気供給機構4の水蒸気供給管42の成膜室開口と対向して略垂直に設けられている。これにより、各供給管32、42から成膜室2内に導かれた原料又は水蒸気は、図3に示すように、基板W及び基板ヒータ5により形成される空間内に、側方を向く開口(より詳細には、供給菅32、42の成膜室開口の開口方向と略直交する方向を向く開口)から入り込み、直接成膜面W1上に到達しないので、供給の向きによる自己組織化単分子の成膜面W1の吸着ムラを防止することができる。
<単分子膜形成方法>
次に本実施形態の単分子膜形成装置1を用いた単分子膜形成方法について説明する。
<<基板収容ステップ>>
まず、基板Wの成膜面W1をOH基終端処理する(図4(A)参照)。このOH基終端処理としては、例えばSPM洗浄が考えられ、SPM洗浄は、例えば硫酸(HSO)と過酸化水素(H)とを3:1の割合で混合した溶液を用いて95℃〜120℃で10分間行う。
そして、成膜室2内に基板Wを収容した後、真空用弁Vを開けて真空ポンプ6により成膜室2内の圧力が、例えば0.4Paとなるように真空引きする。その後、真空用弁Vを閉じる。基板Wを基板ヒータ5に載置する際、その成膜面W1が、基板ヒータ5の基板載置面51に対向するように載置する。また、基板ヒータ5の温度を例えば100℃に設定する。
<<原料供給ステップ>>
次に、原料供給機構3により、成膜原料であるODS(オクタデシルトリメトキシシラン、CH(CH16CHSi(OCH)を成膜室2内に供給する(図4(B)参照)。なお、図4においてメチル基をMeと表現している。この原料供給ステップ前において、原料タンク31等は、当該原料タンク31に収容されたODSが蒸発する程度の温度(例えば150℃)に加熱される。このとき、第1開閉弁34は開放され、第2開閉弁35が閉塞されており、ODSの蒸気が原料蒸気タンク33に貯留される。そして、原料供給ステップにおいて、第1開閉弁34を閉塞し、第2開閉弁35を開放することより、原料蒸気タンク33から成膜室2内にODSを供給する。供給量としては、成膜室2内の圧力が例えば3Paになるまでである(供給前0.4Pa)。そして、成膜室2内の圧力が3Paになった後、第2開閉弁35を閉塞する。
<<第1吸着ステップ>>
成膜室2内に供給されたODSは、基板Wの成膜面W1に置換反応により吸着する。この第1吸着ステップは、原料供給ステップ終了後、例えば5秒〜5分間行う。このとき、図4(C)に示すように、ODSは、成膜面W1に吸着した隣り合うODSのメトキシ基により立体障害が生じて、成膜面W1上のOH基全てと結合することができない。
<<水蒸気供給ステップ>>
第1吸着ステップの後、水蒸気供給機構4により水蒸気を成膜室2内に供給する(図4(D)参照)。具体的には、この水蒸気供給ステップ前において、貯水タンク41は、貯水タンク41に収容されたHO(水)が蒸発する程度の温度(例えば35℃)に保温されている。このとき、第2開閉弁44は開放され、第4開閉弁45は閉塞されており、HOの蒸気が水蒸気タンク43に貯留される。そして、水蒸気供給ステップにおいて、第3開閉弁44を閉塞し、第5開閉弁45を開放することによって、水蒸気タンク43から成膜室2内に水蒸気が供給される。水蒸気の供給量は、成膜室内に供給されたODSのMeO基の全てを加水分解するのに充分な量である。本実施形態では、必要と見積もられる。よって、より充分とするために、成膜室2内の圧力は例えば21Paまで上昇するまで水蒸気を供給する。
<<第2吸着ステップ>>
成膜室2内に水蒸気が供給されると、基板Wに吸着したODSのうち、立体障害の原因となっているメトキシ基が加水分解により除去されて、立体障害が解消される。そうすると、成膜面W1に吸着されたODS間に間隙が形成される。このとき、基板Wに吸着することなく成膜室2内の気相中に残留しているODS(残留ODS)も加水分解されており、その間隙内に、気相中で加水分解されたODSが吸着する(図4(E)参照)。この第2吸着ステップは、例えば30〜75分間行う。
<<脱水縮合ステップ>>
第2吸着ステップ終了後、基板ヒータ5の温度を約200℃まで上昇させ、基板Wを熱処理して、基板Wに吸着したODS間で脱水縮合させる(図4(F)参照)。これにより、各ODS間でネットワークができ、緻密なSAM膜が形成される。なお、この脱水縮合ステップは、例えば30〜120分間行う。
次に、上記単分子膜形成方法において、成膜面W1及び基板載置面51間の距離を変えた場合のSAM膜の疎水性評価について、図5を参照して説明する。SAM膜の疎水性評価方法は、SAM膜の形成された基板W上に水滴を静止させた場合の水滴接触角を計測することにより行った。
図5に示すように、成膜面W1−基板載置面51(対流制限面801)間の距離が大きければ大きいほど、接触角が小さくなり、SAM膜の疎水性が小さくなっていることが分かる。つまり、成膜面W1−基板載置面51間の距離が大きいほど、成膜面W1上に対流が生じ、吸着ムラが起こり、緻密なSAM膜の形成を妨げていると考えられる。一方、成膜面W1−基板載置面51間の距離が小さいほど、成膜面W1上の対流を抑制することができ、吸着ムラを低減することができ、緻密なSAM膜が形成されていると考えられる。また、成膜面W1−基板載置面51間の距離が0mmの場合、つまりスペーサ部材9を設けずに成膜面W1及び基板載置面51を接触させた場合(単に、基板ヒータ5上に、成膜面W1が基板載置面51と対向するように載置する場合)、SAM膜はより緻密となるが、基板W表面に傷等が付いてしまい、バイオセンサ等の用途に使用できない等の問題がある。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る単分子膜形成装置1によれば、大面積の基板Wに自己組織化単分子膜(SAM膜)を形成する場合であっても、成膜室2内における成膜面W1上の熱対流を抑制することにより、気化した成膜原料の対流を抑制して成膜面W1への自己組織化単分子の吸着ムラを低減し、緻密なSAM膜を形成することができる。
特に本実施形態では、基板載置面51と基板Wとの間にスペーサ部材9を設けて載置するだけで対流制限構造8を実現することができ、その構成が極めて簡単である。また、基板載置面51と成膜面W1とを対向させているので、成膜面W1の温度と基板ヒータ5の温度とを略同一にすることができるので、熱対流を可及的に抑制して、自己組織化単分子の成膜面W1への吸着のばらつきを可及的に低減できる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。以下の説明において前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付すこととする。
例えば、対流制限構造8は、前記実施形態に限られず、例えば図6に示すものであっても良い。この対流制限構造8は、基板ヒータ5上に設けられ、当該基板ヒータ5上に従来通り載置された基板Wの成膜面W1を覆うものであり、基板Wの成膜面W1に対向する対流制限面801を有する頂壁8Aと、当該頂壁8Aの周端部に設けられ、前記対流制限面801と成膜面W1との距離を規定する側壁8Bとからなる。ここで、「従来通り載置された」とは、成膜面W1を基板Wの上面とした場合に、その基板Wの下面が基板載置面51と接触するように載置した場合をいう。
また、前記実施形態では、成膜原料として、ODSを用いたものであったが、その他、シリコン原子に4個の官能基が付いた分子(SiX、Xは官能基を示す。)又はその4個の官能基のうち少なくとも1つが有機分子基で置換された分子(SiR4−N、Xは官能基、Rは有機分子基を示す。)等であっても良く、例えばODAS(オクタデシルアミノトリメトキシシラン、NHCH(CH16CHSi(OCH)である。その他、図7に示す組み合わせの基板及び自己組織化単分子を用いても良い。なお、図7におけるRは、CX(3−N)−(CH−、である。ここで、N=0,1,2,3であり、M=1以上の整数である。また、X=H、アルキル基(例えばメチル基など)、ハロゲン(F、Cl)、アミノ基(NH)、フェニル基、等である。Xとしては、これに限られず、自己組織化単分子膜を形成し得る原料であれば良い。
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
1 ・・・単分子膜形成装置
W ・・・基板
W1 ・・・成膜面
2 ・・・成膜室
3 ・・・原料供給機構
8 ・・・対流制限構造
801・・・対流制限面
5 ・・・基板ヒータ
51 ・・・基板載置面

Claims (5)

  1. 自己組織化単分子を含有する成膜原料を気化し、基板の成膜面上に自己組織化単分子膜を形成する単分子膜形成装置であって、
    内部に基板が設けられる成膜室と、
    前記成膜室内に自己組織化単分子を含有する成膜原料を気化して供給する原料供給機構と、
    前記成膜室内に保持された基板の成膜面上の対流を制限する対流制限構造と、
    を具備する単分子膜形成装置。
  2. 前記対流制限構造が、前記成膜面から所定距離離間して設けられ、前記成膜面上の空間を仕切る対流制限面を備える請求項1記載の単分子膜形成装置。
  3. 前記成膜面と前記対流制限面との距離が、1mm以下である請求項2記載の単分子膜形成装置。
  4. 前記基板を加熱するための基板ヒータを備え、
    前記成膜面を前記基板ヒータと対向するように配置し、前記基板ヒータの基板載置面が前記対流制限面として機能する請求項2又は3記載の単分子膜形成装置。
  5. 前記対流制限面と前記基板とから形成される開口を備え、当該開口が、前記原料供給機構の成膜室開口の開口方向と略直交する方向を向くものである請求項1、2、3又は4記載の単分子膜形成装置。
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