JP2009256294A - エーテル系溶剤を用いた無水アルコールないしガスホールの経済的な製造法 - Google Patents

エーテル系溶剤を用いた無水アルコールないしガスホールの経済的な製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスホールに使用される無水アルコールの蒸留法による製造で、熱消費が大きいという問題点を克服するための経済的な製造法の提供。
【解決手段】アルコール濃縮工程を省略する目的でエーテル系溶剤2を用いて希薄アルコールと混合し水分を液液抽出により溶剤+アルコール中の飽和溶解度まで脱水し、エーテル系溶剤の性質(水相でのアルコール濃度が小さい)を利用して少ない熱消費で抽残水中の少量のアルコールをストリッピングで回収し、原料にリサイクルして経済的に無水アルコールを製造する。この無水アルコールをガソリン6と混合しガスホール7とする。
【効果】従来の蒸留によるアルコール濃縮および脱水方法では発酵モロミ→90%粗留アルコール→100%無水アルコールでは、無水アルコール1KLあたり約1.8トンのスチームが必要であり、一方本方法ではスチーム消費量が約半分の0.9トンで済み、大きな省エネ経済効果が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水分を多量に含んだ含水アルコールにエーテル系溶剤とを直接混合して液液抽出および液相吸着脱水により水分を除去して無水アルコールないしはガスホールを製造する方法に関する
アルコールを石油原料の代替として工業用、燃料用として使用するためには、もともと共沸点をもっているだけでなく、製法上アルコール中に多量に含まれている水分を除去する必要がある。そのため従来から含水アルコールを水との共沸条件まで濃縮した後、還流付き蒸留法またはその蒸留と膜分離法とのハイブリッド法により無水アルコールを製造してから、ガソリンと混合してガスホールとすることが行われているが、無水化という脱水工程で多大なるスチーム原単位を要するためにさらなる普及には少ないスチーム原単位で簡便に供給できる装置が社会的に要請されていた。
ガソリンと無水アルコールとを混合してガスホールを製造する従来法では、蒸留法が主体といえるが、数%以上の水分を含む希薄アルコール水溶液を濃縮→90重量%以上アルコール→無水アルコールという多段階のアルコール濃縮&脱水工程を経るので熱消費が大きいという問題点があった。これに対して熱消費を低減する目的で蒸気相吸着方式やPV膜分離(パーベーパレーション)方式が提案されている。前者は蒸留法に劣らない脱水純度が可能であり、後者は純度では劣るが、熱消費が少ないというすぐれた特徴をもつが、いずれも蒸留法のように大量の原料を長期間処理する点では問題があった。
本発明は、請求項1のようにアルコール濃縮工程を省略する目的でエーテル系溶剤を用いて希薄アルコールと混合し水分を液液抽出により溶剤+アルコール中の飽和溶解度まで脱水し、エーテル系溶剤の性質(水相でのアルコール濃度が小さい)を利用して少ない熱消費で抽残水中の少量のアルコールを放散装置(ストリッピング)で回収し、原料にリサイクルして経済的に無水アルコールを製造することを特徴とする。この無水アルコールをガソリンと混合すれば、請求項2のガスホールとなる。
アルコールは、炭素数2以上のものを対象として、主としてはエチルアルコール、イソプロピルアルコールを指し、ガスホール製造の場合はエチルアルコールを指す。
ガソリンは、正常沸点30℃〜120℃の範囲の石油留分を指す。
エーテル系溶剤としては、炭素数4、5,6の成分を中心にジエチルエーテル、DME(ジメチルエーテル)、MTBE(メチルターシャルメチルエーテル)、ETBE(エチルターシャルブチルエーテル)などがあり、これらの溶剤はアルコールー水分系に対して二相に分かれる不均一系を形成して、かつ他の溶剤(BTX,パラフィン、シクロ系)と比較して。水相中のアルコール濃度が少ない、すなわち分配係数(=アルコールの抽残液濃度/アルコールの抽出液濃度)が1に近く、1以下になることもあるという特性をもつことを見出した。(図 2参照)これにより抽残液中のアルコールを回収リサイクルする際の熱消費が少なくなるという利点が得られることが判明した。
さらに請求項3にあるように液液抽出後の抽出液中には飽和溶解度までの水分(1重量%程度)が溶解しているので、液相吸着法により水分100ppm以下まで脱水させる。液相吸着法では、水分約10重量%までの脱水が可能であり、特に脱液後に残存する吸着水分を蒸発除去させるだけ熱量を加えるだけでよい。
液液抽出後の抽残液中には飽和溶解度までのアルコール分および溶剤分が溶解しているがエーテル系溶剤を使用しているためそれらの量は微量であり、放散塔により塔底製品は水分のみとなるように少ない熱負荷で焚き上げて塔頂よりアルコール分および溶剤分を回収した後に液化して液液抽出装置にリサイクルさせる。これにより少ない熱エネルギーでアルコール分および溶剤分のロスがなくなる。
発酵モロミではアルコールを4重量%〜20重量%含むが、何らの濃縮工程もなく液液抽出塔の頂部よりフィードさせ、一方エーテル系溶剤を液液抽出塔の底部よりフィードさせ、アルコールを溶剤中に移行させる。ここで液液抽出塔頂部からの抽出液中のアルコール濃度が3重量%となるようにする場合、実施例2のようになる。さらに抽出液は液相吸着塔にフィードして無水化した後、回収塔により溶剤をアルコールと分離して溶剤を抽出塔フィードにリサイクルする。回収塔アルコールをガソリンと混合してガスホールとして、抽残液は、放散塔にフィードして水中のアルコールおよび溶剤を回収する。要した製品ガソリン中のアルコール1KLあたりのスチーム量は下記のようになる。
液相吸着塔 0.1トン
放散塔 0.2トン
回収塔 0.6トン 計 0.9トン
一方従来の発酵モロミ→90%粗留アルコール→94重量%共沸アルコール→100%無水アルコールの無水化プロセスにおいて蒸留法によるガソホール製造の場合は90%粗留アルコールから無水アルコールへ直接いけるので、スチームは下記のように約1.8トン必要となる。
発酵モロミを90%まで濃縮 0.5トン(多重効用)
90%アルコールを100%無水化 1.3トン
計 1.8トン
以上から本方法のスチーム消費量は、従来法の約50%であり、大きな省エネ効果がある。
図1に示すように原料アルコール水溶液▲1▼に放散塔からのアルコール▲5▼を加えて濃度調整をおこない。抽出塔にフィードする。一方エーテル系溶剤▲3▼も流量を調整したのち抽出塔にフィードする。抽出液▲2▼は飽和水分も脱水するため、液相吸着装置に送り、その後ガソリン▲6▼と混合してガスホール▲7▼となる。抽出塔抽残液はまだアルコールを含んでいるので放散塔においてアルコールと溶剤を塔頂にリボイラーストリッピングをおこない、冷却器により液化させて抽出塔アルコール原料▲1▼にリサイクルさせる。塔底▲5▼は水分のみなのでドレンとして排水する。
直角三角図(図2)にシクロヘキサンを比較例としてジエチルエーテルおよびMTBEを溶剤とした場合のアルコールー水−溶剤3成分液液平衡(タイライン)を示している。なおタイラインの傾きの比較をみるために便宜上溶解度曲線はシクロヘキサンで代表させている。この図からエーテル系溶剤は、分配係数が1.0近傍であり、特に水相中のアルコール濃度が小さいことが明らかである。
以下実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
アルコール20重量%、1000kg/hと回収塔および抽残ストリッパーからのリサイクルを、液液抽出塔の頂部よりフィードさせ、一方MTBE5481kg/hを、液液抽出塔の底部よりフィードさせる。3理論段で液液抽出塔頂部からの抽出液9585kg/h中のアルコール濃度が2.2重量%となり、表1の物質収支表が得られた。
Figure 2009256294
アルコール10重量%、1000kg/hを、放散塔からの回収アルコールと混合して、液液抽出塔の頂部よりフィードさせ、一方ETBE1987kg/hを、液液抽出塔の底部よりフィードさせる。2理論段で液液抽出塔頂部からの抽出液は液相吸着塔、回収塔を経てガソリン1.9ton/hと混合して、アルコール濃度10重量%のガスホールが得られた。(表2の物質収支表−kg/h−を参照、なおストリームNOは図1、直角三角図は図2を参照、)
Figure 2009256294
バイオアルコールは、環境調和の自動車燃料として増加の方向であるが、我が国ではガソリンに混合する含酸素アルコール源として無水アルコールとETBE(エチルターシャリブチルエーテル)の2方法が競合している。後者のメリットとして水分が存在しないことおよびC4原料(ブテンなど)の有効利用が可能なことが考えらるが、アルコールを原料として作られるために更にコスト高になる問題がある。またETBEは毒性が高いというデータがあり、ACGIHから発表されたTLV−TWAは、ETBEは5ppmとされている。一方アルコール混合によるガスホールは、アルコールの水に対する相溶性が大きいことが課題であるが、本方法によると、ガソリンと混合した後に吸着で脱水していることで無水性が確保されていて、かつETBEの原料であるアルコール主体のため工程が少なくなる分経済的であることなどにより、十分優位性がある。
我が国における農業系バイオマスとしてビートおよび副生するビートパイプが水分85%で400万トン/年、サトウキビおよび副生するバガスが水分70%で100万トン/年が生まれている。自動車燃料として利用するためには、安定的にガスホールを供給することが必要条件になり、そのためバイオアルコール原料製造においては、サトウキビ、ビートなどを原料として砂糖を製造する際に副生するモラセス(廃糖蜜)だけでなく、バガス(絞り粕)からもアルコールを発酵させて製造することが必要となる。バガスはセルロースが主成分であるため、アルコールを生成するためには、発酵の前に糖化(加水分解)処理を行わなければならず、結果として希薄アルコール溶液となる。またボイラー燃料源ともなっているので原料として使用するには制限がある。このような場合でも本方法によれば、アルコール水溶液から燃料消費量が少なく無水化できるので対応が可能である。製油所と近接していれば、大量の水分を輸送する必要もなくなるのでさらに経済的に有利となる。。
農業分野のみならず食品業界においてもビール粕が水分80%で100万トン/年、焼酎粕が水分90%で40万トン/年生産され、水分が多く、かつアルコール換算可能繊維質が少ないビール粕、焼酎粕などは処理に困っている現状もある。またリサイクル資源となりうる建設廃材600万トン/年、事業系廃棄物中の繊維(紙)系バイオマス500万トン/年についても濃硫酸や酵素による加水分解・糖化・発酵により4〜20重量%のアルコールが回収される。このような希薄で大量のバイオアルコールからガスホールを経済的に製造するには本方法が最適と考えられる。これにより林業における間伐の活発化、食品、紙業界におけるリサイクルの推進など波及効果はきわめて大きいと考えらる。
ETBEを溶剤として無水アルコールおよびガスホール製造のプロセスフローである。 シクロヘキサンと比較したジエチルエーテルおよびMTBEの直角三角図である。
符号説明
1 …………アルコール水溶液原料
2 …………エーテル系溶剤
3 …………抽出液
4 …………放散塔アルコールリサイクル
5 …………ドレン
6 ガソリン
7 …………ガスホール

Claims (3)

  1. 水分を多量に含むアルコール原料中の水分をエーテル系溶剤により抽出により除去した後、アルコール中の溶剤を除去して無水アルコールを得るアルコール精製方法
  2. 請求項1で得られた無水アルコールとガソリンとを混合してガスホール(Gasohol、ガソホールともいう)を経済的に製造する方法
  3. 液液抽出装置の抽出液中には飽和溶解度分の水分が溶解しているので、液相吸着脱水装置により水分100ppm以下まで脱水し、一方液液抽出装置の抽残液中には少量のアルコールとエーテル系溶剤が飽和溶解度分存在しているので、放散装置によりアルコールとエーテル系溶剤を回収して液液抽出装置の原料の一部としてリサイクル回収する方法
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