JP2009255836A - 遠隔始動装置、遠隔始動システム、及び遠隔始動方法 - Google Patents

遠隔始動装置、遠隔始動システム、及び遠隔始動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンを遠隔始動するときに車両盗難に対する安全性を低下させることなく、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】遠隔始動装置は、車両のエンジンの始動を指示する始動指示信号が無線で送信され、当該始動指示信号に応答して前記エンジンを駆動状態にする制御信号をオンにするエンジン始動手段と、前記制御信号がオンにされた後に前記車両に対して行われる所定のユーザ操作を監視する操作監視手段とを有し、前記エンジン始動手段は、前記制御信号をオンにした後、前記ユーザ操作が終了するまで前記制御信号をオンに維持するので、ユーザが運転を開始するまでエンジンが駆動状態に維持される。また、前記ユーザ操作のうち前記車両の所定部位を駆動する操作が可搬性のキーを用いずに実行されたときには、前記制御信号をオフにするので、盗難に対する安全性が確保される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両のエンジンを遠隔操作により始動する遠隔始動装置等に関し、特に、エンジンを遠隔始動した際に第三者による車両盗難を防止する技術に関する。
近年、車両の暖機や空調を運転前に行うために、ユーザが車外にいる状態で遠隔操作によりエンジンを始動する遠隔始動装置が知られている。遠隔始動装置は、ユーザが携行する遠隔操作端末から無線送信される始動指示信号を受信し、これに応答してエンジンを始動することで、エンジンの遠隔始動を実行する。かかる遠隔始動を行う遠隔始動装置の例が、特許文献1に記載されている。
遠隔始動が実行されると、ユーザが車両内または付近にいなくても車両のエンジンが駆動状態となるため、第三者が車両に侵入してこれを運転して持ち去るおそれがある。よって、かかる車両盗難を防止する方法として、遠隔始動装置が車両のドアロックの開錠やドアの開放といった車両に搭乗するための操作を検知すると、一旦エンジンを停止する方法が提案されている。この方法によれば、搭乗者は、可搬性のキーによりイグニションスイッチを手動操作してエンジンを再始動しないと車両を運転できない。よって、正規のキーを有さない侵入者による車両盗難を防止することができる。
特開2006−248471号公報
しかしながら、上記の方法は、正規のキーを有するユーザが搭乗して車両を運転する場合にも、エンジンの再始動を行うことが必要になる。ユーザにとっては、一旦エンジンを遠隔始動したにもかかわらず、これを再始動するという煩雑な操作が増えるので、利便性が損なわれる。
そこで、本発明の目的は、エンジンを遠隔始動するときに車両盗難に対する安全性を低下させることなく、ユーザの利便性を向上させる遠隔始動装置等を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面おける遠隔始動装置よれば、車両のエンジンの始動を指示する始動指示信号が無線で送信され、当該始動指示信号に応答して前記エンジンを駆動状態にする制御信号をオンにするエンジン始動手段と、前記制御信号がオンにされた後に前記車両に対して行われる所定のユーザ操作を監視する操作監視手段とを有し、前記エンジン始動手段は、前記制御信号をオンにした後、前記ユーザ操作が終了するまで前記制御信号をオンに維持し、前記ユーザ操作のうち前記車両の所定部位を駆動する操作が可搬性のキーを用いずに実行されたときには、前記制御信号をオフにする第1の動作モードを実行することを特徴とする。
上記側面の好ましい態様によれば、前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作が開始されたときから所定時間内に当該ユーザ操作が終了しないときには、当該所定時間が経過したときに前記制御信号をオフにすることを特徴とする。
上記側面の別の好ましい態様によれば、前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作とは異なる操作が実行されたときには、前記制御信号をオフにすることを特徴とする。
上記側面における遠隔始動装置によれば、前記エンジン始動手段は、前記制御信号をオンにした後、前記ユーザ操作が終了するまで前記制御信号をオンに維持するので、エンジンが駆動状態に保たれる。正規のユーザが車両に搭乗してこれを運転するときには、ドアロックの開錠、ドア開放、搭乗、ドア閉鎖、イグニションスイッチ接続というユーザ操作を実行するが、その間エンジンの駆動状態が保たれることで、ユーザがイグニションスイッチを接続して運転を開始する時点でエンジンは駆動状態にある。よって、ユーザはエンジンを再始動することなく運転を開始できる。
また、エンジン始動手段は、前記ユーザ操作のうち前記車両の所定部位を駆動する操作が可搬性のキーを用いずに実行されたときには、前記制御信号をオフにする。例えば、ドアロックの開錠やイグニションスイッチの接続といった本来はキーにより行われる操作がキーを用いずに実行されたときには、ドアの隙間から金属片や針金を挿入してドアロックを開錠する不正な操作が行われた可能性がある。このような第三者による侵入の蓋然性が大きいときには、制御信号をオフにしてエンジンを停止することで、車両盗難に対する安全性を確保できる。
このように、上記側面によれば、エンジンを遠隔始動するときに車両盗難に対する安全性を低下させることなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、上記の態様によれば、前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作が開始されたときから所定時間内に当該ユーザ操作が終了しないときには、当該所定時間が経過したときに前記制御信号をオフにすることでエンジンを停止する。例えば、ドアロックが開錠されてからドアの開放までにある程度以上の時間がかかるときは、ドアを開放することで鳴動するアラームを除去しようとしている可能性がある。このように、第三者が侵入を試みている蓋然性が大きいときには、制御信号をオフにしてエンジンを停止することで、車両盗難に対する安全性を向上させることができる。
上記の別の態様によれば、前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作とは異なる操作が実行されたときには、前記制御信号をオフにする。例えば、フードの開閉、バッテリの取り外し、アラーム鳴動などが実行されたときには、第三者が侵入を試みている蓋然性が大きいと判断できる。特に、シフト操作、ブレーキ操作、ステアリング操作などが実行されたときには、第三者が侵入した後に運転を開始しようとしている蓋然性が大きいと判断できる。よって、このような場合には、制御信号をオフにすることで、エンジンを停止する。よって、車両盗難に対する安全性を向上させることができる。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図1は、本実施形態における遠隔始動装置の構成例を説明する図である。この遠隔始動装置20は、遠隔操作端末10から無線送信される始動指示信号に応答して、ユーザが可搬性のキー2を用いて手動操作によりエンジン始動を行った場合と同様の制御信号をエンジン制御装置6に出力することで、エンジンの遠隔始動を可能にする。
まず、ユーザが手動操作によりエンジン始動を行うときには、ユーザがキー2をキーシリンダ4に挿入してキーシリンダ4を回動させることにより、アクセサリスイッチACC−SW、イグニションスイッチIG−SW、スタータスイッチST−SWを順次機械的に接続する。すると、車載電源5から供給される電圧により、エンジン制御装置6に入力されるアクセサリ信号ACC、イグニション信号IG、スタータ信号STが順次オン(Hレベル)になる。
エンジン制御装置6は、アクセサリ信号ACCがオンになることで起動し、イグニション信号IGがオンになると、インジェクタへの燃料噴射指示信号や、点火プラグへの点火指示信号の出力を開始する。そして、エンジン制御装置6は、スタータ信号STがオンになると、セルモータへの駆動指示信号の出力を開始する。すると、エンジンのクランキング、燃料噴射、点火が実行されて、エンジンが始動される。
エンジン制御装置6は、クランク角センサ61にて検知されるクランク角に基づいてエンジン回転数を算出し、エンジン回転数を表示部62に出力する。そして、ユーザが所望の回転数に達したことを確認し、キーシリンダ4を回動してスタータスイッチST−SWを開放すると、スタータ信号STがオフになり、セルモータが停止する。一方、アクセサリ信号ACCとイグニション信号IGはオンに維持されるので、エンジン制御装置6は、エンジンの回転に同期して燃料噴射指示と点火指示とを継続する。この時点で、エンジンは自立駆動可能となり、エンジン始動が完了する。
そして、停車後にユーザがキーシリンダ4を回動させてイグニションスイッチIG−SWを開放すると、イグニション信号IGがオフになる。すると、燃料噴射と点火が停止するので、エンジンが停止する。
ユーザがエンジンを遠隔始動する場合には、ユーザが遠隔操作端末10の操作部12に対し遠隔始動の指示を操作入力することで、遠隔操作端末10からエンジンの始動を指示する始動指示信号が無線で送信される。遠隔操作端末10の操作部12は、例えば、プッシュボタンで構成される。そして、始動指示信号は、車両側のチューナ22により受信され、遠隔始動装置20に取り込まれる。
遠隔始動装置20は、例えばマイクロコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)とCPUの動作手順を記述した各種制御プログラムを格納した書き換え可能なROM(Read Only Memory)と、CPUが演算を行うときに作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを有する。ここで、エンジン始動手段20a、操作監視手段20b、設定手段20c、動作モード選択手段20dは、後述する動作手順を記述したプログラムと、それに従って動作するCPUとで構成される。
エンジン始動手段20aは、始動指示信号に応答して、車載電源5から供給される電圧により、アクセサリ信号ACC、イグニション信号IG、スタータ信号STの信号線に擬似的なオン信号を入力する。そうすることで、アクセサリスイッチACC−SW、イグニションスイッチIG−SW、スタータスイッチST−SWが開放された状態のままでも、エンジン制御装置6に入力されるアクセサリ信号ACC、イグニション信号IG、スタータ信号STがオンになり、上記同様のエンジン始動動作が実行される。
そして、エンジン始動手段20aは、エンジン制御装置6から車内LAN(Local Area Network)30を介して入力されるエンジン回転数が所定の回転数に達したときに、スタータ信号STをオフにし、イグニション信号IGをオンに維持する。そうすることで、ユーザが車両に乗込むまでの間、エンジンは駆動状態に保たれる。ここにおいて、イグニション信号IGが、エンジンを駆動状態にする「制御信号」に対応する。
エンジンの遠隔始動が実行された後、ユーザが車両に搭乗してキー2をキーシリンダ4に挿入して回動させると、アクセサリスイッチACC−SWが接続されてアクセサリスイッチACC−SWが出力するアクセサリ信号ACCがオンになり、次いでイグニションスイッチIG−SWが接続されてイグニションスイッチIG−SWが出力するイグニション信号IGがオンになる。すると、イグニション信号IG検知部24がこれを検知して遠隔始動装置20に検知信号を入力する。そして、エンジン始動手段20aは、自ら出力するイグニション信号IGとアクセサリ信号ACCとをオフにする。以後は、キーシリンダ4が回動されてイグニションスイッチIG−SWが開放されるまでイグニション信号IGがオンに維持されるので、エンジンは駆動状態に保たれる。
ここで、図2を用いて、イグニション信号検知部24の構成例を示す。イグニション信号24は、イグニションスイッチIG−SWとエンジン制御装置6とを接続する信号線を開閉するノーマルクローズ式の電磁リレー24aを有する。イグニションスイッチIG−SWが開放された状態で遠隔始動が実施されると、遠隔始動装置20のエンジン始動手段20aは、車載電源5からの入力電圧Vinによりイグニション信号IG1をオン(Hレベル)にする。すると、イグニション信号IG1が電磁リレー24aのコイルに印加されることにより電磁リレー24aは開放された状態となり、イグニション信号IG1がイグニション信号IGとしてエンジン制御装置6に入力される。そして、ユーザの操作によりイグニションスイッチIG−SWが接続されると、Hレベルのイグニション信号IG2がイグニション信号検知部24を介して検知信号として遠隔始動装置20に入力される。すると、エンジン始動手段20aは、イグニション信号IG1をLレベルに変化させてこれをオフにする。これにともない、電磁リレー24は接続された状態となり、イグニションスイッチIG−SWからのイグニション信号IG2がイグニション信号IGとしてエンジン制御装置6に入力される。
このようなエンジンの遠隔始動が実行されるときに、ユーザより先に第三者が車両に侵入して車両を運転しこれを盗難することを防止するために、遠隔始動装置20は、第三者による侵入の蓋然性が大きいときにはイグニション信号IGをオフにすることで、エンジンを停止させる。
ここで、車両のドアロックが開錠されたときに第三者による侵入の蓋然性が大きいと判断し、ドアロックの開錠を検知してエンジンを停止させる動作(以下、このような動作モードを通常モードという)が可能である。しかし、この通常モードが実行されると、正規のユーザが乗込もうとしてドアロックを開錠したときにもエンジンが停止されるので、ユーザは再度エンジン始動をせねば車両を運転できない。
そこで、本実施形態では、遠隔始動装置20の操作監視手段20bが車両の各部位の動作や位置を検知することで、車両に対して実行される一連のユーザ操作、つまり、ドアロックの開錠、ドア開放、搭乗、ドア閉鎖、イグニションスイッチIG−SWの接続を監視する。このユーザ操作は、正規のキーを保有するユーザが車両に搭乗して運転を開始するときに通常行う操作であるので、その操作状態を監視することで、正規のユーザが搭乗しようとしているのか、第三者が侵入しようとしているのかを判断できる。なお、上記のユーザ操作は一例であって、ユーザ操作は、上記の一部の操作でもよいし、上記以外の操作を含むものであってもよい。
ここで、第三者による侵入の蓋然性が大きい第1の場合として、ドアロックの開錠やイグニションスイッチIG−SWの接続といった本来であればキー2を用いて行われる操作が、キー2を用いずに、つまりキー2の挿入が検知されずに実行される場合があげられる。この場合、第三者が金属片や針金などを用いてドアロックを開錠し、またはイグニションスイッチIG−SWを操作した可能性があるので、第三者による侵入の蓋然性が大きいと判断できる。また、第2の場合として、所定の操作時間内(例えば、ドアロックの開錠から数十秒〜数分)にユーザ操作が終了しないときには、第三者がアラームの解除やイグニションスイッチIG−SWを取り外して信号線の接続を試みている可能性があるので、侵入や盗難の蓋然性が大きいと判断できる。そして、第3の場合として、ユーザ操作以外の不審な操作、例えば、フードの開閉、アラームの鳴動、バッテリ取り外しが行われたりしたときにも、第三者による侵入の蓋然性が大きいと判断できる。特に、シフト操作、ブレーキ操作、ステアリング操作などが実行されたときには、第三者が車両に侵入した後に盗難を試みようとしている蓋然性が大きいと判断できる。
エンジン始動手段20aは、上記のような場合にイグニション信号IGをオフにしてエンジンを停止させ、車両盗難を防止する。その一方で、エンジン始動手段20aは、正規のユーザが搭乗しようとしているときには、イグニション信号IGをオンに維持してエンジンを駆動状態に保つ(以下では、このような動作モードを通常モードに対し駆動継続モードという)。そうすることで、ユーザが搭乗するときにはエンジンが駆動状態に保たれるので、ユーザはエンジンを再始動しなくても車両を発進できる。よって、ユーザの利便性を向上させることができる。
かかる駆動継続モードにおいて操作監視手段20bがユーザ操作を監視するために、遠隔始動装置20には、車両状態に関する各種信号が入力される。具体的には、ドアロックのキー挿入孔にキー2が挿入されたことを示すキー検知信号、ドアロック開錠/施錠に対応したドアロックの位置を示すドアロック位置信号、ドアの開閉状態を示すドア開閉信号、及び車両内の乗員を検知したことを示す乗員検知信号、アラームが作動したことを示すアラーム作動信号がボディ制御装置40から入力される。なお、ボディ制御装置40は、ドアロックのキー挿入孔にキー2が挿入されたことを電気的あるいは機械的に検知するキー検知器41からキー検知信号を、ドアロック位置検知器42からドアロック位置信号を、ドア状態検知器43からドア開閉信号を、車両内の乗員を赤外線により検知する乗員検知器44から乗員検知信号を、アラーム46からアラーム作動信号取得する。また、遠隔始動装置20には、キー2がキーシリンダ4に挿入されたことを電気的あるいは機械的に検知するキー検知器4aからキー検知信号が入力される。
また、遠隔始動装置20には、ユーザ操作以外の操作を監視するための信号が入力される。具体的には、車両のフードが開閉されたことを示すフード開閉信号がボディ制御装置40から入力される。このとき、ボディ制御装置40は、フード開閉検知器45により、フードの開閉状態を検知する。さらに、ブレーキが駆動されたことを示すブレーキ駆動信号がブレーキ制御装置40aから入力され、トランスミッションが操作されたことを示すトランスミッション信号がトランスミッション制御装置40bから入力され、そして、ステアリングが操作されたことを示すステアリング信号がステアリング制御装置40cから入力される。ボディ制御装置40、ブレーキ制御装置40b、トランスミッション制御装置40cは、CAN(Controller Area Network)などの通信方式を採用した車内LAN30経由で遠隔始動装置20に検知信号を送る。さらに、操作監視手段20bは、車載電源5の電圧を監視することで、車載電源5の取り外しを検出する。
また、遠隔始動装置20の設定手段20cは、遠隔操作端末10から送信される設定信号に基づいて、通常モード、駆動継続モードの選択を可能にする設定を行う。そして、動作モード選択手段20dは、遠隔操作端末10から送信される選択信号に応答して、通常モード、駆動継続モードのいずれかを選択し、エンジン始動手段20aが選択された動作モードを実行する。よって、ユーザは所望の動作モードを選択することができる。
なお、このようなユーザによる設定や選択は、遠隔操作端末10の操作部12に対して入力される。その際、プッシュボタンの操作パターン(プッシュするボタンの種類、プッシュ時間、プッシュボタンの順番の組み合わせなど)により、設定や選択が入力される。また、遠隔操作端末10内の書き換え可能なROMにユーザが任意の操作パターンを登録可能にしておくことができる。さらに、遠隔操作端末10に表示部を設けて、選択結果を表示させることもできる。あるいは、かかる操作パターンと設定や選択との対応関係を遠隔始動装置20内のROMに格納しておき、遠隔操作端末10からは操作部12に対する操作に対応した操作信号が送信され、遠隔始動装置20の設定手段20cまたは動作モード選択手段20dが操作信号に対応した設定や選択を行うようにしてもよい。
図3は、エンジンを遠隔始動するときの、遠隔始動装置20の動作手順を説明する図である。まず、ユーザが通常モードと駆動継続モードの動作モードを選択可能にするか否かの設定を遠隔操作端末10に入力し、ユーザの設定に対応した設定信号が送信されると、設定手段20cは設定信号に基づいて動作モードを選択有効・無効のいずれかに設定する(S2)。
次に、ユーザが遠隔操作端末10の操作部12に対しエンジン始動を指示する操作入力を行うと、遠隔操作端末10から始動指示信号が送信されるので、エンジン始動手段20aはこれに応答してイグニション信号IGをオンにし、遠隔始動を実行する(S4)。さらに、ユーザが遠隔操作端末10の操作部12に対し通常モードまたは駆動継続モードを選択入力すると、遠隔操作端末10から各動作モードに対応した選択信号が送信される。すると、エンジン始動手段20aは、選択信号に対応した動作モードを選択する(S6)。このようにして、ユーザは所望の動作モードを選択して遠隔始動装置20に実行させることができる。すなわち、盗難に対する安全性を重視する場合には通常モード、搭乗する際の利便性を重視する場合には駆動継続モードを選択できる。
通常モードが選択された場合には(手順S6の「通常モード」)、操作監視手段20bがドアロックの開錠、つまりユーザ操作の開始を検出すると(S8)、エンジン始動手段20aはイグニション信号IGをオフにしてエンジンを停止する(S10)。そうすることで、車両盗難を防止する。
一方、駆動継続モードが選択された場合には(手順S6の「駆動継続モード」)、操作監視手段20bは、一連のユーザ操作を監視する(S12)。
ここで、操作監視手段20bが異常な操作状態を検出しないとき、つまりユーザ操作が正常に行われている間は、エンジン始動手段20aは、イグニション信号IGをオンに維持し、エンジンを駆動状態に保つ。一方、操作監視手段20bが異常な操作状態を検出すると、ユーザ操作の監視を異常終了する。異常な操作状態は、上述した第三者による侵入の蓋然性が大きい3つの場合である。すなわち、第1に、ドアロックの開錠やイグニションスイッチIG−SWの接続といったキー2を用いて行われる操作がキー2を用いずに実行されたときである。第2に、所定の操作時間内にユーザ操作が終了しないときである。そして、第3に、ユーザ操作の途中でユーザ操作以外の操作が行われたときである。
そして、エンジン始動手段20aは、すべてのユーザ操作が正常に終了したとき(手順S12の「正常終了」)には、ユーザ操作が正常に終了したログを遠隔始動装置20内のROMに格納し、自ら出力するイグニション信号IGをオフにする(S14)。そうすることで、ユーザはエンジンの再始動を行わなくても、車両を発進できる。
また、エンジン始動手段20aは、ユーザ操作が異常終了したときには(手順S12の「異常終了」)、ユーザ操作に異常が生じたログをROMに格納して自ら出力するイグニション信号IGをオフにする(S16)。そうすることで、エンジンが停止され、車両の盗難が防止される。なお、ROMに格納されたログは、遠隔始動装置20の動作に異常が生じたときや盗難対策を研究するときに参照される。
ここで、手順S12における操作監視手段20bの動作手順を詳述する。
図4は、操作監視手段20bの動作手順を説明するフローチャート図である。また、図5は、図4のサブルーチンの動作手順を示すフローチャート図である。
図4に示すように、操作監視手段20bは、ドアロックの開錠監視手順S30、ドア開監視手順S40、乗員の搭乗監視手順S50、ドア閉監視手順S60、イグニションスイッチIG−SWの接続監視手順S70を順次実行する。
まず、ドアロックの開錠監視手順S30では、操作監視手段20bは、ドアロックが開錠されると(S32のYES)、ドアロックのキー挿入孔にキー2が挿入されているか否かを判断し(S34)、キー2が挿入されているとき(S34のYES)、すなわち不正な操作でドアロックが開錠されたのではないときに、所定の操作時間を計時するタイマをスタートさせ(S38)、ドア開監視手順S40に進む。一方、手順S34においてキー2が検知されないときには(S34のNO)、キー2が検知されないログを遠隔始動装置20内部のRAMに格納して操作監視手順S12を異常終了する(S36)。
次に、ドア開監視手順S40では、操作監視手段20bは、ドアが開放されると(S42のYES)乗員の搭乗監視手順S50に進む。一方、ドア開放状態が検知されないときには(S42のNO)図5のサブルーチンを実行する(手順A)。そして、図5のサブルーチンでは、操作監視手段20bは、所定時間が経過したとき(S44のYES)、及び、所定時間経過する前に(S44のNO)ドア開放以外の操作が実行されたとき(S46のYES)に、操作状態のログを遠隔始動装置20内部のRAMに格納して(S48)操作監視手順S12を異常終了する。
このようにして、ドア開監視手順S40では、操作監視手段20bは、所定時間経過する前に(S44のNO)ドア開放以外の操作が検知されることなく(S46のNO、手順B)、ドア開放が検知されたときに(S42のYES)、ドアロックの開錠監視手順S30を正常に終了して乗員の搭乗監視手順S50に進む。
次に、乗員の搭乗監視手順S50では、操作監視手段20bは、乗員の搭乗が検知されると(S52のYES)ドア閉鎖監視手順S60に進む。一方、乗員の搭乗が検知されないときに(S52のNO)、上記同様にして図5のサブルーチンを実行する(手順A)。よって、乗員の搭乗監視手順S50では、操作監視手段20bは、所定時間経過する前に(S44のNO)乗員の搭乗以外の操作が検知されることなく(S46のNO、手順B)、乗員の搭乗が検知されたときに(S52のYES)、乗員の搭乗監視手順S50を正常に終了する。これに対し、所定時間が経過したとき(S44のYES)や、所定時間経過する前に(S44のNO)搭乗以外の操作が実行されたときに(S46のYES)は、操作状態のログを遠隔始動装置20内部のRAMに格納して(S48)操作監視手順S12を異常終了する。
次に、ドア閉鎖監視手順S60では、操作監視手段20bは、ドアの閉鎖が検知されると(S62のYES)イグニションスイッチIG−SWの接続監視手順S70に進む。一方、ドアの閉鎖が検知されないときに(S62のNO)、上記同様にして図5のサブルーチンを実行する(手順A)。よって、ドア閉鎖監視手順S60では、操作監視手段20bは、所定時間経過する前に(S44のNO)ドア閉鎖以外の操作が検知されることなく(S46のNO、手順B)、ドア閉鎖が検知されたときに(S62のYES)、ドアの閉鎖監視手順S30を正常に終了する。これに対し、所定時間が経過したとき(S44のYES)や、所定時間経過する前に(S44のNO)ドア閉以外の操作が実行されたときに(S46のYES)は、操作状態のログを遠隔始動装置20内部のRAMに格納して(S48)操作監視手順S12を異常終了する。
次に、イグニションスイッチIG−SWの接続監視手順S70の前半では、操作監視手段20bは、まず、キー2の挿入が検知されると(S72のYES)手順S82に進み、キー2の挿入が検知されないときに(S72のNO)図5のサブルーチンを実行する(手順A)。すなわち、操作監視手段20bは、所定時間経過する前に(S44のNO)キー2の挿入以外の操作が検知されることなく(S46のNO、手順B)、キー2の挿入が検知されたときに(S72のYES)、手順S82に進む。これに対し、所定時間が経過したとき(S44のYES)や、所定時間経過する前に(S44のNO)キー2の挿入以外の操作が実行されたときに(S46のYES)は、操作状態のログを遠隔始動装置20内部のRAMに格納して(S48)操作監視手順S12を異常終了する。
次に、イグニションスイッチIG−SWの接続監視手順S70の後半では、操作監視手段20bは、イグニション信号検知部24によりイグニションスイッチIG−SWの接続が検知されると(S82のYES)、手順S90に進んで操作監視手順S12を正常終了する(S90)。一方、イグニションスイッチIG−SWの接続が検知されないときには(S82のNO)、図5のサブルーチンを実行する(手順A)。すなわち、操作監視手段20bは、所定時間経過する前に(S44のNO)イグニションスイッチIG−SWの接続以外の操作が検知されることなく(S46のNO、手順B)、イグニションスイッチIG−SWの接続が検知されたときに(S82のYES)、イグニションスイッチIG−SWの接続監視手順S70を正常に終了し、操作監視手順S12を正常終了する(S90)。これに対し、所定時間が経過したとき(S44のYES)や、所定時間経過する前に(S44のNO)イグニションスイッチIG−SWの接続以外の操作が実行されたときに(S46のYES)は、操作状態のログを遠隔始動装置20内部のRAMに格納して(S48)操作監視手順S12を異常終了する。
このような操作監視手段20bの手順によれば、第三者が侵入しようとしている蓋然性が大きい場合として、まず、キー2を用いずにドアロックを開錠したり、イグニションスイッチIG−SWを接続したりする場合を検出できる。そして、その場合には、上述したようにエンジン始動手段20aがイグニション信号IGをオフにしてエンジンを停止するので、車両盗難を防止できる。
また、これに加えて、ユーザ操作に必要以上に時間を要している場合を検出でき、そのときはイグニション信号IGをオフにしてエンジンを停止するので、車両盗難に対する安全性をさらに向上させることができる。さらに、ユーザ操作以外の操作が実行された場合を検出でき、そのときはイグニション信号IGをオフにしてエンジンを停止するので、車両盗難に対する安全性をさらに向上させることができる。ただし、これら2つの場合の動作手順のうちいずれか1つまたは両方を省略した場合も本実施形態に含まれる。
そして、一方で、ユーザ操作が正常に実行されている限り一定時間はイグニション信号IGがオン状態に維持される。そして、ユーザ操作が正常終了したとき、つまりイグニションスイッチIG−SWが接続されてイグニションスイッチIG−SWが出力するイグニション信号IGがオンになったときに、遠隔始動装置20が出力するイグニション信号IGがオフされる。よって、ユーザは再度スタータスイッチST−SWを接続してエンジン始動する必要がないので、ユーザの利便性が向上する。
次に、上記実施形態における変形例を説明する。
(1)第1の変形例
上記の実施形態では、図4、図5に示したように、所定の操作時間内にユーザ操作が終了しない場合に、第三者による侵入の蓋然性が大きいと判断して操作を異常終了するが、そうすると、正規のユーザが操作を実行した場合であっても、ユーザ操作が異常終了となる場合がある。例えば、ユーザがユーザ操作の途中で忘れ物や落し物に気付き、そのまま放置すると、操作時間が経過して異常終了となる。そして、その場合にエンジンを停止すると、ユーザは再始動のための操作をしなくてはならない。かといって、ドアロックの開錠やドア開放を実行した時点でエンジンの駆動状態を維持したのでは、盗難に対する安全性が低下する。
よって、第1の変形例では、所定の条件が整った場合には、エンジン始動手段20aはイグニション信号IGをオンに維持する。具体的には、ドアロックの開錠、ドア開放、搭乗、ドア閉鎖、イグニションスイッチIG−SWの接続という順番で行われるユーザ操作が途中で中止され、キー2の抜き取り、ドア開放、降車、ドア閉鎖、ドアロックの施錠という手順で実行されたときには、車両が施錠された状態に戻っており盗難の危険性が低下するので、イグニション信号IGをオンに維持する。そうすることで、再度ユーザが搭乗するときにはエンジンが駆動状態に保たれるので、ユーザの利便性を向上することができる。
図6は、第1の変形例における遠隔始動装置20の動作手順を説明するフローチャート図である。図6のフローチャート図は、図3のフローチャート図に手順S13_1、S13_2、S13_3、S13_4、S13_5a、S13_5bが追加されたものである。また、図7は、図4で示した操作監視手段20bの動作手順の、第1の変形例における手順例を説明するフローチャート図である。図7の手順は、図4の手順に手順C40、C50、C60、C70が追加されたものである。さらに、図8は、図5で示した操作監視手段20bの動作手順の、第1の変形例における手順例を説明するフローチャート図である。図8のフローチャート図は、図5のフローチャート図に手順S47a、S47bが追加されたものであり、図7に示す操作監視手段20bの、ドア開監視手順S40、乗員の搭乗監視手順S50、ドア閉監視手順S60、イグニションスイッチIG−SWの接続監視手順S70におけるサブルーチンの手順を示す。
まず、説明の便宜上、図7、図8について説明する。操作監視手段20bは、図7に示す操作監視手段20bの、ドア開監視手順S40、乗員の搭乗監視手順S50、ドア閉監視手順S60、イグニションスイッチIG−SWの接続監視手順S70の途中で、図8のサブルーチンに移行し、他の操作を検出すると(S46のYES)、手順S47aに進む。
手順S47aでは、操作監視手段20bは、検出された操作が、現在のユーザ操作の逆の手順に対応する操作であるかを確認する(S47a)。ここで、現在のユーザ操作がドア開放であればドアロック施錠、現在のユーザ操作が搭乗であればドア閉鎖、現在のユーザ操作がドア閉鎖であれば降車、現在のユーザ操作がキーシリンダ4へのキー挿入であればドア開放、現在のユーザ操作がイグニションスイッチIG−SWの接続であればキー抜き取りが、それぞれ逆の手順の操作に対応する。そして、YESの場合は手順S47bに進み、現在のユーザ操作がドア開放、または搭乗であればドア開放確認の前まで戻り(C40)、現在のユーザ操作がドア閉鎖であれば搭乗確認の前まで戻り(C50)、現在のユーザ操作がキー挿入であればドア閉鎖確認の前まで戻り(C60)、現在のユーザ操作がイグニションスイッチIG−SWの接続であればキー挿入確認の前まで戻る(C70)。一方、手順S47aでNOの場合は、操作状態のログをRAMに格納して操作監視手順S12を異常終了する(S48)。このような手順が繰り返されて、車両のドアが施錠状態に戻り(C40)、再度ドア開放が実行されなければ(S42のNO)所定の操作時間が経過したときにユーザ操作監視が異常終了する(S44のYES、S48)。
次に、図6について説明する。上記のサブルーチンを含むユーザ操作監視手順S12が異常終了した場合において、所定時間が経過したことによる異常終了時には(手順S13_1の「所定時間経過」)、エンジン始動手段20aは、エンジンを駆動状態に保つための条件が成立しているかを判定する。具体的には、車両のドアロックが施錠状態に戻ったか否かを確認する(S13_2)。そして、施錠状態に戻っている場合には、エンジン始動手段20aはイグニション信号IGをオンに維持してエンジンを駆動状態に保つ(S13_3)。
このような手順が実行されると、再度ユーザが正常なユーザ操作を終了するときまで、あるいは、最初にドアロックを開錠したときから所定の操作時間が経過するまではエンジンが駆動状態に保たれる。そして、所定の操作時間が経過したときに、車両のドアが施錠された状態であれば、エンジンの駆動状態が延長される。よって、ユーザが再度ユーザ操作を開始するまでに最初の操作時間が経過していたとしても、ユーザ操作が再開された時点で再度操作時間の計時が開始される。よって、ユーザは十分な時間内に搭乗することができる。
なお、この場合、最初にドアロックを開錠した時点で開始されたタイマが継続中にユーザが再度搭乗を行うと、途中で時間切れとなる場合がある。よって、ユーザが最初のユーザ操作を中止して車両のドアロックを施錠したときに、ユーザが遠隔操作端末10から始動指示信号を再度送信して遠隔始動装置20がこれを受信していれば、手順S12の前に戻る手順(S13_4のYES)を加えることが可能である。かかる場合には、ユーザが明示的にエンジン駆動状態の継続を要求していると判断できる。よって、イグニション信号IGをオンに維持することでエンジンの駆動状態を維持し、かつ再度ドアロックが開錠された時点でタイマをリセットして計時を開始する。そうすることで、ユーザは十分な時間内にユーザ操作を終了することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
また、手順S13_1〜S13_4が実行され、イグニション信号IGがオンに維持されるときは、ユーザが車両の外にいることが想定されている。よって、イグニション信号IGがオンに維持されるときであって、車両内に乗員が検知されたときには、侵入者の可能性があるので、エンジン始動手段20aはイグニション信号IGをオフにして、エンジンを停止する手順(S13_5a、S13_5bのYES)を加えてもよい。そうすることで、車両盗難に対する安全性を向上できる。
(2)第2の変形例
本実施態様において、遠隔始動装置20は、車両に対し実行されるユーザ操作から第三者による侵入の蓋然性が大きいことを判断し、エンジンを停止させる。これとは別に、近年では、車両盗難を防止する方法としてイモビライザが用いられる場合がある。
図9は、エンジン始動装置20とイモビライザとが併用される場合の構成例を示す。イモビライザ50は、ユーザがキー2をキーシリンダ4に挿入するときにキー2に備えられた無線送信機から送信される識別信号をキーシリンダ4近傍に備えられた無線受信機50aにより受信し、識別情報の認証を行うことで、正規のキーか否かを判断する電子制御装置である。そして、イモビライザ50は、認証が成功したときにはエンジン始動を許可し、認証に失敗したときにはエンジン始動を禁止する指示信号をエンジン制御装置6に対し出力する。そうすることで、不正なキーが使用された場合にエンジン始動が停止され、車両盗難が防止される。
イモビライザ50と遠隔始動装置20を併用する場合には、遠隔始動装置20によるエンジン始動が実行されるときであっても、イモビライザ50によりエンジンが停止される場合がある。例えば、遠隔始動された車両に第三者が複製キーを用いて侵入した場合には、ユーザ操作は正常に行われるので遠隔始動装置20によるエンジン始動は実行される。しかし、この場合、複製キーをキーシリンダ4に挿入した際に認証が失敗するので、イモビライザ50がエンジンを停止する。
このような場合には、遠隔始動装置20のエンジン始動手段20aは、エンジンが駆動状態にあるか停止状態にあるかを判断することで、イモビライザ50によりエンジン停止されたことを検出する。このとき、エンジン始動手段20aは、エンジン制御装置6からエンジン回転数を取得して、エンジン回転数が一定以下であればエンジンが停止状態と判断することができる。あるいは、エンジン始動手段20aは、イモビライザ50から認証に失敗したログ情報を車内LAN30経由で取得することで、イモビライザ50によりエンジン停止されたことを検出する。あるいは、車速や負荷によりエンジンによる車輪の駆動と電動モータによる車輪の駆動とをエンジン制御装置が切り替えるいわゆるハイブリッド車両に本実施形態が適用された場合には、エンジン始動手段20aは、エンジン制御装置6からエンジンの停止状態を示す信号を取得することで、エンジン停止されたことを検出してもよい。
図10は、第2の変形例における遠隔始動装置20の動作手順を説明するフローチャート図である。この手順は、図3の手順に、手順12_1が追加されたものである。手順12でユーザ操作が正常終了したときには、エンジン始動手段20aは、エンジンの駆動状態を判定する(S12_1)。そして、エンジン始動手段20aは、エンジンが駆動状態のときは(手順S12_1の「駆動状態」)、正常にエンジン始動されたログをROMに格納し、イグニション信号IGをオフにする(S14)。一方、エンジンが駆動状態でない停止状態の場合には(手順S12_1の「停止状態」)、異常終了したログをROMに格納して、イグニション信号IGをオフする(S16)。
このような手順によれば、イモビライザなど他の制御装置によるエンジン制御と整合のとれた制御を実行できるとともに、より確実に盗難防止を図ることができる。
なお、上述した第1の実施例、第2の実施例は組み合わせて実行することが可能である。
ところで、本実施形態では、遠隔始動装置20のエンジン始動手段20aは、ドアロックの開錠やイグニションスイッチIG−SWの接続といったキー2を用いて行われる操作がキーを用いずに実行されたときには、第三者による侵入の蓋然性が大きいと判断してイグニション信号IGをオフにした。かかる実施形態は、無線送信手段を有する電子キーから無線送信される開錠指示信号に応答してドアロックを開錠するようなシステムにも適用可能である。かかるシステムにおいては、エンジン始動手段20aは、ドアロックの開錠が開錠指示信号を受信せずに実行されたときに、イグニション信号IGをオフにすることで、第三者による侵入の蓋然性が大きいときにエンジンを停止する。
また、本実施形態は、電子キーから無線送信される識別情報を認証し、ユーザがキー操作の代わりに操舵ハンドル近傍に設けられたプッシュボタンなどの操作スイッチを操作すると、これに応答してイグニションスイッチIG−SWを接続するシステムにも適用可能である。かかるシステムにおいては、エンジン始動手段20aは、ドアロックの開錠が開錠指示信号を受信せずに実行されたときに、イグニション信号IGをオフにすることで、第三者による侵入の蓋然性が大きいときにエンジンを停止する。なお、このような場合において、電子キーは遠隔操作端末10と兼用でもよいし別個のものでもよい。
このような場合において、本発明の可搬性のキーは、車両の所定部位を駆動する駆動指示信号を送信して遠隔始動装置に当該部位の駆動を実行させる電子キーに対応する。そして、図1におけるキー検知器4aは、アクセサリスイッチACC−SW、イグニションスイッチIG−SW、スタータスイッチST−SWを駆動してこれらを開閉する駆動指示信号を受信する受信機に置き換えられる。よって、この受信機が駆動指示信号を受信したか否かにより、操作監視手段20bは可搬性のキーが用いられたか否かを判断する。また、キー検知器41は、ドアロックを駆動してこれを開錠する駆動指示信号の受信機に置き換えられる。そして、この受信機が駆動指示信号を受信したか否かにより、操作監視手段20bは可搬性のキーが用いられたか否かを判断する。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、エンジンを遠隔始動するときに車両盗難に対する安全性を低下させることなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
本実施形態における遠隔始動装置の構成例を説明する図である。 イグニション信号検知部24の構成例を示す図である。 エンジンを遠隔始動するときの、遠隔始動装置20の動作手順を説明する図である。 操作監視手段20bの動作手順を説明するフローチャート図である。 図4のサブルーチンの動作手順を示すフローチャート図である。 第1の変形例における遠隔始動装置20の動作手順を説明するフローチャート図である。 図4で示した操作監視手段20bの動作手順の、第1の変形例における手順例を説明するフローチャート図である。 図5で示した操作監視手段20bの動作手順の、第1の変形例における手順例を説明するフローチャート図である。 エンジン始動装置20とイモビライザとが併用される場合の構成例を示す図である。 第2の変形例における遠隔始動装置20の動作手順を説明するフローチャート図である。
符号の説明
2:キー、4:キーシリンダ、6:エンジン制御装置、10:遠隔操作端末、20:遠隔始動装置、20a:エンジン始動手段、20b:操作監視手段、20d:動作モード選択手段、IG−SW:イグニションスイッチ、IG:イグニション信号

Claims (12)

  1. 車両のエンジンの始動を指示する始動指示信号が無線で送信され、当該始動指示信号に応答して前記エンジンを駆動状態にする制御信号をオンにするエンジン始動手段と、
    前記制御信号がオンにされた後に前記車両に対して行われる所定のユーザ操作を監視する操作監視手段とを有し、
    前記エンジン始動手段は、前記制御信号をオンにした後、前記ユーザ操作が終了するまで前記制御信号をオンに維持し、前記ユーザ操作のうち前記車両の所定部位を駆動する操作が可搬性のキーを用いずに実行されたときには、前記制御信号をオフにする第1の動作モードを実行することを特徴とする遠隔始動装置。
  2. 請求項1において、
    前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作が開始されたときから所定時間内に当該ユーザ操作が終了しないときには、当該所定時間が経過したときに前記制御信号をオフにすることを特徴とする遠隔始動装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作とは異なる操作が前記車両に対し行われたときには、前記制御信号をオフにすることを特徴とする遠隔始動装置。
  4. 請求項2において、
    前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作が所定の手順で中止されたときには、前記所定時間が経過したときであっても前記制御信号をオンに維持することを特徴とする遠隔始動装置。
  5. 請求項4において、
    前記エンジン始動手段は、前記前記制御信号をオンに維持するときにさらに前記始動指示信号が送信されたときには、前記第1の動作モードを繰り返すことを特徴とする遠隔始動装置。
  6. 請求項4または5において、
    前記エンジン始動手段は、前記制御信号をオンに維持するときであっても、前記車両内の乗員が検知されたときには、前記制御信号をオフにすることを特徴とする遠隔始動装置。
  7. 請求項1において、
    前記エンジン始動手段は、前記ユーザ操作が終了したときに前記エンジンが停止状態であっても、前記制御信号をオフにすることを特徴とする遠隔始動装置。
  8. 請求項1において、
    前記エンジン始動手段の動作モードの選択を指示する選択信号が無線送信され、当該選択信号に応答して選択する動作モード選択手段をさらに有し、
    前記エンジン始動手段は、前記第1の動作モードが選択されたときには前記第1の動作モードを実行し、前記制御信号をオンにした後に前記ユーザ操作が開始されたときに前記制御信号をオフにする第2の動作モードが選択されたときには当該第2の動作モードを実行することを特徴とする遠隔始動装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて
    前記可搬性のキーは、前記車両の所定部位を駆動する機械式のキー、または、前記所定部位の駆動を指示する駆動指示信号を無線送信して前記遠隔始動装置に当該部位の駆動を実行させる電子キーのいずれかであることを特徴とする遠隔始動装置。
  10. 車両のエンジンの始動を指示する始動指示信号を無線で送信する遠隔操作端末と、前記車両に搭載され前記始動指示信号を受信する遠隔制御装置とを有する前記車両の遠隔始動システムにおいて、
    前記遠隔始動装置は、前記始動指示信号に応答して前記エンジンを駆動状態にする制御信号をオンにするエンジン始動手段と、前記制御信号がオンにされた後に前記車両に対して行われる所定のユーザ操作を監視する操作監視手段とを有し、前記エンジン始動手段は、前記制御信号をオンにした後、前記ユーザ操作が終了するまで前記制御信号をオンに維持し、前記ユーザ操作のうち前記車両の所定部位を駆動する操作が可搬性のキーを用いずに実行されたときには、前記制御信号をオフにする第1の動作モードを実行することを特徴とする遠隔始動システム。
  11. 請求項10において、
    前記遠隔操作端末は、前記エンジン始動手段の動作モードを選択する操作入力に応答して当該選択に対応した選択信号を無線送信し、
    前記遠隔始動装置は、前記選択に対応した信号に応答して前記エンジン始動手段の動作モードを選択する動作モード選択手段をさらに有し、前記エンジン始動手段は、前記制御信号をオンにした後に前記第1の動作モードが選択されたときには前記第1の動作モードを実行し、前記ユーザ操作が開始されたときに前記制御信号をオフにする第2の動作モードが選択されたときには当該第2の動作モードを実行することを特徴とする遠隔始動システム。
  12. 車両のエンジンの遠隔始動方法において、
    前記エンジンの始動を指示する始動指示信号が無線で送信され、当該始動指示信号に応答して前記エンジンを駆動状態にする制御信号をオンにするエンジン始動工程と、
    前記制御信号がオンにされた後に前記車両に対して行われる所定のユーザ操作を監視する操作監視工程とを有し、
    前記エンジン始動工程では、前記制御信号をオンにした後、前記ユーザ操作が終了するまで前記制御信号をオンに維持し、前記ユーザ操作のうち前記車両の所定部位を駆動する操作が可搬性のキーを用いずに実行されたときには、前記制御信号をオフにすることを特徴とする遠隔始動方法。
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