JP2009254678A - シャント状態検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャント内の状態の経時的な変化を定量的に判断する。
【解決手段】入力部110が、シャントに流れる血流の音を集音装置から受け付け、画像生成手段120が、入力部110が受け付けた血流の音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する。また、周期検出手段130が、入力部110が受け付けた血流の音の信号から心臓の一拍に相当する一周期を検出する。切り出し手段140が、ウェーブレット画像から一周期分を切り出し、画像格納手段150が、切り出された一周期分の画像を患者に関連づけて格納する。そして、加工手段160が、切り出し手段140から画像を受け取ると、画像格納手段150に格納された患者の画像を読み出し、両画像のうち一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工し、算出手段170が、両画像の相関関係を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シャント状態検知装置に関し、特に患者の静脈と動脈をバイパスした部位であるシャントの状態変化を検知するためのシャント状態検知装置に関する。
腎機能が低下もしくは停止した腎不全状態の患者の血液を体外に抜き出し、透析膜を介して血液と透析液の間で物質交換を行い、血液を浄化する方法は、血液透析法または人工透析法としてよく知られている。
この血液透析においては、通常、血管の中に針またはカテーテルを導入することによってブラッドアクセスを行うが、この場合ブラッドアクセスは1本またはそれ以上の針またはカテーテルで構成され、動脈針を通して血液が体外の血液回路へ取り出され、浄化処理されたのち、静脈針を経由して再び体内に返血される。
しかし、慢性維持血液浄化のブラッドアクセスは、急性期のような一時的なカテーテル留置や動脈の直接穿刺ではなく標準的内シャント方式が用いられている。
この方式は、通常の針の穿刺によっては、150〜250ml/分の血流を取り出すには、静脈血だけでは血流量が不足するので、体の深部に位置する動脈の1つである橈骨動脈と体表面側に位置する橈側皮静脈とを端一側または側一側吻合し、いわゆる内シャントを形成させ、この部分に穿刺して必要量の血液を体外に取り出す方式である。
そして、このような内シャントを用いた方法においては、長期間にわたってシャントへの穿刺を繰り返すことにより、次第に動脈・静脈が狭窄したり、荒廃してブラッドアクセストラブルが発生することになる。
このアクセストラブルの検知は、たとえば内シャントの橈骨動脈と、橈側皮静脈との吻合部を大量の血液が急速に通過する際に生じる乱流が血管壁を振動させて発するシャント音を聴診器で追跡して行われている。
すなわち、シャント音の大きさは、血液量に、またシャント音の周波数は血管内径に関連し、内径が大きいと低音になり、内径が小さいと高音になるので、正常時に比べ高音に変化した場合は狭穿を生じたことが分かる。
また、拍動に伴う音が比較的連続音として聞こえる場合は、静脈壁の弾性及び動静脈吻合部の径が正常に保たれていることになるし、反対に短い不連続音として聞こえる場合は、静脈硬化が強いか、吻合部の径が狭くなっていることになる。
さらに、多種多様の音が混在して聞こえる場合は、血管内壁に凹凸不整があるか、アクセス血管自体に屈曲を生じているなどの理由で乱流が発生していると考えられる。
このように聴診器による診断は、手軽に行うことができ、多くの重要な情報が得られるので、丁寧に行えばブラッドアクセス機能評価の70〜80%まで可能であり、シャント部の状態をある程度把握することができるという利点がある。
しかしながら、この聴診による診断は、医療スタッフが同一患者について長期間にわたって連続して情報を得なければならないため、事故等により別のスタッフに担当が代わることになれば改めて初めから情報を整える必要があるし、その診断結果に基づく評価内容は、それぞれのスタッフの能力や経験により左右されるため、同一患者の同じシャント音を聞いても、ブラッドアクセスの評価に相違を生じるのを免れない。
そこで、シャント音信号をウェーブレット変換し、シャント音の周波数成分の時間変化を画像化する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2005−40518号公報
しかし、シャント音信号をウェーブレット変換することによって画像化しても、シャント音の経時変化を判断する際には、人間が画像の差異を判断することとなり、必ずしも定量的な判断ができるとはいえないという問題があった。
また、心拍のように、一定の規則はあるものの、周期にばらつきがあるデータを比較すると差異の判断に誤りが生じるという問題もあった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、シャント内の状態の経時的な変化を定量的に判断することができるシャント状態変化検知装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、患者の静脈と動脈をバイパスした部位であるシャントの状態変化を検知するためのシャント状態検知装置において、前記シャントに流れる血流の音を集音装置から受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けた血流の音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する画像生成手段と、前記入力部が受け付けた血流の音の信号から心臓の一拍に相当する一周期を検出する周期検出手段と、前記ウェーブレット画像から前記一周期分を切り出す切り出し手段と、前記切り出された一周期分の画像を前記患者に関連づけて格納する画像格納手段と、前記切り出し手段から画像を受け取ると、前記画像格納手段に格納された前記患者の画像を読み出し、両画像のうち一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工する加工手段と、前記両画像の相関関係を算出する算出手段とを備えることを特徴とするシャント状態検知装置が提供される。
これにより、入力部が、シャントに流れる血流の音を集音装置から受け付け、画像生成手段が、前記入力部が受け付けた血流の音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する。また、周期検出手段が、前記入力部が受け付けた血流の音の信号から心臓の一拍に相当する一周期を検出する。切り出し手段が、前記ウェーブレット画像から前記一周期分を切り出し、画像格納手段が、前記切り出された一周期分の画像を前記患者に関連づけて格納する。そして、加工手段が、前記切り出し手段から画像を受け取ると、前記画像格納手段に格納された前記患者の画像を読み出し、両画像のうち一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工し、算出手段が、前記両画像の相関関係を算出する。
また、本発明では、患者の静脈と動脈をバイパスした部位であるシャントの状態変化を検知するためのシャント状態検知装置において、前記シャントに流れる血流の音を集音装置から受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けた血流の音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する画像生成手段と、前記入力部が受け付けた血流の音の信号から心臓の一拍に相当する一周期を検出する周期検出手段と、前記ウェーブレット画像から前記一周期分を切り出す切り出し手段と、前記切り出された一周期分の画像を前記患者に関連づけて格納する画像格納手段と、前記切り出し手段から画像を受け取ると、前記画像格納手段に格納された前記患者の画像を読み出し、両画像のうち一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工する加工手段と、前記両画像の各画像ごとのヒストグラムを算出し、比較する比較手段とを備えることを特徴とするシャント状態検知装置が提供される。
これにより、入力部が、シャントに流れる血流の音を集音装置から受け付け、画像生成手段が、前記入力部が受け付けた血流の音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する。また、周期検出手段が、前記入力部が受け付けた血流の音の信号から心臓の一拍に相当する一周期を検出する。切り出し手段が、前記ウェーブレット画像から前記一周期分を切り出し、画像格納手段が、前記切り出された一周期分の画像を前記患者に関連づけて格納する。そして、加工手段が、前記切り出し手段から画像を受け取ると、前記画像格納手段に格納された前記患者の画像を読み出し、両画像のうち一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工し、比較手段が、前記両画像の各画像ごとのヒストグラムを算出し、比較する。
本発明のシャント状態検知装置によれば、血流の音の信号から一周期を検出し、ウェーブレット画像から一周期分を切り出し、切り出された画像を患者に関連づけて格納する。そして、格納された画像と切り出された画像の両画像のうち、一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工した上で、両画像の相関関係を算出するので、一定の規則性はあるものの同一の患者のものであっても必ずしも周期が一定ではない脈拍に依存する画像の相関関係を適切に算出することが可能となる。
つまり、両画像がどの程度変化したかを定量的に判断することが可能となるので、シャントの状態を適切に判断することが可能となる。
したがって、同一人物が長期に渡って患者のシャント音を観察する必要性がなくなる。
また、人間の目によって違いを判断することがなくなるので、恣意を排除でき、適切な判断が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本実施の形態のシャント状態検知装置のブロック図である。
図1に示すように、シャント状態検知装置100は、外部から入力されるシャントに流れるシャント音の信号を受け付ける入力部110、シャント音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する画像生成手段120、シャント音の信号からそのシャント音の一周期を検出する周期検出手段130、ウェーブレット画像から一周期を切り出す切り出し手段140、切り出された一周期の画像を患者に関連づけて格納する画像格納手段150、切り出された一周期の画像と、画像格納手段150に格納された画像の周期を合わせるように画像を加工する加工手段160、および周期を合わせた両画像の相関関係を算出する算出手段170を備えている。
入力部110は、シャント状態検知装置100に接続されている不図示のセンサによって集音されたシャントに流れるシャント音の信号を受け付ける。また、入力部110は、たとえばフィルタ、アンプ、およびA/D(Analog/Digital)変換器を備えている。
フィルタは、シャント音の測定において不必要な周波数帯の音を通さず、シャント音の測定において必要な周波数帯の音のみを通すバンドパスフィルタを用いる。ここでは、周波数が25Hz〜1600Hzの音のみを通すバンドパスフィルタを用いる。
また、アンプによって測定に適切なゲインを調整することが可能であり、A/D変換器によって入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。
画像生成手段120は、入力部110からシャント音の信号を受け取ると、その信号をウェーブレット変換してウェーブレット画像を生成する。
周期検出手段130は、入力部110からシャント音の信号を受け取ると、その信号のノイズを除去・平均化を行い、信号のピークとピークの間の時間を周期として検出する。なお、具体的な説明は後述する。
切り出し手段140は、画像生成手段120からウェーブレット画像を受け取り、周期検出手段130から検出した周期を受け取ると、ウェーブレット画像における一周期分だけを切り出す処理を行う。この切り出し処理についても後述する。
切り出し手段140は、切り出し処理を行うと、切り出した画像を画像格納手段150に格納する。このとき、画像格納手段150に格納される画像は、集音した患者の識別子などに関連づけられて格納される。また、格納された(測定された)日時を一緒に関連づけて格納する。
加工手段160は、切り出し手段140から切り出した画像を受け取ると、画像格納手段150に格納されている患者の画像を読み出す。この読み出す画像は、切り出した画像より以前に切り出された画像を読み出す。主に、基準とする画像であるシャント形成直後に集音され、ウェーブレット変換され、切り出された画像を読み出す。
シャント状態は、シャント形成手術を行った直後が最も良好な状態と考えられるので、その後幾度もの人工透析のための針の抜き差しや血管壁に血流が勢いよくぶつかることによる血管壁の内膜の肥厚によって血管が狭窄した度合いを知るためには、最も良好な状態との比較を行うことが望ましいと考えられるからである。
加工手段160は、切り出し手段140から受け取った画像と、画像格納手段150から読み出した画像の周期を比較し、両画像の周期が一致するように一方または双方の画像に対して縮小ないし拡大加工を行う。両画像に対する画像処理についても後述する。
算出手段170は、画像処理を行った両画像の相関関係を算出する。
このとき、画像を各座標の輝度を要素とするベクトルと考え、比較する両画像のベクトルをそれぞれ

とすると、相関関係を示す正規相関係数Rは、以下の式(1)により算出される。
………(1)
ここで、

はそれぞれ両画像の平均輝度を表す。
このような正規相関係数Rを算出することによって、その係数Rを用いれば誰であってもシャントの経時変化の度合いを定量的に判断することが可能となる。
したがって、同一人物が長期に渡って患者のシャント音を観察する必要性がなくなる。
また、人間の目によって違いを判断することがなくなるので、恣意を排除でき、適切な判断が可能となる。
次に、上述したそれぞれの処理について、図面を用いて詳細に説明する。
図2は、シャント音の波形と、その3次スプライン曲線を示す図である。
図2に示すように、センサで集音されたシャント音の波形200のように表すことができる。このとき、3次スプライン曲線210が図2に示すようになる。
周期検出手段130は、入力部110からシャント音の波形200の信号を受け取ると、その波形データにおける一定時間あたりの平均値を算出し、その平均値をなめらかに結んで3次スプライン曲線210を導き出す。
一定時間あたりの波形データの平均値は、波形200の時間軸(図2における横軸)を一定間隔当たりで区切ったデータ単位220(図2においては点線で示す)内の波形データの平均値である。図2においては中抜きの丸で示す。
周期検出手段130は、3次スプライン曲線210を導出すると、この3次スプライン曲線210のピーク222,223の間の時間Tをシャント音の波形200の一周期として検出する。
次に、画像生成手段120が生成したウェーブレット画像を切り出し手段140が切り出す処理について図面を用いて詳細に説明する。
図3は、ウェーブレット画像と、そのウェーブレット画像における一周期を示す図であり、図3(a)は、周期Tのシャント音の波形のウェーブレット画像であり、図3(b)は、周期Tのシャント音の波形のウェーブレット画像である。
図3に示すように、ウェーブレット画像においては、横軸が時間軸であって、縦軸が周波数軸であり、色の濃淡によってその時間・周波数における音声信号の強度を示している。図3に示すウェーブレット画像においては、色が白いほど音声信号の強度が強いことを示している。以下、ウェーブレット画像については特に断りがない限り同様になっているものとする。
図3に示すように、TはTより大きいものとしたとき、ウェーブレット画像310のうち、一周期T分に区切った部分の画像311の幅が、ウェーブレット画像320のうち、一周期Tに対応する部分の画像321の幅より大きくなる。
シャント音の経時変化を知るために、ウェーブレット画像の一周期分を切り出して比較しようとするとき、画像311,321を切り出してそのまま比較することはできない。つまり、そのままであると大きさの異なる画像を比較することになり一周期の中における差異を明確にすることができなくなるからである。
そこで、画像311,321を切り出した後に一方の画像の幅と他方の画像の幅を一致させるべく画像処理をして加工する。本実施の形態においては、基準を画像321として、Tの画像311の幅を縮小することによりTとする。
次に、ウェーブレット画像310から画像312を抜き出すときの様子を図面を用いて詳細に説明する。
図4は、周期がTのウェーブレット画像から一周期分の画像を抜き出し、加工した後の画像を示す図である。
図4に示すように、ウェーブレット画像310の元となったシャント音の波形の周期はTであり、基準となる画像の元となったシャント音の波形の周期がTであることから周期を合わせる必要がある。そこで、時間軸方向にTで除して、Tで乗する加工を行うことによって一周期分の画像312を生成する。
なお、周波数軸方向は一致していることから加工を行う必要はない。
図5は、周期がTのウェーブレット画像から一周期分の画像を抜き出す様子を示す図である。
図5に示すように、ウェーブレット画像320の元となったシャント音の波形の周期はTであり、このウェーブレット画像320の一周期分の画像322が基準となる画像であることから、この画像322に対しては加工を行わない。
これで、比較する画像312,322の両一周期分の画像の大きさが一致することになり、一周期の中でどのように周波数成分が変化したかを比較することができるようになった。
次に、一周期分の画像の周期を合わせるための加工をいかにして行うかを図面を用いて詳細に説明する。
図6は、ウェーブレット画像から抜き出した一周期分の画像を示す図であり、図6(a)は、周期がTのウェーブレット画像から抜き出した一周期分の画像を示す図であり、図6(b)は、周期がTのウェーブレット画像から抜き出した一周期分の画像を示す図である。
図6に示すように、周期がTである画像311の幅の方が、周期がTである画像321の幅より大きい。
このとき、周期Tは10ドットのデータからなっているものとし、周期Tは8ドットのデータからなっているものとする。そして、画像311における最も周波数が低い位置のデータが、10,8,6,4,2,2,4,6,8,10であり、画像321における最も周波数が低い位置のデータが、9,7,5,2,2,5,7,9であるとする。
画像311,321を対比するとは各ドットのデータ量を比較することであるが、上述の通りドット数が異なると比較することができない。したがって、画像311を時間軸方向に縮小加工することによって対比可能なようにする。
次に、縮小加工の手順を図面を用いて詳細に説明する。
図7は、縮小加工の手順を示す図である。
図7に示すように、画像311の最も周波数が低い位置のデータを時間軸方向に縮小する手順を説明する。
が10ドットであり、Tが8ドットであるので、4/5に縮小すればよいことになる。そこで、画像311の各ドットをまず4倍に拡張する(第1段階)。
次に、拡張したドットを5つずつ端から選択し、選択した5つのドットの平均値を算出する。たとえば、図7における左端においては、左端から5つのドットを選択すると10,10,10,10,8を選択することになり、平均値は9となる(第2段階)。
そして、算出した平均値を左端から順に再構築する(第3段階)。
この作業を周波数軸方向に順に行うことにより画像311の時間軸方向の縮小加工をすることができる。
図8は、加工処理を行った後の両画像を示す図である。
図8に示すように、両画像312,322は、一方の時間軸方向の幅に合わせる縮小加工を行ったことにより、時間軸方向、周波数軸方向ともに長さがそろった。
このように、大きさのそろった画像同士について算出手段170が相関係数を算出する。
次に、算出手段が算出した相関係数の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図9は、被験者の相関係数を時系列に並べたグラフである。
シャント音採取日は、左から丸囲みの1(以下、説明の便宜上括弧書きで示す。)が、基準データ採取日から8日目(1)、15日目(2)、22日目(3)、36日目(4)、43日目(5)、50日目(6)、83日目(7)、99日目(8)、104日目(9)、120日目(10)、および132日目(11)である。
このグラフに示す例においては、基準データ採取日から78日目に再度のPTA(percutaneous transluminal angioplasty:経皮的血管形成術)を実施している。
基準データ採取日は、最初のPTA後であり、そのときの画像と、データ採取日の画像から正規相関係数Rを算出する。
各採取日に算出された正規相関係数Rを、基準データ採取日から8日目の値をR、15日目の値をR、・・・、132日目の値をR11とする。
このとき、正規相関係数Rは、基準データ採取後、徐々に低下している。この被験者は、吻合部直後より中枢側(心臓側)に向かって約5cm程度の狭窄を度々繰り返し、その都度、PTAによる改善を実施してきた。
しかし、再び狭窄が進行し、それに伴ってシャント音も低周波数成分が主で連続的なローピッチから、高周波数成分が主で断続的なハイピッチへと変化していったことに対応して、ウェーブレット変換後の画像間の正規相関係数Rも低下していったものと考えられる。
実際、基準データ採取時には250ml/minあった透析時の脱血量も徐々に低下し、50日目(6)付近では100〜150ml/minと脱血不良を呈していた。そこで、基準データ採取から78日目(前回のPTA実施から99日目)に再度PTAを実施したところ、83日目にはRが、再び8日目のRと同水準まで回復し、99日目以降は多少の低下は見られるものの、正規相関係数Rは0.7に近い高い水準を維持している。その間、脱血量も200ml/min以上を維持し、良好に透析が実施できている。
この結果を見ると、シャント音信号のウェーブレット変換画像間の正規相関係数Rの経時的変化は、狭窄の進行に伴うVA(バスキュラーアクセス)機能の経時的変化を良く表していることがわかる。
ところで、基準データ採取日から50日目(6)にかけて、従来から行われている代表的な理学的所見である聴診器を使ったシャント音の聴診も行っても、聴診ではシャント音の明確な変化を識別することができない。
すなわち、本実施の形態によれば、聴診では識別できないVA機能の変化も経時的かつ定量的に把握でき、そこで異常と判定された後に血管造影検査を実施するといった毎回の透析時に簡単かつ非侵襲的に実施できるVA機能評価のモニタリングプログラムの確立に寄与できる。
また、経時的な正規相関係数の低下といった事態に対して異常と判定する閾値を設定すれば、透析スタッフが透析開始前に毎回、数分程度の検査時間でシャント音を採取するだけで、異常時にはアラームで知らせるといったVA機能の自動判定をすることができる。
次に、センサ取付けの再現性が正規相関係数Rに与える影響について図面を用いて詳細に説明する。
図10は、センサの着脱を繰り返した時の正規相関係数との関係を示すグラフである。
図10に示すように、被験者3名に対して、相関係数の最大変動幅は0.016であった。一方、上述の図9におけるRとRとの差は0.17であり、この結果からセンサ取付けの再現性による影響は最大でも10%程度であり、本方法によるVA機能のモニタリングに与える影響は小さいことが確認できる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態のシャント状態検知装置は、比較手段がヒストグラムを算出し、算出したヒストグラムを比較することが異なる以外は、第1の実施の形態と同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図11は、本実施の形態のシャント状態検知装置のブロック図である。
図11に示すように、シャント状態検知装置2100は、外部から入力されるシャントに流れるシャント音の信号を受け付ける入力部110、シャント音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する画像生成手段120、シャント音の信号からそのシャント音の一周期を検出する周期検出手段130、ウェーブレット画像から一周期を切り出す切り出し手段140、切り出された一周期の画像を患者に関連づけて格納する画像格納手段150、切り出された一周期の画像と、画像格納手段150に格納された画像の周期を合わせるように画像を加工する加工手段160、および周期を合わせた両画像のヒストグラムをそれぞれ算出し、算出した各ヒストグラムの値を比較する比較手段2170を備えている。
比較手段2170は、画像処理を行った両画像のヒストグラムを算出する。
以下、比較手段2170がヒストグラムを算出する処理を図面を用いて具体的に説明する。
図12は、比較手段が算出するヒストグラムの算出手順を示す図である。
図12に示すように、加工手段160によって縮小加工された画像312を時間軸方向に3等分、周波数軸方向に25〜200Hz、200〜400Hz、400〜600Hz、および600〜800Hzの4区分に区切り、全体として12個のエリアを設定する。
この各エリアには、丸囲みの1〜12の数字を便宜的に設定する。そして、算出手段170は、各エリアごとのヒストグラムを算出する。
比較を行う不図示の画像322に対しても同様の区切り方で12個のエリアを設定し、画像312に対してと同様に各エリアごとのヒストグラムを算出する。
そして、同一の番号が付されたエリア同士のヒストグラムを比較する。この比較結果によってより高い周波数帯のエリアに波形のレベルが高くなった場合には、狭窄が進んでいると判断することができるようになる。
本実施の形態のシャント状態検知装置のブロック図である。 シャント音の波形と、その3次スプライン曲線を示す図である。 ウェーブレット画像と、そのウェーブレット画像における一周期を示す図である。 周期がTのウェーブレット画像から一周期分の画像を抜き出し、加工する様子を示す図である。 周期がTのウェーブレット画像から一周期分の画像を抜き出す様子を示す図である。 ウェーブレット画像から抜き出した一周期分の画像を示す図である。 縮小加工の手順を示す図である。 加工処理を行った後の両画像を示す図である。 被験者の相関係数を時系列に並べたグラフである。 シャント音の採取回数と正規相関係数との関係を示すグラフである。 本実施の形態のシャント状態検知装置のブロック図である。 比較手段が算出するヒストグラムの算出手順を示す図である。
符号の説明
100 シャント状態検知装置
110 入力部
120 画像生成手段
130 周期検出手段
140 切り出し手段
150 画像格納手段
160 加工手段
170 算出手段

Claims (3)

  1. 患者の静脈と動脈をバイパスした部位であるシャントの状態変化を検知するためのシャント状態検知装置において、
    前記シャントに流れる血流の音を集音装置から受け付ける入力部と、
    前記入力部が受け付けた血流の音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する画像生成手段と、
    前記入力部が受け付けた血流の音の信号から心臓の一拍に相当する一周期を検出する周期検出手段と、
    前記ウェーブレット画像から前記一周期分を切り出す切り出し手段と、
    前記切り出された一周期分の画像を前記患者に関連づけて格納する画像格納手段と、
    前記切り出し手段から画像を受け取ると、前記画像格納手段に格納された前記患者の画像を読み出し、両画像のうち一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工する加工手段と、
    前記両画像の相関関係を算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とするシャント状態検知装置。
  2. 前記画像格納手段は、前記切り出された一周期分の画像を時系列に格納しており、
    前記算出手段は、前記患者の画像のうち、シャント形成後直近に格納された前記切り出された一周期分の画像と、前記切り出し手段から受け取った画像との相関関係を算出することを特徴とする請求項1記載のシャント状態検知装置。
  3. 患者の静脈と動脈をバイパスした部位であるシャントの状態変化を検知するためのシャント状態検知装置において、
    前記シャントに流れる血流の音を集音装置から受け付ける入力部と、
    前記入力部が受け付けた血流の音の信号をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を生成する画像生成手段と、
    前記入力部が受け付けた血流の音の信号から心臓の一拍に相当する一周期を検出する周期検出手段と、
    前記ウェーブレット画像から前記一周期分を切り出す切り出し手段と、
    前記切り出された一周期分の画像を前記患者に関連づけて格納する画像格納手段と、
    前記切り出し手段から画像を受け取ると、前記画像格納手段に格納された前記患者の画像を読み出し、両画像のうち一方の画像の周期に他方の画像の周期を合わせるように画像を加工する加工手段と、
    前記両画像の各画像ごとのヒストグラムを算出し、比較する比較手段と、
    を備えることを特徴とするシャント状態検知装置。
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