JP2009253947A - アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で移相回路や整合回路を必要としないアンテナを提供する。
【解決手段】動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ短く設定された全長L1の第1の導体素子と動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ長く設定された全長L2の第2の導体素子とで構成し、前記第1の導体素子は、動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLaの第1の直線部と長さLbの第2の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、前記第2の導体素子は、動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLaの第3の直線部と長さLcの第4の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、前記第1の直線部と前記第3の直線部とが平行に近接して配設され端部に給電部を備えると共に、前記第2の直線部と第4の直線部とが前記第1の直線部及び第3の直線部の軸を中心としてそれぞれ異なる方向に構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の窓ガラスに貼り付けて使用されるフィルム型アンテナに関し、特に、円偏波性能や直線偏波性能を有する多周波フィルム型アンテナに関する。
従来の円偏波性能を有するフィルム型アンテナアンテナとして、例えば、特開2004−242277号公報に開示されているようなフィルム上に形成したクロスダイポール素子と移相回路から構成されるものや、特開2005−101761号公報に開示されているようなフィルム上に形成したクロスモノポールと移相回路から構成されるものが知られている。これらの従来の技術では、移相回路が必要となりアンテナ全体の構成が複雑化するという課題があった。
これに対して、移相回路を必要としない円偏波アンテナとして、L字状に配置され異なる長さの二つの素子のみで構成されるものが知られている(L字型2素子アンテナ)。
特開2004−242277号公報 特開2005−101761号公報
しかしながら、上記従来のL字型2素子アンテナでは、給電点インピーダンスが高いため給電用ケーブルや送受信機のインピーダンス(一般には50Ω)と整合を取るためには整合回路がアンテナ素子の給電部に必要となり構成が複雑化し、特に、車両の窓ガラスに貼り付けて使用されるフィルム型アンテナにおいてこの整合回路を給電部に搭載することは構造上の突起が増大するという課題があった。
また、従来の多周波マクロストリップアンテナでは、誘電体基板を含む構造であるため薄型化が困難であることと視界を遮るという問題から車両の窓ガラスに貼り付けで使用することが困難であるという課題があった。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、移相回路や整合回路を必要としないアンテナを提供することを目的とする。
本発明のアンテナは動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ短く設定された全長L1の第1の導体素子と動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ長く設定された全長L2の第2の導体素子とで構成されたアンテナであって、前記第1の導体素子は、動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLaの第1の直線部と長さLbの第2の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、前記第2の導体素子は、動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLaの第3の直線部と長さLcの第4の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、前記第1の直線部と前記第3の直線部とが平行に近接して配設され端部に給電部を備えると共に、前記第2の直線部と第4の直線部とが前記第1の直線部及び第3の直線部の軸を中心としてそれぞれ異なる方向に配置された構成を有している。
このように構成された本発明のアンテナによれば、整合回路を有しなくても第1の導体素子及び第2の導体素子を用いてひとつの動作周波数の信号を受信することができる。
本発明のアンテナは、第2の動作周波数における実効波長の略1/4の長さに設定された第3の導体素子及び第4の導体素子を備え、前記第3の導体素子の端部が前記第1の直線部に接続し、前記第4の導体素子の端部が前記第3の直線部にされ、前記第1の直線部と前記第3の導体素子のなす角度及び前記第3の直線部と前記第4の導体素子のなす角度βとして構成されている。
このように構成された本発明のアンテナによれば、第2の動作周波数における実効波長の略1/4の長さに設定された第3の導体素子及び第4の導体素子を備えることで、第1の動作周波数と第2の動作周波数をそれぞれ受信することができる。また、第1の動作周波数を受信する第1の導体素子と第2の導体素子と、第2の動作周波数を受信する第3の導体素子及び第4の導体素子とを整合回路を備えなくてもアンテナを構成することができるので、異なる2つの動作周波数のひとつに構成されたアンテナで受信することができる。
本発明のアンテナは、前記第2の直線部と前記第3の導体素子を略平行に配置し、前記第4の直線部と前記第4の導体素子を略平行に配置する構成を有している。
このように構成されたアンテナによれば、第2の直線部と第3の導体素子を略平行に配置し、第4の直線部と第4の導体素子を略平行に配置する構成にすることで、整合回路を備えなくても、異なる2つの動作周波数を同時に受信することができる。
本発明のアンテナは、前記第2の直線部と第4の直線部とがなす角を略20乃至160度の範囲にする構成を有している。
このように構成されたアンテナによれば、第2の直線部と第4の直線部とがなす角度を略20度から160度までの範囲にすることで、異なる2つの動作周波数を同時に受信することができる。
本発明のアンテナは、誘電体シートを備え、前記誘電体シートの表面に前記第1の導体素子を配置し、前記第1の導体素子が配置された前記誘電体シートの裏面に前記第2の導体素子を配置して構成されている。
このように構成されたアンテナによれば、誘電体シートに第1の導体素子と第2の導体素子を配置することで、車両や車両のガラス面に簡単に取り付けて使用することができる。
本発明のアンテナは、誘電体シートを備え、前記誘電体シートの表面に前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子を配置し、前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子が配置された前記誘電体シートの裏面に前記第2の導体素子及び第4の導体素子を配置して構成されている。
このように構成されたアンテナによれば、前記誘電体シートの表面に前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子を配置し、その裏面に前記第2の導体素子及び第4の導体素子を配置することで、2つの動作周波数を同時に受信することができ、車両や車両のガラス面に簡単に取り付けて使用することができる。
本発明のアンテナは、第3の動作周波数に対応した第5の導体素子及び第6の導体素子と、第4の動作周波数に対応した第7の導体素子及び第8の導体素子とを備え、前記第1乃至第4の導体素子からなるアンテナを第1のアンテナ部とし、前記第5乃至第8の導体素子からなるアンテナを第2のアンテナ部とすると共に、前記第1のアンテナ部の給電部
に対して前記第2のアンテナ部が対称に配置され、前記給電部と前記第1のアンテナ部及び前記第2のアンテナ部との間に共用回路を備えて構成されている。
このように構成されたアンテナによれば、第1のアンテナ部で2つの動作周波数を受信し、第2のアンテナ部で2つの動作周波数を受信するので、ひとつのアンテナで異なる4つの動作周波数を受信することができる。
本発明のアンテナは、前記第2のアンテナ部を、第3の動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ短く設定された全長L3の第5の導体素子と第3の動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ長く設定された全長L4の第6の導体素子とで構成し、前記第5の導体素子は、第3の動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLeの第5の直線部と長さLfの第6の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、前記第6の導体素子は、第3の動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLeの第7の直線部と長さLgの第8の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、前記第5の直線部と前記第7の直線部とが平行に近接して配設され端部に給電部を備えると共に、前記第6の直線部と第8の直線部とが前記第5の直線部及び第7の直線部の軸を中心としてそれぞれ異なる方向に配置されて構成されると共に前記アンテナ装置は、第4の動作周波数における実効波長の略1/4の長さに設定された第7の導体素子及び第8の導体素子を備え、前記第6の導体素子の端部が前記第5の直線部に接続し、前記第8の導体素子の端部が前記第7の直線部にされ、前記第5の直線部と前記第6の導体素子のなす角度及び前記第7の直線部と前記第8の導体素子のなす角度βとして構成されている。
このように構成された本発明のアンテナによれば、1つのアンテナで第1の動作周波数から第4の動作周波数までの4つの周波数を同時に受信することができる。また、第1の動作周波数から第4の動作周波数の異なる周波数を受信する場合でも整合回路を設けなくても同時に異なる周波数を受信することができる。
本発明のアンテナは、前記第5の導体素子と前記第7の導体素子とがなす角度及び前記第4の導体素子と前記第8の導体素子とがなす角度が略90度乃至160度であるように構成されている。
本発明のアンテナは、誘電体シートを備え、前記誘電体シートの表面に前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子を配置すると共に前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子が配置された裏面に前記第2の導体素子及び前記第4の導体素子を配置する構成を有している。
このように構成された本発明のアンテナによれば、誘電体シートを構成することで、車両や車両が有するガラス面に取り付けて使用することができる。
本発明のアンテナは、前記角度αは、略100乃至170度の範囲とし、
前記長さdを動作周波数における実効波長に対して略0.03乃至0.20の範囲であるように構成されている。
このように構成された本発明のアンテナによれば、角度αを略100度から170度の範囲に設定し、長さdを動作周波数における実効波長に対して略0.03から0.20の範囲に設定することで異なる周波数を1つのアンテナで受信することができる。
本発明のアンテナは、前記角度βは、10度から80度の範囲であるように構成されている。
本発明のアンテナによれば、車両の窓ガラスに貼り付けて使用するアンテナにおいて、複数の電波を受信することができ、また、例えば、GPS帯用右旋円偏波アンテナ、通信用715MHz帯直線偏波アンテナ等の2種類のアンテナを一つの共通化した給電系によって同時に構成することができる。
また、GPS帯用右旋円偏波アンテナ、通信用715MHz帯直線偏波アンテナ、ETC用右旋円偏波アンテナ、電波ビーコン用2400MHz帯直線偏波アンテナの4種類のアンテナを一つの共通化した給電系によって同時に構成することができる。また、4種類のアンテナの各インピーダンスの整合を取るために整合回路を設ける必要もなくアンテナを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態におけるアンテナの構成図であり、図1(b)は、図1(a)におけるYZ平面からみたアンテナの模式図であり、図1(c)は、図1(a)におけるXZ平面からみたアンテナの模式図である。また、図2は、図1(a)におけるA−A‘面で切断した断面を示す断面図である。以降、アンテナの動作周波数を、GPS(Global Positioning System)の周波数帯域である1575MHz(自由空間波長:λ=190mm)に設定して説明する。
図1(a)、図1(b)、図1(c)において、アンテナは、導体パターン1、導体パターン2、誘電体シート3を有して構成されている。導体パターン1、導体パターン2は、それぞれ誘電体シート3の対向する表面に、例えば蒸着処理によって貼り付けられた導体薄膜であって、例えば、銅箔によって形成されている。また、導体パターン1、導体パターン2の導体幅Wは、例えば、1.0mmに設定される。
誘電体シート3は、例えば、比誘電率εrが2.5で、厚みtが0.3mmである誘電体薄膜で構成されている。この誘電体シート3の表面における波長短縮率は0.86であり、実効波長λgは163.4mmとなり、実効波長の半分λg/2=81.7mmとなっている。
図1(a)、図1(b)、図1(c)に示すように、導体パターン1は、誘電体シート3の表面(+Z側の表面)に配置され、長さがLaである直線部4と長さがLbである直線部5が屈曲部6において角度αで屈曲した形状として形成される。
また、導体パターン2は、誘電体シート3の裏面(−Z側の表面)に配置され、長さがLaである直線部7と長さがLcである直線部8が屈曲部6において角度αで屈曲した形状として形成されている。
ここで、導体パターン1及び導体パターン2のアンテナ電流の位相を90度異なるように設定し円偏波特性を得るために、導体パターン1の全長L1を実効的な半波長より4.3%短く、導体パターン2の全長L2を実効的な半波長より4.3%長く設定する。すなわち、具体的には、λgに対して4.3%であるdを7.1mmと設定し、導体パターン1の全長L1を、
L1=La+Lb=(λg/2−d)=74.6mm
導体パターン2の全長L2を、
L2=La+Lc=(λg/2+d)=88.8mm
に設定する。
また、α=135度に設定する。
このように各導体パターンの寸法を設定することにより、動作中心周波数における導体パターン1及び導体パターン2のそれぞれの電流移相が互いに90度異なるようになる。また、直線部5及び直線部8に分布する電流が放射に寄与するが、この直線部5及び直線部8とがなす角度は、360度−2×α度=90度となる。このことにより、Z方向に対して右旋円偏波の放射特性を得ることができる。
また、直線部4及び直線部7は、図1(a)におけるA−A‘面で切断した断面を示す図2のA−A’断面図に示すように、誘電体シート3の厚みt=0.3mmを隔てて対向して配置された幅W=1mmの平行2線伝送線路として構成される。直線部4及び直線部7の先端(端部)には、給電部9及び給電部10がそれぞれ設けられている。
ここで、La=41.0mmに設定しており、これにより、直線部4及び直線部7は実効波長の1/4(λg/4)の長さを有する伝送線路として動作することになり、屈曲部6におけるインピーダンスを変換するように機能し、動作周波数帯域における給電部9及び給電部10の給電点インピーダンスがほぼ50Ωとなり、VSWRが2以下となる。
図3は、給電部に同軸給電ケーブルを接続する給電構造の一例を示した模式図である。図3において、給電部9には接続端子12が、給電部10には接続端子13が接続されている。接続端子12及び接続端子13は平衡不平衡変換回路15に接続され、この平衡不平衡変換回路15は、例えばバルントランスなどで構成されるものであり、給電部9及び給電部10の平衡系信号を同軸給電ケーブル34の不平衡系信号に変換する機能を有している。
この構成により、不平衡系である同軸給電ケーブル34から平衡系である本アンテナへの給電が実現される。
また、図4は、図3における平衡不平衡変換回路を省略した例を示す給電構造図である。図4に示すように、同軸給電ケーブル34の外導体16は給電部9に半田付け接続され、同軸給電ケーブル34の中心導体16は誘電体シート3を貫通して給電部10に半田付け接続される。図4の構成によれば平衡不平衡変換回路15を省略した簡易で実用的な構成を実現することができる。
次に、前記したアンテナの放射特性を図5、図6、及び図7を用いて説明する。
図5は、XZ面における右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図。
図5に示すように最大放射方向はほぼZ方向に向き、最大右旋偏波利得は、+1.6dBiが得られる。
図6は、YZ面における右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図。
図6に示すように最大放射方向はほぼZ方向に向き、最大右旋偏波利得は、+1.6dBiが得られる。
図7は、XZ面における軸比特性を示す模式図。
図7に示すように、Z方向において最良の軸比3dBが得られ、良好な円偏波特性が得られる。
以上より図5、図6、図7に示されたように、第1の実施形態におけるアンテナの放射特性は良好な円偏波特性を得ることができることがわかる。
次に、図8を用いて、本実施の形態のアンテナを車両の窓ガラスに設置した例を説明する。図8は、車両のフロントガラスにアンテナを取付けた状態を示す模式図。図8において、図1に示すように構成されたアンテナ31は、車両のフロントガラス33に貼り付けることができる。また、このアンテナ31の給電部9、10には同軸給電ケーブル34が接続され、車両のピラー部35に沿って車室内に設けられたナビゲーション装置等の受信機へ接続されている。
このとき、アンテナ31のZ方向が車室外に向けるように貼り付けることで、車両前方斜め上方の方向に対して右旋円偏波のアンテナ利得が高くでき、例えば、高感度なGPSアンテナが実現できる。
なお、第1の実施の形態において説明した寸法パラメータは設計の一例を示したものであり、ここで示した寸法パラメータ以外の組合せであっても一点の円偏波特性を得ることはできる。
例えば、αを100から170度の範囲に設定した場合において、dは実効波長の0.03から0.20の範囲の中で設定されたαに対して最適な値に設定することで一定の円偏波特性が得られる。
また、本実施の形態においては、GPSを想定し動作周波数帯域を1575MHzとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)で用いられている5800MHz帯域においても、動作周波数帯域に応じて各アンテナ素子の寸法パラメータを設定して形成すれば実用的な円偏波特性が得られる。
また、本実施の形態においては、説明の便宜上、誘電体シート3の比誘電率(εr=2.5)のみを想定した導体パターン寸法の設計値を説明したが、実際の使用状態、すなわち、誘電体シート3が車両の窓ガラスに貼り付けられて使用される状態を想定したうえで、車両の窓ガラスの比誘電率も考慮した導体パターン寸法の設計がなされることが望ましい。
また、第1の実施の形態において、誘電体シート3が平面形状とし、直線部4と直線部5とを含む面と、直線部7と直線部8とを含む面とが平行である場合について説明したが、例えば、曲面形状である車両の窓ガラスに貼り付けた場合を想定して、誘電体シート3が曲面形状である場合であっても、直線部5及び直線部8とがなす角度に応じた最適なdを設定することにより、同等の効果を得ることができる。
また、第1の実施の形態においては、誘電体シート3として比誘電率εrが2.5である素材として説明したが、その他の比誘電率を有する素材、例えば、一般的なフィルム用素材である塩化ビニールやポリエステル等を用いることができ、その比誘電率に適したアンテナ素子寸法に設計すれば同様の効果を得ることができる。
また、第1の実施の形態においては、誘電体シート3を車両の窓ガラスに貼り付けて使用することを想定したアンテナ構成を説明したが、誘電体シートを用いることなく、窓ガラスの表面に直接導体パターンを、例えば蒸着によって貼り付けた場合は、円偏波特性を有するアンテナを簡単な構成で窓ガラスに搭載することができる。また、導体パターンを
車両の窓ガラスの内部に一体成形しても同様の効果が得られる。
また、第1の実施の形態において、誘電体シート3を用いてが本発明を限定するものではなく、誘電体シート3を除いて導体パターン1及び導体パターン2だけで構成しても同様の効果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施形態について図面を用いて説明する。
図9(a)は、本発明の第2の実施の形態におけるアンテナの構成図であり、図9(b)は、図9(a)におけるYZ平面からみたアンテナの模式図であり、図9(c)は、図9(a)におけるXZ平面からみたアンテナの模式図である。
図10は、図9(a)におけるA−A‘面で切断した断面を示す断面図である。
第2の実施の形態におけるアンテナは、2つの動作周波数を用いたものを説明する。ここで、アンテナの動作周波数を、GPSの周波数帯域である1575MHz(自由空間波長:λ1=190mm)と、通信用周波数帯域である715MHz(自由空間波長:λ2=415mm)の2つに設定して説明する。なお、第1の実施の形態と同じ箇所に関しては同じ符号付して説明する。
図9(a)、図9(b)、図9(c)おいて、第2の実施形態におけるアンテナは、導体パターン1、導体パターン2、導体パターン11、導体パターン12及び誘電体シート3を有している。導体パターン1、2、11、12はそれぞれ誘電体シート3の対向する表面に、例えば蒸着処理によって貼り付けられた導体薄膜、例えば銅箔によって形成される。導体パターン1、2、11、12の導体幅Wは、例えば、1.0mmに設定される。
誘電体シート3は、例えば、比誘電率εrが2.5で、厚みtが0.3mmである誘電体薄膜で構成される。この場合、誘電体シート3の表面における波長短縮率は0.86となり実効波長λg1は163.4mmとなり、λg2は357mmとなり、実効波長の半分λg1/2=81.7mm、λg2/2=178.5mmとなる。
図9(a)、図9(b)、図9(c)に示すように、導体パターン1は、誘電体シート3の表面(+Z側の表面)に配置しており、長さがLaである直線部4と長さがLbである直線部5が屈曲部6において角度αで屈曲した形状として形成されている。
また、導体パターン2は、誘電体シート3の裏面(−Z側の表面)に配置しており、長さがLaである直線部7と長さがLcである直線部8が屈曲部6において角度αで屈曲した形状として形成されている。
ここで、導体パターン1及び導体パターン2のアンテナ電流の位相を90度異なるように設定し円偏波特性を得るために、導体パターン1の全長L1を実効的な半波長より4.3%短く、導体パターン2の全長L2を実効的な半波長より4.3%長く設定する。すなわち、具体的には、λgに対して4.3%であるdを7.1mmと設定し、導体パターン1の全長L1を、
L1=La+Lb=(λg1/2−d1)=74.6mm
導体パターン2の全長L2を、
L2=La+Lc=(λg1/2+d1)=88.8mm
に設定する。
また、α=135度に設定する。
このように各導体パターンの寸法を設定することにより、1575MHzにおける導体パターン1及び導体パターン2のそれぞれの電流移相が互いに90度異なるようになる。また、直線部5及び直線部8に分布する電流が放射に寄与するが、この直線部5及び直線部8がなす角度は360度−2×β=90度となる。このことにより、Z方向に対して右旋円偏波の放射特性が得られる。
また、直線部4及び直線部7は、図10のA−A’断面図に示すように、誘電体シート3の厚みt=0.3mmを隔てて対向して配置された幅W=1mmの平行2線伝送線路として構成される。
直線部4及び直線部7の端部(先端)には、給電部9及び給電部10がそれぞれ配置される。ここで、La=41.0mmに設定することで、これにより、直線部4及び直線部7は実効波長の1/4(λg1/4)の長さを有する伝送線路として動作することになり、屈曲部6におけるインピーダンスを変換するように機能し、1575MHzにおける給電部9及び給電部10の給電点インピーダンスがほぼ50Ωとなり、VSWRが2以下となる。
上記の説明のように、Y字型に構成された導体パターン1及び導体パターン2は、1575MHzにおいてインピーダンス整合された右旋円偏波アンテナとして動作する。
ここで、通信用周波数帯域である715MHzでは、給電部9及び給電部10から直線部4及び直線部7側を見たインピーダンスが高くなる。すなわち、給電部9及び給電部10において、715MHzでは、導体パターン1及び導体パターン2で構成された右旋円偏波アンテナが存在しないことと等価となる。
一方、この給電部9及び給電部10に接続された導体パターン11及び導体パターン12が715MHzにおける半波長ダイポールアンテナとして動作することについて説明する。
導体パターン11は、誘電体シート3の表面(+Z側の表面)に配置しており、長さがLdである。また、導体パターン12は、誘電体シート3の裏面(−Z側の表面)に配置しており、長さは導体パターン11と同一のLdである。長さLdは、通信用周波数帯域である715MHzの実効長の1/4、すなわち、λg2/4=89.3mmに設定される。
ここで、導体パターン12は導体パターン1の直線部5と略平行に配置され、導体パターン12は導体パターン2の直線部8と略平行に配置されている。
この場合はαが135度であるので、導体パターン11と直線部4とがなす角度及び導体パターン12と直線部4とがなす角度であるβが45度となる。
上記のように設定することで、導体パターン11、12と導体パターン1、2との間隔は、La×(2の平方根=0.707)、すなわち29mmに確保されるため、それぞれの導体パターン間の電磁的結合はほどんと発生せず、互いのアンテナ動作に影響を及ぼすことはない。
給電部9及び給電部10において、導体パターン11、12の715MHzにおけるインピーダンスはほぼ50Ωとなり、導体パターン11、12は715MHzで半波長ダイ
ポールアンテナとして動作する。この半波長ダイポールアンテナは、主偏波方向がX軸方向となる直線偏波アンテナとして動作する。
なお、給電部9及び給電部10で見た導体パターン11、12の1575MHzにおけるインピーダンスは高いため、GPSの周波数帯域では右旋円偏波アンテナとして動作する導体パターン1、2から見て導体パターン11、12は無視してよいことになる。
上記の説明のように、導体パターン1、2はGPS用右旋円偏波アンテナとして動作し、導体パターン11、12は通信用直線偏波アンテナとして独立して動作し、それらが同一の給電点である給電部9、10から同時に給電されることになる。
このように、同一の誘電体シート3上にGPS用右旋円偏波アンテナと通信用直線偏波アンテナを共存させており、さらに給電点を共通としているにも関わらず、互いの動作に影響を及ぼさないように出来る。この要因は、従来のL字型2素子アンテナを上記のY字型に構成された導体パターン1及び導体パターン2に置き換えたこと、すなわち、La=λg1/4の長さを有する伝送線路(直線部4、7)を導入したことによるものである。
すなわち、伝送線路(直線部4、7)のインピーダンス変換機能は両アンテナの給電点の共通化を達成しており、また、その物理的長さは両アンテナ素子の間隔を(λg1/4)×(2の平方根=0.707)に確保することを実現している。
ここで、GPSの周波数帯域である1575MHzが、通信用周波数帯域である715MHzのほぼ倍であることで、各導体パターンの長さであるL1=La+Lb、L2=La+Lc、Ldがほぼ同等の長さとなり、その結果、アンテナ構造全体がほぼ正方形の平面上に納めることができる。これにより、GPS用右旋円偏波アンテナと通信用直線偏波アンテナを90mm四方の正方形の平面形状というコンパクトなサイズで構成することができる。
図11は、給電部に同軸給電ケーブルを接続する給電構造の一例を示した模式図である。図11において、給電部9には接続端子13が、給電部10には接続端子14が、例えば半田付けによって接続される。接続端子13及び接続端子14は平衡不平衡変換回路15に接続される。平衡不平衡変換回路15は、例えばバルントランスなどで構成されるもので、給電部9及び給電部10の平衡系信号を同軸給電ケーブル34の不平衡系信号に変換する機能を有する。
この構成により、不平衡系である同軸給電ケーブル34から平衡系である本アンテナへの給電が実現される。
図12は、図11における平衡不平衡変換回路を省略した例を示す給電構造図である。
図12において、同軸給電ケーブル34の外導体16は給電部9に接続され、同軸給電ケーブル34の中心導体17は誘電体シート3を貫通して給電部10に半田付け接続される。
このように構成することで、平衡系と不平衡系の変換がなされず給電されることになり、その結果、同軸給電ケーブル34の外導体16にはアンテナ電流の一部が分布することになるが、図11に示す場合と円偏波放射特性において差異はほとんどない。
しかし、例えば、車両に搭載されるGPS用アンテナにおいては、システム上要求される性能に対してこの影響が軽微で無視できるため、図12の構成によれば平衡不平衡変換
回路15を省略した簡易で実用的な構成を実現できる。
以上の説明のように構成したアンテナの放射特性を図13乃至17を用いて説明する。
図13は、GPS周波数帯域(1575MHz)におけるXZ面の右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図。なお、図13に示すように最大放射方向はほぼZ方向に向き、最大右旋偏波利得は、+1.6dBiが得られる。
図14は、GPS周波数帯域(1575MHz)におけるYZ面における右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図。なお、図14に示すように最大放射方向はほぼZ方向に向き、最大右旋偏波利得は、+1.6dBiが得られる。
図15は、GPS周波数帯域(1575MHz)におけるXZ面の軸比特性を示す模式図。なお、図15に示すように、Z方向において最良の軸比3dBが得られ、良好な円偏波特性が得られる。
図16は、通信用周波数帯域(715MHz)におけるXZ面における直線円偏波成分の放射パターンを示す模式図。なお、図16に示すように8の字型の放射パターンとなり最大放射方向はほぼZ方向及び−Z方向に向き、最大利得は+1.4dBiが得られる。
図17は、通信用周波数帯域(715MHz)におけるYZ面における直線円偏波成分の放射パターンを示す模式図。なお、図17に示すようにほぼ無指向性となり、最大利得は+1.4dBiが得られる。
また、本実施の形態において説明した寸法パラメータは設計の一例を示したものであり、ここで示した寸法パラメータ以外の組合せであっても一定の円偏波特性と直線偏波特性を得ることはできる。
例えば、βを100から170度の範囲に設定した場合において、dは実効波長の0.03から0.20の範囲の中で設定されたαに対して最適な値に設定することで一定の円偏波特性が得られる。
また、本実施の形態においては、導体パターン11、12を導体パターン1、2の直線部5、8とほぼ平行に配置したが、導体パターン11、12の配置方向はこれに限るものではなく、例えば、X軸方向のように、各導体パターン間の間隔が確保されるように設定すれば同等の性能が得られる。
また、本実施の形態においては、GPSと通信用周波数帯を想定し動作周波数帯域を1575MHz及び715MHzとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)で用いられている5800MHz帯と電波ビーコンで用いられている2400MHz帯の組合せにおいてもそれに応じて各アンテナ素子の寸法パラメータを設計すれば、実用的な円偏波特性と直線偏波特性を得ることはできる。
(第3の実施の形態)
図18(a)は、第3の実施の形態におけるアンテナの構成図であり、図18(b)は、図18(a)におけるYZ平面からみたアンテナの模式図であり、図18(c)は、図18(a)におけるXZ平面からみたアンテナの模式図である。以降、アンテナの動作周波数を、GPSの周波数帯域である1575MHz(自由空間波長:λ1=190mm)と、通信用周波数帯域である715MHz(自由空間波長:λ2=415mm)と、ET
Cの周波数帯域である5800MHz(自由空間波長:λ3=52mm)と、電波ビーコンの周波数帯域である2400MHz(自由空間波長:λ4=125mm)の4つに設定して説明する。なお、第1の実施の形態、第2の実施の形態で用いた同じ箇所に関しては同じ符号付して説明する。
図18(a)、図18(b)、図18(c)において、導体パターン1、2及び導体パターン11、12によって構成されるアンテナにおいて、図9(a)、図9(b)、図9(c)で説明したものと同一箇所に対して同一の番号を付すと共に構成要素における動作は同一のものとする。
なお、図18(a)、図18(b)、図18(c)においては、導体パターン1、2及び導体パターン11、12によって構成されるアンテナと給電部9、10との間に、低域通過フィルタ20を挿入している。
低域通過フィルタ20は、コイルとコンデンサなどの集中定数素子や、又は伝送線路素子などの分布定数素子によって構成され、GPSの周波数帯域である1575MHz以下の周波数の信号を通過させ、例えば2000MHz以上の周波数の信号を遮断するように動作する。
図18(a)、図18(b)、図18(c)において、導体パターン22、23、29、30はそれぞれ誘電体シート3の対向する表面に、例えば蒸着処理によって貼り付けられた導体薄膜、例えば銅箔によって形成される。導体パターン22、23、29、30の導体幅Wは、例えば、1.0mmに設定される。
導体パターン22、23、29、30で構成されるアンテナは、導体パターン1、2、11、12によって構成されるアンテナと同様な動作を異なる周波数において行うものである。導体パターン22、23、29、30は給電部9、10を挟んで導体パターン1、2、11、12と対称となる位置及び向きで配置される。
導体パターン22、23は、導体パターン1、2と同様なY字型形状に屈曲部26で屈曲された形状である。導体パターン22、23はETCの周波数帯域である5800MHz(λg3=44.7mm)において、Z方向へ右旋円偏波が放射されるように動作するように、各直線部24、25、27、28の長さLe、Lf、Lgは最適な値に設定される。
直線部24と直線部25がなす角度及び直線部27と直線部28がなす角度はαに設定され、例えば、α=135度に設定されるか、又は、αを100から170度の範囲に設定する。
また、導体パターン29、30は、電波ビーコンの周波数帯域である2400MHz(λg4=107.5mm)において、半波長ダイポールとして動作するようにその長さLhが設定される。
ここで、直線部22と導体パターン29とが略平行に配置し、かつ、直線部23と導体パターン30とが略平行に配置するために、αが135度である場合においては、導体パターン29と直線部24とがなす角度及び導体パターン30と直線部29とがなす角度であるβを45度に設定することが望ましい。
下記に各導体パターンの長さの設定例を示す。
Le=(λg3/4)=11.2mm
Lf=9.3mm
Lg=13.1mm
Lh=(λg4/4)=26.9mm
上記のように構成することで、Y字型に構成された導体パターン22、23は5800MHzにおいてインピーダンス整合された右旋円偏波アンテナとして動作し、導体パターン29、30が2400MHzにおける半波長ダイポールアンテナとして動作し、両アンテナが互いに影響することなく独立に動作することになる。
ここで、導体パターン11と導体パターン30とがなす角度が90度になり、導体パターン12と導体パターン29とがなす角度が90度になるように、すなわち、α=135度、β=45度に設定することで、4種類の周波数帯域で動作する4種類のアンテナ部が互いに電磁的に影響を及ぼす度合いが最も小さくなり、最も良好な放射特性が得られる。
ここで、導体パターン22、23、29、30によって構成されるアンテナと給電部9、10との間に、高域通過フィルタ21を挿入している。
高域通過フィルタ21は、コイルとコンデンサなどの集中定数素子や、又は伝送線路素子などの分布定数素子によって構成され、電波ビーコンの周波数帯域である2400MHz以上の周波数の信号を通過させ、例えば2000MHz以下の周波数の信号を遮断するように動作する。
なお、低域通過フィルタ20及び高域通過フィルタ21は、給電部9、10から見た上下に配置される二つのアンテナ系を共用するアンテナ共用回路として動作する。
以上のように構成することで、一つの共通給電点である給電部9、10から同時に給電された、GPS帯用右旋円偏波アンテナ、通信用715MHz帯直線偏波アンテナ、ETC用右旋円偏波アンテナ、電波ビーコン用2400MHz帯直線偏波アンテナを同一の誘電体シート3上に構成することができ、各アンテナを独立して動作させることができる。
以上の説明のように構成したアンテナの放射特性を図19乃至23を用いて説明する。
なお、ここでは、ETC周波数帯域(5800MHz)と電波ビーコン周波数帯域(2400MHz)における放射特性を示す。GPS周波数帯域(1575MHz)と通信用周波数帯域(715MHz)における放射特性は、図5乃至9で説明したものと同一となるため説明を省略する。
図19は、ETC周波数帯域(5800MHz)におけるXZ面の右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図。図19に示すように最大放射方向はほぼZ方向に向き、最大右旋偏波利得は、+1.9dBiが得られる。
図20は、ETC周波数帯域(5800MHz)におけるYZ面における右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図。図20に示すように最大放射方向はほぼZ方向に向き、最大右旋偏波利得は、+1.9dBiが得られる。
図21は、ETC周波数帯域(5800MHz)におけるXZ面の軸比特性を示した模式図。図21に示すように、Z方向において最良の軸比3dBが得られ、良好な円偏波特性が得られる。
図22は、電波ビーコン周波数帯域(2400MHz)におけるXZ面における直線円
偏波成分の放射パターンを示す模式図。図22に示すように8の字型の放射パターンとなり最大放射方向はほぼZ方向及び−Z方向に向き、最大利得は+1.2dBiが得られる。
図23は、電波ビーコン周波数帯域(2400MHz)におけるYZ面における直線円偏波成分の放射パターンを示す模式図。図23に示すようにほぼ無指向性となり、最大利得は+1.2dBiが得られる。
ここで、本実施の形態においては、導体パターン1の直線部5と導体パターン11が、導体パターン2の直線8と導体パターン12が、導体パターン22の直線部25と導体パターン29が、導体パターン23の直線28と導体パターン30が、それぞれ平行に配置されていることが上記の放射特性を実現する上で重要となる。
上記のように配置することで、導体パターン11と導体パターン30が、導体パターン12と導体パターン29が、それぞれ直交して配置されることになり、このことにより、通信用周波数帯域(715MHz)と、電波ビーコン周波数帯域(2400MHz)における直線偏波アンテナ同士の電磁的結合による影響を小さく抑えることになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、150×200mmの平面形状というコンパクトなサイズの誘電体シート上において、GPS帯用右旋円偏波アンテナ、通信用715MHz帯直線偏波アンテナ、ETC用右旋円偏波アンテナ、電波ビーコン用2400MHz帯直線偏波アンテナを同時に構成することができる。
次に、図24を用いて、本実施の形態のアンテナを車両の窓ガラスに設置した例を説明する。図24は、車両のフロントガラスにアンテナを取付けた状態を示す模式図。
図24において、図18(a)に示すように構成されたアンテナ32は、車両のフロントガラス33に貼り付けられる。アンテナ32に接続された同軸給電ケーブル34は車両のピラー部35に沿って車室内の受信機へと接続される。
このとき、図18(a)におけるZ方向が車室外へ向けられるように貼り付けることで、車両前方斜め上方の方向に対して右旋円偏波のアンテナ利得が高くでき、高感度なGPS用及びETC用右旋円偏波アンテナと同時に通信用715MHz帯直線偏波アンテナ、電波ビーコン用2400MHz帯直線偏波アンテナを実現できる。
なお、本実施の形態においては、説明の便宜上、誘電体シート3の比誘電率(εr=2.5)のみを想定した導体パターン寸法の設計値を説明したが、実際の使用状態、すなわち、誘電体シート3が車両の窓ガラスに貼り付けられて使用される状態を想定したうえで、車両の窓ガラスの比誘電率も考慮した導体パターン寸法の設計がなされることが望ましい。
また、本実施の形態においては、誘電体シート3が平面形状であり、すなわち、直線部4と直線部5とを含む面と、直線部7と直線部8とを含む面とが平行である場合について説明したが、例えば、曲面形状である車両の窓ガラスに貼り付けた場合を想定して、誘電体シート3が曲面形状である場合であっても、直線部5及び直線部8とがなす角度に応じた最適なd1、d2を設定することにより、良好な円偏波特性が得られる。
また、本実施の形態において、誘電体シート3として比誘電率εrが2.5である素材として説明したが、その他の比誘電率を有する素材、例えば、一般的なフィルム用素材である塩化ビニールやポリエステルなどであっても、その比誘電率に適したアンテナ素子寸
法に設計すれば同様の効果が得られる。
また、本実施の形態において、誘電体シート3を車両の窓ガラスに貼り付けて使用することを想定したアンテナ構成を説明したが、誘電体シートを用いることなく、車両の窓ガラスの表面に直接導体パターンを、例えば蒸着によって貼り付けた場合は、円偏波特性を有するアンテナを簡単な構成で窓ガラスに搭載できるという作用を有する。また、導体パターンを車両の窓ガラスの内部に一体成形しても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態において、図18(a)に示すように高域通過フィルタ20、低域通過フィルタ21を分けて設ける構成にしたが、本発明を限定するものではなく、例えば、図25に示すように一体型帯域別通過フィルタ40を備えるように構成しても同様の効果を得ることができる。
(a)第1の実施の形態におけるアンテナの構成図(b)図1(a)におけるYZ平面からみたアンテナの模式図(c)図1(a)におけるXZ平面からみたアンテナの模式図 図1におけるA−A‘面で切断した断面を示す断面図 給電部に同軸給電ケーブルを接続する給電構造の一例を示した構成図 図3における平衡不平衡変換回路を省略した給電構造の構成図 XZ面における右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図 YZ面における右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図 XZ面における軸比特性を示した模式図 車両のフロントガラスにアンテナを取付けた状態を示す模式図 (a)第2の実施の形態におけるアンテナの構成図(b)図9(a)におけるYZ平面からみたアンテナの模式図(c)図9(a)におけるXZ平面からみたアンテナの模式図 図9(a)におけるA−A‘面で切断した断面を示す断面図 給電部に同軸給電ケーブルを接続する給電構造の一例を示した模式図 図11における平衡不平衡変換回路を省略した給電構造図 GPS周波数帯域におけるXZ面の右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図 GPS周波数帯域におけるYZ面における右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図 GPS周波数帯域におけるXZ面の軸比特性を示した模式図 通信用周波数帯域におけるXZ面における直線円偏波成分の放射パターンを示す模式図 通信用周波数帯域におけるYZ面における直線円偏波成分の放射パターンを示す模式図 (a)第3の実施の形態におけるアンテナの構成図(b)図18(a)におけるYZ平面からみたアンテナの模式図(c)図18(a)におけるXZ平面からみたアンテナの模式図 ETC周波数帯域におけるXZ面の右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図 ETC周波数帯域におけるYZ面の右旋円偏波成分の放射パターンを示す模式図 ETC周波数帯域におけるXZ面の軸比特性を示した模式図 電波ビーコン周波数帯域におけるXZ面における直線円偏波成分の放射パターンを示す模式図 電波ビーコン周波数帯域におけるYZ面における直線円偏波成分の放射パターンを示す模式図 車両のフロントガラスにアンテナを取付けた状態を示す模式図 他の実施形態におけるアンテナの構成を示す構成図
符号の説明
1 導体パターン
2 導体パターン
3 誘電体シート
4 直線部
5 直線部
6 屈曲部
7 直線部
8 直線部
9 給電部
10 給電部
11 導体パターン
12 導体パターン
13 接続端子
14 接続端子
15 平衡不平衡変換回路
16 外導体
17 中心導体
20 高域通過フィルタ
21 低域通過フィルタ
22 導体パターン
23 導体パターン
24 直線部
25 直線部
26 屈曲部
27 直線部
28 直線部
29 導体パターン
30 導体パターン
31 アンテナ
32 アンテナ
33 フロントガラス
34 同軸給電ケーブル
35 ピラー部
40 一体型帯域別通過フィルタ

Claims (12)

  1. 動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ短く設定された全長L1の第1の導体素子と動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ長く設定された全長L2の第2の導体素子とで構成されたアンテナであって、
    前記第1の導体素子は、動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLaの第1の直線部と長さLbの第2の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、
    前記第2の導体素子は、動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLaの第3の直線部と長さLcの第4の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、
    前記第1の直線部と前記第3の直線部とが平行に近接して配設され端部に給電部を備えると共に、前記第2の直線部と第4の直線部とが前記第1の直線部及び第3の直線部の軸を中心としてそれぞれ異なる方向に配置されて構成されることを特徴とするアンテナ。
  2. 前記アンテナは、第2の動作周波数における実効波長の略1/4の長さに設定された第3の導体素子及び第4の導体素子を備え、
    前記第3の導体素子の端部が前記第1の直線部に接続し、前記第4の導体素子の端部が前記第3の直線部にされ、前記第1の直線部と前記第3の導体素子のなす角度及び前記第3の直線部と前記第4の導体素子のなす角度βとして構成されること特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記アンテナは、前記第2の直線部と前記第3の導体素子を略平行に配置し、前記第4の直線部と前記第4の導体素子を略平行に配置することを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
  4. 前記アンテナは、前記第2の直線部と第4の直線部とがなす角を略20乃至160度の範囲にすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ。
  5. 前記アンテナは、誘電体シートを備え、前記誘電体シートの表面に前記第1の導体素子を配置し、前記第1の導体素子が配置された前記誘電体シートの裏面に前記第2の導体素子を配置して構成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  6. 前記アンテナは誘電体シートを備え、前記誘電体シートの表面に前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子を配置し、前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子が配置された前記誘電体シートの裏面に前記第2の導体素子及び第4の導体素子を配置して構成されることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のアンテナ。
  7. 前記アンテナは、
    第3の動作周波数に対応した第5の導体素子及び第6の導体素子と、
    第4の動作周波数に対応した第7の導体素子及び第8の導体素子とを備え、
    前記第1乃至第4の導体素子からなるアンテナを第1のアンテナ部とし、前記第5乃至第8の導体素子からなるアンテナを第2のアンテナ部とすると共に、前記第1のアンテナ部の給電部に対して前記第2のアンテナ部が対称に配置され、前記給電部と前記第1のアンテナ部及び前記第2のアンテナ部との間に共用回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアンテナ。
  8. 前記アンテナは、前記第2のアンテナ部を、
    第3の動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ短く設定された全長L3の第5の導体素子と第3の動作周波数における実効波長の略1/2よりも長さdだけ長く設定された全長L4の第6の導体素子とで構成し、
    前記第5の導体素子は、第3の動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さ
    Leの第5の直線部と長さLfの第6の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、
    前記第6の導体素子は、第3の動作周波数における実効波長の略1/4に設定された長さLeの第7の直線部と長さLgの第8の直線部とが角度αで屈曲した形状で接続され、
    前記第5の直線部と前記第7の直線部とが平行に近接して配設され端部に給電部を備えると共に、前記第6の直線部と第8の直線部とが前記第5の直線部及び第7の直線部の軸を中心としてそれぞれ異なる方向に配置されて構成されると共に前記アンテナ装置は、第4の動作周波数における実効波長の略1/4の長さに設定された第7の導体素子及び第8の導体素子を備え、
    前記第6の導体素子の端部が前記第5の直線部に接続し、前記第8の導体素子の端部が前記第7の直線部にされ、前記第5の直線部と前記第6の導体素子のなす角度及び前記第7の直線部と前記第8の導体素子のなす角度βとして構成されること特徴とする請求項7に記載のアンテナ。
  9. 前記第5の導体素子と前記第7の導体素子とがなす角度及び前記第4の導体素子と前記第8の導体素子とがなす角度が略90度乃至160度であることを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。
  10. 前記アンテナは誘電体シートを備え、前記誘電体シートの表面に前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子を配置すると共に前記第1の導体素子及び前記第3の導体素子が配置された裏面に前記第2の導体素子及び前記第4の導体素子を配置することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のアンテナ。
  11. 前記角度αは、略100乃至170度の範囲とし、
    前記長さdを動作周波数における実効波長に対して略0.03乃至0.20の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載のアンテナ。
  12. 前記角度βは、10度から80度の範囲とすることを特徴とする請求項2から請求項11のいずれかに記載のアンテナ。
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