JP2009253740A - 撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像ブレがない良好な撮影画像を得ることができる撮影装置を提供すること。
【解決手段】被写体像18を撮像し、画像信号を出力する撮像部3と、画像信号に基づく画像の点像分布関数を求める点像分布関数演算部14と、点像分布関数に基づき前記画像のブレ量を求め、当該ブレ量が所定値以内か否かを判断する判断部15と、判断部15にて前記ブレ量が所定値以内であると判断された画像信号以降に撮像部3から出力される画像を撮影画像として出力する撮影制御部2と、を有する撮影装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラなどの撮影装置に関する。
カメラを手に持って撮影する場合などには、レリーズボタンを押す時などに手が動いてしまい、いわゆる手ブレが発生し、撮影画像に像ブレが生じてしまう。そこで、このような像ブレの撮影画像を防止するために、手ブレによるカメラの光軸のブレ量を、カメラに内蔵してある角速度センサなどで検出し、そのブレ量をキャンセルするように、光学レンズまたは撮像素子を物理的に移動させる手ブレ防止装置が開発されている。
また、角速度センサにより検出したカメラのブレ量が所定値以上の場合には、シャッタ動作を禁止し、ブレ量が所定値以下の場合にのみ、シャッタ動作を可能とするカメラも開発されている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来のカメラでは、カメラのブレ量を検出するためには、角速度センサなどのセンサが必要であり、カメラのコンパクト化を阻害すると共に、コストを増大させる一因ともなっている。
また、従来のカメラにおいて、動きベクトルで被写体のブレ量を検出する試みも成されているが、動きベクトルを検出するためには、2フレーム画像を必要としているために、露光タイミングが遅延する可能性がある。
特開平3−92830号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、像ブレがない良好な撮影画像を得ることができる撮影装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る撮影装置は、
被写体像(18)を撮像し、画像信号を出力する撮像部(3)と、
前記画像信号に基づく画像の点像分布関数を求める点像分布関数演算部(14)と、前記点像分布関数に基づき前記画像のブレ量を求め、当該ブレ量が所定値以内か否かを判断する判断部(15)と、
前記判断部(15)にて前記ブレ量が所定値以内であると判断された画像信号以降に前記撮像部(3)から出力される画像信号に基づく画像を撮影画像として出力する撮影制御部(2)と、を有する。
本発明に係る撮影装置では、点像分布関数に基づき画像のブレ量を求める。すなわち、光学的に結合した画像を空間的に離散化して画像のブレ量を求めるため、1フレーム画像からブレ量を求めることができ、ブレ量が所定値以下になったタイミングで撮影画像を取得することができる。
そのため、露光タイミングを遅延させることなく、撮影装置のブレのみでなく、被写体の動きのブレが許容値を下回っているタイミングで、シャッタチャンスを逃すことなく、ブレのない良好な撮影画像を得ることができる。
前記撮影制御部(2)は、撮影開始を指示する信号が入力された後に前記撮像部(3)から出力される画像信号に基づく画像を撮影画像として出力してもよい。
前記点像分布関数演算部(14)は、撮影開始を指示する信号が入力された後に前記点像分布関数を求める動作を開始してもよい。
撮影装置は、撮影時の露出条件を演算する露出条件演算部(20)と、前記露出条件に応じて、前記所定値を変化させる所定値設定部と、をさらに有してもよい。たとえば露光時間が長い場合には、像ブレが生じやすいので、所定値は短くすることが好ましい。
前記点像分布関数演算部(14)は、前記露出条件演算部(20)にて撮影時の露出条件が演算された後に、前記点像分布関数を求める動作を開始するようにしても良い。点像分布関数の演算処理は、CPUの負荷が大きいので、CPUが露出条件を演算した後に、点像分布関数の演算処理を行うことで、点像分布関数の演算処理時間を短くすることが可能になる。
撮影装置は、前記点像分布関数演算部(14)での点像分布関数を求める動作が開始されてからの時間を計測するタイマー部(S30)と、前記タイマー部(S30)で計測された時間が所定時間以内で、前記判断部(15)にて、前記ブレ量が所定値以内と判断されない場合には、警告を出力する警告出力部(S33)とをさらに有してもよい。撮影装置の操作者は、その警告により、像ブレにより撮影ができないことを知ることができる。
撮影装置は、前記露出条件に応じて、前記所定時間を変更させる警告基準変更部をさらに有してもよい。たとえば露光時間が長い場合には、所定時間を長くしても良い。
撮影装置は、前記撮像画像が記録される記録媒体をさらに有しても良い。
前記点像分布関数演算部(14)で用いられる画像と、撮影制御部(2)から出力される前記撮影画像は、前記撮像部(3)の同一の撮像面で撮像された像の画像信号に基づいても良く、あるいは、別の撮像部(3)で撮像された像の画像信号に基づいてもよい。
なお、上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応つけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るカメラの全体構成図、
図2は図1に示すカメラの制御の一例を示すフローチャート図、
図3は図2に示す制御のフローチャートに対応するタイムチャート図、
図4(A)は本発明の実施形態の作用効果を示すタイムチャート図、図4(B)は本発明の比較例の作用効果を示すタイムチャート図、
図5はPSFの概念を示す概略図、
図6は図1に示すPSF演算部の制御の内容を示すフローチャート図、
図7はPSF演算処理におけるブロック分割の概略図、
図8は図7の続きの工程を示す概略図、
図9は図8の続きの工程を示す概略図、
図10は図9の続きの工程を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係るカメラは、コンパクトカメラでも一眼レフカメラでも良いが、以下では、一眼レフカメラとして説明する。図1に示すように、このカメラ1は、カメラボディ1aと、レンズ鏡筒1bとから構成してあり、カメラボディ1aに内蔵してある制御部としてのCPU2を有する。CPU2には、信号処理回路12を介して撮像素子3が接続してある。信号処理回路12は、ノイズ処理やA/D変換等を行う。
撮像素子3は、レンズ鏡筒1bの内部に装着してあるズームレンズ群4、フォーカスレンズ群5および振れ補正レンズ群6を通して入射してくる被写体18の画像を撮像して取得するようになっている。すなわち、撮像素子3は、光電変換素子であり、撮像素子駆動回路からの入力信号を受けて、信号処理回路12に画像データを出力する。
ズームレンズ群4は、レンズ鏡筒1bの内部に装着してあるズーム群駆動機構7により光軸Ax方向に移動可能に装着してある。フォーカスレンズ群5は、レンズ鏡筒1bの内部に装着してあるフォーカス群駆動機構8により光軸Ax方向に移動可能に装着してある。
また、振れ補正レンズ群6は、レンズ鏡筒1bの内部に装着してある振れ補正群駆動機構9により光軸Axに対して垂直な平面方向に移動可能に装着してある。振れ補正レンズ群6が、手ブレの動作に対応して、光軸Axに対して垂直な平面方向に移動することで、手ブレ補正効果を奏するようになっている。
これらの駆動機構7〜9は、CPU2により制御される。CPU2には、ジャイロセンサ16が接続してある。ジャイロセンサ16は、カメラ1の角速度を検出することにより、カメラ1の振れを検出するセンサである。
また、CPU2には、ブレ量判断部15が接続してある。なお、図1に示す実施形態では、CPU2とは別に、ブレ量判断部15およびPSF演算部14が表示してあるが、実際には、CPU2自体が、これらの演算を処理しても良い。PSF演算部14の機能については後述する。
また、CPU2には、撮像素子3の前面に配置してあるシャッタ10の駆動機構が接続してある。CPU2はシャッタ10を開閉制御する。シャッタ10は、露光時間を制御する機構であり、CPU2からレリーズスイッチの情報が入力され、全押し時にシャッター駆動を行う。
さらにCPU2には、表示装置11が接続してある。CPU2は撮像素子3にて取得された被写体18の画像を表示装置11の画面に表示させることができる。また、表示装置11には、メニューなどを表示することもできる。
CPU2には、記録媒体13が接続してあるのでCPU2は記録媒体13に保存してある画像データなどを、表示装置11に表示させることも可能である。記録媒体13としては、特に限定されないが、SDカード、CFカードなどが例示される。CPU2による制御のスタートは、カメラボディ1aに装着してある電源スイッチやレリーフスイッチなどの操作部材17を操作することで行うことができる。
さらにCPU2には、露出条件演算部20が接続してある。露出条件演算部20では、図示省略してある測光センサからの測光検出信号などに基づき、露出条件を算出する。露出条件としては、たとえば露光時間、絞り度合い、撮像素子3の感度などがある。
次に、図2に基づき、図1に示すカメラ1のCPU2における撮像開始制御までの制御について説明する。図2に示すステップS20にて、CPU2の制御が開始すると、CPU2は、操作部材17であるレリーズスイッチが半押し状態にあるか否かを検出し、半押しを検出したときに、ステップS22へ行く。
ステップS22では、図1に示すCPU2は、測距・合焦処理を行う。測距・合焦処理では、図1に示すCPU2は、図示省略してあるAFセンサなどにより被写体18のジャスト・フォーカス位置を算出し、フォーカス群駆動機構8を駆動してフォーカスレンズ群5を移動させて合焦処理を行う。また同時に、CPU2は露出条件演算部20を介して露光時間などの露出条件を演算する。なお、レリーズスイッチが半押し状態であることが検出されたら、CPU2は、シャッタ10を開く制御を行う。そして、撮像素子3で撮像された被写体18の画像信号が撮像素子3から信号処理回路12に出力される。
次にステップS23では、図1に示すCPU2は、操作部材17の内で、PSFブレ判定モードスイッチが押されたか否かを判定する。PSFブレ判定モードスイッチは、レリーズスイッチとは別のスイッチであり、そのスイッチが押されたときにのみ、ステップS24以降の処理を行う。
ステップS24では、図1では省略してある測光センサで検出された被写体18からの光量が、後述するPSF演算処理を行うために十分な光量であるか否かを判断する。光量が不十分である場合には、ステップS25にて、図1に示すCPU2は、光量が不十分である旨を、表示装置11に警告を表示したり、音や音声で警告を行う。
ステップS24にて、図1に示すCPU2が、十分な光量であると判断した場合には、ステップS26にて、CPU2が撮像範囲内でのPSF検出エリアを任意に決定する。たとえばCPU2は、AF検出エリアのみをPSF検出エリアとして決定する。手ブレにより像ブレが生じているのか、それとも被写体の動きで像ブレが生じているのかを判定するモードが選択されている場合には、CPU2は、たとえば複数の検出エリアを選択する。
図2に示すステップS27では、図1に示すCPU2は、信号処理回路12から出力される画像データを、表示装置11のサンプリング周期と同期してPSF演算部14へ送る。PSF演算部14は、後述するPSF演算処理を行い、結果をCPU2に返す。PSF演算部14での演算処理の詳細に関しては、後述する。
次に、図2に示すステップS28では、図1に示すCPU2は、操作部材17としてのレリーズスイッチが全押しされたか否かを判断する。CPU2がレリーズスイッチの全押しを検出すれば、図2に示すステップS29へ行き、CPU2は、PSF演算部14からのPSFデータに基づいて求めた各検出エリア毎の各PSF軌跡長さと、PSF軌跡幅により、手ブレ量または被写体ブレ量を算出する。
PSFデータにより、CPU2が、複数のPSF検出エリアで像ブレが生じていると判断できる場合には、全体的に像ブレが生じている可能性が高いので、その時には、手ブレによる像ブレだと判断することができる。また、あるPSF検出エリアでは像ブレが生じ、他のPSF検出エリアでは、像ブレが生じていないとCPU2が判断できる場合には、被写体18の動きによる像ブレであると判断することができる。
次に図2に示すステップS30では、図1に示すCPU2は、タイマーをセットし、ステップS31において判断されるブレ量が許容値以下になるまでの時間Tを計測する。ブレ量が許容値以下になるまでの時間Tが、所定時間を超えている場合には、ステップS30からステップS33へ行き、撮影制御に移行できなかった旨を、CPU2は、表示装置11に警告を表示したり、音や音声で警告を行う。
なお、ステップS30における所定時間は、たとえば3秒以内であるが、ステップS22にて算出された露光時間などに応じて変化させても良い。たとえば算出された露光時間が短い場合には、それに合わせて短い所定時間に設定しても良い。
ステップS31では、CPU2は、ステップ29にて算出した手ブレ量と被写体ブレ量をブレ量判断部15に送り、ブレ量判断部15は、手ブレ量または被写体ブレ量の両方または一方が、所定の許容値以下であるか否かを判断し、結果をCPU2に返す。ブレ量が所定の許容値以下でない場合には、ステップS29〜S31を繰り返す。
ステップS31にて、ブレ量判断部15が、ステップS29にて算出された手ブレ量または被写体ブレ量の両方または一方が、所定の許容値以下であると判断した場合には、ステップS32へ行く。ステップS32では、図1に示すブレ量判断部15が所定の許容値以下であると判断したタイミングで、通常の撮像制御動作を開始する。
ステップS32におけるブレ量の許容値は、特に限定されないが、撮像画像を表示した場合に、手ブレ現象や像ブレ現象がほとんど気にならないレベル以下の許容値であることが好ましい。また、この許容値は、マニュアル式に可変に設定しても良い。あるいは、この許容値を、露出条件などに応じて、自動的に変化させる許容値設定部が、図1に示すCPU2に接続してあっても良い。たとえば露光時間が長い場合には、像ブレが生じやすいので、図2に示すステップS31における許容値は短くすることが好ましい。
この実施形態における撮像動作の開始タイミングと、図2に示す各ステップSの動作タイミングとの関係の概略を図3に示し、垂直同期信号とデータ転送とPSF演算開始タイミングとの関係を図4(A)に示す。なお、図4(B)は、従来例に係る動きベクトル演算処理の場合における図4(A)に対応するタイムチャート図である。
図3に示すように、図2に示すステップS21におけるレリーズスイッチが半押しされたタイミングで、図2に示すステップS22における測光処理と測距・合焦処理が成される。また、図3に示すように、測距・合焦処理が終了したタイミングで、図2に示すステップS22における露光時間演算処理が成される。
また、図3に示すように、露光時間演算処理が終了したタイミングで、図2に示すステップS27におけるPSF演算処理が開始する。図3に示すように、同時に、PSF軌跡よりブレ量が逐次求められ(図2に示すステップS29)、そのブレ量が許容値以下であるかが逐次判断される(図2に示すステップS31)。
また、図3に示すように、ブレ量が許容値以下になるまでの時間Tが計測され(図2に示すステップS30)、その時間Tが許容値以下である場合には、撮像制御が開始され(図2に示すステップS32)、撮像制御の終了のタイミングで、図1に示すCPU2は、記録媒体13へ、撮像画像の記録を開始する。
図4(A)に示すように、図1に示す表示装置11の垂直同期信号VDが、1/30秒間隔のパルス信号である場合に、図1に示す撮像素子(CCD)3から動画撮像データが、信号処理回路12に向けて、垂直同期信号VDに同期して1フレームずつ転送される場合を仮定する。図1に示すCPU2には、信号処理回路12から1VD遅れてデータが転送される。図1に示す撮像素子(CCD)3における撮像画像が、図4(A)に示す斜線位置のタイミングで、ブレが低減したと仮定する。
データ転送の結果、図1に示すCPU2では、図4(A)に示すように、実際にブレが低減してから、2フレームのみ遅れて、画像処理とPSF処理とが行われる。なぜなら、PSFを演算するためには、1フレーム画像のみで十分であるからである。そのため、実際にブレが低減してから、図2に示すステップS31にてブレ量が許容値以下であると判断され(図4(A)に示すブレ低減フラグが立つ)、実際の静止画像露光開始までには、約2/30秒のみで済む。
これに対して、従来の動きベクトル演算方式では、図4(B)に示すように、動きベクトルを演算処理するためには、2フレーム画像が必要であったことから、実際にブレが低減してから、3フレーム遅れて、画像処理とPSF処理とが行われる。そのため、ブレが低減されたと判断され(ブレ低減フラグが立つ)、実際の静止画像露光開始までには、約3/30秒ほどかかる。図4から明らかなように、図4(A)に示す本実施形態では、図4(B)に示す従来例に比べ、約1/30秒ほど、像ブレの判断を早く行うことができる。
次に、図1に示すPSF演算処理部14でのPSF(Point Spread Function)演算処理の詳細について説明する。まず、PSFの概略について説明する。
ブレやぼけを含む劣化画像を復元する公知の方法として、ブレやぼけを点像の広がり関数(PSF:Point Spread Function)として推定し、劣化画像を復元する手法が一般的に知られている。(x、y)を画像上の座標とし、ブレ、ぼけを含む劣化画像をg(x、y)、ブレ、ぼけのない理想画像をh(x、y)、ブレやぼけによって広がった点像の情報(PSF)をp(x、y)とすると、この3つの式は、次の関係式1を満たす。
Figure 2009253740
ここで、*は、コンボリューション(畳み込み積分)演算を表すものである。図5は、この関係式1を、模式的に表した図である。ここで、関係式1をフーリエ変換して、空間周波数(u,v)領域2にすると、式1は、以下の式2になる。
Figure 2009253740
ここで、劣化画像g(x,y)に加えて、何らかの方法によりPSF関数p(x,y)を知ることができれば、それぞれのスペクトルを算出し、式2を変形した以下の式3により、理想画像のスペクトルH(u,v)を算出することができる。
Figure 2009253740
そして、H(u,v)を逆フーリエ変換すれば、理想画像h(x、y)を算出することができる。すなわち、撮像された画像から、何らかの方法によりPSF関数p(x,y)を求めることができれば、理想画像への画像回復が可能となる。
PSFの算出方法として公知なものとしては、劣化画像のフーリエ変換の振幅スペクトルがゼロになる周期と方向を検出してブレの大きさと方向を検出する方法(特開2006−221347)や、動きベクトルを利用して算出する方法(特開2007−6045)などが挙げられる。ここでは、画像の自己相関に基づきPSFを算出する方法について説明する。図6は、図1に示すPSF演算部14(CPU2)が行うPSF算出のフローを示す。
図6に示すように、PSF演算では、まず、ステップS1にて、図2に示すステップS26にて選択されたPSF検出エリアの画像を読み込み、その画像を内部メモリに取り込む。検出エリアは、前述したように、単一でも複数でも良い。
次に、図6に示すステップS2では、選択されたエリアについて、カラーのRGB信号の内のG成分を抽出する。G成分のデータ量が、R成分、B成分のデータ量よりも多く、PSF算出には、色成分は不要であるため、画像のRGB成分中のG成分を抽出する。
次に、図6に示すステップS3では、演算量を小さくするため、ダウンサンプリングして画像サイズを小さくする。この画像を、図7に示す画像gとする。
次に、図6に示すステップS4では、図7に示すように、画像gを、たとえば7×7の領域にブロック分割する。なお、分割するブロックの数は特に限定されない。
次に、図6に示すステップS5では、全ブロック中、画素値が飽和している画素を有するブロックを演算から除外する。また、ステップS6では、ラプラシアン処理によって輪郭を強調させる。さらに、ステップS7では、全ブロック中、テクスチャ(模様)の無いブロックは、ブレ、ぼけを検出できないので除外する。
次に、ステップS8では、除外されず残っているブロックについて自己相関値を演算する。図8の例では、画像gの内、太線の4つのブロックが残っているブロックであり、それぞれのブロックについて演算を行う。2次元の自己相関関数値Rffは次式4で定義される。
Figure 2009253740
ここで、画像Bをブロック化された画像(5×5pixel)として、aおよびbを、X、Y方向の画素間距離、Nは自己相関を演算する領域のX方向の長さ、MはY方向の長さを示す。自己相関値の演算は、図8に示すように、画像Bをずらしながら重なり合っている領域の画素同士の積の結果を加算し、領域の面積で割った値である。
次に図6に示すステップS9では、ステップS8にて計算された自己相関値の演算結果を基に、自己相関画像を作成する。自己相関値は、a=0およびb=0の時、つまり画素が完全に重なっている時に最大となる。Rff(0,0)を基に正規化を行い、グレースケール0〜255に対応させ画像を作成する。図9に、算出された自己相関画像の例を示す。この例では、4つのブロックにおいて、それぞれ斜め方向への自己相関が高く、ブレが斜め方向に生じていると推定される。
次に、図6に示すステップS10では、求めた自己相関画像を平均化した画像(この例では4つの画像の平均)を、PSF推定結果として算出する。図10に、PSFの算出結果例を示す。PSF算出結果から直線的なブレの長さ、方向、ぼけの幅が判る。
PSF算出結果から直線的なブレの長さ、方向、ぼけの幅が分かれば、そのデータに基づき、図1に示すCPU2は、図2に示すステップS29〜S31の処理を行う。ステップS31にて、ブレ量が許容値以下と判断された時点で、ステップS32における撮像制御を開始する。
なお、ステップS29では、図1に示すCPU2は、PSF算出結果から直線的なブレの長さを算出し、ステップS31にて、そのブレの長さが許容値以下か否かを判別している。しかしながら、本実施形態では、図1に示すCPU2は、図2に示すステップS29にて、PSF算出結果からぼけの幅を算出し、ステップS31にて、そのぼけの幅が許容値以下か否かを判別してもよい。そして、そのぼけの幅が許容値以下であるときにのみ、ステップS32へ進み、撮像制御を開始してもよい。
本実施形態に係るカメラ1では、点像分布関数に基づき画像のブレ量を求める。すなわち、光学的に結合した画像を空間的に離散化して画像のブレ量を求めるため、1フレーム画像からブレ量を求めることができ、ブレ量が所定値以下になったタイミングで撮影画像を取得することができる。
そのため、露光タイミングを遅延させることなく、カメラ1の手ブレのみでなく、被写体の動きのブレが許容値を下回っているタイミングで、シャッタチャンスを逃すことなく、ブレのない良好な撮影画像を得ることができる。
また、本実施形態では、カメラ1のブレを直接に検出するためのセンサが無くても、カメラのブレを検出することができるので、図1に示すジャイロセンサ16などのようにカメラ1のブレを検出するためのセンサは、カメラ1に装着しなくても良い。
さらに、本実施形態では、図3に示すように、測光処理および測距・合焦処理が終了したタイミングで、図2に示すステップS22における露光時間演算処理が成され、露光時間演算処理が終了したタイミングで、図2に示すステップS27におけるPSF演算処理が開始する。PSFの演算処理は、図1に示すCPU2の負荷が大きいので、CPU2が露出条件などを演算した後に、PSFの演算処理を行うことで、PSFの演算処理時間を短くすることが可能になる。
なお、上述した実施形態では、単一の撮像素子3により、PSF演算用の画像と、実際の撮影用の画像とを撮像しているが、PSF演算用の画像と、実際の撮影用の画像とは、別の撮像素子により撮像しても良い。
また、撮影装置は、スチルカメラに限らず、ビデオカメラであっても良く、さらには、携帯電話などのカメラであっても良い。
図1は本発明の一実施形態に係るカメラの全体構成図である。 図2は図1に示すカメラの制御の一例を示すフローチャート図である。 図3は図2に示す制御のフローチャートに対応するタイムチャート図である。 図4(A)は本発明の実施形態の作用効果を示すタイムチャート図、図4(B)は本発明の比較例の作用効果を示すタイムチャート図である。 図5はPSFの概念を示す概略図である。 図6は図1に示すPSF演算部の制御の内容を示すフローチャート図である。 図7はPSF演算処理におけるブロック分割の概略図である。 図8は図7の続きの工程を示す概略図である。 図9は図8の続きの工程を示す概略図である。 図10は図9の続きの工程を示す概略図である。
符号の説明
1… カメラ
1a… カメラボディ
1b… レンズ鏡筒
2… CPU
3… 撮像素子
13… 記憶媒体
14… PSF演算部
15… ブレ量判断部
18… 被写体
20… 露出条件演算部

Claims (9)

  1. 被写体像を撮像し、画像信号を出力する撮像部と、
    前記画像信号に基づく画像の点像分布関数を求める点像分布関数演算部と、前記点像分布関数に基づき前記画像のブレ量を求め、当該ブレ量が所定値以内か否かを判断する判断部と、
    前記判断部にて前記ブレ量が所定値以内であると判断された画像信号以降に前記撮像部から出力される画像信号に基づく画像を撮影画像として出力する撮影制御部と、
    を有する撮影装置。
  2. 前記撮影制御部は、撮影開始を指示する信号が入力された後に前記撮像部から出力される画像信号に基づく画像を撮影画像として出力する請求項1に記載の撮影装置。
  3. 前記点像分布関数演算部は、撮影開始を指示する信号が入力された後に前記点像分布関数を求める動作を開始する請求項1または2に記載の撮影装置。
  4. 撮影時の露出条件を演算する露出条件演算部と、
    前記露出条件に応じて、前記所定値を変化させる所定値設定部と、をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の撮影装置。
  5. 前記点像分布関数演算部は、前記露出条件演算部にて撮影時の露出条件が演算された後に、前記点像分布関数を求める動作を開始する請求項4に記載の撮影装置。
  6. 前記点像分布関数演算部での点像分布関数を求める動作が開始されてからの時間を計測するタイマー部と、
    前記タイマー部で計測された時間が所定時間以内で、前記判断部にて、前記ブレ量が所定値以内と判断されない場合には、警告を出力する警告出力部とをさらに有する請求項1〜5のいずれかに記載の撮影装置。
  7. 前記露出条件に応じて、前記所定時間を変更させる警告基準変更部をさらに有する請求項6に記載の撮影装置。
  8. 前記撮像画像が記録される記録媒体をさらに有する請求項1〜7のいずれかに記載の撮影装置。
  9. 前記点像分布関数演算部で用いられる画像と、撮影制御部から出力される前記撮影画像は、前記撮像部の同一の撮像面で撮像された像の画像信号に基づく請求項1〜8のいずれかに記載の撮影装置。
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