本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いることとする。また、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指すものとする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の製造方法の一例について、図1乃至図2を参照して説明する。より具体的には、図1を用いて上記SOI基板に用いる基板の加工方法について説明する。また、図2を用いてSOI基板の製造方法について説明する。
はじめに、単結晶半導体基板110を用意する。単結晶半導体基板110としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコンなどの第4属元素でなる半導体基板を用いることができる。もちろん、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体でなる基板を用いてもよい。本実施の形態においては、単結晶半導体基板110として、単結晶シリコン基板を用いることとする。単結晶半導体基板110のサイズに制限は無いが、例えば、8インチ(200mm)、12インチ(300mm)、18インチ(450mm)といった円形の半導体基板を、矩形に加工して用いることができる。なお、本明細書において、単結晶とは、結晶構造が一定の規則性を持って形成されており、どの部分においても結晶軸が同じ方向を向いているものをいう。つまり、欠陥の多少については問わないものとする。
まず、単結晶半導体基板110を用意する(図1(A)参照)。
単結晶半導体基板110を洗浄した後、単結晶半導体基板110の表面に絶縁層112を形成する。絶縁層112の厚さは10nm以上400nm以下とすると良い。
絶縁層112を構成する材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素などを挙げることができる。絶縁層112の形成方法としては、CVD法、スパッタ法、単結晶半導体基板110の酸化(又は窒化)による方法などがある。
次に、絶縁層112を介して、電界で加速されたイオンでなるイオンビーム140を単結晶半導体基板110に照射し、単結晶半導体基板110の表面から所定の深さの領域に、脆化領域114を形成する(図1(B)参照)。脆化領域114が形成される領域の深さは、イオンビーム140の加速エネルギーとイオンビーム140の入射角によって制御することができる。なお、脆化領域114は、イオンの平均侵入深さと同程度の深さの領域に形成されることになる。
上述の脆化領域114が形成される深さにより、単結晶半導体基板110から分離される単結晶半導体層の厚さが決定される。脆化領域114が形成される深さは、単結晶半導体基板110の表面から50nm以上500nm以下であり、好ましくは50nm以上200nm以下である。
イオンを単結晶半導体基板110に打ち込む際には、イオン注入装置又はイオンドーピング装置を用いることができる。イオン注入装置では、ソースガスを励起してイオン種を生成し、生成されたイオン種を質量分離して、所定の質量を有するイオン種を被処理物に注入する。イオンドーピング装置は、プロセスガスを励起してイオン種を生成し、生成されたイオン種を質量分離せずに被処理物に打ち込む。なお、質量分離装置を備えているイオンドーピング装置では、イオン注入装置と同様に、質量分離を伴うイオンの注入を行うこともできる。本明細書において、イオン注入装置又はイオンドーピング装置のいずれか一方を特に用いる必要がある場合にのみそれを明記し、特に明記しないときは、いずれの装置を用いてイオンの打ち込みを行っても良いこととする。
イオンドーピング装置を用いる場合のイオンの打ち込み工程は、例えば、以下の条件で行うことができる。
・加速電圧 10kV以上100kV以下(好ましくは30kV以上80kV以下)
・ドーズ量 1×1016/cm2以上4×1016/cm2以下
・ビーム電流密度 2μA/cm2以上(好ましくは5μA/cm2以上、より好ましくは10μA/cm2以上)
イオンドーピング装置を用いる場合、イオンの打ち込み工程のソースガスには水素を含むガスを用いることができる。該ガスを用いることによりイオン種としてH+、H2 +、H3 +を生成することができる。水素ガスをソースガスとして用いる場合には、H3 +を多く打ち込むことが好ましい。具体的には、イオンビーム140に、H+、H2 +、H3 +の総量に対してH3 +イオンが70%以上含まれるようにすることが好ましい。また、H3 +イオンの割合を80%以上とすることがより好ましい。このようにH3 +の割合を高めておくことで、脆化領域114に1×1020atoms/cm3以上の濃度で水素を含ませることが可能である。これにより、脆化領域114からの分離が容易になる。また、H3 +イオンを多く打ち込むことで、H+、H2 +を打ち込むよりもイオンの打ち込み効率が向上する。つまり、打ち込みにかかる時間を短縮することができる。また、H3 +を用いることで、イオンの平均侵入深さを浅くすることができるため、脆化領域114を浅い領域に形成することが可能になる。
イオン注入装置を用いる場合には、質量分離により、H3 +イオンが注入されるようにすることが好ましい。もちろん、H+やH2 +を注入してもよい。ただし、イオン注入装置を用いる場合には、イオン種を選択して注入するため、イオンドーピング装置を用いる場合と比較して、イオン打ち込みの効率が低下する場合がある。
イオン打ち込み工程のソースガスには水素を含むガスの他に、ヘリウムやアルゴンなどの希ガス、フッ素ガスや塩素ガスに代表されるハロゲンガス、フッ素化合物ガス(例えば、BF3)などのハロゲン化合物ガスから選ばれた一種または複数種類のガスを用いることができる。ソースガスにヘリウムを用いる場合は、質量分離を行わないことで、He+イオンの割合が高いイオンビーム140を作り出すことができる。このようなイオンビーム140を用いることで、脆化領域114を効率よく形成することができる。
また、複数回のイオン打ち込み工程を行うことで、脆化領域114を形成することもできる。この場合、イオン打ち込み工程毎にソースガスを異ならせても良いし、同じソースガスを用いてもよい。例えば、ソースガスとして希ガスを用いてイオン打ち込みを行った後、水素を含むガスをソースガスとして用いてイオン打ち込みを行うことができる。また、初めにハロゲンガス又はハロゲン化合物ガスを用いてイオン打ち込みを行い、次に、水素ガスを含むガスを用いてイオン打ち込みを行うこともできる。
上記では絶縁層112を形成した後、脆化領域114を形成する例を示すが、脆化領域114を形成した後、絶縁層112を形成しても良い。このとき、絶縁層112にイオン打ち込み工程による欠陥生成や不純物の混入を避けることができる。但し、単結晶半導体基板110の酸化(又は窒化)により絶縁層112を形成する場合、脆化層が変質しない温度条件にて行う。
上記の脆化領域114を形成した後、導電層116を50〜200nmの膜厚にて形成する(図1(C)参照)。導電層116は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的には、アルミニウム、タングステン、チタン、タンタル、モリブデン、ニッケル、クロム、ニオブ、白金、銅、金、銀、マンガン、ネオジム、炭素、珪素等の材料を用いることができる。また、上記材料を主成分とする合金を用いても良いし、上記材料を含む化合物を用いても良い。導電層116は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。本実施の形態では、モリブデンを100nmの膜厚にて成膜する。
次いで、導電層116を所定の形状に加工するための、レジスト120を形成する。レジスト120は0.5〜3μmの厚さにて形成する。次いで導電層116をドライエッチやウエットエッチ等の手法によりエッチングし、所定の形状に加工された導電層118が形成される(図1(D)参照)。尚、レジスト120は、この時点では除去しない。次いで、CVD法、あるいはスパッタ法により、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等からなる絶縁膜122を成膜する(図1(E)参照)。このとき前記絶縁膜はレジスト120上にも成膜されるが、レジスト120は十分の厚さがあることから、レジスト120の側壁部には形成されない。尚、前記絶縁膜の成膜は、基板温度等によりレジストが消失もしくは大きな変形をしない条件にて行う。
次いで、レジストを除去するとともに、レジスト上の絶縁膜122をリフトオフ法により除去し、第1の絶縁層124を形成する(図1(F)参照)。このようにして、導電層118以外の部分に第1の絶縁層124が形成されるようにする。
次に、第1の絶縁層124上に、第2の絶縁層126を形成する(図1(G)参照)。
第2の絶縁層126は、貼り合わせにおける接合を形成する層であるから、その表面は、高い平坦性を有することが好ましい。このような第2の絶縁層126としては、例えば、有機シランガスを用いて化学気相成長法により形成される酸化珪素膜を用いることができる。また、窒化珪素膜を用いても良い。また、第2の絶縁層126は、複数の層からなる積層構造であってもよい。例えば、上記高い平坦性を有する層と、第1の絶縁層124との間に、不純物元素の半導体層への侵入を抑制できる材料で形成するブロッキング層を形成してもよい。ブロッキング層を成す材料としては、例えば、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどを挙げることができる。もちろん、酸化珪素、酸化窒化珪素、その他の絶縁材料を用いても良い。尚、本実施の形態では第2の絶縁層126を形成する例を示しているが、第1の絶縁層124を形成した段階にて表面平坦性が十分確保されていれば、第2の絶縁層126の形成を省略してもよい。
次に、ベース基板100を用意する(図2(A)参照)。ベース基板100には、液晶表示装置などに使用されている透光性を有するガラス基板を用いることができる。ガラス基板としては、歪み点が580℃以上680℃以下(好ましくは、600℃以上680℃以下)であるものを用いると良い。また、ガラス基板は無アルカリガラス基板であることが好ましい。無アルカリガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。
なお、ベース基板100としては、ガラス基板の他、セラミック基板、石英基板やサファイア基板などの絶縁体でなる基板、珪素などの半導体でなる基板、金属やステンレスなどの導電体でなる基板などを用いることもできる。
本実施の形態においては示さないが、ベース基板100の表面に絶縁層を形成しても良い。該絶縁層を設けることにより、ベース基板100に不純物(アルカリ金属やアルカリ土類金属など)が含まれている場合には、当該不純物が半導体層へ拡散することを防止できる。絶縁層は単層構造でも良いし積層構造でも良い。絶縁層を構成する材料としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素などを挙げることができる。
本明細書において、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い物質であり、また、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い物質をいう。例えば、酸化窒化珪素とは、酸素が55原子%以上65原子%以下、窒素が1原子%以上20原子%以下、珪素が25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれる物質とする。また、窒化酸化珪素とは、酸素が15原子%以上30原子%以下、窒素が20原子%以上35原子%以下、珪素が25原子%以上35原子%以下、水素が15原子%以上25原子%以下の範囲で含まれる物質とする。
その後、上記のベース基板100と単結晶半導体基板110(図2(B)参照)とを貼り合わせる(図2(C)参照)。具体的には、ベース基板100及び第2の絶縁層126の表面を超音波洗浄などの方法で洗浄した後、ベース基板100の表面と第2の絶縁層126の表面とが接触するように配置する。そして、ベース基板100の表面と第2の絶縁層126の表面とで接合が形成されるように、加圧処理を施す。接合のメカニズムとしては、ファン・デル・ワールス力が関わるメカニズムや、水素結合が関わるメカニズムなどが考えられる。
ここで接合を形成する前に、ベース基板100又は第2の絶縁層126の表面を酸素プラズマ処理又はオゾン処理して、その表面を親水性にしても良い。この処理によって、ベース基板100又は第2の絶縁層126の表面に水酸基が付加されるため、接合界面に水素結合を形成することができる。
次に、接合されたベース基板100及び単結晶半導体基板110に対して加熱処理を施して、接合を強固なものとする。この際の加熱温度は、脆化領域114における分離が進行しない温度とする必要がある。例えば、400℃未満、好ましくは300℃以下とすることができる。加熱処理時間については特に限定されず、処理速度と接合強度との関係から最適な条件を適宜設定すればよい。本実施の形態においては、200℃、2時間の加熱処理を施すこととする。ここで、接合に係る領域にマイクロ波を照射して、接合に係る領域のみを局所的に加熱することも可能である。なお、接合強度に問題がない場合は、上記加熱処理を省略しても良い。
こうして接合されたベース基板100と単結晶半導体基板110との界面において、導電層118が形成されている部分は、ベース基板100と第2の絶縁層126との間に、隙間150が形成される。このとき前記隙間150は、その形状にもよるが、単結晶半導体基板110の面積の50%以下とすれば、上記の貼り合わせる工程でも接合不良が起きることはない。
次に、単結晶半導体基板110を、図2(C)の脆化領域114にて、単結晶半導体層128と単結晶半導体基板130とに分離する(図2(D)参照)。単結晶半導体基板110の分離は、加熱処理により行う。該加熱処理の温度は、ベース基板100の耐熱温度を目安にすることができる。例えば、ベース基板100としてガラス基板を用いる場合には、加熱温度は400℃以上650℃以下とすることが好ましい。ただし、短時間であれば、400℃以上700℃以下の加熱処理を行っても良い。なお、本実施の形態においては、600℃、2時間の加熱処理を施すこととする。
上述のような加熱処理を行うことにより、脆化領域114に形成された微小な空孔の体積変化が生じ、脆化領域114に亀裂が生ずる。その結果、脆化領域114に沿って単結晶半導体基板110が分離する。第2の絶縁層126はベース基板100と接合しているので、ベース基板100上には単結晶半導体基板110から分離された単結晶半導体層128が残存することになる。また、この加熱処理で、ベース基板100と第2の絶縁層126の接合界面が加熱されるため、接合界面に共有結合が形成され、ベース基板100と第2の絶縁層126の結合力が一層向上する。
上述のようにして形成された半導体基板において、単結晶半導体層128の表面には、分離工程やイオン打ち込み工程による欠陥が存在し、また、その平坦性は損なわれている。本発明の単結晶半導体基板110を用いてボトムゲート構造を形成する場合、単結晶半導体層128と、ゲート絶縁膜となる絶縁層112と、の界面にチャネルが形成され、その界面は欠陥密度が小さく、さらに平滑である。従って、上記単結晶半導体層128の表面の欠陥密度が高くそして平坦性が損なわれていても素子特性に大きな影響を与えないため、必ずしも欠陥の修復や平坦化をする必要はない。しかしながら単結晶半導体層128の上下にゲート電極を設けるデュアルゲート構造とする場合、このような凹凸のある単結晶半導体層128の表面に、薄く、且つ、高い絶縁耐圧のゲート絶縁層を形成することは困難である。また、単結晶半導体層128の表面に欠陥が存在する場合には、ゲート絶縁層との界面における局在準位密度が高くなるなど、トランジスタの特性及び信頼性が低下するため、単結晶半導体層128の欠陥を減少させる処理を行う。このように、所望の素子構造、あるいは必要に応じ単結晶半導体層128表面の欠陥の修復や平坦化処理を行う。
本実施の形態において、単結晶半導体層128の平坦性向上、および欠陥の低減は、単結晶半導体層128にレーザー光142を照射することで実現される(図2(E)参照)。レーザー光142を単結晶半導体層128の上面側から照射することで、単結晶半導体層128上面を溶融させる。溶融した後、単結晶半導体層128が冷却、固化することで、その上面の平坦性が向上した単結晶半導体層が得られる。本実施の形態においては、レーザー光142を用いているため、ベース基板100が直接加熱されない。つまり、ベース基板100の温度上昇を抑えることができる。このため、ガラス基板のような耐熱性の低い基板をベース基板100に用いることが可能である。もちろん、ベース基板の耐熱温度の範囲内における加熱を行ってもよい。ベース基板を加熱することにより、支持基板から分離後の半導体層表面の平坦化および欠陥を低減するのに必要なレーザー光のエネルギー密度を低減することができるため、レーザー光の照射面積を広げることができタクトを向上させることができる。
ここで、レーザー光142の照射による単結晶半導体層128の溶融は、部分溶融とすることが好ましい。完全溶融させた場合には、液相となった後の無秩序な核発生により微結晶化し、結晶性が低下する可能性が高いためである。一方で、部分溶融させることにより、溶融されていない固相部分から結晶成長が進行する。これにより、半導体層中の欠陥を減少させることができる。ここで、完全溶融とは、単結晶半導体層128が下部界面付近まで溶融されて、液体状態になることをいう。他方、部分溶融とは、この場合、単結晶半導体層128の上部は溶融して液相となるが、下部は溶融せずに固相のままであることをいう。
上記レーザー光の照射には、パルス発振レーザーを用いることが好ましい。これは、瞬間的に高エネルギーのパルスレーザー光を発振することができ、部分溶融状態を作り出すことが容易となるためである。発振周波数は、1Hz以上10MHz以下程度とすることが好ましい。より好ましくは、10Hz以上1MHz以下である。上述のパルス発振レーザーとしては、Arレーザー、Krレーザー、エキシマ(ArF、KrF、XeCl)レーザー、CO2レーザー、YAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、GdVO4レーザー、Y2O3レーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザー、金蒸気レーザー等を用いることができる。なお、部分溶融させるためにはパルス発振レーザーを用いることが好ましいが、これに限定して解釈されるものではない。すなわち、連続発振レーザーの使用を除外するものではない。なお、連続発振レーザーとしては、Arレーザー、Krレーザー、CO2レーザー、YAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、GdVO4レーザー、Y2O3レーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等がある。
レーザー光142の波長は、単結晶半導体層128に吸収される波長とする必要がある。その波長は、レーザー光の表皮深さ(skin depth)などを考慮して決定すればよい。例えば、250nm以上700nm以下の範囲とすることができる。また、レーザー光142のエネルギー密度は、レーザー光142の波長、レーザー光の表皮深さ、単結晶半導体層128の膜厚などを考慮して決定することができる。レーザー光142のエネルギー密度は、例えば、300mJ/cm2以上800mJ/cm2以下の範囲とすればよい。なお、上記エネルギー密度の範囲は、パルス発振レーザーとしてXeClエキシマレーザー(波長:308nm)を用いた場合の一例である。
レーザー光142の照射は、大気雰囲気のような酸素を含む雰囲気、または窒素雰囲気のような不活性雰囲気で行うことができる。不活性雰囲気中でレーザー光142を照射するには、気密性のあるチャンバー内でレーザー光142を照射し、このチャンバー内の雰囲気を制御すればよい。チャンバーを用いない場合は、レーザー光142の被照射面に窒素ガスなどの不活性ガスを吹き付けることで、窒素雰囲気を形成することもできる。
ここで、窒素などの不活性雰囲気で行うほうが、大気雰囲気よりも単結晶半導体層128の平坦性を向上させる効果は高い。また、大気雰囲気よりも不活性雰囲気のほうがクラックやリッジの発生を抑える効果が高く、レーザー光142の使用可能なエネルギー密度の範囲が広くなる。なお、レーザー光142の照射は、真空中で行ってもよい。真空中でレーザー光142を照射した場合には、不活性雰囲気における照射と同等の効果を得ることができる。
上述のようにレーザー光142を照射した後には、単結晶半導体層128の膜厚を小さくする薄膜化工程を行っても良い。単結晶半導体層128の薄膜化には、ドライエッチングまたはウエットエッチングの一方、または双方を組み合わせたエッチング処理(エッチバック処理)を適用すればよい。例えば、単結晶半導体層128がシリコン材料からなる層である場合、SF6と02をプロセスガスに用いたドライエッチング処理で、単結晶半導体層128を薄くすることができる。
本実施の形態においては、レーザー光の照射により平坦化等した後でエッチング処理を行ってもよい、としているが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。例えば、レーザー光の照射前にエッチング処理を行ってもよい。この場合には、エッチング処理により半導体層表面の凹凸や欠陥をある程度低減することができる。また、レーザー光の照射前及び照射後の両方に上記処理を適用しても良い。また、レーザー光の照射と上記処理を交互に繰り返しても良い。このように、レーザー光の照射とエッチング処理を組み合わせて用いることにより、半導体層表面の凹凸、欠陥等を著しく低減することができる。もちろん、上述のエッチング処理や加熱処理などを常に用いる必要はない。
以上により、支持基板の上に隙間を有し、その上に導電層が設けられることで支持基板の反り量を減らし、その上に単結晶半導体層132を有する信頼性の高いSOI基板を作製することができる(図2(F)参照)。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示すような、支持基板の上に導電層が設けられ、その上に単結晶半導体層132を有するSOI基板を用いた、ボトムゲート型薄膜トランジスタの作製工程について示す。
まず、実施の形態1を参照し、支持基板100上に導電層118を形成し、導電層118上に、絶縁層112、単結晶半導体膜132を形成する。ここでは絶縁層112をゲート絶縁膜202、導電層118をゲート電極204とする。次いで、単結晶半導体膜132を、図3(A)に示すように、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング法により、島状に形成し、島状単結晶半導体層206とする。
次いで、図3(B)に示すように、島状単結晶半導体層206に一導電型を付与する不純物を添加し、ソース領域及びドレイン領域208(図中区別しない)を形成し、島状単結晶半導体層206をソース領域及びドレイン領域208と活性層207に割り当てる。本実施の形態ではソース領域及びドレイン領域208に、リンまたはボロンの濃度を1×1019〜1×1021cm−3にて添加する。これによりソース領域及びドレイン領域208として機能し、上に形成される導電層とオーミックコンタクトすることが可能である。
そのためには、まずリンまたはボロンを添加する領域以外、少なくとも島状単結晶半導体層206上にレジストマスクを形成する。レジストマスクは、フォトリソグラフィ技術により形成する。ここでは、島状単結晶半導体層206表面に、オゾン水洗浄処理等により酸化膜を形成してレジスト塗布性を良好にした上で塗布し、塗布されたレジストを露光現像して、レジストマスクを形成する。次いでイオンドープ法もしくはイオンインプラ法により、リンまたはボロンを添加し、上記レジストを剥離、除去する。本発明においては薄膜トランジスタを絶縁膜上に形成された島状単結晶半導体層206を用いて形成することから素子分離の工程を必要とせず、CMOSの作製が可能である。nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタとを形成するためには、上記処理を、リンを添加するための処理と、ボロンを添加するための処理とで、別の工程として行う。
上記はイオンドープ法もしくはイオンインプラ法により、リンまたはボロンを添加したが、一導電型を付与する不純物が添加された半導体膜(図示しない)をCVD法などにより、所望の単結晶半導体膜上に成膜してソース領域及びドレイン領域208を形成してもよい。このときは該形成後、レジストマスクを形成し、ドライエッチングによりソース領域及びドレイン領域208を形成した後、レジストを除去する。但しこのとき、単結晶半導体膜上に、一導電型を付与する不純物が添加された半導体膜が形成されない領域においては、オーバーエッチにより膜厚が小さくなる。
次に、ソース領域及びドレイン領域208と、ゲート絶縁膜202と、の上に導電層210を形成する。導電層210は、スパッタリング法、CVD法、印刷法、液滴吐出法、蒸着法等を用いて形成する。前記導電層210としてはモリブデン、チタン、タングステン、およびこれらの窒化物を例とする高融点材料から成るバリア膜と、アルミニウムなど低抵抗材料を用いた導電膜との積層構造であっても良い。前期導電層210にレジストマスクを形成後、導電層210をエッチングして、図3(C)に示すように、一対の配線(ソース電極及びドレイン電極として機能する。)を形成する。尚、上記ソース領域及びドレイン領域208をCVD法などにより形成した場合、導電層210とソース領域及びドレイン領域208の形状を同一とすることが出来る場合がある。このとき同一のレジストマスクにて一括で上記両層の加工を行えば、レジストマスク形成工程を1回減らすことが出来る。
次に、露出している島状単結晶半導体層表面212にダメージが入らず、且つ該島状単結晶半導体層表面212に対するエッチングレートが低い条件でドライエッチングしてもよい。この工程により、ソース領域とドレイン領域との島状単結晶半導体層表面212上のエッチング残渣物、レジストマスクの残渣、及びレジストマスクの除去に用いる装置内の汚染源を除去することが可能であり、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものとすることができる。この結果、薄膜トランジスタのリーク電流を低減することが可能であり、オフ電流が小さく、耐圧の高い薄膜トランジスタを作製することが可能である。なお、エッチングガスには例えば塩素ガスを用いればよい。
以上の工程にて、単結晶半導体層を用いた、トランジスタを形成することができる。
本実施の形態の半導体装置においては、一対の配線上に、さらに補助的な配線を形成することができる。補助的な配線とは、ゲート電極204、あるいは導電層210、を接続するものである。このとき、図4(A)に示すように、導電層210、ソース領域及びドレイン領域208、及びゲート絶縁膜202上に保護絶縁膜214を形成する。保護絶縁膜214は、ゲート絶縁膜202と同様に形成することができる。なお、保護絶縁膜214は、大気中に浮遊する有機物や金属物、水蒸気などの汚染不純物の侵入を防ぐためのものであり、緻密な膜が好ましい。
次に、保護絶縁膜214上に絶縁膜216を形成する。ここでは、感光性の有機樹脂を用いて絶縁膜216を形成する。次に、フォトマスクを用いて、絶縁膜216を感光した後、現像して、保護絶縁膜214を露出する絶縁膜216を形成する。次に、絶縁膜216をマスクとして用い保護絶縁膜214をエッチングして、配線の一部を露出するコンタクトホールを形成する。また該コンタクトホールは、ゲート絶縁膜202を開口するように設け、ゲート電極204に達するように形成してもよい。
次いで、図4(B)に示すように配線218を形成する。配線218は、導電層210を形成した要領にて形成することができる。図4(B)では配線218は導電層210と接しているが、ゲート電極204に接するように形成してもよい。
なお、本実施の形態は、下記実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1に示すような、支持基板の上に導電層が設けられ、その上に単結晶半導体層132を有するSOI基板を用いた、デュアルゲート型の薄膜トランジスタの作製工程について示す。デュアルゲート型の薄膜トランジスタは、半導体層の活性層を上下の2つの電極で挟むことで、ゲート電極からチャネルに向かう縦方向の電界を小さくすることができる。そのため、キャリアの移動度が向上するとともにオフ電流が低下する。さらに、チャネル領域が活性層の上下両端に形成されるため、トランジスタ特性におけるオン電流を大きくすることができるとともにS値をも向上させることができる利点を有する。
まず、実施の形態2と同様に、支持基板100上に導電層118を形成し、導電層118上に、絶縁層112、単結晶半導体膜132を形成する。但しここでは絶縁層112を第1のゲート絶縁膜250、導電層118を第1のゲート電極251とする。次いで、単結晶半導体膜132から、島状単結晶半導体層206を形成する。次いで、島状単結晶半導体層206に一導電型を付与する不純物を添加し、ソース領域及びドレイン領域208を形成する。ここでも実施の形態2同様にソース領域及びドレイン領域208に、リンまたはボロンの濃度を1×1019〜1×1021cm−3にて添加する。これにより島状単結晶半導体層206をソース領域及びドレイン領域208と活性層207に割り当てる。
次いで、図5(A)のように、第1のゲート絶縁膜250と、活性層207と、の上に第2のゲート絶縁膜252を形成する。第2のゲート絶縁膜252は、第1のゲート絶縁膜250と同様に形成することが出来、その材料としては酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素などを挙げることができる。また、これらの材料からなる積層構造としても良い。ここでは酸化珪素を100nmの膜厚にて形成する。
次いで、第2のゲート絶縁膜252上に、第2のゲート電極254を形成する。第2のゲート電極254も、第1のゲート電極251と同様の成膜方法、加工方法にて形成することができる。ここではモリブデンを材料として、150nmの膜厚にて形成する。
ここでは第1のゲート絶縁膜250と第2のゲート絶縁膜252との膜種あるいは膜厚は、必ずしも同じとする必要は無い。また第1のゲート電極251と第2のゲート絶縁膜254との膜種も、必ずしも同じとする必要は無い。これらの膜種及び膜厚を変えることにより、第1のゲート電極251と第2のゲート絶縁膜254とに与えられた電位がトランジスタ特性に与える効果を変えることが出来、トランジスタ特性を詳細に制御することができる。
次いで、第2のゲート絶縁膜252と、第2のゲート電極254と、の上に、層間絶縁膜256を形成する。層間絶縁膜256は、実施の形態2における、絶縁膜216と同様に形成することができる。層間絶縁膜256にはコンタクトホールが設けられ、後に形成される配線が、ソース領域及びドレイン領域208、あるいは第1のゲート電極251、あるいは第2のゲート絶縁膜254に到達するように配置される。このとき、層間絶縁膜256をマスクとして、該コンタクトホールドライ底部の第1のゲート絶縁膜250、第2のゲート絶縁膜252をドライエッチングもしくはウエットエッチング処理し、第1のゲート電極251、あるいは第2のゲート絶縁膜254を露出する。
次いで、図5(B)に示すように配線258を形成する。配線258は、導電層210を形成した要領にて形成することができる。図5(B)では配線258はソース領域及びドレイン領域208と接続しているが、第1のゲート電極251、あるいは第2のゲート電極254に接続するように形成してもよい。
デュアルゲート型の薄膜トランジスタは、第1のゲート電極と第2のゲート電極とを接続して同電位を与えて駆動させても良いし、第1のゲート電極と第2のゲート電極とに異なった電位を与えてそれぞれ独立して制御してもよい。或いは、第1のゲート電極と、第2のゲート電極との何れか一方の電位を固定し、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
以上により、支持基板の上に隙間を有し、その上に導電層が設けられることで支持基板の反り量を減らした、デュアルゲート型の薄膜トランジスタを形成することができる。尚、本実施の形態は、下記実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2にて形成された半導体装置を用いて、表示装置に用いることが可能な素子基板を形成する例を示す。尚、実施の形態2に限らず、実施の形態3にて形成することも勿論可能である。
図6(A)に示すように、図4(B)における配線218の代わりに画素電極300を形成する。ここでは、絶縁膜216上に導電膜を形成した後、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー工程により形成したレジストマスクを用いて導電膜をエッチングして、画素電極300を形成する。本実施の形態は図6(A)〜(B)にて説明するが、ゲート電極についてはゲート絶縁膜の下で引き回せる自由度があることより、説明を省略している。
画素電極300は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、画素電極300として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
ここでは、画素電極300としては、スパッタリング法によりインジウム錫酸化物を成膜した後、インジウム錫酸化物上にレジストを塗布する。次に、第6のフォトマスクを用いてレジストを露光及び現像し、レジストマスクを形成する。次に、レジストマスクを用いてインジウム錫酸化物をエッチングして画素電極300を形成する。
図6(B)に、本実施の形態の表示装置の一例の、一画素の平面図を示す。図6(A)は、図6(B)のQ−Rの断面図に相当する。図6(B)では、配線の一方はソース領域またはドレイン領域が他方を囲む形状(具体的には、U字型、C字型)になっている。この素子構造では通常のソースとドレインが対称の素子構造と比べてキャリアが移動する領域の面積を増加させることができる。すなわち、これはチャネルの幅が広がることに相当するため素子に流れる電流量を増やすことが可能であり、素子の占有面積を縮小することができる。
さらには、液晶表示装置の場合、信号線と接続する配線302の下層をソース領域とし、画素電極と接続する配線304の下層をドレイン領域とし、ソース領域のドレイン領域と対向する面積が、ドレイン電極のソース電極と対向する面積より大きいU字型、C字型構造(即ち、上面形状において、ソース領域が絶縁膜を隔ててドレインを曲線状に囲む形状)とすることで、ゲート電極(ゲート配線)とドレイン領域との間で生じる寄生容量を低減することができる。このため、素子の寄生容量による画素電極電位の変動(フィードスルー)を抑えることができる。また、当該構造を用いた表示装置は、画素の応答速度を向上させることができる。特に、液晶表示装置の画素に形成される薄膜トランジスタの場合、画素電極の電圧降下を低減できるため、液晶材料の応答速度を上昇させることが可能である。
本実施の形態において、画素用トランジスタとドライバ用トランジスタに要求されるトランジスタ特性が異なるため、それらを共にデュアルゲート型とする必要は無い。例えば画素トランジスタはボトムゲートを例とする片側にゲートを有するトランジスタとし、ドライバ用トランジスタはデュアルゲート型の薄膜トランジスタとする構成でも良い。さらには、画素用トランジスタには、非単結晶半導体層を成膜することでチャネル領域を形成し、ドライバ用トランジスタに本発明にて形成される単結晶半導体層にてチャネル領域を形成しても良い。
以上により、支持基板の上に隙間を有し、その上に導電層が設けられることで支持基板の反り量を減らした、薄膜トランジスタ、及び表示装置に用いることが可能な素子基板を形成することができる。
本実施の形態により、移動度、オン電流、S値、オフ電流などの特性が優れた薄膜トランジスタを作製することができる。それにより、表示装置の駆動周波数を高くすることが可能であり、パネルサイズの大面積化や画素の高密度化にも十分対応することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の半導体装置、特に表示装置を用いた電子機器について、図7及び図8を参照して説明する。
本発明の半導体装置(特に表示装置)を用いて作製される電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図7(A)はテレビ受像器又はパーソナルコンピュータのモニタである。筺体901、支持台902、表示部903、スピーカー部904、ビデオ入力端子905等を含む。表示部903には、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、配線の自由度を向上させ、集積度を向上させた半導体装置を製造することができるため、高性能なテレビ受像器又はパーソナルコンピュータのモニタを提供することができる。
図7(B)はデジタルカメラである。本体911の正面部分には受像部913が設けられており、本体911の上面部分にはシャッターボタン916が設けられている。また、本体911の背面部分には、表示部912、操作キー914、及び外部接続ポート915が設けられている。表示部912には、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、高性能なデジタルカメラを提供することができる。
図7(C)はノート型パーソナルコンピュータである。本体921には、キーボード924、外部接続ポート925、ポインティングデバイス926が設けられている。また、本体921には、表示部923を有する筐体922が取り付けられている。表示部923には、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、高性能なノート型パーソナルコンピュータを提供することができる。
図7(D)はモバイルコンピュータであり、本体931、表示部932、スイッチ933、操作キー934、赤外線ポート935等を含む。表示部932にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部932には、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、高性能なモバイルコンピュータを提供することができる。
図7(E)は画像再生装置である。本体941には、表示部B944、記録媒体読み込み部945及び操作キー946が設けられている。また、本体941には、スピーカー部947及び表示部A943それぞれを有する筐体942が取り付けられている。表示部A943及び表示部B944それぞれには、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、高性能な画像再生装置を提供することができる。
図7(F)は電子書籍である。本体951には操作キー953が設けられている。また、本体951には複数の表示部952が取り付けられている。表示部952には、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、高性能な電子書籍を提供することができる。
図7(G)はビデオカメラであり、本体961には外部接続ポート964、リモコン受信部965、受像部966、バッテリー967、音声入力部968、操作キー969が設けられている、また、本体961には、表示部962を有する筐体963が取り付けられている。表示部962には、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、高性能なビデオカメラを提供することができる。
図7(H)は携帯電話であり、本体971、筐体972、表示部973、音声入力部974、音声出力部975、操作キー976、外部接続ポート977、アンテナ978等を含む。表示部973には、本発明の半導体装置が用いられている。本発明により、高性能な携帯電話を提供することができる。
図8は、電話としての機能と、情報端末としての機能を併せ持った携帯電子機器1000の構成の一例である。ここで、図8(A)は正面図、図8(B)は背面図、図8(C)は展開図である。携帯電子機器1000は、電話と情報端末の双方の機能を備えており、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な、いわゆるスマートフォンと呼ばれる電子機器である。
携帯電子機器1000は、筐体1001及び筐体1002で構成されている。筐体1001は、表示部1011、スピーカー1012、マイクロフォン1013、操作キー1014、ポインティングデバイス1015、カメラ用レンズ1016、外部接続端子1017等を備え、筐体1002は、キーボード1021、外部メモリスロット1022、カメラ用レンズ1023、ライト1024、イヤフォン端子1025等を備えている。また、アンテナは筐体1001内部に内蔵されている。上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
表示部1011には、本発明の半導体装置が組み込まれている。なお、表示部1011に表示される映像(及びその表示方向)は、携帯電子機器1000の使用形態に応じて様々に変化する。また、表示部1011と同一面にカメラ用レンズ1016を備えているため、映像を伴う音声通話(いわゆるテレビ電話)が可能である。なお、スピーカー1012及びマイクロフォン1013は音声通話に限らず、録音、再生等に用いることが可能である。カメラ用レンズ1023(及び、ライト1024)を用いて静止画及び動画の撮影を行う場合には、表示部1011はファインダーとして用いられることになる。操作キー1014は、電話の発信・着信、電子メール等の簡単な情報入力、画面のスクロール、カーソル移動等に用いられる。
重なり合った筐体1001と筐体1002は、スライドし、図8(C)のように展開し、情報端末として使用できる。この場合には、キーボード1021、ポインティングデバイス1015を用いた円滑な操作が可能である。外部接続端子1017はACアダプタやUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電やコンピュータ等とのデータ通信を可能にしている。また、外部メモリスロット1022に記録媒体を挿入し、より大容量のデータの保存及び移動に対応できる。上記機能に加えて、赤外線などの電磁波を用いた無線通信機能や、テレビ受信機能等を有していても良い。本発明により、高性能な携帯電子機器を提供することができる。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。なお、本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。