JP2009252664A - 蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】第1の目的は、ランプ端部の暗い部分が小さい蛍光ランプを提供することであり、第2の目的は、陽光柱を長くすることにより発光効率の高い蛍光ランプを提供することである。
【解決手段】この発明に係る蛍光ランプ100は、内面に蛍光体からなる蛍光面2を備えるとともに両端を封止し、少なくとも希ガスを導入して密閉したガラス管1と、ガラス管1の両端部をそれぞれ1対ずつ貫通させたリード線4a,4b,4c,4dと、1対のリード線4a,4b,4c,4dのそれぞれの内側端に固定したフィラメント5と、フィラメント5のガラス管1の中央側と、側面部とを覆い、ガラス管1の端部側に開口部8bを有する絶縁性のカバー8とを備え、フィラメント5のガラス管1中央部側の端と、カバー8の開口部8bの少なくとも一部を含むガラス管1の中心線に垂直な平面との最短距離が5mm以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】この発明に係る蛍光ランプ100は、内面に蛍光体からなる蛍光面2を備えるとともに両端を封止し、少なくとも希ガスを導入して密閉したガラス管1と、ガラス管1の両端部をそれぞれ1対ずつ貫通させたリード線4a,4b,4c,4dと、1対のリード線4a,4b,4c,4dのそれぞれの内側端に固定したフィラメント5と、フィラメント5のガラス管1の中央側と、側面部とを覆い、ガラス管1の端部側に開口部8bを有する絶縁性のカバー8とを備え、フィラメント5のガラス管1中央部側の端と、カバー8の開口部8bの少なくとも一部を含むガラス管1の中心線に垂直な平面との最短距離が5mm以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この発明は、蛍光ランプ、特に端部の発光しない部分を縮小した蛍光ランプに関する。
図8は、従来の蛍光ランプ200(以下、単にランプと呼ぶ場合もある)の全体構造を示す一部を破断した平面図である。蛍光ランプ200は、ガラス管1の内面に蛍光体からなる蛍光面2を備え、内部に希ガスと水銀を封入して、その両端をステム3(図8では右側端のステム3は図示せず)で密封している。この両端のステム3等のそれぞれにリード線4a,4b,4c,4d(図8では右側端のリード線4c,4dは図示せず)が貫通し、フィラメント5(図8では右側端のフィラメント5は図示せず)が、それぞれリード線4a、4b及びリード線4c,4dに両端で固定されている。さらに、蛍光ランプ100の外側両端には口金6が設けられ、この口金6には、それぞれ1対のピン7a,7b、1対のピン7c,7dが設けられて、上記リード線4a、4b,4c,4d等が接続されている。この蛍光ランプ200は照明器具とこのピン7a,7b,7c,7dとで電気的に接続される。
この蛍光ランプ200は、両端に電圧が印加されて両端のフィラメント5間で放電が形成されて、主にその陽光柱部分のプラズマ中で励起された水銀による紫外線放射が蛍光面2の蛍光体に到達して可視光に変換することにより、光を得て照明に利用される。
非導電体の第1構造物などをフィラメント5の前面に設けることによって、始動性を確保しつつ、消費電力を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−348674号公報
これらの蛍光ランプ200においては、プラズマが両端のフィラメント5間にほぼ最短距離で形成されるため、フィラメント5から端部にかけてはプラズマが存在せず、従ってほとんど発光しない。この領域にはリード線4a,4b,4c,4d、ステム3a,3b、口金6a,6b等があり、さらに、口金6a,6bの温度が上がらないように、温度の上がるフィラメント5から口金6a,6bを離さなくてはならないという理由からも、リード線4a,4b,4c,4d及びステム3a,3bは一定程度以上の長さが必要になる。
この蛍光ランプ200を複数本、長手方向にランプの中心線をほぼ合わせて並べ、長い光の直線となるようにして使用する場合がある。具体的にはアクリル透過拡散面付の照明器具を密着して並べて使用し、ランプの発光はアクリル板により拡散されるため、蛍光ランプ200そのものよりは光の均一性は上がるが、それでも、この蛍光ランプ200に暗い領域が存在するために、光の直線がボツボツと切れたようになり、ねらいのデザイン通りにならないという課題があった。
さらに、蛍光ランプ200においては、陽光柱を長くした方が効率が高くなる傾向がある。すなわち、陰極あるいは陽極近傍の放電路、すなわち陰極降下部分あるいは陽極降下部分は、それ以外の放電路である陽光柱に比較して放射へのエネルギー分配比率が小さく、エネルギーロスが大きいが、この領域は、放電路の全体の長さが変わっても、その構造やエネルギーのロスは変化しない。従って、放電路を長くすることによって、陽光柱が長いほど、陽光柱でのエネルギー配分が大きくなることになり、ランプ全体の効率は上がることになる。一定の長さの蛍光ランプ200に対して、放電路を長くし、陽光柱の長さを大きくすることにより、発光効率が上がることになる。このため、放電路を長くすることが課題となっている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、ランプ端部の暗い部分が小さい蛍光ランプを提供することであり、第2の目的は、陽光柱を長くすることにより発光効率の高い蛍光ランプを提供することである。
この発明に係る蛍光ランプは、内面に蛍光体からなる蛍光面を備えるとともに両端を封止し、少なくとも希ガスを導入して密閉したガラス管と、
ガラス管の両端部をそれぞれ1対ずつ貫通させたリード線と、
1対のリード線のそれぞれの内側端に固定したフィラメントと、
フィラメントのガラス管の中央側と、側面部とを覆い、ガラス管の端部側に開口部を有する絶縁性のカバーとを備え、
フィラメントのガラス管中央部側の端と、カバーの開口部の少なくとも一部を含むガラス管の中心線に垂直な平面との最短距離が5mm以上であることを特徴とする。
ガラス管の両端部をそれぞれ1対ずつ貫通させたリード線と、
1対のリード線のそれぞれの内側端に固定したフィラメントと、
フィラメントのガラス管の中央側と、側面部とを覆い、ガラス管の端部側に開口部を有する絶縁性のカバーとを備え、
フィラメントのガラス管中央部側の端と、カバーの開口部の少なくとも一部を含むガラス管の中心線に垂直な平面との最短距離が5mm以上であることを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーが透光性材料の成形体であり、少なくとも内表面に蛍光体を塗布したことを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーの開口部の縁部の一部に切り欠き部を形成し、切り欠き部を含むガラス管の中心線に垂直な平面が、開口部の他の部分を含むガラス管の中心線に垂直な平面より、フィラメントのガラス管中央側の端との距離が小さいことを特徴する。
この発明に係る蛍光ランプは、ガラス管両端に設けられたカバーの切り欠き部が、ガラス管の中心線に対して略同じ方向を向いていることを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーはガラス管端部側を開口した略円柱形をなし、ガラス管中心線に垂直な平面による断面が略円であることを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーはガラス管端部側を開口した略楕円柱形をなし、ガラス管中心線に垂直な平面による断面が略楕円であることを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーの中心線がガラス管の中心線からずれていることを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、フィラメントの中心線と、ガラス管の中心線が略平行であることを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、フィラメントのガラス管の中央側と、側面部とを覆い、ガラス管の端部側に開口部を有する絶縁性のカバーを備え、フィラメントのガラス管中央部側の端と、カバーの開口部の少なくとも一部を含むガラス管の中心線に垂直な平面との最短距離が5mm以上であることにより、フィラメントから放電路がカバーの開口部を通過し、その後、反対側の端に設けられたフィラメントに向かうため、放電路が端部に近い側を通り、かつ、放電路が長くなる。このため、端部の暗い部分が縮小し、かつ発光効率が上昇する。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーが透光性材料の成形体であり、少なくとも内表面に蛍光体を塗布したことにより、フィラメントからカバーの開口部に至る放電路からの紫外放射を内面に塗布した蛍光体によって可視光に変換し、透光性の成形体およびガラス管を通して外側に取り出すことができるようになり、発光効率がさらに上昇する。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーの開口部の縁部の一部に切り欠き部を形成し、切り欠き部を含むガラス管の中心線に垂直な平面が、開口部の他の部分を含むガラス管の中心線に垂直な平面より、フィラメントのガラス管中央側の端との距離が小さいことにより、放電路がこの部分を確実に通過することになって、放電路が揺らいだりすることがなくなり、安定な放電すなわち発光を得ることができる。
この発明に係る蛍光ランプは、ガラス管両端に設けられたカバーの切り欠き部が、ガラス管の中心線に対して略同じ方向を向いていることにより、より輝度が高くなる切り欠き部分の方向に照明器具の光を照射する方向に合わせることができるようになって、確実に暗い部分を減らすことができる。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーはガラス管端部側を開口した略円柱形をなし、ガラス管中心線に垂直な平面による断面が略円であることにより、ランプの製造工程のカバーの取り付け時に、その円周方向の位置を規制する必要がなくなるため、製造工程が簡単になる。あるいは、円周方向の向きのバラツキが発生しないため、製品間のバラツキを小さくすることができる。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーはガラス管端部側を開口した略楕円柱形をなし、ガラス管中心線に垂直な平面による断面が略楕円であることにより、カバーの外側面を放電路が通過するときに楕円断面の短径部分を通過することになるが、この放電路の幅あるいは、断面積が増加して陽光柱が太くなり、発光効率が増加する。陽光柱の発光効率に関する最適値は、管中央部のガラス管の内径に近いので、このような管端部の構造では、陽光柱の径を大きくするほど、発光効率は増加する。
この発明に係る蛍光ランプは、カバーの中心線がガラス管の中心線からずれていることにより、カバーの外側面を放電路が通過するときに、より広くなった断面部分を通過することになるが、この放電路の幅あるいは、断面積がさらに増加して陽光柱が太くなり、発光効率が増加する。
この発明に係る蛍光ランプは、フィラメントの中心線と、ガラス管の中心線が略平行であることにより、カバーの径あるいは、ガラス管軸に垂直な平面で切った断面積を減少させることができ、カバーの外側面を通過する放電路の幅あるいは断面積がさらに増加し、陽光柱が太くなり、発光効率が増加する。
実施の形態1.
図1、図2は実施の形態1を示す図で、図1は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図2は輝度分布を示す図である。
図1、図2は実施の形態1を示す図で、図1は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図2は輝度分布を示す図である。
図1のより、蛍光ランプ100(以下、単にランプと呼ぶ場合もある)の構成を説明する。ここでは、蛍光ランプ100は、直管蛍光ランプを用いて説明する。但し、直管蛍光ランプに限定されない。環形、コンパクト形等にも適用される。
蛍光ランプ100は、ガラス管1の内面に蛍光体からなる蛍光面2を備え、内部に希ガスと水銀を入れて、その両端をステム3(図1では右側端のステム3は図示せず)で密封している。
尚、水銀を使用しない場合もある。従って、蛍光ランプ100のガラス管1は、少なくとも内部に希ガスを導入して密閉したものである。
両端のステム3等のそれぞれにリード線4a,4b(図1では右側端のリード線4c,4dは図示せず)が貫通し、電子放射物質を塗布されたフィラメント5(図1では右側端のフィラメント5は図示せず)が、それぞれリード線4a,4b及びリード線4c,4d(図1では右側端のリード線4c,4dは図示せず)に両端が固定されている。
さらに、ランプ外側両端には口金6(図1では右側端の口金6は図示せず)が設けられる。この口金6には、それぞれ1対のピン7a,7b、1対のピン7c,7d(図1では右側端のピン7c,7dは図示せず)が設けられて、上記リード線4a、4b,4c,4d等が接続されている。この蛍光ランプ200は照明器具のソケット(図示せず)とこのピン7a,7b,7c,7dとで電気的に接続される。
一方の底面8aが閉じられ、他方の底面が開いて開口部8bとなる略円柱状のカバー8が、フィラメント5のガラス管1の中央部方向と側面を覆っている。カバー8は、絶縁性を有する絶縁物、例えば、ガラスで作られている。
カバー8は、一端をステム3に埋め込まれて固定されたカバー保持体9によって固定されている。この例では、カバー保持体9のステム3に固定されていない他方の端を、カバー8に巻き付けることによってカバー8は固定されている。
もう一つのカバー8が、図示しない他方のフィラメント5のガラス管1の中央部方向と側面を覆っている。そのカバー8は、例えば、一方の端をステム3に埋め込まれ、固定されているカバー保持体9に固定されている。
図1に示すように、フィラメント5のガラス管1の中央部側の端と、カバー8の開口部8bの少なくとも一部を含むガラス管1の中心線1aに垂直な平面との最短距離をLとする。この最短距離Lを5mm以上、一例として15mmとする。尚、一例では、カバー8の外径は19mm、高さ(ガラス管1軸方向の長さ)は22mm、ガラスの厚さは約0.5mmで、ガラス管1の内径は23.5mmである。
尚、図1に示すようにカバー8の閉じた側の底面8aは、正確に平面となっているわけではなく、加工のしやすさから、丸みを帯びた形となっている。
この蛍光ランプ100は、照明器具の磁気式安定器あるいは電子安定器から供給される交流の電圧がソケットからピン7a,7b,7c,7d等を介して、蛍光ランプ100両端に印加されてフィラメント5間で放電路が形成される。
放電路は、例えば、図1の左側のフィラメント5からカバー8の内部を端(開口部8b側)に向かう。カバー8の開口部8bで回り込んで(Uターンして)、カバー8の外側を通ってガラス管1中央部に向う。さらに、もう一方の端、すなわち図1の右側端部のカバー8の開口部8bを回り込んで(Uターンして)、カバー8の内側を通って、右側のフィラメント5に到達する。
図2に実施の形態1の蛍光ランプ100と従来例の蛍光ランプ200の輝度分布を示す。図2の横軸は口金6の端面(ピン7a,7b,7c,7dが立設する面)からの距離(cm)で、縦軸は輝度(相対値)である。
実施の形態1の蛍光ランプ100は、従来例の蛍光ランプ200に比べて、ランプ端部(口金6の端面から略10cm)の輝度が上がっていることがわかる。
さらにアクリル透過拡散面付の照明器具を長手方向に並べて配置し、これらにランプを取り付け、点灯し目視で暗部を観測した。アクリル透過拡散面を介しているので、図2よりさらに均一性があることになるが、図2で示す従来例の蛍光ランプ200を使った場合、暗い部分が明確で、光が直線状になっているというようには見えなかった。
それに対して、実施の形態1の蛍光ランプ100の一例では、ほとんど光が直線状に均一に見え、少なくとも従来例とは大きな差があった。
この実験条件で、いくつかの仕様の蛍光ランプ100で試験したところ、口金6の端面から2cmのところで最大輝度の50%以上、口金6の端面から4cmのところで、70%以上になっていれば、かなり均一な直線状と見えるという結論に達した。
従来例の蛍光ランプ200においては、紫外放射がフィラメント5よりランプ端側では起こらない。
一方、実施の形態1の蛍光ランプ100においては、放電路が、フィラメント5より端部にあるカバー8の開口部8bを回っているため、この開口部8b位置に放電路の直径を加えた位置まで、紫外放射が起こる。
さらに詳細には、放電路は、一般的に、開口部8bの最もランプ中央部に近い側、すなわち、フィラメント5と開口部8bの少なくとも一部を含むガラス管1の中心線1aに垂直な平面との最短距離L部分で回り込む。
一例では、この位置での放電路の直径が5mm程度で、Lの15mmと合わせ、20mm程度発光部分が端側に広がると見込まれる。
実施の形態1においては、放電路がカバー8部分で2重になり、放射が大きくなる。効率のよい陽光柱が、従来例では、フィラメント5よりランプ中央に進んでから始まるのに対して、実施の形態1では、上記の折り返し位置近傍から陽光柱が始まる。
また、実際の発光は、紫外放射が蛍光面2へ到達した分布になるため、さらに一様に近づくことになる。これらの効果が組み合わされて、結果として、図2のような輝度分布になったと解釈される。
Lは小さいと、放電路が端部側に近づかなくなるため、一定以上大きくする必要がある。Lが5mm以上あれば、輝度分布の従来例との差が明確になり、5mm以上が条件である。
尚、ここまでカバー8の材質をガラスとした一例を示しているが、ここで、カバー8が透光性かどうかはほとんど関係しない。また、カバー8がガラスではなく、絶縁物なら、セラミックスでもほとんど同様な効果がある。この理由は、ここで使用したような通常のガラス(一例ではソーダガラス)は、水銀の253.7nmの紫外放射は透過しないため、光学的にはほとんど影響せず、放電路を制御する効果は、絶縁物であれば、その材質によらず、形状のみで決まることによる。但し、絶縁物でないと、通電経路として導電体となったカバー8を通る可能性が高いなど、放電路をカバー8の開口部8bにうまく誘導するという機能が発揮できなくなる。
一般に、蛍光ランプは陽光柱が長くなるほど効率が上がるが、この実施の形態1でも陽光柱の形態は異なるが、カバー8をつけることによって効率が上がる効果がある。これもLが5mm未満では効果はバラツキの範囲内で、殆どないと言えるが、5mm以上では、効果がある。例えば、Lが15mmの場合、効率が1.0%上昇し、Lが5mmの場合、0.5%上昇する。実質バラツキを考慮すると、実験室レベルで、有意差といえるのは0.5%程度なので、Lが5mmであれば、効率が上がるといえる。
以上のように、この実施の形態によれば、絶縁性を有する絶縁物、例えば、ガラスで作られ、一方の底面8aが閉じられ、他方の底面が開いて開口部8bとなる略円柱状のカバー8でフィラメント5のガラス管1の中央部方向と側面を覆うことにより、ランプ端部の輝度を上げることができる。
いくつかの仕様の蛍光ランプ100での試験結果から、口金6の端面から2cmのところで最大輝度の50%以上、口金6の端面から4cmのところで、70%以上になっていれば、かなり均一な直線状と見えるという結論に達した。
フィラメント5のガラス管1の中央部側の端と、カバー8の開口部8bの少なくとも一部を含むガラス管1の中心線1aに垂直な平面との最短距離をLとすると、Lが5mm以上あれば、輝度分布の従来例との差が明確になり、5mm以上が条件である。Lが小さいと、放電路が端部側に近づかなくなるため、一定以上大きくする必要がある。
絶縁性を有する絶縁物、例えば、ガラスで作られ、一方の底面8aが閉じられ、他方の底面が開いて開口部8bとなる略円柱状のカバー8でフィラメント5のガラス管1の中央部方向と側面を覆うことにより、ランプ端部の輝度を上げることができる。
アクリル透過拡散面付の照明器具を長手方向に並べて配置し、これらにランプを取り付けた場合、ランプ端部の輝度が上がることにより、実施の形態1の蛍光ランプ100の一例では、ほとんど光が直線状に均一に見え、少なくとも従来例とは大きな差があった。
実施の形態2.
図3は実施の形態2を示す図で、蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図である。
図3は実施の形態2を示す図で、蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図である。
カバー8は、ガラス等の透光性材料の成形体で、内面に蛍光面10を形成している。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
カバー8の内側の放電路で励起された水銀の紫外放射が蛍光面10にあたり、可視光を発生し、さらに可視光はカバー8とガラス管1を透過して外部にとり出される。このため、実施の形態1に比較して、端部の輝度の均一性がさらに増した。
また、光束が増加し、従って、効率が上昇する。例えば、実施の形態1で示した例と同様にLが15mmの場合、実施の形態1に比較し、効率が約0.5%上昇した。
図3の例では、透光性のカバー8の内表面のみに蛍光面10を形成したが、外表面にも蛍光面を形成すると、カバー8の外側で発生した紫外放射のうち、中心線側に向かったものについても有効に可視光に変換するので、均一性がさらに増し、また、効率もさらに上がる傾向になる。
カバー8の外表面に蛍光体ではなく、アルミナ微粒子など、紫外放射に対して反射率の高い粉体を塗布し、紫外反射面を形成するのも有効である。このカバー8の外表面に入射してくる紫外放射を吸収せずに反射すると、ガラス管1に向かうため、ガラス管1上の蛍光面2に入射して、有効に可視光に変換される。
さらに、ステム3部分に蛍光面や紫外反射面を形成すると、ステム3の方向に向かった紫外放射が有効に可視光に変換されるという効果もある。
以上のように、この実施の形態によれば、ガラス等の透光性材料の成形体であるカバー8の内面に蛍光面10を形成することにより、カバー8の内側の放電路で励起された水銀の紫外放射が蛍光面10にあたり、可視光を発生するため、実施の形態1に比較して、端部の輝度の均一性をさらに増すことができる。
また、光束が増加するため効率が上昇する。例えば、Lが15mmの場合、実施の形態1に比較し、効率が約0.5%上昇した。
また、透光性のカバー8の外表面にも蛍光面を形成すると、カバー8の外側で発生した紫外放射のうち、中心線側に向かったものについても有効に可視光に変換するので、均一性がさらに増し、また、効率もさらに上がる傾向になる。
さらに、ステム3部分に蛍光面や紫外反射面を形成すると、ステム3の方向に向かった紫外放射が有効に可視光に変換されるという効果もある。
実施の形態3.
図4は実施の形態3を示す図で、図4(a)は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図4(b)はカバー8の拡大図である。
図4は実施の形態3を示す図で、図4(a)は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図4(b)はカバー8の拡大図である。
カバー8は絶縁物の成形体で、蛍光ランプ100の中心線1aと中心線を略共有する略円柱状で、ランプ端部側の端面のみ開いて開口部8bを形成している。
図4に示すように、カバー8の開口部8bの縁部の一部に切り欠き部11を形成している。この切り欠き部11は、一例では半円状で幅Wが4mm、カバー8の中心線に平行な方向(深さ方向)の長さDが2mmである。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
カバー8の開口部8bの縁部の一部に切り欠き部11を形成し、切り欠き部11を含むガラス管1の中心線1aに垂直な平面が、開口部8bの他の部分を含むガラス管1の中心線1aに垂直な平面より、フィラメント5のガラス管1の中央側の端との距離が小さい構成となる。
この蛍光ランプ100を点灯させると、放電路はこの切り欠き部11を通り、他の部分へは移動しない。このため、放電路の位置が確実にここに固定され、放電路が動く場合に起こるチラツキなどが発生しない。
この切り欠き部11の部分に対応する蛍光面2は放電路が通るため、輝度が切り欠き部11のない部分に対応する蛍光面2より増加し、ランプの中心軸に沿った輝度の均一性が増す。
図4の蛍光ランプ100を照明器具に装着したときに、この切り欠き部11を照射方向に合わせることによって、照明システムとして、輝度の均一性が増すとともに照度が増加する。
通常、照明器具は、口金6の4本のピン7a,7b,7c,7dを含む平面を、照明器具の光の照射方向に対して、垂直になるようにソケットを設置することが多い。そのため、両端に合計2個あるカバー8の切り欠き部11を両方とも口金6の4本のピン7a,7b,7c,7dを含む平面と垂直な方向で、かつ同じ方向に設けるとよい。
さらに、蛍光ランプ100に装着方向を示す表示を設けると、確実に2個の切り欠き部11すなわち放電路の通過位置が照明器具の光の照射方向に向くことになり、輝度が均一になって、かつ、照度が増す。
この切り欠き部11の深さ方向の長さDは1mmでも効果はあるが、2mmあれば、放電路の位置が確実に固定され動かない。また幅Wも2mmでも効果は見られるが、4mm以上なら、確実である。
一方、ここまでは実施の形態3の一例として、開口部8bの一部を半円状などの形で切り欠いているが、例えば、開口部8b全体を一つの平面とし、カバー8の中心線に対して斜めにすることによって、ランプの中心に近い部分を1カ所だけにするようにしても、同様な効果がある。これも切り欠き部11に含める。この場合も上記の切り欠き部11の深さに対応する、開口部8bを中心線へ投影した場合のランプ中心部に最も近い位置と遠い位置との距離は2mm以上あれば、放電路の位置はかなり固定される。
以上のように、この実施の形態によれば、カバー8の開口部8bの一部に、例えば、半円状で幅Wが4mm、カバー8の中心線に平行な方向(深さ方向)の長さDが2mmの切り欠き部11を形成することにより、放電路は切り欠き部11を通り、他の部分へは移動しないため、放電路の位置が確実にここに固定され、放電路が動く場合に起こるチラツキなどが発生しない。
また、蛍光ランプ100を照明器具に装着したときに、カバー8の切り欠き部11を照射方向に合わせることによって、照明システムとして、輝度の均一性が増すとともに照度が増加する。
また、蛍光ランプ100に装着方向を示す表示を設けると、確実に2個の切り欠き部11すなわち放電路の通過位置が照明器具の光の照射方向に向くことになり、輝度が均一になって、かつ、照度が増す。
また、開口部8b全体を一つの平面とし、カバー8の中心線に対して斜めにすることによって、ランプの中心に近い部分を1カ所だけにするようにしても、同様な効果がある。
実施の形態4.
図5は実施の形態4を示す図で、図5(a)は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図5(b)は蛍光ランプ100の側面図である。
図5は実施の形態4を示す図で、図5(a)は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図5(b)は蛍光ランプ100の側面図である。
図5に示すカバー8は、絶縁物の成形体で、蛍光ランプ100の中心線1aと中心線を略共有する略楕円柱状で、ランプ端部側の端面のみ開いて開口部8bを形成している。この楕円断面の長軸はフィラメント5の方向に、ほぼ一致している。このカバー8の形状以外は、実施の形態1と同様である。
ランプ点灯中、放電路はこのカバー8の開口部8bを抜け、外側に沿っている部分は楕円断面の短軸の外側を通る。この理由は、放電はエネルギーロスが最小になるように経路を選ぶが、この部分は断面が広くなっており、ロスが少なくなるためである。実際、この部分の直径が太いためにロスが減り、効率が高くなる。
カバー8を略楕円柱とすることで、放電路をカバー8の楕円断面の短軸の外側に固定できる。
また、略楕円柱状のカバー8の短軸部分は2方向にある。このカバー8の短軸部分の開口部8bの一方に、切り欠き部11(図4参照)を設けることにより、さらに放電路を一方に固定できる。
尚、このようにカバー8は、楕円柱形状が円柱形状に比較して、放電路の位置が確実に固定される利点はあるが、円柱形状の場合はカバー8の作成がより簡単で、かつ、寸法精度を容易に得られること、そのランプ内への設置でも位置のばらつきが少ないという利点がある。
具体的な一例としては、カバー8の断面の外周について短軸は16mm、長軸は19mm、この他は実施の形態1とほぼ同じで、高さ(ガラス管1軸方向の長さ)が22mm、ガラスの厚さは約0.5mmであり、Lは15mmである。
以上のように、この実施の形態によれば、カバー8を、蛍光ランプ100の中心線1aと中心線を略共有する略楕円柱状で、この楕円断面の長軸はフィラメント5の方向にほぼ一致し、ランプ端部側の端面のみ開いて開口部8bを形成している構成にしたので、放電路をカバー8の楕円断面の短軸の外側に固定できる。
また、カバー8の短軸部分の開口部8bの一方に、切り欠き部11を設けることにより、さらに放電路を一方に固定できる。
実施の形態5.
図6は実施の形態5を示す図で、図6(a)は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図6(b)は蛍光ランプ100の側面図である。
図6は実施の形態5を示す図で、図6(a)は蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図、図6(b)は蛍光ランプ100の側面図である。
上記実施の形態1乃至4の例は、カバー8の中心線、即ち、その略柱形状である円あるいは楕円の中心線と、ガラス管1の中心線1aとが略一致していたが、実施の形態5においては、図6に示すように、カバー8の中心線を、ガラス管1の中心線1aとずらしている。
一例では、外径19mm、長さ22mmの略円柱状のカバー8の中心線と、内径23.5mmのガラス管1の中心線1aをほぼ並行を保ったまま、2mm離す。すなわち、カバー8の中心線とガラス管1の中心線1aとの距離Gは2mmである。
カバー8の中心線とガラス管1の中心線1aとが一致している場合、カバー8とガラス管1との間隙は2.25mmであるが、カバー8の中心線と、ガラス管1の中心線1aとをほぼ並行を保ったまま2mm離すこの一例では、広い方の間隙は4.25mmとなる。ずらす方向の一例は、フィラメント5の長手方向に垂直な方向である。これ以外の構成は実施の形態1と同様である。
ランプ点灯中、放電路がカバー8の開口部8bを外側に抜けた後、カバー8とガラス管1との間隙の広い部分を通過する。このため、カバー8の外側の放電路が安定し、チラツキなどが起こらない。
また、放電路の断面積が大きくなるため、効率も上昇する。この放電路が安定化する効果は、カバー8とガラス管1の中心線1a間の距離が、中心線が一致している場合のカバー8とガラス管1との間隙の寸法の20%(この一例である2.25mmでは、0.45mm)、あるいは広い方の間隙が2.7mmとなれば効果がある。
さらに、カバー8がガラス管1と接触するまで、あるいはステム3などとの位置関係で移動できる範囲内で、大きくずらしても効果があるが、大きくずらした場合は、カバー8の移動に伴い、フィラメント5がカバー8に接触しないようにフィラメント5もカバー8の移動方向にずらす必要がある。
以上のように、この実施の形態によれば、カバー8の中心線とガラス管1の中心線1aとをずらすことにより、ランプ点灯中、放電路がカバー8の開口部8bを外側に抜けた後、カバー8とガラス管1との間隙の広い部分を通過するため、カバー8の外側の放電路が安定し、チラツキなどが起こらない。
放電路が安定化する効果は、カバー8とガラス管1の中心線1a間の距離が、中心線が一致している場合のカバー8とガラス管1との間隙の寸法の20%、あるいは広い方の間隙が2.7mmとなれば効果がある。
実施の形態6.
図7は実施の形態6を示す図で、蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図である。
図7は実施の形態6を示す図で、蛍光ランプ100のランプ端部付近の断面図である。
図7に示すように、フィラメント5をその中心線と、ガラス管1の中心線1aとがほぼ平行になるように配設している。このフィラメント5に対して、一方の底面8aが閉じた略円柱状のカバー8を、その中心線をフィラメント5の中心線に合わせ、かつ、その開口部8bが蛍光ランプ100の端部方向を向くように被せている。他の構成は実施の形態1と同様である。
この蛍光ランプ100の放電路は、カバー8の開口部8bを通り、カバー8の外側面を通過して、ランプ中央に向かうため、カバー8の開口部8bまでは、放電路が存在することになるので、輝度の均一性は上がる。
フィラメント5の中心線をガラス管1の中心線1aと平行にしたため、カバー8の直径を細くすることができる。これにより、カバー8とガラス管1との間隙が大きくなり、陽光柱の断面積が大きくなって発光効率が増加する。
このカバー8の開口部8bに切り欠き部11を入れる(例えば、図4)、或いはカバー8の中心線をフィラメント5と伴に、蛍光ランプ100の中心線1aに対してずらす(例えば、図6)、或いはカバー8を略楕円柱状にする(例えば、図5)等は、上記実施の形態3乃至5と同様に効果がある。
以上のように、この実施の形態によれば、フィラメント5の中心線をガラス管1の中心線1aと平行にしたため、カバー8の直径を細くすることができる。これにより、カバー8とガラス管1との間隙が大きくなり、陽光柱の断面積が大きくなって発光効率が増加する。
また、カバー8の開口部8bに切り欠き部11を入れる、或いはカバー8の中心線をフィラメント5と伴に、蛍光ランプ100の中心線1aに対してずらす、或いはカバー8を略楕円柱状にする等と組み合わせることにより、上記実施の形態3乃至5と同様の効果を奏する。
1 ガラス管、1a 中心線、2 蛍光面、3 ステム、4a,4b,4c,4d リード線、5 フィラメント、6 口金、7a,7b,7c,7d ピン、8 カバー、8a 底面、8b 開口部、9 カバー保持体、10 蛍光面、11 切り欠き部、100 蛍光ランプ、200 蛍光ランプ。
Claims (8)
- 内面に蛍光体からなる蛍光面を備えるとともに両端を封止し、少なくとも希ガスを導入して密閉したガラス管と、
前記ガラス管の両端部をそれぞれ1対ずつ貫通させたリード線と、
前記1対のリード線のそれぞれの内側端に固定したフィラメントと、
前記フィラメントの前記ガラス管の中央側と、側面部とを覆い、前記ガラス管の端部側に開口部を有する絶縁性のカバーとを備え、
前記フィラメントの前記ガラス管中央部側の端と、前記カバーの前記開口部の少なくとも一部を含む前記ガラス管の中心線に垂直な平面との最短距離が5mm以上であることを特徴とする蛍光ランプ。 - 前記カバーは、透光性材料の成形体であり、少なくとも内表面に蛍光体を塗布したことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
- 前記カバーの前記開口部の縁部の一部に切り欠き部を形成し、前記切り欠き部を含む前記ガラス管の中心線に垂直な平面が、前記開口部の他の部分を含む前記ガラス管の中心線に垂直な平面より、前記フィラメントの前記ガラス管中央側の端との距離が小さいことを特徴する請求項1又は請求項2記載の蛍光ランプ。
- 前記ガラス管両端に設けられた前記カバーの前記切り欠き部が、前記ガラス管の中心線に対して略同じ方向を向いていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蛍光ランプ。
- 前記カバーは前記ガラス管端部側を開口した略円柱形をなし、前記ガラス管中心線に垂直な平面による断面が略円であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蛍光ランプ。
- 前記カバーは前記ガラス管端部側を開口した略楕円柱形をなし、前記ガラス管中心線に垂直な平面による断面が略楕円であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蛍光ランプ。
- 前記カバーの中心線が前記ガラス管の中心線からずれていることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の蛍光ランプ。
- 前記フィラメントの中心線と、前記ガラス管の中心線が略平行であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の蛍光ランプ。
Priority Applications (1)
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JP2008102142A JP2009252664A (ja) | 2008-04-10 | 2008-04-10 | 蛍光ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2009252664A true JP2009252664A (ja) | 2009-10-29 |
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Family Applications (1)
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JP2008102142A Pending JP2009252664A (ja) | 2008-04-10 | 2008-04-10 | 蛍光ランプ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009252664A (ja) |
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2008
- 2008-04-10 JP JP2008102142A patent/JP2009252664A/ja active Pending
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