JP2009252561A - 試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メンテナンス性に優れ、取り扱いが容易な固体酸化物型燃料電池の試験片の特性試験を行う試験装置を提供する。
【解決手段】管状炉11の軸方向中央部に反応室22及び反応室42を配置し、反応室22を間に挟んで軸方向一方側に燃料ガス供給路21、他方側に燃料ガス排出路23を配置し、反応室42を間に挟んで軸方向一方側に酸化ガス供給路41、他方側に酸化ガス排出路43を配置し、反応室22及び反応室42に、SOFCの試験片10を支持可能な端面22a,42aをそれぞれ設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】管状炉11の軸方向中央部に反応室22及び反応室42を配置し、反応室22を間に挟んで軸方向一方側に燃料ガス供給路21、他方側に燃料ガス排出路23を配置し、反応室42を間に挟んで軸方向一方側に酸化ガス供給路41、他方側に酸化ガス排出路43を配置し、反応室22及び反応室42に、SOFCの試験片10を支持可能な端面22a,42aをそれぞれ設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の試験片の特性試験を行う試験装置に関するものである。
従来から、燃料電池の電解質にセラミックス系の固体電解質を用い、この固体電解質膜を燃料極と空気極とで両側から挟んでセルを形成した固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCという)が知られている。
このSOFCにおいては、以下に示すようなメリットがある。
まず、ダイレクト・メタノール型燃料電池等の固体高分子型燃料電池に比べ出力密度が高く、発電効率が高い。また、燃料ガスとして水素ガス以外に一酸化炭素やメタン等、炭化水素系全般をそのまま利用できる。さらに、作動温度が1000℃程度と高いため、反応にPt(白金)のように高価な触媒を利用せずに済む。
まず、ダイレクト・メタノール型燃料電池等の固体高分子型燃料電池に比べ出力密度が高く、発電効率が高い。また、燃料ガスとして水素ガス以外に一酸化炭素やメタン等、炭化水素系全般をそのまま利用できる。さらに、作動温度が1000℃程度と高いため、反応にPt(白金)のように高価な触媒を利用せずに済む。
ところで、近年、SOFCのセルに相当する試験片を用いて種々の特性試験が行われている。特性試験は、例えば特許文献1に示すような管状炉を備えた試験装置を用いて行われる。
ここで、図5に基づいて従来の試験装置の構成について説明する。図5は、従来における試験装置の概略構成図である。
同図に示すように、従来の試験装置100は、管状炉101の軸方向一端側から挿入され燃料ガスが流通する第1セラミックチューブ102と、他端側から挿入され酸化ガスが流通する第2セラミックチューブ103と、各セラミックチューブ102,103の端面の間に挟み込まれた試験片104とを備えている。各セラミックチューブ102,103は、二重管構造となっており、その内管が燃料ガス及び酸化ガスがそれぞれ供給される供給路となっており、外管が反応後の燃料ガス及び酸化ガスの排ガスがそれぞれ排出される排出路となっている。また、セラミックチューブ103と試験片104との間は、パイレックスガラス(登録商標)105を溶融してシールされている。そして、管状炉101内を作動温度領域に保持した状態で、各セラミックチューブ102,103の供給路から試験片104に向けて燃料ガス及び酸化ガスをそれぞれ供給し(図5中矢印参照)、試験片104の特性を観察する。
特開平6−66719号公報
同図に示すように、従来の試験装置100は、管状炉101の軸方向一端側から挿入され燃料ガスが流通する第1セラミックチューブ102と、他端側から挿入され酸化ガスが流通する第2セラミックチューブ103と、各セラミックチューブ102,103の端面の間に挟み込まれた試験片104とを備えている。各セラミックチューブ102,103は、二重管構造となっており、その内管が燃料ガス及び酸化ガスがそれぞれ供給される供給路となっており、外管が反応後の燃料ガス及び酸化ガスの排ガスがそれぞれ排出される排出路となっている。また、セラミックチューブ103と試験片104との間は、パイレックスガラス(登録商標)105を溶融してシールされている。そして、管状炉101内を作動温度領域に保持した状態で、各セラミックチューブ102,103の供給路から試験片104に向けて燃料ガス及び酸化ガスをそれぞれ供給し(図5中矢印参照)、試験片104の特性を観察する。
しかしながら、上述した従来の試験装置100にあっては、セラミックチューブ102,103と試験片104との間が、パイレックスガラス(登録商標)105を溶融してシールされているため、試験片104のメンテナンス等を行う際には、セラミックチューブ102,103を割って試験片104を取り出さなければならない。つまり、セラミックチューブ102,103と試験片104との間は、パイレックスガラス(登録商標)105により接着固定されているため、非破壊によるメンテナンスが不可能であり、メンテナンスを行う度にセラミックチューブ102,103を付け替えなければならないという問題がある。
また、パイレックスガラス(登録商標)105によるシールを行うには、セラミックチューブ102,103の端面を試験片104に突き当てて荷重をかけた状態で、パイレックスガラス(登録商標)105をバーナで加熱して溶融させる必要があり、作業が大変であるという問題がある。
さらに、セラミックチューブ102,103は、不透明の材質であり、試験片104に生じるクラックを検出することが難しいという問題がある。試験片104にクラックが生じていると、正確な測定ができない。
また、パイレックスガラス(登録商標)105によるシールを行うには、セラミックチューブ102,103の端面を試験片104に突き当てて荷重をかけた状態で、パイレックスガラス(登録商標)105をバーナで加熱して溶融させる必要があり、作業が大変であるという問題がある。
さらに、セラミックチューブ102,103は、不透明の材質であり、試験片104に生じるクラックを検出することが難しいという問題がある。試験片104にクラックが生じていると、正確な測定ができない。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、メンテナンス性に優れ、取り扱いが容易な固体酸化物型燃料電池の試験片の特性試験を行う試験装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、固体酸化物型燃料電池の試験片(例えば、実施形態における試験片10)の一方の電極(例えば、実施形態における空気極8)に第1の反応ガス(例えば、実施形態における酸化ガス)を供給する第1ガス供給路(例えば、実施形態における酸化ガス供給路41)と、該一方の電極において前記第1の燃料ガスを反応させる第1反応室(例えば、実施形態における反応室42)と、該一方の電極から前記第1の反応ガスの第1反応排ガスを排出する第1ガス排出路(例えば、実施形態における酸化ガス排出路43)と、他方の電極(例えば、実施形態における燃料極7)に第2の反応ガス(例えば、実施形態における燃料ガス)を供給する第2ガス供給路(例えば、実施形態における燃料ガス供給路21)と、該他方の電極において前記第2の反応ガスを反応させる第2反応室(例えば、実施形態における反応室22)と、該他方の電極から前記第2の反応ガスの第2反応排ガスを排出する第2ガス排出路(例えば、実施形態における燃料ガス排出路23)と、を備え、前記第1ガス供給路、前記第1反応室及び前記第1ガス排出路、並びに前記第2ガス供給路、前記第2反応室及び前記第2ガス排出路を、温度制御可能な管状炉(例えば、実施形態における管状炉11)内に設けた、前記固体酸化物型燃料電池の試験片の特性試験を行う試験装置(例えば、実施形態における試験装置1)であって、前記管状炉の軸方向中央部に前記第1反応室及び前記第2反応室を配置し、前記第1反応室を間に挟んで軸方向一方側に前記第1ガス供給路、他方側に前記第1ガス排出路を配置し、前記第2反応室を間に挟んで軸方向一方側に前記第2ガス供給路、他方側に前記第2ガス排出路を配置し、前記第1反応室及び前記第2反応室を形成する反応室形成部材に、前記固体酸化物型燃料電池の試験片を支持可能な第1支持部(例えば、実施形態における反応室22の端面22a)及び第2支持部(例えば、実施形態における反応室42の端面42a)をそれぞれ設けたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記管状炉に、前記第1支持部を備える前記第1反応室の前記反応室形成部材を前記管状炉の径方向一方から支持する第1支持部品と、前記第2支持部を備える前記第2反応室の前記反応室形成部材を前記管状炉の径方向他方向から支持する第2支持部品(例えば、実施形態における支持部材52)と、を設け、前記第1支持部品に、前記第1支持部による前記試験片への支持荷重を調整可能な支持荷重調整装置(例えば、実施形態における支持荷重調整装置60)を設けたことを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記第1ガス供給路及び前記第1ガス排出路に、該第1ガス供給路及び第1ガス排出路内を封鎖可能な第1バルブ(例えば、実施形態におけるバルブ48)及び第2バルブ(例えば、実施形態におけるバルブ49)をそれぞれ設け、前記第2ガス供給路及び前記第2ガス排出路に、該第2ガス供給路及び第2ガス排出路内を封鎖可能な第3バルブ(例えば、実施形態におけるバルブ27)及び第4バルブ(例えば、実施形態におけるバルブ28)をそれぞれ設け、前記第1ガス供給路前記第1ガス排出路、または前記第2ガス供給路前記第2ガス排出路に、前記第1ガス供給路内もしくは前記第1ガス排出路内、または前記第2ガス供給路内もしくは前記第2ガス排出路内の圧力を測定可能な圧力検出装置(例えば、実施形態における圧力計29,50)を設け、該圧力検出装置により検出される圧力値に基づいて前記支持荷重調整装置の支持荷重を調整可能とされていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記第1ガス供給路及び前記第1ガス供給路、前記第1反応室、前記第2ガス供給路、前記第2ガス排出路、前記第2反応室は、石英ガラスにより形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記支持荷重調整装置は、冷却ジャケット(例えば、実施形態における冷却ジャケット62)を有し、該冷却ジャケット内の温度を調整可能な冷却装置(例えば、実施形態における冷却装置)に接続されていることを特徴とする。
請求項1,2に記載した発明によれば、第1支持部品と第2支持部品とにより、第1反応室と第2反応室とを、各反応室の間に試験片を挟みこんだ状態で管状炉の径方向に向けて支持することができる。これにより、第1反応室及び第2反応室、試験片の間をシールした状態で、第1反応室及び第2反応室、試験片をセットすることができる。この場合、第1支持部品に支持荷重調整装置を設けることで、第1反応室による試験片への支持荷重を調整することができる。つまり、熱膨張の差等により第1反応室及び第2反応室、試験片の間に隙間が生じた場合には、再び支持荷重調整装置により支持荷重を調整することで、第1反応室及び第2反応室、試験片の間を確実にシールすることができる。
このように、従来のようなパイレックスガラス(登録商標)により第1,2セラミックチューブと試験片とをシールする場合と異なり、第1反応室及び第2反応室、試験片間を接着固定する必要がない。つまり、各反応室を破壊することなく試験片を取り出すことができるため、試験片のメンテナンスを行う度に各部材を交換することがなく、試験装置のメンテナンス性を向上することができる。
また、支持荷重調整装置と第2支持部品との間に各反応室及び試験片を挟みこんだ状態で支持することができるため、各反応室と試験片との間をシールするために加熱を要せず、第1反応室及び第2反応室と試験片との間を確実にシールすることができる。これにより、各部材のセット作業を容易に行うことができる。
したがって、従来のようにパイレックスガラス(登録商標)を用いて第1,2セラミックチューブと試験片とをシールする場合に比べて、メンテナンス性を向上させ、取り扱いを容易にすることができる。また、第1反応室及び第2反応室、試験片の間を確実にシールすることができるため、高精度な試験結果を得ることができる。
このように、従来のようなパイレックスガラス(登録商標)により第1,2セラミックチューブと試験片とをシールする場合と異なり、第1反応室及び第2反応室、試験片間を接着固定する必要がない。つまり、各反応室を破壊することなく試験片を取り出すことができるため、試験片のメンテナンスを行う度に各部材を交換することがなく、試験装置のメンテナンス性を向上することができる。
また、支持荷重調整装置と第2支持部品との間に各反応室及び試験片を挟みこんだ状態で支持することができるため、各反応室と試験片との間をシールするために加熱を要せず、第1反応室及び第2反応室と試験片との間を確実にシールすることができる。これにより、各部材のセット作業を容易に行うことができる。
したがって、従来のようにパイレックスガラス(登録商標)を用いて第1,2セラミックチューブと試験片とをシールする場合に比べて、メンテナンス性を向上させ、取り扱いを容易にすることができる。また、第1反応室及び第2反応室、試験片の間を確実にシールすることができるため、高精度な試験結果を得ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、第1ガス供給路及び第1ガス排出路に第1バルブ及び第2バルブをそれぞれ設けるとともに、第2ガス供給路及び第2ガス排出路に第3バルブ及び第4バルブをそれぞれ設け、第1ガス供給路または第1ガス排出路、もしくは第2ガス供給路または第2ガス排出路に圧力検出装置を設けることで、第1反応室または第2反応室における圧力リークを検出することができる。すなわち、各反応室を高圧にしてバルブを閉じた後に、圧力検出装置により圧力低下が検出された場合には、各反応室と試験片との間からガスの漏れがあると判断することができる。これにより、支持荷重調整装置による支持荷重を決定することができるため、第1反応室及び第2反応室、試験片の間を確実にシールすることができる。
上述したように、各反応室を破壊することなく試験片を取り出すことができるので、各反応室を再利用することができる。そのため、各反応室を高価な石英ガラスで構成することが可能になる。石英ガラスは透明材料であるため、請求項4に記載した発明によれば、各反応室の外部から内部を観察することができる。例えば、試験片にクラック等が生じている場合には、第1ガス供給路内が曇ることで試験片のクラックを検出することができる。したがって、メンテナンス性をより向上させることができる。
請求項5に記載した発明によれば、指示荷重調整装置が冷却ジャケットを備えているため、支持荷重調整装置を冷却することができ、支持荷重調整装置の焼き付きを防止することができる。
(試験装置)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は試験装置の断面図であり、図2は試験装置の側面図である。
図1,2に示すように、試験装置1は、SOFCの試験片10の特性試験を行うものであって、有底筒状の管状炉11を備えている。管状炉11は、円筒部12と、円筒部12の軸方向両端を閉塞するように形成されたエンド部(端面)13,14とで構成されており、円筒部12の軸方向と水平方向とが平行な状態(横型)で配置されている。この管状炉11は、円筒部12の軸方向に沿って上下方向で分割された上半部15と下半部16とで構成されている。そして、円筒部12の外周壁における上半部15と下半部16との連結部分には、円筒部12に対して着脱可能なバックル17が設けられており、このバックル17を取り外すことで上半部15と下半部16とを分割し、管状炉11を開放できるようになっている。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は試験装置の断面図であり、図2は試験装置の側面図である。
図1,2に示すように、試験装置1は、SOFCの試験片10の特性試験を行うものであって、有底筒状の管状炉11を備えている。管状炉11は、円筒部12と、円筒部12の軸方向両端を閉塞するように形成されたエンド部(端面)13,14とで構成されており、円筒部12の軸方向と水平方向とが平行な状態(横型)で配置されている。この管状炉11は、円筒部12の軸方向に沿って上下方向で分割された上半部15と下半部16とで構成されている。そして、円筒部12の外周壁における上半部15と下半部16との連結部分には、円筒部12に対して着脱可能なバックル17が設けられており、このバックル17を取り外すことで上半部15と下半部16とを分割し、管状炉11を開放できるようになっている。
円筒部12には、その軸方向に沿って図示しないヒータが設けられている。このヒータは、一般的な管状炉と同様に形成されており、円筒部12の内周壁に沿って螺旋状に形成されており、このヒータにより管状炉11内の温度制御を行う。本実施形態では、管状炉11内(例えば、管状炉11の軸方向中央部)に例えば1000度の均熱帯が形成される。また、両エンド部13,14には、上半部15と下半部16とに亘って、水平方向に直交する方向を長軸方向とした長円形の貫通孔18,19が形成されている。
管状炉11内には、管状炉11の下半部16側に軸方向に沿って配置され燃料ガス(第2の反応ガス)が流通する燃料ガス流通系20と、上半部15側に軸方向に沿って配置され酸化ガス(第1の反応ガス)が流通する酸化ガス流通系40と、燃料ガス流通系20と酸化ガス流通系40との間に挟みこまれた試験片10とが設けられている。
燃料ガス流通系20は、試験片10に向けて燃料ガスを供給する燃料ガス供給路(第2ガス供給路)21と、試験片10の後述する燃料極7において燃料ガスを反応させる反応室22(第2反応室)と、反応室22内から燃料ガスの排ガスを排出する燃料ガス排出路(第2ガス排出路)23とが連通可能に構成されている。
燃料ガス流通系20は、試験片10に向けて燃料ガスを供給する燃料ガス供給路(第2ガス供給路)21と、試験片10の後述する燃料極7において燃料ガスを反応させる反応室22(第2反応室)と、反応室22内から燃料ガスの排ガスを排出する燃料ガス排出路(第2ガス排出路)23とが連通可能に構成されている。
燃料ガス供給路21は、耐熱性、低熱伝導率、透明等を有する構成材料として、例えば石英ガラス等からなる管状のものであり、一方のエンド部13に形成された貫通孔18の下半部16側から挿通され、管状炉11内を軸方向に沿って延在している。燃料ガス供給路21の一端側(供給側)は、図示しない燃料ガスの供給源に接続されており、この供給源から水素、一酸化炭素、メタン等の燃料ガスが供給される。
燃料ガス供給路21の他端側(排出側)には、管状炉11の軸方向中央部の均熱帯において石英ガラス等からなる反応室22が接続されている。この反応室22は、上方に向けて開口部24を有する有底筒状のものであり、その軸方向と管状炉11の径方向とが一致した状態で配置されている。つまり、反応室22の外周面に、燃料ガス供給路21が接続されている。そして、反応室22の内部は、燃料ガスと試験片10とが反応する反応空間25として構成されている。
一方、燃料ガス排出路23は、燃料ガス供給路21と同様に石英ガラス等からなる管状のものであり、反応室22を間に挟んで燃料ガス供給路21の反対側に接続されている。つまり、燃料ガス排出路23は、反応室22の外周面に接続され、管状炉11の軸方向に沿って延在しており、他方のエンド部14に形成された貫通孔19の下半部16側から引き出されている。そして、反応空間25内で反応した燃料ガスの排ガスが、燃料ガス排出路23を通って管状炉11外部へ送り出されるようになっている。また、反応室22における外周面の上部には、外周面を囲むようにカラー26が設けられている。このカラー26は、反応室22の上部周縁から軸方向に沿って突出するように形成されている。
酸化ガス流通系40は、試験片10に向けて酸化ガスを供給する酸化ガス供給路(第1ガス供給路)41と、試験片10の後述する空気極8において酸化ガスを反応させる反応室42(第1反応室)と、反応室42内から酸化ガスの排ガスを排出する酸化ガス排出路(第1ガス排出路)43とが連通可能に構成されている。
酸化ガス供給路41は、上述した燃料ガス供給路21と同様に石英ガラス等からなる管状のものであり、一方のエンド部13に形成された貫通孔18の上半部15側から挿通され、管状炉11内を軸方向に沿って延在している。酸化ガス供給路41の一端側は、図示しない酸化ガスの供給源に接続されており、この供給源から空気や酸素等の酸化ガスが供給される。
酸化ガス供給路41は、上述した燃料ガス供給路21と同様に石英ガラス等からなる管状のものであり、一方のエンド部13に形成された貫通孔18の上半部15側から挿通され、管状炉11内を軸方向に沿って延在している。酸化ガス供給路41の一端側は、図示しない酸化ガスの供給源に接続されており、この供給源から空気や酸素等の酸化ガスが供給される。
酸化ガス供給路41の他端側には、管状炉11の軸方向中央部において石英ガラス等からなる反応室42が接続されている。この反応室42は、下方に向けて開口部44を有する有底筒状のものであり、その軸方向と管状炉11の径方向とが一致した状態で配置されている。つまり、反応室42の開口部44と上述した反応室22の開口部24とは、対向した状態で配置されている。そして、反応室42の内部は、酸化ガスと試験片10とが反応する反応空間45として構成されている。
一方、酸化ガス排出路43は、酸化ガス供給路41と同様に石英ガラス等からなる管状のものであり、反応室42を間に挟んで酸化ガス供給路41の反対側に接続されている。つまり、酸化ガス排出路43は、反応室42の外周面に接続され、管状炉11の軸方向に沿って延在しており、他方のエンド部14に形成された貫通孔19の上半部15側から引き出されている。そして、反応空間45で反応した酸化ガスの排ガスが、酸化ガス排出路43を通って管状炉11外部へ送り出されるようになっている。なお、エンド部13の貫通孔18における燃料ガス供給路21と酸化ガス供給路41との間や、エンド部14の貫通孔19における燃料ガス排出路23と酸化ガス排出路43との間の隙間には、グラスウール等の断熱材(不図示)が充填されている。
上述した燃料ガス流通系20における燃料ガス供給路21及び燃料ガス排出路23には、燃料ガス流通系20(燃料ガス供給路21から燃料ガス排出路23に至るまで)内を封鎖可能なバルブ(第3バルブ及び第4バルブ)27,28が設けられている。そして、燃料ガス排出路23には、圧力計(圧力検出装置)29が接続されており、燃料ガス流通系20内の圧力を検出できるようになっている。
同様に、上述した酸化ガス流通系40における酸化ガス供給41路及び酸化ガス排出路43には、酸化ガス流通系40(酸化ガス供給路41から酸化ガス排出路43に至るまで)内を封鎖可能なバルブ(第1バルブ及び第2バルブ)48,49が設けられている。そして、酸化ガス排出路43には、圧力計(圧力検出装置)50が接続されており、酸化ガス流通系40内の圧力を検出できるようになっている。
同様に、上述した酸化ガス流通系40における酸化ガス供給41路及び酸化ガス排出路43には、酸化ガス流通系40(酸化ガス供給路41から酸化ガス排出路43に至るまで)内を封鎖可能なバルブ(第1バルブ及び第2バルブ)48,49が設けられている。そして、酸化ガス排出路43には、圧力計(圧力検出装置)50が接続されており、酸化ガス流通系40内の圧力を検出できるようになっている。
ここで、反応室42の開口部44側は、反応室22と反応室42との間にSOFCの試験片10を挟んだ状態で、反応室22に形成されたカラー26内に収容されている。具体的には、反応室22の開口部24側の端面(第1支持部)22aと、反応室42の開口部44側の端面(第2支持部)42aとが、試験片10の表裏面における外周部分にそれぞれ突き当てられることで、試験片10が支持されている。なお、本試験装置の試験片10は、直径2cm程度の円板形状のものであり、YSZ(Yttria Stabilized Zirconia)等からなる固体電解質膜9と、この固体電解質膜9を表裏面から挟むように空気極8と、燃料極7とを備えている。なお、空気極8の形成材料としては、例えばガドリニウム系の材料とYSZとの焼結体が用いられる。一方、燃料極7の形成材料としては、例えばニッケルとYSZとの焼結体が用いられる。
また、反応室22の底面側には、セラミック等からなり、反応室22を管状炉11の径方向に支持する支持部材(第2支持部品)52が設けられている。この支持部材52は、管状炉11の円筒部12の下方に設けられたベース部材53を備えている。このベース部材53は、平板状に形成されており、その表面からは円柱形状の支持部54が立設されている。この支持部54は、円筒部12に形成された貫通孔51を貫通して、径方向内側に向けて延出しており、反応室22の底部に当接している。つまり、支持部54の上面と反応室22の底面とが当接することで、反応室22が管状炉11の径方向に支持されている。
一方、反応室42の底面(上面)側には、支持荷重調整装置60が設けられている。この支持荷重調整装置60は、ネジ調整機構61と冷却ジャケット62とで構成されている。ネジ調整機構61は、反応室42の軸方向上方であって、円筒部12の外壁に固定されたベース部63を備えている。このベース部63は、軸方向に貫通孔64を有する円柱形状のものである。ベース部63の貫通孔64の内周面には、螺旋状の雌ねじ溝(不図示)が形成されている。貫通孔64の雌ネジ溝には、外周面に螺旋状の雄ネジ溝が形成されたネジ65が螺合されている。このネジ65の一端側は、円筒部12に形成された貫通孔66を貫通しており、円筒部12内に配置された当接部67に接続されている。この当接部67は、円板形状のものであり、その外径が反応室42の底面と略同径に形成されている。
ネジ65の他端には、円板状の締結ハンドル68が設けられている。この締結ハンドル68は、ネジ65をその軸線方向に移動させるものであって、締結ハンドル68を回転させることで貫通孔64の雌ネジ溝に螺合されたネジ65を上昇させたり、下降させたりするものである。つまり、ネジ65の締結方向に締結ハンドル68を回転させることにより、ネジ65が下降してネジ65の一端側に設けられた当接部67の下面が、反応室42の底面に当接する。これにより、ネジ調整機構61は、反応室22に対して軸方向に向けて支持荷重を作用させるようになっている。つまり、反応室22及び試験片10、反応室42は、当接部67の下面と上述した支持部材52の支持部54の上面との間で、管状炉11の径方向に挟みこまれた状態で支持されている。そして、締結ハンドル68を回転させてネジ65の締結力を調整することで、反応室42の軸方向に作用させる支持荷重を調整することができる。
ベース部63の内部には、貫通孔64を取り囲むように空間部が設けられている。この空間部は、その内部に冷却媒体Wが流通しており、ここが冷却ジャケット62として構成されている。冷却ジャケット62は、貫通孔64に形成された雌ネジ溝とネジ65に形成された雄ネジ溝との焼き付きを防止するためのものであって、図示しない冷却装置に接続されている。この冷却装置からは、冷却ジャケット62内に向けて水や冷却液等の冷却媒体Wが供給されるとともに、冷却ジャケット62からは、ベース部63と熱交換が行われた冷却媒体Wが冷却装置に向けて排出される。つまり、冷却ジャケット62と冷却装置との間で、冷却媒体Wが循環可能に構成されており、冷却ジャケット62内の温度を調整可能に構成されている。
(特性試験方法)
次に、図1〜4に基づいて、SOFCの試験片の特性試験方法について説明する。まず、本実施形態における試験装置の組立手順について説明する。図3,4は、試験装置の組立手順を示す工程図である。
図3に示すように、まず管状炉11を開放した状態、つまり、上半部15を取り外した状態で下半部16内に燃料ガス流通系20をセットする。具体的には、下半部16の貫通孔18,19内に、燃料ガス供給路21及び燃料ガス排出路23を収容するとともに、支持部材52の支持部54の上面と反応室22の底面とを当接させた状態でセットする。燃料ガス流通系20のセットが完了したら、反応室22のカラー26内に試験片10を収容する。
次に、図1〜4に基づいて、SOFCの試験片の特性試験方法について説明する。まず、本実施形態における試験装置の組立手順について説明する。図3,4は、試験装置の組立手順を示す工程図である。
図3に示すように、まず管状炉11を開放した状態、つまり、上半部15を取り外した状態で下半部16内に燃料ガス流通系20をセットする。具体的には、下半部16の貫通孔18,19内に、燃料ガス供給路21及び燃料ガス排出路23を収容するとともに、支持部材52の支持部54の上面と反応室22の底面とを当接させた状態でセットする。燃料ガス流通系20のセットが完了したら、反応室22のカラー26内に試験片10を収容する。
試験片10のセットが完了したら、次に、図4に示すように、酸化ガス流通系40をセットする。具体的には、酸化ガス流通系40の反応室42を反応室22のカラー26内に収容するようにセットする。そして、反応室42の開口部44の端面42aと反応室22の開口部24の端面22aとの間に、試験片10を挟みこむ。
酸化ガス流通系40のセットが完了したら、続いて、酸化ガス流通系40の上方から酸化ガス流通系40を覆うように、管状炉11の上半部15をセットする。具体的には、上半部の貫通孔18,19内に、酸化ガス流通系40の酸化ガス供給路41及び酸化ガス排出路43を収容するように装着する。そして、上半部15をセットしたら、上半部15と下半部16とをバックル17にて連結する。これにより、管状炉11のセットが完了する。
酸化ガス流通系40のセットが完了したら、続いて、酸化ガス流通系40の上方から酸化ガス流通系40を覆うように、管状炉11の上半部15をセットする。具体的には、上半部の貫通孔18,19内に、酸化ガス流通系40の酸化ガス供給路41及び酸化ガス排出路43を収容するように装着する。そして、上半部15をセットしたら、上半部15と下半部16とをバックル17にて連結する。これにより、管状炉11のセットが完了する。
ここで、管状炉11のセットが完了したら、反応室22と反応室42に支持荷重を加え、反応室22及び反応室42と試験片10との間をシールする。具体的には、ネジ調整機構61の締結ハンドル68を回転させてネジ65を下降させ(図4中矢印S参照)、ネジ65の先端に設けられた当接部67を反応室42の底面(上面)に当接させる。これにより、反応室22及び反応室42、試験片10は、その軸方向に支持荷重が作用し、支持部材52の支持部54とネジ調整機構61の当接部67との間に挟みこまれた状態になる。よって、反応室22及び反応室42、試験片10の間がシールされる。
これにより、試験装置1の組立が完了する(図1,2参照)。
これにより、試験装置1の組立が完了する(図1,2参照)。
また、特性試験後に試験片のメンテナンスを行う場合には、上述した試験装置1の組立方法と逆の手順で酸化ガス流通系40等を取り外していく。つまり、従来のようなパイレックスガラス(登録商標)105により第2セラミックチューブ103と試験片104とをシールする場合(図5参照)と異なり、各反応室22,42と試験片10との間を接着固定する必要がない。
次に、図1に基づいて本実施形態における特性試験方法について説明する。
まず、管状炉11のヒータを作動させ、管状炉11内を加熱するとともに、支持荷重調整装置60の冷却ジャケットに冷却媒体Wを供給する。なお、管状炉11内を加熱すると、管状炉11の軸方向中央部には約1000度の均熱帯が形成される。次に、図示しない燃料ガス及び酸化ガスの供給源から、燃料ガス供給路21及び酸化ガス供給路41のそれぞれに向けて燃料ガス及び酸化がスを供給する。なお、燃料ガス及び酸化ガスの供給圧は、大気圧より若干高く設定することが好ましい。
まず、管状炉11のヒータを作動させ、管状炉11内を加熱するとともに、支持荷重調整装置60の冷却ジャケットに冷却媒体Wを供給する。なお、管状炉11内を加熱すると、管状炉11の軸方向中央部には約1000度の均熱帯が形成される。次に、図示しない燃料ガス及び酸化ガスの供給源から、燃料ガス供給路21及び酸化ガス供給路41のそれぞれに向けて燃料ガス及び酸化がスを供給する。なお、燃料ガス及び酸化ガスの供給圧は、大気圧より若干高く設定することが好ましい。
ところで、管状炉11内が高温に保持されると、各部材の熱膨張の差により、反応室22及び反応室42、試験片10の間に隙間が生じ、燃料ガスまたは酸化ガスが漏れる虞がある。
そこで、本実施形態では、燃料ガス流通系20(反応室22)及び酸化ガス流通系40(反応室42)内の圧力リークを、圧力計29,50により検出することができる。すなわち、各反応室22,42内を高圧にしてバルブ27,28,48,49を閉じた後に、圧力計29,50により圧力低下が検出された場合には、各反応室22,42と試験片10との間からガスの漏れがあると判断することができる。これにより、ネジ調整機構61による支持荷重を決定することができるため、反応室22及び第2反応室42、試験片10の間を確実にシールすることができる。なお、圧力リークの測定は、試験開始時や、長時間使用時等、定期的に行うことが好ましい。
試験装置1による特性試験を開始すると、供給源から供給された燃料ガス及び酸化ガスは、燃料ガス供給路21及び酸化ガス供給路41を通って反応室22及び反応室42に供給される。すると、反応室42の空気極8で発生した酸素イオンが、固体電解質膜9を透過して反応室22の燃料極7まで移動する。そして、燃料極7まで移動した酸素イオンが、燃料極7で燃料ガスと反応する際に、電子を放出することで発電が行われる。反応室42において発電に供された酸化ガスの排ガスは、酸化ガス排出路43を通って希釈器に供給される。一方、反応室22で発電に供された燃料ガスの排ガスは、燃料ガス排出路23を通って希釈器に供給される。
このように、本実施形態では、管状炉11の軸方向中央部に反応室22及び反応室42を配置し、反応室22を間に挟んで軸方向一方側に燃料ガス供給路21、他方側に燃料ガス排出路23を配置するとともに、反応室42を間に挟んで軸方向一方側に酸化ガス供給路41、他方側に酸化ガス排出路43を配置し、反応室22の端面22aと反応室42の端面42aとの間に試験片10を挟みこむような構成とした。そして、管状炉11に、反応室42を管状炉11の径方向一方から支持する支持荷重調整装置60と、反応室22を管状炉11の径方向他方向から支持する支持部材52と、を設け、これら支持荷重調整装置60と支持部材52との間で各反応室22,42及び試験片10を挟み込んで支持する構成とした。
この構成によれば、支持荷重調整装置60と支持部材52とにより、反応室22と反応室42とを、管状炉11の径方向に向けて挟みこむことにより、反応室22と反応室42との間に試験片10を挟みこんだ状態で支持することができる。これにより、反応室22及び反応室42と試験片10との間をシールした状態で、反応室22及び反応室42、試験片10をセットすることができる。この場合、支持荷重調整装置60のネジ調整機構61のネジ65を締結することで、反応室22による試験片10への支持荷重を調整することができる。つまり、熱膨張の差等により反応室22及び反応室42、試験片10の間に隙間が生じた場合には、再びネジ65を締結することで、反応室22及び反応室42、試験片10の間を確実にシールすることができる。
このように、従来のようなパイレックスガラス(登録商標)105により第1,2セラミックチューブ102,103と試験片104とをシールする場合(図5参照)と異なり、各反応室22,42と試験片10との間を接着固定する必要がない。これにより、燃料ガス流通系20及び酸化ガス流通系40と試験片10とをそれぞれ破壊せずに分解することができるため、各反応室22,42を非破壊により試験片10を取り出すことができる。そのため、試験片10のメンテナンスを行う度に第1流通系20及び第2流通系40を交換することがなく、試験装置1のメンテナンス性を向上することができる。
このように、従来のようなパイレックスガラス(登録商標)105により第1,2セラミックチューブ102,103と試験片104とをシールする場合(図5参照)と異なり、各反応室22,42と試験片10との間を接着固定する必要がない。これにより、燃料ガス流通系20及び酸化ガス流通系40と試験片10とをそれぞれ破壊せずに分解することができるため、各反応室22,42を非破壊により試験片10を取り出すことができる。そのため、試験片10のメンテナンスを行う度に第1流通系20及び第2流通系40を交換することがなく、試験装置1のメンテナンス性を向上することができる。
また、支持荷重調整装置60と支持部材52との間に各反応室22,42及び試験片20を挟みこんだ状態で支持することができるため、各反応室22,42と試験片20との間をシールするために加熱を要せず、反応室22及び反応室42と試験片10との間を確実にシールすることができる。これにより、各部材のセット作業を容易に行うことができる。
さらに、ネジ調整機構61のベース部63に冷却ジャケット62を備えたため、ネジ65とベース部63とを冷却することができ、ネジ65とベース部63との焼き付きを防止することができる。また、締結ハンドル68も冷却されるため、特性試験中においても締結ハンドル68が操作し易くなる。
ところで、従来の試験装置100にあっては、図5に示すように、ガスの流通系として第1,2セラミックチューブ102,103を用いていたため、これら第1,2セラミックチューブ102,103内を確認することができなかった。つまり、試験片104にクラック等が生じた場合であっても、試験片104をメンテナンスする際まで気付かずに使用することがあり、適切な試験結果が得られないという問題がある。
これに対して、本実施形態の試験装置1にあっては、上述したように、各反応室22,42を破壊することなく試験片10を取り出すことができるので、各反応室22,42を再利用することができる。そのため、各反応室22,42を高価な石英ガラスで構成することが可能になる。石英ガラスは透明材料であるため、各反応室22,42の外部から内部を観察することができる。例えば、試験片10にクラック等が生じている場合には、燃料ガス供給路21内が曇ることで試験片10のクラックを検出することができる。そして、試験片10のクラックが生じた場合には、試験装置1を分解して速やかに試験片10を交換することができる。したがって、メンテナンス性をより向上させることができる。
これに対して、本実施形態の試験装置1にあっては、上述したように、各反応室22,42を破壊することなく試験片10を取り出すことができるので、各反応室22,42を再利用することができる。そのため、各反応室22,42を高価な石英ガラスで構成することが可能になる。石英ガラスは透明材料であるため、各反応室22,42の外部から内部を観察することができる。例えば、試験片10にクラック等が生じている場合には、燃料ガス供給路21内が曇ることで試験片10のクラックを検出することができる。そして、試験片10のクラックが生じた場合には、試験装置1を分解して速やかに試験片10を交換することができる。したがって、メンテナンス性をより向上させることができる。
したがって、従来のようにパイレックスガラス(登録商標)105を用いて第1,2セラミックチューブ102,103と試験片104とをシールする場合(図5参照)に比べて、メンテナンス性を向上させ、取り扱いを容易にすることができる。また、反応室22及び反応室42、試験片10の間を確実にシールすることができるため、高精度な試験結果を得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、燃料ガス流通系及び酸化ガス流通系を全て石英ガラスで構成してある場合について説明したが、これに限られることなく種々の材料を用いることが可能である。この場合、耐熱性に加え、透明性に優れ、かつ低熱伝導性の材料であることが好ましい。
また、支持荷重調整装置としてネジ調整機構による構成について説明したが、これに限らず、第1反応室と第2反応室との軸方向に向けて加重を作用させる構成であれば、適宜設計変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、燃料ガス流通系及び酸化ガス流通系を全て石英ガラスで構成してある場合について説明したが、これに限られることなく種々の材料を用いることが可能である。この場合、耐熱性に加え、透明性に優れ、かつ低熱伝導性の材料であることが好ましい。
また、支持荷重調整装置としてネジ調整機構による構成について説明したが、これに限らず、第1反応室と第2反応室との軸方向に向けて加重を作用させる構成であれば、適宜設計変更が可能である。
1…試験装置 7…燃料極(他方の電極) 8…空気極(一方の電極) 11…管状炉 10…試験片 21…燃料ガス供給路(第2ガス供給路) 22…反応室(第2反応室) 23…燃料ガス排出路(第2ガス排出路) 27,28,48,49…バルブ(第1〜第4のバルブ) 29,50…圧力計(圧力検出装置) 41…酸化ガス供給路(第1ガス供給路) 42…反応室(第1反応室) 43…酸化ガス排出路(第1ガス排出路) 52…支持部材(第2支持部品) 60…支持荷重調整装置(第1支持部品) 62…冷却ジャケット
Claims (5)
- 固体酸化物型燃料電池の試験片の一方の電極に第1の反応ガスを供給する第1ガス供給路と、該一方の電極において前記第1の燃料ガスを反応させる第1反応室と、該一方の電極から前記第1の反応ガスの第1反応排ガスを排出する第1ガス排出路と、
他方の電極に第2の反応ガスを供給する第2ガス供給路と、該他方の電極において前記第2の反応ガスを反応させる第2反応室と、該他方の電極から前記第2の反応ガスの第2反応排ガスを排出する第2ガス排出路と、を備え、
前記第1ガス供給路、前記第1反応室及び前記第1ガス排出路、並びに前記第2ガス供給路、前記第2反応室及び前記第2ガス排出路を、温度制御可能な管状炉内に設けた、前記固体酸化物型燃料電池の試験片の特性試験を行う試験装置であって、
前記管状炉の軸方向中央部に前記第1反応室及び前記第2反応室を配置し、前記第1反応室を間に挟んで軸方向一方側に前記第1ガス供給路、他方側に前記第1ガス排出路を配置し、
前記第2反応室を間に挟んで軸方向一方側に前記第2ガス供給路、他方側に前記第2ガス排出路を配置し、
前記第1反応室及び前記第2反応室を形成する反応室形成部材に、前記固体酸化物型燃料電池の試験片を支持可能な第1支持部及び第2支持部をそれぞれ設けたことを特徴とする試験装置。 - 前記管状炉に、前記第1支持部を備える前記第1反応室の前記反応室形成部材を前記管状炉の径方向一方から支持する第1支持部品と、
前記第2支持部を備える前記第2反応室の前記反応室形成部材を前記管状炉の径方向他方向から支持する第2支持部品と、を設け、
前記第1支持部品に、前記第1支持部による前記試験片への支持荷重を調整可能な支持荷重調整装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の試験装置。 - 前記第1ガス供給路及び前記第1ガス排出路に、該第1ガス供給路及び第1ガス排出路内を封鎖可能な第1バルブ及び第2バルブをそれぞれ設け、
前記第2ガス供給路及び前記第2ガス排出路に、該第2ガス供給路及び第2ガス排出路内を封鎖可能な第3バルブ及び第4バルブをそれぞれ設け、
前記第1ガス供給路もしくは前記第1ガス排出路、または前記第2ガス供給路もしくは前記第2ガス排出路に、前記第1ガス供給路内もしくは前記第1ガス排出路内、または前記第2ガス供給路内もしくは前記第2ガス排出路内の圧力を測定可能な圧力検出装置を設け、
該圧力検出装置により検出される圧力値に基づいて前記支持荷重調整装置の支持荷重を調整可能とされていることを特徴とする請求項2記載の試験装置。 - 前記第1ガス供給路及び前記第1ガス供給路、前記第1反応室、前記第2ガス供給路、前記第2ガス排出路、前記第2反応室は、石英ガラスにより形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の試験装置。
- 前記支持荷重調整装置は、冷却ジャケットを有し、該冷却ジャケット内の温度を調整可能な冷却装置に接続されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の試験装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
- 2008-04-07 JP JP2008099682A patent/JP2009252561A/ja active Pending
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