JP2009251293A - 感光性平版印刷版材料および平版印刷版の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供する。
【解決手段】親水性表面を有する支持体上に、側鎖にウレタン結合を有する特定のポリオレフィンスルホン樹脂を含む感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版。
【選択図】なし
【解決手段】親水性表面を有する支持体上に、側鎖にウレタン結合を有する特定のポリオレフィンスルホン樹脂を含む感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版。
【選択図】なし
Description
本発明は、コンピュータートゥプレートシステム(以下、CTPという。)に用いられる感光性平版印刷版材料および、それを用いた平版印刷版の作製方法に関する。
近年、オフセット印刷用の平版印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザ光源で直接感光性平版印刷版材料に記録するCTPが開発され、実用化が進んでいる。
CTPシステムに使用される感光性平版印刷版材料としては、アルカリ性水溶液を現像液に用いた現像処理が行われることが一般的であったが、アルカリ性現像液は、感光性平版印刷版材料の処理により、また空気中の炭酸ガスによる中和によりpHの低下が起こりやすく、現像性の安定性に課題があった。これを安定化するために、現像液よりも高pHの現像補充液を、感光性平版印刷版材の処理量に応じ、また作業時間の経過に応じ、少量ずつ添加、補充することでpHの低下を防止し、現像性を安定に保つことが行われているが、これら補充の作業は煩雑で、より管理が簡便な処理システムが望まれている。また、高pHのアルカリは、廃棄のために中和作業と希釈作業が必要になり、廃液量が大きくなり、環境面での負荷が大きいなどの課題があった。
近年、現像液を中性から弱酸性にすることで、pHの管理が不要、または簡便となるシステムが提案されている(特許文献1〜5参照)。しかしながら、これらのシステムにおいて作製される平版印刷版は、印刷作業に供された場合、インキの着肉がこれまでのアルカリ現像システムによって供される平版印刷版に比較して劣り、正常なインキ濃度の印刷物が得られるまでに必要な印刷枚数が多く、所謂ヤレ紙と称される損紙が大量に発生するなどの不都合があった。
特開2006−39339号公報
特開2006−309160号公報
特開2007−34215号公報
特開2007−52279号公報
特開2007−58170号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.親水性表面を有する支持体上に、下記一般式(1)で表される部分構造を有するポリオレフィンスルホン樹脂を含む感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
(式中、R1は置換基を有していてもよい、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)
2.ポリオレフィンスルホン樹脂の部分構造が下記一般式(2)で表される構造であることを特徴とする1に記載の感光性平版印刷版材料。
2.ポリオレフィンスルホン樹脂の部分構造が下記一般式(2)で表される構造であることを特徴とする1に記載の感光性平版印刷版材料。
(式中、R2は置換基を有していてもよい、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
3.ポリオレフィンスルホン樹脂の部分構造が下記一般式(3)で表される構造であることを特徴とする2に記載の感光性平版印刷版材料。
3.ポリオレフィンスルホン樹脂の部分構造が下記一般式(3)で表される構造であることを特徴とする2に記載の感光性平版印刷版材料。
4.ポリオレフィンスルホン樹脂の部分構造が下記一般式(4)で表される構造であることを特徴とする2に記載の感光性平版印刷版材料。
5.1〜4のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料に、350nm〜450nmの間に発信波長を有するレーザを用いて非画像部にあたる部分に露光したのち、pHが2.0〜6.0の現像液を用いて、露光部分、すなわち非画像部、の感光層を溶解、除去することにより現像を行うことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
本発明によれば、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供することができる。
即ち、本発明によれば、現像液としてアルカリ溶液を用いることがないので、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても、印刷時印刷物画像に汚れを生ずることのない、安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、感光性平版印刷版材料であって、親水性表面を有する支持体上に、下記一般式(1)で表される部分構造を有するポリオレフィンスルホン樹脂(以下、本発明の樹脂と称することもある。)を含む感光層を有することを特徴とする。
本発明においては特に、感光層が、本発明の樹脂を含有することにより、現像液としてアルカリ溶液を用いることなく、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても、印刷時(印刷物画像)に汚れを生ずることなく、またインキ着肉が良好で、安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法が提供できる。
(式中、R1は置換基を有していてもよい、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)
(本発明の樹脂)
本発明の感光性平版印刷版材料の感光層は、上記一般式(1)で表される部分構造を有するポリオレフィンスルホン樹脂(以下、本発明の樹脂ともいう。)を含有する。
(本発明の樹脂)
本発明の感光性平版印刷版材料の感光層は、上記一般式(1)で表される部分構造を有するポリオレフィンスルホン樹脂(以下、本発明の樹脂ともいう。)を含有する。
本発明の樹脂は、感光層中で、露光による光反応でウレタン結合が切断されてアミノ基が生じ、このアミノ基の主鎖の解重合が起き、分子量が低下することから、弱酸性の水溶液に可溶化し、pHが2.0〜6.0の現像液を用いて、露光部分、すなわち非画像部の感光層を溶解、除去することにより現像を行うことが可能となる。
一般式(1)中、R1は置換基を有していてもよい、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。特に好ましくは下記一般式(5)に示すヘテロ環基である。
式中、R2は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。特に好ましくは、
から選ばれる少なくとも1つの基である。
これらの置換基を側鎖に含有せしめることにより、光反応によるアミノ基の生成が容易に起きるようになり、より低エネルギーの露光での画像形成を可能とする。
本発明の樹脂の重量平均分子量は、耐刷性、現像性の観点から、5,000〜200,000が好ましく、特に10,000〜100,000が好ましい。
本発明の樹脂の構成としては、一般式(3)と一般式(4)の構造をともに有する樹脂が好ましい。例としては、下記本発明の樹脂(1)〜(5)が特に好ましい例として挙げられる。
上記の本発明の樹脂(1)は、高分子,56巻,7月号(2007)、Chem.Lett.,35,760(2006)、J.Polym.Sci.,10,837(1972)等に記載の公知の方法で合成可能であり、他の樹脂も同様の手法で合成可能である。
本発明に係る感光層(いわゆる、画像形成層)としては、本発明の樹脂のみから構成されてもよいが、下記に述べる、光塩基発生剤を含有することが好ましい。
感光層中における、本発明の樹脂の含有量は、感光層に対して30質量%〜95質量%が好ましく、特に40質量%〜90質量%が好ましい。
(光塩基発生剤)
光塩基発生剤は、画像露光により、感光層中で塩基を発生し得る化合物である。
光塩基発生剤は、画像露光により、感光層中で塩基を発生し得る化合物である。
光塩基発生剤としては、例えば、特開平2−166450号公報の第6頁上段左2行目〜同頁上段右15行目に記載されているような化合物、具体的には、加熱により脱炭酸する有機酸と塩基との塩、分子内求核置換反応、ロッセン転移、ベックマン転移などの反応によってアミン類を放出する化合物など、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが挙げられる。
具体的には、塩基の酸塩が挙げられ、該塩基としては、例えば、グアニジン、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ピペリジン、モルホリン、p−トルイジン、2−ピコリンなどが挙げられ、酸としては、例えば、酢酸、トリクロロ酢酸、フェニルスルホニル酢酸、4−メチルスルフォニルフェニルスルホニル酢酸、4−アセチルアミノメチルプロピオン酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、炭酸、重炭酸などが挙げられる。
本発明においては、特に、塩基発生剤として、下記一般式(2−1)または一般式(2−2)で表される化合物を用いることが好ましい態様である。
(式中、R5はアリール基を表す。R6,R7はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基を表す。R8,R9はそれぞれ独立にアルキル基を表す。R8とR9は連結して環を形成することが出来る。)
(式中、R10は水素原子、またはアルキル基を表す。R11はアルキル基を表す。R10とR11は連結して環を形成することが出来る。R12はアリール基、アラルキル基、芳香族ヘテロ環を有する基、を表す。)
一般式(2−1)において、R5はアリール基を表す。R6、R7はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基を表す。R8、R9はそれぞれ独立にアルキル基を表す。R8とR9は連結して環を形成することが出来る。
一般式(2−1)において、R5はアリール基を表す。R6、R7はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基を表す。R8、R9はそれぞれ独立にアルキル基を表す。R8とR9は連結して環を形成することが出来る。
R5が表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、およびこれらに任意の置換基を有するものを用いることができる。
R6、R7が表す、アルキル基、としては、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましく用いられる。
R6、R7が表す、アラルキル基、としてはベンジル基、フェネチル基、およびこれらに任意の置換基を有するものを用いることができる。
一般式(2−2)において、R10は水素原子、またはアルキル基を表す。R11はアルキル基を表す。R10とR11は連結して環を形成することが出来る。R12はアリール基、アラルキル基、ヘテロ環基を有する基、を表す。
R11が表すアルキル基、としては、上記のR6、R7が表すアルキル基と同様のものを用いることができ、R12が表すアリール基、アラルキル基としては、前記R5が表すアリール基、R6、R7が表す、アラルキル基、と同様のものを用いることができる。
これらの光塩基発生剤は、固体状あるいは液体状のまま感光層用の組成物中に分散して粒子状物として層中に導入しても良く、またマイクロカプセルの中に内包された状態で導入しても良い。また、溶媒に溶解させて感光層用の組成物(塗布液)中に添加して、感光層を形成することも可能である。
また、光塩基発生剤の添加量は、感光層に対して0.5〜30質量%とするのが好ましく、1〜20質量%とするのが更に好ましい。
(増感剤)
本発明に係る感光層は、増感剤を含有することが好ましく、増感剤としては、350〜450nmの波長範囲に吸収極大を有する増感剤が好ましく、特に350〜450nmの波長範囲に吸収極大を有する増感色素が好ましく用いられる。
本発明に係る感光層は、増感剤を含有することが好ましく、増感剤としては、350〜450nmの波長範囲に吸収極大を有する増感剤が好ましく、特に350〜450nmの波長範囲に吸収極大を有する増感色素が好ましく用いられる。
これらの色素としては、例えばシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、アクリジン、アクリドン、N−アルキルアクリドン化合物、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、クマリン誘導体、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合部、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、ケトアルコールボレート錯体等が挙げられる。
(各種添加剤)
本発明に係る感光層には、上記した成分の他に、着色剤、可塑剤、結合材、界面活性剤、親水性ポリマー、酸化防止剤、無機微粒子、低分子親水性化合物等を含有してもよい。
本発明に係る感光層には、上記した成分の他に、着色剤、可塑剤、結合材、界面活性剤、親水性ポリマー、酸化防止剤、無機微粒子、低分子親水性化合物等を含有してもよい。
<着色剤>
着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
又、顔料の添加量としては、感光層の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
感光層は支持体への接着性を向上させるために可塑剤を含有することができる。
<可塑剤>
可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコール、ジメチルイソフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリンなどを挙げることができる。可塑剤の添加量は、感光層の全固形分に対し好ましくは約0〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。
可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコール、ジメチルイソフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリンなどを挙げることができる。可塑剤の添加量は、感光層の全固形分に対し好ましくは約0〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。
また、感光層を塗設する場合必要な界面活性剤などの塗布性改良剤を、本発明の性能を損わない範囲で、含有することができる。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
<結合材>
本発明においては、感光層は、上記のように本発明の樹脂単独でもよいが、各種の成分を担持するための結合材を含有してもよい。
本発明においては、感光層は、上記のように本発明の樹脂単独でもよいが、各種の成分を担持するための結合材を含有してもよい。
結合材としては、本発明の一般式(1)で表される部分構造(即ち、一般式(1)の構成単位)を与えるモノマーと共重合させうる他の共重合成分からなる単一重合体、または共重合体を用いることができる。
<界面活性剤>
本発明において、感光層には、現像性の促進および塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、感光層には、現像性の促進および塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
カチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
更に好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、感光層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
<親水性ポリマー>
感光層には、現像性の向上などのため、親水性ポリマーを含有させることができる。
感光層には、現像性の向上などのため、親水性ポリマーを含有させることができる。
親水性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
親水性ポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましい。親水性ポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよい。
親水性ポリマーの感光層への含有量は、感光層全固形分の20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
酸化防止剤の添加量は、感光層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<無機微粒子>
感光層は、画像部の硬化皮膜強度向上のために、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、感光層中に安定に分散して、感光層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
感光層は、画像部の硬化皮膜強度向上のために、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、感光層中に安定に分散して、感光層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、感光層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<低分子親水性化合物>
感光層は、現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有することができる。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩や、テトラエチルアミン塩酸塩等の有機4級アンモニウム塩等が挙げられる。
感光層は、現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有することができる。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩や、テトラエチルアミン塩酸塩等の有機4級アンモニウム塩等が挙げられる。
(塗布)
本発明に係る感光層は、感光層用の塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥して得られる。
本発明に係る感光層は、感光層用の塗布液を調製し、これを支持体上に塗布、乾燥して得られる。
塗布する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類:sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール等;エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等;ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等;エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等;が好ましく挙げられる。
塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤーバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることができる。
(支持体)
本発明に係る支持体は感光層を担持可能な板状体またはフィルム体であり、感光層が設けられる側に親水性表面を有する。
本発明に係る支持体は感光層を担持可能な板状体またはフィルム体であり、感光層が設けられる側に親水性表面を有する。
本発明の支持体として、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜をラミネートまたは蒸着したもの等が挙げられる。
また、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの等が使用できるが、アルミニウム支持体が好ましく使用される。
アルミニウム支持体の場合、純アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。又アルミニウム支持体は、保水性付与のため、表面を粗面化したものが用いられる。
粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
(保護層)
本発明に係る感光層の上側には、保護層を設けてもよい。
本発明に係る感光層の上側には、保護層を設けてもよい。
保護層を構成する素材として好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド、ポリビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。これらの化合物を単独又は2種以上併用し保護層塗布組成物とし用いることができる。特に好ましい化合物としてはポリビニルアルコールが挙げられる。
(平版印刷版の作製方法)
本発明の感光性平版印刷版材料は、画像露光の後、特にアルカリ性を有する現像液で現像することなく、酸性の水溶液で現像して平版印刷版を得ることができる。
本発明の感光性平版印刷版材料は、画像露光の後、特にアルカリ性を有する現像液で現像することなく、酸性の水溶液で現像して平版印刷版を得ることができる。
本発明の平版印刷版の作製方法としては特に、感光性平版印刷版材料を、レーザ光源により画像露光する工程、加熱処理する工程、酸性水溶液により露光部を除去する工程をこの順に行い平版印刷版を作製する態様が好ましい態様である。
<画像露光>
レーザ露光に用いられる光源としては、その発振波長が、350nm〜450nmである光源が好ましく用いられる。
レーザ露光に用いられる光源としては、その発振波長が、350nm〜450nmである光源が好ましく用いられる。
350nm〜450nmに発光波長を有する入手可能なレーザ光源としては例えば、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組合わせ(380nm〜450nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組合わせ(300nm〜350nm)、AlGaInN(350nm〜450nm)、その他にパルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)等が挙げられるが、半導体レーザが好ましく用いられる。
レーザの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザ露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザ光の移動を副走査とする。
円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザビームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。
平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザ光の主走査を行い、記録材料の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
<現像>
本発明の感光性平版印刷版材料は、pHが2.0から6.0の現像液を用いて、露光部分、すなわち非画像部の感光層を溶解、除去することにより現像を行われることを特徴とする。
本発明の感光性平版印刷版材料は、pHが2.0から6.0の現像液を用いて、露光部分、すなわち非画像部の感光層を溶解、除去することにより現像を行われることを特徴とする。
本発明に係る現像液は、pHが2.0から6.0である。特に水溶性高分子化合物と界面活性剤とを含有する溶液が好ましい。酸性水溶液は、上記成分などが溶解した均一溶液であってもよいし、上記成分などを分散状態で含有する分散液であってもよい。
水溶性高分子化合物としては従来より所謂ガム液に使用し得るとされるものであれば好適に使用できる。例えば、アラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
水溶性高分子化合物の含有量としては、1質量%〜30質量%が好ましく、特に3質量%〜20質量%が好ましい。
界面活性剤としてはアニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤が挙げられる。例えば、アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、ポリオキシエチレンアリールエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンナフチルエーテルスルホン酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミドニナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硝酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硝酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
又、ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等が挙げられる。その中でもポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が好ましく用いられる。
又、弗素系、シリコーン系のアニオン、ノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。これら界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば互いに異なる2種以上を併用することもできる。例えば互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の併用が好ましい。界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、好ましくは酸性水溶液の0.01〜20質量%である。
本発明に係る現像液には、上記成分の他、必要により、多価アルコール、アルコール及び脂肪族炭化水素を含有してもよい。多価アルコールの内、好ましい具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられ、アルコールとしては、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルキルアルコール、ペンジルアルコール、フェノキシエタノール及びフェニルアミノエチルアルコール等の芳香環を有するアルコールが挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等が挙げられる。これらの潤滑剤の含有量は、組成物中に0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜3.0質量%が適当である。
pHを上記範囲とするには、酸性水溶液中に鉱酸、有機酸又は無機塩等を添加して調節する。その添加量は0.01〜2質量%が好ましい。例えば鉱酸としては硝酸、硫酸、リン酸及びメタリン酸等が挙げられる。
又有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、フィチン酸及び有機ホスホン酸等が挙げられる。更に無機塩としては、硝酸マグネシウム、第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、ヘキサメタン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、有機酸又は無機塩等の少なくとも1種もしくは2種以上を併用してもよい。
本発明に係る現像液には、防腐剤、消泡剤等を添加することができる。
例えば防腐剤としてはフェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体等が挙げられる。
好ましい添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、使用時の版面保護剤に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましく、又種々のカビ、殺菌に対して効力のある様に2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
又、消泡剤としてはシリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可溶化等が何れも使用できる。好ましくは使用時の酸性水溶液に対して0.01〜1.0質量%の範囲が最適である。
本発明に係る現像液には、更にキレート化合物を添加してもよい。好ましいキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのナトリウム塩;エチレンジアミンジコハク酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩:ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩等の様な有機ホスホン酸類或いはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることが出来る。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代わりに有機アミンの塩も有効である。添加量としては本発明の現像液に対して0.001〜1.0質量%が適当である。
上記成分の他、必要により感脂化剤も添加することができる。例えばテレピン油、キシレン、トルエン、ローヘプタン、ソルベントナフサ、ケロシン、ミネラルスピリット、沸点が約120℃〜約250℃の石油留分等の炭化水素類、例えばジブチルフタレート、ジヘブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸ジエステル剤、例えばジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステル類、例えばエポキシ化大豆油等のエポキシ化トリグリセリド類、例えばトリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェート等のリン酸エステル類、例えば安息香酸ベンジル等の安息香酸エステル類等の凝固点が15℃以下で、1気圧下での沸点が300℃以上の可塑剤が含まれる。
更にカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ヘラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、イソ吉草酸等の飽和脂肪酸とアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、ニルカ酸、ブテシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸、イワシ酸、タリリン酸、リカン酸等の不飽和脂肪酸も挙げられる。
より好ましくは50℃において液体である脂肪酸であり、更に好ましくは炭素数が5〜25であり、最も好ましくは炭素数が8〜21である。これらの感脂化剤は1種もしくは2種以上併用することもできる。使用量として好ましい範囲は酸性水溶液の0.01〜10質量%、より好ましい範囲は0.05〜5質量%である。
本発明に係る現像液にて、露光部を除去した後は、乾燥することが好ましい。
乾燥時間は1〜5秒が好ましい。乾燥方式としては、温風ヒーター、遠赤外線ヒーターなど公知の乾燥方式を用いることができ、乾燥温度は55℃以上であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断りない限り、実施例中の「部」の表示は、「質量部」を表す。
実施例1
《支持体の作製》
厚さ0.30mm、幅1030mmのJIS A 1050アルミニウム板を用いて以下のように連続的に処理を行った。
《支持体の作製》
厚さ0.30mm、幅1030mmのJIS A 1050アルミニウム板を用いて以下のように連続的に処理を行った。
(a)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を0.3g/m2溶解した。その後スプレーによる水洗を行った。
(b)温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオン0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後スプレーで水洗した。
(c)60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。この時の電解液は、塩酸1.1質量%、アルミニウムイオン0.5質量%、酢酸0.5質量%含む。温度21℃であった。交流電源は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2msecの正弦波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。電流密度は実効値で、50A/dm2で、通電量は900C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(d)温度60℃の燐酸濃度20質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、10秒間デスマット処理を行い、その後スプレーによる水洗を行った。
(e)既存の二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一および第二電解部長各6m、第一給電部長3m、第二給電部長3m、第一及び第二給電電極長各2.4m)を使って電解部の硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度38℃で陽極酸化処理を行った。その後スプレーによる水洗を行った。
この時、陽極酸化装置においては、電源からの電流は、第一給電部に設けられた第一給電電極に流れ、電解液を介して板状アルミニウムに流れ、第一電解部で板状アルミニウムの表面に酸化皮膜を生成させ、第一給電部に設けられた電解電極を通り、電源に戻る。
一方、電源からの電流は、第二給電部に設けられた第二給電電極に流れ、同様に電解液を介して板状アルミニウムに流れ、第二電解部で板状アルミニウムの表面に酸化皮膜を生成させるが、電源から第一給電部に給電される電気量と電源から第二給電部に給電される電気量は同じであり、第二給電部における酸化皮膜面での給電電流密度は、約25A/dm2であった。第二給電部では、1.35g/m2の酸化皮膜面から給電することになった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。更に、スプレー水洗後、0.4質量%のポリビニルホスホン酸溶液中に30秒浸漬し、親水化処理した。温度は85℃であった。その後スプレー水洗し、赤外線ヒーターで乾燥した。この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
《本発明の感光性平版印刷版材料の作製》
上記支持体上に、下記組成の感光層塗工液を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し感光性平版印刷版材料試料1〜7を作製した。
上記支持体上に、下記組成の感光層塗工液を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し感光性平版印刷版材料試料1〜7を作製した。
(感光層塗工液)
本発明の樹脂(1)〜(5) 91.0部
N−n−ブチルアクリドン 6.0部
フタロシアニン顔料分散液MHI#454(御国色素(株)製) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(ダワノールPM、ダウ・ケミカル社製)
900部
[評価方法]
《感光性平版印刷版材料の露光・現像による平版印刷版の作製》
〈非画像部の汚れの発生耐性〉
上記の方法で作製した感光性平版印刷版材料試料を、黄色安全光の環境下で、405nmの光源を備えたプレートセッターNews(ECRM社製)を使用し、解像度1200dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。)、線数100LPIで、露光値(Exposure Value)250で露光を行った。
本発明の樹脂(1)〜(5) 91.0部
N−n−ブチルアクリドン 6.0部
フタロシアニン顔料分散液MHI#454(御国色素(株)製) 3.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル(ダワノールPM、ダウ・ケミカル社製)
900部
[評価方法]
《感光性平版印刷版材料の露光・現像による平版印刷版の作製》
〈非画像部の汚れの発生耐性〉
上記の方法で作製した感光性平版印刷版材料試料を、黄色安全光の環境下で、405nmの光源を備えたプレートセッターNews(ECRM社製)を使用し、解像度1200dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。)、線数100LPIで、露光値(Exposure Value)250で露光を行った。
露光後、引き続き赤色安全光の環境下で、730cm×600cmの大きさの各感光性平版印刷版材料試料を105℃で30秒間加熱処理したのち、下記組成の現像液1〜3を2L含むバットに、30秒浸漬しながら表面をスポンジでこすり、未露光部を完全に除去した。この操作を感光性平版印刷版材料試料30枚について行い、平版印刷版試料を得た。即ち、現像液1〜3の2Lで上記大きさの感光性平版印刷版材料30枚を処理した。尚、この処理の間、現像液の補充は特に行わなかった。
上記で得られた1枚目と30枚目の平版印版刷試料の非画像部の汚れの発生を目視観察し「非画像部の汚れの発生耐性」を表す指標として示す。
(現像液1)
白色デキストリン 5.0質量%
ヒドロキシプロピルエーテル化デンプン 10.0質量%
アラビアガム 1.0質量%
燐酸第1アンモン 0.1質量%
ジラウリルコハク酸ナトリウム 0.15質量%
ポリオキシエチレンナフチルエーテル 0.5質量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンのブロック共重合体(エチレンオキシド比50mol%、分子量5000) 0.3質量%
エチレングリコール 1.0質量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.005質量%
リン酸 (pH=3.0となる量を添加)
水 100質量%になる量
(現像液2)
現像液1の組成において、リン酸をpH=2.1になる量を添加したもの。
白色デキストリン 5.0質量%
ヒドロキシプロピルエーテル化デンプン 10.0質量%
アラビアガム 1.0質量%
燐酸第1アンモン 0.1質量%
ジラウリルコハク酸ナトリウム 0.15質量%
ポリオキシエチレンナフチルエーテル 0.5質量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンのブロック共重合体(エチレンオキシド比50mol%、分子量5000) 0.3質量%
エチレングリコール 1.0質量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.005質量%
リン酸 (pH=3.0となる量を添加)
水 100質量%になる量
(現像液2)
現像液1の組成において、リン酸をpH=2.1になる量を添加したもの。
(現像液3)
現像液1の組成において、リン酸をpH=5.8になる量を添加したもの。
現像液1の組成において、リン酸をpH=5.8になる量を添加したもの。
《印刷》
〈耐刷性〉
上記で得られた平版印刷版試料の1枚目と30枚目の平版印刷版を使用し、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(東洋インキ(株)製トーヨーキングハイエコーM紅)及び湿し水(東京インキ(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い印刷物試料を得た。印刷は5万枚を連続して行い、画像部のかすれが生じる枚数を耐刷性(耐刷力終点)を表す指標として示す。
〈耐刷性〉
上記で得られた平版印刷版試料の1枚目と30枚目の平版印刷版を使用し、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(東洋インキ(株)製トーヨーキングハイエコーM紅)及び湿し水(東京インキ(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い印刷物試料を得た。印刷は5万枚を連続して行い、画像部のかすれが生じる枚数を耐刷性(耐刷力終点)を表す指標として示す。
結果を、表1に示す。
表1から、明らかなように、本発明の感光性平版印刷版材料の場合には、「非画像部の汚れの発生耐性」に優れ(即ち、印刷時汚れを生ずることがなく、損紙が少ない、)、耐刷性、に優れ、本発明の感光性平版印刷版材料の場合には、現像でのランニング処理、印刷汚れ、耐刷力に問題がなく、優れていることがわかる。
また、通常のアルカリ現像で必要とされる現像液の補充がなくとも、現像性の劣化の問題が生じず、現像液の管理の手間が不要であることが確認された。
本発明によれば、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供できることがわかる。
即ち、本発明によれば、現像液としてアルカリ溶液を用いることがないので、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても、印刷時汚れを生ずることのない、安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供できることがわかる。
《比較の感光性平版印刷版材料の作製》
下記の如くにして、[特許文献3]:特開2007−34215号公報の記載に準じて比較の感光性平版印刷版材料H−1を作製する。
下記の如くにして、[特許文献3]:特開2007−34215号公報の記載に準じて比較の感光性平版印刷版材料H−1を作製する。
即ち、上記支持体上に、下記組成の比較の感光層塗布液1を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し、この上に下記組成よりなる比較の保護層塗布液1を、乾燥塗布量が0.75g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して、比較の感光性平版印刷版材料H−1を作製した。
<比較の感光層塗布液1>
下記のバインダーポリマー(1)(平均分子量8万) 0.54g
重合性化合物:イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−315) 0.40g
重合性化合物:エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、SR9035、EO付加モル数15、分子量1000) 0.08g
下記の増感色素(A) 0.06g
下記の重合開始剤(A) 0.18g
下記の共増感剤(A) 0.07g
ε−フタロシアニン顔料の分散物:(顔料:15質量部、分散剤としてバインダーポリマー(1):10質量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
0.40g
熱重合禁止剤:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
0.01g
下記の水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(旭電化工業(株)製、プルロニックL44) 0.04g
テトラエチルアミン塩酸塩 0.01g
1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
メチルエチルケトン 8.0g
下記のバインダーポリマー(1)(平均分子量8万) 0.54g
重合性化合物:イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート(東亞合成(株)製、アロニックスM−315) 0.40g
重合性化合物:エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、SR9035、EO付加モル数15、分子量1000) 0.08g
下記の増感色素(A) 0.06g
下記の重合開始剤(A) 0.18g
下記の共増感剤(A) 0.07g
ε−フタロシアニン顔料の分散物:(顔料:15質量部、分散剤としてバインダーポリマー(1):10質量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
0.40g
熱重合禁止剤:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
0.01g
下記の水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(旭電化工業(株)製、プルロニックL44) 0.04g
テトラエチルアミン塩酸塩 0.01g
1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
メチルエチルケトン 8.0g
<比較の保護層塗布液1>
ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 40g
ポリビニルピロリドン(分子量5万) 5g
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 0.5g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5g
水 950g
[評価方法]
上記のようにして作製した比較の感光性平版印刷版材料H−1を上記本発明の感光性平版印刷版材料の場合と同様にして評価した。
ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 40g
ポリビニルピロリドン(分子量5万) 5g
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))分子量7万 0.5g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5g
水 950g
[評価方法]
上記のようにして作製した比較の感光性平版印刷版材料H−1を上記本発明の感光性平版印刷版材料の場合と同様にして評価した。
結果を、表2に示す。
表2から、明らかなように、[特許文献3]:特開2007−34215号公報に記載の技術(上記の比較の感光性平版印刷版材料を中性から弱酸性の現像液で処理する。)の場合には、本発明の場合よりも、「非画像部の汚れの発生耐性」に劣り(即ち、印刷時汚れを生じ、損紙が多い。)、耐刷性にも劣っていることがわかる。
即ち、前記の如く、近年、現像液を中性から弱酸性にすることで、pHの管理が不要、または簡便となるシステムが提案されている(特許文献1〜5参照)。しかしながら、これらのシステムにおいて作製される平版印刷版は、印刷作業に供された場合、インキの着肉がこれまでのアルカリ現像システムによって供される平版印刷版に比較して劣り、正常なインキ濃度の印刷物が得られるまでに必要な印刷枚数が多く、所謂ヤレ紙と称される損紙が大量に発生するなどの不都合があったことがわかる。
一方、上記、本発明の感光性平版印刷版材料の場合から明らかなように、本発明によれば、「非画像部の汚れの発生耐性」に優れ(即ち、印刷時汚れを生ずることがなく、損紙が少ない。)、耐刷性に優れ、本発明の感光性平版印刷版材料の場合には、現像でのランニング処理、印刷汚れ、耐刷力に問題がなく、優れていることがわかる。
また、通常のアルカリ現像で必要とされる現像液の補充がなくとも、現像性の劣化の問題が生じず、現像液の管理の手間が不要であることが確認された。
本発明によれば、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供できることがわかる。
即ち、本発明によれば、現像液としてアルカリ溶液を用いることがないので、環境面での負荷が少なく、多量に処理を行っても、印刷時汚れを生ずることのない、安定した印刷性能を有する平版印刷版を与える感光性平版印刷版材料およびそれを用いた平版印刷版の作製方法を提供できることがわかる。
Claims (5)
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料に、350nm〜450nmの間に発信波長を有するレーザを用いて非画像部にあたる部分に露光したのち、pHが2.0〜6.0の現像液を用いて、露光部分、すなわち非画像部、の感光層を溶解、除去することにより現像を行うことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008099457A JP2009251293A (ja) | 2008-04-07 | 2008-04-07 | 感光性平版印刷版材料および平版印刷版の作製方法 |
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JP2008099457A JP2009251293A (ja) | 2008-04-07 | 2008-04-07 | 感光性平版印刷版材料および平版印刷版の作製方法 |
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