JP2009250345A - ねじ装置及びそのナットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじ軸又はナットの交換が可能であり、エッジロードが発生するのを防止できるねじ装置を提供する。
【解決手段】本発明のねじ装置は、外周面に螺旋状の転動体転走溝1aが形成されるねじ軸1と、内周面にねじ軸1の転動体転走溝1aに対向する螺旋状の負荷転動体転走溝2aが形成されるナット2と、ねじ軸1の転動体転走溝1aとナット2の負荷転動体転走溝2aとの間に介在される複数の転動体3と、を備える。ナット2からねじ軸1を抜いたとき、ナット2から複数の転動体3が脱落しないように、ナット2の負荷転動体転走溝2aの両側の縁4が転動体3を抱え込む。
【選択図】図4
【解決手段】本発明のねじ装置は、外周面に螺旋状の転動体転走溝1aが形成されるねじ軸1と、内周面にねじ軸1の転動体転走溝1aに対向する螺旋状の負荷転動体転走溝2aが形成されるナット2と、ねじ軸1の転動体転走溝1aとナット2の負荷転動体転走溝2aとの間に介在される複数の転動体3と、を備える。ナット2からねじ軸1を抜いたとき、ナット2から複数の転動体3が脱落しないように、ナット2の負荷転動体転走溝2aの両側の縁4が転動体3を抱え込む。
【選択図】図4
Description
本発明は、ねじ軸の外周面に形成された螺旋状の転動体転走溝とナットの内周面に形成された螺旋状の負荷転動体転走溝との間に、転がり運動可能に複数の転動体を介在させたねじ装置、及びねじ装置のナットの製造方法に関する。
ボールねじは、ねじ軸のボール転走溝とナットの負荷ボール転走溝とを同一位置に合わせ、それで生じた溝の中に複数のボールを入れ、ナットにボールを循環させるための循環部材を取り付けたものである。ナットに対してねじ軸を相対的に回転させると、これらの間に介在されるボールが転がり運動する。ねじ軸とナットとの間に複数のボールを介在させることで、ナットに対してねじ軸を回転させる際の摩擦を低減できるという利点がある。
ところで、ボールスプラインにおいては、スプライン軸に対してスプライン外筒を交換できる製品が開発されている。スプライン外筒には、ボールが脱落しないように保持される。ボールねじにおいても、ねじ軸及びナットのいずれか一方のみを交換できる製品が望まれている。もし、ねじ軸及びナットのいずれか一方のみを交換できれば、ボールねじを機械装置に組み付けたまま壊れたねじ軸又はナットを交換することができる。
しかし、ナットからねじ軸を抜いたとき、又はねじ軸からナットを外したとき、ねじ軸とナットとの間に介在されるボールが脱落しては、ねじ軸又はナットを交換することが困難なものとなる。ボールの脱落を防止するため、特許文献1には、ナットの内面にボールを保持する円筒状の保持器を取り付けたボールねじが開示されている。保持器には、ナットの負荷ボール転走溝に対向する螺旋状のスリットが形成される。保持器のスリットの両側の縁がボールを抱え込んでボールが脱落するのを防止する。
特開平6−288458号公報
しかし、特許文献1に記載のボールねじにあっては、保持器の肉厚の分だけ、ナットの肉厚が薄くなり、ナットの内周面に形成される負荷ボール転走溝の深さも浅くなってしまう。負荷ボール転走溝の深さが浅くなると、ボールに荷重がかかったとき、ボールと負荷ボール転走溝との接触面積が増え、ボールにエッジロードが発生するおそれがある。すなわち、ボールが負荷ボール転走溝の縁に乗り上げ、ボールに局所的な大きな荷重が作用するおそれがある。ボールにエッジロードが作用するとボールの寿命に悪影響を及ぼすので、ボールねじの使用範囲が、エッジロードが発生しない負荷荷重の小さい範囲に限られてしまう。
しかも、特許文献1に記載のボールねじにあっては、ナットに保持器を取り付けるのにあたって、取り付けるための孔や溝を加工し、ねじや止め輪を用いてナットに保持器を取り付ける必要があるので、ナットの組立てが複雑になるという問題もある。
そこで本発明は、ねじ軸又はナットの交換が可能であり、エッジロードが発生しにくいねじ装置及びそのナットの製造方法を提供することを目的とする。
以下、本発明について説明する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸と、内周面に前記ねじ軸の転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されるナットと、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝との間に介在される複数の転動体と、を備え、前記ナットから前記ねじ軸を抜いたとき、前記ナットから前記複数の転動体が脱落しないように、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁が前記転動体を抱え込むねじ装置である。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸と、内周面に前記ねじ軸の転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されるナットと、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝との間に介在される複数の転動体と、を備え、前記ナットから前記ねじ軸を抜いたとき、前記ナットから前記複数の転動体が脱落しないように、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁が前記転動体を抱え込むねじ装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のねじ装置において、前記転動体はボールであり、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の深さは、前記ボールの半径よりも深く、かつ、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁の間の幅は、前記ボールの直径よりも小さいことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のねじ装置において、前記ナットは、ロウで前記ナットのワックスモデルを作成するワックスモデル作成工程と、前記ナットの前記ワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材を塗布して鋳型を作成する鋳型作成工程と、 前記鋳型の内部のロウを熱で溶かして取り除くロウ除去工程と、前記鋳型の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む注湯工程と、前記鋳型を取り除く鋳型除去工程と、を経て製造されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のねじ装置において、前記ワックスモデル作成工程は、前記ナットの前記ワックスモデルを軸線に沿って二分割した一対の原型半体を金型で成形する原型半体成形工程と、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁に対応する螺旋状の原型部品を金型で成形する原型部品成形工程と、前記一対の原型半体と前記原型部品とを結合する結合工程と、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸と、内周面に前記ねじ軸の転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されるナットと、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝との間に介在される複数の転動体と、を備え、前記ねじ軸から前記ナットを外したとき、前記ねじ軸から前記複数の転動体が脱落しないように、前記ねじ軸の前記転動体転走溝の両側の縁が前記転動体を抱え込むねじ装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のねじ装置において、前記転動体はボールであり、前記ねじ軸の前記転動体転走溝の深さは、前記ボールの半径よりも深く、かつ、前記ねじ軸の前記転動体転走溝の両側の縁の間の幅は、前記ボールの直径よりも小さいことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のねじ装置において、前記ねじ軸は、ロウで前記ねじ軸のワックスモデルを作成するワックスモデル作成工程と、前記ねじ軸の前記ワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材を塗布して鋳型を作成する鋳型作成工程と、前記鋳型の内部のロウを熱で溶かして取り除くロウ除去工程と、前記鋳型の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む注湯工程と、前記鋳型を取り除く鋳型除去工程と、を経て製造されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸と、内周面に前記ねじ軸の転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されるナットと、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝との間に介在される複数の転動体と、を備えるねじ装置のナットの製造方法において、前記ナットから前記ねじ軸を抜いたとき、前記ナットから前記複数の転動体が脱落することなく、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁で前記転動体を抱え込むことができるように、ロウで前記ナットのワックスモデルを作成するワックスモデル作成工程と、前記ナットの前記ワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材を塗布する鋳型作成工程と、前記鋳型の内部のロウを熱で溶かして取り除くロウ除去工程と、前記鋳型の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む注湯工程と、前記鋳型を取り除く鋳型除去工程と、を備えるねじ装置のナットの製造方法である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のねじ装置のナットの製造方法において、前記ワックスモデル作成工程は、前記ナットの前記ワックスモデルを軸線に沿って二分割した一対の原型半体を金型で成形する原型半体成形工程と、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁に対応する螺旋状の原型部品を金型で成形する原型部品成形工程と、前記一対の原型半体と前記原型部品とを結合する結合工程と、を備えることを特徴とする。
ナットの負荷転動体転走溝の両側の縁が転動体を抱え込み保持するので、ナットからねじ軸を抜いてもナットから転動体が脱落することがない。このため、ナット又はねじ軸を交換することが容易になる。また、ナットの負荷転動体転走溝の形状自体が転動体を抱え込む形状になっているので、転動体がナットの負荷転動体転走溝の縁に乗り上げてエッジロードが発生するおそれもなくなるし、ナットに転動体を保持するための保持器を取り付ける必要もなくなる。
ねじ軸の転動体転走溝の両側の縁が転動体を抱え込み保持するので、ねじ軸からナットを外してもねじ軸から転動体が脱落することがない。このため、ナット又はねじ軸を交換することが容易になる。また、ねじ軸の転動体転走溝の形状自体が転動体を抱え込む形状になっているので、転動体がナットの転動体転走溝の縁に乗り上げてエッジロードが発生するおそれもなくなるし、ねじ軸に転動体を保持するための別部材の取り付ける必要もなくなる。
図1は、本発明の第一の実施形態のボールねじ(ねじ装置)の斜視図を示す。ボールねじは、外周面に転動体転走溝として螺旋状のボール転走溝1aが形成されたねじ軸1と、内周面にボール転走溝1aに対向する負荷ボール転走溝として螺旋状の負荷ボール転走溝2a(図3参照)が形成されるナット2と、を備える。ねじ軸1のボール転走溝1aとナット2の負荷ボール転走溝2aとの間の負荷転走路には、転動体として複数のボール3(図3参照)が転がり運動可能に配列される。
図2及び図3は、ねじ軸1から外したナット2を示す。図2はナット2の斜視図を、図3はナット2の断面図を示す。ナット2の外周には、機械部品に取り付けるためのフランジ2bが形成される。ナット2には、ねじ軸1が貫通する貫通穴が形成され、この貫通穴によってナットには、円筒の内周面2cが形成される。ナット2の内周面2cには、所定のリードを持つ螺旋状の負荷ボール転走溝2aが形成される。負荷ボール転走溝2aは、ナット2の軸線方向の一方の端面から他方の端面まで至る。ボール3は負荷ボール転走溝2aの全長に配列・収容されるか、又は負荷ボール転走溝2aの一部(負荷ボール転走溝2aの一巻き又は数巻き)にのみ配列・収容される。この実施形態のボールねじは、循環構造を持たない有限ストロークのボールねじである。ナット2の材質は特に限定されるものではなく、鋼等の金属でも樹脂でもよい。
ねじ軸1のボール転走溝1aとナット2の負荷ボール転走溝2aとの間に挟まれるボール3は、その中心が螺旋状のボール中心線軌道2d(BCD:ball circular diameter)に沿って移動する。図2及び図3中、一転鎖線が螺旋状のボールの中心線軌道2d(BCD:ball circular diameter)を示す。
図4は、図3のIV部詳細図を示す。ナット2の負荷ボール転走溝2aは、ナット2からねじ軸1を抜いてもボール3が脱落しないように、ボール3を抱え込み保持する形状に形成される。ナット2からねじ軸1を抜いたとき、ナット2の負荷ボール転走溝2aの両側の縁4(負荷ボール転走溝の開口端)がボール3を抱え込む。負荷ボール転走溝2aの両側の縁4は、負荷ボール転走溝2aを構成する他の部分(例えば底部)と同じ材質で一体に形成される。
図5は、ナット2の負荷ボール転走溝2aの溝直角断面形状(負荷ボール転走溝2aが伸びる方向と直交する面内での断面形状)を示す。図5(B)が本実施形態の負荷ボール転走溝2aの断面形状を示し、図5(A)が比較例である従来の負荷ボール転走溝5の断面形状を示す。図5(B)に示されるように、負荷ボール転走溝2aの深さD(負荷ボール転走溝2aの底から開口端までの距離)は、ボール3の半径よりも深い。言い換えれば、負荷ボール転走溝2aの両側の縁4は、ボール3の中心線軌道2dよりもナット2の内側(図5(B)では上側)に配置される。そして、負荷ボール転走溝2aの両側の縁4の間の幅Wは、ボール3の直径よりも小さい。したがって、負荷ボール転走溝2aは、ボールの周囲の50%を超える範囲を囲む。
負荷ボール転走溝2aの断面形状は、ボール3と負荷ボール転走溝2aとが一点で接触する、単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状に形成されるか、又はボール3と負荷ボール転走溝2aとが二点で接触する、二つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝形状に形成される。いずれの場合でも、負荷ボール転走溝2aの曲率半径はボール3の半径よりもわずかに大きい。
図5(A)に示されるように、ナット2の内周面にボールが落下するのを防止する保持器7を取り付けた場合、保持器7の厚みの分だけ負荷ボール転走溝5の深さも浅くならざるを得ない。負荷ボール転走溝5の深さが浅いと、ボール3に荷重がかかったとき、ボール3と負荷ボール転走溝5との接触面積が増え、ボール3が負荷ボール転走溝5の縁5aに乗り上げ、ボール3にエッジロードが発生するおそれがある。これに対し、図5(B)に示されるように、ナット2の負荷ボール転走溝2aの形状自体がボールを抱え込む形状になっていれば、ボール3がナット2の負荷ボール転走溝2aの縁に乗り上げることはなく、したがってエッジロードが発生するおそれもなくなる。
図6は、ナット2にねじ軸1を挿入したボールねじの断面図を示す。ナット2の軸線方向の両端面には、凹部8が形成される。凹部8には、ボール3が負荷ボール転走溝2aに沿って移動するのを止めるストッパ9、及びねじ軸1とナット2との間のすきまをシールするシール部材10が設けられる。本実施例の組み立て工程を説明する。まず、ボール3はナット2の軸線方向の端面から負荷ボール転走溝2a内に詰められる。ボール3を負荷ボール転走溝2a内に詰めた後、ナット2の軸線方向の端面に開口する負荷ボール転走溝2aはストッパ9で塞がれる。ストッパ9は、ナット2の軸線方向の端面に開口する負荷ボール転走溝2aからのボール3の飛び出しを防止する。その後、ナット2にねじ軸1を挿入する。
ボール3がナット2の負荷ボール転走溝2aの一部に配列・収容されている場合、ナット2に対してねじ軸1を相対的に回転させると、ボール3がねじ軸1のボール転走溝1aとナット2の負荷ボール転走溝2aとの間を転がり運動する。図6では、負荷ボール転走溝2aの左半分に充填されたボール3が負荷ボール転走溝2aの右半分の空間へ移動する。ボール3はストッパ9に当たるまで負荷ボール転走溝2aを移動する。ボール3は転がり運動するので、ナット2に対してねじ軸1を回転させる際の摩擦を低減できる。ボール3がストッパ9に当たった後、さらにねじ軸1を回転させると、ボール3はすべりを伴いながらナット2内で自転する。
ボール3がナット2の負荷ボール転走溝2aの全長に配列・収容されている場合、ねじ軸1をナット2に対して相対的に回転させると、ボール3はナット2に対する相対的な位置を変化させることなく、ナット2内ですべりを伴いながら自転する。ボール3の自転によって、ナット2に対してねじ軸1を回転させる際の摩擦を低減できる。
図7は、ナットの製造工程図を示す。ナットはロストワックス法を用いた以下の工程を経て製造される。まず、ロウでナットのワックスモデルを作成する。ワックスモデルは完成品のナットと同一の形状に作成される。ワックスモデルは、図8ないし図10に示されるワックスモデルを軸線に沿って二分割された原型半体11と、図11に示されるナット2の負荷ボール転走溝2aの両側の縁4に対応する螺旋状の原型部品12と、から構成される。原型半体11及び原型部品12のいずれも金型13a,13b又は14a,14b14cで成形される(S1)。負荷ボール転走溝2aの両側の縁4はアンダーカットになっているので、金型で成形することができない。このため、負荷ボール転走溝2aの両側の縁4に対応する螺旋状の原型部品12が必要になる。螺旋状の原型部品12を成形するにあたっては、上型14aと下型14bの他に円柱状のスライド金型14cが必要になる。
次に、図12に示されるように、一対の原型半体11と原型部品12を組み立ててワックスモデルを作成する(S2)。図12には、一つの原型半体11と原型部品12を結合させた状態が示されている。ワックスモデルの形状は、最終的なナット2の形状と等しい。図12では、内側の原型部品12がボール3を抱え込む形状に示されていないが、実際には内側の原型部品12は、外側の原型半体11と協働してボール3を抱え込む形状に形成される。図13の(a)は、負荷ボール転走溝2aに対応する原型半体11の部分断面図を示し、図13の(b)は、原型半体11に原型部品12を結合させた状態を示す。原型部品12は原型半体11と協働してボール3を抱え込む形状を形成する。
次に、ワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材、コーティング材を塗布し、乾燥させて、鋳型を作成する(S3)。ワックスモデルの周囲は鋳型15で覆われる(図13(c)参照)。
次に、鋳型15の内部のロウを熱で溶かして取り除く(S4)。そして、鋳型15を高温で焼き固めて(焼成して)、鋳型15に強度を持たせる(S5)。
次に、鋳型15の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む(S6)。溶融金属が固まった後、鋳型15を除去する(S7)。最後に必要に応じて後処理を施す(S8)。後処理として、例えばナット2の負荷ボール転走溝2aに研削加工を施してもよい。研削加工によって負荷ボール転走溝2aの表面粗さを低減することができれば、ボールねじを精密にしたり、ボールねじの寿命を延ばしたり、負荷荷重を向上したりすることができる。こうして、図13(d)に示されるナットを製作することができる。
ロストワックス法を用いれば、アンダーカットになる負荷ボール転走溝2aを容易に製造することが可能になる。収縮率を考慮してワックスモデルを作成すれば、複雑な形状のナットを一体化して鋳造する事が出来るため、機械加工の行程を減らすことができ、コストダウンを図れる。
図14ないし図21は、本発明の第二の実施形態のボールねじを示す。図14はナットの一部を切り欠いたボールねじの斜視図を示す。なお、この図14には、ねじ軸21とナット22との間に配列されたボール23の一部のみが示されている。
ねじ軸21の外周面には、所定のリードを持つ二条の螺旋状のボール転走溝21a,21bが形成される。ボール転走溝21a,21bの溝直角断面形状は、単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状、又は二つの円弧からなるゴシックアーチ溝形状に形成される。ねじ軸21の外周面において、互いに隣接するボール転走溝21aとボール転走溝21bとの間には、ねじ軸の山部21cが形成されている。
図15及び図16はナット22の断面図を示す。ナット22はねじ軸21が挿通される貫通孔を有して略円筒状に形成されている。ナット22の内周面24には、ねじ軸21のボール転走溝21a,21bと対向する二条の螺旋状の負荷ボール転走溝22a,22bが形成される。負荷ボール転走溝22a,22bの溝直角断面形状は、サーキュラーアーク溝形状又はゴシックアーチ溝形状に形成される。
負荷ボール転走溝22a,22bの両側の縁26は、図4に示される負荷ボール転走溝2aと同様に、ナット22からねじ軸21を抜いたとき、ナット22からボール23が脱落しないようにボール23を抱え込む。負荷ボール転走溝22a,22bの深さは、ボール23の半径よりも深く、負荷ボール転走溝22a,22bの幅は、ボール23の直径よりも小さい。負荷ボール転走溝22a,22bがアンダーカットになるので、ナット22は第一の実施形態のボールねじのナット2と同様にロストワックス法によって製造される。
上述のように、ナット22の内周面には、二条の螺旋状の負荷ボール転走溝22a,22bが形成される。ナット22の内周面には、二条の螺旋状の負荷ボール転走溝22a,22bに沿って(一定の距離を開けて)二条の無負荷ボール戻し溝27a,27bが形成される。無負荷ボール戻し溝27a,27bの深さは、負荷ボール転走溝22a,22bよりも深く、無負荷ボール戻し溝27a,27bの幅は、ボール3の直径よりも僅かに大きい。ボール3は無負荷ボール戻し溝27a,27b内で荷重を負荷することはなく、後続のボール3に押されながら無負荷ボール戻し溝27a,27bを移動する。
無負荷ボール戻し溝27aは負荷ボール転走溝22aと一対をなしていて、無負荷ボール戻し溝27bは負荷ボール転走溝22bと一対をなしている。ナット22の内周面には、負荷ボール転走溝22a、無負荷ボール戻し溝27a、負荷ボール転走溝22b、無負荷ボール戻し溝27bが軸方向に順番に形成される。無負荷ボール戻し溝27a,27bは、ねじ軸21のボール転走溝21aとボール転走溝21bとの間の山部21cに対向する。無負荷ボール戻し溝27a,27b内に配列・収容されるボール23は、ねじ軸21の山部21cに接し、これにより無負荷ボール戻し溝27a,27b内にボール23が保持される。すなわち、無負荷ボール戻し溝27a,27bとねじ軸21の山部21cとの協働により、無負荷ボール通路が構成される。
ナット22の内周面には、その軸方向の両端付近に略U字形の方向転換溝28が形成されている。一対の方向転換溝28は、負荷ボール転走溝22aの長さ方向の両端部と無負荷ボール戻し溝27aの両端部とを接続する。二条の負荷ボール転走溝22a,22b及び無負荷ボール戻し溝27a,27bが形成された本実施形態では、合計四箇所に方向転換溝28が形勢される。なお、ナット22の負荷ボール転走溝22a,22bが二条ではなく、一条の場合には、方向転換溝28はナットの内周面の二箇所に形成されることになる。
この方向転換溝28は負荷ボール転走溝22a,22bの端部から無負荷ボール戻し溝27a,27bの端部まで段差なく連続的に形成されており、負荷ボール転走溝22a,22bの端部から無負荷ボール戻し溝27a,27bの端部へ接近するにつれて徐々に深くなるように形成されている。図17は、負荷ボール転走溝22aを転動し終えたボール23が方向転換溝28に進入し、かかる方向転換溝28に誘導されてねじ軸21のボール転走溝21aから離脱する様子を示す。負荷ボール転走溝22aを転動するボール23は、かかる負荷ボール転走溝22aと方向転換溝28との接続部位に到達すると、方向転換溝28の深さが徐々に深くなることから、次第に荷重から解放される。荷重から解放されたボール23は後続のボール23に押されるようにしてそのままねじ軸21のボール転走溝21a内を進行する。このとき、方向転換溝28がボール23をボール転走溝21aの側方へ寄せていくので、かかるボール23はボール転走溝21aを這い上がり、ねじ軸21の山部21cにまで持ち上げられる。そして、ナット22の方向転換溝28に完全に収容される。方向転換溝28は略U字状の軌道を有していることから、方向転換溝28内に収容されたボール23はその移動方向を反転させ、無負荷ボール戻し溝27aに進入する。ボール23は、無負荷ボール戻し溝27aでは、負荷ボール転走溝22aとは逆の方向に移動する。この無負荷ボール戻し溝27aにおいてボール23は無負荷状態であり、後続のボール23に押されるようにして無負荷ボール戻し溝27aを移動する。無負荷ボール戻し溝27aを通過したボール23は、方向転換溝28で再び進行方向を反転させ、負荷ボール転走溝22a内に進入する。ボール23がねじ軸21のボール転走溝21aとナット22の負荷ボール転走溝22aとの間の負荷ボール転走路に進入するとき、ボール23はねじ軸21の山部21cからボール転走溝21aに這い降りる。方向転換溝28と負荷ボール転走溝22aとの接続部位において負荷ボール転走溝22aの深さが徐々に浅くなると、ボール23の荷重状態が無負荷から負荷へ移行する。
このボールねじでは、方向転換溝28がナット22の負荷ボール転走溝22a,22bの端部と無負荷ボール戻し溝27a,27bの端部とを接続することにより、閉ループの無限循環路が構成される。
図18は方向転換溝及びその前後におけるボールの軌道を示した平面図である。領域Aは負荷ボール転走路におけるボールの軌跡を示す。この領域Aにおいて、ボール23はねじ軸21のボール転走溝21aとナット22の負荷ボール転走溝22aとの間で荷重を受けながら転がり運動する。領域Eは、無負荷ボール戻し溝27aにおけるボール23の軌跡を示す。領域Eにおいて、ボール23はねじ軸21の山部21cとナット22の無負荷ボール戻し溝27aとの間を無負荷状態で移動する。領域B,C及びDは、方向転換溝28におけるボールの軌跡を示す。領域B及びDの軌跡は所定曲率の曲線状に形成され、領域Cの軌跡は領域B及びDの曲線状軌跡と滑らかに繋がる直線状に形成される。領域Bはねじ軸21のボール転走溝21aからボール23を離脱させるボール偏向領域である。領域Dはねじ軸21の山部21cに乗り上げたボール23を無負荷ボール戻し溝27aに導くボール旋回領域である。領域Cはボール偏向領域Bとボール旋回領域Dを接続するボール受け渡し領域である。
図19は、無限循環路をねじ軸21の周囲に模式的に表した図である。網点の領域は無負荷ボール戻し溝27a,27b及び方向転換溝28から構成される無負荷ボールの軌道50を、縞模様の領域は負荷ボール転走溝22a,22bによって構成される負荷ボールの軌道51を表す。この図に表されるように、本発明のボールねじでは、負荷ボールの軌道51と無負荷ボールの軌道50が多条ねじの如くねじ軸21の周囲に形成されている。なお、図19はねじ軸21のボール転走溝21a,21bが二条ねじとして形成されている場合を示している。ねじ軸21のボール転走溝21aが一条のみの場合には、ねじ軸21の周囲に形成されるボール23の無限循環路は図20のようになる。
以上のように構成されたボールねじにおいては、ナット22の無負荷ボール戻し溝27a,27bが、ねじ軸21の隣接するボール転走溝21aとボール転走溝21bとの間の山部21cと対向する。隣接するボール転走溝21aとボール転走溝21bとの間隔、すなわち前記山部21cの幅はボール23の直径よりも大きいことが必要であるから、本実施形態のボールねじは大リードのボールねじに好適である。
ナット22の内周面に負荷ボール転走溝22a,22b、無負荷ボール戻し溝27a,27b及び方向転換溝28を形成することで、循環部材を装着しなくても、ナット22に無限循環路を形成することができる。ねじ軸21、ナット22及びボール23の三部品でボールねじを構成することができるので、部品点数を削減することができる。
図21は本発明の第三の実施形態のボールねじを示す。ナット32にボール33を抱え込む形状の負荷ボール転走溝32aが形成される点は、上記第一及び第二の実施形態のボールねじと同様である。この実施形態では、ナット32の負荷ボール転走溝32aとねじ軸31のボール転走溝31aとの間を転がるボール33を循環部材であるリターンパイプ34で循環させている。リターンパイプ34には、負荷ボール転走溝32aの一端と他端を接続する無負荷ボール戻し路35が形成される。
図22ないし図24は、本発明の第四の実施形態のボールねじのねじ軸を示す。上記第一から第三の実施形態のボールねじにおいては、ナットの負荷ボール転走溝がボールを抱え込む形状に形成されている。これに対して、本実施形態のボールねじにおいては、ねじ軸41のボール転走溝41aがボールを抱え込む形状に形成される。そして、ねじ軸41からナットを外したとき、ねじ軸41から複数のボールが脱落しないように、ねじ軸41のボール転走溝41aの両側の縁42がボールを抱え込む。
図22はねじ軸41の斜視図を示す。ねじ軸41の外周面には、負荷転動体転走溝として螺旋状のボール転走溝41aが形成される。ねじ軸41のボール転走溝41aはボールを抱え込むことができるように深溝に形成される。図23はねじ軸41の断面図を示し、図24は図23のIIXIV部詳細図を示す。ねじ軸41のボール転走溝41aの深さDは、ボール43の半径よりも深い。また、ねじ軸41のボール転走溝41aの両側の縁42の間の幅Wは、ボール43の直径よりも小さい。
ねじ軸41のボール転走溝41aはアンダーカットになるので、ねじ軸41はロストワックス法によって製造される。具体的には、ねじ軸31は、ロウでねじ軸のワックスモデルを作成するワックスモデル作成工程と、ねじ軸31のワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材を塗布する鋳型作成工程と、鋳型の内部のロウを熱で溶かして取り除くロウ除去工程と、鋳型の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む注湯工程と、鋳型を取り除く鋳型除去工程と、を経て製造される。
ボール43はねじ軸41の軸線方向の端面からボール転走溝41a内に詰められる。ねじ軸41の軸線方向の両端には、ボール43がボール転走溝41aに沿って移動するのを止めるストッパ(図示せず)が設けられる。この実施形態のねじ軸41には、ボールを循環させるためのボール戻し路が形成されていない。このため、ねじ軸41はナットのストロークが有限のボールねじに使用される。
図25及び図26は、本発明の第五の実施形態のボールねじのねじ軸61を示す。この実施形態のねじ軸61は、第四の実施形態のねじ軸と同様に、ボール転走溝61aがボールを抱え込む形状に形成される。すなわち、ねじ軸41からナットをはずしたとき、ボール転走溝61aの両側の縁62がねじ軸61からボール63が脱落するのを防止する。
この実施形態では、ねじ軸61にボール63を循環させるためのボール戻し路が形成される。ボール戻し路は、ねじ軸61の軸線方向に伸びる転動体戻し穴であるボール戻し穴64と、ボール戻し穴64の軸線方向の両端部とボール転走溝61aの長さ方向の両端部とを接続する一対の連結穴65とから構成される。連結穴65はボール戻し穴64から半径方向にねじ軸61の外周面まで伸びる。ボール戻し穴64及び連結穴65は、例えばドリルによる穴加工によって形成される。ボール戻し穴64の両端部は一対のプラグ67で塞がれる。
ねじ軸61の外周面の螺旋状のボール転走溝61aを転がるボール63は、連結穴65からねじ軸61の中心に向かって落ち込む。その後、ねじ軸61の中心に開けられたボール戻し穴64に進入し、ボール戻し穴64を経由した後、反対側の連結穴65からねじ軸61の外周面のボール転走溝61aに戻される。ボール63の循環ができるように、ボール転走溝61a及びボール戻し路はボール63で満たされている。
ナットでボールを循環させる場合、ナットに循環部材の取付けのための孔を加工したり、ナットの負荷ボール転走溝に負荷域から無負荷域にスムーズにボールを移行させるための面取りを施したりする必要がある。ねじ軸61でボールを循環させることで、ナットの加工が容易になる。
なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な実施形態に具体化できる。例えば、転動体にはボールの替わりにローラを用いることができる。
ナットの負荷ボール転走溝、及びねじ軸のボール転走溝は、ロストワックス法の替わりに切削加工によって形成されてもよい。この場合、切削工具にはアンダーカットに適した特殊な工具が使用される。
ナットをロストワックス法によって製造する際、ナットのワックスモデルを幾つかのロウ部品に分けずに、一部品から作成してもよい。この場合、負荷ボール転走溝に対応する部分がアンダーカットになっているので、螺旋状の金型を用い、ワックスモデルから螺旋状の金型をねじりながら抜く必要がある。
1…ねじ軸,1a…ボール転走溝(転動体転走溝),2…ナット,2a…負荷ボール転走溝,3…ボール,4…縁,9…ストッパ,11…原型半体,12…原型部品,15…鋳型,21…ねじ軸,21a,21b…ボール転走溝(転動体転走溝),21c…山部,22…ナット,22a,22b…負荷ボール転走溝(負荷転動体転走溝),23…ボール,26…縁,27a,27b…無負荷ボール戻し溝(無負荷転動体戻し溝),28…方向転換溝,31a…ボール転走溝(転動体転走溝),31…ねじ軸,32…ナット,32a…負荷ボール転走溝(負荷転動体転走溝),33…ボール,34…リターンパイプ(循環部材),35…無負荷ボール路(無負荷転動体戻し路),41…ねじ軸,41a…ボール転走溝(転動体転走溝),42…縁,43…ボール,61…ねじ軸,61a…ボール転走溝,62…縁,63…ボール,64…ボール戻し穴(転動体戻し穴),65…連結穴
Claims (9)
- 外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸と、
内周面に前記ねじ軸の転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されるナットと、
前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝との間に介在される複数の転動体と、を備え、
前記ナットから前記ねじ軸を抜いたとき、前記ナットから前記複数の転動体が脱落しないように、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁が前記転動体を抱え込むねじ装置。 - 前記転動体はボールであり、
前記ナットの前記負荷転動体転走溝の深さは、前記ボールの半径よりも深く、かつ、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁の間の幅は、前記ボールの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のねじ装置。 - 前記ナットは、
ロウで前記ナットのワックスモデルを作成するワックスモデル作成工程と、
前記ナットの前記ワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材を塗布して鋳型を作成する鋳型作成工程と、
前記鋳型の内部のロウを熱で溶かして取り除くロウ除去工程と、
前記鋳型の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む注湯工程と、
前記鋳型を取り除く鋳型除去工程と、を経て製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ装置。 - 前記ワックスモデル作成工程は、
前記ナットの前記ワックスモデルを軸線に沿って二分割した一対の原型半体を金型で成形する原型半体成形工程と、
前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁に対応する螺旋状の原型部品を金型で成形する原型部品成形工程と、
前記一対の原型半体と前記原型部品とを結合する結合工程と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のねじ装置。 - 外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸と、
内周面に前記ねじ軸の転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されるナットと、
前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝との間に介在される複数の転動体と、を備え、
前記ねじ軸から前記ナットを外したとき、前記ねじ軸から前記複数の転動体が脱落しないように、前記ねじ軸の前記転動体転走溝の両側の縁が前記転動体を抱え込むねじ装置。 - 前記転動体はボールであり、
前記ねじ軸の前記転動体転走溝の深さは、前記ボールの半径よりも深く、かつ、前記ねじ軸の前記転動体転走溝の両側の縁の間の幅は、前記ボールの直径よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載のねじ装置。 - 前記ねじ軸は、
ロウで前記ねじ軸のワックスモデルを作成するワックスモデル作成工程と、
前記ねじ軸の前記ワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材を塗布して鋳型を作成する鋳型作成工程と、
前記鋳型の内部のロウを熱で溶かして取り除くロウ除去工程と、
前記鋳型の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む注湯工程と、
前記鋳型を取り除く鋳型除去工程と、を経て製造されることを特徴とする請求項5又は6に記載のねじ装置。 - 外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸と、内周面に前記ねじ軸の転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されるナットと、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナットの前記負荷転動体転走溝との間に介在される複数の転動体と、を備えるねじ装置のナットの製造方法において、
前記ナットから前記ねじ軸を抜いたとき、前記ナットから前記複数の転動体が脱落することなく、前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁で前記転動体を抱え込むことができるように、ロウで前記ナットのワックスモデルを作成するワックスモデル作成工程と、
前記ナットの前記ワックスモデルに鋳型の素材となる耐火材を塗布する鋳型作成工程と、
前記鋳型の内部のロウを熱で溶かして取り除くロウ除去工程と、
前記鋳型の内部にできた空洞に溶融金属を流し込む注湯工程と、
前記鋳型を取り除く鋳型除去工程と、を備えるねじ装置のナットの製造方法。 - 前記ワックスモデル作成工程は、
前記ナットの前記ワックスモデルを軸線に沿って二分割した一対の原型半体を金型で成形する原型半体成形工程と、
前記ナットの前記負荷転動体転走溝の両側の縁に対応する螺旋状の原型部品を金型で成形する原型部品成形工程と、
前記一対の原型半体と前記原型部品とを結合する結合工程と、を備えることを特徴とする請求項8に記載のねじ装置のナットの製造方法。
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JP2008098642A JP2009250345A (ja) | 2008-04-04 | 2008-04-04 | ねじ装置及びそのナットの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011122642A (ja) * | 2009-12-10 | 2011-06-23 | Jtekt Corp | ボールスプライン付きボールねじ |
CN102278440A (zh) * | 2010-06-08 | 2011-12-14 | 朱豪东 | 一种具有深沟轨道的滚珠螺帽及其制造方法 |
WO2023145595A1 (ja) * | 2022-01-26 | 2023-08-03 | 日本精工株式会社 | ボールねじ装置 |
WO2023234029A1 (ja) * | 2022-06-01 | 2023-12-07 | Thk株式会社 | ボールねじ装置 |
-
2008
- 2008-04-04 JP JP2008098642A patent/JP2009250345A/ja not_active Withdrawn
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