JP2009249372A - 抗ストレス剤または睡眠改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性が高く、かつ高い抗ストレス効果または睡眠改善効果を発揮することができる抗ストレス剤または睡眠改善剤を提供すること。
【解決手段】丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレス剤または睡眠改善剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有する抗ストレス剤または睡眠改善剤に関する。
高度でしかも複雑に入り組み、24時間休むことなく活動する現代社会では、人は様々なタイプの物理的・化学的、心理的、社会的ストレスに曝されている。特に、複雑な人間関係の中で生きている現代人にとって、ストレスを構成するものとしては心理的な要因が大きい。
心理的ストレスとそれが引き起こす様々な症状については、種々の研究が行われており、例えば、心理的ストレスが大脳で感知されると、広範な脳部位でノルアドレナリンの放出が亢進し、それが引金となって不安や緊張といった精神症状を引き起こすと報告されている(非特許文献1)。また、これらのメカニズムとして、視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)が放出され、それに呼応して下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌が増加し、ACTHは副腎皮質のコルチコイドを分泌することにより、生体防御機構が働くことが報告されている(非特許文献2)。
一方、視床下部は自律神経の中枢でもあるから、交感神経が刺激されてノルアドレナリンが分泌される。交感神経は副腎髄質にも分布しており、その刺激により、アドレナリンが血中に放出され、これらのカテコールアミンの作用により、心拍数の増加や血圧の上昇、顔面の紅潮等の身体的変化が出現すると考えられている(非特許文献3)。
ストレスが強力であったり、長期間続いたりすると、全身の諸臓器に影響を及ぼし、その結果、例えば、消化性潰瘍、虚血性心疾患、脳血管障害、高血圧、抗脂血症等の症状を引き起こすこともある。
現在、ストレスの軽減や、疾患の予防の目的に使用されている薬は、主にベンゾジアゼピン系の抗不安薬と睡眠薬である。これらは比較的安全性の高い薬であるが、習慣性や副作用を併せ持つことから、日常生活における一時的なストレスに対して、頻繁に服用するのは好ましくない。また、連用後その使用を中断すると反跳現象が起こり、かえって症状が悪化する場合さえあり、理想的な抗ストレス剤とは言い難い。
このように、現代社会におけるストレス負荷の増大とストレスの与える精神衛生上のみならず、生体に及ぼす深刻な影響を考慮すると、真に有効で安全な抗ストレス剤の開発が望まれてきた。特に予防的見地からは、食品や嗜好品に活用できる抗ストレス性素材の開発が望まれてきた(特許文献1、2)。
一方、本発明に使用する丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の4種類からなる混合物の抽出物がストレスを軽減したり、睡眠を改善するとの報告はない。
特開平6−100442号公報 特開2006−327970号公報 田中正敏、代謝、Vol.26, p122-131, 1989 Brandenberger, G. et al: Biol. Physiol. Vol.10, p239-252, 1980 Dimsdale, JE., Moss, J: J. Am. Med. Assoc. Vol.243, p340-342, 1980
本発明は、安全性が高く、かつ高い抗ストレス効果または睡眠改善効果を発揮することができる抗ストレス剤または睡眠改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物が、マウスを隔離飼育することにより惹起した導眠時間の延長および睡眠時間の短縮に対する顕著な改善効果、攻撃性に対する顕著な抑制効果、および高架式十字迷路により惹起した不安状態を指標にして顕著な抗ストレス効果を有することを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] 丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレス剤または睡眠改善剤、
[2] 抽出物が超臨界抽出物であることを特徴とする前記[1]記載の抗ストレス剤または睡眠改善剤、
[3] 混合物中の丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の重量比が、1:0.01〜100:0.01〜100:0.01〜100であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の抗ストレス剤または睡眠改善剤、
[4] 丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレス剤、
[5] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載の抗ストレス剤または睡眠改善剤を含有してなる抗ストレスまたは睡眠改善用飲食品添加物、および
[6] 前記[4]に記載の抗ストレス剤を含有してなる抗ストレス用飲食品添加物、
に関する。
本発明の抗ストレス剤は、顕著にストレスを予防および/または軽減することができる。また、本発明の睡眠改善剤は、顕著に睡眠を改善することができる。さらに、本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤は、非常に毒性が弱いという特長を有する。
本発明は、丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有する抗ストレス剤または睡眠改善剤に関する。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤は、丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有する。
本発明に用いる丁字(チョウジ、丁香(チョウコウ)ともいう)は、フトモモ科チョウジ(Eugenia caryophyllata Thunberg)のつぼみを乾燥した生薬である。本発明に用いる肉豆寇(ニクズク)は、ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans)の種子を用いた生薬である。本発明に用いる肉桂(ニッケイ、桂皮(ケイヒ)ともいう)は、クスノキ科ケイ(Cinnamomum cassia Blume)の樹皮を乾燥した生薬である。本発明に用いる山奈(サンナ)は、ショウガ科サンナ(Hedychium spicatum)の根茎を輪切りにして乾燥した生薬である。
本発明に用いる丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等が挙げられる。
本発明に用いる丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を製造するための抽出手段は、特に限定されず、熱水抽出、冷水抽出、超臨界抽出、溶媒抽出等を用いることが可能であるが、本発明に用いる丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物は、超臨界抽出後、濾過、冷却し、乾燥した抽出物を用いるのが好ましい。抽出に用いる混合物中の丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の重量比は、特に制限されないが、通常1:0.01〜100:0.01〜100:0.01〜100程度、好ましくは1:0.02〜50:0.02〜50:0.02〜50程度、さらに好ましくは1:0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10程度である。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤は、前記丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物のみから構成されていてもよく、前記抽出物に食品または医薬品に許容される他の添加物を添加することもできる。添加物としては食品または医薬品に許容されるものであれば特に限定されず、例えば賦形剤(乳糖、白糖、水飴、デキストリン、コーンスターチ、結晶セルロース等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等)、崩壊剤(カルボキシメチルセルロースカルシウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム等)、結合剤(デンプン糊液、ヒドロキシプロピルセルロース液、アラビアゴム液等)、溶解補助剤(アラビアゴム、ポリソルベート80等)、甘味料(砂糖、果糖・ブドウ糖液糖、ハチミツ、アスパルテーム等)、着色料(β−カロテン、食用タール色素、リボフラビン等)、保存料(ソルビン酸、パラオキシ安息香酸メチル、亜硫酸ナトリウム等)、増粘剤(アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等)、酸化防止剤(BHT、BHA、アスコルビン酸、トコフェロール等)、香料(ハッカ、ストロベリー香料等)、酸味料(クエン酸、乳酸、DL−りんご酸等)、調味料(DL−アラニン、5’−イノシン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)、pH調整剤(クエン酸、クエン酸三ナトリウム等)、ビタミン類(ビタミンC、ビタミンE等)、ミネラル類(カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、カリウム等)、アミノ酸類等を使用することができる。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤の製法は特に限定されるものではなく、丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物と必要により他の添加物を粉体混合する製法、溶媒中に丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物と必要により他の添加物を溶かし混合溶液とする製法、またその混合溶液を凍結乾燥する製法、噴霧乾燥する製法等、一般的な食品添加物、医薬品の製法が適用される。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤は、固形状(例えば錠剤状、粒状、粉状、カプセル状等)、ゾル状、ゲル状および液状のいずれであってもよく、例えばカプセル剤、錠剤、粉末剤、顆粒剤、ドリンク剤等の製剤にすることができる。また、飲料やミネラルウォーターに用時添加する易溶性製剤としてもよい。ドリンク剤の場合、必要に応じ、他の薬効成分、ビタミン、ミネラル、ホルモン、栄養成分、香味剤等を混合することにより、嗜好飲料的性格を持たせることも可能である。前記薬効成分、ビタミン、ミネラル、ホルモン、栄養成分または香味剤としては、本発明の丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の抗ストレス作用および睡眠改善効果を阻害しなければ特に限定されない。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤は、医薬製剤として、あるいは飲食品添加物として使用することができる。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤を医薬製剤として用いる場合、経口投与で用いるのが好ましく、丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物(ハーブ混合エキスともいう。)の投与量は、摂取する人の性別、年齢、健康状態等によって異なるので一概には言えないが、ハーブ混合エキスとして8mg/kg以上を投与すれば十分な効果を得ることができる。したがって、本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤がその効果を十分に発揮するためには、ハーブ混合エキスを1回当り、通常0.1〜10g程度、好ましくは0.1〜5g程度服用することが好ましい。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤を飲食品添加物として用いる場合、適用される飲食品としては、清涼飲料、ドロップ、キャンディ、チューインガム、チョコレート、グミ、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ゼリー菓子、クッキー、マーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等が挙げられる。
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤を飲食品添加物として用いる場合、該抗ストレス剤または睡眠改善剤の飲食品への配合量は、飲食品の種類によっても異なるが、通常、有効成分として、約0.01〜10重量%、好ましくは約0.1〜3重量%である。
本発明の抗ストレス剤は、ストレス負荷が予想される時、またはストレス負荷時に服用して、ストレスの予防または軽減を計る他、常用により、ストレスを予防または軽減することができる。本発明の睡眠改善剤は、就寝約1時間前〜約30分前に服用して、睡眠の改善を図ることができる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例]
本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤を以下の条件で調製した。
中華人民共和国薬典記載の生薬原料試験の適合品(丁字、肉豆寇、肉桂および山奈)を各々10kg秤量し、混合した。混合品を粉砕し、15〜20メッシュの篩過機で細粉を取得、再混合した。再混合した紛末を抽出釜に充填し、二酸化炭素によって外浴50℃、25〜30MP、4時間超臨界抽出した(二酸化炭素流量:空間速度(SV)=4(1/h))。抽出後、オイル状の抽出物を分離することにより、粗ハーブ混合エキスを得た。粗ハーブ混合エキスを加熱攪拌釜に充填し、60℃、1時間間歇攪拌した後、10〜12時間かけて室温まで下げ、120メッシュのフィルターでろ過し、ハーブ混合エキス約4kgを取得した。このハーブ混合エキスは食品添加物公定書第8版記載の重金属試験、ヒ素試験および微生物限度試験を行ったところ、重金属20ppm以下、ヒ素2ppm以下、細菌数1000cfu/g以下、真菌数100cfu/g以下であり、大腸菌を認めなかった。また、このハーブ混合エキスの成分を分析したところ、オイゲノールを18〜19%含有していた。
[実施例1]
以下の処方で、ドリンク剤を製造した。
Figure 2009249372
[実施例2]
以下の処方で、製造例1で製造したハーブ混合エキスを、ゼラチンとグリセリンで被覆し、ソフトカプセル剤を製造した。
Figure 2009249372
[試験例1]
隔離飼育によるストレス誘発導眠時間延長および睡眠時間短縮に対する改善効果
試験動物は、5週齢のddY系雄性マウス(日本エスエルシー(株)、体重20〜30g)を、1週間の予備飼育の後、実験に用いた。飼育は、室温23±2℃、湿度30〜80%、換気回数12回以上/時間(オールフレッシュエアー方式)、照明時間(12時間/日、午前6時30分点灯、午後6時30分消灯)に設定された飼育室で行い、隔離飼育ではポリカーボネートケージ(日本クレア(株)製、180W×250D×140Hmm)に1匹ずつ、群飼育ではポリカーボネートケージ(日本クレア(株)製、265W×450D×160Hmm)に5匹ずつ、4週間飼育した。飼料は固形飼料CRF−1(オリエンタル酵母工業(株)製)を用い、飲料水は自由に摂取させた。
製造例で製造したハーブ混合エキス各30mg、100mg、300mgを蒸留水で50%濃度にしたオリーブオイル3mlに懸濁して、各試験液とした。また、比較薬としてγ−アミノ酪酸(gamma-aminobutyric acid;以下、GABAという)各100mg、300mgを用い、蒸留水3mlに溶解し、各試験液とした。
4週間隔離飼育した後、1群10匹として前記試験液をハーブ混合エキスの投与量が100、300、1000mg/kgになるように、また、GABAの投与量が300、1000mg/kgになるようにマウスに経口投与し、投与1時間後にペントバルビタールナトリウム40mg/kgを腹腔内投与した。ハーブ混合エキスおよびGABA無投与群を対照とし、群飼育したマウスを群飼育対照群、隔離飼育したマウスを隔離飼育対照群とした。ペントバルビタールナトリウム投与直後から正向反射が消失するまでの時間(以下、導眠時間という)および正向反射の消失から回復するまでの時間(以下、睡眠時間という)を測定した。実験結果は平均値±標準誤差で示し、有意差検定にはBonferroni/Dunn型多重比較検定を用いた。結果を図1に示す。
図1に示すように、隔離飼育対照群では、隔離飼育により導眠時間は延長し、睡眠時間は短縮した。しかし、ハーブ混合エキス投与群では1000mg/kgの投与で両者を著しく改善し(有意差0.1%以下)、1000mg/kg投与群のマウスの導眠時間ならびに睡眠時間は群飼育対照群と同程度であった。一方、GABA投与群では、導眠時間ならびに睡眠時間に改善は見られなかった。
[試験例2]
隔離飼育によるストレス誘発攻撃性に対する抑制効果
試験動物は、5週齢のddY系雄性マウス(日本エスエルシー(株)、体重20〜30g)を、1週間の予備飼育の後、実験に用いた。飼育は、室温23±2℃、湿度30〜80%、換気回数12回以上/時間(オールフレッシュエアー方式)、照明時間(12時間/日、午前6時30分点灯、午後6時30分消灯)に設定された飼育室で行い、隔離飼育ではポリカーボネートケージ(日本クレア(株)製、180W×250D×140Hmm)に1匹ずつ、群飼育ではポリカーボネートケージ(日本クレア(株)製、265W×450D×160Hmm)に5匹ずつ、4週間飼育した。飼料は固形飼料CRF−1(オリエンタル酵母工業(株)製)を用い、飲料水は自由に摂取させた。
4週間隔離飼育した後、1群10匹として試験例1と同様にして調製した試験液をハーブ混合エキスの投与量が100、300、1000mg/kgになるように、また、GABAの投与量が300、1000mg/kgになるようにマウスに経口投与し、投与1時間後にマウス2匹を観察ケージに入れ、ケージに入れてから闘争を開始するまでの時間と、20分間の観察期間中の闘争回数と闘争時間を測定した。ハーブ混合エキスおよびGABA無投与群を対照とし、群飼育したマウスを群飼育対照群、隔離飼育したマウスを隔離飼育対照群とした。実験結果は平均値±標準誤差で示し、有意差検定にはBonferroni/Dunn型多重比較検定を用いた。結果を表3に示す。
Figure 2009249372
表中、###は、群飼育対照に対してp<0.001であることを意味し、*は隔離飼育対照に対してp<0.05であることを意味し、***は隔離飼育対照に対してp<0.001であることを意味する。
表3に示すように、隔離飼育対照群では、隔離飼育により闘争開始までの時間は短縮、闘争回数は増加、および闘争時間は延長した。しかし、ハーブ混合エキス投与群では用量依存的にいずれも著しく改善し(300mg/kg投与群で有意差5%以下、1000mg/kg投与群で有意差0.1%以下)、ハーブ混合エキス1000mg/kg投与群のマウスは、群飼育対照群のマウスと同じく闘争を起こさなかった。一方、GABA投与群では、闘争開始までの時間、闘争回数および闘争時間のいずれにも改善は見られなかった。
[試験例3]
高架式十字迷路を用いた不安に対する効果
試験動物は、5週齢のddY系雄性マウス(日本エスエルシー(株)、体重20〜30g)を、1週間の予備飼育の後、実験に用いた。飼育は、室温23±2℃、湿度30〜80%、換気回数12回以上/時間(オールフレッシュエアー方式)、照明時間(12時間/日、午前6時30分点灯、午後6時30分消灯)に設定された飼育室で行い、ポリカーボネートケージ(日本クレア(株)製、265W×450D×160Hmm)に5匹ずつ飼育した。飼料は固形飼料CRF−1(オリエンタル酵母工業(株)製)を用い、飲料水は自由に摂取させた。
高架式十字迷路は、床から40cmの高さで、長さ65cm、幅5cmの黒色の塩化ビニル製の板を2本、十字形に交差させたもので、その1本の通路の周囲には、中央の交差部分を除いて高さ30cmの壁をつけている。したがって、該迷路は壁の無い2本のオープンアームと、壁のある2本のクローズドアーム、および中央の交差部分で構成されている。
1群10匹として試験例1と同様にして調製した試験液をハーブ混合エキスの投与量が100、300、1000mg/kgになるように、また、GABAの投与量が300、1000mg/kgになるようにマウスに経口投与し、投与1時間後に高架式十字迷路の中央の交差部に、一方のクローズドアームに向けてマウスを置き、5分間迷路上を自由に探索させ、その行動を観察し、オープンアームおよびクローズドアームへの侵入回数、およびオープンアーム上の累積滞在時間を測定し、これらからオープンアームへの侵入回数比率とオープンアーム上の累積滞在時間比率を算出した。ハーブ混合エキスおよびGABA無投与群を対照とした。実験結果は平均値±標準誤差で示し、有意差検定にはBonferroni/Dunn型多重比較検定を用いた。結果を図2に示す。
図2に示すように、ハーブ混合エキス投与群ではオープンアーム侵入回数比率ならびにオープンアーム累積滞在時間比率を用量依存的に増加させ、1000mg/kgの投与では両者を著しく改善した(有意差1%以下)。一方、GABA投与群では、オープンアーム侵入回数比率およびオープンアーム累積滞在時間比率のいずれにも改善は見られなかった。
[試験例4]
睡眠時間短縮に対する改善効果
試験動物は、5週齢のddY系雄性マウス(日本エスエルシー(株)、体重24〜28g)を、1週間の予備飼育の後、実験に用いた。飼育は、室温23±2℃、湿度30〜80%、換気回数12回以上/時間(オールフレッシュエアー方式)、照明時間(12時間/日、午前6時30分点灯、午後6時30分消灯)に設定された飼育室で行った。飼料は固形飼料CRF−1(オリエンタル酵母工業(株)製)を用い、飲料水は自由に摂取させた。
試験例1と同様にしてハーブ混合エキスの試験液を調製した。1群10匹として前記試験液をハーブ混合エキスの投与量が100、300、1000mg/kgになるようにマウスに経口投与し、投与1時間後にペントバルビタールナトリウム40mg/kgを腹腔内投与し、正向反射の消失から回復するまでの時間(睡眠時間)を測定した。ハーブ混合エキス無投与群を対照とした。実験結果は平均値±標準誤差で示し、有意差検定にはBonferroni/Dunn型多重比較検定を用いた。結果を図3に示す。
図3に示すように、ハーブ混合エキス投与群では300mg/kg以上の投与で睡眠時間を著しく改善した。
上記試験例1〜4から、本発明の抗ストレス剤または睡眠改善剤は、マウスを隔離飼育することにより惹起した導眠時間の延長および睡眠時間の短縮を改善し、攻撃性の発現を抑制し、さらに、高架式十字迷路により惹起した不安状態を軽減することが確認された。
[試験例5]
ヒトにおける抗ストレス効果
健常人(男性13名、年齢32歳〜59歳)をパネルとし、日常生活を継続しながら、まず、ハーブ混合エキスソフトカプセル剤服用1週間前にGHQ質問紙によるストレス状態の検査、血圧・心拍数測定および唾液中IgA、コルチゾールおよびクロモグラニンAを測定した後、実施例2で製造したハーブ混合エキスソフトカプセル剤を2カプセル(ハーブ混合エキス量:計500mg)を3日間服用し、3日目の服用1時間後に、同様の検査・測定を行った。唾液は「サリベット」(SARSTEDT社製)にて採取し、遠心分離にて補集後、測定まで冷凍保存した。IgAの測定には全自動EIA測定装置(POSEIDON II、アロカ社製)を、コルチゾールの測定にはガンマーカウンター(ARC−950、アロカ社製)を、クロモグラニンAの測定には「YK070ヒト・クロモグラニンA EIA キット」(矢内原研究所製)を用いた。
実験結果は、服用前の測定値をそれぞれ100とした時の割合で表示した。結果を図4、図5および図6に示す。
図4、図5および図6の結果から、ハーブ混合エキスの服用により、ストレス状態の軽減、血圧の軽度低下、唾液中コルチゾールおよびクロモグラニンAの減少傾向およびIgAの増加傾向がみられ、ストレス状態の改善が認められた。
本発明により、安全性が高く、かつ高い抗ストレス効果または睡眠改善効果を発揮することができる抗ストレス剤または睡眠改善剤を提供することができる。
図1は、製造例で製造したハーブ混合エキスまたはGABA投与群の導眠時間および睡眠時間の変化を示す。(A)は導眠時間(単位:分)、(B)は睡眠時間(単位:分)を示す。 図2は、高架式十字迷路試験において、製造例で製造したハーブ混合エキス、またはGABAを投与した場合の抗ストレス作用を示す。(A)はオープンアーム侵入回数比率(%)、(B)はオープンアーム累積滞在時間比率(%)を示す。 図3は、ハーブ混合エキス投与群の睡眠時間短縮の改善効果を示す。縦軸は睡眠時間(単位:分)を示す。 図4は、ハーブ混合エキス3日間服用のGHQ検査スコアに及ぼす影響を示す。縦軸は、服用前のスコアを100とした時の変動率を示す。服用前のGHQ検査スコアの平均値±標準誤差は7±3であった。 図5は、ハーブ混合エキス3日間服用の収縮期血圧および拡張期血圧に及ぼす影響を示す。縦軸は、服用前の血圧および心拍数を100とした時の変動率を示す。服用前の収縮期血圧、拡張期血圧および心拍数の平均値±標準誤差は、それぞれ128±5mmHg、81±3mmHgおよび78±3beats/分であった。 図6は、ハーブ混合エキス3日間服用の唾液中IgA、コルチゾールおよびクロモグランニンAに及ぼす影響を示す。縦軸は、服用前の各パラメータ測定値を100とした時の変動率を示す。服用前のIgA、コルチゾールおよびクロモグラニンAの平均値±標準誤差は、それぞれ404±64μg/mL、0.39±0.04μg/dLおよび2.66±0.56pmol/mg蛋白であった。

Claims (6)

  1. 丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレス剤または睡眠改善剤。
  2. 抽出物が超臨界抽出物であることを特徴とする請求項1記載の抗ストレス剤または睡眠改善剤。
  3. 混合物中の丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の重量比が、1:0.01〜100:0.01〜100:0.01〜100であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗ストレス剤または睡眠改善剤。
  4. 丁字、肉豆寇、肉桂および山奈の混合物の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレス剤。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の抗ストレス剤または睡眠改善剤を含有してなる抗ストレスまたは睡眠改善用飲食品添加物。
  6. 請求項4に記載の抗ストレス剤を含有してなる抗ストレス用飲食品添加物。
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