JP2009248532A - 吐出不良ノズルの検出方法、最小駆動パルス幅決定方法及び記録装置 - Google Patents

吐出不良ノズルの検出方法、最小駆動パルス幅決定方法及び記録装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 速やかに、低コストで、記録装置の規模を大きくすることなく、ノズルごとに吐出不良ノズルを検出する。
【解決手段】 温度センサを、予め定められたプロファイルからヒータに駆動パルスが印加された後のヒータの降温時に変曲点が検出されると想定される時間の前である基準時に温度を検出するよう制御する。また、温度センサを、それぞれ前記基準時よりも後であって一定の時間幅を持つ異なる複数の時間区間に、前記時間区間ごとに連続して複数の温度を検出するよう制御する。そして、前記基準時の基準温度と前記時間区間ごとの比較温度に関する自己相関関数とを評価の指標として前記ノズルからインクが正常に吐出したか否かを判断する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ヒータとこれに対応する温度センサとを備えヒータで発生した熱エネルギーによりノズルからインクを吐出させるインクジェット記録ヘッドの温度センサの検出結果に基づく吐出不良ノズルの検出方法、最小駆動パルス幅決定方法、記録装置に関する。
記録ヘッドのノズルからインクを吐出させて記録媒体に画像を形成するインクジェット記録方式の中で、ヒータで発生した熱エネルギーによりノズルからインクを吐出させるインクジェット記録方式が知られている。この方式の記録装置に用いられる記録ヘッドは、ノズルを高密度で多数配置することが容易である。一方、このような記録ヘッドにおいては、異物がノズルに詰まることやインク供給経路内に混入した気泡によりインクが供給されないことなどにより、一部又は全てのノズルからインクが吐出されない場合がある。
インクが正常に吐出されないノズル(吐出不良ノズル)が記録ヘッドに発生した場合、このノズルが再びインクを吐出するように回復動作を実行することが好ましい。記録ヘッドの往復走査と記録媒体の搬送とを繰り返して記録を行う、いわゆるシリアル方式のインクジェット記録装置は、記録媒体の外側に記録ヘッドを移動させて回復動作を実行することが可能である。しかし、記録媒体の全幅に対応する幅の、複数のノズルをライン状に配列してなる記録ヘッドを備えたフルライン型記録装置では、記録動作中に記録ヘッドを記録媒体の外側に移動させることができない。したがって、吐出不良ノズルを速やかに特定し、このノズルを補完して記録を行うことや記録ヘッドの回復動作を行うことが重要となっている。
吐出不良ノズルを特定するために、従来から、種々の、吐出不良ノズルの検出方法、吐出不良ノズルの補完方法、これらを実行する記録装置などが開示されている。
正常な動作をしない記録素子を検出する方法として、所定のパターンを記録し、読み取り装置によりこの記録物の読み取りを行い、この読み取り結果から正常な動作をしない記録素子を検出する方法が開示されている(特許文献1参照)。さらに、特許文献1は、検出された正常な動作をしない記録素子に供給すべき画像データを他の記録素子に供給する画像データに重畳することで補完して記録を行う方法が開示されている。
また、記録媒体の全幅に対応する幅の記録ヘッドを備えたフルライン型記録装置において、各ノズルからの吐出状態を同じにする為に、インクが吐出されたか否かを検出する検出手段を設けた構成が知られている。例えば、インクが吐出されたか否かを検出する検出手段を備え、吐出不良ノズルを検出したときの駆動条件に基づいて記録するインクジェット記録装置が開示されている(特許文献2参照)。
また、記録ヘッドのノズル列の両端近傍に配置された発光素子と受光素子のセットからなる検出手段により、吐出不良ノズルを検出するインクジェット記録装置が開示されている(特許文献3参照)。
また、記録ヘッドのヒータから発生される熱の影響を受ける位置に導体部を配列し、温度に依存して変化する導体部の抵抗値の変化を検出することによりノズル内のインクの有無を検出するインクジェット記録装置が開示されている(特許文献4参照)。
さらに、ヒータと温度センサとを同一素子基板上に設けたインクジェット記録装置が開示されている(特許文献5参照)。この特許文献5のインクジェット記録装置は、膜状の温度センサをヒータの配列領域と重なるように設けている。また、この特許文献5では、温度変化に応じた温度センサの抵抗値変化から吐出不良ノズルの判定を行う構成が開示されている。また、特許文献5には、成膜プロセスにより膜状の温度センサが素子基板上に形成され、端子からワイヤーボンディング等の方法により外部と接続される構成が開示されている。
特開平6−79956号公報 特開平3−234636号公報 特開平2−194967号公報 特開昭58−118267号公報 特開平2−289354号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される正常な動作をしない記録素子を検出する方法では、記録した所定のパターンの読み取り結果から正常な動作をしない記録素子を検出する。そのため、吐出不良ノズルを検出する前に所定のパターンを記録する必要があり、速やかに吐出不良ノズルを検出することが非常に困難である。また、読み取り装置を設ける必要があり、コストが高くなってしまう。
また、上記特許文献2及び特許文献3に開示される構成の記録装置では、記録装置の小型化及び低コスト化が難しく、吐出不良ノズルを速やかに検出することも困難である。
上記各特許文献に記載される発明においては、ノズルごとに行う吐出不良ノズルの検出を、速やかに、低コストで、装置規模を大きくすることなく実行することが可能な記録装置は開示されていない。
そこで、本発明は、速やかに、低コストで、記録装置の規模を大きくすることなく、ノズルごとに吐出不良ノズルを検出することを目的とする。
上記課題を達成するための本発明は、ノズルに対応して設けられたヒータと、前記ヒータの近傍に設けられた温度センサとを備え、前記ヒータに駆動パルスを印加することにより熱エネルギーをインクに付与させて前記ノズルからインクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおける吐出不良ノズルの検出方法であって、
前記温度センサにより、予め定められたプロファイルから前記ヒータに前記駆動パルスが印加された後の前記ヒータの降温時に変曲点が検出されると想定される時間の前である基準時に温度を検出する基準温度の検出工程と、
前記温度センサにより、それぞれ前記基準時よりも後であって一定の時間幅を持つ異なる複数の時間区間に、前記時間区間ごとに連続して複数の温度を検出する比較温度の検出工程と、
前記基準時の基準温度と前記時間区間ごとの比較温度に関する自己相関関数とを評価の指標として前記ノズルからインクが正常に吐出したか否かを判断する判断工程と、
を有することを特徴とする。
また、上記課題を達成するための別の本発明は、ノズルに対応して設けられたヒータと、前記ヒータの近傍に設けられた温度センサとを備え、前記ヒータに駆動パルスを印加することにより熱エネルギーをインクに付与させて前記ノズルからインクを吐出するインクジェット記録ヘッドを備える記録装置であって、
前記温度センサを、予め定められたプロファイルから前記ヒータに前記駆動パルスが印加された後の前記ヒータの降温時に変曲点が検出されると想定される時間の前である基準時に温度を検出するよう制御する基準温度の検出手段と、
前記温度センサを、それぞれ前記基準時よりも後であって一定の時間幅を持つ異なる複数の時間区間に、前記時間区間ごとに連続して複数の温度を検出するよう制御する比較温度の検出手段と、
前記基準時の基準温度と前記時間区間ごとの比較温度に関する自己相関関数とを評価の指標として前記ノズルからインクが正常に吐出したか否かを判断する判断手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、速やかに、低コストで、記録装置の規模を大きくすることなく、ノズルごとに吐出不良ノズルを検出することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口乃至これに連通する液路及びインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
(実施例1)
図10は、本発明を適用可能なシリアル方式のインクジェット記録装置の主要部の構成を示す概略図である。記録ヘッド1は、複数のノズルが配列されたノズル列を複数有しており、ノズルに対応した吐出口(不図示)からインク滴を吐出することにより、記録媒体12上に画像を記録するデバイスである。
図9は、記録ヘッドに設けられた温度検知素子の構成を説明する図である。図9(a)は記録ヘッドの素子基板の一部を模式的に示す平面図であり、図9(b)は記録ヘッドの素子基板を模式的に示す断面図である。
図9(b)において、列状に設けられた複数のノズルからインクを吐出させるために、電圧が印加され熱エネルギーを発生するヒータ3が素子基板(ヒータボード)上に設けられている。そして、ノズルごとに設けられたヒータ3に駆動信号を印加することにより、ノズル内のインクを加熱してノズルからインクを吐出させる。
図9(a)において、4はワイヤーボンディングにより外部と接続するための端子である。5は温度センサであり、ヒータ3と同じ成膜プロセスによりヒータボードに形成される。
図9(b)は、図9(a)における温度センサ5を含む部分の素子基板の断面を模式的に示した図である。Si基板21には、SiOなどからなる蓄熱層22を介して、温度センサ5、温度センサ5の配線であるAlなどからなる個別配線23、ヒータ3とその駆動制御回路とを接続するAl配線などが形成されている。温度センサ5は、温度に応じて抵抗値が変化する薄膜抵抗体で形成される。薄膜抵抗体の材料としては、Al、Pt、Ti、TiN、TiSi、Ta、TaN、TaSiN、TaCr、Cr、CrSi、CrSiN、W、WSi、WN、Poly−Si、α−Si、Mo、MoSi、Nb、Ru等が挙げられる。Si基板21には、さらに、層間絶縁膜24を介して、ヒータ3、SiNなどからなるパシベーション膜25、耐キャビテーション膜26が半導体プロセスにより高密度に積層されて形成される。耐キャビテーション膜26は、ヒータ3上に形成されるキャビテーションに対する耐性を高めるための膜であり、例えばTaからなる膜である。温度センサ5は、ヒータ3の各々の直下に、ヒータ3ごとに独立して配置される。各温度センサ5に接続される個別配線23は温度情報を検出するための検出回路の一部として構成される。本実施例で説明する記録ヘッドの構成によれば、従来のインクジェット記録ヘッドの製造工程を利用して各構成要素をパターンニングすることができるため、従来の記録ヘッドと生産方法大きくを変えることなく生産できるという大きな利点を有する。なお、本実施例では、温度センサ5の形状を四角形としているが、微少な温度変動でも高い電圧値として出力するために、高い抵抗値となる蛇行形状としてもよい。
図11は、上記インクジェット記録装置の制御回路のブロック図である。図11に示すように、制御回路は、画像入力部403、画像信号処理部404、CPU400のそれぞれが、メインバス405に対してそれぞれアクセスするよう構成されている。
CPU400は、ROM401とRAM402を有し、入力情報に対して適切な記録条件を与えて記録ヘッド1を駆動して記録を行うための制御をする。また、RAM402内には、予め記録ヘッド1の回復手順を実行するプログラムが格納されており、必要に応じて予備吐出条件等の回復条件を回復処理制御回路407及び記録ヘッド1等に与える。また、CPU400は、記録ヘッド1のヒータ3に対応して設けられた温度センサ5が検出した温度に基づいて後述する各演算処理を行う。
回復処理モータ408は、記録ヘッド1に対向して設けられる記録ヘッド1をクリーニングするためのブレード409、キャップ410、吸引ポンプ411を駆動する。
記録ヘッド駆動制御回路414は、CPU400から与えられた駆動条件にしたがって、記録ヘッド1のヒータ3を駆動し、記録ヘッド1に予備吐出や記録時におけるインク吐出を行わせる。なお、記録ヘッド温度制御回路413は、温度センサ5が検出した温度に基づいて記録ヘッド1の温度を制御するための回路である。
図1は、ヒータ3にインクを吐出させるための駆動電圧を印加したときの、時間と温度の変化を示す曲線図である。図1では、各ノズルの吐出状態の違いにより、温度センサが検出する温度に基づく温度曲線が異なることを示している。
図1に示す正常吐出aは、正常にインクを吐出するノズルに対応する温度センサにより検出される温度に基づく温度曲線を示している。正常にインクを吐出するノズルでは、駆動条件が一定であればヒータ3の駆動開始時間から一定時間後に温度が降下する速度が急激に変化するポイント(変曲点)が出現する。これは、ヒータ3に駆動電圧を印加することに伴って発生する気泡により耐キャビテーション膜26から遮られていたインクが、気泡の急激な収縮によって耐キャビテーション膜26と再び接触することで、温度センサ5が急激に冷却されるからである。本実施例の記録ヘッドにおいては、ヒータ3の駆動開始時間から約6.6μsec後に変曲点が現れる。この、変曲点が現れるまでの時間については、ノズル形状やインクの流路形状などの記録ヘッドの構造、ヒータの発熱能力、といった条件によって異なるものである。従って、変曲点が生じているか否かを判断するタイミングについては、記録ヘッドに応じて適宜設定されることが好ましい。
また、図1に示す泡不吐bは、耐キャビテーション膜上に残留気泡が接触していることにより不吐出となる吐出不良ノズルに対応する温度センサにより検出される温度に基づく温度曲線を示している。耐キャビテーション膜上に残留気泡が接触している場合、ヒータからインクへ熱が伝わらず、インクの相変化が生じないためにインクが正常に吐出されない。
また、図1に示すゴミ不吐cは、ノズルにゴミが詰まることにより不吐出となる吐出不良ノズルに対応する温度センサにより検出される温度に基づく温度曲線を示している。
図1の泡不吐b及びゴミ不吐cで示される温度曲線においては、正常吐出aで示される温度曲線において出現した変曲点は、出現しない。また、泡不吐及びゴミ不吐以外の原因によって不吐出ノズルとなったノズルに対応する温度曲線においても、変曲点は出現しないか、正常吐出の場合とは異なるタイミングで変局点が出現することが分かった。
そこで、ヒータの駆動開始時間から所定の時間経過した所定の時間範囲内の温度変化について演算処理することにより、インクが正常に吐出するノズルか否かを判別する。
図2は、インクの吐出状態を判別する際のベースとなる、温度変化の自己相関関数の導出に用いる基準データ及び比較データを示したグラフである。
図2の横軸はヒータ3への駆動電圧印加後の経過時間を示している。図2に示す201及び202は、図1中にそれぞれ正常吐出a及び泡不吐bで示した温度曲線から、ヒータ3に駆動電圧を印加する前の初期温度を差し引いて得られる温度曲線(昇温波形)を表している。昇温波形201及び202は、所定のサンプリング周期(本実施例では0.05μs)でサンプリングされたデジタル信号に基づいている。
203は正常吐出の昇温波形201において現れる変曲点を示し、本実施例では時間6.6μsのタイミングで発生する。菱形のマーカーで表した204及び205は、変曲点203よりも前の時間区間の昇温波形201及び202から抽出した基準データ(基準時間における基準温度)を示している。変曲点203の現れるタイミングは予め把握しておき、変曲点203に重ならないように基準データ204及び205の抽出区間を設定しておく。本実施例では、変曲点203より2.05〜0.45μs前となる駆動開始時間から4.55〜6.15μs経過後の1.6μs間の区間において、サンプリング周期0.05μs間隔で連続した33点の昇温データを基準データとして抽出する。なお、基準データはサンプリング周期よりも長い間隔で間欠的に抽出しても構わない。
正方形のマーカーで表した206及び207は、比較データ(比較時間における比較温度)である。これらは、それぞれ基準データ204及び205を含んだ基準データ以降の、基準データと同じ時間幅の時間区間内の昇温波形201及び202から基準データと同じ数のデータを抽出したデータである。なお、後述する図3には、基準データ204からのズレ量が59の場合の比較データ206(基準データ204から59回分のサンプリング周期分ずれたデータ)を表している。208は比較データの抽出区間の移動範囲を表すスイープ区間であり、本実施例では4.55〜12.05μsの7.5μs区間に設定している。
吐出状態は、スイープ区間208内において、それぞれの昇温波形における基準データと比較データとから基準データの昇温量変化よりも比較データの昇温量変化が大きくなる箇所があるかどうかにより判定することができる。基準データの昇温量変化よりも比較データの昇温量変化が大きくなる箇所があれば正常吐出であり、なければ吐出不良であると判定することができる。しかしながら、このような基準データと比較データとの相関に基づく一般的なパターンマッチングでは、基準データや比較データにおける昇温量変化が小さい場合、ノイズの影響が大きくなり性格に判定することができないことがある。
そこで、本実施例では、基準データと比較データとに基づいて、吐出状態を以下に述べる方法で判定する。
まず、基準データを(x,x,…,x)とし、ズレ量がiのときの比較データを(x,xi+1,…,xi+k)とする。なお、ズレ量とは、比較データにおける最初のデータのサンプリング時が基準データにおける最初のデータのサンプリング時からサンプリング周期(検出周期)に換算して何周期分ずれているかを示す値である。そして、昇温波形の自己相関関数φxx iを式(1−1)に示す積和演算により算出する(なお、本実施例ではk=32とする)。
Figure 2009248532
次に、この積和結果である自己相関関数φxx iを基準データの先頭データxと比較データの先頭データxで正規化(φxx iをxとxの積で除算)して評価関数rxx iを算出する。
Figure 2009248532
ここで、基準データ及び比較データで、データ列の中の各データを先頭データで正規化したものを、正規化データξijとして式(1−3)のように定義する。
Figure 2009248532
すると、式(1−1)及び(1−3)より、評価関数(式(1−2)の除算結果)は、式(1−4)のように書き改めることができる。
Figure 2009248532
図3は、図2に示した正常吐出の昇温波形201から抽出した基準データと比較データを式(1−3)に基いて正規化した正規化データを示したグラフである。
図3の横軸はデータ列の中の何番目のデータであるかを表すノード番号である。図3には図示していないが、不吐出の昇温波形202では、比較データのズレ量iに関わらず正規化した比較データは正規化した基準データにほとんど重なってしまう。
一方、図3に示すように、正常吐出の昇温波形201では、変曲点203以降で降温速度が急激に加速する。このため、変曲点203を含む比較データ301(i=36)や変曲点203以降に比較的早いタイミングで抽出された比較データ206(i=59)の正規化データは、正規化した基準データ204を下回る傾向にある。また、降温速度は急激に加速した後に急減速するため、変曲点203以降に遅いタイミングで抽出された比較データ302(i=118)の正規化データは、逆に正規化した基準データ204を上回る傾向にある。
以上述べたように、不吐出の昇温波形202と異なり正常吐出の昇温波形201では、正規化した比較データは正規化した基準データに対して、比較データのズレ量iに応じて大きく変動する。
図4は、図2に示した昇温波形201及び202より抽出したそれぞれの基準データ及び比較データに基いて、式(1−1)及び(1−2)から算出した評価関数rxx iをプロットして表したグラフである。
図4において、横軸は基準データからの比較データのズレ量iを表している。また、303は正常吐出の昇温波形201に対応した評価関数rxx iを表し、304は不吐出の昇温波形202に対応した評価関数rxx iを表している。
図4に示す評価関数303及び304は、正規化データを使って式(1−3)及び(1−4)からも算出することができる。図4に示す305、306及び307と、308とは、それぞれ、図2または図3における比較データ301、206及び302と、207を正規化したデータとに基いて算出した評価関数rxx iを示している。
図3を用いて上記で説明したように、不吐出の昇温波形202では、ズレ量iに関わらず正規化した比較データは正規化した基準データにほとんど重なってしまうため、(1−4)から算出される評価関数304は比較的フラットなプロファイルとなる。これは、不吐出の昇温波形202でピークをある程度過ぎた後の降温曲線が、1次遅れで0に漸近する指数減衰曲線で良好に近似できることに起因している。
仮に、初期温度を基準とした昇温波形ではなく、初期温度を下回る温度を基準とした温度波形に基いて評価関数304を算出するとプロファイルは右肩上がりに、初期温度を上回る温度を基準にすると逆に右肩下がりになる。したがって、評価関数304を比較的フラットにするためには初期温度を基準とした昇温波形に基いて算出する必要がある。
一方で、正常吐出の昇温波形201では、ズレ量iが増大するのに伴い、正規化した比較データは正規化した基準データに対して下回った後に上回る波形となる傾向にある。このため、式(1−4)から算出される評価関数303も初期値から大きく下がって306(i=59)で極小となった後に、初期値を超えて右肩上がりに上昇していくプロファイルとなる。
このように正常吐出の評価関数303が大きな変動を示すのは、基準データ及び比較データをそれぞれの先頭データで正規化していることに起因している。
仮に、データ列中の中央付近のデータで正規化するとすれば、正規化した基準データと正規化した比較データは、正規化に用いる中央付近のデータのノード番号で重なって1となる。そして、その重なった点を中心にして、正規化した比較データは右肩下がりになったり右肩上がりになったりするため、正規化した基準データに対して上回るところもあれば下回るところも出てくる。すなわち、正規化した比較データは正規化した基準データに対して、全ノードに渡って上回ったり下回ったりすることが無くなる。このため、式(1−4)から算出される評価関数rxx iの初期値rxx 0からの変動は、先頭データで正規化する場合に比べて抑えられてしまう。したがって、正常吐出の評価関数303の変動を最大限に引き出すためには、基準データ及び比較データをそれぞれの先頭データで正規化する必要がある。
以上述べたように本実施例によれば、吐出状態が不吐出の場合は、評価関数rxx iは比較的フラットなプロファイルとなる。一方、吐出状態が正常吐出の場合は、評価関数rxx iは不吐出のプロファイルに対して初期値から大きく下がって極小となる下に凸のピークを経た後に、初期値を超えて右肩上がりに上昇していくプロファイルとなる。したがって、評価関数rxx iのプロファイルから極小となる下に凸のピークがあるか否かを調査することにより、高精度に吐出状態を判定することができる。
図5は、本実施例における吐出不良ノズルの検出処理を示すフローチャートである。以下、図2及び4を参照しながら、図5のフローチャートに沿って本実施例における吐出不良ノズルの検出処理の流れについて説明する。
まず、ステップS105にて、温度センサ5で測定された温度データTにおいて、駆動電圧印加前の各ヒータに対応する温度データを平均処理等行うことにより初期温度Tiniを取得する。
次に、ステップS110では、温度データTから、ステップS105にて得られた初期温度Tiniを差し引いて昇温波形データxを取得する。
ステップS115では、予め定められたプロファイルから想定される変曲点203よりも前の区間から所定間隔で、望ましくはサンプリング周期の整数倍の間隔で、k+1個のデータから成る基準データを抽出する。
ステップS120では、比較データの抽出にあたって、基準データからのズレ量iを初期値=0にセットする。
ステップS125では、上記で図2を用いて説明したように、基準データから遅延方向にサンプリング周期に換算してi周期分ずれた時間から、基準データと同じ所定間隔でk+1個のデータから成る比較データを抽出する。
ステップS130では、式(1−1)に基いてズレ量iにおける昇温波形データの自己相関関数φxx iを計算する。
ステップS135では、基準データと自己相関関数を指標として評価関数を得る。具体的には、ステップS115とステップS125で抽出した基準データと比較データのそれぞれの先頭データで、ステップS130で求めた自己相関関数φxx iを正規化し、ズレ量iにおける評価関数rxx iを得る。
ステップS140では、ズレ量i(i=n−k、nはスイープ区間208の時間をサンプリング周期で割った数)が最大値に達したか否かを判断する。最大値に達していなければ、ステップS145に移行してズレ量iを1つ増やし、ステップS125からステップS135間での処理を繰り返す。最大値に達していれば、ステップS150に移行する。
ステップS150では、上記で図4を用いて説明したように、ステップS135にて求めたズレ量iが0からn−kまでの評価関数rxx iに下に凸のピークが存在するかどうかで吐出状態を判断する。下に凸のピークが検出された場合、ステップS155に移行して、吐出状態は正常吐出であるとの判断結果となる。また、下に凸のピークが検出されなかった場合、ステップS160に移行して、吐出状態は不吐出であるとの判断結果となる。こうして、吐出状態判定処理を終了する。
(実施例2)
本実施例では、実施例1で説明した吐出不良ノズルの検出方法を用いて、ノズルからインク滴を吐出させるのに必要な、ヒータ3に印加する最小限の駆動エネルギーを求める。
図6は、ヒータ3に印加する駆動信号の電圧を固定(本実施例では20V)して、印加時間である駆動パルス幅popを0.02μsずつ変化させたときの昇温波形の変遷を示したグラフである。
図6の横軸はヒータ3への駆動信号印加後の経過時間を示している。図6に示す601〜605は、駆動パルス幅popを0.68μsから0.02μsずつ縮めた駆動信号をヒータ3に印加したときの5つの昇温波形を表している。このうち601、602及び603の昇温波形に対応する駆動電圧の印加ではノズルからインク滴が吐出しており、604及び605の昇温波形に対応する駆動電圧の印加ではインク滴が吐出していない。すなわち、吐出に必要な最小限の駆動パルス幅pthは昇温波形603に対応した0.64μsであると言える。
ただし、図6から分かるように、駆動パルス幅popが最小駆動パルス幅pthに近づくほど、変曲点以降の降温速度の変化は弱まり、正常吐出の根拠となる変曲点が出現した痕跡の検出が困難になる。すなわち、最小駆動パルス幅pthの駆動信号を印加したときの昇温波形が最も吐出状態の判定が困難な正常吐出の昇温波形となるため、吐出状態の判定精度が最小駆動パルス幅の決定精度に直接影響を及ぼすことになる。
そこで本実施例では、吐出状態の判定精度が高いことが特徴である実施例1で示した吐出不良ノズルの検出方法を、最小駆動パルス幅の決定方法に用いる。
図6に示す昇温波形601〜605中に表したマーカーは、変曲点よりも前の区間の昇温波形から抽出した基準データを示している。本実施例では駆動開始時間から4.15〜5.75μs経過後の1.6μs間の区間において、サンプリング周期0.05μsの4倍となる0.2μs間隔で9点分の昇温量のデータを基準データとして抽出する。
図7は、図6に示した昇温波形601〜605より抽出した基準データ及び比較データに基いて、式(1−1)及び(1−2)から算出した評価関数rxx iを表したグラフである。
図7において、横軸は基準データからの比較データのズレ量iを表している。また、701〜705は、それぞれ昇温波形601〜605に対応した評価関数rxx iを表している。
評価関数701〜705の初期値rxx 0は駆動パルス幅が短くなるのに伴って低下しているが、これは駆動パルス幅が短くなるにつれて正規化した基準データの負の勾配が負方向に大きくなる事に起因している。すなわち、駆動パルス幅が短くなると、インク中に発生する気泡が小さくなって耐キャビテーション膜26と接触する気泡の面積が狭くなる。このため、耐キャビテーション膜26からインクへ移動する熱が増加し、降温過程で温度センサ5の温度が低下しやすくなるのが原因である。
また、図7から分かるように、駆動パルス幅が短くなるのに伴い、評価関数701〜705のプロファイルが全体的に右肩上がりになっている。これは、以下に説明する現象に起因している。すなわち、インク中に発生する気泡のサイズが小さくなると消泡するタイミングも早くなるため、気泡が耐キャビテーション膜26とインクとの間を断熱する効果が弱まる。すると、駆動信号の印加後、一時的に耐キャビテーション膜26からインクへの移動する熱が増えてその分インクは過昇温するが、降温過程のあるタイミングで今度はインクから耐キャビテーション膜26に熱が逆に移動するようになる。そのため、温度センサ5の温度が降温しにくくなり、正規化した比較データの負の勾配が負方向に小さくなっていくので、評価関数のプロファイルは右肩上がりになる。
以上述べたような傾向が評価関数701〜705に存在するため、不吐出の場合の評価関数704及び705でも、図4に示した評価関数304のようにフラットではなく、右肩上がりのプロファイルとなる。
正常吐出の場合の評価関数703も全体としては右肩上がりのプロファイルではあるものの、下に凸のピークが明瞭に現れているのが分かる。評価関数701及び702にも同様に下に凸のピークが現れており、評価関数704及び705には現れていない。そして、評価関数703と704との差が、隣接する評価関数同士の差としては最も大きい。
したがって、吐出状態は、評価関数701、702及び703からは正常吐出であると判定でき、評価関数704及び705からは不吐出であると判定できる。これらの判定結果から、評価関数703に対応した昇温波形603の駆動パルス幅0.64μsが、吐出に必要な最小限の駆動パルス幅pthであると判断できる。
図8は、本実施例におけるヒータ3の最小駆動パルス幅決定処理を示すフローチャートである。以下、図6及び7を参照しながら最小駆動パルス幅決定処理の流れについて説明する。
まず、ステップS205にて、初期駆動パルス幅piniを、前回検知した最小駆動パルス幅pthよりも0.1μs長い時間に設定する。なお、初期駆動パルス幅piniはこれに限るものではなく、例えば最小駆動パルス幅pthよりも0.2μs長い時間に設定してもよい。
次に、ステップS210では、駆動パルスのランク番号mと駆動パルス幅popの設定を行う。駆動パルス幅popは、ステップS205で定めた初期駆動パルス幅piniに設定する。駆動パルスのランク番号mは、前回検知した最小駆動パルス幅pthを基準として、駆動パルス幅popが0.02μs長くなる毎に1ずつ増えていく番号である。本実施例では、駆動パルス幅popの初期値をpini(=pth+0.1μs)に設定するため、ランク番号mの初期値を5に設定する。
ステップS215では、記録ヘッド駆動制御回路414によって、ステップS210で定めた駆動パルス幅popの駆動パルスをヒータ3に印加する。
ステップS220では、上記図5の吐出不良ノズルの検出処理のフローチャートに従って対応するノズルの吐出状態の判定を行う。
ステップS225では、ステップS220で判定した吐出状態が正常吐出だったか否かを判断する。吐出状態が正常吐出であれば、ステップS230に移行してランク番号mが下限(本実施例では−3)に達したか否かをチェックする。ランク番号mが下限に達していれば、ステップS245に移行する。ランク番号mが下限に達していなければ、ステップS235でランク番号mを1つ減らすと共に駆動パルス幅popを0.02μs短くしてステップS215からステップS225までの処理を繰り返す。
一方、ステップS225で吐出状態が正常吐出でなければ、1つ前のランクの駆動パルス幅が最小駆動パルス幅pthであると判断する。そして、ステップS240に移行して最小駆動パルス幅pthを1つ前のランクの駆動パルス幅であるpop+0.02μsに更新して、最小駆動パルス幅決定処理を終了する。
ステップS245では、下限のランク番号mの駆動パルス幅popでも正常に吐出するため、一旦、最小駆動パルス幅pthを下限のランク番号mの駆動パルス幅であるpopに更新しておく。ただし、通常、最小駆動パルス幅pthの変化は、前回の最小駆動パルス幅pthから1ランク以内、最大でも2ランク以内に収まるため、3ランクも低い駆動パルス幅でも正常に吐出してしまうのはノズルが異常であるためと考えられる。具体的には、耐キャビテーション膜26の削れが促進されて熱抵抗が低下し、短い駆動パルス幅でも吐出に必要な熱エネルギーがインクに伝わっているということが考えられる。この状態は、言い換えればノズルの寿命が近いとも言えるため、ステップS250で耐キャビテーション膜26の削れが許容以上である可能性があることを不図示の表示部に表示して使用者に警告し、最小駆動パルス幅決定処理を終了する。
上記の各実施例によれば、インクを吐出するためのヒータ駆動時のヒータ近傍温度を検出する。そして、吐出状態を判定するため、降温時に指数関数的に漸減するヒータ近傍温度の変曲点よりも手前のデータを基準データとして抽出して、基準データ以降に抽出した比較データと積和演算を行って自己相関関数を求める。そして、自己相関関数を基準データと比較データそれぞれの先頭データで正規化する。こうして、不吐出の場合は比較的平坦で変動が小さく、正常吐出の場合は比較データ内を変曲点が移動するにつれて大きく負方向に変動するプロファイルとなる評価関数を得る。以上の構成により、正常吐出のときのみ下に凸となるピークが明瞭に現れる評価関数が得られるため、吐出状態が正常か不吐出かを高精度に判断することができる。
さらに、実施例2では、ヒータ駆動パルスの印加エネルギーを漸増あるいは漸減させながら、初めて正常に吐出するヒータ駆動パルス、あるいは初めて不吐出となるヒータ駆動パルスの1つ前のヒータ駆動パルスを、上記の評価関数を用いて判定している。このような構成により、正常吐出に必要な最小限のヒータ駆動パルスを高精度に求めることができる。
ヒータを駆動したときの温度センサの検出温度の変化を吐出状態ごとに示す図である。 温度変化の自己相関関数の導出に用いる基準データ及び比較データを示したグラフである。 正常吐出の昇温波形から抽出した基準データと比較データを正規化したデータを示したグラフである。 図2に示した昇温波形から抽出した基準データ及び比較データに基いて算出した吐出状態の判定に用いる評価関数を表したグラフである。 実施例1における吐出不良ノズルの検出処理を示すフローチャートである。 ヒータに印加する駆動信号の駆動パルス幅を0.02μsずつ変化させたときの昇温波形の変遷を示したグラフである。 図6に示した昇温波形から抽出した基準データ及び比較データに基いて算出した、吐出状態の判定に用いる評価関数を表したグラフである。 実施例2における最小駆動パルス幅決定処理を示すフローチャートである。 本発明を適用可能なインクジェット記録ヘッドの模式的部分平面図及び断面図である。 本発明を適用可能なシリアル方式のインクジェット記録装置の主要部の構成を示す概略図である。 インクジェット記録装置の制御回路のブロック図である。
符号の説明
1 記録ヘッド
3 ヒータ
5 温度センサ
400 CPU

Claims (8)

  1. ノズルに対応して設けられたヒータと、前記ヒータの近傍に設けられた温度センサとを備え、前記ヒータに駆動パルスを印加することにより熱エネルギーをインクに付与させて前記ノズルからインクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおける吐出不良ノズルの検出方法であって、
    前記温度センサにより、予め定められたプロファイルから前記ヒータに前記駆動パルスが印加された後の前記ヒータの降温時に変曲点が検出されると想定される時間の前である基準時に温度を検出する基準温度の検出工程と、
    前記温度センサにより、それぞれ前記基準時よりも後であって一定の時間幅を持つ異なる複数の時間区間に、前記時間区間ごとに連続して複数の温度を検出する比較温度の検出工程と、
    前記基準時の基準温度と前記時間区間ごとの比較温度に関する自己相関関数とを評価の指標として前記ノズルからインクが正常に吐出したか否かを判断する判断工程と、
    を有することを特徴とする吐出不良ノズルの検出方法。
  2. 前記判断工程は、
    前記時間区間ごとに、前記比較温度の検出工程で検出された温度をそれぞれ積和する積和工程と、
    前記積和工程で積和されたそれぞれの積和結果を、前記基準時の温度と前記時間区間においてそれぞれ最初に検出された温度との積でそれぞれ除する除算工程と、を有し、
    前記除算工程で得られた前記時間区間のそれぞれに対応する除算結果に基づいて前記ノズルからインクが正常に吐出したか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の吐出不良ノズルの検出方法。
  3. 前記判断工程は、前記基準時から前記時間区間において最初に温度を検出するまでの時間に対して、前記時間区間のそれぞれに対応する除算結果をプロットしたときに、下に凸となるピークが得られた場合に前記ノズルからインクが正常に吐出したと判断することを特徴とする請求項2に記載の吐出不良ノズルの検出方法。
  4. 前記インクジェット記録ヘッドは、複数のノズルを備え、
    前記複数のノズルのそれぞれについて吐出不良ノズルか否かを検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吐出不良ノズルの検出方法。
  5. 前記時間区間は、それぞれ、前記基準時から前記比較温度の検出工程で連続して複数の温度を検出する際の検出周期の整数倍となる時に、最初の温度を検出するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吐出不良ノズルの検出方法。
  6. 前記基準温度の検出工程は、予め定められた時間区間内で連続して複数の温度を検出した際の最初に温度を検出した時であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の吐出不良ノズルの検出方法。
  7. ヒータに印加する駆動パルスの最小駆動パルス幅決定方法であって、
    前記ヒータに異なる駆動パルス幅の駆動パルスを印加させて請求項1の各工程を実行させる実行工程と、
    それぞれの駆動パルス幅における前記判断工程の判断結果に基づいて、前記ノズルを駆動するための最小駆動パルス幅を決定する決定工程と、
    を有する最小駆動パルス幅決定方法。
  8. ノズルに対応して設けられたヒータと、前記ヒータの近傍に設けられた温度センサとを備え、前記ヒータに駆動パルスを印加することにより熱エネルギーをインクに付与させて前記ノズルからインクを吐出するインクジェット記録ヘッドを備える記録装置であって、
    前記温度センサを、予め定められたプロファイルから前記ヒータに前記駆動パルスが印加された後の前記ヒータの降温時に変曲点が検出されると想定される時間の前である基準時に温度を検出するよう制御する基準温度の検出手段と、
    前記温度センサを、それぞれ前記基準時よりも後であって一定の時間幅を持つ異なる複数の時間区間に、前記時間区間ごとに連続して複数の温度を検出するよう制御する比較温度の検出手段と、
    前記基準時の基準温度と前記時間区間ごとの比較温度に関する自己相関関数とを評価の指標として前記ノズルからインクが正常に吐出したか否かを判断する判断手段と、
    を有することを特徴とする記録装置。
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