JP2009245277A - プラント制御装置、プラント制御方法、プラント制御プログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

プラント制御装置、プラント制御方法、プラント制御プログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】運転状態が大きく変動する場合でも熟練を要さずに安定した良好な運転状態に制御できるプラント制御装置を提供する。
【解決手段】運転内容変更認識手段343により運転内容がナフサを処理する定常運転である場合、状態制御手段342にてセンサ400で検出した運転状態データを第一目標値にするPID制御をする。コーク除去の非定常運転の場合、付加制御手段344は、状態制御手段342にてセンサ400で検出した運転状態データを第二目標値にするPID制御か、状態制御手段342にて制御する制御量に制御量データの値を加算させてPID制御を実施させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被処理物を処理する複数の処理系統を備えたプラントにおける運転状態を制御するプラント制御装置、プラント制御方法、プラント制御プログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、例えば原料を適宜処理して樹脂原料を製造するなど特に連続運転などの比較的に運転時間が継続し運転状態の変動が少ないプラントでは、ほぼPID制御が実施されている。
そして、メンテナンスなどのためにプラントの処理系統の一部を停止したり、他の処理をする場合、通常の処理内容でないことからPID制御では追従できず、作業者が手動により操作している。このため、作業者の熟練が要求され、安定した良好な運転状態の維持が困難である。
そこで、例えば、いわゆるファジー制御とPID制御との複合制御や、ファジー制御とモデル予測制御との複合制御など、各種制御を複合させる構成が考えられる。
しかしながら、ファジー制御とPID制御との複合制御では、ファジー制御に用いるファジー推論が一般的には1段階推論であり、運転状態の追従応答性が低く、良好な運転状態が得られない。
また、ファジー制御によりモデル予測制御のモデルパラメータを変更する複合制御やファジー制御により複数のモデル予測制御を切り替える複合制御でも、良好な運転状態が得られない。すなわち、例えば、運転状態における加熱や冷却などの制御してから応答するまでに時間を要する制御因子や流量や数量などの制御内容がそのまま運転状態となる応答性がよい制御因子など、制御する内容が異なる場合では、運転状態が制御内容に応じて良好に追従されず、良好な運転状態が得られない。
上述したように、従来のプラントの制御方法では、特に通常運転ではない運転内容に切り替えるなどの運転状態が大きく変動する場合、運転状態が良好に追従せず、作業者による手動制御により対応しており、熟練を要し、安定した良好な運転状態を維持することが困難である。
本発明の目的は、このような点に鑑みて、運転状態が大きく変動する場合でも熟練を要さずに安定した良好な運転状態が得られるプラント制御装置、プラント制御方法、プラント制御プログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
本発明に記載のプラント制御装置は、被処理物を処理する処理系統を複数有しこれら複数の処理系統のうちの少なくともいずれか1つの処理系統における運転内容を、前記被処理物を処理する定常運転とこの定常運転とは異なる非定常運転との異なる運転内容に変更可能なプラントの前記処理系統における運転状態を制御するプラント制御装置であって、前記運転状態の目標値を記憶する記憶手段と、前記プラントに配設されたセンサから前記運転状態に関する運転状態データを取得する運転状態データ取得手段と、この運転状態データ取得手段で取得した運転状態データと前記記憶手段の目標値とを比較して前記運転状態データと前記目標値とが同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御する状態制御手段と、前記処理系統の運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識する運転内容変更認識手段と、前記運転内容変更認識手段にて運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識すると、前記状態制御手段における運転状態データと比較させる目標値を、非定常運転用の目標値と比較させて前記プラントの運転状態を制御させる目標値切替制御と、前記状態制御手段で前記プラントの運転状態を制御する制御量に所定量の制御量を加算して前記プラントの運転状態を制御させる制御量加算制御と、のうちの少なくともいずれか一方の制御を実施する付加制御手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、運転内容変更認識手段により運転内容が、被処理物を処理する定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識すると、目標値とセンサからの運転状態データとを比較して運転状態データが目標値となる状態にプラントの運転状態を制御する状態制御手段における目標値として、非定常運転用の目標値と比較させてプラントの運転状態を制御させる目標値切替制御と、状態制御手段でプラントの運転状態を制御する制御量に所定量の制御量を加算してプラントの運転状態を制御させる制御量加算制御と、の制御を適宜実施する。
このことにより、運転内容が切り替わって運転状態が大きく変動し、状態制御手段で追従できない状態が生じる場合でも、状態制御の制御を適宜補助し、運転内容が切り替わっても運転内容に応じた良好な運転状態に追従させて良好な運転状態が得られる。
そして、本発明では、前記記憶手段は、前記定常運転における前記熱および量の第一目標値と、前記非定常運転における前記熱および量の第二目標値とを記憶し、前記付加制御手段は、前記運転内容変更認識手段にて運転内容が定常運転であると認識すると、前記状態制御手段における前記運転状態データと比較させる目標値として前記第一目標値と比較させ、前記運転内容変更認識手段にて運転内容が非定常運転であると認識すると、目標値切替制御では前記非定常運転用の目標値として前記第二目標値と比較させて前記運転状態データが第二目標値と同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御させ、前記制御量加算制御では前記第一目標値または前記第二目標値と同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御する制御量に所定量の制御量を加算して前記プラントの運転状態を制御させる構成とすることが好ましい。
この発明では、運転内容が定常運転では、状態制御手段で運転状態データと比較させる目標値として通常運転用の第一目標値に基づいて運転状態を制御させる。一方、運転内容が非定常運転では、目標切替制御として運転状態データと比較させる目標値に非定常運転用の目標値である第二目標値を用いて運転状態を制御させ、制御量加算制御として運転状態を制御する制御量に別途記憶された制御量を加算して制御させる。
このことにより、制御因子として制御時期と運転状態との応答性が異なる複数の制御因子を制御する場合でも、運転内容に応じて良好な運転状態に追従でき、良好な運転状態が得られる。
また、本発明では、前記被処理物は、少なくとも熱および量のうちのいずれか一方により処理されるものであり、前記状態制御手段により制御する前記プラントの運転状態は、熱および量である構成とすることが好ましい。
この発明では、プラントにおける運転状態の制御として、被処理物を処理する少なくとも熱および量のうちのいずれか一方である。
このことより、制御してから所望とする運転状態となるまでに時間を要する制御因子である熱や、制御してから所望とする運転状態となるまでに時間を要しない制御因子である量を制御する場合でも、付加制御手段による目標値切替制御および制御量加算制御を適宜実施することで、運転内容に応じて良好な運転状態に追従でき、良好な運転状態が得られる。
さらに、本発明では、前記付加制御手段は、前記運転状態として熱を制御する場合では前記目標値切替制御を実施し、前記運転状態として量を制御する場合では前記制御量加算制御を実施する構成とすることが好ましい。
この発明では、運転状態として追従応答性の低い熱を制御する場合には目標値切替制御により状態制御手段で制御させ、運転状態として追従応答性の高い量を制御する場合では制御量加算制御にて状態制御手段で制御させる。
このことにより、追従応答性の低い熱を制御する場合でも、追従応答性の高い量を制御する場合でも、運転内容に応じて良好な運転状態に追従でき、良好な運転状態が得られる。
そして、本発明では、前記運転内容変更認識手段は、前記運転内容を切り替える旨の入力操作に伴う切替信号を受信することにより前記運転内容の変更を認識する構成とすることが好ましい。
この発明では、プラントのオペレータなどによる運転内容を切り替える旨の入力操作に伴う切替信号を受信することにより、運転内容の変更を認識する。
このことにより、運転内容が切り替わった時点から直ちに運転内容に応じた良好な運転状態での制御ができる。
また、本発明では、前記運転内容変更認識手段は、前記運転状態データ取得手段で取得する運転状態データの変動状態に基づいて運転内容の変化を判断する構成とすることが好ましい。
この発明では、運転状態データ取得手段で取得する運転状態データの変動状態に基づいて運転内容の変化を判断するので、オペレータによる切替操作がなくても、プラントの運転状態から運転内容を自動的に判断するので、よりプラントの運転状態の制御が容易となる。
さらに、本発明では、前記運転内容変更認識手段は、前記運転状態データの変動状態に基づく運転内容の変化として、前記運転状態データの経時変化量と、前記目標値および前記運転状態データの差分の大きさと、前記目標値および前記運転状態データの差分の変化量とのうちの少なくともいずれか一方に基づき、別途記憶された閾値より大きいか否かに基づいて運転内容が切り替わったか否かを判断する構成とすることが好ましい。
この発明では、運転状態データの経時変化量と、前記目標値および前記運転状態データの差分の大きさと、前記目標値および前記運転状態データの差分の変化量とのうちの少なくともいずれか一方に基づき、別途記憶された閾値より大きいか否かに基づいて運転内容が切り替わったか否かを判断する。
このため、例えば運転状態として追従応答性が低い熱や追従応答性が高い量を制御する場合でも、運転状態から比較的に応答よく運転内容が切り替わったことを認識することができ、運転内容に応じた良好な運転状態に容易に制御できる。
そして、本発明では、前記状態制御手段は、PID制御である構成とすることが好ましい。
この発明では、状態制御手段によるプラントの運転状態の制御は、PID制御である。
このため、定常運転時における良好な運転状態の制御が得られるとともに、運転状態が大きく変動する運転内容に切り替わっても付加制御手段による制御が加わることで、運転内容に応じた良好な運転状態に応答よく制御できる。
また、本発明では、前記プラントは、前記被処理物を前記処理系統の少なくともいずれか1つを用いて連続処理するものである構成とすることが好ましい。
この発明では、被処理物を複数の処理系統のうちの少なくともいずれか1つの処理系統で被処理物を連続処理するプラントに適用する。
このことにより、処理系統における被処理物を連続処理する定常運転から、例えば処理系統の保守や、異なる材料を用いて別の異なる処理を施すなどの処理内容の変更など、大きく運転状態が変動するプラントで、特に有効である。
本発明に記載のプラント制御方法は、演算装置を用いて、被処理物を処理する処理系統を複数有しこれら複数の処理系統のうちの少なくともいずれか1つの処理系統における運転内容を、前記被処理物を処理する定常運転とこの定常運転とは異なる非定常運転との異なる運転内容に変更可能なプラントの前記処理系統における運転状態を制御するプラント制御方法であって、前記運転状態の目標値を記憶する記憶手段を用い、前記プラントに配設されたセンサから前記運転状態に関する運転状態データを取得する運転状態データ取得工程と、この運転状態データ取得工程で取得した運転状態データと前記記憶手段の目標値とを比較して前記運転状態データと前記目標値とが同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御する状態制御工程と、前記処理系統の運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識する運転内容変更認識工程と、前記運転内容変更認識工程にて運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識すると、前記状態制御手段における運転状態データと比較させる目標値を、非定常運転用の目標値と比較させて前記プラントの運転状態を制御させる目標値切替制御と、前記状態制御手段で前記プラントの運転状態を制御する制御量に所定量の制御量を加算して前記プラントの運転状態を制御させる制御量加算制御と、のうちの少なくともいずれか一方の制御を実施する付加制御工程と、を実施することを特徴とする。
この発明は、請求項1に記載のプラント制御装置を方法に展開したもので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を享受する。
本発明に記載のプラント制御プログラムは、演算装置を、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のプラント制御装置として機能させることを特徴とする。
この発明は、例えば汎用のコンピュータを演算装置として利用しインストールすることにより請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のプラント制御装置として機能させることができ、発明の利用促進を大幅に図ることができる。
本発明に記載のプラント制御プログラムを記録した記録媒体は、請求項11に記載のプラント制御プログラムが演算装置に読取可能に記録されたことを特徴とする。
この発明では、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のプラント制御装置として機能させるプログラムを記録媒体に記憶しているので、プラント製造プログラムの取扱が容易で、本発明の利用促進を大幅に図ることができる。
なお、請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の発明において、演算装置は、例えば1つのパーソナルコンピュータ、複数のコンピュータをネットワーク状に組み合わせた構成、マイクロコンピュータなどの素子、あるいは複数の電子部品が搭載された回路基板などをも含む。
以下、本発明のプラント制御装置に係る一実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態では、被処理物であるナフサを原料として各種材料を製造するプラントを例示するが、例えば複数の貯留タンクにそれぞれ貯溜された各性状の原料を適宜混合させて所定の性状の燃料油などの調合物を製造するプラント、複数並列に設けられた加熱炉へ各種被処理物を供給して適宜加熱させる熱処理プラントなど、複数の処理系統を有しいずれかの処理系統を異なる運転状態に切替可能な各種プラントに適用できる。
図1は、本実施の一形態におけるナフサ処理プラントの概略構成を示すブロック図である。図2は、ナフサ処理プラントの運転状態を制御するプラント制御装置を含む全体構成の概略構成を示すブロック図である。
〔ナフサ処理プラントの全体構成〕
プラントであるナフサ処理プラント100は、原料のナフサに水蒸気を混合して分解した後に適宜分留などの処理を実施して、エチレンやエタン、アセチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、熱分解ガソリンなどを連続的に製造する。
そして、ナフサ処理プラント100は、ナフサを分解する処理系統としての分解炉110が並列状に複数設けられている。すなわち、分解炉110は、定常運転であるナフサの分解処理に際して、流路内にコークが付着し、流通不良を生じるおそれがあるため、原料のナフサの供給を停止し、空気と水蒸気との供給により付着するコークを二酸化炭素として除去する非定常運転が実施可能となっている。
また、ナフサ処理プラント100には、分解炉110の下流側に熱分解重油を分留するための第一分留塔120が設けられている。さらに、第一分留塔120の下流側には、熱分解ガソリンを分留するとともに水抜きのための水冷塔130が設けられている。また、水冷塔130の下流側には、硫化水素や二酸化炭素を分離除去するための圧縮機140を介して、水素を回収する水素回収塔150、各材料を分留する複数の分留塔160A〜160Gが設けられている。
なお、水冷塔で分集する水分は、下流の処理の熱源として利用される。すなわち、水分の温度が変動すると下流の処理における運転状態も変動することとなる。
そして、ナフサ処理プラント100には、各分解炉110、第一分留塔120、冷却塔130、圧縮機140、水素回収塔150、各分留塔160A〜160Gなどに適宜配設された流量計、温度計など、ナフサ処理プラント100の温度や流量などの運転状態を検出する図示しないセンサが複数配設されている。
また、ナフサ処理プラント100には、図2に示すように、流量を調整するバルブ、温度を調整するボイラや冷却水の流量を調整するバルブなどの運転状態を可変制御、すなわちバルブの開度を調整したり、ボイラの熱量を調整したりする運転状態調整装置200が設けられている。
そして、運転状態調整装置200には、プラント制御装置300が接続されている。
このプラント制御装置300は、運転状態調整装置200を制御、すなわち運転状態調整装置200で実施させる運転状態の可変状態を設定し、その設定内容で運転状態調整装置200に運転状態を可変させる制御をする。また、プラント制御装置300は、ナフサ処理プラント100に配設されたセンサで検出する運転状態データを受信可能に各種センサ400が接続されている。
そして、プラント制御装置300は、例えば汎用のコンピュータなどが利用され、入力手段310と、表示手段320と、記憶手段330と、演算装置としての演算手段340と、を備えている。
入力手段310は、例えばキーボードやマウスなど、演算手段340に接続され、各種情報の入力操作により対応する所定の信号を演算手段340へ出力して演算手段340で各種情報を設定入力する。この設定入力は、キーボードや各種スイッチなどの入力操作の他、タッチパネルや音声入力などとしてもよい。
表示手段320は、演算手段340に接続され、演算手段340から出力される画像データを適宜表示する。この表示手段320は、例えば液晶パネルや有機EL(electoroluminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)など、各種表示装置を用いることができる。
記憶手段330は、演算手段340が読出可能に、各種データを記憶する。この記憶手段330は、例えばHD(Hard Disk)などの磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、メモリカードなど、各種記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成、さらには複数のドライブやドライバにて構築された構成などが適用できる。
そして、記憶手段330は、目標値である第一目標値を記憶する第一目標値データベース331と、目標値である第二目標値を記憶する第二目標値データベース332と、制御量加算データを記憶する制御量加算データベース333と、などを備えている。また、記憶手段330は、全体構成を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。
そして、第一目標値データベース331は、ナフサ処理プラント100における運転内容である定常運転におけるナフサや水蒸気、空気の流量やボイラでの温度などの最も効率的な運転状態となる値が、各バルブやボイラなどの制御する対象毎に複数記憶されている。
具体的には、各分解炉110でナフサを水蒸気にて分解する定常運転時におけるナフサ処理プラント100の各部位でセンサ400にて検出する熱量や流量などの目標値が、それぞれ検出部位に対応して複数記憶されている。すなわち、第一目標値データベース331は、検出部位を特定するID番号などの識別番号に、第一目標値の値に関する第一目標値データが一体に関連付けられた第一目標値情報を複数記憶するテーブル構造に構築させている。
また、第二目標値データベース332は、ナフサ処理プラント100における運転内容である非定常運転におけるナフサや水蒸気、空気の流量やボイラでの温度などの最も効率的な運転状態となる値が、各バルブやボイラなどの制御する対象毎に複数記憶されている。
具体的には、各分解炉110のいずれかでコークを除去する処理を実施する非定常運転時におけるナフサ処理プラント100の各部位でセンサ400にて検出する熱量や流量などの目標値が、それぞれ検出部位に対応して複数記憶されている。すなわち、第二目標値データベース332は、検出部位を特定するID番号などの識別番号に、第二目標値の値に関する第二目標値データが一体に関連付けられた第二目標値情報を複数記憶するテーブル構造に構築させている。
さらに、制御量加算データベース333は、詳細は後述するが、例えば流量を20%増となる状態に制御させる制御量に、所定の制御量である10%をさらに加算してトータル30%増となる状態に運転状態調整装置200でバルブを制御させたりするための、加算させる所定の制御量が、それぞれの検出部位に対応して複数記憶されている。すなわち、制御量加算データベース333は、検出部位を特定するID番号などの識別番号に、加算させる制御量に関する制御量データが一体に関連付けられた制御量加算情報を複数記憶するテーブル構造に構築させている。
演算手段340は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備え、センサ400や運転状態調整装置200、入力手段310や表示手段320が接続される各ポートを備えている。
そして、演算手段340は、各種プログラムとして、運転状態データ取得手段341と、状態制御手段342と、運転内容変更認識手段343と、付加制御手段344と、を備えている。
運転状態データ取得手段341は、センサ400で検出した運転状態に関する運転状態データを取得する。
具体的には、運転状態データ取得手段341は、センサ400で検出する運転状態データである温度、流量などの値を逐次受信する。なお、本実施形態では、状態制御手段342は運転状態調整装置200を毎秒毎に受信する運転状態データに基づいてPID制御する構成を例示するが、運転状態の制御方法に応じて、適宜受信すればよい。
状態制御手段342は、運転状態データ取得手段で取得した運転状態データと、記憶手段330の第一目標値や第二目標値とを比較し、運転状態データが第一目標値や第二目標値と同一となる運転状態に、例えばPID制御によりナフサ処理プラント100の運転状態を制御する。
具体的には、状態制御手段342は、運転状態調整装置200を制御して、バルブの開度やバーナの熱量などをPID制御させる。
運転内容変更認識手段343は、ナフサ処理プラント100の運転内容が、通常運転と非通常運転とで切り替わったか否かを判断する。具体的には、上述したように、ナフサを処理する定常運転か、分解炉110のいずれかでコークを除去する処理を実施する非定常運転かを判断する。
この判断としては、ナフサ処理プラント100のオペレータなどによる運転内容を切り替える旨のスイッチの切替などの入力操作に伴って出力される切替信号を受信することにより、運転内容が定常運転から非定常運転へ切替、あるいは非定常運転から定常運転へ切替を判断する。
さらに、運転内容変更認識手段343は、センサ400から取得する運転状態データの変動状態に基づいて運転内容の変化を自動的に判断可能である。例えば、運転状態データの経時変化量と、第一目標値あるいは第二目標値および運転状態データの差分の大きさと、第一目標値あるいは第二目標値および運転状態データの差分の変化量とのうちの少なくともいずれか一方に基づき、記憶手段330に別途記憶された閾値と比較して、閾値より大きいか否かに基づいて、運転内容が切り替わったか否かを自動的に判断可能である。なお、オペレータの手動操作により運転内容の切替を認識する構成と、運転状態データの変動状態に基づいて自動的に運転内容の切替を判断する構成とのうちの、いずれか一方のみでもよい。さらには、他の方法で運転内容を認識しても良い。
付加制御手段344は、運転内容変更認識手段343で認識する運転内容に応じて、状態制御手段342による運転状態調整装置のPID制御状態を適宜補助する。
すなわち、定常運転である場合には、付加制御手段344は、動作せず、状態制御手段342による第一目標値データに基づいて通常のPID制御が実施される。また、非通常状態では、付加制御手段344は、状態制御手段342によるPID制御を補助する制御をする。この付加制御手段344は、プログラムとして、目標値切替制御手段344Aと、制御量加算制御手段344Bと、を備えている。
そして、付加制御手段344は、非定常運転時の制御として、制御する運転状態の対象が追従応答性の低い熱量を制御する場合には、目標値切替制御手段344Aを実施させ、制御する運転状態の対象が追従応答性の高い数量を制御する場合には、制御量加算制御手段344Bを実施させる。
すなわち、目標値と比較した運転状態データである温度が目標値より低いために、ボイラの加熱量を増大させて温度を上げる制御をしても温度は直ちに上昇しない。このため、あらかじめ温度の追従応答性を考慮して、第二目標値を設定しておけばよい。一方、制御対象が数量の場合、例えばバルブの開度を調整するのみで直ちに流量を増減できるのであらかじめ運転内容が分かっている状態ではどの程度の数量が必要かが明らかであるので、状態制御手段342で制御する制御量に直ちに目標値に対応させる数量を増減させる状態に制御量を加算する制御を実施すればよい。
なお、制御対象が数量の場合、目標値切替制御手段344Aを実施してもよい。すなわち、追従応答性が高い数量の場合には、追従応答性を考慮して第二目標値を設定しておき、適宜制御量を加算する制御を組み合わせるなどしてもよい。
目標値切替制御手段344Aは、運転内容変更認識手段343により運転内容が切り替わったことを認識した場合、運転内容に応じて状態制御手段342にてセンサ400からの運転状態データと比較する目標値を、第一目標値または第二目標値のいずれかに適宜切り替える。
すなわち、目標値切替制御手段344Aは、運転内容が定常運転であると判断した場合には、状態制御手段342で運転状態データと比較させる目標値を第一目標値とし、状態制御手段342で運転状態データの値が第一目標値となるように運転状態調整装置200をPID制御する。また、運転内容が非定常運転であると判断した場合、状態制御手段342で運転状態データと比較させる目標値を第二目標値とし、状態制御手段342で運転状態データの値が第二目標値となるように運転状態調整装置200をPID制御する。
制御量加算制御手段344Bは、状態制御手段342により運転状態調整装置200をPID制御する際の制御量に所定量の制御量を加算してPID制御させる。
例えば、状態制御手段342で流量を20%増となる状態に運転状態調整装置200をPID制御させる制御量に、対応する部位での制御量加算データベース333の制御量データの制御量である10%をさらに加算してトータル30%増となる状態に、状態制御手段342にて運転状態調整装置200でバルブをPID制御させる。
〔ナフサ処理プラントの制御動作〕
次に、上記プラント制御装置におけるナフサ処理プラント100の運転状態の制御について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
ナフサ処理プラント100の立ち上げ後、定常運転で安定した状態からプラント制御装置300による制御が開始される。
このプラント制御装置300による制御は、例えばいわゆるボードマンと称されるプラントの運転作業者が安定運転まで立ち上げ用のプログラムに基づいて運転状態を制御した後、運転状態が安定してナフサの処理を実施するためのプログラムの切替操作などにより、プラント制御装置300の演算手段340が処理を開始する。
まず、演算手段340は、ナフサ処理プラント100の運転状態を認識する(ステップS1)。
具体的には、演算手段340の運転内容変更認識手段343により、運転作業者による運転内容を切り替える旨のスイッチの切替や定常運転あるいは非定常運転を実施するスイッチ操作などの入力操作に伴って出力される切替信号を受信して、運転内容が定常運転か非定常運転かを判断する。さらに、運転内容変更認識手段343は、センサ400から取得する運転状態データの変動状態に基づいて、運転内容の変化を自動的に判断する。
このステップS1において、運転内容変更認識手段343が定常運転、すなわちナフサを処理する運転であると判断した場合には、ナフサ処理プラント100の運転状態を認識する。すなわち、演算手段340の運転状態データ取得手段341により、ナフサ処理プラント100の各部位でのセンサ400で検出した温度や流量などの運転状態データを取得する(ステップS11)。
そして、演算手段340は、定常状態であるとの判断に基づいて、状態制御手段342により第一目標値に基づいて運転状態をPID制御し(ステップS12)、ステップS1に戻る。
すなわち、定常状態であるとの判断に基づいて、付加制御手段344が状態制御手段342で比較させる目標値として第一目標値を用いる設定をする。そして、状態制御手段342は、ステップS11で取得した運転状態データと、第一目標値データとを比較し、運転状態データの値が第一目標値データの値と同一となる状態に、各部位における温度や流量を調整すべく、運転状態調整装置200を制御する。
一方、ステップS1において、運転内容変更認識手段343が非定常運転、すなわちいずれの分解炉110で付着するコークを除去する運転であると判断した場合には、ナフサ処理プラント100の運転状態を認識する。すなわち、演算手段340の運転状態データ取得手段341により、ナフサ処理プラント100の各部位でのセンサ400で検出した温度や流量などの運転状態データを取得する(ステップS21)。
そして、演算手段340は、非定常状態であるとの判断に基づいて、付加制御手段344は、状態制御手段342によるPID制御を補助する制御をする。すなわち、非定常状態であるとの判断に基づいて、付加制御手段344は、各部位での運転状態データが温度か流量かを判断、すなわち制御する運転状態の対象が熱量か数量かを各部位における識別番号などから判断する(ステップS22)。
このステップS22において、状態制御手段342にて熱量を制御対象とするものであると判断した場合、付加制御手段344は状態制御手段342の運転状態データと比較させる目標値として第二目標値を用いる設定とする。そして、状態制御手段342は、目標値切替制御手段344Aによる処理、すなわちステップS21で取得した運転状態データと、第二目標値データとを比較し、運転状態データの値が第二目標値データの値と同一となる状態に、各部位における温度や流量を調整すべく、運転状態調整装置200をPID制御し(ステップS23)、ステップS1に戻る。
一方、ステップS22において、状態制御手段342にて数量を制御対象とするものであると判断した場合、付加制御手段344は、目標値切替制御手段344Aか制御量加算制御手段344Bによる処理を設定し、設定した処理内容で状態制御手段342によるPID制御を実施させ(ステップS24)、ステップS1に戻る。例えば、ステップS22で認識した部位における識別番号などから第二目標値に基づいて状態制御手段342でPID制御するか、制御量加算データベース333から対応する制御量データを読み出して、状態制御手段342でPID制御する際の制御量に読み出した制御量データの値を加算して状態制御手段342でPID制御させるか、を設定する。
なお、非定常状態から再び定常状態に戻る場合には、状態制御手段342による運転状態データと比較させる目標値を第二目標値から第一目標値に設定し直せばよい。
そして、ステップS1において、運転内容が、定常運転および非定常運転でもないと判断した場合には、ナフサの処理を停止、あるいはプラント制御装置300による制御の停止が実施されたか否かを判断する(ステップS2)。この判断としては、例えば、運転作業者の入力操作により設定入力されたか否かを判断する。
このステップS2において、演算手段340が停止の設定がされていないと判断した場合には、例えば運転異常やエラー信号などの異常と判断し、エラー処理をする(ステップS3)。また、ステップS2において、演算手段340が停止の設定がされたと判断すると、プラント制御装置300による制御を終了させる。
〔プラント制御装置の作用効果〕
上述したように、上記実施形態のプラント制御装置300では、運転内容変更認識手段343により運転内容が、ナフサを処理する定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識すると、運転状態を制御する状態制御手段342のPID制御を補助する制御をする。すなわち、第一目標値とセンサ400からの運転状態データとを比較して運転状態データが第一目標値となる状態にナフサ処理プラント100の運転状態として運転状態調整装置200をPID制御する状態制御手段342で、第一目標値に代えて非定常運転用の第二目標値と運転状態データとを比較させてナフサ処理プラント100の運転状態を制御する目標値切替制御手段344Aによる目標値切替制御と、状態制御手段342でナフサ処理プラント100の運転状態をPID制御する制御量に所定量の制御量データの値を加算してナフサ処理プラント100の運転状態をPID制御させる制御量加算制御手段344Bによる制御量加算制御と、を適宜実施する付加制御手段344を設けている。
このため、運転内容が切り替わって運転状態が大きく変動し、状態制御手段342のPID制御では、追従できない運転状態が生じるおそれがある場合でも、状態制御手段342によるPID制御を、目標値を代えたり制御量に加算したりする制御で適宜補助するので、運転内容が切り替わっても運転内容に応じた良好な運転状態に追従させて良好な運転状態を得ることができる。したがって、非定常状態の際に、運転状態が大きく変動するために熟練の運転作業者にて手動で制御する必要がなく、運転作業者間での熟練度のばらつきによる運転状態の制御のばらつきもなく、安定した自動制御ができ、安定してナフサを処理できる。
そして、上記実施形態によれば、運転内容が定常運転では、状態制御手段342で運転状態データと比較させる目標値として通常運転用の第一目標値に基づいて運転状態を制御させる。一方、運転内容が非定常運転では、目標切替制御として運転状態データと比較させる非定常運転用の目標値である第二目標値を用いて運転状態を制御させ、制御量加算制御として運転状態を制御する制御量に別途記憶された制御量データの値を加算して制御させている。
このため、制御因子として温度や流量などの制御時期と運転状態との応答性が異なる複数の制御因子を制御する場合でも、運転内容に応じて良好な運転状態に追従でき、良好な運転状態が得られる。
また、ナフサ処理プラント100における運転状態の制御として、ナフサを処理する少なくとも熱および量のうちのいずれか一方である。
このため、制御結果として所望とする運転状態となるまでに時間を要する制御因子である熱や、制御結果として所望とする運転状態となるまでに時間を要しない制御因子である数量を制御する場合でも、付加制御手段344による目標値切替制御および制御量加算制御を適宜実施することで、運転内容に応じて良好な運転状態に追従でき、良好な運転状態が得られ、安定したナフサ処理を提供できる。
さらに、運転状態として追従応答性の低い熱を制御する場合には目標値切替制御により状態制御手段342でPID制御させ、運転状態として追従応答性の高い数量を制御する場合では制御量加算制御にて状態制御手段342でPID制御させている。
このため、追従応答性の低い熱を制御する場合でも、追従応答性の高い数量を制御する場合でも、運転内容に応じて良好な運転状態に追従でき、良好な運転状態が得られる。
また、運転作業者などによる運転内容を切り替える旨の入力操作に伴う切替信号を受信することにより、運転内容の変更を認識する構成を採っている。
このため、運転内容が切り替わった時点から直ちに運転内容に応じた良好な運転状態での制御ができる。
さらに、運転状態データ取得手段341で取得する運転状態データの変動状態に基づいて運転内容の変化をも判断している。
このため、運転業者による切替操作がなくても、ナフサ処理プラント100の運転状態から運転内容を自動的に判断するので、よりナフサ処理プラント100の運転状態の制御が容易にできる。
そして、運転内容の自動的な判断として、運転状態データの経時変化量と、第一目標値あるいは第二目標値および運転状態データの差分の大きさと、第一目標値あるいは第二目標値および運転状態データの差分の変化量とのうちの少なくともいずれか一方に基づき、記憶手段330に別途記憶された閾値より大きいか否かに基づいて運転内容が切り替わったか否かを判断する。
このため、例えば運転状態として追従応答性が低い熱や追従応答性が高い数量を制御する場合でも、運転状態から比較的に応答よく運転内容が切り替わったことを認識することができ、運転内容に応じた良好な運転状態に容易に制御できる。
そして、状態制御手段342によるナフサ処理プラント100の運転状態の制御は、PID制御としている。
このため、定常運転時における良好な運転状態の制御が得られるとともに、運転状態が大きく変動する運転内容に切り替わっても付加制御手段344による制御が加わることで、運転内容が変わることで大きく運転状態が変動するナフサ処理プラント100などの処理プラントでも、運転内容に応じた良好な運転状態に応答よく制御できる。
また、ナフサを複数の処理系統である分解炉110のうちの少なくともいずれか1つの分解炉110で連続処理するナフサ処理プラント100に適用している。
このため、ナフサを連続処理する定常運転から、例えば分解炉110のコークの除去などの処理系統の保守や、異なる材料を用いて別の異なる処理を施すなどの処理内容の変更など、大きく運転状態が変動するナフサ処理プラントのような処理プラントで、特に有効に安定した運転が得られる。
〔実施の形態の変形例〕
なお、以上に説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造および形状などは、本発明の目的および効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状などとしても問題はない。
すなわち、ナフサを処理するプラントの運転状態を制御する構成を例示したが、上述したように、例えば複数の貯留タンクにそれぞれ貯溜された各性状の原料を適宜混合させて所定の性状の燃料油などの調合物を製造するプラント、複数並列に設けられた加熱炉へ各種被処理物を供給して適宜加熱させる熱処理プラントなど、複数の処理系統を有しいずれかの処理系統を異なる運転状態に切替可能な各種プラントに適用できる。
そして、本発明のプラント制御装置として、1つの演算装置の構成で説明したが、既に制御盤などで第一目標値に基づいてPID制御されているプラントにおけるPID制御する演算装置に、上述した運転状態データ取得手段341、運転内容変更認識手段343、付加制御手段344を備えた演算手段340と、第二目標値データおよび制御量データを記憶する記憶手段330とを備えた演算装置を接続し、制御盤のPID制御する演算装置を上述の状態制御手段342として補助する状態に制御する構成としてもよい。
また、記憶手段330として、第一目標値データベース331、第二目標値データベース332、制御量加算データベース333を備えたテーブル構造で説明したが、例えば、記憶手段330を、検出部位を特定する識別番号に、第一目標値データ、第二目標値データ、および、制御量データを1つのデータとして関連付けた制御情報を複数記憶するテーブル構造に構築するなど、第一目標値データ、第二目標値データおよび制御量データを適宜読出可能に記憶するいずれのテーブル構造とすることができる。
その他、本発明の実施における具体的な構造および形状などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などとしてもよい。
本発明は、ナフサの処理の他、各性状の原料を適宜混合させて所定の性状の燃料油などの調合物の製造、加熱や冷却などの熱処理など、複数の処理系統を有しいずれかの処理系統を異なる運転状態に切替可能な各種プラントにおける運転状態の制御に利用できる。
本発明の一実施形態に係るナフサ処理プラントの概略構成を示すブロック図である。 前記一実施形態におけるナフサ処理プラントの運転状態を制御するプラント制御装置を含む全体構成の概略構成を示すブロック図である。 プラント制御装置による制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100……プラントであるナフサ処理プラント
110……処理系統となる分解炉
300……プラント制御装置
330……記憶手段
340……演算装置である演算手段
341……運転状態データ取得手段
342……状態制御手段
343……運転内容変更認識手段
344……付加制御手段
344A…目標値切替制御手段
344B…制御量加算制御手段

Claims (12)

  1. 被処理物を処理する処理系統を複数有しこれら複数の処理系統のうちの少なくともいずれか1つの処理系統における運転内容を、前記被処理物を処理する定常運転とこの定常運転とは異なる非定常運転との異なる運転内容に変更可能なプラントの前記処理系統における運転状態を制御するプラント制御装置であって、
    前記運転状態の目標値を記憶する記憶手段と、
    前記プラントに配設されたセンサから前記運転状態に関する運転状態データを取得する運転状態データ取得手段と、
    この運転状態データ取得手段で取得した運転状態データと前記記憶手段の目標値とを比較して前記運転状態データと前記目標値とが同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御する状態制御手段と、
    前記処理系統の運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識する運転内容変更認識手段と、
    前記運転内容変更認識手段にて運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識すると、前記状態制御手段における運転状態データと比較させる目標値を、非定常運転用の目標値と比較させて前記プラントの運転状態を制御させる目標値切替制御と、前記状態制御手段で前記プラントの運転状態を制御する制御量に所定量の制御量を加算して前記プラントの運転状態を制御させる制御量加算制御と、のうちの少なくともいずれか一方の制御を実施する付加制御手段と、
    を具備したことを特徴としたプラント制御装置。
  2. 請求項1に記載のプラント制御装置であって、
    前記記憶手段は、前記定常運転における前記熱および量の第一目標値と、前記非定常運転における前記熱および量の第二目標値とを記憶し、
    前記付加制御手段は、
    前記運転内容変更認識手段にて運転内容が定常運転であると認識すると、前記状態制御手段における前記運転状態データと比較させる目標値として前記第一目標値と比較させ、
    前記運転内容変更認識手段にて運転内容が非定常運転であると認識すると、目標値切替制御では前記非定常運転用の目標値として前記第二目標値と比較させて前記運転状態データが第二目標値と同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御させ、前記制御量加算制御では前記第一目標値または前記第二目標値と同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御する制御量に所定量の制御量を加算して前記プラントの運転状態を制御させる
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプラント制御装置であって、
    前記被処理物は、少なくとも熱および量のうちのいずれか一方により処理されるものであり、
    前記状態制御手段により制御する前記プラントの運転状態は、熱および量である
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  4. 請求項3に記載のプラント制御装置であって、
    前記付加制御手段は、前記運転状態として熱を制御する場合では前記目標値切替制御を実施し、前記運転状態として量を制御する場合では前記制御量加算制御を実施する
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のプラント制御装置であって、
    前記運転内容変更認識手段は、前記運転内容を切り替える旨の入力操作に伴う切替信号を受信することにより前記運転内容の変更を認識する
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプラント制御装置であって、
    前記運転内容変更認識手段は、前記運転状態データ取得手段で取得する運転状態データの変動状態に基づいて運転内容の変化を判断する
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  7. 請求項6に記載のプラント制御装置であって、
    前記運転内容変更認識手段は、前記運転状態データの変動状態に基づく運転内容の変化として、前記運転状態データの経時変化量と、前記目標値および前記運転状態データの差分の大きさと、前記目標値および前記運転状態データの差分の変化量とのうちの少なくともいずれか一方に基づき、別途記憶された閾値より大きいか否かに基づいて運転内容が切り替わったか否かを判断する
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のプラント制御装置であって、
    前記状態制御手段は、PID制御である
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のプラント制御装置であって、
    前記プラントは、前記被処理物を前記処理系統の少なくともいずれか1つを用いて連続処理するものである
    ことを特徴としたプラント制御装置。
  10. 演算装置を用いて、被処理物を処理する処理系統を複数有しこれら複数の処理系統のうちの少なくともいずれか1つの処理系統における運転内容を、前記被処理物を処理する定常運転とこの定常運転とは異なる非定常運転との異なる運転内容に変更可能なプラントの前記処理系統における運転状態を制御するプラント制御方法であって、
    前記運転状態の目標値を記憶する記憶手段を用い、
    前記プラントに配設されたセンサから前記運転状態に関する運転状態データを取得する運転状態データ取得工程と、
    この運転状態データ取得工程で取得した運転状態データと前記記憶手段の目標値とを比較して前記運転状態データと前記目標値とが同一となる運転状態に前記プラントの運転状態を制御する状態制御工程と、
    前記処理系統の運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識する運転内容変更認識工程と、
    前記運転内容変更認識工程にて運転内容が定常運転から非定常運転に切り替わったことを認識すると、前記状態制御手段における運転状態データと比較させる目標値を、非定常運転用の目標値と比較させて前記プラントの運転状態を制御させる目標値切替制御と、前記状態制御手段で前記プラントの運転状態を制御する制御量に所定量の制御量を加算して前記プラントの運転状態を制御させる制御量加算制御と、のうちの少なくともいずれか一方の制御を実施する付加制御工程と、を実施する
    ことを特徴としたプラント制御方法。
  11. 演算装置を、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のプラント制御装置として機能させる
    ことを特徴としたプラント制御プログラム。
  12. 請求項11に記載のプラント制御プログラムが演算装置に読取可能に記録された
    ことを特徴としたプラント制御プログラムを記録した記録媒体。
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