JP2009243385A - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

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将明 松下
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尚也 横町
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Abstract

【課題】吸入通路と吸入室との差圧変化に対するスプール変位の応答性を向上することによって、吸入室から外部冷媒回路に伝達される圧力脈動を低減することを実現した可変容量型圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】吸入絞り弁21のバルブケース22の内部に、収容室22gが形成される。収容室22gの内部には、スプール24が摺動可能に設けられる。バルブケース22の端部にはキャップ23が取り付けられる。キャップ23の頂部端面23aには、突起部23bが設けられる。キャップ23とスプール24とは突起部23bを介して接触する。また、キャップ23とスプール24との間には隙間Aが形成されている。隙間Aの通路断面積は、スプール24の連通孔24aの通路断面積より大きくなっている。キャップ23とスプール24とが接触している状態において、スプール24の下流側は、隙間Aを介して吸入室14bに連通している。
【選択図】図4

Description

この発明は可変容量型圧縮機に係り、特に、可変容量型圧縮機における吸入通路の開度を調整する吸入絞り弁の構造に関する。
可変容量型圧縮機(以下、圧縮機と略称する)の低流量運転時において、吸入室と圧縮室とを連通させるための吸入弁が自励振動して、冷媒ガスの圧力脈動を生じさせる場合がある。この圧力脈動が吸入通路を介して外部冷媒回路に伝達されると、外部冷媒回路の振動を引き起こして騒音発生の原因となる。そこで、吸入通路に、圧縮機の低流量運転時に閉弁される吸入絞り弁を設け、この吸入絞り弁によって、吸入通路を通過する圧力脈動を整流する圧縮機が公知である。
例えば、特許文献1によれば、圧縮機の内部に弁室が形成されており、弁室の内部には、スプール状の弁体が変位可能に設けられている。弁室は、吸入通路を介して外部冷媒回路に接続されるとともに、ガス通路を介して吸入室に接続されており、弁体が変位することによって、ガス通路が開閉される。弁体は、弁室の内部に設けられたコイルばねによって上方側、すなわちガス通路を閉じる方向に付勢されている。また、弁体には、その上流側と下流側とを連通する連通孔が形成されている。弁体の下流側と吸入室とは、連通路を介して連通している。
圧縮機の低流量運転時、吸入通路と吸入室との差圧は小さくなるため、弁体は上方側に変位してガス通路を閉じる。吸入室内で生じた圧力脈動は、連通路を介して弁体の下流側に伝達され、弁体の連通孔を介して弁体の上流側に伝達される。圧力脈動は、連通路及び連通孔を通過する際に絞られて整流され、外部冷媒回路に伝達されても騒音が発生しない程度まで低減される。
特開2000−136776号公報
しかしながら、特許文献1に記載の圧縮機が備える吸入絞り弁では、その全開時及び全閉時において、互いに対向する弁室の内部壁面と弁体の端面とが面同士で接触する。このような場合、冷媒に含まれる潤滑油が接触面に形成する油膜に起因して、弁室と弁体との間に密着力が生じる。この密着力は、弁体が弁室から離れる際の抵抗となるため、差圧の変化に対して弁体が遅れて変位する状態となり、弁体の挙動が不安定になって圧力脈動を低減しにくくなるという問題点を有していた。
また、弁体に形成された連通孔と、吸入室と弁体の下流側とを連通する連通路との関係において、連通路の通路断面積が、連通孔の通路断面積より小さいと、弁体の下流側に流入する冷媒の量より流出する冷媒の量が少ない状態となる。このような場合、弁体が下方側に変位する際に抵抗として作用するダンパ効果が生じてしまうため、差圧の変化に対して弁体の挙動が不安定になり、圧力脈動を低減しにくくなるという問題点を有していた。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、吸入通路と吸入室との差圧変化に対するスプール変位の応答性を向上することによって、吸入室から外部冷媒回路に伝達される圧力脈動を低減することを実現した可変容量型圧縮機を提供することを目的とする。
この発明に係る可変容量型圧縮機は、圧縮室に接続される吸入室と、吸入室内に冷媒を導く吸入通路とを備え、吸入通路を介して吸入室に導いた冷媒を、圧縮室内で圧縮して吐出する可変容量型圧縮機において、吸入通路内の冷媒を、吸入室内に導くとともに、冷媒の流量を調整する吸入絞り弁を備え、吸入絞り弁は、吸入通路に接続される収容室、及び吸入室と収容室とを連通する開口部を有するバルブケースと、バルブケースの収容室内に摺動可能に設けられるスプールと、バルブケースに、スプールと対向して設けられ、吸入絞り弁の全開時に、スプールに接触するキャップとを有し、スプールには、スプールの吸入通路側とキャップ側とを連通する連通孔が設けられ、キャップとスプールとの少なくとも一方には、突起部が設けられ、キャップとスプールとが突起部で接触する際に、突起部以外の部分において、互いに対向するキャップとスプールとの間に形成される隙間が、スプールのキャップ側と開口部とを連通しており、隙間の通路断面積は、スプールの連通孔の通路断面積より大きいことを特徴とするものである。
キャップとスプールとの少なくとも一方に突起部を設けたので、キャップとスプールとが、これらの間に隙間を形成する突起部を介して接触し、その接触面積が、キャップとスプールとの両方に突起部が形成されておらず、キャップとスプールとが面接触している場合と比較して低減される。キャップとスプールとの接触面積が低減されると、接触部分に付着している潤滑油に起因して生じる密着力も低減され、スプールがキャップから離れやすくなる。すなわち、スプールが全開状態から閉弁する方向に変位する際において、吸入通路と吸入室との差圧変化に対するスプール変位の応答性が向上する。
また、バルブケースの収容室とバルブケースの開口部とを、キャップとスプールとの隙間を介して連通したので、隙間内を流通する冷媒によって、キャップ及びスプールに付着している潤滑油が洗い流される。すなわち、キャップとスプールとの間に作用する密着力がさらに低減されるため、差圧変化に対するスプール変位の応答性もさらに向上する。
さらに、キャップとスプールとの隙間の通路断面積が、スプールの連通孔の通路断面積より大きくなるように構成したので、スプールが開弁方向に変位する際に抵抗として作用するダンパ効果が生じることがない。したがって、可変容量型圧縮機において、吸入通路と吸入室との差圧変化に対するスプール変位の応答性を向上することによって、吸入室から外部冷媒回路に伝達される圧力脈動を低減することが可能となる。
バルブケースは、開口部を画定する支柱部を有しており、バルブケース及びキャップには、支柱部と突起部とが、互いに対向して配置されるように、回り止め手段が設けられてもよい。突起部と支柱とが、常に対向する位置に配置されるため、隙間の通路断面積が常に一定となる。
収容室内において、前記スプールに対向する内部壁面を備え、内部壁面とスプールとの少なくとも一方には、内部壁面とスプールとが接触した際に、内部壁面と、スプールとの間に隙間を形成する突起部が設けられてもよい。スプールが、全閉状態から開弁方向に変位する際においても、スプールが内部壁面から離れやすくなるため、差圧変化に対するスプールの応答性をさらに向上することができる。
この発明によれば、可変容量型圧縮機において、吸入通路と吸入室との差圧変化に対するスプール変位の応答性が向上することによって、吸入室から外部冷媒回路に伝達される圧力脈動を低減することができる。
以下に、この発明の実施の形態について、添付図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、この発明の実施の形態1に係る可変容量型圧縮機1(以下、圧縮機1と略称する)を示す。
圧縮機1は、シリンダブロック2を備えている。シリンダブロック2の、図1の矢印で示す前方側の端部には、フロントハウジング3が接合されており、その内部にクランク室4が形成されている。クランク室4内の中央部には、回転軸5が設けられている。
回転軸5は、その前方側をフロントハウジング3に嵌入されたラジアル軸受6、後方側をシリンダブロック2に嵌入されたラジアル軸受7によって回転可能に支持されている。また、回転軸5の前方側の端部は、フロントハウジング3を貫通して外部に露出しており、図示しない駆動源に接続される。ラジアル軸受6の前方側において、フロントハウジング3の内周部には、回転軸5に対するリップシール16が設けられており、クランク室4内の冷媒ガスや潤滑油が、回転軸5に沿って外部に漏洩することを防止している。
ラジアル軸受6の後方側において、回転軸5の外周面には、ラグプレート8が一体として固定されている。ラグプレート8の後方側には、斜板10が、回転軸5の軸方向に対して傾動可能且つスライド可能に設けられている。ラグプレート8のガイド孔8aと、斜板10の連結部10aとは、連結部10aの先端部に取り付けられたガイドピン10bを介して連結されており、ラグプレート8と斜板10とが同期回転するようになっている。また、斜板10には、回転軸5を中心とする円周上に配置された複数のピストン11が、シュー12を介して連結されている。
ピストン11は、シリンダブロック2に形成された圧縮室であるシリンダボア2a内に収容されており、斜板10の回転に連動して、シリンダボア2a内を往復動するようになっている。また、シリンダブロック2の後方側の端部には、弁・ポート形成体13を介してリヤハウジング14が接合されており、その中央部には、吐出室14aが形成されている。吐出室14aは、弁・ポート形成体13に設けられた吐出ポート13a及び図示しない吐出弁を介して、シリンダボア2aに接続されている。また、吐出室14aは、図示しない吐出開口を介して外部冷媒回路に接続されている。
吐出室14aの周囲には、吸入室14bが環状に形成されており、弁・ポート形成体13に設けられた吸入ポート13b及び図示しない吸入弁を介して、シリンダボア2aに接続されている。吸入室14bには、リヤハウジング14内に形成された吸入通路14cの一端が接続されており、吸入通路14cの他端は、外部冷媒回路に接続されている。外部冷媒回路内の冷媒は、吸入通路14cを介して吸入室14b内に導かれる。また、吸入通路14cの内部には、吸入通路14cの開度を調整するための吸入絞り弁21が設けられている。
ここで、吸入絞り弁21の構造について、図2〜5に基いて詳細に説明する。
図2に示すように、吸入絞り弁21は、両端が開口した略円筒形状を有する部材であるバルブケース22を備えている。バルブケース22は、その下方側の一部が吸入室14b内に突出するように、吸入通路14c内に挿入されており、上方側に形成された突出部22fが、吸入通路14cに形成された環状溝部14d内に収容されることによって、吸入通路14cに固定されている。また、吸入通路14cの内周面とバルブケース22の外周面との間には、Oリング26が挟持されている。
バルブケース22の内周部において、その軸方向における中心部近傍には、小径部22bが形成されており、小径部22bの上方側には大径部22h、下方側には収容室22gがそれぞれ形成されている。すなわち、収容室22gは、大径部22h及び小径部22bを介して、吸入通路14cに接続されている。収容室22gが形成されている部位の大部分は、吸入室14b内に突出している。また、バルブケース22の、吸入室14b内に突出している部位には、バルブケース22の内周側と外周側、すなわち、収容室22gと吸入室14bとを連通する開口部22aが設けられている。開口部22aは、バルブケース22の周方向に等間隔に3箇所(図3参照)設けられている。
バルブケース22の、図2の下方側の端部には、キャップ23が取り付けられており、キャップ23によって、収容室22gの下方が塞がれた状態となっている。バルブケース22とキャップ23とは、バルブケース22の内周面に環状に形成された環状溝部22dと、キャップ23の外周面の複数箇所に、外側に突出するように形成された係合部23cとが係合されている。また、収容室22gの内部には、一端が開口した有底の円筒形状を有するスプール24が摺動可能に設けられている。
スプール24は、その底部24cが、上方側、すなわち収容室22gの内部壁面22c側を向くように配置されており、収容室22gの内部壁面22cと、キャップ23の頂部端面23aとの間を変位可能となっている。また、スプール24の底部24cの外縁からは、側壁24dが下方に延びている。スプール24は、キャップ23とスプール24との間に介在されるコイルばね25によって、上方側に付勢されている。また、スプール24の底部24cには、例えば内径1mm程度の連通孔24aが形成されており、この連通孔24aを介して、スプール24の上流側、すなわち吸入通路14c側と、下流側、すなわち吸入室14b側とが連通している。
スプール24の側壁24dの端面である側壁端面24bに対向するキャップ23の頂部端面23a上には、突起部23bが、キャップ23の周方向に等間隔となる4箇所(図3参照)から突出されている。図4に示すように、スプール24が下方側に変位して、キャップ23とスプール24とが、突起部23bを介して接触すると、スプール24がキャップ23の突起部23bと接触している部分以外の部分において、キャップ23の頂部端面23aと、スプール24の側壁端面24bとの間に、例えば0.1mm程度の隙間Aが形成されるようになっている。また、スプール24が下方側に変位してキャップ23に接触した状態において、バルブケース22の開口部22aは、スプール24の下流側、すなわちキャップ23とスプール24とによって区画される空間に、隙間Aを介して連通している。尚、図4において、コイルばね25は、図を見やすくするために省略している。また、図5の斜線部によって概略的に示される隙間Aは、その通路断面積Bが、スプール24の連通孔24a(図4参照)の通路断面積より大きくなるように形成される。
圧縮機1の低流量運転時(図2参照)において、吸入室14bの圧力と吸入通路14cの圧力との差圧は小さいため、コイルばね25のばね力に抗してスプール24を下方側に変位させる荷重も小さく、スプール24は上方側に変位して、収容室22g内の上方側の内部壁面22cに接触した状態となっている。したがって、吸入通路14cと吸入室14bとは、バルブケース22の大径部22h、小径部22b、スプール24の連通孔24a、スプール24の下流側の収容室22g、開口部22aを順次介して連通している。
一方、圧縮機1の高流量運転時(図4参照)において、吸入室14bの圧力と吸入通路14cの圧力との差圧は大きいため、コイルばね25のばね力に抗してスプール24を下方側に変位させる荷重も大きく、スプール24は下方側に変位して、キャップ23の頂部端面23aに接触した状態となっている。したがって、吸入通路14cと吸入室14bとは、バルブケース22の大径部22h、小径部22b、スプール24の上流側の収容室22g、開口部22aを順次介して連通されている。
また、キャップ23とスプール24との間には隙間Aが形成されているため、バルブケース22の大径部22h、小径部22b、収容室22g、スプール24の連通孔24a、スプール24の下流側の収容室22g、キャップ23とスプール24との隙間Aを順次介して、吸入通路14cと吸入室14bとを連通する経路も形成されている。
図1に戻って、リヤハウジング14には、クランク室4内の圧力を制御するための流量制御弁15が設けられている。流量制御弁15は、一方で吐出室14aに、他方でクランク室4に接続されており、吐出室14a内の冷媒を、クランク室4内に供給することが可能となっている。クランク室4内に供給する冷媒の流量を変更することによって、クランク室4内の圧力が変更され、斜板10の傾斜角度が制御される。また、クランク室4は、図示しない通路を介して吸入室14bに接続されており、クランク室4内の冷媒を、吸入室14b内に排出することが可能となっている。
次に、この発明の実施の形態1に係る圧縮機1の動作について説明する。
図1に示すように、回転軸5が図示しない駆動源に駆動されて回転すると斜板10も回転し、斜板10が回転することによって、ピストン11がシリンダボア2a内を往復動する。ピストン11の往復動に伴って、外部冷媒回路内の冷媒は、吸入室14bからシリンダボア2a内に流入し、ピストン11によって圧縮される。圧縮された冷媒は、吐出ポート13aを介して吐出室14a内に吐出される。
吐出室14a内に吐出された冷媒は、図示しない吐出開口を介して外部冷媒回路に吐出され、外部冷媒回路内を循環する。また、吐出室14a内に吐出された冷媒の一部は、流量制御弁15によって、その流量を調整されながらクランク室4内に導入される。クランク室4内に導入された冷媒によって、クランク室4内の圧力が変更される。クランク室4内の圧力とシリンダボア2a内の圧力との差圧によって、斜板10の傾斜角度が制御され、圧縮機1の運転状態が制御される。
ここで、圧縮機1の低流量運転時の動作と、低流量運転から高流量運転に切り替わる際の、吸入絞り弁21の動作とについて説明する
図2に示すように、圧縮機1の低流量運転時において、吸入室14bの圧力と吸入通路14cの圧力との差圧は小さいため、コイルばね25のばね力に抗してスプール24を下方側に変位させる荷重も小さくなっている。したがって、スプール24は上方側に変位した状態となっている。ここで、弁・ポート形成体13(図1参照)に設けられた図示しない吸入弁に自励振動が発生すると、吸入室14b内に圧力脈動が発生する。吸入室14bと外部冷媒回路との間には、バルブケース22の開口部22a、スプール24の下流側の収容室22g、スプール24の連通孔24a、バルブケース22の小径部22b、大径部22h、吸入通路14cを順次介して連通する経路が形成されているが、圧力脈動、スプール24の連通孔24aを通過する際に整流されて弱められるため、外部冷媒回路に伝達されても騒音が発生しない程度まで低減される。
以上のように動作する低流量運転から、高流量運転に切り替わると、吸入室14bと吸入通路14cとの差圧は次第に大きくなっていく。したがって、コイルばね25のばね力に抗してスプール24を下方側に変位させる荷重も、次第に大きくなり、スプール24は下方側への変位を始める。ここで、図4に示すように、圧縮機1の高流量運転時、すなわち、スプール24が下方側に変位してキャップ23に接触している場合において、スプール24が、キャップ23の突起部23bに接触することによって形成される隙間Aの通路断面積は、スプール24の連通孔24aの通路断面積より大きくなっている。
したがって、隙間Aを介して吸入室14b内に流出する冷媒の量は、スプール24の連通孔24aを介して、スプール24の下流側に流入する冷媒の量より多くなるため、スプール24の連通孔24aからの冷媒の流入量が、隙間Aを介する冷媒の流出量を上回ることがない。したがって、スプール24の下方側への変位に対する抵抗となるダンパ効果が生じることがなく、吸入室14bと吸入通路14cとの差圧の変化に対して、スプール24が適性に応答可能な状態となっており、スプール24の挙動が不安定になることもない。
次に、圧縮機1の高流量運転時の挙動と、高流量運転から低流量運転に切り替わる際の、吸入絞り弁21の動作とについて説明する。
圧縮機1の高流量運転時において、吸入室14bと吸入通路14cとの差圧は大きくなる。したがって、図4に示すように、コイルばね25のばね力に抗してスプール24を下方側に変位させる荷重も大きくなり、スプール24は下方側に変位して、キャップ23の突起部23bに接触する。吸入通路14cからバルブケース22の収容室22g内に導かれた冷媒の大部分は、スプール24の上流側で開口する開口部22aを介して、吸入室14b内に流入する。
一方、バルブケース22の収容室22g内に導かれた冷媒の一部は、スプール24の連通孔24aを介して、スプール24の下流側に流入する。ここで、スプール24は、キャップ23の突起部23bに接触しているため、キャップ23の突起部23bとスプール24とが接触している部分以外の部分において、キャップ23とスプール24との間に隙間Aが形成された状態となっている。すなわち、スプール24の連通孔24aを介してスプール24の下流側に流入した冷媒は、隙間Aを通過して吸入室14b内に流入するため、キャップ23の頂部端面23a、及びスプール24の側壁端面24bに、冷媒に含まれていた潤滑油が付着していたとしても、隙間Aを通過する冷媒によって洗い流される。したがって、キャップ23の頂部端面23a、及びスプール24の側壁端面24bに、潤滑油が滞留することがない。
以上のように動作する高流量運転から、低流量運転に切り替わると、吸入室14bの圧力と吸入通路14cの圧力との差圧は次第に小さくなるため、コイルばね25のばね力に抗してスプール24を下方側に変位させる荷重も次第に小さくなり、スプール24が上方側への変位を開始する。ここで、スプール24は、キャップ23の突起部23bのみに接触していたため、キャップ23とスプール24とが直接面同士で接触している場合と比較すると、接触面積が小さくなっている。すなわち、キャップ23の突起部23bと、スプール24との間に形成された油膜に起因する密着力も、小さくなっており、スプール24が、キャップ23から離れやすくなっている。したがって、スプール24が全開状態から上方側に変位する際において、吸入室14bと吸入通路14cとの差圧変化に対して、スプール24が適性に応答して変位するため、スプール24の挙動が不安定となることがない。
このように、スプール24が、キャップ23の突起部23bに接触するように構成したので、接触面積が低減される。キャップ23とスプール24との接触面積が低減されると、接触部分に付着している潤滑油に起因して生じる密着力も低減され、スプール24がキャップ23から離れやすくなる。すなわち、スプール24が全開状態から閉弁する方向に変位する際において、吸入室14bと吸入通路14cとの差圧変化に対するスプール24の変位の応答性が向上する。
また、バルブケース22の収容室22gと、バルブケース22の開口部22aとを、キャップ23とスプール24との隙間Aを介して連通したので、隙間A内を流通する冷媒によって、キャップ23及びスプール24に付着している潤滑油が洗い流される。すなわち、キャップ23とスプール24との間に作用する密着力がさらに低減されるため、差圧変化に対するスプール24の変位の応答性もさらに向上する。
さらに、キャップ23とスプール24との隙間Aの通路断面積が、スプール24の連通孔の通路断面積より大きくなるように構成したので、スプール24が開弁方向に変位する際に抵抗として作用するダンパ効果が生じることがない。したがって、圧縮機1において、吸入室14bと吸入通路14cとの差圧変化に対するスプール24の変位の応答性を向上することによって、吸入室14bから外部冷媒回路に伝達される圧力脈動を低減することが可能となる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る圧縮機について、図6、7に基いて説明する。この実施の形態2に係る圧縮機は、実施の形態1に対して、吸入絞り弁のバルブケース、及びキャップを変更したものである。尚、以下の実施の形態において、図1〜5の参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、実施の形態2に係る吸入絞り弁31は、バルブケース32と、バルブケース32の下方側の端部に取り付けられたキャップ33とを備えている。
バルブケース32の内周面には、実施の形態1における環状溝部22dと同様の環状溝部32bが形成される一方で、1箇所に、バルブケース32の軸方向に延在する軸方向溝部32cが形成されている。また、キャップ33の外周面には、実施の形態1における係合部23cと同様の係合部33cが、3箇所に形成されるとともに、バルブケース32の軸方向溝部32cに対向する1箇所には、係合部33cがキャップ33の軸方向に延びて形成された係合部33dが形成されている。すなわち、バルブケース32とキャップ33とは、バルブケース32の環状溝部32bとキャップ33の係合部33cとが係合されるとともに、軸方向溝部32cと係合部33dとを係合させることによって、バルブケース32及びキャップ33の周方向における互いの位置決めが行なえるようになっている。したがって、バルブケース32とキャップ33との周方向における相対運動を抑制された状態となっている。ここで、軸方向溝部32c及び係合部33cは、回り止め手段を構成する。
また、図7に示すように、キャップ33の頂部端面33aには、実施の形態1における突起部23bと同様の突起部33bが、キャップ33の周方向に等間隔となる3箇所に設けられている。突起部33bは、バルブケース32の軸方向溝部32cとキャップ33の係合部33dとを係合させることによって、バルブケース32の開口部32aを画定する支柱32eに対向する位置に配置されるように構成されている。その他の構造については、実施の形態1と同様である。
以上のように、圧縮機をバルブケース32、及びキャップ33を用いて構成することによって、バルブケース32とキャップ33との周方向における互いの位置、すなわち位相が一定となるため、バルブケース32とキャップ33との隙間Aの通路断面積(図5参照)を、一定の範囲内にすることが可能となる。したがって、製品毎の性能のばらつきが低減され、信頼性を向上することが可能となる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る圧縮機について、図8に基いて説明する。この実施の形態3に係る圧縮機は、実施の形態1に対して、吸入絞り弁のバルブケースを変更したものである。
図8に示すように、吸入絞り弁41は、バルブケース42を備えている。バルブケース42の、軸方向における中心部近傍には、実施の形態1における小径部22bより小さい内径を有する小径部42bが形成されている。小径部42bの下方側には、実施の形態1における収容室22gと同様の収容室42gが形成されている。
収容室42gの内部壁面42cには、実施の形態1において、キャップ23に設けられた突起部23bと同様の突起部42dが、下方側に突出するように設けられている。したがって、スプール24と内部壁面42cとが、突起部42dを介して接触するようになっている。その他の構造については、実施の形態1と同様である。
このように、バルブケース42の小径部42bの内径が、小さい場合において、スプール24と収容室42gの内部壁面42cとを、突起部42dを介して接触させることにより、面同士で接触させた場合と比較して接触面積を低減できるため、圧縮機を低流量運転から高流量運転に切り替えた際に、スプール24が内部壁面42cから離れやすくなる。したがって、低流量運転から高流量運転への切り替え時においても、吸入室14bと吸入通路14cとの差圧の変化に対して、スプール24を適正に応答させることが可能となり、スプール24の挙動を安定させることが可能となる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る圧縮機について、図9基いて説明する。この実施の形態4に係る圧縮機は、実施の形態1における吸入絞り弁において、キャップに設けられた突起部をスプール側に設けるように構成したものである。
図9に示すように、吸入絞り弁51のバルブケース22の下方側の端部には、キャップ53が取り付けられており、収容室22gの内部には、スプール54が設けられている。キャップ53の頂部端面53aは、平面として形成されている。一方、スプール54の側壁端面54bには、実施の形態1におけるキャップ23に設けられた突起部23bと同様の突起部54eが設けられている。その他の構造については、実施の形態1と同様である。
このように、突起部54eを、スプール54の側壁端面54bに設けても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態1〜4において、キャップとスプールとの一方、またはスプールと収容室の内部壁面との一方に突起が設けられたが、これらの片方のみに突起を設けることに限定するものではなく、両方に設けることも可能である。
また、実施の形態2において、回り止め手段としてバルブケースの溝及びキャップの係合部を用いたが、これに限定するものではない。例えば、バルブケースの内周面において、環状溝より上方側の部位における嵌め合いしろをきつくするとともに、環状溝より下方側を通常の嵌め合いとすることも可能である。これにより、組み立て時はバルブケースにキャップを挿入しやすく、且つキャップを組み付けた後は、圧入部分による回り止めが行なえるという効果を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る可変容量型圧縮機を示す断面側面図である。 この実施の形態1に係る可変容量型圧縮機における吸入絞り弁の構造を説明するための部分拡大断面側面図である。 図2のIII−III断面を示す部分拡大平面図である。 この実施の形態1に係る可変容量型圧縮機における吸入絞り弁の構造を説明するための部分拡大断面側面図である。 この実施の形態1に係る可変容量型圧縮機における吸入絞り弁の構造を説明するための概略図である。 この発明の実施の形態2に係る可変容量型圧縮機における吸入絞り弁の構造を説明するための部分拡大断面側面図である。 図6のVII−VII断面を示す部分拡大平面図である。 この発明の実施の形態3に係る可変容量型圧縮機における吸入絞り弁の構造を説明するための部分拡大断面側面図である。 この発明の実施の形態4に係る可変容量型圧縮機における吸入絞り弁の構造を説明するための部分拡大断面側面図である。
符号の説明
1 可変容量型圧縮機、2a シリンダボア(圧縮室)、14b 吸入室、14c 吸入通路、21,31,41,51 吸入絞り弁、22,32,42 バルブケース、22a,32a,42a 開口部、22c,42c 内部壁面、22e,32e 支柱部、22g,42g 収容室、23,33,53 キャップ、23b,33b,42d,54e 突起部、24,54 スプール、24a,54a 連通孔、32c 軸方向溝部(回り止め手段)、33b 径合部(回り止め手段)、A 隙間、B 隙間の通路断面積。

Claims (3)

  1. 圧縮室に接続される吸入室と、
    前記吸入室内に冷媒を導く吸入通路と
    を備え、前記吸入通路を介して前記吸入室に導いた前記冷媒を、前記圧縮室内で圧縮して吐出する可変容量型圧縮機において、
    前記吸入通路内の冷媒を、前記吸入室内に導くとともに、前記冷媒の流量を調整する吸入絞り弁を備え、
    前記吸入絞り弁は、
    前記吸入通路に接続される収容室、及び前記吸入室と前記収容室とを連通する開口部を有するバルブケースと、
    前記バルブケースの前記収容室内に摺動可能に設けられるスプールと、
    前記バルブケースに、前記スプールと対向して設けられ、前記吸入絞り弁の全開時に、前記スプールに接触するキャップと
    を有し、
    前記スプールには、前記スプールの前記吸入通路側と前記キャップ側とを連通する連通孔が設けられ、
    前記キャップと前記スプールとの少なくとも一方には、突起部が設けられ、
    前記キャップと前記スプールとが前記突起部で接触する際に、前記突起部以外の部分において、互いに対向する前記キャップと前記スプールとの間に形成される隙間が、前記スプールの前記キャップ側と前記開口部とを連通しており、
    前記隙間の通路断面積は、前記スプールの前記連通孔の通路断面積より大きいことを特徴とする可変容量型圧縮機。
  2. 前記バルブケースは、前記開口部を画定する支柱部を有しており、
    前記バルブケース及び前記キャップには、前記支柱部と前記突起部とが、互いに対向して配置されるように、回り止め手段が設けられる請求項1に記載の可変容量型圧縮機。
  3. 前記収容室内において、前記スプールに対向する内部壁面を備え、
    前記内部壁面と前記スプールとの少なくとも一方には、前記内部壁面と前記スプールとが接触した際に、前記内部壁面と、前記スプールとの間に隙間を形成する突起部が設けられる請求項1または2に記載の可変容量型圧縮機。
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