JP2009243273A - パティキュレートフィルタ - Google Patents

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浩一郎 原田
Kenji Suzuki
研二 鈴木
Kenji Okamoto
謙治 岡本
Keiji Yamada
啓司 山田
Akihide Takami
明秀 高見
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Abstract

【課題】パティキュレートフィルタの再生処理時に、パティキュレートフィルタが過昇温状態になることを抑制することができるパティキュレートフィルタを提供する。
【解決手段】排気ガスの流れ方向下流側端面が目封じされた複数の流入側セルと、排気ガスの流れ方向上流側端面が目封じされた複数の流出側セルと、排気ガスが流れる流通孔を有し前記流入側セルと前記流出側セルとを区画するセル壁3とを備え、前記流入側セルの開口面積が前記流出側セルの開口面積よりも大きく形成されたパティキュレートフィルタは、前記流通孔を形成する前記セル壁の凹状に窪む部分8aに排気ガス中に含まれるパティキュレートの燃焼を促進させる触媒材9が充填され、前記流通孔を形成する前記セル壁の凹状に窪む部分を除く部分8bに前記セル壁の凹状に窪む部分に充填された前記触媒材よりも薄い状態あるいは前記触媒材を点在させた状態で前記触媒材が担持されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するためのパティキュレートフィルタに関する。
例えば希薄燃焼ガソリンエンジン又はディーゼルエンジンなどを備えた車両では、エンジンから排出される排気ガス中に炭素成分を含む粒子状物質(PM:パティキュレート)が含有されているため、PMを捕集するためのパティキュレートフィルタを排気通路内に設けてPMの排出を抑制することが行われている。
また、パティキュレートフィルタを備えた車両では、パティキュレートフィルタに捕集したPM捕集量が増大するとエンジンの出力低下や燃費増大などの問題を引き起こし得るので、PM捕集量が多くなると捕集したPMを燃焼させて除去するパティキュレートフィルタの再生処理が行われている。
パティキュレートフィルタとして、排気ガスが流通可能な微細な流通孔を有するセル壁によって、排気ガスの流れ方向に沿って延び排気ガスの流れ方向上流側端面が開口し排気ガスの流れ方向下流側端面が目封じされた流入側セルと、排気ガスの流れ方向に沿って延び排気ガスの流れ方向下流側端面が開口し排気ガスの流れ方向上流側端面が目封じされた流出側セルとを区画し、流入側セルと流出側セルとを市松模様状に配置したハニカム状のパティキュレートフィルタが一般に良く知られている。
このようなパティキュレートフィルタにおいては、排気ガスが流入する流入側セルの開口面積と排気ガスが流出する流出側セルの開口面積とを略等しく形成したものが多用されているが、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタもまた知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1及び特許文献2に開示されるような流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタを用いる場合、流入側セルと流出側セルの開口面積とを略等しく形成したパティキュレートフィルタを用いる場合よりも、同量のPMを捕集する際に、PMの堆積厚さを薄くすることができ、背圧の上昇を抑えることが可能である。これにより、パティキュレートフィルタの再生処理間のインターバルを長くすることができるとともにエンジンの出力低下や燃費増大を抑制することができる。
また、エンジンから排出される排気ガス中には、PMに加えてエンジンオイル中の金属成分やリンを含むガラス状化合物からなるアッシュ成分が含まれている。このアッシュ成分もまた、排気通路内に設けたパティキュレートフィルタに堆積されることとなるが、アッシュ成分は、パティキュレートフィルタの再生処理を行っても燃焼除去されずに堆積し続ける。したがって、アッシュ成分についても、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタは、アッシュ成分の堆積厚さを薄くすることができ、背圧の上昇を抑えることができるので、有用である。
さらに、近年では、パティキュレートフィルタの再生処理時にPMの燃焼を促進させるために、流入側セルと流出側セルとを区画するセル壁に触媒材を担持し、この触媒材と排気ガス中のHC、COとの反応熱を利用することもまた知られている。例えば特許文献3には、ハニカム構造体の多孔質の格子壁により仕切られた複数のセル空間において、入口側が開口し出口側が封止されている排気流入側のセル空間内に、触媒を担持させたSiCなどの粒子状物質を多数充填したフィルタが開示されている。
実開昭58−92409号公報 特開2005−125209号公報 特開2003−56327号公報
ところで、パティキュレートフィルタを備えた車両では、流入側セルと流出側セルの開口面積を略等しく形成したパティキュレートフィルタ、及び、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタの何れを用いる場合においても、前述したようにパティキュレートフィルタの再生処理が行われ、パティキュレートフィルタの再生処理時には、パティキュレートフィルタは、PMの燃焼に伴って最高温度900℃若しくはそれ以上の温度まで上昇する場合があり、PM堆積量やアッシュ成分堆積量、パティキュレートフィルタに流入する排気ガス条件によっては、さらに上昇し得る。
本願発明者は、種々の試験研究を重ねた結果、具体的には後述するが、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタでは、パティキュレートフィルタの再生処理時に、流入側セルと流出側セルの開口面積を略等しく形成したパティキュレートフィルタと比べて、パティキュレートフィルタの最高温度が高くなるとともにパティキュレートフィルタの温度上昇度合いが大きくなり、パティキュレートフィルタが過昇温状態になり得ることを見出した。
このように、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタを用いる場合には、流入側セルと流出側セルの開口面積を略等しく形成したパティキュレートフィルタよりも、パティキュレートフィルタの再生処理時にパティキュレートフィルタが過昇温状態になりやすく、パティキュレートフィルタの溶損や破損を引き起こし得る。
特に、流入側セルと流出側セルとを区画するセル壁に触媒材を担持させたパティキュレートフィルタでは、パティキュレートフィルタを、例えば炭化珪素(SiC)などの熱伝導率の比較的高い材料で成形したとしても、触媒材は比較的熱伝導率の低い酸化物で構成されるので、パティキュレートフィルタの再生処理時に、PMの燃焼熱がパティキュレートフィルタのセル壁に伝達されにくく、このような傾向がより顕著になり得る。
これに対し、パティキュレートフィルタのセル壁に担持させる触媒材を少なくすることで、パティキュレートフィルタの再生処理時に、パティキュレートフィルタが過昇温状態になることを抑制することできるが、かかる場合には、排気ガスの浄化性能やパティキュレートフィルタの再生処理時におけるパティキュレートフィルタの燃焼性を十分に確保することが困難になる。
そこで、この発明は、前記技術的課題に鑑みてなされたものであり、流入側セルの開口面積が流出側セルの開口面積よりも大きく形成されたパティキュレートフィルタに触媒材を担持させる場合においても、パティキュレートフィルタの再生処理時に、パティキュレートフィルタが過昇温状態になることを抑制することができるパティキュレートフィルタを提供することを目的とする。
このため、本願の請求項1に係るパティキュレートフィルタは、排気ガスの流れ方向下流側端面が目封じされた複数の流入側セルと、排気ガスの流れ方向上流側端面が目封じされた複数の流出側セルと、排気ガスが流れる流通孔を有し前記流入側セルと前記流出側セルとを区画するセル壁とを備え、前記流入側セルの開口面積が前記流出側セルの開口面積よりも大きく形成されたパティキュレートフィルタであって、前記流通孔を形成する前記セル壁の凹状に窪む部分に排気ガス中に含まれるパティキュレートの燃焼を促進させる触媒材が充填され、前記流通孔を形成する前記セル壁の凹状に窪む部分を除く部分に前記セル壁の凹状に窪む部分に充填された前記触媒材よりも薄い状態あるいは前記触媒材を点在させた状態で前記触媒材が担持されていることを特徴としたものである。
本願の請求項1に係るパティキュレートフィルタによれば、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分に触媒材が充填され、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分を除く部分にセル壁の凹状に窪む部分に充填された触媒材よりも薄い状態あるいは触媒材を点在させた状態で触媒材が担持されることにより、パティキュレートフィルタの再生処理時に、PMの燃焼性を確保するとともに、パティキュレートフィルタの熱引きを良好にすることができ、パティキュレートフィルタが過昇温状態になることを抑制することができる。これにより、流入側セルの開口面積が流出側セルの開口面積よりも大きく形成されたパティキュレートフィルタに触媒材を担持させる場合においても、パティキュレートフィルタが溶損したり割れたりすることを防止することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
本願発明者は、先ず、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタを用いるに際し、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタと、流入側セルと流出側セルの開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタについて、パティキュレートフィルタの再生処理時におけるパティキュレートフィルタの温度について評価した。
具体的には、パティキュレートフィルタの再生処理時におけるパティキュレートフィルタの温度を模擬し、パティキュレートフィルタにカーボンを堆積させ、パティキュレートフィルタに堆積させたカーボンを燃焼させ、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度を測定する試験を行った。
カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度を測定する試験に用いたパティキュレートフィルタ及び試験条件等について説明する。
試験に用いたパティキュレートフィルタの要部を図9及び図10に示している。図9は、流入側セルと流出側セルの開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタの一部を模式的に示す正面説明図、図10は、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタの一部を模式的に示す正面説明図である。
流入側セルと流出側セルの開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタとして、図9に示すように、排気ガスの流入側端面が開口し排気ガスの流出側端面が目封じされた流入側セル11と、排気ガスの流出側端面が開口し排気ガスの流入側端面が目封じされた流出側セル12とが、排気ガスが流通する流通孔(不図示)を有するセル壁13によって断面正方形状に区画され、流入側セル11と流出側セル12とが市松模様状に配置されたパティキュレートフィルタ10を用いた。
パティキュレートフィルタ10では、流入側セル11と流出側セル12とがそれぞれ、排気ガスの流れ方向に沿って平行に延び、流入側セル11のセル間隔P11と流出側セル12のセル間隔P12との比が1(P11/P12=1)に設定され、流入側セル11の排気ガスの流入側端面の開口面積S11と流出側セル12の排気ガスの流出側端面の開口面積S12とが等しく形成されている。
また、流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタとして、図10に示すように、排気ガスの流入側端面が開口し排気ガスの流出側端面が目封じされた流入側セル21と、排気ガスの流出側端面が開口し排気ガスの流入側端面が目封じされた流出側セル22とが、排気ガスが流通する流通孔(不図示)を有するセル壁23によって略断面正方形状に区画され、流入側セル21と流出側セル22とが略市松模様状に配置されたパティキュレートフィルタ20を用いた。
パティキュレートフィルタ20では、流入側セル21と流出側セル22とはそれぞれ、排気ガスの流れ方向に沿って平行に延び、流入側セル21のセル間隔P21と流出側セル22のセル間隔P22との比が1.3(P21/P22=1.3)に設定され、流入側セル21の排気ガスの流入側端面の開口面積S21が流出側セル22の排気ガスの流出側端面の開口面積S22よりも大きく形成されている。
また、パティキュレートフィルタ10、20には、CeZr複合酸化物(Zr=30mol%)、及び、ランタン(La)が5wt%添加された高比表面積アルミナを3:1(質量比)で混合した粉末に触媒金属Ptを担持した触媒を調製し、水及びバインダーを混合して調製した粘度1.7mPa・sのスラリーを吸引させ、ブロー圧1.0kg/cmでエアブローによって余分なスラリーを除去してウォッシュコートし、乾燥後に500℃の温度で2時間焼成することにより、触媒材を担持させ、評価用サンプルを作製した。
触媒金属Ptは、CeZr複合酸化物と高比表面積アルミナとの総質量に対して10wt%担持させ、CeZr複合酸化物は、5g/L(パティキュレートフィルタの1L当たり5g)に設定し、高比表面積アルミナは、15g/L(パティキュレートフィルタの1L当たり15g)に設定した。また、パティキュレートフィルタ10、20は、直径が17mm、容量が11ccで、セル密度が1平方インチ(約6.45cm)当たり300個であり、セルを隔てる壁厚が12ミル(約0.3mm)のものを使用した。
このようにして、触媒材を担持させたパティキュレートフィルタ10、20に対し、PMの代わりにカーボンブラックを7.5g/L(パティキュレートフィルタの1L当たり7.5g)均一に堆積させ、パティキュレートフィルタの再生処理時におけるパティキュレートフィルタの温度を模擬し、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度を測定した。
カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度測定では、電気炉内に設置した円筒状の石英管の内部に、カーボンを堆積させたパティキュレートフィルタ10、20を挿入するとともにパティキュレートフィルタ10、20の入口端面中央及び出口端面中央にそれぞれ熱電対を配設した。そして、石英管の一方の端部から評価ガスを導入し、カーボンを燃焼させ、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタ10、20の温度を測定した。なお、実機での実使用条件を模擬するため、前記フィルタの電気炉内へのセットは、フィルタ出口端面が電気炉端部に近くなるようにして、次に説明する入口端面中央の温度が640℃のとき、出口端面中央の温度が570℃になるようにした。
この試験では、パティキュレートフィルタ10、20の入口端面中央に配設した熱電対によって測定されるパティキュレートフィルタの温度が640℃になるまで、Nガスを空間速度37,000/hで流しながら電気炉によって加熱し、パティキュレートフィルタ10、20の入口端面中央に配設した熱電対によって測定されるパティキュレートフィルタ10、20の温度が640℃になると、NガスにOガスを導入し、N/O混合ガス(N:O=80:20(体積比))によってパティキュレートフィルタ10、20に堆積したカーボンを燃焼させた。カーボンの燃焼に伴ってパティキュレートフィルタ10、20の温度が上昇し、パティキュレートフィルタ10、20の出口端面中央に配設した熱電対によって測定されるパティキュレートフィルタの温度を、Oガスの導入時からの時系列で測定した。
図11は、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの出口端面中央の温度の測定結果を示すグラフである。図11では、Oガスの導入時からの時間を横軸にとり、パティキュレートフィルタの出口端面中央の温度を縦軸にとって表示し、流入側セル11と流出側セル12の開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタ10のカーボン燃焼時におけるパティキュレートフィルタ10の出口端面中央の温度曲線L1を一点鎖線で示し、流入側セル21の開口面積を流出側セル22の開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタ20の出口端面中央の温度曲線L2を実線で示している。
図11から分かるように、流入側セル11と流出側セル12の開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタ10では、パティキュレートフィルタの出口端面中央の温度T0が約570℃である状態からパティキュレートフィルタに堆積したカーボンの燃焼が開始され、カーボンの燃焼に伴ってパティキュレートフィルタの出口端面中央の温度が上昇し、パティキュレートフィルタの出口端面中央の温度T1が最高温度約685℃である状態を経て、温度が次第に低下する。
一方、流入側セル21の開口面積を流出側セル22の開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタ20では、カーボン燃焼時に、流入側セル11と流出側セル12の開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタ10に比べて、パティキュレートフィルタの温度上昇度合いが大きくなっている。また、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの最高温度T2が約740℃であり、流入側セル11と流出側セル12の開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタ10の最高温度T1よりも高くなっている。
これらの結果から、本願発明者は、流入側セル21の開口面積を流出側セル22の開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタ20では、流入側セル11と流出側セル12の開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタ10に比べて、パティキュレートフィルタが過昇温状態になる、すなわち、パティキュレートフィルタ20の最高温度が高くなるとともにパティキュレートフィルタ20の温度上昇度合いが大きくなることを見出した。
このように、流入側セル21の開口面積を流出側セル22の開口面積よりも大きく形成しパティキュレートフィルタ20に触媒材を担持させた場合、パティキュレートフィルタの再生処理時に、パティキュレートフィルタ20が過昇温状態になり、パティキュレートフィルタが溶損したり割れたりする畏れがあるが、本実施形態では、パティキュレートフィルタ20に触媒材を担持させる際に、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分に触媒材を充填し、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分を除く部分にセル壁の凹状に窪む部分に充填した触媒材よりも薄い状態あるいは触媒材を点在させた状態で触媒材を担持させることで、かかる問題を回避する。
以下、本実施形態に係るパティキュレートフィルタについて、図1〜8を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るパティキュレートフィルタを模式的に示す正面説明図、図2は、前記パティキュレートフィルタの要部を示す断面説明図である。
本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1は、所謂ウォールフロータイプのパティキュレートフィルタであって、例えばディーゼルエンジン等のエンジンの排気経路に介設され、該エンジンから排出される排気ガスに含まれる煤などのPMを捕集するためのものであり、図1に示すように、円柱状に形成され、その外周部が外周塗布材2によって覆われている。
パティキュレートフィルタ1は、排気ガスの流れ方向に沿って平行に延びる複数の流入側セル5と、排気ガスの流れ方向に沿って延びる複数の流出側セル6と、流入側セル5と流出側セル6とを区画するセル壁3とを備え、例えば炭化珪素(SiC)などの材料からハニカム状に成形されている。流入側セル5は、排気ガスの流れ方向上流側端面が開口し、排気ガスの流れ方向下流側端面を目封止する目封止部5aによって排気ガスの流れ方向下流側端面が目封じされている。一方、流出側セル6は、排気ガスの流れ方向下流側端面が開口し、排気ガスの流れ方向上流側端面を目封止する目封止部6aによって排気ガスの流れ方向上流側端面が目封じされている。
パティキュレートフィルタ1では、図10に示すパティキュレートフィルタ20と同様に、流入側セル5と流出側セル6とが略市松模様状に配置され、流入側セル5のセル間隔と流出側セルのセル間隔との比が1.3に設定され、流入側セル5の排気ガスの流入側端面の開口面積が流出側セル6の排気ガスの流出側端面の開口面積よりも大きく形成されている。また、パティキュレートフィルタ1では、パティキュレートフィルタ20と同様に、流入側セル5と流出側セル6とが略断面正方形状に区画され、具体的には、流入側セル5が八角柱状に開口され、流出側セル6が四角柱状に開口され、セル壁3の厚さが略一定となるように形成されている。
図3は、前記パティキュレートフィルタのセル壁を拡大して示す断面説明図であり、図3では、セル壁にPMが堆積した状態が示されている。なお、図3では、セル壁に担持された触媒材を取り除いて示している。また、図4は、図3のA部を拡大し、パティキュレートフィルタに担持される触媒材を示す断面説明図であり、図4では、セル壁に堆積したPMを取り除いて示している。
図3に示すように、流入側セル5と流出側セル6とを区画するセル壁3には、多数の流通孔8が形成され、図3では、セル壁3の一部の断面のみを示しているために多数の流通孔8が繋がって示されていないが、流通孔8は、流入側セル5から流出側セル6まで繋がっており、該流通孔8を通じて、排気ガスが流入側セル5から流出側セル6へ流通することができるようになっている。
また、パティキュレートフィルタ1のセル壁3には、排気ガス中に含まれるPMの燃焼を促進させる触媒材9が担持され、触媒材9は、流入側セル5や流出側セル6を区画するセル壁3の表面3aや流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに担持されている。流通孔8は、凹凸を有する複雑な形状で形成されており、本実施形態では、図4に示すように、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに担持される触媒材9が、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに充填され、流通孔8を形成するセル壁3の凸状に突出する部分や平坦な部分など流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bに、セル壁3の凹状に窪む部分8aに充填された触媒材9よりも薄い状態で触媒材9が担持されている。
このようにして触媒材9が担持されたパティキュレートフィルタ1では、図2に示すように、排気ガスの流れ方向上流側端面が開口した流入側セル5から流入した排気ガスは、セル壁3に設けられた流通孔8を通じて、排気ガスの流れ方向下流側端面が開口した流出側セル6へ流れて排出され、その間に排気ガスに含まれる煤などのPMが捕集されるようになっている。この捕集されたPMは、図3に示すように、セル壁3の表面3aに堆積するだけでなく、セル壁3に設けられる流通孔8にも堆積することとなる。
本実施形態ではまた、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに触媒材9を充填し、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bに凹状に窪む部分8aに充填した触媒材9よりも薄い状態で触媒材9を担持させたパティキュレートフィルタ(実施例)について、カーボンの燃焼性及びパティキュレートフィルタの熱引き性について評価した。
なお、流通孔を形成するセル壁の内壁面に触媒材を均一に薄い状態で担持させたパティキュレートフィルタを比較例1として用い、流通孔を形成するセル壁の内壁面に触媒材を均一に厚い状態で担持させたパティキュレートフィルタを比較例2として用い、これらについても、カーボンの燃焼性及びパティキュレートフィルタの熱引き性について評価した。比較例1及び比較例2では、図10に示すパティキュレートフィルタ20と同様のパティキュレートフィルタを用いた。
図5は、比較例として用いるパティキュレートフィルタに触媒材が担持された状態を説明するための説明図であり、図5の(a)は、比較例1として用いるパティキュレートフィルタにおいて、流通孔を形成するセル壁の内壁面に触媒材が均一に薄い状態で担持された状態を示し、図5の(b)は、比較例2として用いるパティキュレートフィルタにおいて、流通孔を形成するセル壁の内壁面に触媒材が均一に厚い状態で担持された状態を示している。なお、図5では、実施例として用いるパティキュレートフィルタ1と担持される触媒材の状態が異なる以外は同様であり、同様の構成については同一符号を付している。
図5(a)に示すように、比較例1として用いるパティキュレートフィルタでは、セル壁3に担持される触媒材9は、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに均一に比較的薄く担持され、一方、図5(b)に示すように、比較例2として用いるパティキュレートフィルタでは、セル壁3に担持される触媒材9は、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに均一に比較的厚く担持される。
(触媒材の調製)
次に、カーボンの燃焼性及びパティキュレートフィルタの熱引き性について評価するに際し、パティキュレートフィルタに担持させる触媒材の調製方法について説明する。
本実施形態では、CeZr複合酸化物粉末(Zr=30mol%)と、ランタン(La)が5wt%添加された高比表面積アルミナ粉末との混合粉末(CeZr複合酸化物粉末:高比表面積アルミナ粉末=1:3(質量比))に対して、ジニトロジアミン白金硝酸溶液及びイオン交換水を加えて混合し、混合後に蒸発乾固させ、十分に乾燥させた後、大気中において500℃の温度に2時間保持することにより焼成し、CeZr複合酸化物粉末とランタン(La)が添加されたアルミナ粉末とにPtが担持された触媒粉末(触媒材)を得た。
なお、触媒材9として、CeZr複合酸化物粉末と高比表面積アルミナ粉末との混合粉末とにPtを担持させた触媒粉末を用いているが、これに限定されるものでなく、PMの燃焼を促進させるその他のCeZr系複合酸化物などを用いることも可能である。また、貴金属として、Ptを使用しているが、例えばPdなどのその他の貴金属を使用することも可能である。
(触媒材のコーティング)
次に、上記触媒材をパティキュレートフィルタにコーティングする方法について説明する。図6は、実施例、比較例1及び比較例2について、パティキュレートフィルタに触媒材を担持させる方法を説明するための図である。
実施例については、上記触媒材に、バインダーとイオン交換水とを混合し、粘度2.6mPa・sのスラリーを調製し、このスラリーにパティキュレートフィルタ1を浸漬させるとともに他方の端部においてアスピレータによる吸引を行い、吸引により除去できないスラリーは、上記スラリーに浸漬させた端面よりブロー圧4kg/cmでエアブローを行って除去し、ウォッシュコートする。そして、ウォッシュコートしたパティキュレートフィルタを乾燥させる。なお、前記粘度は、リオン株式会社製、ビィスコテスター(VT−03)を用いて測定した。
実施例では、この乾燥させたパティキュレートフィルタをまた、上記触媒材にバインダーとイオン交換水とを混合して調製される粘度1.5mPa・sのスラリーに浸漬させるとともに他方の端部においてアスピレータによる吸引を行い、吸引により除去できないスラリーは、上記スラリーに浸漬させた端面よりブロー圧1kg/cmでエアブローを行って除去し、再びウォッシュコートする。そして、ウォッシュコートを2回行ったパティキュレートフィルタ1を乾燥させ、該乾燥後に、大気中で500℃の温度に2時間保持することにより焼成した。なお、ウォッシュコート量は、60g/L(パティキュレートフィルタの1L当たり60g)に設定し、Ptの担持量は、2g/L(パティキュレートフィルタの1L当たり2g)に設定した。
このようにして、セル壁3に触媒材9を担持させた実施例として用いるパティキュレートフィルタ1を得た。実施例として用いるパティキュレートフィルタ1では、粘度の高いスラリーと粘度の低いスラリーをそれぞれ異なるブロー圧でエアブローすることにより、図4に示すように、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに触媒材9が充填され、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bにセル壁3の凹状に窪む部分8aに充填された触媒材9よりも薄い状態で触媒材9が担持される。なお、セル壁3の表面3aにおいても、セル壁3の凹状に窪む部分に触媒材が充填され、セル壁3の凹状に窪む部分を除く部分にセル壁の凹状に窪む部分に充填された触媒材よりも薄い状態で触媒材が担持されている。
一方、比較例1については、パティキュレートフィルタを、上記触媒材にバインダーとイオン交換水とを混合して調製される粘度1.7mPa・sのスラリーに浸漬させるとともに他方の端部においてアスピレータによる吸引を行い、吸引により除去できないスラリーは、上記スラリーに浸漬させた端面よりブロー圧1kg/cmでエアブローを行って除去し、ウォッシュコートした。そして、ウォッシュコートしたパティキュレートフィルタを乾燥させ、該乾燥後に、大気中で500℃の温度に2時間保持することにより焼成した。なお、ウォッシュコート量は、20g/Lに設定した。
このようにして、セル壁3に触媒材9を担持させた比較例1として用いるパティキュレートフィルタを得た。比較例1として用いるパティキュレートフィルタでは、粘度の低いスラリーを用いて、図5(a)に示すように、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9が薄く均一に担持されている。なお、セル壁3の表面3aにおいても、触媒材が薄く均一に担持されている。
また、比較例2については、パティキュレートフィルタを、上記触媒材にバインダーとイオン交換水とを混合して調製される粘度2.6mPa・sのスラリーに浸漬させるとともに他方の端部においてアスピレータによる吸引を行い、吸引により除去できないスラリーは、上記スラリーに浸漬させた端面よりブロー圧1kg/cmでエアブローを行って除去し、ウォッシュコートした。そして、ウォッシュコートしたパティキュレートフィルタを乾燥させ、該乾燥後に、大気中で500℃の温度に2時間保持することにより焼成した。なお、ウォッシュコート量は、60g/Lに設定した。
このようにして、セル壁3に触媒材9を担持させた比較例2として用いるパティキュレートフィルタを得た。比較例2として用いるパティキュレートフィルタでは、粘度の高いスラリーを用いて、図5(b)に示すように、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9が厚く均一に担持されている。なお、セル壁3の表面3aにおいても、触媒材が厚く均一に担持されている。
なお、実施例、比較例1及び比較例2として用いるパティキュレートフィルタ1はそれぞれ、流入側セルの開口面積が流出側セルの開口面積よりも大きく形成され、セル密度が1平方インチ(約6.45cm)当たり300個であり、セルを隔てる壁厚が12ミル(約0.3mm)であり、直径17mm、長さ50mm、容量11ccのものを使用した。
(カーボンの燃焼性評価)
次に、実施例、比較例1及び比較例2のパティキュレートフィルタ1を用いて、カーボンの燃焼性を評価した。
カーボンの燃焼性を評価するために、先ず、10g/Lのカーボンブラックにイオン交換水を10cc加え、スターラを用いてカーボンブラックを5分間混合して十分に分散させた混合液に、実施例、比較例1及び比較例2として用いるパティキュレートフィルタについてそれぞれの一方の端部を浸漬させるとともに、他方の端部においてアスピレータによる吸引を行った。
この吸引により除去できない水分は、上記混合液に浸漬させた端面よりエアブローを行って除去した。そして、このパティキュレートフィルタを、例えば150℃等の温度で2時間保持することにより乾燥させた。このようにして、実施例、比較例1及び比較例2についてカーボンの燃焼性を評価するための評価用サンプルを作製した。
上記評価用サンプルを、固定床式のモデルガス流通装置に取り付け、モデルガスを流し、カーボンの燃焼により生成されるCO及びCOの量を測定した。このモデルガスのガス組成は、以下の表1に示しており、モデルガスの総流量に対する割合で表示している。
Figure 2009243273
上記CO及びCO量に対し、以下の式を用いてカーボン燃焼速度を算出した。
カーボン燃焼速度(g/h・L)
={ガス流速(L/h)×[(CO+CO2)濃度(ppm)/1×106]}×40×12/22.4
上記カーボン燃焼速度は、触媒に流入させる上記モデルガスのガス温度を常温から漸次上昇させ、触媒入口のガス温度が590℃であるときに生成されるCO及びCOの量を測定して評価する。なお、上記カーボン燃焼性評価では、空間速度が80000h−1、昇温速度は15℃/分とした。
図7には、実施例、比較例1及び比較例2について、カーボン燃焼速度を示したグラフが表されている。図7では、実施例、比較例1及び比較例2として用いたパティキュレートフィルタのカーボン燃焼速度を縦軸にとって表示し、カーボン燃焼速度を表すグラフの上方に各カーボン燃焼速度のデータを表示している。
図7に示されるように、カーボン燃焼速度について、比較例1では0.8g/hであるのに対し、比較例2では0.94g/hであり、実施例1では0.96g/hであった。すなわち、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9を薄く担持させたパティキュレートフィルタ(比較例1)に対し、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9を厚く担持させたパティキュレートフィルタ(比較例2)、及び、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに触媒材9を充填させ、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bに凹状に窪む部分8aに充填させた触媒材9よりも薄い状態で触媒材9を担持させたパティキュレートフィルタ(実施例1)では、カーボン燃焼速度が高いことが分かる。
このように、パティキュレートフィルタ1に触媒材9を担持させる際に、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに充填し、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bに凹状に窪む部分8aに充填した触媒材9よりも薄い状態で触媒材9を担持させることで、触媒材のウォッシュコート量が同程度であれば、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材を均一に担持させた場合と同程度のカーボン燃焼速度を得ることができることが分かる。
(パティキュレートフィルタの熱引き性評価)
また、実施例、比較例1及び比較例2のパティキュレートフィルタ1を用いて、パティキュレートフィルタの熱引き性を評価した。
実施例、比較例1及び比較例2のパティキュレートフィルタに対し、PMの代わりにカーボンブラックを7.5g/L均一に堆積させてパティキュレートフィルタの熱引き性を評価するための評価用サンプルを作製し、パティキュレートフィルタの再生処理時におけるパティキュレートフィルタの温度を模擬したカーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度を測定した。
カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度測定では、電気炉内に設置した円筒状の石英管の内部に、カーボンを堆積させたパティキュレートフィルタを挿入するとともにパティキュレートフィルタの入口端面中央及び出口端面中央にそれぞれ熱電対を配設した。そして、石英管の一方の端部から評価ガスを導入し、カーボンを燃焼させ、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度を測定した。
この試験では、パティキュレートフィルタの入口端面中央に配設した熱電対によって測定されるパティキュレートフィルタの温度が640℃になるまで、Nガスを空間速度37,000/hで流しながら電気炉によって加熱し、パティキュレートフィルタの入口端面中央に配設した熱電対によって測定されるパティキュレートフィルタの温度が640℃になると、NガスにOガスを導入し、N/O混合ガス(N:O=80:20(体積比))を空間速度44,000/hで流しながらパティキュレートフィルタに堆積したカーボンを燃焼させた。カーボンの燃焼に伴ってパティキュレートフィルタの温度が上昇し、パティキュレートフィルタの出口端面中央に配設した熱電対によって測定されるパティキュレートフィルタの温度を、Oガスの導入時からの時系列で測定した。
図8は、実施例、比較例1及び比較例2について、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度の測定結果を示すグラフである。図8では、Oガスの導入時からの時間を横軸にとり、パティキュレートフィルタの出口端面中央の温度を縦軸にとって表示し、実施例として用いたパティキュレートフィルタの温度曲線を実線で示し、比較例1として用いたパティキュレートフィルタの温度曲線を破線で示し、比較例2として用いたパティキュレートフィルタの温度曲線を一点鎖線で示している。
図8から分かるように、カーボン燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度については、比較例1では、パティキュレートフィルタの温度が約570℃である状態からパティキュレートフィルタに堆積したカーボンの燃焼が開始され、カーボンの燃焼に伴ってパティキュレートフィルタの温度が上昇し、パティキュレートフィルタの温度が最高温度約740℃である状態を経て、パティキュレートフィルタの温度が次第に低下する。また、比較例2では、カーボン燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度は、比較例1に比べて、パティキュレートフィルタの温度上昇度合いが大きくなるとともに、パティキュレートフィルタの最高温度が高くなっている。
すなわち、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9を薄く担持させたパティキュレートフィルタ(比較例1)に対し、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9を厚く担持させたパティキュレートフィルタ(比較例2)では、触媒材のウォッシュコート量が多くカーボンの燃焼性が優れていることから、パティキュレートフィルタの再生処理時におけるパティキュレートフィルタの温度上昇度合い及び最高温度が高くなることが分かる。
これに対し、カーボン燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度について、実施例では、比較例1に比べて、パティキュレートフィルタの温度上昇度合い及び最高温度が高くなるものの、比較例2に比べて、パティキュレートフィルタの温度上昇度合い及び最高温度が低くなっている。
すなわち、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに触媒材9を充填させ、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bに凹状に窪む部分8aに充填した触媒材9よりも薄い状態で触媒材9を担持させたパティキュレートフィルタ(実施例)では、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9を薄く担持させたパティキュレートフィルタ(比較例1)に対し、触媒材のウォッシュコート量が多くカーボンの燃焼性が優れていることから、パティキュレートフィルタの再生処理時におけるパティキュレートフィルタの温度上昇度合い及び最高温度が高くなるものの、流通孔8を形成するセル壁3の内壁面3bに触媒材9を厚く担持させたパティキュレートフィルタ(比較例2)に比べ、パティキュレートフィルタの再生処理時に、パティキュレートフィルタの温度上昇度合い及び最高温度が低くなっている。実施例では、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bに触媒材9を薄い状態で担持させたことにより、この薄い状態で触媒材9が担持された部分8bを通じて、カーボンの燃焼熱をセル壁3により伝達することができ、比較例2に比べて、パティキュレートフィルタの熱引き性が向上したものと考えられる。
このように、パティキュレートフィルタに触媒材を担持させる際に、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに触媒材9を充填し、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bには触媒材9を薄い状態で担持させることで、触媒材のウォッシュコート量が同程度であっても、触媒材を流通孔8の内壁面3bに均一に堆積させた場合に比して、パティキュレートフィルタの再生処理時に、パティキュレートフィルタの温度上昇度合い及び最高温度を低下させることができる。
なお、本実施形態では、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分に触媒材を充填し、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分を除く部分に凹状に窪む部分に充填した触媒材よりも薄い状態で触媒材を担持させているが、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分を除く部分に触媒材を点在させた状態で触媒材を担持するようにしてもよい。
また、本実施形態では、粘度の高いスラリー及び粘度の低いスラリーを用いてウォッシュコートを2回行い、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分に触媒材を充填し、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分を除く部分に凹状に窪む部分に充填した触媒材よりも薄い状態で触媒材を担持させているが、スラリーの粘度及びエアブローのブロー圧を好適に設定し、1回のウォッシュコートで、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分に触媒材を充填し、流通孔を形成するセル壁の凹状に窪む部分を除く部分に凹状に窪む部分に充填した触媒材よりも薄い状態あるいは触媒材を点在させた状態で触媒材を担持させるようにしてもよい。
このように、本実施形態に係るパティキュレートフィルタ1によれば、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aに触媒材9が充填され、流通孔8を形成するセル壁3の凹状に窪む部分8aを除く部分8bにセル壁3の凹状に窪む部分8aに充填された触媒材9よりも薄い状態あるいは触媒材を点在させた状態で触媒材9が担持されることにより、パティキュレートフィルタの再生処理時に、PMの燃焼性を確保するとともに、パティキュレートフィルタの熱引きを良好にすることができ、パティキュレートフィルタが過昇温状態になることを抑制することができる。これにより、流入側セルの開口面積が流出側セルの開口面積よりも大きく形成されたパティキュレートフィルタに触媒材を担持させる場合においても、パティキュレートフィルタが溶損したり割れたりすることを防止することができる。
なお、パティキュレートフィルタ1では、流入側セル5が八角柱状に開口され、流出側セル6が四角柱状に開口されているが、流入側セル5の開口面積を流出側セル6の開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタであれば、例えば流入側セル5及び流出側セル6を円柱状など他の形状に成形するようにしてもよい。
以上のように、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタに関するものであり、例えば希薄燃焼ガソリンエンジン又はディーゼルエンジンなどを備えた車両の排気系に好適に適用することができる。
本実施形態に係るパティキュレートフィルタを模式的に示す正面説明図である。 前記パティキュレートフィルタの要部を示す断面説明図である。 前記パティキュレートフィルタのセル壁を拡大して示す断面説明図である。 図3のA部を拡大し、パティキュレートフィルタに担持される触媒材を示す断面説明図である。 比較例として用いるパティキュレートフィルタに触媒材が担持された状態を説明するための説明図である。 実施例、比較例1及び比較例2について、パティキュレートフィルタに触媒材を担持させる方法を説明するための図である。 実施例、比較例1及び比較例2について、カーボン燃焼速度を示したグラフである。 実施例、比較例1及び比較例2について、カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度の測定結果を示すグラフである。 流入側セルと流出側セルの開口面積を等しく形成したパティキュレートフィルタの一部を模式的に示す正面説明図である。 流入側セルの開口面積を流出側セルの開口面積よりも大きく形成したパティキュレートフィルタの一部を模式的に示す正面説明図である。 カーボンの燃焼時におけるパティキュレートフィルタの温度の測定結果を示すグラフである
符号の説明
1 パティキュレートフィルタ
3 セル壁
5 流入側セル
6 流出側セル
7 パティキュレート
8 流通孔
8a セル壁の凹状に窪む部分
8b セル壁の凹状に窪む部分を除く部分
9 触媒材

Claims (1)

  1. 排気ガスの流れ方向下流側端面が目封じされた複数の流入側セルと、排気ガスの流れ方向上流側端面が目封じされた複数の流出側セルと、排気ガスが流れる流通孔を有し前記流入側セルと前記流出側セルとを区画するセル壁とを備え、前記流入側セルの開口面積が前記流出側セルの開口面積よりも大きく形成されたパティキュレートフィルタであって、
    前記流通孔を形成する前記セル壁の凹状に窪む部分に排気ガス中に含まれるパティキュレートの燃焼を促進させる触媒材が充填され、前記流通孔を形成する前記セル壁の凹状に窪む部分を除く部分に前記セル壁の凹状に窪む部分に充填された前記触媒材よりも薄い状態あるいは前記触媒材を点在させた状態で前記触媒材が担持されていることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
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